JP2010279578A - 弾球遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】開放延長機能の作動の有無を、特別遊技終了後の一定期間が経過するまで伏せておくことで、遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】特別遊技中に普通図柄の変動表示が開始される場合の普通図柄当り確率を低確率に設定し、開放延長機能の作動中に普通図柄の変動表示が開始される場合の普通図柄当り確率を高確率に設定するとともに、特別遊技終了後の最初に開始される普通図柄の変動表示に対する変動時間を、通常変動時間よりも長い特殊変動時間に切り換えることによって、特別遊技が終了して最初に可変入球装置が開放状態となる時期を遅延させる。こうすれば、特別遊技終了後の一定期間は、開放延長機能の作動中か否かが判別不能となるので、開放延長機能の作動に対する遊技者の期待感を高めて、特別遊技終了後の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。
【選択図】図２６

Description

本発明は、遊技盤面に向けて遊技球を発射することによって遊技を行うアレンジボール機やパチンコ機等の弾球遊技機に関する。

遊技盤面に向かって遊技球を発射して、遊技盤面を流下する遊技球が始動口で検出されると、特別図柄表示装置にて特別図柄の変動表示を開始し、所定の当り特別図柄で停止表示された場合には、遊技者にとって有利な遊技状態である「特別遊技」を開始する弾球遊技機が広く知られている。また、いわゆるチューリップ式の始動口などの可変始動口を備えた弾球遊技機が広く普及しており、こうした弾球遊技機では、作動ゲートなどで遊技球が検出されることによって普通図柄表示装置にて普通図柄の変動表示を開始し、普通図柄が所定の当り普通図柄で停止表示されると、遊技球が入球困難もしくは入球不能な通常状態にある可変始動口を遊技球が入球容易もしくは入球可能な開放状態とするとともに、特別遊技の終了後には、可変始動口の開放時間を通常よりも長くする機能（開放延長機能）を作動させることが行われている。開放延長機能の作動によって、可変始動口に遊技球が極めて入球し易くなるので、遊技者にとって有利となる。

このような開放延長機能を備えた弾球遊技機では、特別遊技が終了した後の遊技に変化を付けることを意図して、停止表示された当り特別図柄の種類などに応じて、特別遊技終了後に開放延長機能を作動させる場合と、開放延長機能を作動させない場合とに振り分ける弾球遊技機が提案されている（特許文献１）。

特開２００８−１２５５８２号公報

しかし、開放延長機能が作動しているか否かは、可変始動口が開放状態となった時点で、その開放態様（開放時間の長さ）に基づいて容易に認識できることから、特別遊技が終了して直ぐに可変始動口が開放状態になると、開放延長機能の作動に対する遊技者の期待感を高める間がなく、せっかく開放延長機能の作動の有無を振り分けても、遊技興趣を効果的に盛り上げることができないという問題があった。特に、遊技者が望む結果でなかった場合（開放延長機能が作動していない場合）には、その事実が特別遊技の終了直後に判明することによって、遊技興趣が低下してしまうおそれがある。

本発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、開放延長機能が作動しているか否かを、特別遊技が終了してから一定の期間が経過するまで伏せておくことによって、遊技者の興趣を効果的に盛り上げることが可能な弾球遊技機の提供を目的とする。

上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技盤面上を流下する遊技球の検出を契機として普通図柄の変動表示を開始し、所定の普通図柄変動時間が経過すると、該普通図柄を所定の普通図柄当り確率に基づいて当り普通図柄または外れ普通図柄で停止表示する普通図柄表示装置と、
前記普通図柄表示装置に前記当り普通図柄が停止表示されると、通常状態から該通常状態よりも遊技球の入球が容易な開放状態に、所定の開放時間が経過するまで変化する可変入球装置と、
前記可変入球装置への遊技球の入球を契機として特別図柄の変動表示を開始し、所定の特別図柄変動時間が経過すると、該特別図柄を所定の特別図柄当り確率に基づいて当り特別図柄または外れ特別図柄で停止表示する特別図柄表示装置と、
前記特別図柄表示装置に前記当り特別図柄が停止表示されると、遊技者にとって有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
複数設けられた前記当り特別図柄の中の所定の当り特別図柄によって前記特別遊技が開始された場合には、該特別遊技の終了後、前記可変入球装置の開放時間が通常よりも長い時間となる開放延長遊技を実行する開放延長遊技実行手段と
を備える弾球遊技機において、
前記特別遊技中に前記普通図柄の変動表示が開始される場合の前記普通図柄当り確率を所定の低確率に設定し、前記開放延長遊技中に前記普通図柄の変動表示が開始される場合の前記普通図柄当り確率を前記低確率よりも高確率に設定する普通図柄当り確率設定処理と、
前記特別遊技が終了した後に初めて前記普通図柄の変動表示が開始される場合の前記普通図柄変動時間を、前記開放延長遊技中か否かに拘らず、通常変動時間よりも長い特殊変動時間に設定する普通図柄変動時間設定処理と
を実行することで、前記特別遊技が終了してから最初に前記可変入球装置が前記開放状態となる時期を遅延させる開放遅延手段を備えることを特徴とする。

かかる本発明の弾球遊技機においては、遊技盤面上を流下する遊技球を検出すると、普通図柄表示装置にて普通図柄を所定の普通図柄変動時間だけ変動表示させた後、所定の普通図柄当り確率に基づいて当り普通図柄または外れ普通図柄で停止表示させ、当り普通図柄が停止表示された場合には、可変入球装置の状態を、通常状態よりも遊技球が入球し易い開放状態へと所定の開放時間が経過するまで変化させる。また、可変入球装置に遊技球が入球すると、特別図柄表示装置にて特別図柄を所定の特別図柄変動時間だけ変動表示させた後、所定の特別図柄当り確率に基づいて当り特別図柄または外れ特別図柄で停止表示させ、当り特別図柄が停止表示された場合には特別遊技を実行する。さらに、複数の当り特別図柄のうち所定の当り特別図柄によって特別遊技が開始された場合には、特別遊技の終了後、可変入球装置の開放時間が長くなる開放延長遊技を実行する。そして、特別遊技中に普通図柄の変動表示が開始される場合の普通図柄当り確率を低確率に設定し、開放延長遊技中に普通図柄の変動表示が開始される場合の普通図柄当り確率を高確率に設定する普通図柄当り確率設定処理と、特別遊技終了後に初めて開始される普通図柄の変動表示における普通図柄変動時間を、開放延長遊技中か否かに拘らず、通常変動時間よりも長い特殊変動時間に設定する普通図柄変動時間設定処理とを実行することによって、特別遊技が終了してから最初に可変入球装置が開放状態となる時期を遅延させるようになっている。

特別遊技終了後に可変入球装置の状態が開放状態になると、開放延長遊技中か否かが遊技者に分かってしまう。この点で、本発明の弾球遊技機では、特別遊技中に普通図柄の変動表示が開始される場合には、普通図柄当り確率を低確率に設定するとともに、特別遊技が終了してから最初に開始される普通図柄の変動表示（開放延長遊技中であれば普通図柄当り確率が高確率）における普通図柄変動時間は、通常変動時間よりも長い特殊変動時間に設定されることから、特別遊技終了後に可変入球装置はなかなか開放状態となることがない。このため、特別遊技終了後の一定の期間（少なくとも特殊変動時間が経過するまでの期間）は、開放延長遊技中か否かを判別不能とすることが可能となる。そして、このように、開放延長遊技中か否かを遊技者が判別できない一定の期間を設けておくことにより、開放延長遊技中であることに対する遊技者の期待感を高めることができるので、特別遊技終了後の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。

こうした本発明の弾球遊技機では、次のようにしてもよい。先ず、特別遊技が終了すると、開放延長遊技中である可能性があることを示す開放延長示唆演出を、特殊変動時間の普通図柄の変動表示が終了するまでに実行する。そして、特殊変動時間の普通図柄の変動表示が終了すると、開放延長遊技中か否かを報知する。ここで、「開放延長遊技中である可能性があることを示す開放延長示唆演出」とは、開放延長遊技中か否かを判別不能であって、開放延長遊技中かもしれないという印象を遊技者に与える演出であればよい。

このような構成によれば、開放延長遊技中か否かを判別不能となっている期間に、開放延長遊技中である可能性があることを示す開放延長示唆演出が実行されるので、開放延長遊技中であることへの遊技者の期待感を効果的に高めることが可能となる。また、特殊変動時間の普通図柄の変動表示が終了したら（開放延長遊技中か否かを判別不能にしておく期間が経過したら）、開放延長遊技中か否かが報知されるので、開放延長遊技中であるか否かを遊技者に確実に認識させることができるとともに、可変入球装置が開放状態とならない場合（当り普通図柄が停止表示されない場合）でも、開放延長遊技中か否かが明らかになるタイミングがいたずらに引き延ばされることを回避することが可能となる。

また、こうした本発明の弾球遊技機では、次のようにしてもよい。先ず、複数の当り特別図柄のうち所定の当り特別図柄によって特別遊技が開始された場合には、特別遊技の終了後、特別図柄当り確率が通常とは異なる確率変更遊技を実行する。そして、開放延長遊技中か否かが報知されると、確率変更遊技中である可能性があることを示す確率変更示唆演出を、所定の示唆期間が経過するまでに実行して、示唆期間が経過したら、確率変更遊技中か否かを報知する。ここで、「確率変更遊技中である可能性があることを示す確率変更示唆演出」とは、確率変更遊技中か否かは定かでないものの、確率変更遊技中かもしれないという印象を遊技者に与える演出であればよい。

このように、特別遊技が終了した後、開放延長遊技中か否かと確率変更遊技中か否かとを段階的に明らかにしていけば、以下のような理由から、特別遊技終了後の遊技興趣を一層効果的に盛り上げることが可能となる。先ず、開放延長遊技中でないことが報知されたとしても、特別図柄当り確率が通常よりも高確率に設定された確率変更遊技中（高確率の確率変更遊技中）であれば遊技者にとって有利であることから、高確率の確率変更遊技中であることへの期待感を残すことができる。一方、開放延長遊技中であることが報知された場合においては、更に高確率の確率変更遊技中かもしれないという期待感を膨らませたり、あるいは、特別図柄当り確率が通常よりも低確率に設定された確率変更遊技中ではないかという緊張感を与えたりすることができるので、遊技興趣をより高めることが可能となる。

上述のように、各請求項の発明によれば、開放延長遊技中か否かを、特別遊技が終了してから一定の期間が経過するまで伏せておくことで、特別遊技終了後の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能な弾球遊技機を得ることができる。

本実施例のパチンコ機の正面図である。 遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機に搭載された第１図柄表示装置および第２図柄表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機に搭載された演出表示装置の画面構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機に搭載された始動口ユニットの構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機における制御回路の構成を示したブロック図である。 普通図柄表示部の表示態様を示した説明図である。 特図１あるいは特図２の停止表示態様を概念的に示した説明図である。 演出表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 主制御基板に搭載されたＣＰＵが遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。 遊技制御処理の中で行われる普通図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。 普通図柄遊技処理の中で行われる普通図柄変動表示関連処理の流れを示したフローチャートである。 本実施例のパチンコ機で用いられる判定テーブルを概念的に例示した説明図である。 遊技制御処理の中で行われる特別図柄遊技処理の一部を示したフローチャートである。 遊技制御処理の中で行われる特別図柄遊技処理の図１４から続く部分を示したフローチャートである。 遊技制御処理の中で行われる特別図柄遊技処理の残りの部分を示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理の中で行われる変動表示関連処理の一部を示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理の中で行われる変動表示関連処理の残りの部分を示したフローチャートである。 本実施例のパチンコ機で用いられる大当り抽選テーブルを概念的に示した説明図である。 特図１の変動表示関連処理において大当り図柄を決定するために参照される特図１大当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。 特図２の変動表示関連処理において大当り図柄を決定するために参照される特図２大当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。 遊技制御処理の中で行われる特別電動役物遊技処理の一部を示したフローチャートである。 遊技制御処理の中で行われる特別電動役物遊技処理の残りの部分を示したフローチャートである。 サブ制御基板のＣＰＵが主体となって表示制御基板のＣＰＵと協働して行う開放延長報知モード演出処理の流れを示すフローチャートである。 サブ制御基板のＣＰＵが主体となって表示制御基板のＣＰＵと協働して行う確変報知モード演出処理の流れを示すフローチャートである。 本実施例のパチンコ機において、１５Ｒ大当り遊技の終了後の遊技状態を徐々に明らかにしていく様子を示したタイムチャートである。

本発明は、普通図柄の変動表示の終了に伴い当り普通図柄が停止表示されることで、特別図柄の変動表示の開始契機となる可変入球装置を、通常の状態よりも遊技球の入球が容易な開放状態に変化させるとともに、この可変入球装置の開放時間を長くする機能（開放延長機能）を有する弾球遊技機において実施することができる。以下では、本発明の一実施形態として、本発明をセブン機と呼ばれるタイプのパチンコ機（弾球遊技機）に適用した実施例を、次の順序に従って説明する。
Ａ．パチンコ機の装置構成：
Ａ−１．装置前面側の構成：
Ａ−２．遊技盤の構成：
Ａ−３．制御回路の構成：
Ｂ．遊技の概要：
Ｃ．パチンコ機の制御内容：
Ｃ−１．遊技制御処理：
Ｃ−２．普通図柄遊技処理：
Ｃ−３．特別図柄遊技処理：
Ｃ−４．特別電動役物遊技処理：
Ｃ−５．開放延長報知モード演出処理：
Ｃ−６．確変報知モード演出処理：

Ａ．パチンコ機の装置構成 ：
Ａ−１．装置前面側の構成 ：
図１は、本実施例のパチンコ機１の正面図である。図１に示すように、パチンコ機１の前面部は、大きくは、前面枠４、上皿部５、下皿部６、遊技盤１０などから構成されている。なお、図１では遊技盤１０の詳細な図示を省略している。前面枠４は、図示しない中枠３に取り付けられており、中枠３は図示しない本体枠２に取り付けられている。中枠３はプラスチック材料で成形されており、本体枠２の内側に取り付けられている。本体枠２は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機１の外枠を形成している。前面枠４の一端は、中枠３に対して回動可能に軸支されており、中枠３の一端は本体枠２に対して回動可能に軸支されている。遊技盤１０は、中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠４で覆われている。

前面枠４は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開放部４ａが形成されている。この開放部４ａにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤１０の盤面が視認可能となっている。また、前面枠４には、遊技効果を高めるための各種ランプ類４ｂ〜４ｆが設けられている。

前面枠４の下方には、上皿部５が設けられており、上皿部５の下方には下皿部６が設けられている。また、前面枠４の右側には施錠装置９が設けられており、前面枠４の左側にはプリペイドカード式の球貸装置１３（ＣＲユニット）が設けられている。

上皿部５には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部５ａとが設けられている。遊技球は、上皿部５に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット１２（図５参照）に供給される。また、皿外縁部５ａには、遊技球の球貸スイッチ５ｂ、返却スイッチ５ｃ、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部５の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第１スピーカ５ｙが設けられている。また、上皿部５の前面側には、２つの演出ボタンＳＷ１，ＳＷ２が設けられている。遊技者は、これらの演出ボタンＳＷ１，ＳＷ２を押すことによって、遊技の演出に登場するキャラクタや遊技条件を選択するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。

下皿部６には、パチンコ機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられており、排出された遊技球は下皿部６内に貯留される。また、下皿部６の下面の左右には、第２スピーカ６ｃが設けられている。

下皿部６の右端には発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチセンサ８ａが設けられている。発射ハンドル８の回転軸は、下皿部６の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット１２に接続されており、遊技者が発射ハンドル８を回転させると、その動きが発射装置ユニット１２に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、発射ハンドル８の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。

Ａ−２．遊技盤の構成 ：
図２は、遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられている。図２に示すように、遊技盤１０の中央には、外レール１４と内レール１５とによって囲まれた略円形状の遊技領域１１が形成されている。上述した発射装置ユニット１２から発射された遊技球は、外レール１４と内レール１５の間を通って遊技領域１１に放出される。

遊技領域１１の略中央には中央装置２６が設けられている。また、中央装置２６の下方には、始動口ユニット１７が設けられている。後述するように始動口ユニット１７は、２つの始動口を上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第１始動口１７ａは、固定式の入球口であり、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、左右に一対の翼片が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の入球口である。始動口ユニット１７の詳細な構成については、別図を用いて後述する。

中央装置２６は、主に、装飾用のセンター役物２６ａと、このセンター役物２６ａにより囲まれた状態で設けられる演出表示装置２７とから構成されている。演出表示装置２７は、液晶表示器によって構成されており、後述の第１図柄表示装置２８における特図１の変動表示や第２図柄表示装置３２における特図２の変動表示に付随する図柄変動演出を行うことが可能となっている。この図柄変動演出は、主に、識別図柄や背景図柄などの種々の演出図柄を変動表示および停止表示させることによって実現される。演出表示装置２７の表示画面上で表示される演出図柄については後述する。

中央装置２６の左下方には第１図柄表示装置２８が設けられ、中央装置２６の右下方には第２図柄表示装置３２が設けられている。このうち、第１図柄表示装置２８では、普通図柄や第１特別図柄（以下、特図１）を変動表示および停止表示することが可能となっており、第２図柄表示装置３２では、第２特別図柄（以下、特図２）を変動表示および停止表示することが可能となっている。第１図柄表示装置２８や第２図柄表示装置３２の詳細な構成については後述する。

遊技領域１１の左端には、普通図柄作動ゲート３６が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ３６ｓ（図６参照）が設けられている。更に、普通図柄作動ゲート３６と中央装置２６との間には、ランプ風車２４が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘２３が設けられている。

始動口ユニット１７の下方には大入賞装置３１が設けられている。この大入賞装置３１は、略長方形状に大きく開放する大入賞口３１ｄや、大入賞口３１ｄを開閉するための開閉扉３１ｅ、開閉扉３１ｅを作動させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ（図６参照）などから構成されている。後述する所定の条件が成立して開閉扉３１ｅが開動作することで、大入賞口３１ｄは開放状態となり、この結果、遊技球が高い確率で大入賞口３１ｄに入球することとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技が開始される。また、大入賞口３１ｄの内部には、大入賞口スイッチ３１ｓ（図６参照）が設けられており、大入賞口３１ｄに入球した遊技球を検出することが可能となっている。

大入賞装置３１の下方にはアウト口４８が設けられ、そのアウト口４８の下方にはバック球防止部材５８が設けられている。バック球防止部材５８は、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。

図３は、本実施例のパチンコ機１に搭載された第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２の構成を示す説明図である。図３（ａ）は第１図柄表示装置２８を表しており、図３（ｂ）は第２図柄表示装置３２を表している。先ず初めに、第１図柄表示装置２８の構成について説明する。図３（ａ）に示すように、本実施例の第１図柄表示装置２８は、略矩形の領域内に１２個の小さな発光ダイオード（ＬＥＤ）が組み込まれて構成されている。これら１２個のＬＥＤのうちの、最上段の３個のＬＥＤは普通図柄表示部２９を構成しており、残りの９個のＬＥＤは特図１表示部３０を構成している。更に、普通図柄表示部２９は、普通図柄を表示するための１個のＬＥＤ（以下、普通図柄ＬＥＤ２９ａと呼ぶ）と、普通図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂと呼ぶ）とから構成されている。また、特図１表示部３０は、特図１を表示するための７個のＬＥＤ（以下、特図１ＬＥＤ３０ａと呼ぶ）と、特図１の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、特図１保留表示ＬＥＤ３０ｂと呼ぶ）とから構成されている。本実施例の第１図柄表示装置２８が、これら１２個のＬＥＤを用いて、普通図柄や、普図保留数、特図１、特図１保留数を表示する様子については後述する。

図３（ｂ）に示した第２図柄表示装置３２は、上述した第１図柄表示装置２８に対して普通図柄表示部２９を取り除いた構成となっている。すなわち、第２図柄表示装置３２には、特図２を表示するための７個のＬＥＤ（以下、特図２ＬＥＤ３３ａと呼ぶ）と、特図２の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、特図２保留表示ＬＥＤ３３ｂと呼ぶ）とが設けられており、これら特図２ＬＥＤ３３ａおよび特図２保留表示ＬＥＤ３３ｂによって特図２表示部３３が構成されている。尚、第２図柄表示装置３２における特図２表示部３３の表示態様は、第１図柄表示装置２８における特図１表示部３０の表示態様と基本的には同じである。

図４は、本実施例のパチンコ機１に搭載された演出表示装置２７の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置２７は、液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出表示用の図柄として、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃと、その背景の背景図柄２７ｄとが表示されている。このうち、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは、図３（ａ）に示した特図１表示部３０における特図１あるいは図３（ｂ）に示した特図２表示部における特図２の変動表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。つまり、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは、後述する特別図柄（特図１あるいは特図２）の大当り抽選が行われる毎に変動表示を開始し、所定の変動時間が経過することで停止表示するもので、その停止表示したときの表示態様（停止表示態様）によって、特別図柄の大当り抽選の結果を遊技者に報知する図柄である。詳しくは後述するが、演出表示装置２７では、図柄変動演出の開始に伴い３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始するとともに、図柄変動演出の終了に伴い３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを停止表示し、この停止表示態様（３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの図柄組合せ）により、大当り抽選の結果を示す「外れ表示」や「大当り表示」が行われる。また、演出表示装置２７には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃや背景図柄２７ｄの他にも、図柄変動演出の進行過程で行われる演出（予告演出、リーチ演出、遊技状態報知演出など）に対応して様々な図柄（絵柄）や文字などが表示される。

図５は、本実施例のパチンコ機１に搭載された始動口ユニット１７の構成を示す説明図である。前述したように始動口ユニット１７には、第１始動口１７ａと、第２始動口１７ｂとが設けられており、上側に設けられた第１始動口１７ａは固定式の入球口であり、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、一対の翼片１７ｗを備えたチューリップ式の入球口となっている。この一対の翼片１７ｗは、ほぼ直立した通常状態（図５（ａ）参照）と、外側に向かって回転した開放状態（図５（ｂ）参照）との２つの状態を取ることが可能である。図５（ａ）に示したように、翼片１７ｗがほぼ直立した通常状態では、遊技球はほとんど第２始動口１７ｂに入球することができず、専ら第１始動口１７ａに入球するだけであるが、一対の翼片１７ｗが外側に開いた開放状態となると、第２始動口１７ｂにも遊技球が入球し得る状態となる。そして、図５（ｂ）に示されるように、開放状態では、第１始動口１７ａよりも第２始動口１７ｂの方が、遊技球が入球し易くなっている。

また、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤１０の裏面側に導かれる。第１始動口１７ａからの通路の途中には第１始動口スイッチ１７ｓが設けられ、第２始動口１７ｂからの通路の途中には第２始動口スイッチ１７ｔが設けられており、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球は、それぞれ第１始動口スイッチ１７ｓあるいは第２始動口スイッチ１７ｔによって検出されるようになっている。

Ａ−３．制御回路の構成 ：
次に、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成について説明する。図６は、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機１の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板２００と、演出用図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板２２０と、サブ制御基板２２０からの指示に従って演出表示装置２７の具体的な表示制御を行う表示制御基板２３０と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板２４０と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板２６０などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。また、図６中に示した矢印の向きは、データあるいは信号の入出力方向（送受信方向）を表している。

図示されているように主制御基板２００（ＣＰＵ２０１）は、第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓ、ゲートスイッチ３６ｓなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板２２０や、払出制御基板２４０、発射制御基板２６０などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを送信する。また、主制御基板２００には、第２始動口１７ｂに設けられた一対の翼片を開閉させるための始動口ソレノイド１７ｍや、大入賞口３１ｄを開閉させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ、更には、普通図柄や特図１の変動表示を行う第１図柄表示装置２８、特図２の変動表示を行う第２図柄表示装置３２などが接続されており、各種ソレノイド１７ｍ，３１ｍ、第１図柄表示装置２８、および第２図柄表示装置３２に向かって動作信号を送信することにより、これらの動作の制御も行っている。

サブ制御基板２２０（ＣＰＵ２２１）は、主制御基板２００からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を実行するための制御を行う。すなわち、前述した演出表示装置２７の表示制御を行う表示制御基板２３０に対して表示内容を指定するコマンドを送信したり、各種のスピーカ５ｙ、６ｃを駆動するアンプ基板２２４、装飾用の各種ＬＥＤやランプを駆動する装飾駆動基板２２６に駆動信号を送信する。また、前述した演出ボタンＳＷ１，ＳＷ２からの操作信号は、演出ボタン基板２２８を介してサブ制御基板２２０に入力される。

表示制御基板２３０は、ＣＰＵ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３に加えて、画像ＲＯＭ２３４やＶＤＰ（図示せず）を備えている。そして、表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、ＲＯＭ２３２に格納された制御プログラムに従って、ＲＡＭ２３３をワークエリアとして演出表示装置２７の表示制御を行う。具体的には、サブ制御基板２２０からの制御コマンド（表示制御コマンド）を受信すると、その受信したコマンドに対応する演出画像を演出表示装置２７の表示画面に表示するための制御を行う。表示制御基板２３０の画像ＲＯＭ２３４には、図柄変動演出や大当り遊技演出など種々の遊技演出に対応する演出画像のデータが格納されている。

払出制御基板２４０は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部５に設けられた球貸スイッチ５ｂや返却スイッチ５ｃを操作すると、その信号は、払出制御基板２４０を介して球貸装置１３に伝達される。球貸装置１３は、払出制御基板２４０とデータを送受信しながら、貸球の払い出しを行う。また、主制御基板２００が賞球の払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板２４０が受け取って、払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することによって賞球の払い出しが行われる。

加えて、払出制御基板２４０は、主制御基板２００からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号（発射許可信号）を発射制御基板２６０に向かって送信しており、発射制御基板２６０は、この発射許可信号を受けて、遊技球を発射するための各種制御を行っている。

Ｂ．遊技の概要 ：
次に、上述した構成を有する本実施例のパチンコ機１で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。

本実施例のパチンコ機１では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部５の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル８を回転させると、上皿部５に投入された遊技球が、１球ずつ発射装置ユニット１２に供給されて、図２を用いて前述した遊技領域１１に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル８の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル８の回転角度を変化させることによって、発射位置の狙いを付けることができる。

発射した遊技球が、遊技領域１１の左側に設けられた普通図柄作動ゲート３６を通過すると、中央装置２６の左下方に設けられた第１図柄表示装置２８において普通図柄の変動表示が開始される。図３（ａ）を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には普通図柄表示部２９が設けられており、普通図柄表示部２９には、普通図柄ＬＥＤ２９ａおよび普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが搭載されている。このうち、普通図柄ＬＥＤ２９ａを用いて普通図柄の変動表示を行う。尚、第１図柄表示装置２８にて普通図柄の変動表示が行われることから、本実施例の第１図柄表示装置２８は、本発明の「普通図柄表示装置」の一態様を構成している。

図７（ａ）は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。本実施例のパチンコ機１では、普通図柄ＬＥＤ２９ａの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図では、普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、点滅している普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、始動口ユニット１７の第２始動口１７ｂが所定時間（例えば０．５秒間）だけ開放状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、第２始動口１７ｂが開放することはない。尚、普通図柄の当りの停止表示によって第２始動口１７ｂが通常状態から開放状態へと変化することから、本実施例の第２始動口１７ｂは、本発明の「可変入球装置」の一態様を構成している。

また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過した場合は、この遊技球の通過が保留として主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶され、現在の普通図柄の変動表示が終了した後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大４個まで記憶することが可能となっており、記憶されている普通図柄の保留数は、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって表示される。

図７（ｂ）は、第１図柄表示装置２８に設けられた普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって普通図柄の保留数が表示される様子を示した説明図である。普通図柄の保留が無い場合（すなわち、保留が０個の場合）は、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは何れも消灯している。保留が１個の場合は、向かって左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは消灯したままで、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。保留が２個になると、今度は、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂに加えて左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。次いで、保留が３個になると、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅し、左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。更に保留が増加して上限値である４個になると、左右の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部２９では、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、０個から４個までの保留数を表示することが可能となっている。

また、図３（ａ）を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には、特図１表示部３０が設けられており、特図１を変動表示可能となっている。さらに、図３（ｂ）に示したように、第２図柄表示装置３２に設けられた特図２表示部３３では、特図２を変動表示可能となっている。このうち、特図１は、始動口ユニット１７の第１始動口１７ａに遊技球が入球し、その遊技球を第１始動口スイッチ１７ｓが検出することで変動表示を開始する。一方、特図２は、始動口ユニット１７の第２始動口１７ｂに遊技球が入球し、その遊技球を第２始動口スイッチ１７ｔが検出することで変動表示を開始する。その後、変動表示している特図１あるいは特図２は、以下に説明する何れかの図柄で停止表示するようになっている。尚、特図１と特図２とが同時に変動表示することはなく、一方が変動表示中である場合は、他方は変動表示を開始しないようになっており、本実施例のパチンコ機１では、第１始動口１７ａへの入球による特図１の変動表示よりも第２始動口１７ｂへの入球による特図２の変動表示を優先して開始する。また、第２始動口１７ｂ（可変入球装置）への入球により特図２の変動表示が行われる本実施例の第２図柄表示装置３２は、本発明の「特別図柄表示装置」の一態様を構成している。

図８は、特図１および特図２の停止表示態様を概念的に示した説明図である。なお、特図１も特図２も変動表示態様および停止表示態様は同様であるため、ここでは両者を区別することなく、特別図柄と称するものとする。図３を用いて前述したように、特図１表示部３０および特図２表示部３３には、何れも７個のＬＥＤ（特図１ＬＥＤ３０ａおよび特図２ＬＥＤ３３ａ）が設けられており、これらを点灯させることによって特別図柄を表示する。図８に示されているように、本実施例のパチンコ機１では、１０通りの特別図柄の停止表示態様が設けられており、それぞれの停止表示態様に固有の点灯状態が設定されている。本実施例のパチンコ機１では、これら１０種類の特別図柄の停止表示態様は大きく５つに分類されている。先ず、図中の最上段および２段目に示した２つの図柄は「１５ラウンド（１５Ｒ）通常大当り図柄」に相当するもので、上から３段目および４段目に示した２つの図柄は「１５ラウンド（１５Ｒ）確変大当り図柄」に相当する。また、５段目および６段目に示した２つの図柄は「２ラウンド（２Ｒ）確変大当り図柄」に相当し、７段目に示した２つの図柄は「小当り図柄」に相当する。さらに、最下段に示した２つの特別図柄の停止表示態様は「外れ図柄」に相当する。

特図１表示部３０および特図２表示部３３では、それぞれ７個のＬＥＤ（特図１ＬＥＤ３０ａ、特図２ＬＥＤ３３ａ）を所定時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、所定時間が経過すると、いずれかの停止表示態様に従って停止表示される。そして、「１５Ｒ通常大当り図柄」、「１５Ｒ確変大当り図柄」、「２Ｒ確変大当り図柄」の何れかの図柄（いわゆる大当り図柄）が停止表示されると、通常時は閉鎖状態となっている大入賞口３１ｄが開放状態となって大当り遊技が開始される。大入賞口３１ｄが開放状態になると遊技球が入球し易くなるので、大当り遊技は遊技者にとって大変に有利な遊技状態と言うことができる。

大当り遊技で開放状態となった大入賞口３１ｄは、所定の開放時間が経過するか、あるいは規定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖状態に戻るが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。大入賞口３１ｄが開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド遊技（あるいは単にラウンド）」と呼ばれ、こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら大当り遊技が終了する。

また、「小当り図柄」が停止表示された場合には、見た目には「２Ｒ確変大当り図柄」が停止表示された場合と同じように大入賞口３１ｄが開閉する小当り遊技が実行される。この点については、後ほど詳しく説明する。

加えて、停止表示された特別図柄が、図８の上から３段目および４段目に示した「１５Ｒ確変大当り図柄」、または５段目および６段目に示した「２Ｒ確変大当り図柄」であった場合には、大当り遊技が終了した後、所定の条件が成立するまで（例えば、次の大当り遊技が発生するまで、あるいは特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで等）、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を高確率に設定する機能（確変機能）が作動する。

さらに、図８に示すように、「１５Ｒ通常大当り図柄」、「１５Ｒ確変大当り図柄」、「２Ｒ確変大当り図柄」は、それぞれ「図柄Ａ」と「図柄Ｂ」とに分けられており、このうち図柄Ａが停止表示された場合には、大当り遊技が終了してから所定の条件が終了するまでの間、普通図柄および特別図柄の変動表示の時間を短縮する機能（変動短縮機能）が作動するとともに、第２始動口１７ｂの開放状態の時間を延長する機能（開放延長機能）が作動する。

尚、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに遊技球が入球したにもかかわらず、それぞれに対応する特別図柄（特図１あるいは特図２）で直ちには変動表示を開始できない場合（例えば、いずれかの特別図柄が変動表示中であった場合、あるいは大当り遊技中であった場合など）には、第１始動口１７ａへの入球は特図１の保留として、第２始動口１７ｂへの入球は特図２の保留として主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶される。そして、特別図柄の変動表示が可能になった時点で、記憶されていた保留を使って、変動表示を行うことが可能となっている。記憶されている特図１の保留数については特図１保留表示ＬＥＤ３０ｂによって表示され、記憶されている特図２の保留数については特図２保留表示ＬＥＤ３３ｂによって表示される。特図１保留表示ＬＥＤ３０ｂを用いて特図１の保留数を表示する態様、および特図２保留表示ＬＥＤ３３ｂを用いて特図２の保留数を表示する態様は、図７（ｂ）に示した普図保留表示ＬＥＤ２９ｂの場合と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。

上述した特別図柄（特図１および特図２）の変動表示や停止表示に合わせて、演出表示装置２７では３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを用いた各種の演出（図柄変動演出）が行われる。図９は、演出表示装置２７で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図４を用いて前述したように、演出表示装置２７を構成する液晶表示器の表示画面上には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが表示されている。前述した特図１ＬＥＤ３０ａでの特図１の変動表示、あるいは特図２ＬＥＤ３３ａでの特図２の変動表示が開始されると、演出表示装置２７においても、これら３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、識別図柄として「１」〜「９」までの９つの数字を意匠化した図柄が用意されている。なお、識別図柄は、数字以外にも、文字、図形、記号等を意匠化した図柄であってもよく、遊技者が特別図柄の大当り抽選の結果を識別できる形態であればよい。

図９（ａ）には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄２７ａが「１」〜「９」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄２７ｃが停止表示され、最後に中識別図柄２７ｂが停止表示される。演出表示装置２７で停止表示されるこれら３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの組合せ（停止表示態様）は、前述した特図１ＬＥＤ３０ａで停止表示される特図１および特図２ＬＥＤ３３ａで停止表示される特図２の停止表示態様と連動するように構成されている。たとえば、変動表示していた特図１あるいは特図２が「１５Ｒ通常大当り図柄」または「１５Ｒ確変大当り図柄」で停止する場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄で停止表示される。但し、本実施例のパチンコ機１では、停止表示される特別図柄の種類と、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの停止表示態様とに明確な対応関係はないので、停止表示された識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの組合せを遊技者が見ても、停止表示された特別図柄が「１５Ｒ通常大当り図柄」または「１５Ｒ確変大当り図柄」の何れであるか、および前述した「図柄Ａ」または「図柄Ｂ」の何れであるかを判断することはできない。一方、特別図柄が「２Ｒ確変大当り図柄」または「小当り図柄」で停止する場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄で揃わない所定の組合せで停止表示される。更に、特別図柄が「外れ図柄」で停止する場合は、「２Ｒ確変大当り図柄」または「小当り図柄」に対応する組合せを除いて、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。

このように、特図１ＬＥＤ３０ａで表示される特図１および特図２ＬＥＤ３３ａで表示される特図２と、演出表示装置２７で表示される３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃとは、表示内容（当り外れ）が互いに連動しており、それぞれの表示図柄が確定する（停止表示される）タイミングも同じに設定されている。しかも、図２に示すように、演出表示装置２７は、特図１ＬＥＤ３０ａや特図２ＬＥＤ３３ａよりも目に付き易い遊技盤１０（遊技領域１１）の略中央に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置２７の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図９（ｂ）に示すように、演出表示装置２７の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄２７ａと、続いて停止表示される右識別図柄２７ｃとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄２７ｂも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技が開始されるのではないかと、遊技者は識別図柄の変動を注視することになる。このように、２つの識別図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の識別図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。また、演出表示装置２７では、リーチ演出の他にも、大当りの発生を事前に示唆する予告演出や、現在の遊技状態を報知する遊技状態報知演出などが、図柄変動演出の一環として行われる。これらの演出は、表示制御基板２３０の画像ＲＯＭ２３４に格納された演出画像データを用いて行われる。

Ｃ．パチンコ機の制御内容 ：
以下では、上述した遊技を実現するために、本実施例のパチンコ機１が行っている制御内容について詳しく説明する。

Ｃ−１．遊技制御処理 ：
図１０は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、始動口復帰処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ４ｍｓｅｃとなっており、従って、これら各種の処理は約４ｍｓｅｃ毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板２２０を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板２００から各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機１全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板２２０では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が行う遊技制御処理について説明する。

主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理（賞球関連処理）を行う（Ｓ１００）。かかる処理では、主制御基板２００に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ（第１始動口スイッチ１７ｓ、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓなど）について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板２４０に向かって賞球数指定コマンドを送信する処理を行う。払出制御基板２４０は、主制御基板２００から送信された賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置１０９に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。遊技制御処理では、こうして賞球関連処理（Ｓ１００）を終了すると、続いて、以下に説明する普通図柄遊技処理を開始する（Ｓ１０４）。

Ｃ−２．普通図柄遊技処理 ：
図１１は、遊技制御処理の中で行われる普通図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。尚、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が以下の普通図柄遊技処理を実行することによって、普通図柄の変動表示および停止表示が制御されていることから、本実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「普通図柄制御手段」の一態様を構成している。

図示されているように普通図柄遊技処理では、先ず初めに、普通図柄作動ゲート３６を遊技球が通過したか否かを判断する（Ｓ２００）。前述したように、普通図柄作動ゲート３６の内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ３６ｓが設けられており、これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過したことを検出することができる。

ゲートスイッチ３６ｓで遊技球の通過が検出され、普通図柄作動ゲート３６を遊技球が通過したと判断された場合は（Ｓ２００：ｙｅｓ）、普通図柄の保留数（普図保留数）が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ２０２）。そして、普図保留数が上限値に達していなければ（Ｓ２０２：ｙｅｓ）、普図判定用乱数を取得して主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶する処理を行う（Ｓ２０４）。ここで、普図判定用乱数は、普通図柄を変動表示させるに際して当りまたは外れの何れとするかの判定（当り判定）を行うのに用いられる乱数である。また、普図判定用乱数を記憶したら、普通図柄の保留数が１つ増加したことになるので、普図保留数に「１」を加算する（Ｓ２０６）。尚、こうした乱数は、主制御基板２００に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもできるし、乱数発生用のプログラムを用いてソフトウェア的に生成することも可能である。

一方、遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過していない場合や（Ｓ２００：ｎｏ）、普図保留数が上限値に達している場合は（Ｓ２０２：ｎｏ）、普図判定用乱数を取得して記憶する処理や、普図保留数に「１」を加算する処理をスキップして、第２始動口１７ｂが開放中か否かを判断する（Ｓ２０８）。前述したように、第２始動口１７ｂは、普通図柄が当り態様で停止することによって開放状態となる。また、普通図柄遊技処理の以後の処理では、普通図柄の変動表示や停止表示を行うが、既に第２始動口１７ｂが開放状態であれば、普通図柄が当り態様で停止しても重ねて開放状態とすることはできない。そこで、第２始動口１７ｂが開放中であった場合には（Ｓ２０８：ｙｅｓ）、普通図柄の変動表示や停止表示を行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

これに対して、第２始動口１７ｂが開放していなかった場合には（Ｓ２０８：ｎｏ）、普通図柄が変動表示中か否かを判断する（Ｓ２１０）。図３を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には、普通図柄表示部２９が設けられており、普通図柄を変動表示可能となっている。このとき、普通図柄が変動表示していなかった場合は（Ｓ２１０：ｎｏ）、次いで、遊技者が停止態様を確認できるように普通図柄を停止表示させておく時間（停止表示時間）中であるか否かを判断する（Ｓ２１２）。普通図柄が変動表示中ではなく、且つ、停止表示時間が経過していると判断された場合は（Ｓ２１２：ｎｏ）、さらに、普図保留数が「０」か否かを判断する（Ｓ２１４）。前述したように普図保留数は、上限値「４」に達するまで記憶可能である。そして、普図保留数が「０」である場合には（Ｓ２１４：ｙｅｓ）、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

一方、普図保留数が「０」でない場合は（Ｓ２１４：ｎｏ）、主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶されている最も古い普図判定用乱数を読み出した後（Ｓ２１６）、普通図柄を変動表示させるための処理（普通図柄変動表示関連処理）を開始する（Ｓ２１８）。

図１２は、普通図柄遊技処理の中で行われる普通図柄変動表示関連処理の流れを示したフローチャートである。図示されているように、普通図柄変動表示関連処理を開始すると、先ず初めに、開放延長フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３００）。ここで、開放延長フラグとは、前述した開放延長機能（第２始動口１７ｂの開放状態の時間を延長する機能）を作動させる際にＯＮの状態に設定されるフラグであり、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスが、開放延長フラグとして割り当てられている。そして、開放延長フラグがＯＦＦに設定されている場合、すなわち、開放延長機能が作動していない場合は（Ｓ３００：ｎｏ）、低確率判定テーブルを選択する（Ｓ３０２）。一方、開放延長フラグがＯＮに設定されている場合、すなわち、開放延長機能が作動中である場合は（Ｓ３００：ｙｅｓ）、高確率判定テーブルを選択する（Ｓ３０４）。ここで、判定テーブルとは、普通図柄を変動表示させるに際して当りまたは外れの何れとするかを判定するために参照する専用のテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

図１３は、本実施例のパチンコ機１で用いられる判定テーブルを概念的に示した説明図である。図１３（ａ）には、低確率判定テーブルが示されており、図１３（ｂ）には、高確率判定テーブルが示されている。図示されているように、判定テーブルには、遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過することで取得される普図判定用乱数に対して、「当り」または「外れ」の何れかの判定結果が対応付けられている。本実施例のパチンコ機１では、普図判定用乱数として０〜６５５３５の範囲の乱数値を取得することが可能となっており、図１３（ａ）の低確率判定テーブルでは、このうちの乱数値「０」が当りに設定されているのみで、それ以外の乱数値は外れに設定されている。逆に、図１３（ｂ）の高確率判定テーブルでは、乱数値「６５５３５」のみが外れに設定されており、それ以外の乱数値は当りに設定されている。

図１２の普通図柄変動表示関連処理では、開放延長フラグの設定（ＯＮ／ＯＦＦ）に応じて判定テーブルを選択すると、選択したテーブルを用いて普通図柄の当り判定を行う（Ｓ３０６）。すなわち、選択した判定テーブルを参照しながら、図１１のＳ２１６で読み出した最も古い普図判定用乱数に対応する判定結果を引き出すことによって、「当り」あるいは「外れ」の何れかを決定する。そのため、図１３（ａ）の低確率判定テーブルが選択される開放延長機能未作動時には、普通図柄判定の結果が「当り」となることはほとんどなく、一方、図１３（ｂ）の高確率判定テーブルが選択される開放延長機能作動時には、非常に高い確率で普通図柄判定の結果が「当り」となる。

普通図柄判定を行うと、次いで、その判定結果が「当り」か否かを判断する（Ｓ３０８）。そして、判定結果が「当り」であった場合には（Ｓ３０８：ｙｅｓ）、普通図柄の停止態様を当り態様（普通図柄ＬＥＤ２９ａを点灯）に決定する（Ｓ３１０）。これに対して、判定結果が「外れ」であった場合には（Ｓ３０８：ｎｏ）、普通図柄の停止態様を外れ態様（普通図柄ＬＥＤ２９ａを消灯）に決定する（Ｓ３１２）。

こうして普通図柄判定の結果に応じて普通図柄の停止態様を決定したら、今度は、普通図柄を変動表示させる時間（変動表示時間）を決定する。変動表示時間を決定するに際しては、先ず、特殊変動フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３１４）。ここで、特殊変動フラグとは、新たに開始する普通図柄の変動表示を特殊な変動表示とすることを示すフラグであり、本実施例のパチンコ機１では、後述するように大当り遊技を終了する際にＯＮの状態に設定される。尚、この特殊変動フラグには、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスが予め割り当てられている。そして、特殊変動フラグがＯＮに設定されていた場合には（Ｓ３１４：ｙｅｓ）、長時間変動用の変動表示時間（例えば、６０秒間）を普図変動時間計測タイマにセットする（Ｓ３１６）。ここで、普図変動時間計測タイマとは、普通図柄の変動表示時間を計測するための専用のタイマであり、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスに設定されている。

これに対して、特殊変動フラグがＯＦＦに設定されていた場合には（Ｓ３１４：ｎｏ）、続いて、変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３１８）。ここで、変動短縮フラグとは、前述した変動短縮機能（普通図柄および特別図柄の変動表示の時間を短縮する機能）を作動させる際にＯＮの状態に設定されるフラグであり、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスが、変動短縮フラグとして割り当てられている。そして、変動短縮フラグがＯＮに設定されていた場合には（Ｓ３１８：ｙｅｓ）、短時間変動用の変動表示時間（例えば、０．８秒間）を普図変動時間計測タイマにセットする（Ｓ３２０）。

一方、特殊変動フラグおよび変動短縮フラグの何れもＯＦＦに設定されていた場合には（Ｓ３１８：ｎｏ）、通常変動用の変動表示時間（例えば、６秒間）を普図変動時間計測タイマにセットする（Ｓ３２２）。

こうして特殊変動フラグおよび変動短縮フラグの状態（ＯＮ／ＯＦＦ）に応じて普通図柄の変動表示時間をセットすると、普通図柄の変動表示を開始する（Ｓ３２４）。前述したように、本実施例のパチンコ機１では、第１図柄表示装置２８において普通図柄ＬＥＤ２９ａを点滅させることによって普通図柄の変動表示を行う。また、普通図柄の変動表示の開始と同時に普図変動時間計測タイマを作動（カウントダウン）させることにより、普通図柄の変動表示時間の計測を開始する。さらに、普通図柄の変動表示を開始すると、普通図柄の保留を１つ消化したことになるので、普図保留数から「１」を減算した後（Ｓ３２６）、普通図柄変動表示関連処理を終了して、図１１に示す普通図柄遊技処理に復帰する。

図１１の普通図柄遊技処理では、以上のようにして普通図柄変動表示関連処理（Ｓ２１８）から復帰すると、そのまま処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。尚、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が、上述した普通図柄変動表示関連処理を実行することによって、開放延長機能の未作動時（大当り遊技中）の普通図柄当り確率を低確率に設定し、開放延長機能の作動時の普通図柄当り確率を高確率に設定するとともに、大当り遊技（特別遊技）終了後の最初に行われる普通図柄の変動表示の変動表示時間を長時間（特殊変動時間）に設定することから、本実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「開放遅延手段」の一態様を構成している。

以上、図１１のＳ２１０において、普通図柄が変動表示していなかった場合（Ｓ２１０：ｎｏ）に行われる処理について詳細に説明した。これに対して、普通図柄が変動表示中であった場合は（Ｓ２１０：ｙｅｓ）、普通図柄の変動表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ２２０）。前述したように、本実施例のパチンコ機１では、普通図柄の変動表示を開始する際に、特殊変動フラグおよび変動短縮フラグの状態（ＯＮ／ＯＦＦ）に応じて変動表示時間をセットした普図変動時間計測タイマを作動させてカウントダウンを開始する。そして、未だタイマが「０」になっておらず、変動表示時間が経過していないと判断された場合には（Ｓ２２０：ｎｏ）、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、普図変動時間計測タイマが「０」になって普通図柄の変動表示時間が経過したと判断された場合は（Ｓ２２０：ｙｅｓ）、第１図柄表示装置２８の普通図柄表示部２９で変動表示している普通図柄を、予め決定しておいた態様（当り態様または外れ態様）で停止表示されるとともに（Ｓ２２２）、普通図柄の停止表示時間（普通図柄を停止表示させておく時間）を設定する（Ｓ２２４）。

こうして普通図柄を停止表示させたら、今回の普通図柄の変動表示が特殊な変動表示（長時間変動表示）であったか否かを判断する（Ｓ２２６）。前述したように、普通図柄の変動表示を開始する際に特殊変動フラグ（新たに開始される普通図柄の変動表示を特殊な変動表示とすることを示すフラグ）がＯＮに設定されていると、普図変動時間計測タイマに長時間変動用の変動時間がセットされるため（図１２のＳ３１６）、そのときの普通図柄の変動表示は長時間変動表示となる。そして、今回の普通図柄の変動表示が長時間変動表示であった場合には（Ｓ２２６：ｙｅｓ）、普通図柄の特殊な変動表示が終了したことを示す特殊変動終了コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信した後（Ｓ２２８）、ＯＮに設定されている特殊変動フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ２３０）。

これに対して、今回の普通図柄の変動表示が長時間変動表示でなかった場合には（Ｓ２２６：ｎｏ）、特殊変動終了コマンドを送信する処理（Ｓ２２８）や、特殊変動フラグをＯＦＦに設定する処理（Ｓ２３０）を省略して、先に設定した普通図柄の停止表示時間（Ｓ２２４）が経過したか否かを判断する（Ｓ２３２）。そして、未だ停止表示時間が経過していなければ（Ｓ２３２：ｎｏ）、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

一方、普通図柄の停止表示時間が経過した場合は（Ｓ２３２：ｙｅｓ）、普通図柄が当り態様（普通図柄ＬＥＤ２９ａを点灯）で停止表示しているか否かを判断する（Ｓ２３４）。そして、普通図柄が当り態様で停止表示している場合は（Ｓ２３４：ｙｅｓ）、第２始動口１７ｂを開放状態とする（Ｓ２３６）。図５を用いて前述したように、本実施例の第２始動口１７ｂには、左右一対の翼片１７ｗが設けられており、この一対の翼片１７ｗを外側に向けて回転させることで開放状態となり、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球が可能となる。

これに対して、普通図柄が外れ態様（普通図柄ＬＥＤ２９ａを消灯）で停止表示している場合は（Ｓ２３４：ｎｏ）、第２始動口１７ｂを開放状態とすることなく（翼片１７ｗが直立した通常状態のまま）普通図柄遊技処理を終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

図１０に示す遊技制御処理では、普通図柄遊技処理（Ｓ１０４）を終了したら、第２始動口１７ｂが開放中か否かを判断する（Ｓ１０６）。そして、開放中である場合は（Ｓ１０６：ｙｅｓ）、開放している第２始動口１７ｂを通常状態に復帰させるための処理（始動口復帰処理）を行う（Ｓ１０８）。一方、第２始動口１７ｂが開放していない場合は（Ｓ１０６：ｎｏ）、始動口復帰処理を行う必要はないのでスキップする。

始動口復帰処理（Ｓ１０８）では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、第２始動口１７ｂの開放時間が経過したか、若しくは、第２始動口１７ｂに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立した場合に、開放状態になっている第２始動口１７ｂを通常状態に復帰させる処理を行う。尚、第２始動口１７ｂの開放時間は、通常の遊技状態では約０．５秒間に設定されているが、後述する開放延長機能が作動すると約５秒間に延長される。一方、第２始動口１７ｂの開放時間が経過しておらず、第２始動口１７ｂへの入球数も規定数に達していない場合は、第２始動口１７ｂを開放させたまま、始動口復帰処理（Ｓ１０８）を終了する。

遊技制御処理では、始動口復帰処理（Ｓ１０８）を終了すると、続いて、以下に説明する特別図柄遊技処理を開始する（Ｓ１１２）。

Ｃ−３．特別図柄遊技処理 ：
図１４、図１５および図１６は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、始動口ユニット１７の第１始動口１７ａに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ４００）。前述したように、第１始動口１７ａの内部には、遊技球の入球を検出する第１始動口スイッチ１７ｓが設けられており、これにより、第１始動口１７ａに遊技球が入球したことを検出することができる。

遊技球の入球が第１始動口スイッチ１７ｓによって検出され、第１始動口１７ａに遊技球が入球したと判断された場合は（Ｓ４００：ｙｅｓ）、特図１の保留数が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ４０２）。このとき、特図１の保留数が上限値に達していなければ（Ｓ４０２：ｙｅｓ）、特図１の抽選用乱数および図柄決定乱数を取得して主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶する処理を行う（Ｓ４０４）。ここで、特図１の抽選用乱数は、後述する特図１の大当り抽選を行うために用いられる乱数であり、特図１の図柄決定乱数は、特図１の大当り抽選の結果に応じて停止表示させる特図１の種類（図８参照）を決定するための乱数である。また、これらの乱数を記憶したら、特図１の保留数が１つ増加したことになるので、特図１の保留数に「１」を加算する（Ｓ４０６）。

一方、第１始動口１７ａに遊技球が入球していない場合や（Ｓ４００：ｎｏ）、特図１の保留数が既に上限値に達している場合は（Ｓ４０２：ｎｏ）、Ｓ４０４およびＳ４０６の処理をスキップして、今度は、第２始動口１７ｂに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ４０８）。前述したように、第２始動口１７ｂの内部には、遊技球の入球を検出する第２始動口スイッチ１７ｔが設けられており、これにより、第２始動口１７ｂに遊技球が入球したことを検出することができる。

そして、第２始動口スイッチ１７ｔによって遊技球が検出され、第２始動口１７ｂに遊技球が入球したと判断された場合は（Ｓ４０８：ｙｅｓ）、特図２の保留数が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断し（Ｓ４１０）、特図２の保留数が上限値に達していなければ（Ｓ４１０：ｙｅｓ）、特図２の抽選用乱数および図柄決定乱数を取得して主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶する処理を行う（Ｓ４１２）。また、これらの乱数を記憶すると、特図２の保留数が１つ増加したことになるので、特図２の保留数に「１」を加算する（Ｓ４１４）。

これに対して、第２始動口１７ｂに遊技球が入球していない場合や（Ｓ４０８：ｎｏ）、特図２の保留数が上限値に達している場合は（Ｓ４１０：ｎｏ）、Ｓ４１２およびＳ４１４の処理をスキップする。

以上のようにして特図１および特図２の保留に関する処理を行ったら、大当り遊技中または小当り遊技中か否かを判断する（Ｓ４１６）。特別図柄遊技処理における以後の処理では、特図１あるいは特図２の変動表示および停止表示を行うとともに、所定の当り図柄が停止表示された場合には、当り図柄の種類に応じて当り遊技（大当り遊技または小当り遊技）を開始するが、既に当り遊技中であれば、重ねて当り遊技を開始することはできない。そこで、大当り遊技中または小当り遊技中であった場合は（Ｓ４１６：ｙｅｓ）、特図１および特図２の変動表示や停止表示を行うことなく、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

一方、大当り遊技中または小当り遊技中の何れでもなかった場合は（Ｓ４１６：ｎｏ）、特図１または特図２が変動表示中か否かを判断する（Ｓ４１８）。図３を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機１には、第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２が設けられており、第１図柄表示装置２８の特図１表示部３０では特図１を変動表示可能であり、第２図柄表示装置３２の特図２表示部３３では特図２を変動表示可能となっている。

特図１および特図２が共に変動表示中でない場合は（Ｓ４１８：ｎｏ）、特別図柄（特図１あるいは特図２）の停止図柄を表示させておく停止表示時間中であるか否かを判断する（Ｓ４２０）。すなわち、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、特別図柄が何れの図柄で停止表示されたかを、遊技者が確認するための停止表示時間が設けられているので、この停止表示時間中か否かを判断するのである。特図１および特図２の何れも変動表示されておらず、且つ、停止表示時間も経過していることが確認された場合は（Ｓ４２０：ｎｏ）、次いで、特図２の保留数が「０」か否かを判断する（Ｓ４２２）。すなわち、前述したように、本実施例のパチンコ機１では、特図１および特図２の２つの特別図柄が設けられており、対応する保留をそれぞれ上限値「４」に達するまで記憶可能であるが、先ず初めに特図２の保留数について確認する。そして、特図２の保留数が「０」でない場合は（Ｓ４２２：ｎｏ）、主制御基板２００のＲＡＭ２０３に最も古くに記憶された特図２の抽選用乱数および図柄決定乱数を読み出す（Ｓ４２４）。前述したように特図２の抽選用乱数および図柄決定乱数は、遊技球が第２始動口１７ｂに入球することで取得される（図１４のＳ４１２）。最も古い特図２の抽選用乱数および図柄決定乱数の読み出しを行ったら、特図２を変動表示させるための処理（特図２の変動表示関連処理）を開始し、特図２の変動表示関連処理が終了すると特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。尚、変動表示関連処理の詳細な内容については後述する。

一方、特図２の保留数が「０」である場合は（Ｓ４２２：ｙｅｓ）、次いで、特図１の保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ４２８）。そして、特図１の保留が「０」でない場合は（Ｓ４２８：ｎｏ）、主制御基板２００のＲＡＭ２０３に最も古くに記憶された特図１の抽選用乱数および図柄決定乱数を読み出した後（Ｓ４３０）、特図１を変動表示させるための処理（特図１の変動表示関連処理）を実行する（Ｓ４３２）。これに対して、特図１の保留数および特図２の保留数が何れも「０」である場合には（Ｓ４２８：ｙｅｓ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。このように、特図１については、特図２の保留数が「０」である場合にのみ、保留があるか否かを判断するので、第２特図の保留が残っている間は、特図１の変動表示関連処理が行われることはない。つまり、特図２の変動表示関連処理は、特図１の変動表示関連処理に優先して実行される。

ここで、特別図柄遊技処理（図１２）の中で、特図２を変動表示させるために行われる特図２の変動表示関連処理（Ｓ４２６）、および特図１を変動表示させるために行われる特図１の変動表示関連処理（Ｓ４３２）の内容について詳しく説明する。

図１７および図１８は、特別図柄遊技処理の中で行われる変動表示関連処理の流れを示したフローチャートである。尚、特図１の変動表示関連処理と特図２の変動表示関連処理とは多くの部分が共通しているため、ここでは、共通する部分については特図１と特図２とを区別せずに特別図柄として説明し、異なる部分については特図１と特図２とに分けてそれぞれ説明する。

変動表示関連処理と開始すると、先ず初めに、確変フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ５００）。ここで、確変フラグとは、前述した確変機能（特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を高くする機能）を作動させる際にＯＮの状態に設定されるフラグであり、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスが、確変フラグとして割り当てられている。そして、確変フラグがＯＦＦに設定されている場合、すなわち、確変機能が作動していない場合は（Ｓ５００：ｎｏ）、非確変時用の大当り抽選テーブルを選択する（Ｓ５０２）。一方、確変フラグがＯＮに設定されている場合、すなわち、確変機能が作動している場合は（Ｓ５００：ｙｅｓ）、確変時用の大当り抽選テーブルを選択する（Ｓ５０４）。ここで、大当り抽選テーブルとは、特別図柄（特図１および特図２）の大当り抽選を行う際に参照する専用のテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

図１９は、本実施例のパチンコ機１で用いられる大当り抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図１９（ａ）には、非確変時用の大当り抽選テーブルが示されており、図１９（ｂ）には、確変時用の大当り抽選テーブルが示されている。図示されているように、大当り抽選テーブルには、抽選用乱数に対して、「大当り」または「外れ」の何れかの大当り抽選結果が対応付けられている。また、図１９（ａ）と図１９（ｂ）とを比較すれば明らかなように、確変時用の大当り抽選テーブルは、非確変時用の大当り抽選テーブルよりも多くの乱数値が「大当り」に設定されている。

図１７に示す変動表示関連処理では、現在の確変フラグの設定（ＯＮ／ＯＦＦ）に応じて大当り抽選テーブルを選択したら、選択したテーブルを用いて大当り抽選を行う（Ｓ５０６）。すなわち、選択した大当り抽選テーブルを参照しながら、図１５のＳ４３４で読み出した最も古い特図２の抽選用乱数、あるいはＳ４３０で読み出した最も古い特図１の抽選用乱数に対応する大当り抽選結果を引き出すことによって、「大当り」あるいは「外れ」の何れであるかを決定する。上述したように、確変機能の作動時に参照する確変時用の大当り抽選テーブルは、確変機能の未作動時に参照する非確変時用の大当り抽選テーブルに比べて、「大当り」に設定されている乱数値が多いことから、確変機能の作動時は、未作動時よりも高い確率で大当り抽選の結果が「大当り」になる。尚、本実施例のパチンコ機１では、特図１および特図２の何れの大当り抽選においても参照する大当り抽選テーブルは共通となっている。

大当り抽選を行ったら、大当り抽選の結果が「大当り」か否かを判断する（Ｓ５０８）。そして、大当り抽選の結果が「大当り」であった場合には（Ｓ５０８：ｙｅｓ）、図８に示した６種類の大当り図柄（１５Ｒ通常大当り図柄Ａ、１５Ｒ通常大当り図柄Ｂ、１５Ｒ確変大当り図柄Ａ、１５Ｒ確変大当り図柄Ｂ、２Ｒ確変大当り図柄Ａ、２Ｒ確変大当り図柄Ｂ）の中から、停止表示させる大当り図柄を決定する（Ｓ５１０）。大当り図柄を決定する処理は、先に読み出した図柄決定乱数（図１５のＳ４２４、Ｓ４３０）に基づいて大当り図柄決定テーブルと呼ばれる専用のテーブルを参照することによって行う。本実施例のパチンコ機１では、特図１の変動表示関連処理であるか、特図２の変動表示関連処理であるかによって参照する大当り図柄決定テーブルが異なっている。

図２０は、特図１の変動表示関連処理において大当り図柄を決定するために参照される特図１大当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。この特図１大当り図柄決定テーブルは、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。図示されているように、特図１大当り図柄決定テーブルには、図柄決定乱数に対して、図８に示した６種類の大当り図柄の何れかが設定されている。このような特図１大当り図柄決定テーブルを参照しながら、先に読み出した図柄決定乱数に対応する大当り図柄を引き出すことによって、特図１を何れの大当り図柄で停止表示させるかを決定することができる。また、前述したように、それぞれの大当り図柄には、ラウンド回数と、確変機能の有無と、変動短縮機能および開放延長機能の有無とが予め対応付けられている。そのため、図柄決定乱数に基づいて大当り図柄が決定されると同時に、大当り遊技で実行されるラウンドの回数、および大当り遊技の終了後に確変機能、変動短縮機能、開放延長機能の何れを作動させるかも決定されることになる。

図２１は、特図２の変動表示関連処理において大当り図柄を決定するために参照される特図２大当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。特図２大当り図柄決定テーブルは、図２０に示した特図１大当り図柄決定テーブルと比較すると、何れの図柄決定乱数に対しても「２Ｒ確変大当り図柄Ａ」および「２Ｒ確変大当り図柄Ｂ」が設定されていない。そのため、特図２で停止表示させる大当り図柄が２Ｒ大当り図柄（２Ｒ確変大当り図柄Ａ、２Ｒ確変大当り図柄Ｂ）に決定されることはなく、１５Ｒ大当り図柄（１５Ｒ通常大当り図柄Ａ、１５Ｒ通常大当り図柄Ｂ、１５Ｒ確変大当り図柄Ａ、１５Ｒ確変大当り図柄Ｂ）の何れかに決定される。尚、１５Ｒ大当り図柄が停止表示されると、２Ｒ大当り図柄に比べて大当り遊技で実行されるラウンドの回数が多いことから、遊技者は多くの賞球を得ることができる。また、前述したように、本実施例のパチンコ機１では、特図１よりも特図２の変動表示が優先して開始されるので、大当り遊技の終了後に開放延長機能が作動して第２始動口１７ｂに遊技球が入球し易くなると、１５Ｒ大当り図柄が停止表示される可能性が高くなり、遊技者にとって有利となる。

以上、図１７のＳ５０８において、大当り抽選の結果が「大当り」であった場合（Ｓ５０８：ｙｅｓ）に行われる処理について説明したが、大当り抽選の結果が「外れ」であった場合には（Ｓ５０８：ｎｏ）、その大当り抽選で「外れ」と判定された抽選用乱数を用いて小当り抽選を行う（Ｓ５１２）。この小当り抽選は、抽選用乱数に対して「小当り」または「外れ」の何れかの小当り抽選結果が設定された小当り抽選テーブル（図示せず）を参照することによって行う。尚、小当り抽選テーブルは、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

続いて、小当り抽選の結果が「小当り」か否かを判断し（Ｓ５１４）、小当り抽選の結果が「小当り」の場合は（Ｓ５１４：ｙｅｓ）、２種類の小当り図柄（図８参照）の中から、停止表示させる小当り図柄を決定する（Ｓ５１６）。小当り図柄を決定する処理は、図柄決定乱数に対して何れかの小当り図柄が設定された小当り図柄決定テーブルを参照することによって行う。尚、小当り図柄決定テーブルは、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

これに対して、小当り抽選の結果が「外れ」の場合は（Ｓ５１４：ｎｏ）、２種類の外れ図柄（図７参照）の中から、停止表示させる外れ図柄を決定する（Ｓ５１８）。外れ図柄を決定する処理は、図柄決定乱数に対して何れかの外れ図柄が予め設定された外れ図柄決定テーブルを参照することによって行う。尚、外れ図柄決定テーブルは、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

こうして大当り抽選および小当り抽選の結果に応じて停止表示させる図柄を決定したら、特別図柄の変動パターンを決定するための処理を開始する。ここで、特別図柄の変動パターンとは、特別図柄を変動表示させる態様のことである。尚、特別図柄を変動表示させるとはいっても、図８に示した１０種類の表示態様を次々と切り換えながら表示するだけなので、特別図柄の変動パターンは、実質的には、特別図柄を変動表示させる時間（変動時間）に対応している。もっとも、前述したように本実施例のパチンコ機１では、第１図柄表示装置２８で行われる特図１変動表示および第２図柄表示装置３２で行われる特図２の変動表示と、演出表示装置２７で行われる識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示とは互いに連動していることから、特別図柄の変動パターンを決定すると、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが変動表示される時間が決定されることになる。

特別図柄の変動パターンを決定するに当たっては、先ず初めに、変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ５２０）。前述したように、変動短縮フラグとは、前述した変動短縮機能（普通図柄および特別図柄の変動表示の時間を短縮する機能）を作動させる際にＯＮの状態に設定されるフラグである。そして、変動短縮フラグがＯＦＦに設定されている場合、すなわち、変動短縮機能が作動していない場合は（Ｓ５２０：ｎｏ）、通常変動用の変動パターンテーブルを選択する（Ｓ５２２）。ここで、変動パターンテーブルとは、特別図柄の変動パターンを決定するために参照する専用のテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。この変動パターンテーブルには、複数の変動パターンが予め設定されており、各変動パターンに対応する特別図柄の変動時間は長さがそれぞれ異なっている。

これに対して、変動短縮フラグがＯＮに設定されている場合、すなわち、変動短縮機能が作動している場合は（Ｓ５２０：ｙｅｓ）、続いて、特殊変動フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ５２４）。前述したように、特殊変動フラグとは、普通図柄の変動表示を特殊な変動表示（長時間変動表示）とすることを示すフラグである。そして、特殊変動フラグがＯＦＦに設定されている場合は（Ｓ５２４：ｎｏ）、短縮変動用の変動パターンテーブルを選択する（Ｓ５２６）。この短縮変動用の変動パターンテーブルには、上述した通常変動用の変動パターンテーブルとは異なる複数の変動パターンが設定されている。また、前述したように、変動短縮機能が作動している間は、特別図柄の変動表示の時間が短縮されることから、短縮変動用の変動パターンテーブルには、通常変動用の変動パターンテーブルに比べて、特別図柄の変動時間が短い変動パターンが多く設定されている。

一方、変動短縮フラグはＯＮに設定されているものの、特殊変動フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ５２４：ｙｅｓ）、短縮変動用の変動パターンテーブルではなく、通常変動用の変動パターンテーブルを選択する（Ｓ５２２）。

こうして変動短縮フラグおよび特殊変動フラグの状態（ＯＮ／ＯＦＦ）に応じて変動パターンテーブルを選択したら、変動パターンを決定するために用いられる乱数である変動パターン決定乱数を取得した後（Ｓ５２８）、選択した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する（図１８のＳ５３０）。本実施例の変動パターンテーブルには、変動パターン決定乱数と複数の変動パターンとの対応関係が予め設定されていることから、取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターンを引き出すことによって、直ちに変動パターンを決定することができる。尚、前述したように、変動短縮機能が作動していても、特殊変動フラグがＯＮに設定されていれば、通常変動用の変動パターンテーブルが選択されることから、通常時（変動短縮機能の未作動時）と同様の変動パターンが決定される。また、本実施例のパチンコ機１では、通常変動用の変動パターンテーブルおよび短縮変動用の変動パターンテーブルの何れにも、前述した大当り抽選および小当り抽選の結果に応じて、大当り時変動パターンテーブル、小当り時変動パターンテーブル、外れ時変動パターンテーブルの３種類が用意されており、それぞれのテーブルでは、設定されている変動パターンが異なっている。例えば、大当り抽選の結果が大当りのときに用いられる大当り時変動パターンテーブルには、演出表示装置２７にてリーチ演出を行う時間を確保するために、変動時間が長めの変動パターンが設定されている。そのため、Ｓ５３０では、変動短縮機能の有無だけでなく、大当り抽選および小当り抽選の結果を反映した変動パターンが決定される。

以上のようにして特別図柄の変動パターンを決定したら、特別図柄の変動表示を開始する（Ｓ５３２）。前述したように、本実施例のパチンコ機１では、第１図柄表示装置２８で特図１を変動表示可能であるとともに、第２図柄表示装置３２で特図２を変動表示可能となっており、具体的には、図８に示した１０種類の図柄を次々と切り換えることによって変動表示を行う。

続いて、Ｓ５３０において決定した特別図柄の変動パターンを指定するコマンド（変動パターン指定コマンド）を、サブ制御基板２２０に向かって送信し（Ｓ５３４）、更に、大当り抽選および小当り抽選の結果に応じてＳ５１０、Ｓ５１６、Ｓ５１８の何れかで決定した特別図柄の停止図柄（停止表示させる図柄）を指定するコマンド（停止図柄指定コマンド）を、同じくサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ５３６）。

サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、こうして送信された変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンドを受け取ることにより、第１図柄表示装置２８で変動表示される特図１や第２図柄表示装置３２で変動表示される特図２の変動時間および停止図柄についての情報を得ることができる。そこで、これらの情報に応じて、演出表示装置２７で行う演出表示パターン（識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示態様）を決定し、決定した演出表示パターンを指示する制御コマンドを表示制御基板２３０へ向けて送信する。こうすることにより、第１図柄表示装置２８での特図１あるいは第２図柄表示装置３２での特図２の変動表示および停止表示に合わせて、演出表示装置２７においても、表示制御基板２３０の制御下で、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを用いた図柄変動演出が行われる。

また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、特別図柄の変動表示を新たに開始したことによって特別図柄の保留を１つ消化したことになるので、特別図柄の保留数から「１」を減算した後（Ｓ５３８）、変動表示関連処理を終了して、図１５に示す特別図柄遊技処理に復帰する。

以上では、図１５のＳ４１８において、特図１および特図２が共に変動表示していなかった場合（Ｓ４１８：ｎｏ）に行われる処理について詳細に説明した。一方、特図１または特図２の何れかが変動表示中であった場合は（Ｓ４１８：ｙｅｓ）、既に変動パターンと停止図柄とが決定されて、変動表示が開始されていることになるので、変動表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４３４）。すなわち、特別図柄（特図１または特図２）の変動表示時間は変動パターンに応じて定められているので、特別図柄の変動表示を開始すると同時にタイマをセットすることにより、定められた変動表示時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動表示時間が経過していない場合は（Ｓ４３４：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動表示している特別図柄（特図１または特図２）の変動表示時間が経過したと判断された場合は（Ｓ４３４：ｙｅｓ）、特別図柄を停止表示させることを示すコマンド（図柄停止コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信するとともに（Ｓ４３６）、変動表示している特別図柄を、予め決定しておいた図柄（停止図柄）で停止表示させる（Ｓ４３８）。次いで、停止表示させた特別図柄の停止表示時間を設定した後（Ｓ４４０）、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４４２）。そして、停止表示時間が経過していなければ（Ｓ４４２：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は（Ｓ２４４：ｙｅｓ）、停止表示された特別図柄（特図１または特図２）が、図８に示した大当り図柄（１５Ｒ通常大当り図柄、１５Ｒ確変大当り図柄、２Ｒ確変大当り図柄）の何れかであるか否かを判断する（図１６のＳ４４４）。そして、停止表示された図柄が大当り図柄であった場合は（Ｓ４４４：ｙｅｓ）、大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ２４８）。ここで、大当りフラグとは、大当り遊技を開始することを示すフラグであり、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスが大当りフラグに割り当てられている。詳しくは後述するが、大当りフラグがＯＮに設定された状態で図１０の遊技制御処理に復帰すると、特別電動役物遊技処理が行われて、いわゆる大当り遊技が開始される。尚、本実施例の大当り遊技は、本発明の「特別遊技」に相当しており、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が大当りフラグをＯＮに設定することによって大当り遊技が実行されることから、本実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「特別遊技実行手段」の一態様を構成している。

大当りフラグをＯＮに設定したら、続いて、大当り遊技で開放される大入賞口３１ｄの開放パターン（開放時間やラウンド回数など）を設定する処理を行う。本実施例のパチンコ機１では、停止表示された大当り図柄の種類によって、大当り遊技での大入賞口３１ｄの開放パターンが異なっている。そこで、先ず、停止表示された大当り図柄が２Ｒ確変大当り図柄か否かを判断し（Ｓ４４８）、２Ｒ確変大当り図柄が停止表示された場合は（Ｓ４４８：ｙｅｓ）、２Ｒ大当り用の大入賞口開放パターンを設定する（Ｓ４５０）。一方、停止表示された大当り図柄が２Ｒ確変大当り図柄でなかった場合、すなわち、１５Ｒ通常大当り図柄あるいは１５Ｒ確変大当り図柄の何れかが停止表示された場合は（Ｓ４４８：ｎｏ）、１５Ｒ大当り用の大入賞口開放パターンを設定する（Ｓ４５２）。本実施例のパチンコ機１では、２Ｒ大当り用の大入賞口開放パターンに設定されると、大入賞口３１ｄの開放時間が０．２秒、ラウンド回数が２回となる。これに対して、１５Ｒ大当り用の大入賞口開放パターンに設定されると、大入賞口３１ｄの開放時間が２５秒、ラウンド回数が１５回となる。

また、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技中は、前述した確変機能や変動短縮機能や開放延長機能を停止することとしている。また、確変機能を作動させる際には確変フラグがＯＮに設定され、変動短縮機能を作動させる際には変動短縮フラグがＯＮに設定され、開放延長機能を作動させる際には開放延長フラグがＯＮに設定される。そこで、Ｓ４４６で大当りフラグをＯＮに設定したことに伴い、先ず、確変フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ４５４）。そして、確変フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ４５４：ｙｅｓ）、確変機能が作動していることになるので、確変機能を停止させるために確変フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ４５６）。

一方、確変フラグがＯＦＦに設定されている場合は（Ｓ４５４：ｎｏ）、確変フラグをＯＦＦに設定する処理（Ｓ４５６）を省略し、続いて、変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ４５８）。そして、変動短縮フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ４５８：ｙｅｓ）、変動短縮機能が作動中であることから、変動短縮機能を停止させるべく変動短縮フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ４６０）。また、本実施例のパチンコ機１では、変動短縮機能の作動中は、開放延長機能も作動しており、開放延長フラグがＯＮに設定されている。そこで、変動短縮フラグをＯＦＦに設定する処理に続いて、開放延長フラグもＯＦＦに設定する（Ｓ４６２）。これに対して、変動短縮フラグがＯＦＦに設定されていた場合は（Ｓ４５８：ｎｏ）、そのまま図１６の特別図柄遊技処理を終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

以上、Ｓ４４４の判断において、停止表示された特別図柄（特図１または特図２）が大当り図柄であった場合（Ｓ４４４：ｙｅｓ）の処理について説明したが、大当り図柄でなかった場合は（Ｓ４４４：ｎｏ）、次のような処理を行う。

先ず、停止表示された特別図柄（特図１または特図２）が、図８に示した小当り図柄の何れかであるか否かを判断する（Ｓ４６４）。そして、小当り図柄で停止表示されていた場合は（Ｓ４６４：ｙｅｓ）、小当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ４６６）。ここで、小当りフラグとは、小当り遊技を開始することを示すフラグであり、前述した大当りフラグと同様に、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスが小当りフラグに割り当てられている。また、前述したように、小当り遊技においても大入賞口３１ｄが開放することから、小当りフラグをＯＮに設定したら、大入賞口３１ｄの開放パターンとして、小当り用の大入賞口開放パターンを設定する（Ｓ４６８）。こうして小当り用の大入賞口開放パターンに設定されると、小当り遊技として、大入賞口３１ｄを０．２秒だけ開放する動作が２回繰り返される。

一方、停止表示された特別図柄（特図１または特図２）が小当り図柄でなかった場合は（Ｓ４６４：ｎｏ）、小当りフラグをＯＮに設定する処理（Ｓ４６６）や小当り用の大入賞口開放パターンを設定する処理（Ｓ４６８）を省略して、変動短縮フラグがＯＮであるか否かを判断する（Ｓ４７０）。そして、変動短縮フラグがＯＦＦであった場合は（Ｓ４７０：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動短縮フラグがＯＮであった場合は（Ｓ４７０：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタから「１」を減算した後（Ｓ４７２）、変動短縮カウンタが「０」になったか否かを判断する（Ｓ４７４）。ここで、変動短縮カウンタとは、変動短縮フラグがＯＮに設定されている状態での特別図柄（特図１および特図２）の変動回数を計数する専用のカウンタである。本実施例のパチンコ機１では、図８に示した「１５Ｒ通常大当り図柄Ａ」、「１５Ｒ確変大当り図柄Ａ」、「２Ｒ確変大当り図柄Ａ」の何れかによる大当り遊技の終了後に変動短縮フラグがＯＮに設定され、その後の特別図柄の変動回数が、「１５Ｒ確変大当り図柄Ａ」および「２Ｒ確変大当り図柄Ａ」の場合は「１０，０００回」、「１５Ｒ通常大当り図柄Ａ」の場合は「１００回」に達するまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される。このことと対応して、大当り遊技を終了すると、変動短縮カウンタには、大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じた上限回数がセットされ、その後、特別図柄の変動表示が行われる度に「１」ずつ減算される。そして、変動短縮カウンタが「０」となった場合は（Ｓ４７４：ｙｅｓ）、変動短縮機能を停止させるべく変動短縮フラグをＯＦＦにし（Ｓ４６０）、続いて、開放延長機能も停止させるべく開放延長フラグもＯＦＦにした後（Ｓ４６２）、特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮カウンタが未だ「０」になっていない場合は（Ｓ４７４：ｎｏ）、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。

図１０に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理（Ｓ１１２）から復帰すると、大当りフラグまたは小当りフラグの何れかがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ１１４）。前述したように大当りフラグは、特別図柄（特図１または特図２）が大当り図柄で停止表示するとＯＮに設定されるフラグであり、また、小当りフラグは、特別図柄が小当り図柄で停止表示するとＯＮに設定されるフラグである。そして、何れかのフラグがＯＮに設定されていれば（Ｓ１１４：ｙｅｓ）、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する（Ｓ１１６）。一方、何れのフラグもＯＦＦに設定されていれば（Ｓ１１４：ｎｏ）、特別電動役物遊技処理（Ｓ１１６）はスキップして、遊技制御処理の先頭に戻り、前述した賞球関連処理（Ｓ１００）以降の一連の処理を繰り返す。

Ｃ−４．特別電動役物遊技処理 ：
図２２および図２３は、特別電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる大当り遊技あるいは小当り遊技が行われる。以下、図２２および図２３を参照しながら特別電動役物遊技処理について説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、特別電動役物遊技処理を開始すると、先ず初めに、小当りフラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ６００）。そして、小当りフラグがＯＮに設定されていた場合は（Ｓ６００：ｙｅｓ）、予め設定しておいた小当り用の大入賞口開放パターン（図１６のＳ４６８）で大入賞口３１ｄを開放させることによって、小当り遊技を行う（Ｓ６０２）。前述したように、小当り用の大入賞口開放パターンに設定されていると、大入賞口３１ｄを０．２秒だけ開放する動作が２回繰り返される。このため、「２Ｒ確変大当り図柄」の停止表示によって２Ｒ大当り用の大入賞口開放パターン（大入賞口の開放時間が０．２秒、ラウンド回数が２回）に設定される大当り遊技（２Ｒ大当り遊技）と、見た目には区別することが困難となっている。こうして小当り遊技を行ったら、小当りフラグをＯＦＦに設定した後（Ｓ６０４）、特別電動役物遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。

一方、小当りフラグがＯＦＦに設定されていた場合には（Ｓ６００：ｎｏ）、大当りフラグがＯＮに設定されていることになるので、続いて、大入賞口３１ｄが開放中か否かを判断する（Ｓ６０６）。大入賞口３１ｄは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後は、大入賞口３１ｄは閉鎖状態となっている。そこで、大入賞口３１ｄは開放中でないと判断して（Ｓ６０６：ｎｏ）、ラウンドの実行回数（すなわち、大入賞口３１ｄの開放回数）が設定回数に達したか否かを判断する（Ｓ６０８）。前述したように大当り遊技中には、大入賞口３１ｄを開放状態とするラウンドが、停止表示された大当り図柄の種類に応じて予め設定された回数（図１６のＳ４５０，Ｓ４５２参照）だけ繰り返される。このことに対応して、大入賞口３１ｄが閉鎖されている場合は（Ｓ６０６：ｎｏ）、ラウンドの実行回数が設定回数に達したか否かを判断する（Ｓ６０８）。

当然のことながら、大当り遊技が開始された直後は、ラウンドの実行回数は設定回数に達していないので（Ｓ６０８：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したか否かを判断する（Ｓ６１０）。大入賞口３１ｄの閉鎖時間とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口３１ｄが閉鎖状態となっている時間である。大当り遊技が開始された直後は、大入賞口３１ｄは閉鎖状態となっているから、当然、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過していると判断され（Ｓ６１０：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを開放させてラウンドを開始した後（Ｓ６１２）、特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は遊技制御処理に復帰すると、図１０に示したように、賞球関連処理（Ｓ１００）以降の一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理（Ｓ１１６）を開始する。前述したように、図１０に示した遊技制御処理を、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が一回、実行するために要する時間は、約４ｍｓｅｃとなっている。従って、図２２および図２３に示した特別電動役物遊技処理も、約４ｍｓｅｃ毎に実行されることになる。そして、大当り遊技が開始されて、図２２の特別電動役物遊技処理が初めて実行された場合には、前述したようにＳ６１２において大入賞口３１ｄを開放させて、そのまま処理を終了するが、約４ｍｓｅｃ後に２周目の処理を行う場合には、Ｓ６０６にて、大入賞口３１ｄが開放中と判断されることになる（Ｓ６０６：ｙｅｓ）。

大入賞口３１ｄが開放中と判断されると、次いで、大入賞口３１ｄの開放時間が設定時間に達したか否かを判断する（Ｓ６１４）。前述したように、大当り遊技では、大入賞口３１ｄが開放状態となるが、停止表示された大当り図柄の種類に応じて予め設定された開放時間（図１６のＳ４５０，Ｓ４５２参照）が経過するか、または大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、先ずＳ６１４では、設定された大入賞口３１ｄの開放時間が経過したか否かを判断する。そして、設定された開放時間が経過していれば（Ｓ６１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖した後（Ｓ６１８）、特別電動役物遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。一方、設定された大入賞口３１ｄの開放時間が経過していない場合は（Ｓ６１４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する（Ｓ６１６）。そして、規定数に達した場合は（Ｓ６１６：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖する（Ｓ６１８）。これに対して、規定数に達していない場合は（Ｓ６１６：ｎｏ）、設定された大入賞口３１ｄの開放時間が未だ経過しておらず、しかも大入賞口３１ｄに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、大入賞口３１ｄを開放させたまま、特別電動役物遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。

図１０の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、設定された大入賞口３１ｄの開放時間が経過するか（Ｓ６１４：ｙｅｓ）、もしくは大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球して（Ｓ６１６：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄが閉鎖されると（Ｓ６１８）、１回のラウンドが終了する。そして、次に特別電動役物遊技処理が実行された時には、Ｓ６０６において大入賞口３１ｄが閉鎖中と判断され（Ｓ６０６：ｎｏ）、ラウンドの実行回数が設定回数に達したか否かが判断される（Ｓ６０８）。そして、設定回数に達していなければ（Ｓ６０８：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したか否かが判断され（Ｓ６１０）、経過していなければ（Ｓ６１０：ｎｏ）、そのまま特別電動役物遊技処理を抜けるが、閉鎖時間が経過していれば（Ｓ６１０：ｙｅｓ）、再び大入賞口３１ｄを開放状態として新たなラウンドを開始する（Ｓ５１４）。一方、Ｓ６０８において、ラウンドの実行回数が設定回数に達したと判断された場合は（Ｓ６０８：ｙｅｓ）、大当り遊技を終了させるべく、大当りフラグをＯＦＦに設定する（Ｓ６２０）。

こうして大当り遊技を終了させたら、その大当り遊技が１５Ｒ大当り用の大入賞口開放パターンに設定された大当り遊技（１５Ｒ大当り遊技）であったか否かを判断する（Ｓ６２２）。前述したように、１５Ｒ通常大当り図柄あるいは１５Ｒ確変大当り図柄の何れかが停止表示されると、１５Ｒ大当り用の大入賞口開放パターンに設定される。そして、１５Ｒ大当り遊技であった場合には（Ｓ６２２：ｙｅｓ）、１５Ｒ大当り遊技が終了したことを示すコマンド（１５Ｒ大当り遊技終了コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信した後（Ｓ６２４）、特殊変動フラグをＯＮに設定する（Ｓ６２６）。前述したように、特殊変動フラグとは、普通図柄の変動表示を特殊な変動表示（長時間変動表示）とすることを示すフラグであり、本実施例のパチンコ機１では、１５Ｒ大当り遊技の終了に伴って特殊変動フラグをＯＮに設定する。このため、１５Ｒ大当り遊技が終了して最初に開始される普通図柄の変動表示は、長時間変動表示となる（図１２のＳ３１６）。

一方、終了させた大当り遊技が１５Ｒ大当り遊技でなかった場合は（Ｓ６２２：ｎｏ）、１５Ｒ大当り遊技終了コマンドを送信する処理（Ｓ６２４）や、特殊変動フラグをＯＮに設定する処理（Ｓ６２６）をスキップして、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄が、「１５Ｒ確変大当り図柄」あるいは「２Ｒ確変大当り図柄」であったか否かを判断する（Ｓ６２８）。そして、１５Ｒ確変大当り図柄あるいは２Ｒ確変大当り図柄の何れかであった場合は（Ｓ６２８：ｙｅｓ）、確変機能を作動させるために確変フラグをＯＮに設定した後（Ｓ６３０）、開放延長機能を作動させるか否かを判断する（Ｓ６３２）。前述したように、本実施例のパチンコ機１では、「１５Ｒ通常大当り図柄」、「１５Ｒ確変大当り図柄」、「２Ｒ確変大当り図柄」が、それぞれ「図柄Ａ」と「図柄Ｂ」とに分けられており（図８参照）、このうち図柄Ａが停止表示された場合には、大当り遊技の終了後に開放延長機能および変動短縮機能を作動させる。そのため、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄が、１５Ｒ確変大当り図柄あるいは２Ｒ確変大当り図柄の何れかの「図柄Ａ」であり、開放延長機能を作動させると判断された場合は（Ｓ６３２：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタに「１０，０００」をセットした後（Ｓ６３４）、変動短縮機能および開放延長機能を作動させるべく、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定する（Ｓ６３６，Ｓ６３８）。前述したように、変動短縮カウンタとは、変動短縮機能の作動期間を計数するためのカウンタであり、セットされた数値から、特別図柄の変動表示が行われる度に「１」ずつ減算される（図１６のＳ４７２）。尚、主制御基板２００の２０１が確変フラグをＯＮに設定することにより特別図柄の大当り確率が高確率に設定されることから、本実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「確率変更遊技実行手段」の一態様を構成している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が開放延長フラグをＯＮに設定することにより第２始動口１７ｂ（可変入球装置）の開放時間が長くなることから、本実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「開放延長遊技実行手段」の一態様を構成している。

これに対して、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄が、１５Ｒ確変大当り図柄あるいは２Ｒ確変大当り図柄の何れかの「図柄Ｂ」であり、開放延長機能を作動させないと判断された場合は（Ｓ６３２：ｎｏ）、Ｓ６３４〜Ｓ６３８の各処理をスキップして（変動短縮機能および開放延長機能を作動させることなく）、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信した後（Ｓ６４４）、特別電動役物遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。ここで、遊技状態指定コマンドとは、確変機能、変動短縮機能、開放延長機能の中の何れの機能が作動しているか、あるいは何れも作動していないかを示すコマンドであり、確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグの各フラグの状態（ＯＮ／ＯＦＦ）に応じた遊技状態指定コマンドは送信される。

以上、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄が、１５Ｒ確変大当り図柄あるいは２Ｒ確変大当り図柄であった場合（Ｓ６２８：ｙｅｓ）に行われる処理について説明したが、１５Ｒ通常大当り図柄であった場合は（Ｓ６２８：ｎｏ）、確変フラグをＯＦＦにしたまま、次いで、開放延長機能を作動させるか否かを判断する（Ｓ６４０）。すなわち、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄が、１５Ｒ通常大当り図柄の「図柄Ａ」あるいは「図柄Ｂ」の何れであるかを判断し、「図柄Ａ」であれば、開放延長機能を作動させると判断して（Ｓ６４０：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタに「１００」をセットするとともに（Ｓ６４２）、変動短縮機能および開放延長機能を作動させるべく、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定する（Ｓ６３６，Ｓ６３８）。

一方、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄が、１５Ｒ通常大当り図柄の「図柄Ｂ」であり、開放延長機能を作動させないと判断された場合は（Ｓ６４０：ｎｏ）、Ｓ６４２，Ｓ６３６，Ｓ６３８の各処理をスキップして（すなわち、確変機能、変動短縮機能、開放延長機能の何れも作動させることなく）、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信した後（Ｓ６４４）、特別電動役物遊技処理を終了し、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、以上のような遊技制御処理を繰り返しながら、賞球として払い出す遊技球数を決定して払出制御基板２４０に賞球コマンドを送信したり、普通図柄の当り判定や、特別図柄の大当り抽選および小当り抽選を行って、大当り遊技あるいは小当り遊技を実行するとともに、大当り遊技の終了後に確変機能、変動短縮機能、開放延長機能などの各種機能を作動させたりしながら、遊技を進行させる制御を行う。その結果、パチンコ機１では、前述したような遊技を行うことが可能となっている。

また、前述したように主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、図１０に示した遊技制御処理を実行する中で、遊技の演出に関する種々の制御信号や制御コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信する。サブ制御基板２２０では、受け取った制御信号や制御コマンドに基づいて具体的な演出の内容を決定し、演出表示装置２７、各種スピーカ５ｙ，６ｃ、各種ＬＥＤやランプ類４ｂ〜４ｆなどを用いて様々な演出を行っている。以下では、主制御基板２００から送信される制御コマンドに基づき、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１と表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１とが協働して、１５Ｒ大当り遊技の終了後に、開放延長機能が作動しているか否かを報知する開放延長報知モード演出を実行するための処理（開放延長報知モード演出処理）、および確変機能が作動しているか否かを報知する確変報知モード演出を実行するための処理（確変報知モード演出処理）について説明する。

Ｃ−５．開放延長報知モード演出処理 ：
図２４は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が主体となって表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１と協働して行う開放延長報知モード演出処理の流れを示すフローチャートである。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、開放延長報知モード演出処理を開始すると、先ず初めに、開放延長報知モードフラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ７００）。ここで、開放延長報知モードフラグとは、開放延長機能が作動しているか否か報知するための開放延長報知モード演出が実行されていることを示すフラグであり、サブ制御基板２２０のＲＡＭ２２３の所定アドレスが開放延長報知モードフラグに割り当てられている。そして、開放延長報知モードフラグがＯＦＦに設定されている場合、すなわち、開放延長報知モード演出の実行中でない場合は（Ｓ７００：ｎｏ）、１５Ｒ大当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ７０２）。前述したように、１５Ｒ大当り遊技終了コマンドとは、１５Ｒ大当り遊技（１５Ｒ通常大当り図柄または１５Ｒ確変大当り図柄によって開始される大当り遊技）が終了した際に主制御基板２００から送信されるコマンドである（図２３のＳ６２４）。本実施例のパチンコ機１では、１５Ｒ大当り遊技が終了した場合に開放延長機能が作動しているか否かを報知することから、１５Ｒ大当り遊技終了コマンドを受信していない場合は（Ｓ７０２：ｎｏ）、そのまま開放延長報知モード演出処理の先頭に戻って、再び開放延長報知モードフラグを確認する（Ｓ７００）。その結果、１５Ｒ大当り遊技終了コマンドを受信するまで待機することになる。

そして、１５Ｒ大当り遊技終了コマンドを受信した場合は（Ｓ７０２：ｙｅｓ）、開放延長報知モードフラグをＯＮに設定した後（Ｓ７０４）、表示制御基板２３０に向けて開放延長報知モードの開始を示す制御コマンドを送信することによって、演出表示装置２７にて開放延長報知モード演出を開始する（Ｓ７０６）。このとき、表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、開放延長報知モード演出に対応する画像データを画像ＲＯＭ２３４から読み出し、その読み出した画像データに基づく演出画像を演出表示装置２７に表示することによって、開放延長報知モード演出を行う。本実施例のパチンコ機１では、開放延長報知モード演出が開始されると、演出表示装置２７にて「開放延長あり」の表示と、「開放延長なし」の表示とが交互に繰り返される。尚、本実施例の開放延長報知モード演出は、本発明の「開放延長示唆演出」に相当しており、開放延長報知モード演出を行う処理はサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１と表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１とによって実行されていることから、本実施例のサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１および表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、本発明の「開放延長示唆演出実行手段」の一態様を構成している。

こうして開放延長報知モード演出を開始したら、特殊変動終了コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ７０８）。前述したように、特殊変動終了コマンドとは、普通図柄の特殊な変動表示（長時間変動表示）が終了したことを示すコマンドであり、１５Ｒ大当り遊技を終了して最初に変動表示を開始した普通図柄が停止表示した際に主制御基板２００から送信される（図１１のＳ２２８，図１２のＳ３１６，図２３のＳ６２６参照）。そして、特殊変動終了コマンドを受信していない場合は（Ｓ７０８：ｎｏ）、開放延長報知モード演出処理の先頭に戻って、開放延長報知モードフラグを確認する（Ｓ７００）。

開放延長報知モード演出が開始された後は、開放延長報知モードフラグがＯＮに設定されているので（Ｓ７００：ｙｅｓ）、特殊変動終了コマンドを受信するまで待機することになり、その後、特殊変動終了コマンドを受信した場合は（Ｓ７０８：ｙｅｓ）、開放延長機能が作動中か否かを判断する（Ｓ７１０）。前述したように、大当り遊技の終了後には、主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向けて遊技状態指定コマンドが送信され（図２３のＳ６４４）、この遊技状態指定コマンドには、確変機能、変動短縮機能、開放延長機能のそれぞれの機能が作動しているか否かが記されていることから、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、受信した遊技状態指定コマンドに基づいて、開放延長機能が作動しているか否かを判断することができる。

そして、開放延長機能が作動している場合は（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、表示制御基板２３０に向けて開放延長機能が作動していることを示す制御コマンドを送信することにより、開放延長機能が作動していることを示す演出（開放延長ありの確定演出）を行って、開放延長報知モード演出を終了する（Ｓ７１２）。この開放延長ありの確定演出は、表示制御基板２３０の画像ＲＯＭ２３４に格納された画像データを用いて演出表示装置２７で行われ、本実施例のパチンコ機１では、「開放延長あり」の表示と「開放延長なし」の表示とを交互に繰り返す速度を増した後、「開放延長あり」の表示で停止される。尚、開放延長の確定演出によって開放延長機能の作動の有無（開放延長遊技中か否か）を報知する処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１と表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１とによって実行されていることから、本実施例のサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１および表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、本発明の「開放延長有無報知手段」の一態様を構成している。

これに対して、開放延長機能が作動していない場合は（Ｓ７１０：ｎｏ）、表示制御基板２３０に向けて開放延長機能が作動していないことを示す制御コマンドを送信することにより、開放延長機能が作動していないことを示す演出（開放延長なしの確定演出）を行って、開放延長報知モード演出を終了する（Ｓ７１４）。この開放延長なしの確定演出も、上述の開放延長ありの確定演出と同様に、表示制御基板２３０の画像ＲＯＭ２３４に格納された画像データを用いて演出表示装置２７で行われ、本実施例のパチンコ機１では、「開放延長あり」の表示と「開放延長なし」の表示とを交互に繰り返す速度を増した後、「開放延長なし」の表示で停止される。

開放延長報知モード演出を終了すると、開放延長報知モードフラグをＯＦＦに設定した後（Ｓ７１６）、確変報知モードフラグをＯＮに設定するとともに（Ｓ７１８）、確変報知モードカウンタに「２０」をセットする（Ｓ７２０）。ここで、確変報知モードフラグとは、確変機能が作動しているか否か報知するための確変報知モード演出を実行することを示すフラグであり、サブ制御基板２２０のＲＡＭ２２３の所定アドレスが確変報知モードフラグに割り当てられている。また、確変報知モードカウンタとは、確変報知モード演出の継続期間を計数するための専用のカウンタであり、サブ制御基板２２０のＲＡＭ２２３の所定アドレスに設定されている。本実施例のパチンコ機１では、確変報知モード演出が開始されると、特別図柄（特図１および特図２）の変動回数が２０回に達するまで継続されることから、確変報知モードフラグをＯＮに設定するのに続いて、確変報知モードカウンタに「２０」をセットしておき、後述するように、特別図柄の変動表示が行われる度に「１」ずつ減算する。

こうして確変報知モードフラグをＯＮに設定するとともに、確変報知モードカウンタをセットして、開放延長報知モード演出処理の先頭に戻ると、開放延長報知モードフラグはＯＦＦに設定されているので（Ｓ７００：ｎｏ）、再び１５Ｒ大当り遊技終了コマンドを受信するまで待機する（Ｓ７０２）。

Ｃ−６．確変報知モード演出処理 ：
図２５は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が主体となって表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１と協働して行う確変報知モード演出処理の流れを示すフローチャートである。確変報知モード演出処理では、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は先ず初めに、確変報知モードフラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ８００）。前述したように、確変報知モードフラグは、確変報知モード演出を実行することを示すフラグであり、開放延長報知モード演出を終了した際にＯＮの状態に設定される（図２４のＳ７１８）。そして、確変報知モードフラグがＯＦＦに設定されている場合は（Ｓ８００：ｎｏ）、確変報知モード演出を開始することはできないので、確変報知モードフラグがＯＮに設定されるまでそのまま待機する。

これに対して、確変報知モードフラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ８００：ｙｅｓ）、表示制御基板２３０に向けて確変報知モードの開始を示す制御コマンドを送信することによって、演出表示装置２７で確変報知モード演出を開始する（Ｓ８０２）。表示制御基板２３０は、確変報知モードの開始を示す制御コマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像データを画像ＲＯＭ２３４から読み出して、読み出した画像データに基づく演出画像を演出表示装置２７に表示することで確変報知モード演出を実行する。本実施例のパチンコ機１では、確変報知モード演出が開始されると、演出表示装置２７において「確変あり」の表示と、「確変なし」の表示とが交互に繰り返される。尚、本実施例の確変報知モード演出は、本発明の「確率変更示唆演出」に相当しており、確変報知モード演出を行う処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１と表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１とによって実行されていることから、本実施例のサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１および表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、本発明の「確率変更示唆演出実行手段」の一態様を構成している。

確変報知モード演出を開始したら、変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ８０４）。前述したように、変動パターン指定コマンドは、特別図柄（特図１または特図２）の変動パターン（変動時間）を指定するコマンドであり、停止図柄指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。また、これらのコマンドは、特別図柄の変動表示を開始する際に、主制御基板２００から送信される（図１８のＳ５３４，Ｓ５３６）。そして、変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンドを受信していない場合には（Ｓ８０４：ｎｏ）、特別図柄の新たな変動表示は開始されていないと判断されるので、これらのコマンドを受信するまでそのまま待機する。

その後、変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンドを受信した場合は（Ｓ８０４：ｙｅｓ）、確変報知モードカウンタから「１」を減算した後（Ｓ８０６）、確変報知モードカウンタが「０」になったか否かを判断する（Ｓ８０８）。前述したように、確変報知モードカウンタとは、確変報知モード演出の継続期間を計数するためのカウンタであり、確変報知モードフラグがＯＮに設定されると、確変報知モードカウンタに「２０」が設定され、その後、特別図柄（特図１または特図２）の変動表示が開始される度に「１」ずつ減算される。そして、確変報知モードカウンタが「０」になっていない場合には（Ｓ８０８：ｎｏ）、Ｓ８０４の処理に戻って、再び変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンドを受信するまで待機し、受信したら（Ｓ８０４：ｙｅｓ）、確変報知モードカウンタから「１」を減算して、確変報知モードカウンタが「０」になったか否かを判断する（Ｓ８０６，Ｓ８０８）。

こうした処理を繰り返すうちに、確変報知モードカウンタが「０」になった場合は（Ｓ８０８：ｙｅｓ）、確変機能が作動中か否かを判断する（Ｓ８１０）。前述したように、大当り遊技の終了後に主制御基板２００から送信される遊技状態指定コマンドは、確変機能の作動の有無に応じて送信されることから、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、受信した遊技状態指定コマンドに基づいて、確変機能が作動しているか否かを判断することができる。

そして、確変機能が作動している場合は（Ｓ８１０：ｙｅｓ）、表示制御基板２３０に向けて確変機能が作動していることを示す制御コマンドを送信することにより、確変機能が作動していることを示す演出（確変ありの確定演出）を行って、確変報知モード演出を終了する（Ｓ８１２）。この確変ありの確定演出は、表示制御基板２３０の画像ＲＯＭ２３４に格納された画像データを用いて行われ、本実施例のパチンコ機１では、演出表示装置２７で「確変あり」の表示と「確変なし」の表示とを交互に繰り返す速度を増した後、「確変あり」の表示で停止される。尚、確変の確定演出によって確変機能が作動しているか否か（確率変更遊技中か否か）を報知する処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１と表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１とによって実行されていることから、本実施例のサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１および表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、本発明の「確率変更有無報知手段」の一態様を構成している。

これに対して、確変機能が作動していなかった場合は（Ｓ８１０：ｎｏ）、表示制御基板２３０に向けて確変機能が作動していないことを示す制御コマンドを送信することにより、確変機能が作動していないことを示す演出（確変なしの確定演出）を行って、確変報知モード演出を終了する（Ｓ８１４）。この確変なしの確定演出も、確変ありの確定演出と同様に、表示制御基板２３０の画像ＲＯＭ２３４に格納された画像データを用いて行われ、本実施例のパチンコ機１では、演出表示装置２７で「確変あり」の表示と「確変なし」の表示とを交互に繰り返す速度を増した後、「確変なし」の表示で停止される。

こうして確変報知モード演出を終了すると、確変報知モードフラグをＯＦＦに設定した後（Ｓ８１６）、現在の遊技状態に応じた演出を開始する（Ｓ８１８）。本実施例のパチンコ機１では、確変機能の作動の有無と、変動短縮機能および開放延長機能の作動の有無とによって遊技状態が４種類に分けられており、演出表示装置２７で行われる演出は、遊技状態毎に異なっている。具体的には、演出表示装置２７に表示される背景図柄２７ｄとして、各遊技状態に対応する４種類の背景図柄２７ｄが用意されていることから、Ｓ８１８では、現在の遊技状態に対応する背景図柄２７ｄを演出表示装置２７に表示する。尚、前述した開放延長報知モード演出や確変報知モード演出の実行中は、これら４種類の遊技状態に対応する背景図柄２７ｄの何れとも異なる背景図柄２７ｄが表示されていることから、背景図柄２７ｄに基づいて現在の遊技状態を推測することは困難である。加えて、サブ制御基板２２０の画像ＲＯＭ２３４には、各背景図柄２７ｄの画像データが格納されており、適切な画像データを読み出して演出表示装置２７に背景図柄２７ｄを表示する。

現在の遊技状態に応じた演出を開始したら、確変報知モード演出処理の先頭に戻って、再び確変報知モードフラグがＯＮに設定されるまでそのまま待機し（Ｓ８００）、フラグがＯＮに設定されたら、上述した続く一連の処理を実行する。

以上では、主制御基板２００から送信される制御コマンドに基づいて、１５Ｒ大当り遊技が終了した後に開放延長報知モード演出および確変報知モード演出を実行するためにサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が行う処理について説明した。ここで、前述したように、本実施例のパチンコ機１では、１５Ｒ大当り遊技終了後の遊技状態が、確変機能の作動の有無と、変動短縮機能および開放延長機能の作動の有無とによって４種類に分けられている。そして、普通図柄の変動表示の特殊な制御や、開放延長報知モード演出および確変報知モード演出の実行により、４種類のうち何れの遊技状態であるかを徐々に明らかにして、遊技興趣を効果的に高めることが可能となっている。以下では、この点について詳しく説明する。

図２６は、１５Ｒ大当り遊技の終了後の遊技状態を徐々に明らかにしていく様子を示したタイムチャートである。前述したように、１５Ｒ大当り遊技は、特別図柄（特図１または特図２）が「１５Ｒ通常大当り図柄Ａ」、「１５Ｒ通常大当り図柄Ｂ」、「１５Ｒ確変大当り図柄Ａ」、「１５Ｒ確変大当り図柄Ｂ」（図８参照）の何れかで停止表示されることで開始される。また、１５Ｒ大当り遊技が開始されると、演出表示装置２７では、１５Ｒ大当り遊技中であることを示す演出（１５Ｒ大当り遊技演出）が行われる。尚、本実施例のパチンコ機１では、特別図柄の停止図柄（停止表示された図柄）と、演出表示装置２７での識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの停止表示態様や１５Ｒ大当り遊技演出との間に明確な対応関係はないので、演出表示装置２７の表示態様に基づいて、１５Ｒ大当り遊技終了後の遊技状態（確変機能の作動の有無や、変動短縮機能および開放延長機能の作動の有無）を判別することはできない。

大当り遊技中においても、普通図柄作動ゲート３６で遊技球が検出されることで普通図柄の変動表示が行われる。図２６では、普通図柄が変動表示する様子を、ハッチングを付した矩形で表しており、矩形の長さは変動時間を表している。前述したように、大当り遊技が開始されると、変動短縮機能および開放延長機能が停止されることから、大当り遊技中に普通図柄の変動表示が開始されると、通常変動用の変動表示時間（例えば、６秒間）だけ変動表示が行われる。加えて、開放延長機能の未作動時には、低確率判定テーブル（図１３（ａ）参照）を用いて普通図柄の当り判定が行われるので、大当り遊技中に変動表示が開始される普通図柄は外れ態様で停止する場合がほとんどであり、大当り遊技の終了間際に開始された普通図柄の変動表示は、大当り遊技の終了後に外れ態様で停止することになる。その結果、大当り遊技中に開始された普通図柄の変動表示に基づいて、第２始動口１７ｂが開放状態となることは滅多にないといえる。

そして、１５Ｒ大当り遊技が終了すると、１５Ｒ大当り遊技を開始する契機となった特別図柄の停止図柄に応じて、確変機能や、変動短縮機能および開放延長機能が作動する。また、演出表示装置２７では、１５Ｒ大当り遊技演出を終了して、代わりに、開放延長報知モード演出が開始される。前述したように、本実施例のパチンコ機１では、演出表示装置２７にて「開放延長あり」の表示と「開放延長なし」の表示とを交互に繰り返すようになっている。

加えて、１５Ｒ大当り遊技が終了して最初に開始される普通図柄の変動表示に対しては、変動短縮機能および開放延長機能が作動しているか否かに拘らず、長時間変動用の変動表示時間（例えば、６０秒間）が設定される。このとき、開放延長機能が作動していれば、高確率判定テーブル（図１３（ｂ）参照）を用いて普通図柄の当り判定が行われるものの、長時間変動用の変動表示時間が経過するまでは普通図柄の変動表示が継続するので、長時間変動用の変動表示時間が経過した後に非常に高い確率で普通図柄が当り態様で停止する。その結果、第２始動口１７ｂが開放状態となるとともに、開放延長機能の作動によって開放時間が延長されるので、遊技者は、開放延長機能（および変動短縮機能）が作動していること認識する。一方、開放延長機能が作動していない場合には、長時間変動用の変動表示時間だけ変動表示された普通図柄が外れ態様で停止し、第２始動口１７ｂが開放状態となることはないが、普通図柄の停止に合わせて、演出表示装置２７において開放延長の確定演出（「開放延長なし」の確定演出）が行われるので、遊技者は、開放延長機能（および変動短縮機能）が作動していないこと認識する。

こうして１５Ｒ大当り遊技終了後の最初に開始される普通図柄の変動表示が停止すると、その後に開始される普通図柄の変動表示に対しては、変動短縮機能の作動の有無に応じて、短時間変動用の変動表示時間（例えば、０．８秒間）あるいは通常変動用の変動表示時間だけ変動表示が行われる。また、演出表示装置２７では、開放延長の確定演出が行われて開放延長報知モード演出が終了したら、続いて、確変報知モード演出が開始される。前述したように、本実施例のパチンコ機１では、演出表示装置２７にて「確変あり」の表示と「確変なし」の表示とを交互に繰り返すようになっている。尚、確変機能が作動していても、大当り抽選テーブル（図１９）が変更されるという内部的なことであるため、遊技者にとって、確変機能の作動の有無を判別することは容易なことではない。

確変報知モード演出は、特別図柄（特図１および特図２）の変動回数が２０回に達するまで継続される。そして、２０回に達すると、確変機能の作動の有無に応じて、「確変あり」または「確変なし」の何れかの確定演出が行われるので、遊技者は、確変機能が作動しているか否かを認識する。その後、演出表示装置２７では、現在の遊技状態に応じた演出が開始される。

以上に説明したように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技中（開放延長機能の未作動時）に変動表示が開始される普通図柄の当り確率を低確率に設定し、開放延長機能の未作動時に変動表示が開始される普通図柄の当り確率を高確率に設定するとともに、１５Ｒ大当り遊技終了後の最初に開始される普通図柄の変動表示に対しては、変動短縮機能および開放延長機能の作動の有無に拘らず、長時間変動用の変動表示時間（例えば、６０秒間）を設定することによって、１５Ｒ大当り遊技が終了してから一定期間（少なくとも長時間変動用の変動表示時間が経過するまでの期間）は、第２始動口１７ｂを開放させないようになっている。このため、１５Ｒ大当り遊技の終了後、一定期間が経過するまでは、開放延長機能が作動しているか否かを遊技者が判別不能とすることができる。このように、開放延長機能の作動の有無を判別不能な一定期間を設けることにより、開放延長機能の作動に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。

特に、本実施例のパチンコ機１では、前述したように、第２始動口１７ｂへの入球で変動表示する特図２では、第１始動口１７ａへの入球で変動表示する特図１よりも１５Ｒ大当り遊技（出球の多い大当り遊技）が発生する可能性が高く、開放延長機能が作動して第２始動口１７ｂに入球し易くなると、遊技者にとってたいへん有利となる。このため、開放延長機能の作動の有無が伏せられている間に開放延長機能の作動に対する遊技者の期待感が大きく高まり、遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。

また、前述したように、本実施例のパチンコ機１では、１５Ｒ大当り遊技を終了してから最初に開始される普通図柄の変動表示（長時間変動）が終了するまで、開放延長機能が作動している可能性があることを示す開放延長報知モード演出が実行されるので、開放延長機能の作動に対する遊技者の期待感を効果的に高めることが可能となる。そして、普通図柄の長時間変動の終了に合わせて開放延長機能の作動の有無が確定報知されることから、開放延長機能が作動しているか否かを確実に認識させることができるとともに、開放延長機能の作動の有無が明らかになるタイミングがいたずらに引き延ばされること回避することが可能となる。

さらに、本実施例のパチンコ機１では、開放延長機能が作動しているか否かの確定演出が行われ後、確変機能が作動している可能性があることを示す確変報知モード演出が実行され、特別図柄（特図１および特図２）の変動表示を２０回消化すると、確変機能の作動の有無が確定報知される。このように、開放延長機能（および変動短縮機能）の作動の有無と、確変機能の作動の有無とを段階的に報知することによって、仮に開放延長機能が作動していなかったとしても、確変機能の作動に対する期待感を残すことができる。一方、開放延長機能が作動していれば、更に確変機能の作動に対する期待感が膨らむので、遊技興趣を一層効果的に盛り上げることが可能となる。

以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

例えば、前述した実施例では、１５Ｒ大当り遊技を終了すると、最初に開始される普通図柄の変動表示を長時間変動としたり、開放延長報知モード演出処理や確変報知モード演出処理を実行するものとして説明した。しかし、これらの処理の実行は、１５Ｒ大当り遊技の終了後に限られるわけではなく、２Ｒ大当り遊技の終了後や、小当り遊技の終了後に行うこととしてもよい。前述したように、特別図柄（特図１または特図２）における「２Ｒ確変大当り図柄Ａ」あるいは「２Ｒ確変大当り図柄Ｂ」の停止表示によって２Ｒ大当り遊技が実行され、「小当り図柄」の停止表示によって小当り遊技が実行されるが、２Ｒ大当り遊技と小当り遊技とでは、共に大入賞口３１ｄを０．２秒開放する動作を２回繰り返すだけであり、見た目に区別がつき難くなっている。そのため、遊技者が、大入賞口３１ｄの開放に気付いたとしても、「２Ｒ確変大当り図柄Ａ」の停止表示により確変機能、開放延長機能および変動短縮機能の全てが作動しているのか、「２Ｒ確変大当り図柄Ｂ」の停止表示により確変機能だけが作動しているのか、それとも「小当り図柄」の停止表示により小当り遊技の前後で各機能の作動に変化がないのかを判別することは困難である。そこで、２Ｒ大当り遊技や小当り遊技の終了後にも特殊変動フラグ（図２３のＳ６２６参照）をＯＮに設定して、最初に開始される普通図柄の変動表示を長時間変動とする（図１２のＳ３１６）とともに、開放延長報知モード演出処理（図２４）および確変報知モード演出処理（図２５）を実行するようにすれば、開放延長機能（および変動短縮機能）の作動や確変機能の作動に対する遊技者の期待感を高めることができるので、２Ｒ大当り遊技および小当り遊技の発生に伴う遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。

また、「小当り図柄」の変わりに「２Ｒ通常大当り図柄Ａ」および「２Ｒ通常大当り図柄Ｂ」を備えることとしてもよい。特別図柄（特図１または特図２）がこれら「２Ｒ通常大当り図柄」で停止されると、２Ｒ大当り遊技の終了後、確変機能が作動することはない。尚、演出表示装置２７での識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの停止表示態様から「２Ｒ確変大当り図柄」または「２Ｒ通常大当り図柄」の何れが停止表示されたかを判別することは困難である。そして、確変機能の作動中に２Ｒ通常大当り図柄が停止表示された場合には、賞球をほとんど得られないのに確変機能が停止してしまい遊技者にとっては不利であることから、大入賞口３１ｄの開放動作から２Ｒ大当り遊技の発生を察知した遊技者は、２Ｒ大当り遊技終了後の遊技状態（確変機能の作動の有無や、開放延長機能および変動短縮機能の作動の有無）に高い関心を持つ。そこで、２Ｒ大当り遊技の終了後に特殊変動フラグをＯＮに設定して、最初に開始される普通図柄の変動表示を長時間変動とするとともに、開放延長報知モード演出処理および確変報知モード演出処理を実行することにより２Ｒ大当り遊技終了後の遊技状態を徐々に明らかにしていく構成とすれば、２Ｒ大当り遊技の発生に伴う遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。

加えて、前述した実施例では、開放延長報知モード演出が開始されると、演出表示装置２７にて「開放延長あり」の表示と「開放延長なし」の表示とを交互に繰り返すようになっていたが、開放延長報知モード演出の態様はこれに限られるわけではなく、開放延長機能が作動しているか否かを判別不能であって、開放延長機能が作動している可能性があることを示す演出であればよい。例えば、演出表示装置２７等で「開放延長機能作動確率」の表示を１〜９９％の範囲で変動させた後、確定演出として、開放延長機能が作動していれば「開放延長機能作動確率１００％」を停止表示し、開放延長機能が作動していなければ「開放延長機能作動確率０％」を停止表示してもよい。あるいは、遊技者側のキャラクタとパチンコ機側のキャラクタとを対決させることで開放延長報知モード演出を実行することとして、確定演出では、開放延長機能が作動していれば遊技者側のキャラクタを勝利させ、開放延長機能が作動していなければパチンコ機側のキャラクタを勝利させてもよい。また、確変報知モード演出についても、開放延長報知モード演出と同様に、確変機能が作動している可能性があることを示す演出であればよい。

また、前述した実施例では、第１特別図柄（特図１）および第２特別図柄（特図２）の２つの特別図柄を備えるパチンコ機に本発明を適用した例を示したが、特別図柄を１つとしたパチンコ機であっても、本発明を適用することができる。この場合、前述した実施例と同様に、固定式の第１始動口１７ａおよび可変式の第２始動口１７ｂの２つの始動口を備える構成（始動口２個タイプ）を採用することができるが、これ以外にも、固定式の始動口を２つ備えるとともに可変式の始動口を１つ備える構成（始動口３個タイプ）、あるいは可変式の始動口だけを備える構成（始動口１個タイプ）のいずれかを採用することもできる。

さらに、前述した実施例のように２つの特別図柄を備えるパチンコ機において、固定式の始動口を２つ備えるとともに、可変式の始動口を１つ備える構成（始動口３個タイプ）を採用することもできる。この場合、固定式の２つの始動口を第１特別図柄（特図１）に対応するものとし、可変式の１つの始動口を第２特別図柄（特図２）に対応するものとればよい。

１…パチンコ機（弾球遊技機）、
１７ａ…第１始動口、 １７ｂ…第２始動口（可変入球装置）、
２７…演出表示装置、
２８…第１図柄表示装置（普通図柄表示装置）、
３２…第２図柄表示装置（特別図柄表示装置）、
３６…普通図柄作動ゲート、
２００…主制御基板、
２０１…ＣＰＵ（特別遊技実行手段、開放延長遊技実行手段、開放遅延手段、確率変更遊技実行手段）、
２２０…サブ制御基板、
２２１…ＣＰＵ（開放延長示唆演出実行手段、開放延長有無報知手段、確率変更示唆演出実行手段、確率変更有無報知手段）、
２３０…表示制御基板、
２３１…ＣＰＵ（開放延長示唆演出実行手段、開放延長有無報知手段、確率変更示唆演出実行手段、確率変更有無報知手段）。

Claims (3)

1. 遊技盤面上を流下する遊技球の検出を契機として普通図柄の変動表示を開始し、所定の普通図柄変動時間が経過すると、該普通図柄を所定の普通図柄当り確率に基づいて当り普通図柄または外れ普通図柄で停止表示する普通図柄表示装置と、
   前記普通図柄表示装置に前記当り普通図柄が停止表示されると、通常状態から該通常状態よりも遊技球の入球が容易な開放状態に、所定の開放時間が経過するまで変化する可変入球装置と、
   前記可変入球装置への遊技球の入球を契機として特別図柄の変動表示を開始し、所定の特別図柄変動時間が経過すると、該特別図柄を所定の特別図柄当り確率に基づいて当り特別図柄または外れ特別図柄で停止表示する特別図柄表示装置と、
   前記特別図柄表示装置に前記当り特別図柄が停止表示されると、遊技者にとって有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
   複数設けられた前記当り特別図柄の中の所定の当り特別図柄によって前記特別遊技が開始された場合には、該特別遊技の終了後、前記可変入球装置の開放時間が通常よりも長い時間となる開放延長遊技を実行する開放延長遊技実行手段と
   を備える弾球遊技機において、
   前記特別遊技中に前記普通図柄の変動表示が開始される場合の前記普通図柄当り確率を所定の低確率に設定し、前記開放延長遊技中に前記普通図柄の変動表示が開始される場合の前記普通図柄当り確率を前記低確率よりも高確率に設定する普通図柄当り確率設定処理と、
   前記特別遊技が終了した後に初めて前記普通図柄の変動表示が開始される場合の前記普通図柄変動時間を、前記開放延長遊技中か否かに拘らず、通常変動時間よりも長い特殊変動時間に設定する普通図柄変動時間設定処理と
   を実行することで、前記特別遊技が終了してから最初に前記可変入球装置が前記開放状態となる時期を遅延させる開放遅延手段を備えることを特徴とする弾球遊技機。
2. 請求項１に記載の弾球遊技機において、
   前記特別遊技が終了すると、前記開放延長遊技中である可能性があることを示す開放延長示唆演出を、前記特殊変動時間の前記普通図柄の変動表示が終了するまでに実行する開放延長示唆演出実行手段と、
   前記特殊変動時間の前記普通図柄の変動表示が終了すると、前記開放延長遊技中か否かを報知する開放延長有無報知手段と
   を備えることを特徴とする弾球遊技機。
3. 請求項２に記載の弾球遊技機において、
   前記複数の当り特別図柄の中の所定の当り特別図柄によって前記特別遊技が開始された場合には、該特別遊技の終了後、前記特別図柄当り確率が通常とは異なる確率変更遊技を実行する確率変更遊技実行手段と、
   前記開放延長遊技中か否かが前記開放延長有無報知手段により報知されると、前記確率変更遊技中である可能性があることを示す確率変更示唆演出を、所定の示唆期間が経過するまでに実行する確率変更示唆演出実行手段と、
   前記示唆期間が経過すると、前記確率変更遊技中か否かを報知する確率変更有無報知手段と
   を備えることを特徴とする弾球遊技機。

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