JPH0838547A - 吸収性衛生用品 - Google Patents

吸収性衛生用品

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JPH0838547A
JPH0838547A JP6180655A JP18065594A JPH0838547A JP H0838547 A JPH0838547 A JP H0838547A JP 6180655 A JP6180655 A JP 6180655A JP 18065594 A JP18065594 A JP 18065594A JP H0838547 A JPH0838547 A JP H0838547A
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JP
Japan
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water
layer
absorbent
surface layer
polyvinyl alcohol
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JP6180655A
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English (en)
Inventor
Yasuki Yabushita
安紀 薮下
Kimitaka Nishimura
公孝 西村
Eiichi Itoi
栄一 糸井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着用時においては体液の吸収性・保持性等が
良好で、廃棄時には水洗トイレ等の水によって、全体が
容易に溶解もしくは分散することが可能な吸収性衛生用
品を提供する。 【構成】 透水性表面層、吸収層及び防水性裏面層より
なる吸収性衛生用品において、透水性表面層は水に分散
する不織布からなり、吸収層は水に分散する吸水紙及び
/又は吸水綿からなり、防水性裏面層は水溶性ポリビニ
ルアルコールよりなるフイルムに酢酸ビニル・塩化ビニ
ル・メチルメタクリレート共重合体層が積層された積層
フイルムからなり、この層の酢酸ビニル・塩化ビニル・
メチルメタクリレート共重合体の層が吸収層に接する側
に配置されている吸収性衛生用品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水洗トイレ等に投棄可
能な吸収性衛生用品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁
者用パッド等の吸収性衛生用品は、血液、尿などの体液
や糞便等の水分を速やかに吸収し、長時間保持し、漏れ
ないことが要求される。そのために、これらの吸収性衛
生用品は、透水性表面層、吸収層及び防水性裏面層とい
う基本構造になっているのが、一般的である。そして、
防水性を維持するために、防水性裏面層としてポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の疎水性の合成
樹脂や繊維が一部に用いられているが、このような疎水
性の合成樹脂や繊維を用いると、使用後水洗トイレ等に
投棄できず、廃棄処理に問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、着用
時においては体液の吸収性・保持性等が良好で、廃棄時
には水洗トイレ等の水によって、全体が容易に溶解もし
くは分散することが可能な吸収性衛生用品の提供にあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、吸収性衛生用品を後
述するような特定の構造にすると、着用時においては体
液の吸収性・保持性等が良好で、使用後水洗トイレ等に
投棄可能で、廃棄処理が容易な吸収性衛生用品を得るこ
とができるという知見を得、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明の要旨は、透水性表面層、吸収層及び防水性
裏面層よりなる吸収性衛生用品において、透水性表面層
は水に分散する不織布からなり、吸収層は水に分散する
吸水紙及び/又は吸水綿からなり、防水性裏面層は水溶
解性ポリビニルアルコールよりなるフイルムに酢酸ビニ
ル・塩化ビニル・メチルメタクリレート共重合体層が積
層された積層フイルムからなり、この層の酢酸ビニル・
塩化ビニル・メチルメタクリレート共重合体の層が吸収
層に接する側に配置されていることを特徴とする吸収性
衛生用品である。
【0005】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。図1及び図2は本発明の吸収性衛生用品の例を示
す断面図である。図1及び図2において、吸収性衛生用
品は、透水性表面層1、防水性裏面層2及び吸収層3か
らなる。防水性裏面層2は酢酸ビニル・塩化ビニル・メ
チルメタクリレート共重合体よりなる層2aとポリビニ
ルアルコールよりなるフイルム層2bが積層された積層
フイルムからなり、酢酸ビニル・塩化ビニル・メチルメ
タクリレート共重合体よりなる層2aは吸収層3と接す
る側に配置されている。透水性表面層1と防水性裏面層
2は内側に吸収層3を包み込んで両層の端部4、4’で
一体化しているが、一体化の方法としては、この限りで
はない。本発明の吸収性衛生用品の大きさ、長さ、厚
さ、形状等は使用目的に応じて任意の寸法にすることが
できる。
【0006】透水性表面層1は、水に分散可能な不織布
よりなり、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、レーヨン、綿等の繊維を水溶
性のポリビニルアルコールをバインダーとして不織布に
したものが用いられる。さらに好適にはポリカプロラク
トン等の脂肪族ポリエステル、セルロース等の生分解性
ポリマー繊維を用いることが好ましい。これらの繊維の
繊維長は、必要に応じて任意に決定できるが、10〜7
0mmにするのが好ましい。10mm未満では不織布か
らの繊維の脱落や耐水性が低下する傾向にあり、70m
mを超えると水に分散しにくくなる傾向にある。
【0007】バインダーとして用いる水溶性ポリビニル
アルコールは、鹸化度が60〜98モル%であり、およ
そ40℃以下の水に溶解もしくは膨潤あるいは分散する
ものが好ましく、特に30℃以下の水に溶解もしくは分
散し、かつ、およそ35℃以上の温水に不溶なものが好
ましい。鹸化度が60モル%未満では水溶性が低下し、
有機溶剤が必要となる傾向にあり、鹸化度が98モル%
を超えると温水可溶性となり、40℃以下の水に不溶と
なる傾向にある。
【0008】透水性表面層における水溶性ポリビニルア
ルコールの使用割合は、必要に応じて任意に決定できる
が、3〜70重量%にするのが好ましい。3重量%未満
ではバインダーとしての効果が低く、ポリアミド、ポリ
エステル等の繊維が脱落しやすくなる傾向にあり、70
重量%を超えると少量の水または水分によって溶解が進
み、耐水性の低下や不快感が起こる傾向にある。
【0009】透水性表面層は体液を速やかに吸収層に移
行させて、体液と身体との接触を軽減させること、吸収
層を防水性裏面層とともに内側に挟み込んで保持するこ
とを主な目的とする。したがって吸収層の保水機能が充
分であれば、身体に装着中、長時間にわたって大量の体
液に曝されることはなく、不織布の形態と要求される機
能を維持することができる。特におよそ35℃以上の温
水に不溶なポリビニルアルコールをバインダーとして用
いると、排泄直後の比較的高温の体液に対して耐分散性
を付与することができる。使用後、身体から脱着し水洗
トイレ等に投棄する際に、多量の水によって分散され
る。
【0010】吸収層は水中で分散する吸水紙及び/又は
吸水綿よりなり、例えばトイレットペーパー、綿状パル
プよりなるものが用いられる。また、これらにデンプン
−アクリル酸共重合体、カルボキシメチル化セルロー
ス、カルボキシメチル化レーヨン、キチン、キトサン等
の高吸水性ポリマーを混合したものなどを用いることが
できる。これら高吸水性ポリマーの吸水紙及び/又は吸
水綿への配合量は必要に応じて任意に決定できるが、2
〜30重量%にするのが好ましい。配合量が2重量%未
満では多量の水を吸収できずに透水性表面層及び皮膚に
逆流する恐れがあり、30重量%を超えると吸水時の体
積膨潤によって透水性表面層、防水性裏面層及びその接
着層を破壊することがある。高吸水性ポリマーは吸水紙
及び/又は吸水綿を構成する繊維間に分散し安定に支持
される。このような構造にすることによって、装着時に
は体液は吸収層に安定に保持され、廃棄時には水洗トイ
レの多量の水によって分散する。
【0011】防水性裏面層は、水溶性ポリビニルアルコ
ールからなるフイルムに水不透過性の酢酸ビニル・塩化
ビニル・メチルメタクリレート共重合体の層を積層した
積層フイルムよりなる。防水性裏面層に用いるポリビニ
ルアルコールは、鹸化度が70〜98モル%であり、お
よそ40℃以下の水に溶解もしくは膨潤あるいは分散す
るものが好ましい。鹸化度が70モル%未満では水に溶
けなくなる傾向にあり、鹸化度が98モル%を超えると
温水可溶性となり、40℃以下の水に不溶となる傾向に
ある。
【0012】また、ポリビニルアルコールフイルムに、
積層する共重合体は、酢酸ビニル、塩化ビニル及びメチ
ルメタクリレートの3成分より得られる共重合体であ
り、耐水性を有する。共重合体における酢酸ビニル、塩
化ビニル、メチルメタクリレートの成分比率は各々1〜
70:15〜65:15〜34(モル%)であることが
好ましい。さらに好ましい成分比率は、各々6〜10:
57〜62:27〜32(モル%)である。1〜70:
15〜65:15〜34(モル%)の範囲以外ではポリ
ビニルアルコールとの接着性が損なわれたり、積層され
た膜が脆くなり防水性が低下する傾向にある。
【0013】共重合体には、耐水及び崩壊時間の調整な
らびに増粘剤としてポリ酢酸ビニルを加えてもかまわな
い。添加するポリ酢酸ビニルとしては、積層される耐水
層の表面硬さ、柔軟性、及び水による膨潤度を調整する
ために、ポリ酢酸ビニルの重合度は100〜2000の
ものを用いるのが好ましい。
【0014】防水性裏面層で用いられるポリビニルアル
コールは、フイルム強度あるいは積層面の塗膜強度を高
めるためにポリビニルアルコールのゲル化促進剤を含ん
でもかまわない。ポリビニルアルコールのゲル化促進剤
とは、ポリビニルアルコールに対して凝析効果を有する
塩類やポリビニルアルコールとジオール型の化学結合等
が可能である物質等をいう。本発明に好ましく用いられ
る塩類としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、
硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム等
の硫酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硝酸ア
ルミニウム等の硝酸塩、リン酸ナトリウム等のリン酸
塩、クロム酸カリウム等のクロム酸塩等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコールと上記化学結合が可能な物
質としては、硼酸、硼酸塩、硼砂や銅、アルミニウム、
チタン、ジルコニウム、スズ、バナジウム等の化合物が
挙げられる。
【0015】これらのゲル化促進剤をポリビニルアルコ
ール中に混合する場合の割合は、各ゲル化促進剤のゲル
化能力によって異なるが、ポリビニルアルコールのビニ
ルアルコール単位に対して30モル%以下、特に20モ
ル%以下であるものが好ましい。ゲル化剤濃度が30モ
ル%を超えると、フイルムの水溶性が充分に得られず、
目的とするフイルム性能が得られにくい。
【0016】また、ポリビニルアルコールフイルムの柔
軟性をよくするために、フイルムの性能を損なわない程
度に可塑剤を添加してもよい。可塑剤としては、例え
ば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等が挙
げられる。
【0017】防水性裏面層のポリビニルアルコールフイ
ルムは、公知の方法で製造することが可能である。例え
ば、ポリビニルアルコールを、適当な温度の水に溶解、
膨潤もしくは分散させた後、脱泡、流延、乾燥という工
程を経て製造できる。フイルム強度を増大させるため
に、熱処理工程を加えてもかまわない。
【0018】防水性裏面層に用いるポリビニルアルコー
ルフイルムの厚みは特に制限はないが、通常、25〜2
50μmにするのが好ましい。25μm未満ではフィル
ム強度が低いために、吸水層に多量の水分を含有した場
合や激しい動き等による磨耗、引っ張り等による機械的
な力を受けた場合にフィルムが破損する恐れがあり、2
50μmを超えると水洗トイレに投棄した場合に溶解も
しくは分散するのに長時間を要する傾向にあり、また、
衛生用品としての実用的な厚みを超えたり、柔軟性を損
なう等の使用上の不便さを増長する傾向にある。
【0019】防水性裏面層は、以上のような条件で得ら
れたポリビニルアルコールフイルムの片面に、酢酸ビニ
ル・塩化ビニル・メチルメタクリレート3成分の共重合
体の溶液を公知の方法で積層することにより得られる。
例えば、共重合体を溶媒に溶解して溶液とし、この溶液
をポリビニルアルコールフイルム上に塗布し、溶媒を除
去することによって得られる。共重合体の溶媒として
は、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ベンゼン、トルエン、ア
セトン、メチルエチルケトン、トリクロルエチレン、ジ
クロロメタン等が挙げられる。
【0020】また、共重合体層の厚みは、通常0.05
〜20μm程度であることが好ましく、これ以下では充
分な水不透過性が得られず、また、これ以上ではフイル
ム全体としての水に対する溶解性や分散性に悪影響を及
ぼす。
【0021】さらに、防水性裏面層のポリビニルアルコ
ールフイルム層を着色するため、フイルムの性能及び強
度を損なわない程度に着色剤を添加してもかまわない。
着色剤としては、例えば、ベンゾプルプリン4BKX
(Benzopurpurine 4BKX)、ニッポンオレンジGC
(Nippon Orange GC)、クリソフェニンNS(chryso
phenine NS)、ダイレクトスカイブルー5B(Direct
Sky Blue 5B)、ニッポンファーストバイオレットB
B(Nippon Fast Violet BB)、ダイレクトブラウン
M(Direct Brown M)、ニッポンディープブラックエ
キストラ(NipponDeep Black Extra)、サルファーイ
ンディゴR(Sulphur Indigo R)、サルファーブラッ
クBC(Sulphur Black BC)、ミケスレンブルーRS
(Mikethrene BlueRS)、ナフトールAS(Naphtol
AS)、ファーストスカーレットGベース(Fast Scarl
et G Base )、ロゼリンNS(Rocceline NS)、ア
シッドブリリアントスカーレット3R(Acid Brilliant
Scarlet 3R)、クロムグリーンF(Chrome Green
F)、クロムブラックAC(Chrome Black AC)、ロ
ダミンB(Rhodamine B)、セリトンファーストピンク
F3B(Celliton Fast Pink F3B)、セリトンファ
ーストブルーFFR(Celliton Fast Blue FFR)等
が挙げられる。
【0022】防水性裏面層の耐水性をさらに高めるため
に、上記の共重合体層の上に、さらに撥水剤を塗布して
もよい。撥水剤として代表的な化合物を例示すると、パ
ラフィン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ジ
ルコニウム、シリコーン樹脂又はメチルヒドロポリシロ
キサンを主成分とし、触媒により網状化する反応性シリ
コーン化合物やピリジニウム塩型陽イオン界面活性剤、
メチロールステアラミド、オクタデシルエチレンウレア
等の反応性を有する長鎖の飽和炭化水素系化合物、さら
には、ペルフルオロアルキル基を側鎖に持つアクリル酸
ポリフルオロアルキルエステルを構成単位として含有す
る化合物やフッ素を主鎖に含む化合物が挙げられる。特
に、水、さらには油をはじく性質を有するペルフルオロ
アルキル基をもつ化合物を成分とする撥水剤が好ましく
用いられるが、用途に応じて他の撥水剤を用いてもかま
わない。また、撥水剤の塗布量、並びに塗布後の加熱処
理方法についての制限はない。これらの撥水剤は、撥水
性を持つ化合物を少量の界面活性剤を用いて水中に乳化
した状態のもの、あるいは溶媒中に分散・溶解したもの
が挙げられ、公知の方法で塗布し、用途に応じて乾燥、
熱処理を施せばよい。
【0023】防水性裏面層のポリビニルアルコールフィ
ルム層と共重合体層との接着性を高めるために、ポリビ
ニルアルコールフィルム層と共重合体層の間に水溶性ポ
リマーなどを接着剤として塗布してもよい。水溶性ポリ
マーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、デン
プン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
化セルロース、メチルセルロース、プルラン、キサンタ
ンガム、フタル酸・エチレングリコール共重合体などが
挙げられる。水溶性ポリマー以外のものとしては、例え
ば、アルギン酸などが挙げられる。
【0024】上記のような透水性表面層、吸収層及び防
水性裏面層を所定の形状にして吸収性衛生用品を得る。
すなわち、透水性表面層と防水性裏面層との内側に吸収
層を包み込んで、透水性表面層と防水性裏面層の端部を
一体化させる。一体化の方法としては、接着剤で接着す
る、加熱して融着する、粘着テープ等で粘着するなどで
ある。このとき、吸収層に接する側の防水性裏面層が酢
酸ビニル・塩化ビニル・メチルメタクリレート共重合体
の層となるように配置する。また、透水性表面層と防水
性裏面層の端部を一体化させる際の接着性を高めるため
に防水性裏面層の共重合体層の上又は共重合体層上に施
した撥水剤層の上に水溶性ポリマーなどを接着剤として
積層してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポ
リエチレンオキサイド、デンプン、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチル化セルロース、メチルセル
ロース、プルラン、キサンタンガム、フタル酸・エチレ
ングリコール共重合体などが挙げられる。水溶性ポリマ
ー以外のものとしては、例えば、アルギン酸などが挙げ
られる。
【0025】このような構成にすることによって、着用
時には体液の吸収・保持性がよいという機能を有し、廃
棄時には水洗トイレ等の水によって全体が容易に分散す
る吸収性衛生用品が得られる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0027】実施例1 A.透水性表面層 レーヨン繊維(繊維径10デニール、繊維長40mm)
50重量%とポリエチレン繊維(繊維径3デニール、繊
維長40mm)50重量%とを均一に混合し、得られた
繊維4gを、バインダーとなるポリビニルアルコール
「UP−200」(ユニチカ社製、鹸化度87〜89モ
ル%、重合度2000)の10%水溶液30l中で抄紙
し、目付け7g/m2 の水分散性不織布4.5gを得
た。
【0028】B.吸収層 繊維長約3mmの綿状パルプとアクリル酸・ビニルアル
コール共重合体からなる高吸水性ポリマー「スミカゲル
SP−510」(住友化学工業社製)とを重量比10:
1で混合し、綿状パルプの繊維と高吸水性ポリマーが均
一に分散した吸収綿を得た。一方、市販のトイレットペ
ーパーを幅11cm、長さ20cmに切断し、前記吸水
綿とトイレットペーパーを交互に積層して、100g/
cm2 の圧力でエンボス加工してシート状の吸収層とし
た。
【0029】C.防水性裏面層 水溶性のポリビニルアルコール「UP−180」(ユニ
チカ社製、鹸化度87〜89モル%、重合度1850)
20gをビーカーに採り、蒸留水を113ml加えて膨
潤させた後、90℃の湯浴中で強攪拌して溶解した。溶
液中の気泡を脱泡した後、この溶液をポリエチレンテレ
フタレートフイルム上に流延し、室温で一晩風乾し、剥
離しておよそ約80μmの厚さのポリビニルアルコール
フイルムを得た。一方、酢酸ビニル・塩化ビニル・メチ
ルメタクリレートの3成分(成分比率各々8:62:3
0)の共重合体の20%トルエン溶液「MCラッカー」
(明成化学社製)に酢酸ビニル樹脂「UMR−150
L」(ユニチカ社製、重合度1500)の30%トルエ
ン溶液を重量比7:3の割合で混合した後、得られた混
合液を前記のポリビニルアルコールフイルムにロールコ
ーティングにより塗布し、90℃で5分間乾燥して積層
フイルムを得た。積層した共重合体層の厚さはおよそ7
μmであった。積層フイルムの各々の面に水滴を落下さ
せたところ、ポリビニルアルコール層側からは穴が開い
たが共重合体層側からの変化はなかった。
【0030】D.吸収性衛生用品 以上のようにして得た透水性表面層、吸収層及び防水性
裏面層を、吸収層と防水性裏面層の水不透過性層が接す
るように配置し、透水性表面層と防水性裏面層との端部
を幅5mmの水溶性粘着両面テープ「#906」(住友
スリーM社製)で粘着し、一体化して吸収性衛生用品を
作製した。
【0031】E.各種試験結果 この吸収性衛生用品の透水性表面層に50mlの表1に
示す組成の人工尿を滴下し、60分間放置したが、防水
性裏面層からの漏水はみられなかった。また、吸収性衛
生用品に50gの人工尿を滴下し、透水性表面の上にろ
紙をのせ、吸収性衛生用品と同形のおもりを載せて25
g/cm2 の圧力をかけ5分間放置した後、ろ紙に滲出
した液量を測定したところ、吸収層から0.9gが逆移
行したにすぎなかった。同時に透水性表面層を観察した
ところ、不織布の形態はほぼ保たれていた。また、この
場合にも防水性裏面層からの漏水はみられなかった。
【0032】かかる試験の後、これら吸収性衛生用品を
和式水洗便器に投棄し、水中で1分間放置しフラッシュ
したところ、排水口につまることなく処理できた。さら
に、便器より下水管等へ流入したものを観察した結果、
それぞれの層は分散して元の形態をとどめていなかっ
た。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 A.透水性表面層 レーヨン繊維(繊維径10デニール、繊維長40mm)
30重量%とポリエチレン繊維(繊維径3デニール、繊
維長40mm)50重量%及びポリビニルアルコール
「UMR−30M」(ユニチカ社製、鹸化度60〜63
モル%、重合度320、繊維径10デニール、繊維長3
0mm)20重量%をバインダーとして混合分散し16
0℃の熱プレス処理により融着し、一体化し、目付け7
g/m2 の水分散性不織布を得た。
【0035】B.吸収層 繊維長約3mmの綿状パルプとイソブチレン・無水マレ
イン酸共重合体からなる高吸水性ポリマー「KIゲル2
01 K−F2」(クラレ社製)とを重量比10:1で
混合し、パルプ繊維間に高吸水性ポリマーを均一に分散
させ、実施例1と同様にして吸収層を作製した。
【0036】C.防水性裏面層 水溶性ポリビニルアルコールフイルムは実施例1と同様
の方法で作製した。一方、酢酸ビニル・塩化ビニル・メ
チルメタクリレート3成分(成分比率各々8:62:3
0)の共重合体の20%トルエン溶液「MCラッカー」
(明成化学社製)に酢酸ビニル樹脂「UMR−80L」
(ユニチカ社製、重合度800)の30%トルエン溶液
を重量比7:4の割合で混合し、得られた溶液を前記ポ
リビニルアルコールフイルム上にロールコーティングに
より塗布し、90℃で5分間乾燥し、積層フイルムを得
た。酢酸ビニル・塩化ビニル・メチルメタクリレート共
重合体層の厚みはおよそ7μmであった。積層フイルム
の各々の面に水滴を落下させたところ、ポリビニルアル
コール面側からは穴が開いたが共重合体の積層面側から
は変化がなかった。
【0037】D.吸収性衛生用品 上記のようにして得られた透水性表面層、吸収層及び防
水性裏面層を実施例1と同様の方法で吸収性衛生用品を
作製した。
【0038】E.各種試験結果 吸収性衛生用品の透水性表面層に50mlの表1に示し
た人工尿を滴下し、60分間放置したが、防水性裏面層
側からの漏水はみられなかった。また、吸収性衛生用品
に50gの人工尿を滴下し、透水性表面の上にろ紙をの
せ、吸収性衛生用品と同形おもりを載せて25g/cm
2 の圧力をかけて5分間放置した後、ろ紙に滲出した液
量を測定したところ、吸収層から0.9gが逆移行した
にすぎなかった。同時に透水性表面層を観察したとこ
ろ、不織布の形態はほぼ保たれていた。また、この場合
にも防水性裏面層からの漏水はみられなかった。
【0039】かかる試験の後、これら吸収性衛生用品を
和式水洗便器に投棄し、水中で1分間放置しフラッシュ
したところ、排水口につまることなく処理できた。さら
に、便器より下水管等へ流入したものを観察した結果、
それぞれの層は分散して元の形態をとどめていなかっ
た。
【0040】比較例1 実施例1において、防水性裏面層の水不透過性層として
酢酸ビニル・塩化ビニル・メチルメタクリレート3成分
共重合体を使用せずに、酢酸ビニル樹脂「UMR−15
0L」の30%トルエン溶液のみ塗布して、積層フイル
ムを得た以外は、実施例1と同様にして吸収性衛生用品
を作製し、実施例1と同様に人工尿による耐水性及び水
洗トイレにおける評価を行った。
【0041】人工尿を滴下し60分間放置したところ、
防水性裏面層が膨潤してやや湿っていた。その後、当該
比較品を和式水洗便器に投棄し、水中で1分間放置しフ
ラッシュしたところ、排水口につまること無く処理でき
た。さらに、便器より下水管等へ流入したものを観察し
た結果、防水性裏面層のみが分散せず柔軟性のあるフイ
ルム状で残留していた。
【0042】実施例1、実施例2及び比較例1より、本
発明の吸収性衛生用品は着用時において体液の吸収・保
持性等の求められる機能を持ち、廃棄時には水洗トイレ
の水によって全体が容易に溶解もしくは分散することが
明らかである。
【0043】
【発明の効果】本発明の吸収性衛生用品は、着用時にお
いては体液の吸収性・保持性等が良好で、漏れもなく、
水によって全体が容易に溶解もしくは分散するので、水
洗トイレに廃棄することができる。したがって、使用後
に廃棄物として処理する際、袋詰めの手間及び汚染、あ
るいは臭いの問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性衛生用品の一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の吸収性衛生用品の他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 透水性表面層 2 防水性裏面層 2a 酢酸ビニル・塩化ビニル・メチルメタクリレート
共重合体よりなる層 2b ポリビニルアルコールよりなるフイルム層 3 吸収層 4、4’ 端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透水性表面層、吸収層及び防水性裏面層
    よりなる吸収性衛生用品において、透水性表面層は水に
    分散する不織布からなり、吸収層は水に分散する吸水紙
    及び/又は吸水綿からなり、防水性裏面層は水溶性ポリ
    ビニルアルコールよりなるフイルムに酢酸ビニル・塩化
    ビニル・メチルメタクリレート共重合体の層が積層され
    た積層フイルムからなり、この層の酢酸ビニル・塩化ビ
    ニル・メチルメタクリレート共重合体の層が吸収層に接
    する側に配置されていることを特徴とする吸収性衛生用
    品。
  2. 【請求項2】 透水性表面層が、水溶性ポリビニルアル
    コールをバインダーとした不織布である請求項1記載の
    吸収性衛生用品。
  3. 【請求項3】 吸収層が、高吸水性ポリマーを含有して
    いる吸水紙及び/又は吸水性綿よりなる請求項1記載の
    吸収性衛生用品。
  4. 【請求項4】 防水性裏面層の水溶性ポリビニルアルコ
    ールの鹸化度が70〜98モル%である請求項1記載の
    吸収性衛生用品。
  5. 【請求項5】 防水性裏面層の酢酸ビニル・塩化ビニル
    ・メチルメタクリレート共重合体の成分比率が酢酸ビニ
    ル1〜70モル%、塩化ビニル15〜65モル%、メチ
    ルメタクリレート15〜34モル%である請求項1記載
    の吸収性衛生用品。
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