JP5536406B2 - 生理用ナプキン - Google Patents

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本発明は、経血の塊や子宮内膜等の固形物が表面上を滑ることを防止して、漏れ出しや不快感を低減し得る生理用ナプキンに関する。
従来の生理用ナプキンでは、経血の塊や子宮内膜等の固形物がこの生理用ナプキン上に排出された場合に、固形物は吸収されないため、生理用ナプキンの表面上に固形物が残る結果として、この固形物が経血の吸収を妨げていた。
また、生理用ナプキンは、経血の吸収量及びフィット性を向上させるために、排血口部を中高構造としたものが多いが、中高構造となっている場合には、生理用ナプキンの表面を経血の塊や子宮内膜等の固形物が滑って移動し易くなる。そして、この移動に伴って、使用者に不快感を与えたり、生理用ナプキンからの経血の塊の漏れ出しが生じたりする虞を有していた。
このような不具合を解消すべく、下記特許文献1では、凹部が平面状の透孔を有する上層コアと透孔を下側から塞ぐ下層コアとにより画成され、両コア間に介在させた親水性不織布が凹部内にのぞいていた構造の使い捨ておむつが開示されている。
さらに、下記特許文献2では、表裏面から形成された第1部位及び第2部位の剛性が、表裏面シートとコアとから形成された第3部位及び第4部位の剛性よりも低く、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が第4部位に収縮可能に取り付けられた構造が開示されている。そして、この第4部分が縦方向へ縮むことで、股下域に凹部が形成されている使い捨ておむつとされている。
特開平8−191857号公報 特開2004−321480号公報
しかし、これら特許文献1,2は、「使い捨ておむつ」を対象としたものであり、生理用ナプキンにそのまま適用できるものではなかった。つまり、生理用ナプキンでは、上記のように経血の塊や子宮内膜等の固形物が排出されることがあるが、この固形物を特許文献1,2の凹部に一旦収容できたとしても、この凹部から飛び出して、生理用ナプキンの表面をこの固形物が滑って移動することが考えられた。これに伴い、やはり使用者に不快感を与えたり、生理用ナプキンからの経血の塊の漏れ出しが生じたりすることになる。
以上より、本発明の主たる課題は、経血の塊や子宮内膜等の固形物が表面上を滑ることを防止して、漏れ出しや不快感を低減し得る生理用ナプキンを提供することにある。
請求項1に係る生理用ナプキンは、排血口に面し得る表面側に配置された透液性とされるトップシートと、
裏面側に配置されたバックシートと、
トップシートとバックシートとの間に介在されて経血を吸収する吸収体と、
を有した生理用ナプキンであって、
吸収体の排血口に対向する排血口部分が一段低く形成された凹部とされ、
トップシートの一部が蓋部を形成し、開口部分を一部に有しつつ凹部を覆う形にこの蓋部が伸びているとともに、
蓋部が、それぞれ前後方向に沿って伸びつつ一対存在し、
凹部の両側部分とされるトップシートの箇所にそれぞれ蓋部の基端側が位置して、これら一対の蓋部の間に開口部分が存在すると共に、これら一対の蓋部の先端側に蓋部を起立させる弾性部材がそれぞれ配置されることを特徴とする。
請求項1に係る生理用ナプキンの作用を以下に説明する。
本請求項の生理用ナプキンによれば、排血口に面し得る表面側に配置された透液性とされるトップシートと裏面側に配置されたバックシートとの間に吸収体が介在されて経血を吸収する構成とされている。また、吸収体の排血口と対向する排血口部分が一段低く形成された凹部とされ、トップシートの一部により形成される蓋部が、一部に開口部分を有しつつこの凹部を覆う形に伸びている。
従って、本請求項の生理用ナプキンによれば、経血の塊や子宮内膜等の固形物がこの生理用ナプキンの表面上に排出された場合に、固形物はトップシートから吸収されないものの蓋部の開口部分から吸収体の凹部に入るようになる。さらに、凹部に一旦入った固形物は、蓋部の存在により凹部内に閉じこめられて凹部から容易に出ることがない。
これに伴って、本請求項によれば、生理用ナプキンの表面上を固形物が滑ることを防止して、漏れ出を防止できるだけでなく、凹部内に入り込んだ固形物を蓋部が覆う形にもなる為、固形物が直接肌に触れる不快感を軽減できるようにもなる。
以上より、本請求項に係る生理用ナプキンによれば、経血の塊や子宮内膜等の固形物がこの生理用ナプキンの表面上を滑ることを防止して、この生理用ナプキンからの漏れ出しや不快感を低減できるようになる。
他方、本請求項の生理用ナプキンによれば、一段低くなった凹部を固形物の収納箇所とすることで、固形物がトップシートの目詰まりを起こして、経血の吸収を阻害する範囲を少なくできるようになる。これに伴い、吸収体の実質的な表面積が増える結果として、経血の吸収スピードが速くなる。
また、本請求項に係る生理用ナプキンでは、蓋部が、それぞれ前後方向に沿って伸びつつ一対存在し、凹部の両側部分とされるトップシートの箇所にそれぞれ蓋部の基端側が位置して、これら一対の蓋部の間に開口部分が存在すると共に、これら一対の蓋部の先端側に蓋部を起立させる弾性部材がそれぞれ配置されるという構成を有している。
つまり、本請求項によれば、凹部の両側部分とされるトップシートの箇所に基端側が取り付けられる一対の蓋部の間に、開口部分が存在するのに伴い、凹部の中央部に蓋部の開口部分を配置でき、より効率的に凹部内に固形物を収納可能となる。また、それぞれ前後方向に沿ってこれら一対の蓋部が伸びるだけでなく、一対の蓋部の先端側に蓋部を起立させる弾性部材がそれぞれ配置されることで、装着時には、一対の蓋部が確実に起立して排血口の周囲にフィットするようになる。
請求項に係る生理用ナプキンの作用を以下に説明する。
本請求項に係る生理用ナプキンは請求項1の発明と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、吸収体に環状にエンボスが形成され、このエンボスの内側に凹部が設けられるという構成を有している。
つまり、本請求項によれば、エンボスの内側に凹部を設けることで、吸収体の凹部を形成する側面の形状を維持し易くなるだけでなく、凹部の側面に存在することになる密度勾配により、凹部内に流れ込んだ経血のこの側面からの吸収、拡散がし易くなる。
請求項に係る生理用ナプキンの作用を以下に説明する。
本請求項に係る生理用ナプキンは請求項1又は請求項の発明と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、吸収体が上下二層からなり、トップシートに隣り合う層の吸収体のみに貫通穴を設けて、吸収体の凹部とするという構成を有している。
つまり、吸収体を一層としてこの吸収体に貫通穴を開けて凹部とした場合、吸収体の吸収力が不十分となる虞があるため、本請求項によれば、吸収体を上下二層としてバックシート側寄りの吸収体で確実に吸収可能なようにした。
請求項に係る生理用ナプキンの作用を以下に説明する。
本請求項に係る生理用ナプキンは請求項1から請求項何れかの発明と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、凹部の表面が凹凸状に形成されるという構成を有している。
つまり、凹部の表面が凹凸状に形成されることで、凹部内に一旦入った固形物が、凹部の内壁となる表面の凹凸状によって凹部で移動し難くなる。この結果として、固形物をより安定的に凹部内に保持できるようになる。
以上のとおり本発明の生理用ナプキンによれば、経血の塊や子宮内膜等の固形物が表面上を滑ることを防止して、漏れ出しや不快感を低減し得るという優れた効果を奏するようになる。
本発明に係る生理用ナプキンの第1の実施の形態を示す展開図であり、トップシート側から見た状態を示している。 図1のII−II矢視に対応する拡大断面図である。 図1のIII−III矢視に対応する拡大断面図である。 本発明に係る生理用ナプキンの第1の実施の形態における固形物の凹部への収納を説明する説明図であって、(A)は固形物が凹部に入る直前の状態を示す図であり、(B)は固形物と経血が一緒に凹部に入る状態を示す図であり、(C)は凹部内で経血が吸収されて固形物が凹部内に閉じこめられている状態を示す図である。 本発明に係る生理用ナプキンの第2の実施の形態を示す図2に対応する拡大断面図である。 本発明に係る生理用ナプキンの第3の実施の形態を示す縦断面図である。
次に、本発明に係る生理用ナプキンの第1の実施の形態を、図1〜図4を参照しつつ説明する。なお、図中の方向に関する語句は、説明の便宜上用いたものに過ぎない。
図1〜図3に示すのは、本発明に係る生理用ナプキンの第1の実施の形態である。図中に示される生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性のバックシート2と、肌当接面3Fをなし、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性のトップシート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4,5と、吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも排血口部を含むように前後方向に所定の区間内において表面側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSとから主に構成されている。
吸収体4の周囲の図1における上下端縁部では、バックシート2の外縁部とトップシート3の外縁部とが、ホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって、接合されている。また、吸収体4の周囲の図1における両側縁部では、吸収体4よりも側方に延出しているバックシート2と、立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布7とが、ホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。この接合により、これらバックシート2とサイド不織布7とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されると共に、これよりも臀部側に位置する部分に第2ウイング状フラップWB、WBが形成されている。
バックシート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
バックシート2の非使用面側(外面)には、1条または複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され、装着者への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。バックシート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。なお、バックシート2は、必ずしも不透液性である必要はなく、不透液性でないシートからバックシート2を形成する場合、バックシート2の裏面に、さらに不透液性のシートを積層することもできる。
吸収体4,5としては、経血等の体液を吸収・保持し得るものであれば良く、通常はフラッフ状パルプ中に吸水性ポリマー粉末を混入したものが吸収機能および価格の点から好適に使用される。但し、吸収体4,5として、例えばPE/PET等の化繊を混合しても良く、下層吸収体4としてはエアレイド吸収体を用いても良い。また、これら吸収体4,5は形状及びポリマー粉末の保持等のために、クレープ紙等の包装シート4L,5Lによって囲繞するのが望ましいが、クレープ紙の代わりに不織布で囲繞しても良い。
但し、本実施の形態では、図2に示すように、トップシート3に隣り合う側の上層吸収体5における装着者の排血口に対向する排血口部分に、貫通穴21を設けて、吸収体4,5の排血口に対向する排血口部分を一段低く形成した凹部22としている。そして、この貫通穴21の成形方法としては、くり抜き加工や圧縮加工等が例えば採用される。尚、本実施の形態では、下層吸収体4の上側に上層吸収体5が設けられているが、上層吸収体5及びその包装シート5Lを省略し、単一の吸収体4のみとする等、公知の吸収体構造を採用することもできる。
他方、装着者の排血口に面し得る表面側に配置されて透液性とされるトップシート3は、吸収体4の幅よりも若干幅が広い程度とされ、吸収体4を覆うだけに止まっている。
このトップシート3としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。
不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。尚、トップシート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
そして、このトップシート3の一部を屈曲させることで形成された一対の蓋部23が、それぞれ装着者の排血口と臀部との間を繋ぐ方向(図1における前後方向)に沿って、このトップシート3から伸びている。つまり、これら一対の蓋部23の基端側は、吸収体4,5の凹部22の両側部分とされるトップシート3の後述するフィットエンボス8の箇所にそれぞれ位置し、これら一対の蓋部23の先端側の間に開口部分であるスリットSが存在している。
このことから、本実施の形態では、固形物が入り易くするためのスリットSを一部に有しつつ凹部22を覆う形に、蓋部23がトップシート3から伸びていることになる。さらに、これら一対の蓋部23の先端側であるスリットSに隣り合う部分には、糸ゴムであって弾性部材とされる糸状弾性伸縮部材24がそれぞれ配置されていて、一対の蓋部23が起立し易いようになっている。
トップシート3の幅方向外側は、トップシート3の両側部表面から延在するサイド不織布7(トップシート3とは別の部材)により覆われている。サイド不織布7の幅方向中央側の部分は、立体ギャザーBSを形成している。サイド不織布7としては、経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いることができる。
かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を13〜23g/m2として作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系や、パラフィン系等の撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
サイド不織布7は、図2および図3に示されるように、幅方向中間部より外側部分を吸収体4の内側位置から吸収体側縁を若干越えてバックシート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって、バックシート2と接着されている。これらサイド不織布7とバックシート2との積層シート部分により、ほぼ体液排出部に相当する吸収体側部位置に左右一対のウイングフラップW、Wを形成すると共に、これより臀部側位置に第2ウイング状フラップWB、WBを形成している。これらウイング状フラップW、Wおよび第2ウイング状フラップWB、WBの外面側には、それぞれ粘着剤層12…,13…が備えられ、ショーツに対する装着時に、ウイング状フラップW、Wが折返し線RL位置にて反対側に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するようになっている。
一方、サイド不織布7の内方側部分は、ほぼ二重に折り返されて二重シートとされている。この二重シートの内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された糸状弾性伸縮部材19が配設されるとともに、糸状弾性伸縮部材19の上側部位に複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材20,20が両端または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。この二重シート部分の前後端部では、図3に示されるように、断面Z状に折り畳んで積層された状態で吸収体4側に接着されることによって、糸状弾性伸縮部材19配設部位を屈曲点として、断面くの字状に内側に開口を向けたポケットを形成しながら表面側に起立する立体ギャザーBS、BSが形成されている。
他方、本生理用ナプキン1においては、下層吸収体4の使用面側には、幅方向中央部にナプキン長手方向に細長く、かつ周方向に閉じた環状のエンボスであるフィットエンボス8によって区画される領域に、周囲に対して使用面側に高く隆起する上層吸収体5による中高部が形成されている。フィットエンボス8は、図1に示されるように、装着者の排血口と対応する排血口部分である排血口部Zを囲むようにして設けられている。つまり、このフィットエンボス8の内側に、凹部22が設けられることになる。
この他、フィットエンボス8は、周方向に閉じた環状に設けられていなくても良いが、この場合、少なくとも排血口部Zの両側に、それぞれ前後方向に曲線状に延在するよう設けられる。フィットエンボス8が少なくとも排血口部Zの両側に前後方向に曲線状に延在するよう設けられていることによって、装着者の排血口に生理用ナプキン1がフィットするようになっている。フィットエンボス8は、トップシート3の表面から吸収体4内まで食い込むように形成されている。中高部の厚みは、厚くし過ぎると下層吸収体4の剛性が上がり装着者への密着性が低下するため3〜20mm、好ましくは5〜15mmとするのが好ましい。
図1及び図2に示すように、トップシート3と吸収体4,5との間には、中間シート6が配されている。中間シート6は、吸収体4,5からの逆戻りの防止、クッション様効果により着用時の肌触りを柔らかくする効果も有する。但し、本実施の形態では、吸収体4,5に凹部22が設けられていることから、この凹部22の箇所では、凹部22に合わせてトップシート3及び中間シート6は凹んでいることになる。
図示例の中間シート6は、筒状に折り畳まれて2層構造となっているが、折り畳まずに単層構造としても良い。中間シート6は、肌当接面の全体にわたり設けても、幅方向中央且つ前後方向中間部(特に股間部)にのみ設けてもよい。中間シート6の素材は液透過性を有するものであれば良いが、親水性を有するものが特に好適である。このような親水性の中間シート6を、トップシート3と組み合わせることにより、トップシート3の液透過性及び逆戻り防止性が顕著に向上する。
このような親水性素材としては、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等、もしくはその複合繊維、共重合体、ブレンド体といった合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。不織布を構成する繊維は、長繊維、短繊維、あるいはこれらの混合のいずれも使用できる。
中間シート6としては、エアスルー、エアレイド、スパンボンド等の既知の形態の不織布をいずれも使用できるが、通気性を低下させないエアスルーの使用が好ましい。また、耐久親水不織布の使用が、より好ましい。尚、中間シート6は、トップシート3の裏面に接するように配置され、トップシート3の裏面にホットメルト又は熱融着(エンボス)により接合するのが望ましい。
次に、本実施の形態に係る生理用ナプキン1の作用を説明する。
本実施の形態の生理用ナプキン1によれば、装着者の排血口に面し得る表面側に配置された透液性とされるトップシート3と裏面側に配置されたバックシート2との間に、上下二層からなる吸収体4,5が介在されて経血を吸収する構成とされている。
また、本実施の形態では、吸収体4,5に環状にフィットエンボス8が形成され、吸収体4,5の排血口と対向する排血口部Zを一段低く形成した凹部22が、このフィットエンボス8の内側に設けられているが、トップシート3に隣り合う層の吸収体5のみに貫通穴21を設けることで、この凹部22は形成されている。そして、凹部22の両側部分とされるトップシート3の箇所にそれぞれ蓋部23の基端側が位置していて、このトップシート3から伸びている蓋部23が、それぞれ装着者の排血口と臀部との間を繋ぐ方向(図1における前後方向)に沿って存在するのに伴い、これら一対の蓋部23の間とされるスリットSを一部に有しつつこの凹部22を覆っている。
従って、本実施の形態の生理用ナプキン1によれば、図4(A)に示すように経血K2に伴って経血の塊や子宮内膜等の固形物K1がこの生理用ナプキン1の表面上に排出された場合に、図4(B)に示すように固形物K1はトップシート3から吸収されないものの蓋部23のスリットSから吸収体4,5の凹部22に入るようになる。さらに、凹部22に一旦入った固形物K1は、図4(C)に示すように蓋部23の存在により凹部22内に閉じこめられて凹部22から容易に出ることがない。
尚この際、凹部22の両側部分とされるトップシート3の箇所に基端側が位置する一対の蓋部23の間に、スリットSが存在するのに伴い、凹部22の中央部に蓋部23のスリットSを配置できる結果、より効率的に凹部22内に固形物K1を収納可能となる。
また、それぞれ装着者の排血口と臀部との間を繋ぐ方向に沿ってこれら一対の蓋部23が伸びるだけでなく、一対の蓋部23の先端側に蓋部23を起立させる為の糸状弾性伸縮部材24がそれぞれ配置されることで、装着時には、一対の蓋部23が確実に起立して排血口の周囲にフィットするようになる。
これに伴って、本実施の形態によれば、生理用ナプキン1の表面上を固形物が滑ることを防止して漏れ出を防止できるだけでなく、凹部22内に入り込んだ固形物を蓋部23が覆う形にもなる為、固形物が直接肌に触れる不快感を軽減できるようにもなる。
以上より、本実施の形態に係る生理用ナプキン1によれば、経血の塊や子宮内膜等の固形物がこの生理用ナプキン1の表面上を滑ることを防止して、この生理用ナプキン1からの漏れ出しや不快感を低減できるようになる。
他方、本実施の形態の生理用ナプキン1によれば、一段低くなった凹部22を固形物の収納箇所とすることで、固形物がトップシート3の目詰まりを起こして、経血の吸収を阻害する範囲を少なくできるのに伴い、吸収体4,5の実質的な表面積が増える結果として、経血の吸収スピードが速くなる。
この一方、本実施の形態では、吸収体4,5に環状にフィットエンボス8が形成され、このフィットエンボス8の内側に凹部22が設けられている。このことで、吸収体5の凹部22を形成する側面の形状を維持し易くなるだけでなく、凹部22の側面に存在することになる密度勾配により、凹部22内に流れ込んだ経血のこの側面からの吸収、拡散がし易くなる。
さらに、本実施の形態では、吸収体4,5が上下二層からなり、トップシート3に隣り合う層の吸収体5のみに貫通穴21を設けて、吸収体4,5の凹部22としている。つまり、吸収体を一層としてこの吸収体に貫通穴を開けて凹部とした場合、吸収体の吸収力が不十分となる虞があるため、本実施の形態によれば、吸収体4,5を上下二層としてバックシート2側寄りの吸収体4で確実に吸収可能なようにした。
次に、本発明に係る生理用ナプキンの第2の実施の形態を、図5を参照しつつ説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第1の実施の形態では、凹部22の箇所をトップシート3及び中間シート6が覆った構造とされているが、本実施の形態では、図5に示すように凹部22の対向部分にはトップシート3が存在せず、凹部22を中間シート6のみが覆った構造とされている。
つまり、本実施の形態では、トップシート3が一対の蓋部23をも形成しているものの、蓋部23の終端部分までしかトップシート3が形成していないことから、本実施の形態のトップシート3は2つに分離された構造になっている。以上より、本実施の形態もトップシート3が吸収体4,5上に存在していることになるので、第1の実施形態と同様の作用を奏することになる。
次に、本発明に係る生理用ナプキンの第3の実施の形態を、図6を参照しつつ説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第1の実施の形態では、吸収体を下層吸収体4及び上層吸収体5の二層構造としているが、本実施の形態では、図6に示すように吸収体を三層構造とした。つまり、下層吸収体4と上層吸収体5との間に中層吸収体31を配置し、この中層吸収体31の排血口部Zの位置に貫通穴30を形成することで凹部22とし、この替りに上層吸収体5を凹部22よりも後方にのみ設けることとした。
この際の吸収体密度は、経血の引き込み易さを考慮して、上層吸収体5<中層吸収体31<下層吸収体4の順の密度とし、また、吸収体厚みは、凹部22の維持やフィット性向上を考慮して、下層吸収体4<上層吸収体5<中層吸収体31の順の厚みとすることが考えられる。
さらに、上層吸収体5の素材は、パルプやパルプと化繊(PE/PETなど)の混合或いは、化繊のみ等の積繊とし、中層吸収体31の素材は、パルプやパルプとポリマーの混合等の積繊とし、下層吸収体4の素材は、パルプ不織布やパルプとポリマーから成るエアレイド吸収体等とすることが好ましいが、下層吸収体4の素材をパルプやパルプとポリマーの混合等の積繊としても良い。但し、吸収体の素材として、上記各実施の形態とも共通のものを用いることも考えられる。
本実施の形態の生理用ナプキン1では、以上のように吸収体を三層構造とすると共に、上層吸収体5を凹部22よりも後方にのみ設けることとしたことで、第1の実施形態と同様の作用を奏するだけでなく、装着者の臀部の谷間部分におけるフィット性を向上させて、図6の矢印Aで示す経血の浸透が臀部側に多くあった場合でも、就寝時に使用した時の伝いモレを防止できるようになる。さらに、中層吸収体31を上記のように三層の吸収体の中で最も厚くすることで、装着者が仰向き寝した場合に、凹部22の後方部分の段差を形成する壁面で塊や経血をせき止める効果が高まるので、より一層後ろ漏れし難くなる。
尚、上記実施の形態では、凹部22の底面を平滑なものとしたが、凹部22の底面における表面部分を凹凸状に形成しても良い。つまり、凹部22の底面を構成する中間シート6や下層吸収体4に細かい凹凸を形成して、凹部22の表面を凹凸状に形成することで、凹部22内に一旦入った固形物が、凹部22の内壁となる表面の凹凸状によって凹部22で移動し難くなる。この結果として、固形物をより安定的に凹部22内に保持できるようになる。また、下層吸収体はなくてもよいが、存在している方が排血口部分の吸収量を増加できるため、好ましい。そして、下層吸収体があった方が使用時にヨレにくくする効果も存在する。
本発明に係る生理用ナプキンは、吸収パッドとしても利用できるものである。
1・・・生理用ナプキン
2・・・バックシート
3・・・透液性トップシート
4・・・下層吸収体
5・・・上層吸収体
8・・・フィットエンボス(エンボス)
21・・・貫通穴
22・・・凹部
23・・・蓋部
31・・・中層吸収体
S・・・スリット(開口部分)
Z・・・排血口部(排血口部分)

Claims (4)

  1. 排血口に面し得る表面側に配置された透液性とされるトップシートと、
    裏面側に配置されたバックシートと、
    トップシートとバックシートとの間に介在されて経血を吸収する吸収体と、
    を有した生理用ナプキンであって、
    吸収体の排血口に対向する排血口部分が一段低く形成された凹部とされ、
    トップシートの一部が蓋部を形成し、開口部分を一部に有しつつ凹部を覆う形にこの蓋部が伸びているとともに、
    蓋部が、それぞれ前後方向に沿って伸びつつ一対存在し、
    凹部の両側部分とされるトップシートの箇所にそれぞれ蓋部の基端側が位置して、これら一対の蓋部の間に開口部分が存在すると共に、これら一対の蓋部の先端側に蓋部を起立させる弾性部材がそれぞれ配置されることを特徴とする生理用ナプキン。
  2. 吸収体に環状にエンボスが形成され、このエンボスの内側に凹部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の生理用ナプキン。
  3. 吸収体が上下二層からなり、トップシートに隣り合う側の吸収体のみに貫通穴を設けて、吸収体の凹部とすることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の生理用ナプキン。
  4. 凹部の表面が凹凸状に形成されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の生理用ナプキン。
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