以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本発明の第一の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は図2に示す遊技盤の正面図、図5は特別図柄の拡大正面図である。
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2を備えている。外枠2の正面側には、外枠2に対して回動可能に設けられたベースドア(内枠)3が配設され、ベースドア3内には、図2に示す遊技盤4が組み込まれている。また、外枠2の正面には、フロント扉5が設けられている。フロント扉5は、遊技盤4の正面を覆うとともに、ベースドア3の正面側に回動可能に設置されている。
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設されている。
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、所定の操作を行う決定ボタン20aおよび選択ボタン20b,20cが設けられている。この選択ボタン20b,20cは、後に説明する演出を決定するためのAボタンおよびBボタンとしても用いられる。
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球および後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
図4に示すように、遊技盤4の左側にはガイドレール7が設けられており、ガイドレール7の先端には、遊技球の戻りを防止するストッパ7Aが取り付けられている。また、遊技盤4の前面には、多数の図示しない遊技釘が打ち込まれている。発射ハンドル6cを操作して発射された遊技球は、ガイドレール7により案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、遊技釘等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
遊技盤4には、遊技状態において遊技球が流下する領域となる遊技領域4a(図2参照)が形成されており、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる多数の遊技釘が設けられている。また、図4に示すように、遊技領域4a上において、遊技盤面を左右に仕切る中心線上であって、高さ方向の中央部には始動入賞口9が設けられている。さらに、その中心線の左側であって高さ方向の中央部および右下方部には、それぞれ普通図柄作動ゲート10が設けられている。
さらに、始動入賞口9のやや下側位置に可変入賞装置である大入賞口11が設けられ、始動入賞口9の側方には、一般入賞口12a〜12dが設けられている。また、遊技領域4aの中央部下端部には、アウト口13が設けられている。
始動入賞口9は、遊技球が入賞可能とされている。始動入賞口9には、始動入賞口スイッチ9S(図6)が設けられており、始動入賞口9に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定するための大当り乱数等の抽出を行う。
普通図柄作動ゲート10は、遊技球が通過可能とされており、遊技球が通過したことを条件として普通図柄当り判定用乱数を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当り判定用乱数の抽出により普通図柄の当り判定を行い、当り判定に当選した場合に、普通図柄Nに当り普通図柄を表示するとともに、始動入賞口9に具備されている1対の羽根9a,9aが所定秒数の間開放する。
大入賞口11は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、上述した大当り乱数に基づいて大当り判定を行い、特別図柄が大当りの表示結果となり、遊技状態が大当り状態となったときに、閉じているシャッタが所定の態様で開閉する。このシャッタが開いている状態が遊技球を受け入れやすい開状態となり、シャッタが閉じている状態が遊技球を受け入れ難い閉状態となる。大入賞口11は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。また、大入賞口11は、開状態と閉状態との一回の開閉動作を1ラウンドとした開閉動作を行う。ここでの1ラウンド中における開状態としては、1ラウンド中大入賞口11が一定時間開放し続ける状態のほか、1ラウンド中に開閉を断続的または間欠的に継続して、結果として遊技球を受け入れやすくする状態も含むものである。
一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。これらの一般入賞口12a〜12dは、透光性基板15に設けられている。一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
アウト口13は、始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
さらに、遊技領域4aの中央位置であり、始動入賞口9のやや上方位置には、ステージ14が設けられている。さらに、ステージ14の左上部には、ステージ誘導穴14aが設けられている。ステージ誘導穴14aに入球した遊技球は、遊技盤4の裏面に形成されたステージ誘導ルートを介してステージ14上に案内される。
ステージ誘導穴14aに入球しステージ誘導ルートを介して、またはステージ14の下方に設けられた遊技釘にあたって跳ね上がるなどしてステージ14上に乗った遊技球は、ステージ14上において不安定な状態で揺れ、最終的にステージ14から始動入賞口9の近辺に向けて落下する。こうして、ステージ14を経由した遊技球は、ステージ14を経由しない遊技球よりも始動入賞口9に入賞し易くされている。
また、遊技盤4は、透光性を有する透光性基板15からなっている。この透光性基板15は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、その部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板15には、遊技釘が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板15とフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとなっている。そして、図2に示すように、この透光性基板15の背面側に各種の画像を表示する大画面の表示領域16aを備えた表示手段である液晶表示装置16が配置されている。液晶表示装置16に表示された画像は、透光性基板15の略中央の遊技釘が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認できるようになっている。液晶表示装置16は、後に説明する有効ラインに大当り図柄を表示することにより、大当り遊技状態への移行を遊技者に報知する。
この表示領域16aには、図4に示すように、9つの図柄表示領域P1〜P9が設定され、各図柄表示領域には、装飾図柄D1〜D9がそれぞれ可変表示および停止表示される。装飾図柄D1〜D9が停止表示された際には、それぞれ図柄要素として、「7」の数字を模した図柄(以下「7図柄」ともいう)、「軍配」を模した図柄(以下「軍配図柄」ともいう)、「樽」を模した図柄(以下「樽図柄」ともいう)およびその他の桜の花びらを模した図柄(以下「ブランク図柄」という)がそれぞれ設定されている。装飾図柄が変動表示される際には、図柄表示領域P1〜P9ごとにそれぞれ設定された図柄の配列の順番でそれぞれ表示される。各図柄表示領域P1〜P9の表示される各装飾図柄の表示順序などについては、後に説明する。また、表示領域16aには、装飾図柄D1〜D9の他にも、背景画像、キャラクタ画像等が表示される。
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置16の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ18L,18R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ19L,19R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球および始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dにより賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81(図6参照)等を具備している。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行するか否かを判定する主制御回路30を備える主制御基板21、映像および音声等の演出を制御する副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、およびバックアップクリアスイッチ26が、それぞれ配置されている。
さらに、表示領域16aには、特別図柄を変動表示させる保留球数(特別図柄保留個数)を報知する4つの特別図柄保留ランプR1〜R4が表示されており、遊技領域4aの左下部には、特別図柄Jおよび普通図柄Nを表示する図柄表示装置16bが設けられている。特別図柄Jは、大当りか否かの判定の結果を示す図柄であり、図5に示すように、2桁の数字を表示するように並べられた7セグメントからなる2つのセグメント表示装置に数字などを表示するものである。特別図柄Jとしては、「64」、「50」、「21」、「−−」の4種類の図柄が表示される。また、普通図柄表示装置は、特別図柄Jの表示位置の右下方に配置された2つのLEDランプからなる。これらのLEDランプは異なる色で点灯および点滅し、最終的に点灯されたLEDによって普通図柄を表示する。さらに、図柄表示装置16bにおける普通図柄Nの表示位置の右上方には、普通図柄を変動表示させる保留球数(普通図柄保留個数)を報知する普通図柄保留ランプr1〜r4が設けられている。
これらの特別図柄Jのうち、「64」、「50」、「21」が大当り特別図柄となる。特に、「64」は、15R継続確変大当り(以下「確変大当り」という)特別図柄、「50」は、2R継続確変大当り(以下「突然確変大当り」という)特別図柄、「21」は、15R継続通常大当り(以下「通常大当り」という)特別図柄となる。また、「−−」ははずれ特別図柄となる。さらに、普通図柄Nとしては、左側のLEDランプが赤く点灯したときにはずれ普通図柄となり、右側のLEDランプが緑色に点灯したときに当り普通図柄となる。
表示領域16aに停止表示される装飾図柄D1〜D9は、特別図柄Jに対応しており、特別図柄Jが「64」、「21」、である場合には、図柄表示領域P1〜P9の組み合わせにより設定されている成立ラインL1〜L9の各図柄表示領域にゾロ目の7図柄、軍配図柄、または樽図柄(以下「大当り図柄」という)が停止表示される。なお、ブランク図柄のゾロ目は大当り図柄ではなくはずれ図柄となる。また、特別図柄Jが「50」「−−」である場合には、その他の態様で各図柄表示領域P1〜P9に装飾図柄が停止表示される。さらに、特別図柄Jが「64」、「21」のいずれかである場合、大当り遊技状態中の大当り演出として、主人公と対戦相手とが腕相撲の勝敗を模したアニメーションが表示される。そして、特別図柄Jが「64」の場合には、主人公が勝利する表示がなされて確変大当りであることが報知され、「21」の場合には、対戦相手が勝利する表示がなされて通常大当りであることが報知される。
また、表示領域16aにおいて、装飾図柄D1〜D9が表示されている位置の右下方位置には、カラーバーCBが表示されている。カラーバーCBは、大当り図柄が表示される大当り図柄表示有効ライン数との組み合わせにより、大当りとなった際に、確変大当りであるか通常大当りであるかによって表示が異なるものとされている。カラーバーCBは、右下位置に配置された普通図柄作動ゲート10の裏側位置に配置されており、通常遊技者が表示領域16aを視認する位置からは、普通図柄作動ゲート10が邪魔となって見え難い位置に配置されている。
図6は、図1〜図4に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40および払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、1チップマイコンより構成されているメインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。
メインCPU31は、後述するカウントスイッチ11CSなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当り抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。メインCPU31は、大当り抽選の結果や遊技状態の消化などにより、通常遊技状態と通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態との間を移行制御している。ここで、メインCPU31は、大当り遊技状態移行判定手段を構成しており、大当り抽選に当選することが、通常遊技状態から特定遊技状態への移行を行う移行条件となる。
また、遊技状態としては、通常遊技状態および大当り遊技状態のほか、通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態および時短遊技状態が設定されている。確変遊技状態では、通常遊技状態よりも、メインCPU31における大当り抽選の当選確率を高く設定して、大当り遊技状態に移行しやすくしている。また、時短遊技状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間を短縮する。こうして、始動入賞口9の羽根9aを開きやすくし、場合によっては普通図柄の当選確率を高く設定して、さらに始動入賞口9の羽根9aを開きやすくして始動入賞口9への入賞割合を高めている。こうして、短時間で多くの大当り抽選を行うことを可能とすることにより、結果として大当り遊技状態に移行しやすくしている。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれにもなっていない遊技状態を意味する。また、通常遊技状態および大当り遊技状態以外の遊技状態では、確変遊技状態と時短遊技状態とが同時に進行する場合もあり、確変遊技状態または時短遊技状態のみが進行する場合もある。
メインCPU31は、確変大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を確変遊技状態と時短遊技状態とに移行させ、通常大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を時短遊技状態へと移行させる。確変遊技状態は、次に大当り抽選に当選するまで継続する。時短遊技状態では、次に大当り抽選に当選するか、所定回数、たとえば100回の特別図柄の変動表示が終了するまで時短遊技状態が継続する。メインCPU31は、時短遊技状態で大当り抽選に当選した場合には、遊技状態を大当り遊技状態に移行させ、所定回数の特別図柄の変動が終了した場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。このように、メインCPU31では、大当り遊技状態、通常遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれに移行するかを制御している。また、確変大当り遊技状態から確変遊技状態に移行すると、装飾図柄の変動表示時間を短縮する制御を行う。
また、メインROM32には、メインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図7に示す特別図柄決定テーブル、図8に示す変動パターンテーブル等が記憶されている。さらに、メインRAM33は、メインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。このメインRAM33に、図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを副制御回路40に送信するための送信バッファが設けられている。
メインCPU31は、図7に示す特別図柄決定テーブルから選択された特別図柄を図柄表示装置16bに表示させる。メインCPU31は、大当り判定用乱数カウンタを用いて行われる大当り抽選の結果を特別図柄決定テーブルに参照して特別図柄を決定する。具体的には、「0」〜「299」の中から一つの大当り乱数値を抽出する。ここで、確変遊技状態ではない低確率遊技状態(通常遊技状態または時短遊技状態)では、大当り乱数値が「7」の場合に「大当り」となり、確変遊技状態では、大当り乱数値が「3」、「5」、「7」、「11」、「13」の場合に「大当り」となり、それ以外の場合には「ハズレ」となる。また、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに行われる大当り抽選では、大当り特別図柄抽選も同時に行っている。大当り特別図柄抽選では、大当り特別図柄決定用乱数(0〜9)から1つを取得する。ここで取得された乱数が0〜4の場合には、確変大当りであり、継続ラウンド数が15となる図柄「64」を選択して図柄表示装置16bに表示させる。また、取得された乱数が5の場合には、確変大当りであり、継続ラウンド数が2ラウンドとなる図柄「50」を選択して図柄表示装置16bに表示させる。さらに、取得された乱数が6〜9の場合には、通常大当りであり、継続ラウンド数が15ラウンドとなる図柄「21」を選択して図柄表示装置16bに表示させる。なお、大当り特別図柄抽選は、大当り抽選によって大当りと判定された際に行う態様とすることもできる。また、大当りラウンド数の関係は図7に示すものに限られない。
また、大当り抽選に落選してはずれが選択された場合には、特別図柄決定テーブルから「−−」を選択し、図4および図6に示す図柄表示装置16bに特別図柄として表示させる。この場合、取得された大当り図柄決定用乱数は不要となるので破棄される。
さらに、メインCPU31は、選択された図柄に基づいて、図柄指定コマンドを決定する。具体的に、選択された図柄が「−−」である場合には、図柄指定コマンドをz3と決定する。また、選択された図柄が「64」である場合には、図柄指定コマンドをz0と決定する。さらに、選択された図柄が「50」である場合には、図柄指定コマンドをz1と決定する。そして、選択された図柄が「21」である場合には、図柄指定コマンドをz2と決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、メインCPU31は、図8に示す変動パターンテーブルを参照して、変動パターンコマンドを決定する。変動パターンコマンドを決定するために、上記の大当り抽選および大当り特別図柄抽選とはさらに別個に変動パターン決定抽選を行う。変動パターン決定抽選では、複数の変動パターン決定乱数から1つの変動パターン決定乱数値を取得する。ここで取得された変動パターン決定乱数値のほか、大当り抽選の当落、大当り図柄を図8に示す変動パターンテーブルに参照して、変動パターンコマンドを決定するとともに、変動パターンコマンドに対応する変動時間および演出表示態様を決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した変動パターンコマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
メインRAM33は、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターンコマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
また、主制御回路30には、カウントスイッチ11CSをはじめとする各スイッチ等が接続されている。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。カウントスイッチ11CSは、大入賞口11に入賞した遊技球の数を計測する計数手段の一部を構成する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ9Sは始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
始動口ソレノイド9Lは始動入賞口9に設けられた一対の羽根9a,9aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
また、パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに、主制御回路30におけるメインCPU31は、上記の大当り抽選を行う。大当り抽選の結果、通常大当りまたは確変大当りが決定された場合には、遊技状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行する。このように、大当り遊技状態には通常大当り遊技状態と確変大当り遊技状態とがある。また、検出信号に基づく大当り抽選の結果を報知する装飾図柄の変動表示が行われている最中には、検出信号を最大4つ保留し、その保留個数と同数の特別図柄保留ランプR1〜R4を点灯させる。
さらに、大当り抽選の結果の大当りが通常大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、時短遊技状態に移行する。また、大当りが確変大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り抽選の結果がはずれとなった場合には、大入賞口11の開閉制御を行うことはないが、大当りとなった場合には、大入賞口11を開閉制御する。大入賞口11の開閉制御では、大入賞口11の開状態と閉状態との1回の開閉動作を1ラウンドとして、大当り特別図柄乱数値に基づいて決定されたラウンド数まで大入賞口11の開閉動作の駆動制御を行う。
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置16を用いた装飾図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置16に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ18L、18Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ19L、19Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、およびランプ制御回路70を有している。
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる一方、選択ボタン20b,20c、決定ボタン20aからの信号等にしたがい電源供給ユニット24を制御する。
サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図9に示す図柄演出選択テーブルおよび図10に示すラウンド演出決定テーブル等が記憶されている。さらに、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムおよび主制御回路30から送信される図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを格納するための受信バッファが設けられている。また、サブRAM43には、大当り時のラウンドをカウントするラウンドカウンタが設けられている。
サブCPU41は、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドを図9に示す図柄演出決定テーブルに参照し、図柄演出Noおよびリーチ停止図柄を決定する。また、変動パターンコマンドに加えて、メインCPU31から送信される確変遊技状態コマンドの有無を図柄演出決定テーブルに参照してライングループNoを決定する。これらのライングループNoや主制御回路30から送信される図柄指定コマンド等に基づいて、装飾図柄D1〜D9およびカラーバーCBの色を決定する。また、サブCPU41は、図柄演出決定テーブルを参照して決定された図柄演出No、リーチ停止図柄、およびライングループNoに沿って、所定の演出を液晶表示装置16の表示領域16aに表示させる。
また、サブCPU41は、大当りの際に決定される図柄指定コマンドz0、z2が主制御回路30から送信された場合、送信された図柄指定コマンドおよびラウンド演出決定用カウンタを用いて抽出されたラウンド演出乱数値を図10に示すラウンド演出決定テーブルに参照して、大当り時の各ラウンドにおけるラウンド演出番号を決定する。
具体的に、送信された図柄指定コマンドがz2であるかz0であるかを判断し、送信された図柄指定コマンドがz2である場合には、通常1〜通常4のいずれかのラウンド演出番号を決定する。ここで、ラウンド演出決定用カウンタには、「0」〜「99」のラウンド演出乱数値が設定されており、これらのラウンド演出乱数値から、1つのラウンド演出乱数値を抽出する。このとき抽出した乱数値が「0」〜「49」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として通常1を決定し、「50」〜「69」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として通常2を決定する。また、「70」〜「89」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として通常3を決定し、「90」〜「99」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として通常4を決定する。
また、送信された図柄指定コマンドがz0である場合には、確変1〜確変9のいずれかのラウンド演出番号を決定する。ここで、ラウンド演出決定用カウンタに設定されたラウンド演出乱数値から、1つのラウンド演出乱数値を抽出する。このとき抽出した乱数値が「0」〜「9」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変1を決定し、「10」〜「19」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変2を決定し、「20」〜「29」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変3を決定する。また、抽出した乱数値が「30」〜「39」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変4を決定し、「40」〜「44」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変5を決定し、「45」〜「54」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変6を決定する。さらに、抽出した乱数値が「55」〜「64」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変7を決定し、「65」〜「79」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変8を決定し、「80」〜「99」のいずれかである場合にはラウンド演出番号として確変9を決定する。
通常1〜通常4、または確変1〜確変9のいずれかのラウンド演出番号を決定したら、図10に示すラウンド演出決定テーブルに基づいて、第8ラウンドから第15ラウンドまでの各ラウンド演出が決定される。
たとえば、ラウンド演出番号として通常1が決定された際には、第8ラウンドでメインキャラクタが浴衣を着た普通の姿で登場する演出が決定され、第9ラウンドでは、メインキャラクタの姿が継続して表示される。また、第10ラウンドから相手キャラクタと腕相撲を開始する演出が決定され、そのときの相手キャラクタの顔が赤くなる。また、第11ラウンドでは、腕相撲勝負に負けそうな不利な状態を示す演出が決定され、第12ラウンドでは1人の観客の応援が行われる演出が決定される。続く第13ラウンドでは、応援が継続する演出が決定され、第14ラウンドで、メインキャラクタが相手キャラクタに負ける演出(敗北演出)が決定される。その後の第15ラウンドでメインキャラクタが落ち込む演出(落胆演出)が決定されるとともに、このメインキャラクタが落ち込む演出により大当り遊技状態が終了した後、通常遊技状態へ移行することが報知される。
また、ラウンド演出番号として確変1が決定された際には、第8ラウンドでメインキャラクタが裸の普通の姿で登場する演出が決定され、第9ラウンドでは、メインキャラクタの姿が継続して表示される。また、第10ラウンドから相手キャラクタと腕相撲を開始する演出が決定され、そのときの相手キャラクタの顔が青くなる。また、第11ラウンドでは、腕相撲勝負に勝ちそうな有利な状態を示す演出が決定され、第12ラウンドでは3人の観客の応援が行われる演出が決定される。続く第13ラウンドでは、応援が継続する演出が決定され、第14ラウンドで、メインキャラクタが相手キャラクタに勝つ演出(勝利演出)が決定される。その後の第15ラウンドでメインキャラクタが喜ぶ画像が決定されるとともに、このメインキャラクタが喜ぶ画像(歓喜演出)により大当り遊技状態が終了した後、通常遊技状態へ移行することが報知される。
さらに、ラウンド演出番号として確変9が決定された際には、第8ラウンドから第四ラウンドまではラウンド演出番号として通常1が決定された場合と同様の演出が決定され、最終の第15ラウンドでメインキャラクタが復活して立ち上がる演出(復活演出)が決定される。
サブROM42において、これらの演出はいずれも所定のラウンドに対応付けて記憶されており、第14ラウンドにおける勝ちの演出が第一判定結果演出となり、負けの演出が非判定結果演出(一部共通非判定結果演出)となる。また、第14ラウンドにおける勝ちの演出と、負けの演出とは、ラウンドが開始してから所定の時間t1(たとえば15秒)の間は、共通する演出とされている。
また、第15ラウンドにおける復活の演出が第二判定結果演出となる。さらに、第8ラウンドにおける裸の演出、第10ラウンドにおける顔青の演出、第11ラウンドにおける有利の演出、第12ラウンドにおける応援3人の演出、第13ラウンドにおける強カットインの演出は、いずれも大当り遊技中移行確定演出となる。また、第12ラウンドにおける応援2人の演出、第13ラウンドにおける弱カットインの演出は、いずれも判定結果演出が表示される可能性があることを予告する大当り遊技中移行予告演出となる。
さらに、サブROM42は、大入賞口開放演出、大入賞口閉鎖演出、および大当り遊技終了演出を記憶している。大入賞口開放演出は、大当り遊技状態中における大入賞口11が開放してから(ラウンドが開始してから)数秒間表示される演出である。また、大入賞口閉鎖演出は、大入賞口11が閉鎖してから(ラウンドが終了してから)、次に大入賞口11が開放するまで(ラウンドが開始するまで)に表示される演出である。さらに、大当り遊技状態終了演出は、最終ラウンド(第15ラウンド)が終了した後に、数秒間表示される演出である。
また、サブCPU41は、決定した表示パターン、装飾図柄、およびカラーバーに基づいて、各図柄表示領域における図柄やカラーバーを可変表示させ、変動表示から停止表示に至るまでの表示制御を行う。さらに、大当り遊技状態中におけるラウンド演出を表示領域16aに表示させる表示制御を行う。サブCPU41は、表示制御手段を構成する。
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM(画像記憶手段)54a,54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置16に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置16に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、装飾図柄、特別図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データROM54bには、各種画像データを液晶表示装置16に表示させるための画像データを記憶している。VDP51は、サブCPU41から出力される装飾図柄および特別図柄に対応する画像データを画像データROM54a,54bから読み出し、この画像データに基づく図柄等の画像を液晶表示装置16に表示させる。
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下「AMP」という)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ18L、18Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当り演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
ランプ制御回路70は、装飾ランプ19L、19Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ19L、19Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
払出・発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と、発射ハンドル6cおよび発射モータを有する発射装置82とを作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
電源供給ユニット24は、副制御回路40の制御にしたがい副制御回路40、主制御回路30および払出・発射制御回路80への電力供給を行う。
(パチンコ遊技機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図11〜図25までのフローチャートを参照して説明する。図11はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。
(メイン制御処理の動作手順)
図11に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始し、初期設定処理を行い(S1)、次に、特別図柄制御処理(S2)を行う。この特別図柄制御処理については、後に説明する。その後、普通図柄制御処理を行い(S3)、さらに図柄表示装置制御処理(S4)を行った後、乱数更新処理を行う(S5)。以後、このステップS2〜ステップS5の工程を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、このメイン制御処理には、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、割込許可フラグの設定を条件に定期的(たとえば2msごと)にシステムタイマ割込み処理が割込んで実行される。このシステムタイマ割込処理のコマンド出力処理により、図柄指定コマンド等の各種コマンドが主制御回路30から副制御回路40に出力される。
特別図柄制御処理は、図12に示すフローチャートのようにして行われる。特別図柄制御処理を開始すると、まず、制御状態フラグをロードする(S11)。この制御状態フラグは、液晶表示装置16における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップいずれを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
次に、特別図柄記憶チェック処理(S12)が図13に示すフローチャートの手順に沿って行われる。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示すデータ“00”である否かを判断する(S21)。その結果、 “00”でなければ処理を終了する。また、“00”である場合には、保留個数が“0”であるか否かを判定する(S22)。その結果、保留個数が“0”であればデモ表示処理を行い(S23)、その後、処理を終了する。一方、保留個数が“0”でなければ、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする(S24)。
制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットしたら、大当り判定用前処理を行う(S25)。このとき、メインCPU31は高確率フラグを読み出して大当り判定テーブルを選択し、大当り乱数を用いて選択された大当り判定テーブルをサーチする。
それから、大当り判定用前処理において大当り判定テーブルをサーチした結果に基づいて、大当り判定として、大当りであるか否かの判断を行う(S26)。その結果、大当りである場合には、大当り図柄の決定処理を行い(S27)、大当りでなければはずれ図柄の決定処理を行う(S28)。
大当り図柄の決定処理では、遊技球が始動入賞口9に入賞するときに行われる大当り特別図柄抽選で抽出される大当り特別図柄乱数値に基づいて大当りの種別を決定する。大当り乱数値が「0」〜「4」である場合には、特別図柄として「64」、図柄指定コマンドとしてz0を選択する。また、大当り乱数値が「5」である場合には、特別図柄として「50」、図柄指定コマンドとしてz1を選択する。大当り乱数値が「6」〜「9」である場合には、特別図柄として「21」、図柄指定コマンドとしてz2を選択する。さらに、選択した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、はずれ図柄の決定処理では、特別図柄として「−−」、図柄指定コマンドとしてz3を選択する。こうして選択した図柄指定コマンドz3をRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、メインCPU31は変動パターンの決定を行う(S29)。変動パターンの決定では、図示しない変動パターンテーブルを用い、複数、たとえば0〜99の乱数のうちから1つの乱数を取得し、ステップS26における大当り判定の結果を図8に示す変動パターンテーブルに参照して変動パターンコマンドを選択して決定する。メインCPU31は、決定した変動パターンコマンドをRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(S30)。それから、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアし(S31)、特別図柄記憶チェック処理が終了する。
図12に示すフローに戻り、特別図柄記憶チェック処理が済んだら、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。特別図柄変動時間管理処理では、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す“01”である場合に、ステップS30で決定された変動時間の待ち時間タイマ(t)が0となったら制御状態フラグに特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”をセットし、さらに特別図柄変動時間が確定した後の時間に対応する確定後待ち時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマ(t)にセットする。こうして、特別図柄変動時間管理処理を終了する。
特別図柄変動時間管理処理が済んだら、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。特別図柄表示時間管理処理では、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値“02”である場合に、特別図柄変動時間管理処理で決定された確定後待ち時間タイマ(t)が0となったら、ステップS26における大当り判定の結果に基づく制御フラグをセットする。具体的に、大当り判定の結果が大当りであった場合には、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。一方、大当り判定の結果がはずれであった場合には、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示すデータ“08”をセットし、処理を終了する。
特別図柄表示時間管理処理が済んだら、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。大当り開始インターバル管理処理では、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、ステップS13でセットされた大当り開始対応時間だけ待機し、大当り開始対応時間が経過したのち、大入賞口の開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口時間タイマにセットする。開放上限時間は、ステップS27で決定された特別図柄が「64」「21」である場合には29秒とし、ステップS27で決定された特別図柄が「50」である場合には0.5秒とする。その後、大当り遊技状態が開始する大当り遊技状態開始コマンドおよび大入賞口11が開放する大入賞口開放コマンドを送信バッファにセットして、大当り開始インターバル管理処理を終了する。
さらに、大入賞口開放中処理を行う(S16)。大入賞口開放中処理では、制御状態フラグが大入賞口開放中を示すデータ“04”であるときに以下の処理を行い、“04”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は、大入賞口入賞カウンタのカウント数が10以上であるか、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが“0”)のいずれかを満たすときに、大入賞口を閉鎖させるためメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。ここで、大入賞口11を閉鎖する大入賞口閉鎖コマンドを送信バッファにセットする。また、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”をセットして、大入賞口内残留球監視時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマにセットし、大入賞口内残留球監視時間を経過したのち、次のステップに進むように設定する。また、いずれも満たしたと判定されないときは、上述の処理を実行することなく次のステップに進む。
続いて、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。大入賞口内残留球監視処理では制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”であるときに以下の処理を行い、“05”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間が経過したときに、大入賞口開放回数カウンタが最終ラウンドを示す数値となっているか否かを判定する。この判定の結果、最終ラウンドであるときは大当り終了インターバルを示すデータ“07”を制御状態フラグにセットして大当り終了インターバルに対応する時間(以下「大当り終了対応時間」という)を待ち時間タイマにセットする。これにより、大当り終了対応時間を経過したのち、大当り終了インターバル処理を実行するように設定するとともに、大当り遊技状態終了コマンドを送信バッファにセットする。また、最終ラウンドを示す数値となっていない場合は大入賞口再開放待ち時間管理を示すデータ“06”を制御状態フラグにセットする。また、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットし、その待ち時間を経過したのち、ステップS16における大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行するように設定する。
続いて、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。大入賞口再開放前待ち時間管理処理では、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示すデータ“06”であるときは、ラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口時間タイマにセットする。開放上限時間は、ステップS27で決定された特別図柄が「64」「21」である場合には29秒とし、ステップS27で決定された特別図柄が「50」である場合には0.5秒とする。その後、大入賞口11が開放する大入賞口開放コマンドを送信バッファにセットして、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了する。
それから、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。大当り終了インターバル処理では、図14に示すように、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す“07”であるか否かが判定され(S32)、“07”でなければ大当り終了インターバル処理を終了する。また、制御フラグが“07”であれば大当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマ(t)が“0”であるか否かを判定し(S33)、“0”でなければ大当り終了インターバル処理が終了する。また、待ち時間タイマ(t)が“0”であれば、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す“08”をセットする(S34)。
次に、確変に当選しているか否か(ステップ27で選択された大当り図柄が確変大当り図柄か通常大当り図柄か)を判定する(S35)。その結果、確変に当選している場合には、大当り終了後に確変遊技状態に移行する確変遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、高確率フラグをセットする(S36)。その後、大当り終了後に時短遊技状態にも移行する時短遊技状態フラグを送信バッファにセットし、時短フラグをセットする(S37)。一方、確変に当選していない場合には、大当り終了後に時短遊技状態に移行する時短遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、時短フラグをセットする(S38)。その後、時短回数カウンタを所定数、たとえば100にセットする(S39)。こうして、大当り終了インターバル処理が終了する。
図12に戻り、大当り終了インターバル処理が済んだら、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“08”であるときに以下の処理を行い、“08”でなければ行わないようになっている。特別図柄ゲーム終了処理では、メインCPU31は保留個数を示すデータを“1”減らすように更新し、大当り判定用乱数カウンタ、大当り停止態様選択用乱数カウンタの各カウント値を順次シフトさせる。さらに、高確率フラグがセットされている場合には、確変回数カウンタから1減算し、確変回数カウンタが0になったら高確率フラグをクリアする。また、高確率フラグがセットされておらず、時短フラグのみがセットされている場合には、時短回数カウンタから1減算し、時短回数カウンタが0になったら、時短フラグをクリアする。ステップS20が終了すると、ステップS2の特別図柄制御処理が終了する。
こうして特別図柄制御処理が終了すると、図12に戻り、普通図柄制御処理を行う(S3)。普通図柄制御処理では、図柄表示装置16bに表示される普通図柄に関する制御を行う。普通図柄制御処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の変動時間、停止表示された普通図柄の態様を監視する。そして、その普通図柄の態様が所定の態様であるときは羽根9aの開放、閉鎖を示す変数をメインRAM33に記憶して、普通図柄制御処理を終了する。
それから、図柄表示装置制御処理を行う(S4)。図柄表示装置制御処理では、ステップS2における特別図柄制御処理およびステップS3における普通図柄制御処理の結果に基づいて、図4に示す特別図柄J、普通図柄Nなどの可変表示の表示制御を行う。
その後、乱数更新処理を行う(S5)。ここでは、はずれ図柄用乱数、リーチ判定用乱数、演出条件選択用乱数などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップS2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(たとえば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込処理を図15に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の手順を図15に示すフローチャートを参照して説明する。
図15に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムアドレスデータ等を一旦退避させ(S41)、乱数更新処理を行う(S42)。乱数更新処理では、メインCPU31が、大当り判定用の乱数や大当り図柄決定用の乱数を更新する処理を行う。乱数更新処理が済んだら、スイッチ入力検出処理を行う(S43)。
スイッチ入力検出処理では、賞球関連スイッチの入力チェック、特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェック、普通図柄関連のスイッチ入力チェックを行う。特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェックでは、カウントスイッチ11CS、始動入賞口スイッチ9Sそれぞれの検出信号の出力チェックを行い、始動入賞口スイッチ9Sからの出力があると、始動記憶数カウンタが4未満のときに以下の処理を行う。また、始動記憶数カウンタが4以上の場合には、可変表示中や大当り中に始動入賞口9に遊技球が入賞した場合は最大4つまで始動記憶として乱数を記憶するため、以下の処理を行わない。
そして、大当り判定用乱数カウンタから大当り判定乱数を抽出し、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数を抽出する。また、抽出した大当り判定用乱数および大当り図柄用乱数をメインRAM33に記憶させ、これらの乱数がステップS26〜ステップS27における大当り判定および大当り図柄の決定処理に用いられる。これをもってスイッチ入力検出処理を終了する。
スイッチ入力検出処理が済んだら、タイマ更新処理を行う(S44)。タイマ更新処理では、待ち時間タイマなどを更新する。タイマ更新処理の後は、遊技情報データ生成処理を行う(S45)。遊技情報データ生成処理では、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。それから、メインRAM33に記憶されているデータに基づき各ソレノイド、モータのON,OFFを制御するなどして出力処理を行い(S46)、続いて、各種コマンドを出力するコマンド出力を行う(S47)。コマンド出力では、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターンコマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。
続いて、ランプ制御処理(S48)および払出処理(S49)を行う。ランプ制御処理では、ランプ点滅コマンドを副制御回路40に出力する。また、払出処理では、賞球数を示すデータを含む賞球コマンドを払出装置81に出力する。なお、払出装置81は賞球コマンドに対応する賞球の払出しを行う。払出処理が済んだら、退避させたメイン制御処理のプログラムアドレスデータ等のレジスタを復帰させ(S50)、メイン制御処理を中断した(退避させた)時点から再開する。その後、メインRAM33の変数、フラグ等を更新して割込許可を行い(S51)、システムタイマ割込処理が終了する。
(副制御回路の動作手順)
次に、副制御回路40の動作について説明する。副制御回路40では、主制御回路30から送信されたコマンドを受信することにより、図柄制御、音制御、およびランプ制御等を行う。図16は、副制御回路40により繰返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、サブCPU41では、最初に所定の初期化処理を行い(S61)、次に乱数更新処理を行う(S62)。続いて、主制御回路30から送信され、受信バッファに格納されている各種コマンドのコマンド解析制御処理を行う(S63)。それから、このコマンド解析制御処理の結果に基づいて表示制御処理を行う(S64)。このコマンド解析制御処理および表示制御処理については、後に詳しく説明する。
その後、音制御処理を行う(S65)。音制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ18L,18Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ18L,18Rから音声を発生させる。
続いて、ランプ制御処理を行う(S66)。ランプ制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ19L,19Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ19L,19Rを点滅させる。以降ステップS62〜ステップS66を繰り返し実行する。
次に、主制御回路30から送信されたコマンドを受信した際の処理について説明する。図17は、サブ制御コマンド受信割込処理の手順を示すフローチャートである。図17に示すように、主制御回路30から送信されたコマンドを副制御回路40が受信したら、まず保護レジスタを退避する(S71)。次に、主制御回路30からの送信で入力されたコマンドをサブRAM43における受信バッファに格納する(S72)。続いて、レジスタを復帰させる(S73)。こうしてコマンドを受信した際の処理は終了する。
続いて、サブ制御タイマ割込処理について説明する。副制御回路40は、上記サブ制御処理中に、図18に示すサブ制御タイマ割込処理を行う。サブ制御タイマ割込処理では、まず、副制御回路40は、レジスタを退避し(S75)、次に、タイマ更新処理を実行する(S76)。
このタイマ更新処理では、各種画像データの表示時間や音声出力時間・ランプ点灯時間・ボタン有効タイマ・演出タイマ等を管理する各種タイマの更新を行う。続いて、デモ中タイマによる計測時間が所定の待機時間(例えば3分)を経過したか否かを判定する。3分経過したと判定した場合には、遊技移行回数計数手段としての処理を行い、大当り回数カウンタをクリアして、移行回数を初期値(0回)に戻す。その後、その他のタイマ更新に対応して各演出データを更新して、タイマ更新処理を終了する。また3分が経過していないと判定した場合には、移行回数を初期値に戻すことなく、各演出データの更新等を行う。その後、操作ボタン入力処理を行う(S77)。それから、サブ制御タイマ割込処理に戻り、レジスタを復帰して(S78)、サブ制御タイマ割込処理を終了する。
ステップS77における操作ボタン入力処理は、図19に示す手順で行われる。図19は、操作ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。操作ボタン入力処理では、まずステップS105でセットされるボタン有効タイマが0となっているか否かを判断する(S81)その結果、ボタン有効タイマが0となっていると判断した場合には、操作ボタン入力処理を終了する。一方、ボタン有効タイマが0となっていないと判断した場合には、選択ボタン(以下「Aボタン」という)20bの操作があったか否かを判断する(S82)。その結果、選択ボタン(以下「Bボタン」という)20cの操作があったと判断した場合には、演出ボタンフラグAをセットする(S83)。
また、ステップS82において、Aボタン20bの操作がないと判断した場合には、Bボタン20cの操作があったか否かを判断する(S84)。その結果、Bボタン20cの操作がないと判断した場合には、そのまま操作ボタン入力処理を終了する。また、Bボタン20cの操作があったと判断した場合には、演出ボタンフラグBをセットする(S85)。こうして、操作ボタン入力処理を終了する。
続いて、図16のステップS63に示すコマンド解析制御処理について説明する。図20は、コマンド解析制御処理の手順を示すフローチャートである。図20に示すように、コマンド解析制御処理では、まず副制御回路40が主制御回路30から送信される変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S91)。具体的には、受信バッファに変動パターンコマンドが格納されているかを確認する。その結果、変動パターンコマンドを受信していれば、図柄指定コマンドを受信しているか否かを判断する(S92)。具体的には、受信バッファに図柄指定コマンドが格納されているかを確認する。その結果、図柄指定コマンドを受信していれば、ライン数決定処理を行う(S93)。ライン数決定処理では、変動パターンコマンドおよび図柄指定コマンドに基づいて、図示しないライン数決定テーブルを参照して大当り図柄が表示される有効ラインである大当り図柄表示有効ラインのライン数を決定する。
ライン数決定処理が済んだら、配置図柄決定処理を行う(S94)。配置図柄決定処理では、大当り図柄表示有効ライン候補に含まれる図柄表示領域以外の各図柄表示領域における装飾図柄(図柄要素)を決定する。配置図柄決定処理が済んだら、カラーバー決定処理を行う(S95)。カラーバー決定処理では、ステップS93で決定された大当りライン数および主制御回路30から送信される図柄指定コマンドに基づいて、図示しないカラーバー決定テーブルを参照して、カラーバーの色を決定する。
こうして、カラーバーの色を決定したら、キャラクタ演出パターン決定処理を行う(S96)。キャラクタ演出パターン決定処理では、主制御回路30から送信される変動パターンコマンドやステップS95で決定されるラインパターンNoなどにより、予め設定された複数のキャラクタ演出の中から、1つのキャラクタ演出を決定する。こうして、コマンド解析制御処理を終了する。
また、ステップS91で変動パターンコマンドを受信していないと判断した場合、またはステップS92で図柄指定コマンドを受信していないと判断した場合には、確変遊技状態コマンドを受信しているか否かを判断する(S97)。具体的には、受信バッファに確変遊技状態コマンドが格納されているかを確認する。
その結果、確変遊技状態コマンドを受信していると判断した場合には、確変遊技状態を遊技状態として設定し(S98)コマンド解析制御処理を終了する。一方、確変遊技状態コマンドを受信していないと判断した場合には、大当り遊技状態開始コマンドを受信しているか否かを判断する(S99)。その結果、大当り遊技状態開始コマンドを受信していると判断した場合には、大当り遊技開始演出データをセットし(S100)、ラウンド演出決定処理を行う(S101)。
ラウンド演出決定処理(S101)では、大当り遊技状態に移行する際に受信した図柄指定コマンドを確認する。その結果、図柄指定コマンドが確変大当りとなるz2である場合には、確変遊技状態への移行を報知するラウンド演出番号(確変1〜確変9)の中からラウンド演出番号を選択し、通常大当りとなるz0である場合には、通常遊技状態への移行を報知するラウンド演出番号(通常1〜通常4)の中からラウンド演出番号を選択する。それから、選択したラウンド演出番号によって定められる各ラウンドに対応するラウンド演出データをセットし、ラウンド演出決定処理を終了する。
ここで、確変遊技状態への移行を報知するラウンド演出番号が選択された場合において第14ラウンドのラウンド演出データとして敗北演出に対応する演出データ(以下、「敗北用演出データ」という)が決定された場合、第15ラウンドのラウンド演出データとして復活演出に対応する演出データ(以下、「復活用演出データ」という)が決定される。また、第14ラウンドのラウンド演出データとして勝利演出に対応するデータ(以下、「勝利用演出データ」という)が決定された場合には第15ラウンドのラウンド演出データとして歓喜演出に対応するデータ(以下、「歓喜用演出データ」という)が決定される。
一方、通常遊技状態への移行を報知するラウンド演出番号が選択された場合には、第14ラウンドのラウンド演出として敗北演出が決定され、第15ラウンドのラウンド演出として落胆演出が決定される。こうして、ラウンド演出決定処理を終了したら、コマンド解析制御処理を終了する。
また、ステップS99で大当り遊技状態開始コマンドを受信していないと判断した場合には、大入賞口開放コマンドを受信しているか否かを判断する(S102)。その結果、大入賞口開放コマンドを受信していると判断した場合には、ラウンドカウンタを1アップする(S103)。続いて、ラウンドが所定のラウンド数、具体的には第14ラウンドとなっているか否かを判断する(S104)。その結果、特定ラウンド数(第14ラウンド)となっていると判断した場合には、ボタン有効タイマに時間t1をセットする(S105)。ボタン有効タイマに時間t1をセットした後、または特定ラウンド数となっていないと判断した場合には大入賞口開放演出データをセットし(S106)、コマンド解析制御処理を終了する。
また、ステップS102で大入賞口開放コマンドを受信していないと判断した場合には、図21に示すフローに進み、大入賞口閉鎖コマンドを受信しているか否かを判断する(S107)。その結果、大入賞口閉鎖コマンドを受信していると判断した場合には、大入賞口閉鎖演出データをセットする(S108)。続いて、演出タイマがステップS105でセットしたボタン有効タイマの時間t1以下となっているか否かを判断する(S109)。
その結果、演出タイマが時間t1以下となっていると判断した場合には、ラウンドカウンタが14となっているか否かを判断する(S110)。そして、ラウンドカウンタが14となっていると判断した場合には、10カウントフラグをセットし(S111)、コマンド解析制御処理を終了する。一方、ステップS109において演出タイマが時間t1以下となっていないと判断した場合、およびステップS110においてラウンドカウンタが14となっていないと判断した場合には、コマンド解析制御処理を終了する。
さらに、大入賞口閉鎖コマンドを受信していないと判断した場合には、大当り遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判断する(S112)。その結果、大当り遊技状態終了コマンドを受信していると判断した場合には、大当り遊技終了演出データをセットし(S113)、コマンド解析制御処理を終了する。また、大当り遊技状態終了コマンドを受信していないと判断した場合には、その他受信したコマンドに対応する処理を実行し(S114)、コマンド解析制御処理を終了する。
続いて、表示制御処理について説明する。図22は、表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図22に示すように、表示制御処理では、図柄変動処理を行う(S141)。図柄変動処理では、通常遊技状態または確変遊技状態中に、ステップS93〜S96における各決定処理で決定されたライン数、配置図柄、カラーバーの色、およびキャラクタ演出パターンに応じた表示制御を行う。図柄変動処理に続いて、図23に示すフローにしたがって、大当たり遊技状態中における大当り表示処理を行う(S142)。この大当り表示処理が終了した後、表示制御処理を終了する。
次に、大当り表示処理の手順について図23を参照して説明する。図23に示すように、大当り表示処理では、まずステップS100でセットした大当り遊技開始演出データに基づく大当り遊技開始演出の表示処理を行う(S145)。この大当り遊技開始演出は、大当り遊技状態が開始する際に、常に表示される演出である。
大当り遊技開始演出表示制御処理が済んだら、続いて大入賞口開放演出表示処理を行う(S146)。大入賞口開放演出表示処理は、図24に示すフローにしたがって行われる。以下、図24を参照して、大入賞口開放演出表示処理の手順について説明する。
図24に示すように、大入賞口開放演出表示処理では、ステップS103でカウントアップされているラウンドカウンタが14となっているか否かを判断する(S151)。ラウンドカウンタが14となって第14ラウンドとなっている際には、Aボタン20bおよびBボタン20cの操作の有無によって演出が異なる。
ステップS151において、ラウンドカウンタが14となっていると判断した場合には演出タイマが、ステップS105でセットしたボタン有効タイマの時間t1以下となっているか否かを判断する(S152)。演出タイマは、第14ラウンドが開始した時点から経過した時間を計測するタイマであり、ステップS76のタイマ再処理にて減算処理されていくタイマである。この時間t1は、勝ちの演出となるか負けの演出となるかが報知されていない時間であり、ラウンドが開始してから時間t1が経過した時点が確変遊技状態に移行するか否かの報知タイミングとなる。
その結果、演出タイマがt1以下となっている場合、換言すれば報知タイミングとなっている場合には、10カウントフラグがセットされているか否かを判断する(S153)。その結果、10カウントフラグがセットされていると判断した場合には、10カウントフラグをクリアし、演出ボタンフラグAまたはBがセットされているか否かを判断する(S154)。ここで、演出ボタンフラグAまたはBがセットされていると判断した場合には、セットされている演出ボタンフラグをクリアする(S155)。続いて、識別図柄として、確変大当りを現す特定図柄(確変大当り図柄)がセットされているか否かを判断する(S156)。確変大当り図柄か通常大当り図柄かは、受信した図柄指定コマンドによって決定されている。
ステップS156における判断の結果、特定図柄がセットされていると判断した場合には、第15ラウンドのラウンド演出として復活演出を表示する復活用演出データがセットされているか否かを判断する(S157)。その結果、復活用演出データがセットされていないと判断した場合には、第14ラウンドのラウンド演出データを勝利用演出データに書き換えて、勝利演出を表示するボタン用勝利演出表示処理を行い(S158)、大入賞口開放演出表示処理を終了する。
また、ステップS156における判断の結果、特定図柄がセットされていないと判断した場合、あるいはステップS157における判断の結果、復活用演出データがセットされていると判断した場合には、第14ラウンドのラウンド演出データを敗北用演出データに書き換えて、敗北演出を表示するボタン用敗北演出表示処理を行う(S159)。そして、大入賞口開放演出表示処理を終了する。
また、ステップS154において演出ボタンフラグAまたは演出ボタンフラグBがセットされていないと判断した場合には、第14ラウンドのラウンド演出データを敗北用演出データに書き換えて、敗北演出を表示する通常敗北演出処理を行う(S160)。この通常敗北演出処理は、特定図柄(確変大当り図柄)がセットされているか否かによらず、ステップS160では常に行われる。その後、特定図柄がセットされているか否かを判断する(S161)。その結果、特定図柄がセットされている場合には、第15ラウンドのラウンド演出として復活演出を表示する復活用演出データをセットし(S162)、大入賞口開放演出表示処理を終了する。また、特定図柄がセットされていない場合には、そのまま大入賞口開放演出表示処理を終了する。
また、ステップS153で10カウントフラグがセットされていないと判断した場合には、特定図柄がセットされているか否かを判断する(S161)。その後、特定図柄がセットされている場合には、第15ラウンドのラウンド演出として復活演出を表示する復活用演出データをセットし(S162)、大入賞口開放演出表示処理を終了する。また、特定図柄がセットされていない場合には、そのまま大入賞口開放演出表示処理を終了する。
さらに、ステップS152で演出タイマがt1以下となっていないと判断した場合には、報知前演出表示処理を行う(S164)。報知前演出表示処理では、勝利演出であるか敗北演出であるかにかかわらず、共通する演出の表示がなされる。報知前演出表示処理が済んだら、大入賞口開放演出表示処理を終了する。
さらに、ステップS151でラウンドカウンタが14でないと判断した場合には、ラウンドカウンタが15であるか否かを判断する(S165)。その結果、ラウンドカウンタが15でないと判断した場合には、セットされた各ラウンドに対応する演出データの表示処理を行い(S166)、大入賞口開放演出表示処理を終了する。また、ラウンドカウンタが15であると判断した場合には、図25に示すフローチャートに進む。
ステップS165でラウンドカウンタが15であると判断した場合には、図25に示すように、復活用演出データがセットされているか否かを判断する(S171)。その結果、復活用演出データがセットされていると判断した場合には、セットされた復活用演出データにしたがって復活演出を表示する復活演出表示処理を行う(S172)。一方、復活用演出データがセットされていないと判断した場合には、歓喜演出を表示する歓喜用演出データがセットされているか否かを判断する(S173)。
その結果、歓喜用演出データがセットされている場合には、第14ラウンドで勝利演出が表示され、すでに確変遊技状態への移行が報知されていることから、確変報知済み表示演出として、セットされた歓喜用演出データにしたがって歓喜演出を表示する(S174)。また、歓喜用演出データがセットされていない場合には、第14ラウンドで敗北演出が表示されており、復活演出が表示されない限り、通常遊技状態への移行が報知されていることから、非確変報知済み表示処理として、セットされた落胆用演出データにしたがって落胆演出を表示する(S175)。こうして、大入賞口開放演出表示処理を終了する。
次に、大当り遊技状態の流れおよび各ラウンドにおける演出について説明する。大当り遊技状態が開始すると、ステップS100でセットされる大当り遊技開始演出データに基づく大当り遊技開始演出が表示領域16aに表示される。続いて、所定時間が経過すると、第1ラウンドが開始し、ステップS101で決定されたラウンド演出番号の第1ラウンドに対応するラウンド演出が表示領域16aに表示されるとともに、大入賞口11が開放する。大入賞口11が開放することにより、多くの遊技球が大入賞口11に入賞し、多くの遊技球の払出が行われる。
それから、大入賞口11に10個以上の遊技球が入賞するか、大入賞口11が開放してから一定時間(29秒)が経過すると、第1ラウンドが終了して大入賞口11が閉鎖するとともに、ステップS108でセットされた大入賞口閉鎖演出データに基づく大入賞口閉鎖演出(ラウンド間演出)が表示領域16aに表示される。その後、大入賞口11が閉鎖してから所定時間が経過すると、ステップS101で決定されたラウンド演出番号の第2ラウンドに対応するラウンド演出が表示領域16aに表示されるとともに、大入賞口11が再開放する。以後同様の手順を第15ラウンドまで繰り返す。そして、第15ラウンドで大入賞口11が閉鎖したら、ステップS110でセットされた大当り遊技終了演出データに基づく大当り遊技終了演出が表示領域16aに表示され、大当り遊技状態が終了して確変遊技状態または通常遊技状態へ移行する。
各ラウンドで表示されるラウンド演出は、図10に示すラウンド演出決定テーブルを参照して決定されたラウンド演出番号に応じて決定される。第1ラウンド〜第7ラウンドまでの演出はラウンド演出番号によらず一定とされているため、図10に示すラウンド演出決定テーブルでは記載を省略している。このラウンド演出番号は、大当り遊技状態に移行する際の大当りが確変大当りか通常大当りかによって、換言すれば大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態へ移行するか通常遊技状態へ移行するかによって変化する。
ここで、図10に示すように、第8ラウンドでの「裸」、第10ラウンドでの「顔青」、第11ラウンドでの「有利」、第12ラウンドでの「応援3人」、第13ラウンドでの「強カットイン」、第14ラウンドでの「勝ち」は、いずれもラウンド演出番号が確変1〜確変9のいずれかの場合にしか表示されない演出(大当り遊技中移行確定演出、以下「確変確定ラウンド演出」という)である。この確変確定ラウンド演出は、ラウンド演出番号が通常1〜通常4である場合には表示されることがないため、これらの確変確定ラウンド演出が表示された場合には、その時点で、大当り遊技状態が終了した後確変遊技状態へ移行することが報知される。
ここで、第8ラウンドのラウンド演出では、図26(a)に示すように、メインキャラクタMCが浴衣を着て登場する「普通」に対応する演出、または図26(b)に示すように、裸で登場する「裸」に対応する演出が表示される。また、第12ラウンドの演出では、図27(a)に示すように、3人の応援キャラクタFC1〜FC3が応援する「応援3人」に対応する演出、または図27(b)に示すように、1人の応援キャラクタFC1が応援する「応援1人」に対応する演出が表示される。さらに、第13ラウンドの演出では、図28に示すように、普通の目つきのメインキャラクタMCが表示される「弱カットイン」に対応する演出、または図28(b)に示すように、鋭い目つきのメインキャラクタMCが表示される「強カットイン」に対応する演出が表示される。このうち、図26(b)に示す「裸」に対応する演出、図27(a)に示す「応援3人」に対応する演出、図28(b)に示す「強カットイン」に対応する演出が表示されることにより、以後の演出によらず、大当り遊技状態が終了した後確変遊技状態へ移行することが報知される。
ところで、図10に示すラウンド演出決定テーブルから分かるように、確変確定ラウンド演出が決定される可能性があるラウンドは、第8ラウンド、第10ラウンド、第11ラウンド、第12ラウンド、第13ラウンドのいずれかである。ここで、ラウンドの番号が若いところで確変確定ラウンド演出が決定された場合には、以後の確変確定ラウンド演出が決定可能とされているラウンド演出としては、すべて確変確定ラウンド演出が決定されるようになっている。このため、大当り遊技中に、遊技者がこの確変確定ラウンド演出を見逃してしまった場合でも、以後のラウンドで確変確定ラウンド演出を見ることができる。したがって、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、確変確定ラウンド演出は、第8ラウンド、第10ラウンド、第11ラウンド、第12ラウンド、および第13ラウンドの複数のラウンドで表示されるので、第8ラウンドなど先のラウンド演出として確変確定ラウンド演出が表示されなかった場合でも、以後のラウンド演出として確変確定ラウンド演出が表示されることもある。したがって、遊技者に対して、長期間にわたって確変確定ラウンド演出の発生に対する興味を抱かせることができるので、大当り遊技状態中における確変遊技状態への移行の期待感を高めることができ、もって遊技の興趣の向上に寄与することができる。
また、図10に示すように、第12ラウンドでは「応援1人」、「応援3人」のほかに「応援2人」のラウンド演出が設定され、第13ラウンドでは「−(カットインなし)」、「強カットイン」のほかに「弱カットイン」のラウンド演出が設定されている。これらのラウンド演出は、第14ラウンドで「勝ち」のラウンド演出(判定結果演出、以下「確変報知ラウンド演出」という)が表示される可能性があるラウンド演出(大当り遊技中予告演出、以下「確変予告ラウンド演出」という)である。確変予告ラウンド演出が表示される場合には、確変確定ラウンド演出以外のラウンド演出が表示される場合よりも、確変報知ラウンド演出が表示され易くされている。
具体的には、ラウンド演出番号として、通常1よりも通常2の方が選択確率を低く、通常1よりも通常3の方が選択率を低く、通常2、通常3よりも通常4の方が選択確率を低く設定している。また、確変5よりも確変6の方が選択確率を高く、確変5よりも確変の7方が選択確率を高く、確変6、確変7よりも確変8の方が選択率を高く設定されている。このように、確変予告ラウンド演出が表示されることにより、確変遊技状態への移行の期待度を高くすることができるので、その分大当り遊技状態中における確変遊技状態への移行の期待感を高めることができ、もって遊技の興趣の向上に寄与することができる。また、確変予告ラウンド演出は、第12ラウンドおよび第13ラウンドの複数のラウンドで表示されるので、第12ラウンドで確変予告ラウンド演出が表示されなかった場合でも、第13ラウンドで確変予告ラウンド演出が表示されることもある。したがって、遊技者に対して、長期間にわたって確変予告ラウンド演出の発生に対する興味を抱かせることができるので、大当り遊技状態中における確変遊技状態への移行の期待感を高めることができ、もって遊技の興趣の向上に寄与することができる。
また、第14ラウンドのラウンド演出としては、メインキャラクタと相手キャラクタが腕相撲勝負を行い、メインキャラクタの勝敗によって確変遊技状態へ移行するか否かが報知される。メインキャラクタが「勝ち」となる勝利演出の場合には、大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態へ移行することを報知する確変報知ラウンド演出となり、「負け」となる敗北演出の場合には、大当り遊技状態が終了した後、通常遊技状態へ移行することを報知するラウンド演出(非判定結果演出、以下「通常報知ラウンド演出」という)となる。
これらの確変報知ラウンド演出と、通常報知ラウンド演出とは、ラウンド演出を開始してから一定の時間t1の間は、共通する演出とされている。この時間t1の間におけるAボタン20bまたはBボタン20cの操作状況によって、第14ラウンドでのデータの書き換えが行われることがある。たとえば、第14ラウンドのラウンド演出として確変報知ラウンド演出が選択されている場合において、時間t1の間にAボタンb20bまたはBボタン20cの操作がない場合には、第14ラウンドのラウンド演出が確変報知ラウンド演出から通常報知ラウンド演出に書き換えられる。
言い換えると、時間t1の間にAボタン20bまたはBボタン20cを操作しなければ、ラウンド演出番号がいずれの場合であっても、第14ラウンドのラウンド演出としては通常報知ラウンド演出が表示されることになる。このため、第14ラウンドにおける確変報知ラウンド演出を見たいと思う遊技者に対しては、Aボタン20bまたはBボタン20cの操作を促すことができ、さらに遊技の興趣向上を図ることができる。逆に、最後まで確変遊技状態への移行の報知を望まず、確変遊技状態への移行の楽しみを後伸ばししたいと思う遊技者に対しては、Aボタン20bまたはBボタン20cの操作を行わないという選択肢を与えることができる。このため、遊技者の好みに応じた報知演出を提供することができる。
ここで、時間t1の間にAボタン20bまたはBボタン20cの操作を行わない場合には、常に通常報知ラウンド演出が表示されることから、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態の報知が遊技者に対して行われないことが懸念される。この点、Aボタン20bまたはBボタン20cの操作をしない場合であっても、ラウンド演出番号確変1〜確変9のいずれかが選択されている場合には、第15ラウンドで復活演出(第二判定結果演出)を表示する。このため、大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態に移行することを遊技者に確実に認識させることができ、より興趣の向上を図ることができる。
その後、第15ラウンドのラウンド演出としては、原則として、第14ラウンドで表示された演出に応じた演出が表示される。まず、ラウンド演出番号として通常1〜通常4が決定された場合には、第14ラウンドの敗北演出からなる通常報知ラウンド演出に続いて、図29(a)に示すように、メインキャラクタMCが落ち込んだ様子を示す落胆演出が表示される。また、ラウンド演出番号として、確変1〜確変8が決定され、かつ時間t1の間にAボタン20bまたはBボタン20cの操作が行われた場合には、第14ラウンドの勝利演出からなる確変報知ラウンド演出に続いて、メインキャラクタMCが喜ぶ歓喜演出が表示される。
さらに、ラウンド演出番号として確変9が決定された際、またはラウンド演出番号として確変1〜確変8が決定され、かつ時間t1の間にAボタン20bまたはBボタン20cの操作が行われなかった場合には、第14ラウンドの敗北演出からなる通常報知ラウンド演出が表示された後、図29(b)に示す復活演出が表示される。この復活演出が表示されることにより、第14ラウンドで一度は通常遊技状態への移行が報知されたものの、いわば逆転としての報知として、確変遊技状態への移行が報知される。このように、逆転としての復活演出が表示されることにより、第14ラウンドで通常報知ラウンド演出が表示された場合でも、最後まで確変遊技状態への移行に対する希望を遊技者に与えることができる。
また、第14ラウンドにおいて、大入賞口11に多くの遊技球が入賞し確変報知ラウンド演出と通常報知ラウンド演出とが共通する部分の演出が表示されている間に、大入賞口11が閉じてしまうことがある。この場合、遊技者は、第14ラウンドのラウンド演出を見ただけでは、大当り遊技状態が終了した後に、確変遊技状態と通常遊技状態のいずれに移行することを認識することができない。この場合、第15ラウンドにおけるラウンド演出では、確変遊技状態に移行する場合には必ず復活演出が表示されるので、大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態に移行することを遊技者に確実に認識させることができ、より興趣の向上を図ることができる。
また、上記実施形態おける図10に示したラウンド演出決定テーブルに代えて、図30に示すラウンド演出決定テーブルを用いる態様とすることもできる。この態様では、第12ラウンドにおける「応援2人」、および第13ラウンドにおける「弱カットイン」、換言すれば、大当り遊技中移行予告演出が含まれていない。このように、大当り遊技中移行予告演出を含まないラウンド演出の中から、ラウンド演出を決定する態様とすることもできる。
(遊技用プログラムの実施形態)
パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)等の情報処理装置を用いて上述の実施形態におけるパチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を行うための遊技用プログラムの実施形態について、図31を参照して説明する。図31は、遊技用プログラムを実行するパソコン100を示す正面図である。
図31に示されるように、パソコン100は、コンピュータ本体101と、表示領域102に画像を表示する表示装置103と、遊技者や操作者が操作入力を行うキーボード、マウス等を含み、パチンコ遊技機1における発射ハンドル6cやテンキー等と同様の機能を実現し得る操作入力装置104とを有している。なお、パソコン100では、パチンコ遊技機1に備えられている遊技釘や遊技球を画像として表示装置103に表示して、あたかも遊技釘を備えた遊技領域を遊技球が通過するような画像により、パチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を擬似的に行えるようになっている。
コンピュータ本体101は、少なくともCPU、ROM、RAMを有し、そのCPUがRAMに記憶されているデータを用い、ROMに記憶されている遊技用プログラムを含む制御プログラムに従い作動する。
そして、この遊技用プログラムは、上述したメイン制御処理、サブ制御処理及びシステムタイマ割込処理を実行するためのプログラムが含まれていて、パソコン100に対し、以下の(1)〜(8)の各機能を実現させることができるようになっている。すなわち、
(1)遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させる大当り判定を行う大当り遊技状態移行判定機能と、
(2)開閉動作を行うことにより、遊技媒体が入賞しやすい入賞容易状態と遊技媒体が入賞しにくい入賞困難状態とを切り替える可変入賞表示機能と、
(3)大当り遊技状態移行判定手段によって大当り遊技状態に移行すると判定されることにより、可変入賞表示機能の開状態から閉状態への一回の動作を1ラウンドとして、所定のラウンド数まで可変入賞表示機能の開閉表示制御を行う可変入賞表示制御手段と、
(4)大当り遊技状態終了後に通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行判定を行う特定遊技状態移行判定機能と、
(5)可変入賞表示制御機能によって制御されるラウンド中に所定の演出を表示する表示装置に表示させるラウンド演出として、大当り遊技状態が終了した後特定遊技状態へ移行することを報知する判定結果演出と、判定結果演出が表示されるラウンドよりも前のラウンドで表示可能とされ判定結果演出が表示される可能性があることを予告する大当り遊技中予告演出とを所定のラウンドに対応付けて記憶するラウンド演出記憶機能と、
(6)特定遊技状態移行判定機能による判定結果に応じて、ラウンド演出記憶機能に記憶されたラウンド演出の中から各ラウンドで表示するラウンド演出を決定するラウンド演出決定機能と、
(7)ラウンド演出決定機能によって決定されたラウンド演出を、可変入賞表示制御機能によって制御される各ラウンドで表示装置に表示させる表示制御機能と、を備え、
(8)ラウンド演出記憶機能は、複数のラウンドに対して、大当り遊技中予告演出を対応付けて記憶しているものである。
これらの遊技用プログラムをCPUがROMから読み出し実行することによって、パソコン100において、上述したパチンコ遊技機1におけるパチンコ遊技を擬似的に行えることとなる。
パソコン100において、遊技用プログラムは、ROMに記憶されているが、CD−ROM等の記憶媒体に記憶させておいてもよい。また、図32に示されるように、ネットワーク200を介して、遊技用プログラムを記憶しているサーバ201にパソコン100が接続され、サーバ201から遊技用プログラムをダウンロードするようにしてもよい。パソコン100の代わりに、携帯電話等の携帯端末で遊技用プログラムを実行するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、複数の有効ラインが3行3列に設定されているが、単数の有効ラインとした態様とすることもできる。また、ラウンド演出を決定するに当たり、ラウンド演出番号を決定することにより、第1ラウンドから第15ラウンドのすべてのラウンドについて一括的にラウンド演出を決定する態様としているが、各ラウンドごとにラウンド演出を決定する態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、大当りラウンドが15ラウンドと設定されているが、4ラウンド、7ラウンド、10ラウンド、16ラウンドなど、他の複数のラウンド数とする態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、遊技機として、パチンコ遊技機を対象としているが、たとえばスロットマシン、特に、液晶表示画面を有するスロットマシンを対象とすることもできる。
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、11…大入賞口、16…液晶表示装置、16a…表示領域、21…主制御基板、22…副制御基板、30…主制御回路、31…メインCPU、40…副制御回路、41…サブCPU、50…画像制御回路、60…音声制御回路、70…ランプ制御回路、80…払出・発射制御回路、100…パソコン、101…コンピュータ本体、102…表示領域、103…表示装置、104…操作入力装置。