以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.遊技機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.遊技制御の概要:
D.本実施例の演出制御処理:
E.本実施例の演出表示制御処理:
F.変形例:
F−1.第1の変形例:
F−2.第2の変形例:
A.遊技機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿5、下皿6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、各種ランプ類4b〜4f(発光部材)が設けられている。この各種ランプ類4b〜4fは、遊技の進行状況に応じて所定の発光動作パターンに従って点灯したり点滅したりすることによって遊技者の注意を引き付ける演出(遊技演出)を行うとともに、必要に応じて、その後の遊技の展開を遊技者に予感させる演出も実行可能となっている。
前面枠4の下方には、上皿5が設けられており、上皿5の下方には下皿6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図5参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカー5yが設けられている。また、上皿5の前面側には、2つの演出ボタンSW1,SW2が設けられている。遊技者は、これらの演出ボタンSW1,SW2を操作することによって、遊技の演出中に、特別な演出(いわゆるボタン演出)を発生させることが可能となっている。尚、本実施例では、この演出ボタンSW1,SW2が、本発明における「操作部」に対応している。
下皿6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿6内に貯留される。下皿6に貯まった遊技球を排出するために、下皿6の底面には、下皿6内から遊技球を排出するための図示しない球抜き穴が設けられており、下皿6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは通常時は直立状態であるが、下端を奥側に押圧すると上端を回転軸として回転し、球抜き穴が開放状態となって、下皿6に貯まった遊技球を排出することが可能となっている。更に、排出ノブ6bの左右には、第2スピーカー6cが設けられている。上皿5に設けられた第1スピーカー5y、および下皿6に設けられた第2スピーカー6cからは、遊技者の遊技に対する興味を掻き立てるために、遊技の進行状況に応じて種々の効果音が出力される。
下皿6の左端には灰皿7が設けられており、下皿6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿6の奥側に搭載された発射装置ユニット12(図5参照)に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられている。そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図5参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が直立すると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、液晶画面を搭載しており、遊技の進行に合わせて、液晶画面上で当否判定結果を示す識別図柄や背景図柄、キャラクタ図柄、予告図柄などの種々の演出用図柄を変動表示させることによって、遊技に対する遊技者の興味を引き付ける演出を実行することが可能となっている。また、液晶画面の右側には、演出用の模型が搭載されている。この模型は、一部が可動式に構成されたいわゆる可動役物25(可動演出装置)となっており、遊技の進行に応じて可動部分(可動部材)が所定の動作を行うことによって、遊技者の注意を強く引き付ける演出を行うことが可能となっている。尚、図示した例では、可動役物25としては、演出表示装置27での演出に登場するキャラクタの上半身部分の模型が搭載されており、キャラクタの首から上の部分(図中で斜線を付した部分)を可動部分(可動部材)として、この部位を左右に回すような動作が可能となっている。
また、中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられており、図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左端には、普通図柄作動ゲート36が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s(図5参照)が設けられている。更に、普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には、ランプ風車24が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
変動入賞装置18のほぼ中央には、大入賞口31dが設けられている。この大入賞口31dは、横長の長方形状に形成されて開閉可能に取り付けられた開閉板31eと、その開閉板31eを開閉するための大入賞口ソレノイド31m(図5参照)などから構成されている。大入賞口31dは、通常の状態では遊技球が入球し得ない閉鎖状態となっているが、所定の条件が成立すると開放状態となって遊技球が高い確率で入球するようになり、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技が開始される。尚、大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31s(図5参照)が設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。
遊技盤10(遊技領域11)の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。一方、内レール15の先端部には、図示しないファール球防止部材が取り付けられ、ファール球防止部材と略正反対側(遊技盤10の右半分側)には、図示しない返しゴムが外レール14に沿って嵌合された状態で取り付けられている。
また、遊技領域11に配置される変動入賞装置18や中央装置26やサイド飾り部材50等には、図示しない盤面装飾ランプ・LED(以下、盤面装飾ランプ類という)が設けられている。この盤面装飾ランプ類(発光部材)は、遊技の進行状況に応じて所定の発光動作パターンに従って点灯したり点滅したりすることによって、遊技者の注意を引き付ける演出(遊技演出)を行うとともに、必要に応じて、その後の遊技の展開を遊技者に予感させる演出も実行可能となっている。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された図柄表示装置28の構成を示す説明図である。図示されているように、本実施例の図柄表示装置28は、略矩形の領域内に12個の小さな発光ダイオード(LED)が組み込まれて構成されている。これら12個のLEDのうちの、3個のLEDは普通図柄表示部29を構成しており、残りの9個のLEDは特別図柄表示部30を構成している。更に、普通図柄表示部29は、普通図柄を表示するための1個のLED(以下、普通図柄LED29aと呼ぶ)と、普通図柄の保留数を表示するための2個のLED(以下、普図保留表示LED29bと呼ぶ)とから構成されている。また、特別図柄表示部30は、特別図柄を表示するための7個のLED(以下、特別図柄LED30aと呼ぶ)と、特別図柄の保留数(以下、特図保留数と呼ぶ)を表示するための2個のLED(以下、特図保留表示LED30bと呼ぶ)とから構成されている。本実施例の図柄表示装置28が、これら12個のLEDを用いて、普通図柄や、特別図柄、特図保留数を表示する様子については後述する。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された演出表示装置27の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つの識別図柄27a,27b,27cと、その背景の背景図柄27dが表示されている。このうち、3つの識別図柄27a,27b,27cは、図3に示した特別図柄30の表示に合わせて種々の態様で変動表示され、また、背景図柄27dでは、キャラクタが登場する画像が表示されるなどによって、遊技を演出することが可能となっている。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。このうち主制御基板200は、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司っている。また、サブ制御基板220は、演出表示装置27や発光演出装置(各種ランプ類4b〜4fおよび盤面装飾ランプ類)、可動役物25、各種スピーカー5y,6cなどを用いて行われる各種の演出(遊技演出)についての制御を司っている。また、演出表示制御基板230は、サブ制御基板220の制御の下で、実際に演出表示装置27を駆動する制御を行う。更に、払出制御基板240は、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司っており、発射制御基板260は、遊技球の発射に関する制御を司っている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータを記憶しているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図5中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、遊技の進行に関する各種の遊技コマンド(遊技情報)を出力する。ここで、遊技コマンドとは、主制御基板200が遊技の進行に関して行う各種の動作、例えば、図柄表示装置28で行われる図柄変動や、いわゆる大当り遊技、賞球の払い出しなどに関する情報を伝達するために、主制御基板200から、サブ制御基板220を始めとする各種の制御基板に出力される各種のコマンドである。また、主制御基板200は、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置28にそれぞれ信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種遊技コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、主制御基板200から受け取った各種遊技コマンドに基づいて、前述した演出表示装置27での具体的な表示内容(表示パターン)や、各種スピーカー5y,6cで出力する効果音、更には、各種ランプ類4b〜4fや盤面装飾用ランプ類の点灯もしくは点滅(発光部材の発光動作パターン)や、可動役物25の駆動形態(可動部分の動作パターン)などの具体的な態様を決定した後、演出表示装置27を駆動する演出表示制御基板230、各種スピーカー5y、6cを駆動するアンプ基板226、可動役物25を駆動する役物駆動基板227、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板228に向けてそれぞれ駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。また、前述した演出ボタンSW1,SW2からの操作信号は、演出ボタン基板229を介してサブ制御基板220に入力される。尚、上述したように、主制御基板200は遊技の進行に関する制御を司っており、サブ制御基板220は主制御基板200から、遊技に進行に関する遊技コマンド(遊技情報)を受け取ることによって、各種の演出を行っている。従って、本実施例の主制御基板200は、本発明における「遊技制御手段」に対応している。また、本実施例のサブ制御基板220は、本発明における「遊技演出実行手段」に対応している。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は払出制御基板240を介して球貸装置13に伝達され、そして球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、所定個数ずつ貸球の払出を行う。
また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、遊技球払出装置109に内蔵された払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。払い出された賞球は、払出スイッチ109jによって検出され、払出制御基板240に入力される。
また、払出制御基板240は、主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御基板260に向かって出力しており、発射制御基板260は、この発射許可信号を受けて、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
B.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる制御の内容について説明するが、その準備として、先ず初めに、遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に向けて発射される。遊技球が打ち出される強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左側に設けられた普通図柄作動ゲート36を通過すると、図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には普通図柄表示部29が設けられており、普通図柄表示部29には、普通図柄LED29aおよび普図保留表示LED29bが搭載されている。このうち、普通図柄LED29aを用いて普通図柄の変動表示を行う。
図6(a)は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。本実施例の遊技機1では、普通図柄LED29aの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図では、普通図柄LED29aが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、点滅している普通図柄LED29aが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開口状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、始動口17が開口することはない。
また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示の終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、普図保留表示LED29bによって表示される。
図6(b)は、図柄表示装置28に設けられた普図保留表示LED29bによって普通図柄の保留数が表示される様子を示した説明図である。普通図柄の保留が無い場合(すなわち、保留が0個の場合)は、2個の普図保留表示LED29bは何れも消灯している。保留が1個の場合は、向かって左側の普図保留表示LED29bは消灯したままで、右側の普図保留表示LED29bが点灯する。保留が2個になると、今度は、右側の普図保留表示LED29bに加えて左側の普図保留表示LED29bが点灯する。次いで、保留が3個になると、右側の普図保留表示LED29bが点滅し、左側の普図保留表示LED29bが点灯する。更に保留が増加して上限値である4個になると、左右の普図保留表示LED29bが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部29では、2個の普図保留表示LED29bを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、0個から4個までの保留数を表示することが可能となっている。
また、図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には、特別図柄表示部30が設けられており、始動口17に遊技球が入球すると、特別図柄の変動表示を開始した後、以下に説明する何れかの図柄で停止表示するようになっている。
図7は、特別図柄の停止表示態様を概念的に示した説明図である。図3を用いて前述したように、特別図柄表示部30の特別図柄LED30aは7個のLEDによって構成されており、これらを点灯させることによって特別図柄を表示する。図7に示されているように、本実施例の遊技機1では、8通りの特別図柄の停止表示態様が設けられており、それぞれの停止表示態様に固有の点灯状態が設定されている。また、これら8種類の特別図柄の停止表示態様は、大きく3つの図柄に分類されている。先ず、図中の上段に示した3つの特別図柄の停止表示態様は「通常大当り図柄」に分類されており、中段に示した3つの特別図柄の停止表示態様は「確変大当り図柄」に分類され、下段に示した2つの特別図柄の停止表示態様は「外れ図柄」に分類されている。特別図柄表示部30では、7個のLED(特別図柄LED30a)を所定時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、所定時間が経過すると、いずれかの停止表示態様に従って停止表示される。そして、「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」の何れかの図柄(いわゆる大当り図柄)が停止表示されると、大入賞口31dが開口状態となる大当り遊技が開始される。本実施例の大当り遊技は、大入賞口31dが開口状態となるラウンド遊技が、複数回繰り返されるように構成されている。大入賞口31dが開口状態になると遊技球が入球し易くなるので、大当り遊技は遊技者にとって大変に有利な遊技状態と言うことができる。
また、変動表示していた特別図柄が、図7の中段に示した確変大当り図柄で停止表示した場合には、所定の条件が成立するまで(例えば、次の大当り遊技が発生するまで、あるいは特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで等)、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率が高確率に設定された状態(いわゆる、確率変動状態、あるいは単に確変状態)となる。
尚、始動口17に遊技球が入球したにも拘わらず、特別図柄の変動表示を開始できない場合(例えば、特別図柄が変動表示中であった場合、あるいは大当り遊技中であった場合など)であっても、始動口17に遊技球が入球したことは特別図柄の保留数(特図保留数)として蓄えられている。このため、特別図柄の変動表示が可能になった時点で、蓄えられていた保留数を使って、変動表示を行うことが可能となっている。尚、蓄えられている特図保留数については特図保留表示LED30bによって表示されるようになっている。特図保留表示LED30bを用いて特別図柄の保留数を表示する態様は、図6(b)に示した普図保留表示LED29bの場合と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。
尚、上述したように特別図柄表示部30の特別図柄LED30aは、始動口17に遊技球が入球すると変動表示を開始して、何れかの図柄で停止表示するようになっていることから、本実施例の始動口17は、本発明における「特定入球口」に対応しており、また本実施例の特別図柄LED30aは、本発明における「図柄変動表示手段」に対応している。また、特別図柄LED30aでの図柄の変動表示中に始動口17に入球した遊技球は、特図保留表示LED30bに蓄えられることから、本実施例の特図保留表示LED30bは、本発明における「保留数記憶手段」に対応している。
上述した特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて、演出表示装置27では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図8は、演出表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つの識別図柄27a,27b,27cが表示されている。前述した図柄表示装置28で特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置27においても、これら3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
図8(a)には、3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄27cが停止表示され、最後に中識別図柄27bが停止表示される。これら演出表示装置27で停止表示される3つの識別図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した図柄表示装置28で停止表示される特別図柄の組合せと連動するように構成されている。たとえば、図柄表示装置28の特別図柄が大当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示される。特に、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した確変大当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つの識別図柄27a,27b,27cが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。一方、図柄表示装置28の特別図柄が外れ図柄で停止する場合は、3つの識別図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。
このように、図柄表示装置28で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つの識別図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、それぞれの表示図柄が確定する(停止表示される)タイミングも同じに設定されている。しかも、図2に示すように、図柄表示装置28よりも演出表示装置27の方が目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄27aと、続いて停止表示される右識別図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の識別図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。
C.遊技制御の概要 :
以上に説明した遊技は、主制御基板200に搭載されたCPU201が次のような制御を行うことによって実現されている。以下では、主制御基板200が行う遊技制御処理について説明する。
図9は、主制御基板200が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、始動口復帰処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220や払出制御基板240などの各種制御基板に向けて各種の遊技コマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われ、また、払出制御基板240では、賞球あるいは貸球の払い出しが行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S100)。かかる処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチの中で、各入球口内に設けられた遊技球スイッチ(始動口スイッチ17sや大入賞口スイッチ31sなど)に、遊技球が入球したか否かを検出する。賞球として払い出される遊技球の個数は、入球口に応じて定められており、何れの入球口に何個の遊技球が入球したかに応じて、賞球として払い出すべき遊技球数は異なってくる。そこで、遊技球の入球が検出された場合には、賞球として払い出すべき遊技球数を決定した後、遊技球数を示すコマンドを払出制御基板240に向かって出力する処理を行う。尚、主制御基板200から遊技球数を示すコマンドを受け取ると、払出制御基板240はコマンドの内容を解釈して、遊技球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200は、遊技球数を示すコマンドを出力すると(S100)、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する(S102)。かかる判断は、始動口17が開口中であるか否かを検出することによって行う。そして、始動口17が開口中でない場合には普通図柄遊技処理を行うものと判断して(S102:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S104)。一方、始動口17が開口中であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断して(S102:no)、普通図柄遊技処理(S104)はスキップする。
普通図柄遊技処理(S104)では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留数が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、保留数が存在する場合には普通図柄の当否判定を行う。ここで、普通図柄の保留数は遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過することにより設定されるものであり、本実施例では、その保留数の上限値を「4」としている。普通図柄の当否判定を行ったら、普通図柄の変動表示時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、普通図柄の当否判定結果に応じた図柄で普通図柄を停止表示させる。このときに、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、所定時間(例えば、0.5秒間)だけ始動口17を開口させる。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、始動口17が開口中か否かを判断する(S106)。そして、開口中である場合は(S106:yes)、始動口17を開口状態から通常状態に復帰させるための処理(始動口復帰処理)を行う(S108)。一方、始動口17が開口していない場合は(S106:no)、始動口復帰処理(S108)を行う必要はないのでスキップする。
始動口復帰処理(S108)では、次のような処理を行う。先ず初めに、始動口17の開口状態を終了する条件が成立したか否かを判断する。ここで、開口状態を終了するための条件としては、普通電動役物作動時間(すなわち、始動口17の開口時間)が経過するか、開口中の始動口17に規定数の遊技球が入球するかの2つの条件が設定されている。そして、何れかの条件が成立すると、始動口17の開口状態を終了させるための条件が成立したものと判断して、始動口17を開口状態から通常状態に復帰させる。これに対して、普通電動役物作動時間が経過しておらず、開口中の始動口17に規定数の遊技球も入球していない場合は、始動口17の開口状態を終了する条件は成立していないものと判断して、始動口17を開口させたまま、始動口復帰処理を終了する。図9中の始動口復帰処理(S108)では、以上のような処理を行う。尚、普通電動役物作動時間(すなわち、始動口17の開口時間)は、通常の遊技状態では約0.5秒間に設定されているが、後述する開放延長機能が作動すると約5秒間に延長される。
遊技制御処理では、始動口復帰処理に続いて、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S110)。かかる判断は、大当り遊技フラグがセットされているか否かを検出することによって行う。ここで大当り遊技フラグとは、後述する大当り遊技になるとセットされるフラグである。そして、大当り遊技フラグがセットされていない場合は特別図柄遊技処理を行うものと判断して(S110:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を行う(S112)。これに対して、大当り遊技フラグがセットされている場合には、特別図柄遊技処理は行わないものと判断して(S110:no)、特別図柄遊技処理(S112)はスキップする。
特別図柄遊技処理では、主に次のような処理が行われる。先ず、特別図柄の当否判定を行うとともに、図柄表示装置28で特別図柄を変動表示させる時間を決定する。次いで、決定した内容に関する各種の遊技コマンドを、サブ制御基板220に向かって出力する。例えば、特別図柄の当否判定結果を示すコマンドや、特別図柄を変動表示させる時間を示すコマンド(変動パターン指定コマンド)を出力する。また、変動パターン指定コマンドの出力と同時に、図柄表示装置28の特別図柄表示部30において特別図柄の変動表示を開始する。従って、変動パターン指定コマンドは、図柄表示装置28における変動表示の開始タイミングをサブ制御基板220に伝える遊技コマンドともなっている。尚、特別図柄の保留数が「0」である場合には、上述した処理、すなわち、特別図柄の当否判定や変動時間を決定するとともに、関連する各種の遊技コマンドを出力する処理は行わない。ここで、特別図柄の保留数は、遊技球が始動口17に入球すると設定されるものであり、図3の特別図柄保留表示部30cに示したように、上限値「4」に達するまで設定可能となっている。この保留数は、特別図柄の変動表示が行われる度に、1ずつ消化されていく。また、上述したように、主制御基板200からは、特別図柄の当否判定結果や、変動表示時間などに関する各種のコマンドがサブ制御基板220に向かって出力され、このコマンドに基づいて、サブ制御基板220が、より詳しい演出内容を決定することにより、各種の演出が行われている。
こうして特別図柄の変動表示を開始した後、決定しておいた変動表示時間が経過すると、特別図柄を停止表示させるとともに、特別図柄を停止表示させることを示す遊技コマンド(図柄停止コマンド)をサブ制御基板220に出力する。また、このとき停止表示される特別図柄は、先に決定した当否判定結果に応じた図柄となっており、当否判定結果が「大当り」であれば、図7に示した「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」の何れかの図柄が停止表示され、当否判定結果が「外れ」であれば、図7に示した「外れ図柄」が停止表示される。そして、「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」の何れかの図柄(大当り図柄)が停止表示された場合には、大当り遊技フラグがセットされて、大当り遊技が開始される。また、大当り遊技の開始に先立って、大当り遊技が開始されることを示す遊技コマンド(大当り遊技開始コマンド)が、サブ制御基板220に向かって出力される。こうして大当り遊技が開始されると、大入賞口31dが開口した状態から一旦閉鎖した後、再び開口する動作が複数回繰り返される。大入賞口31dの開口中は、高い確率で遊技球を入球させることが可能となるので、遊技者にとって有利な遊技状態となる。尚、上述した特別図柄遊技処理中で主制御基板200からサブ制御基板220に向かって出力される各種の遊技コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、図柄停止コマンド、大当り遊技開始コマンドなど)は、遊技の進行に関する情報をサブ制御基板220に伝達するコマンドとなっており、本発明における「遊技情報」の一態様となっている。
特別図柄遊技処理(図9のS112)では、以上に説明したように、特別図柄の当否判定結果に基づいて、特別図柄の変動表示および停止表示を行うとともに、当り図柄が停止表示された場合は、大当り遊技を開始する処理を行う。尚、本実施例の遊技機1では、遊技者にとって有利な遊技状態には、大当り遊技だけではなく、大当り図柄が停止表示される確率が高くなっている状態(いわゆる確変状態)や、特別図柄や普通図柄の変動時間が短くなっている状態(いわゆる時短状態)、更には、始動口17の開口時間が延長されている状態(いわゆる開放延長状態)なども設けられている。そして、大当り遊技中は、確変状態を初めとする遊技者にとって有利な遊技状態は、一旦、中断されるようになっている。従って、本実施例の特別図柄遊技処理では、大当り遊技を開始する際に、確変状態や時短状態、開放延長状態を一旦、中断させる処理も行われる。
図9に示すように遊技制御処理では、上述した特別図柄遊技処理(S112)に続いて、大当り遊技フラグがONにセットされているか否かを判断する(S114)。そして、大当り遊技フラグがONにセットされていれば(S114:yes)、以下に説明する特別電動役物遊技処理を行うことにより、大当り遊技を実施する(S116)。これに対して、大当り遊技フラグがONにセットされていない場合は(S114:no)、特別電動役物遊技処理を行うことなく、遊技制御処理の先頭に戻って、前述した賞球関連処理(S100)以降の一連の処理を繰り返す。
特別電動役物遊技処理では、大入賞口31dを開口させる動作と、閉鎖させる動作とを所定回数だけ繰り返す処理が行われる。一般に、大入賞口31dが開口してから閉鎖されるまでの遊技は「ラウンド遊技」と呼ばれる。1回のラウンド遊技は、大入賞口31dの開口時間が所定時間に達するか、若しくは開口中の大入賞口31dに規定数の遊技球が入球するまで継続される。主制御基板200は、これらの条件が成立したか否かを監視しており、何れかの条件が成立したら、大入賞口31dを閉鎖させて1回のラウンド遊技を終了させるとともに、ラウンド遊技回数が所定回数に達したか否かを判断し、所定回数に達していない場合は、再び大入賞口31dを開口させて、新たなラウンド遊技を開始する。このように、ラウンド遊技の開始あるいは終了タイミングに関しても、主制御基板200が制御しており、ラウンド遊技を開始するに際しては、ラウンド遊技の回数を示す遊技コマンド(ラウンド回数指定コマンド)や、ラウンド遊技と次のラウンド遊技とのインターバル期間が開始されたことを示すラウンド間指定コマンド、更には、最後のラウンド遊技が終了して大当り遊技が終了したことを示す大当り遊技終了コマンドなどが、主制御基板200からサブ制御基板220に向かって出力されている。これらの遊技コマンドも、遊技の進行に応じて出力されるコマンドであり、本発明における「遊技情報」の一態様となっている。
また、特別電動役物遊技処理では、大当り遊技の終了に際して、大当り遊技を開始する契機となった大当り図柄に応じて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理も行う。すなわち、大当り遊技の開始契機となった特別図柄が、図7に示した「確変大当り図柄」であった場合は、確変状態であり、時短状態であり、尚且つ、開放延長状態である遊技状態に設定する。一方、大当り遊技の開始契機となった特別図柄が「通常大当り図柄」であった場合は、確変状態ではないが、時短状態であり、且つ、開放延長状態である遊技状態に設定する。
以上に説明したように、特別電動役物遊技処理(図9のS116)では、いわゆる大当り遊技を開始して、所定回数のラウンドを消化するまで大当り遊技を継続し、大当り遊技の終了後は、その大当り遊技の開始契機となった特別図柄に応じて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理を行う。そして、特別電動役物遊技処理の終了後は、再び先頭に戻って、賞球関連処理(S100)以降の一連の処理を繰り返す。
主制御基板200は、以上のような遊技制御処理を繰り返しながら、賞球として払い出す遊技球数を決定して払出制御基板240に賞球コマンドを出力したり、普通図柄の当否判定や、特別図柄の当否判定を行って、遊技状態を大当り遊技状態や、確変状態、時短状態などの各種の遊技状態に変化させながら、遊技を進行させる制御を行う。その結果、遊技機1では、前述したような遊技を行うことが可能となっている。
図10は、本実施例の遊技機1が遊技の進行に伴って種々の遊技演出を実行する様子を概念的に示したブロック図である。前述したように、主制御基板200が遊技制御処理を実行すると、主制御基板200からは、サブ制御基板220に向かって各種の遊技コマンド(例えば、変動パターン指定コマンドや、図柄停止コマンド、大当り遊技開始コマンド、ラウンド回数指定コマンドなど)が出力される。サブ制御基板220は、主制御基板200からの遊技コマンドを受け取ると、遊技コマンドが表す遊技の状況に応じて演出表示装置27や、各種スピーカー5y,6c、可動役物25、発光演出装置などで実行する演出の内容を決定する。サブ制御基板220には、各種のデータやプログラムを記憶しておくROM222や、データを一時的に記憶しておくRAM223が搭載されており、サブ制御基板220が演出の内容を決定するに際しては、これらROM222やRAM223などが参照される。こうして決定した内容に従って、演出表示制御基板230に対して、演出表示装置27で行う演出を指定するコマンド(演出指定コマンド)を出力すると、演出表示制御基板230では、演出指定コマンドに対応付けて予め記憶されている画像データ(識別図柄、背景図柄、キャラクタ図柄などの演出用図柄の画像データ)を読み出して、演出表示装置27に表示することにより、指定された内容の演出を実行する。画像データは、演出表示制御基板230に搭載されたROM232に予め記憶されている。
また、サブ制御基板220は、演出表示制御基板230に演出指定コマンドを出力するとともに、アンプ基板226や役物駆動基板227、装飾駆動基板228に対して、それぞれ駆動信号を出力することで、各種の効果音や、可動役物25、発光演出装置を用いた演出が実行されるようになっている。
加えて、サブ制御基板220には、演出ボタン基板229を介して、演出ボタンSW1,SW2も接続されており、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作すると、その情報がサブ制御基板220に入力されるようになっている。そして、サブ制御基板220は、所定の演出の実行中に所定のタイミングで演出ボタンSW1,SW2が操作された旨の情報を受け取ると、演出ボタンSW1,SW2の操作に応じて、特別な演出であるボタン演出を行うようになっている。このようなボタン演出は、適切なタイミングで演出ボタンSW1,SW2を操作することによって初めて発生する演出であり、演出内容も、その後の遊技の進行を予感させるような演出となっている。このため、遊技者に、遊技の進行に主体的に参加しているような印象を与えることができ、遊技者の遊技に対する興趣を効果的に高めることが可能となっている。
もっとも、このようなボタン演出も、演出ボタンSW1,SW2が故障すると、発生させることができないので、遊技者の興趣を高めることができない。そこで、たとえ演出ボタンSW1,SW2が故障した場合でも、遊技者の興趣を高めることが可能なように、本実施例の遊技機1では、次のような演出制御処理を行っている。
D.本実施例の演出制御処理 :
図11は、遊技の進行に合わせた演出を行うために、本実施例の遊技機1に搭載されたサブ制御基板220が実行する演出制御処理の流れを示したフローチャートである。図示されているように、演出制御処理(S500)を開始すると、サブ制御基板220は、先ず始めに、主制御基板200から遊技コマンドを受信したか否かを判断する(S502)。そして、遊技コマンドを受け取っていない場合は(S502:no)、かかる判断を繰り返しながら、遊技コマンドを受け取るまで待機状態となる。
図9を用いて前述したように、主制御基板200で遊技制御処理が実行されると、主制御基板200からは、遊技の進行に合わせて各種の遊技コマンド(例えば、変動パターン指定コマンドや、図柄停止コマンド、大当り遊技開始コマンド、ラウンド回数指定コマンドなど)が出力される。従って、サブ制御基板220は、図11のS502の判断を繰り返しているうちに、やがて遊技コマンドを受け取ったと判断する(S502:yes)。
そして遊技コマンドを受け取ったと判断したら(S502:yes)、受け取った遊技コマンドに応じて演出内容を決定する(S504)。すなわち、サブ制御基板220に搭載されたROM222には、主制御基板200から受け取る遊技コマンドに応じて演出内容が予め記憶されている。例えば、遊技コマンドが変動パターン指定コマンドである場合には、演出表示装置27で行われる識別図柄27a,27b,27cを変動表示させる演出内容が、変動パターン指定コマンドに応じて複数種類記憶されている。また、遊技コマンドが大当り遊技開始コマンドであれば、大当り遊技を開始時に演出表示装置27の画面上で行う各種の演出内容が記憶されており、ラウンド回数指定コマンドであれば、ラウンド遊技の開始時に行われる各種の演出内容が記憶されている。また、演出表示装置27の画面上で行われる演出に合わせて、効果音を用いた演出や、可動役物25を用いた演出、更には、各種ランプ類4b〜4fやサイド飾り部材50などを用いた演出も行われることから、これらの演出内容も、遊技コマンドに対応付けて、ROM222に予め記憶されている。S504では、主制御基板200からの遊技コマンドを受け取ると、ROM222を参照することによって、対応する演出内容を決定する処理を行う。
次に、決定した演出内容を演出表示制御基板230に対して指定するべく、演出指定コマンドを、演出表示制御基板230に向かって出力する(S506)。後述するように、演出表示制御基板230は、こうしてサブ制御基板220から受け取った演出指定コマンドに従って、実際に演出表示装置27の画面上に、各種の識別図柄27a,27b,27cや、背景図柄27d、キャラクター図柄、予告図柄などの各種の画像を順次表示させることによって演出を実行する。また、演出表示制御基板230に演出指定コマンドを出力することに併せて、アンプ基板226や、役物駆動基板227、装飾駆動基板228に対して駆動信号を出力することによって、演出表示装置27での演出に合わせて、効果音や、可動役物25、各種ランプ類4b〜4f、サイド飾り部材50などを用いた演出を実行する。
続いて、サブ制御基板220は、決定した演出内容がボタン演出を伴う演出であるか否かを判断する(S508)。ここでボタン演出とは、前述した演出ボタンSW1,SW2を遊技者が操作することによって発生する特別な演出である。すなわち、ボタン演出は、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作することによって何時でも発生させることができるのではなく、所定の演出の最中の所定のタイミングで、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作した場合に発生するようになっている。そこで、S508では、遊技コマンドに応じて決定した演出内容が、ボタン演出を発生させることが可能な演出内容であるか否かを判断するのである。
その結果、ボタン演出を伴う演出内容であると判断された場合は(S508:yes)、故障判定カウンタの値に「1」を加算する(S510)。ここで、故障判定カウンタとは、演出ボタンSW1,SW2に故障が発生したか否かを判定するために用いられるカウンタであり、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスが、故障判定カウンタとして割り当てられている。詳細には後述するが、本実施例では、演出ボタンSW1,SW2に故障が発生している場合には、故障判定カウンタの値が大きな値となり、その結果、故障の発生を検知することが可能となっている。
以上のように、遊技コマンドに応じて決定した演出内容が、ボタン演出を伴う演出内容であった場合には(S508:yes)、故障判定カウンタに「1」を加算した後(S510)、故障判定カウンタの値が所定の閾値に達しているか否かを判断する(S512)。後述する理由から、演出ボタンSW1,SW2が故障していないのであれば、故障判定カウンタの値が大きな値を取ることはない。従って、故障判定カウンタの値が所定の閾値に達していなければ(S512:no)、演出ボタンSW1,SW2は故障していないと判断し、続いて、ボタン演出のタイミングになったか否かを判断する(S514)。すなわち、上述したようにボタン演出は、所定の演出の中で所定のタイミングで演出ボタンSW1,SW2が操作された場合に発生する演出であるから、ボタン演出を発生させることが可能なタイミングになったか否かを判断するのである。そして、未だボタン演出のタイミングに達していない場合は(S514:no)、タイミングに達するまで待機状態となり、ボタン演出のタイミングに達したら(S514:yes)、演出ボタンSW1,SW2の操作を有効化する(S516)。ここで、有効化とは、演出ボタンSW1,SW2からの演出ボタン操作信号を受付可能な状態にすることである。
演出ボタンSW1,SW2の操作を有効化したら、今度は、演出ボタンSW1,SW2を操作した旨の信号(演出ボタン操作信号)を受け取ったか否かを判断する(図12のS518)。図10に示したように、サブ制御基板220には演出ボタン基板229を介して演出ボタンSW1,SW2が接続されており、演出ボタンSW1,SW2が操作されると、直ちに演出ボタン操作信号がサブ制御基板220に入力されるようになっている。そして、演出ボタン操作信号を受け取っていない場合は(S518:no)、有効化時間が経過したか否かを判断し(S520)、有効化時間が経過していない場合は(S520:no)、再び、演出ボタン操作信号を受け取ったか否かを判断する(S518)。
このように、演出ボタンSW1,SW2のボタン操作が有効化されると(S516)、所定の有効化時間が経過するまで、演出ボタン操作信号を受け取ることを待機した状態となる。そして、有効化時間が経過するまでの間に演出ボタン操作信号を受け取ったら(S518:yes)、故障判定カウンタから「1」を減算した後(S522)、ボタン演出コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力する(S524)。ここで、ボタン演出コマンドとは、ボタン演出を開始するよう、演出表示制御基板230に指示するコマンドである。後述するように、このボタン演出コマンドを受け取ると、演出表示制御基板230は、演出表示装置27の画面上にボタン演出用の画像を表示して、特別な演出を行うようになっている。また、ボタン演出コマンドを出力することに併せて、サブ制御基板220からはアンプ基板226や、役物駆動基板227、装飾駆動基板228に向かって対応する駆動信号が出力される。その結果、演出表示装置27の画面上で特別な演出が行われることに併せて、効果音や、可動役物25や、各種ランプ類4b〜4fあるいはサイド飾り部材50を用いた特別な演出が行われる。こうして、演出表示制御基板230に向かってボタン演出コマンドを出力したら(S524)、演出ボタンSW1,SW2のボタン操作を無効化する(S526)。
尚、上述したように、ボタン演出は、演出ボタンSW1,SW2が操作されることによって発生する演出であることから、本実施例のボタン演出は、本発明における「特定演出」に対応している。また、演出ボタンSW1,SW2のボタン操作が有効化される時間は、本発明における「特定期間」に対応している。
一方、演出ボタン操作信号を受け取ることなく、ボタン操作の有効化時間が経過したと判断された場合は(S520:yes)、故障判定カウンタから「1」を減算する処理(S522)や、ボタン演出コマンドを出力する処理(S524)を行うことなく、演出ボタンを無効化する(S526)。すなわち、故障判定カウンタの値は、ボタン演出を伴う演出が開始されると「1」が加算されるが(S510)、ボタン演出が行われると「1」が減算されるので(S522)、元の値に復帰する。しかし、有効化時間内に演出ボタンSW1,SW2が操作されず、従って、ボタン演出が行われなかった場合には、故障判定カウンタは「1」が加算されたままの値となる。そして、ボタン演出を伴う演出内容であるにも拘わらず、ボタン演出が行われなかった度に、故障判定カウンタの値は「1」づつ増加していく。
ここで、前述したようにボタン演出は、所定の条件が満足された状態で、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作しなければ発生しない特別な演出であり、また、演出内容も、その後の遊技の進行を予感させるような演出となっている。従って、遊技者は、ほとんど必ず、有効化時間内に演出ボタンSW1,SW2を操作してボタン演出を発生させるので、通常は、故障判定カウンタの値は初期状態である「0」のまま遊技が行われる。逆に言えば、故障判定カウンタの値がどんどん増加していく状態は、通常では考え難く、演出ボタンSW1,SW2に故障が発生していると考えられる。本実施例では、このような考え方に基づいて、演出ボタンSW1,SW2での故障発生の有無を検知しており、そして、図11のS512では、故障判定カウンタの値が所定の閾値(代表的には「10」)よりも大きくなった場合に、演出ボタンSW1,SW2で故障が発生したものと判断しているのである。
尚、図12では、ボタン演出が行われた場合に、故障判定カウンタの値を「1」だけ減算するものとしているが、ボタン演出が行われた場合には、故障判定カウンタの値を「0」に初期化するようにしてもよい。このようにしても、連続してボタン演出が行われなかった場合には、故障判定カウンタの値が大きくなるので、演出ボタンSW1,SW2の故障の発生を検知することができる。また、ボタン演出が行われたら、故障判定カウンタの値が一旦、初期化される。このため、例えば遊技者が遊技に慣れておらず、演出ボタンSW1,SW2を操作するタイミングが分からないなどの理由で、演出ボタンSW1,SW2の操作を頻繁に徒過してしまい、結果として、故障判定カウンタの値が次第に増加して、最終的に故障が発生したものと誤判定される虞を回避することが可能となる。
また、故障判定カウンタを用いるのではなく、演出ボタンSW1,SW2の信号状態(例えば、出力が「High状態」にあるか、「Low状態」にあるかなど)を検出することによって、演出ボタンSW1,SW2の故障の有無を判定することも可能である。もっとも、故障判定カウンタを用いれば、演出ボタンSW1,SW2の信号状態を検出するための新たなスイッチや検出器などを設ける必要がないので、簡単に故障の発生有無を検出することが可能となる。
以上、故障判定カウンタの値が所定の閾値に達していないと判断された場合(図11のS512:no)の処理について説明したが、故障判定カウンタが閾値に達したと判断された場合は(S512:yes)、ボタン演出タイミングに達したか否かを判断する(S514)。そして、ボタン演出タイミングに達したら(S514:yes)、ボタン演出コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力する(図12のS524)。すなわち、故障判定カウンタの値が所定の閾値に達していた場合は(S512:yes)、演出ボタンSW1,SW2が故障していると考えられるので、ボタン演出タイミングに達したら(S514:yes)、演出ボタンSW1,SW2からの演出ボタン操作信号を受け取ったか否かを確認することなく、直ちにボタン演出コマンドを出力するのである(S524)。こうしてボタン演出コマンドを出力したら(S524)、演出ボタンを無効化しておく(S526)。
尚、上述した故障判定カウンタの値は、ボタン演出が可能になった回数(演出ボタンの有効化時間が設定された回数)の累積回数と、実際にボタン演出が発生した回数の累積回数との偏差に対応するものとなっている。また、故障判定カウンタに基づいて、演出ボタンSW1,SW2が故障しているか否かを判断する処理は、サブ制御基板220が上述した演出制御処理を行うことによって実行されている。従って、本実施例のサブ制御基板220は、本発明における「故障発生検知手段」に対応するものとなっている。
以上のようにして、演出ボタンSW1,SW2のボタン操作を無効化したら(S526)、遊技コマンドに応じて決定した演出が終了したか否かを判断する(S528)。その結果、演出が終了していなければ(S528:no)、終了するまで、そのまま待機状態となる。その後、演出が終了したら(S528:yes)、演出を停止させるべく演出停止コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力して(S530)、図11および図12に示した演出制御処理を終了する。
また、主制御基板200からの遊技コマンドに応じて決定した演出内容が、ボタン演出を伴う演出でないと判断された場合には(図11のS508:no)、ボタン演出の為に行う上述した一連の処理(S510〜S526)は全てスキップして、演出が終了したか否かを判断する(S528)。そして、演出が終了したら(S528:yes)、演出表示制御基板230に向かって演出停止コマンドを出力して(S530)、図11および図12に示した演出制御処理を終了する。
E.本実施例の演出表示制御処理 :
図13は、演出表示制御基板230が演出表示装置27の画面上に画像を表示させて演出を行う処理の流れを示したフローチャートである。図示されるように、演出表示制御処理(S600)では、先ず始めに、サブ制御基板220からの演出指定コマンドを受信したか否かを判断する(S602)。前述したように、演出指定コマンドとは、サブ制御基板220が、主制御基板200からの遊技コマンドに応じて演出内容を決定した後、その内容に応じて演出表示制御基板230に演出内容を指定するコマンドである。演出表示制御基板230は、サブ制御基板220の制御の下で、演出表示装置27を用いた演出を実行するから、演出表示制御処理でも、先ず始めにサブ制御基板220からの演出指定コマンドを受け取ったか否かを判断し、受け取っていなければ、コマンドを受け取るまで待機状態となるのである。
そして、演出指定コマンドを受け取ったと判断されたら(S602:yes)、演出指定コマンドに指定された内容で、演出表示装置27の画面上に画像を順次表示させて演出を開始する(S604)。すなわち、演出表示制御基板230に搭載されたROM232には、演出指定コマンドに対応付けて、複数の画像データが予め記憶されており、サブ制御基板220から演出指定コマンドを受け取ると、そのコマンドに対応付けて記憶されている画像データを順次読み出して、演出表示装置27の画面上に表示させることによって、指定された内容の演出を開始する。
こうして演出を開始すると、次は、開始した演出が、ボタン演出を伴う演出か否かを判断する(S606)。前述したように、ボタン演出は、所定の演出の中の所定のタイミングで演出ボタンSW1,SW2が操作された場合にのみ、発生する演出であるから、サブ制御基板220からのコマンドによって開始された演出が、ボタン演出を伴う演出であるか否かを判断する。そして、演出がボタン演出を伴う演出であった場合には(S606:yes)、サブ制御基板220からボタン演出コマンドを受信したか否かを判断する(S608)。図11および図12を用いて前述したように、ボタン演出を伴う演出が開始されると、通常の場合は、演出ボタンSW1,SW2の操作が有効化されている時間内に演出ボタンSW1,SW2が操作され(図12のS518参照)、それを受けてサブ制御基板220からはボタン演出コマンドが出力されるはずである(S524参照)。そこで、図13の演出表示制御処理では、サブ制御基板220からのボタン演出コマンドを未だ受信していないと判断された場合は(S608:no)、演出ボタンSW1,SW2の有効化時間が経過したか否かを判断して(S610)、有効化時間が経過していない場合は(S610:no)、再び、ボタン演出コマンドを受信したか否かを判断する(S608)。このような操作を繰り返している間に、有効化時間が経過する前にボタン演出コマンドを受信した場合には(S608:yes)、ボタン演出を実行する(S612)。
ボタン演出は次のようにして行う。先ず、演出表示制御基板230に搭載されたROM232には、ボタン演出用の特別な画像データが予め複数記憶されている。そこで、ボタン演出コマンドを受け取ると、ROM232に記憶されている画像データを順次読み出して演出表示装置27の画面に表示させることにより、演出表示装置27の画面上でボタン演出を実行する。ボタン演出用の画像を表示するに際しては、それまでに行っていた演出(演出指定コマンドによって指定された演出)の画面に替えて、ボタン演出用の画像を表示するようにしても良いし、それまでの演出用の画像の一部にボタン演出用の画像を挿入するなど、種々の態様で行うことができる。そして、ボタン演出の画像を全て表示したら、それまでに行っていた演出用の画像を演出表示装置27の画面上に引き続き表示することによって、演出指定コマンドによって指定された演出を続行する。
これに対して、ボタン演出コマンドを受信することなく、演出ボタンSW1,SW2の有効化時間を経過したと判断された場合や(S610:yes)、あるいは演出内容がボタン演出を伴う演出ではないと判断された場合は(S606:no)、ボタン演出は行わない。
そして、サブ制御基板220から演出停止コマンドを受信したか否かを判断する(S614)。前述したように、サブ制御基板220は、演出を終了するタイミングで演出停止コマンドを出力するので(図12のS530参照)、かかるコマンドを受け取ったか否かを判断する。そして、演出停止コマンドを受け取ったら、演出指定コマンドで指定された演出を終了する。
以上に説明した本実施例の遊技機1では、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作することによって、ボタン演出を発生させ、これにより遊技者の興趣を高めることが可能である。また、たとえ演出ボタンSW1,SW2が故障した場合でも、ボタン演出を行うことによって遊技者の興趣を高めることが可能となっている。以下では、この点について詳しく説明する。
図14は、本実施例の遊技機1が、ボタン演出を発生させる様子を示した説明図である。図の上段には、演出ボタンSW1,SW2の動作が正常な場合が示されており、図の下段には、演出ボタンSW1,SW2が故障している場合が示されている。演出ボタンSW1,SW2が正常な場合には(図11のS512:no)、演出が開始されて所定のタイミングに達すると(S514:yes)、演出ボタンSW1,SW2の有効化期間が設定される(S516)。図14の上段には、有効化期間が破線の矩形で囲って示されている。そして、図中に矢印で示されているように、有効化期間中に、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作すると(図12のS518:yes)、サブ制御基板220からボタン演出コマンドが出力され(S524)、このコマンドを演出表示制御基板230が受け取ると(図13のS608:yes)、ボタン演出が開始される(S612)。図中では、ボタン演出が行われている期間を、細かい斜線を付して表している。このように、演出の途中で、遊技者が演出ボタンSW1,SW2を操作したことによって、その後の遊技の進行を予感させるようなボタン演出が開始されるので、遊技者は遊技の進行に積極的に参加しているような印象を持ち、その結果、遊技に引きつけられることになる。
一方、演出ボタンSW1,SW2が故障している場合は(図11のS512:yes)、演出の開始後、所定のタイミングに達すると(S514:yes)、サブ制御基板220から、直ちにボタン演出コマンドが出力され(S524)、演出表示制御基板230では、このコマンドを受け取ると(図13のS608:yes)、ボタン演出を開始する(S612)。このように、本実施例の遊技機1では、演出ボタンSW1,SW2に故障が発生した場合には、所定のタイミングに達すると、演出ボタンSW1,SW2が操作されなくても、自動的にサブ制御基板220から演出表示制御基板230にボタン演出コマンドが出力され、ボタン演出が開始される。従って、遊技者は、「自らが演出ボタンSW1,SW2を操作することによってボタン演出が開始された」という印象を持つことはないものの、演出の途中で、普段は現れないような特別な演出が発生し、しかも演出の内容が、その後の遊技の進行を予感させるような演出が行われるので、遊技に対する興味を掻き立てられることになる。
F.変形例 :
以上に説明した本実施例の演出制御処理には種々の変形例が存在している。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
F−1.第1の変形例 :
上述した実施例では、主制御基板200からの遊技コマンドに応じて演出内容を決定した後(図11のS504)、演出ボタンSW1,SW2が故障しているか否かを判断した(S512)。従って、演出ボタンSW1,SW2での故障発生の有無は、遊技コマンドに応じて何れの演出内容が選択されるかという点には影響しておらず、ボタン演出が、遊技者の演出ボタンSW1,SW2の操作によって開始されるのか、それとも演出ボタンSW1,SW2の操作とは無関係に開始されるのかという点に主に影響していた。しかし、演出ボタンSW1,SW2での故障発生の有無に応じて、遊技コマンドに対応する演出内容を選択するようにしても良い。
図15は、このような第1の変形例における演出制御処理の前半部分の流れを示したフローチャートである。尚、後半部分の処理の流れは、図12を用いて前述した演出制御処理の後半部分と全く同様であるため、図示は省略する。
図15に示されるように、第1の変形例の演出制御処理(S500)においても、処理を開始すると先ず始めに、主制御基板200から遊技コマンドを受信したか否かを判断する(S552)。遊技コマンドを受け取っていない場合は(S552:no)、遊技コマンドを受け取るまで待機状態となる。
そして、遊技コマンドを受け取ると(S552:yes)、第1の変形例においては、故障判定カウンタが閾値に達したか否かを判断する(S554)。前述したように、故障判定カウンタとは、演出ボタンSW1,SW2の故障発生の有無を判断するために用いられるカウンタであり、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスに設定されている。故障判定カウンタの値が所定の閾値(代表的には「10」)に達していない場合は(S554:no)、演出ボタンSW1,SW2は故障していないものと判断できるので、演出ボタンSW1,SW2が正常時用に設定されている複数の演出内容の中から、遊技コマンドに応じた演出内容を決定する(S556)。これに対して、故障判定カウン対の値が所定の閾値に達していた場合は(S554:yes)、演出ボタンSW1,SW2は故障していると考えられるので、演出ボタンSW1,SW2の故障時用に設定されている複数の演出内容の中から、遊技コマンドに応じた演出内容を決定する(S558)。これらの演出内容も、遊技コマンドに対応付けて、ROM222に予め記憶されている。
次に、決定した演出内容を指定する演出指定コマンドを、演出表示制御基板230に向かって出力した後(S560)、演出内容がボタン演出を伴う演出であるか否かを判断する(S562)。そして、ボタン演出を伴う演出内容であると判断された場合は(S562:yes)、第1の変形例においては、故障時用の演出内容か否かを判断する(S564)。すなわち、上述したように、第1の変形例の演出制御処理では、演出ボタンSW1,SW2の故障発生の有無に応じて、正常時用または故障時用の何れかの演出内容を決定しているから、S562において、演出内容がボタン演出を伴う演出であった場合には、その演出内容が、演出ボタンSW1,SW2が正常時あるいは故障時の何れの状態で決定された演出内容なのかを判断するのである。
そして、演出ボタンSW1,SW2が正常時に決定された演出であると判断された場合は(S564:no)、故障判定カウンタの値に「1」を加算した後(S566)、ボタン演出のタイミングになったか否かを判断する(S568)。ボタン演出のタイミングに達していない場合は(S568:no)、タイミングに達するまで待機状態となり、ボタン演出のタイミングに達したら(S568:yes)、演出ボタンSW1,SW2の操作を有効化する(S570)。
以降の処理は、図12を用いて前述した演出制御処理と全く同様である。以下では、図12を流用しながら簡単に説明すると、演出ボタンSW1,SW2の有効化に続いて、演出ボタンSW1,SW2の操作信号(演出ボタン操作信号)を受け取ったか否かを判断する(図12のS518相当)。未だ、演出ボタン操作信号を受け取っていなければ(S518:no相当)、予め設定された有効化時間が経過するまでは(S520:yes相当)、演出ボタン操作信号を待機した状態となる。そして、有効化時間内に演出ボタン操作信号を受け取った場合には(S518:yes相当)、故障判定カウンタから「1」を減算した後(S522相当)、ボタン演出コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力し(S524相当)、演出ボタンSW1,SW2のボタン操作を無効化する(S526相当)。また、ボタン演出コマンドを出力することに併せて、アンプ基板226や、役物駆動基板227、装飾駆動基板228に向かって対応する駆動信号を出力する。
一方、有効化時間内に演出ボタン操作信号を受け取れなかった場合は(S520:yes相当)、故障判定カウンタから「1」を減算してボタン演出コマンドを出力する処理(S522およびS524相当)を行うことなく、演出ボタンを無効化する(S526相当)。
以上、図15に示した第1の変形例において、遊技コマンドに応じて決定された演出内容が、演出ボタンSW1,SW2が正常である状態で決定された演出内容であった場合(図15のS564:no)の処理について説明した。これに対して、遊技コマンドに応じて決定された演出内容が、演出ボタンSW1,SW2の故障時に決定された演出内容であると判断された場合は(S564:yes)、ボタン演出のタイミングになったか否かを判断し(S572)、ボタン演出のタイミングに達していないと判断された場合は(S568:no)、タイミングに達するまで待機状態となる。
そして、ボタン演出タイミングに達したと判断されたら(S572:yes)、以降の処理は、図12を用いて前述した演出制御処理と全く同様である。すなわち、ボタン演出コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力した後(図12のS524相当)、演出ボタンを無効化する(S526相当)。
以上のようにして、演出ボタンSW1,SW2のボタン操作を無効化したら(S526相当)、遊技コマンドに応じて決定した演出が終了したか否かを判断し(S528相当)、演出が終了したと判断されたら(S528:yes相当)、演出停止コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力して(S530相当)、第1の変形例の演出制御処理を終了する。
また、主制御基板200からの遊技コマンドに応じて決定した演出内容が、ボタン演出を伴う演出でないと判断された場合には(図15のS562:no)、第1の変形例の演出制御処理においても、前述した演出制御処理と全く同様な処理を行う。すなわち、ボタン演出の為に行う一連の処理は全てスキップして、演出が終了したか否かを判断し(図12のS528相当)、演出が終了したら(S528:yes相当)、演出表示制御基板230に向かって演出停止コマンドを出力して(S530相当)、第1の変形例の演出制御処理を終了する。
以上に説明した第1の変形例においては、演出ボタンSW1,SW2が故障した場合には、遊技者による演出ボタンSW1,SW2の操作とは無関係にボタン演出を発生させることができるだけでなく、ボタン演出が発生するまでに行われる演出の内容や、ボタン演出が発生するタイミングも、通常とは全く異ならせることができる。このため、遊技者による演出ボタンSW1,SW2の操作とは無関係にボタン演出を発生させることを前提として、演出内容を設定することができるので、より適切な演出を行うことが可能となる。
F−2.第2の変形例 :
上述した実施例では、演出ボタンSW1,SW2での故障発生の有無を判断するために、故障判定カウンタを参照している。また、図11および図12に示した演出制御処理では、故障判定カウンタは、ボタン演出を伴う演出が開始される度に1つ増加し、ボタン演出が行われる度に1つ減少するようになっている。ここで、ボタン演出を伴う演出が開始されても実際にはボタン演出が行われないことはあり得るが、ボタン演出を伴う演出が開始されないのにボタン演出が行われることはあり得ない。従って、故障判定カウンタの値は、ボタン演出を伴う演出が開始されてもボタン演出が行われない状態が発生する度に、少しずつ増加していく。もちろん、遊技ホールの開店時には、故障判定カウンタは初期化されている(値が「0」に設定される)ので、閉店までの間に故障判定カウンタの値が所定の閾値(代表的には「10」)に達してしまうことは、通常であれば起こり得ない。
しかし、ボタン演出を伴う演出が開始されても、わざとボタン演出を発生させないような極端な遊技を行う遊技者が存在しないとは言いきれない。そして、そのような極端な遊技が行われると、閉店までの間に、故障判定カウンタの値が所定の閾値に達してしまい、演出ボタンSW1,SW2が故障したものと誤判定してしまう場合も起こり得る。
そこで、このような極端な遊技が行われた場合でも誤判定することがないように、次のようにしてデモ演出の発生を契機として、故障判定カウンタの値を初期化することとしても良い。ここで、デモ演出とは、長い間、遊技が行われておらず、遊技機1が遊技客を待っている状態と判断される場合に、遊技客の興味を引くために行われる演出である。以下では、デモ演出を契機として、故障判定カウンタの値を初期化する第2の変形例について説明する。
図16は、第2の変形例においてサブ制御基板220がデモ演出を行うために実行するデモ演出処理の流れを示すフローチャートである。図示されているように、デモ演出処理(S700)では、先ず始めに、特別図柄の保留数(特図保留数)が「0」になった旨の遊技コマンドを主制御基板200から受け取ったか否かを判断する(S702)。前述したように、主制御基板200からは、遊技の進行に合わせて種々の遊技コマンドが出力されており、特図保留数が変化した場合に、新たな特図保留数を示す遊技コマンドも出力されている。そこで、S702では、特図保留数が「0」になったことを示す遊技コマンドを、主制御基板200から受け取ったか否かを判断する。そして、そのような遊技コマンドを受け取っていない場合には(S702:no)、受け取るまで、そのまま待機状態となる。
そうして待機しているうちに、やがて特図保留数が「0」になった旨の遊技コマンドが主制御基板200から出力されるので、遊技コマンドを受け取ったと判断されたら(S702:yes)、次は、図柄停止コマンドを受信したか否かを判断する(S704)。すなわち、主制御基板200では、特別図柄の保留数を消化して特図保留数が減少する度に、いわゆる特別図柄遊技を行うための一連の処理が行われ、それに伴って、サブ制御基板220に向けて各種の遊技コマンドが出力される。そして、特別図柄遊技の最後に、変動している特別図柄を停止表示させることを示す図柄停止コマンドが出力される。そこで、図16に示したデモ演出処理では、特図保留数が「0」になったことを示す遊技コマンドを受け取ったら、続いて、特別図柄遊技の最後に出力される図柄停止コマンドを受け取ったか否かを判断するのである。
そして、図柄停止コマンドを受け取ったと判断されたら(S704:yes)、タイマーに所定の待機時間を設定した後(S706)、今度は、設定した待機時間が経過したか否かを判断する(S708)。もし仮に、遊技をしていた遊技者が、特別図柄の最後の保留数を消化した時点で遊技を終了したのであれば、その保留数の消化に伴う図柄停止コマンドが出力された後は、主制御基板200からは何の遊技コマンドも出力されてこない筈である。逆に、遊技者がそのまま遊技を続けていれば、主制御基板200からは程なく、何らかの遊技コマンドが出力されてくる筈である。そこで、設定した待機時間が経過していないと判断されたら(S708:no)、主制御基板200から何らかの遊技コマンドを受信したか否かを判断する(S710)。こうして、設定した待機時間が経過したか否か(S708)、遊技コマンドを受信したか否か(S710)、という判断を、待機時間が経過するまで繰り返す。そして、その間に、何らかの遊技コマンドを主制御基板200から受け取ったと判断された場合には(S710:yes)、遊技者は、未だ遊技を継続していると判断できるので、処理の先頭に戻って、主制御基板200から特図保留数が「0」になった旨の遊技コマンドを受け取るまで、そのまま待機状態となる。
一方、遊技コマンドを受け取ることなく、待機時間が経過した場合には(S708:yes)、遊技者は遊技を終了したものと判断できる。そこで、新たな遊技客を勧誘するために、サブ制御基板220は、演出表示制御基板230に向かって、デモ演出開始コマンドを出力する(S712)。すると、演出表示制御基板230では、予め記憶されているデモ演出用の画像を、演出表示装置27の画面上に次々と表示させることによってデモ演出が開始される。また、演出表示制御基板230に向かってデモ演出開始コマンドを出力することと併せて、アンプ基板226などにも駆動信号が出力され、その結果、演出表示装置27で行われるデモ演出に併せて、効果音や、各種のランプ類などを用いた演出が行われる。
また、こうしてデモ演出が開始されたということは、次に遊技が開始されたときには、別の遊技者に変わっているということでもある。仮に、前の遊技者が、ボタン演出を伴う演出が開始されてもボタン演出を発生させないような極端な方法で遊技を行っていた場合、故障判定カウンタの値は、かなり増加していると考えられる。従って、このような場合に、故障判定カウンタの値を維持したまま遊技を開始したのでは、新たな遊技者は普通に遊技を行っているにも拘わらず、故障判定カウンタの値が所定の閾値に達してしまい(図11のS512参照)、演出ボタンSW1,SW2が故障したものと誤判定してしまう可能性がある。そこで、図16に示すように、第2の変形例においては、デモ演出開始コマンドを出力したら(S712)、続いて、故障判定カウンタの値も初期化、すなわち「0」に戻してしまう(S714)。
その後は、新たな遊技コマンドを受信したか否かを判断しながら(S716)、受信するまで、そのまま待機状態となる。また、新たな遊技コマンドを待機している間は、遊技客を勧誘している状態であるから、演出表示装置27の画面や効果音などを用いたデモ演出が継続されている。そして、新たな遊技客によって遊技が開始されると、主制御基板200から何らかの遊技コマンドが出力されるので、この遊技コマンドを受信したと判断されたら(S716:yes)、デモ演出を終了させるべく、デモ演出終了コマンドを演出表示制御基板230に向かって出力する(S718)。また、これに併せて、効果音や各種ランプ類などを用いた演出も終了させた後、図16に示したデモ演出処理を終了する。
以上に説明したように、第2の変形例では、デモ演出処理の中でデモ演出が開始される際に、故障判定カウンタの値を初期化するようになっている。デモ演出が行われるのは、遊技者が入れ替わった時であるから、たとえ、わざとボタン演出を発生させないような極端な遊技を行う遊技者によって遊技された場合でも、その遊技者が遊技している間に故障判定カウンタが所定の閾値に達しない限り、演出ボタンSW1,SW2が故障したものと誤判断することを回避することが可能となる。
もちろん、極端な遊技を行う遊技者が長期間に亘って遊技を継続した場合には、故障判定カウンタの値が閾値に達し、演出ボタンSW1,SW2が故障したものと誤判定することも起こり得る。しかし、この場合でも、それまでは出現しなかったボタン演出が行われるようになるだけであり、遊技者にとって何ら実害を伴うものではない。むしろ、演出ボタンSW1,SW2を操作すればボタン演出が発生することを知らずに、ボタン演出を発生させることができなかった場合などには、ボタン演出が発生するようになったことで、より一層遊技を楽しむことが可能となるという効果も得ることができる。
なお、上述した第2の変形例では、デモ演出を開始する際に、こしょう判定カウンタの値を初期化するものとして説明したが、デモ演出を終了する際に初期化するものとしても良い。また、上述した第2の変形例では、デモ演出が行われたことを検知して、遊技者が変わったことを検出していた。しかし、デモ演出の代わりに、発射ハンドル8に設けられているタッチスイッチ8aの情報に基づいて、例えば、所定時間以上、タッチスイッチ8aに遊技者が触れていなかった場合に、遊技者が変わったものと判断して、故障判定カウンタの値を初期化するようにしても良い。
また、上述したように、デモ演出は、サブ制御基板220が図16に示したデモ演出処理を実行することによって行われている。従って、本実施例のサブ制御基板220は、本発明における「デモ演出実行手段」に対応している。更に、デモ演出処理の中では、故障判定カウンタの値を初期化する処理も行われている。従って、本実施例のサブ制御基板220は、本発明における「累積回数偏差初期化手段」にも対応している。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。