以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、第1液体LQ1を介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、第1液体LQ1として、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を光学的に計測する干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が第1液体LQ1で満たされるように第1液体LQ1の液浸空間LSを形成可能な液浸部材4と、少なくとも投影光学系PLを収容するチャンバ装置5と、少なくとも投影光学系PLを支持するボディ6と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された多層膜とを含む。多層膜は、少なくとも感光膜を含む複数の膜が積層された膜である。感光膜は、感光材で形成された膜である。また、多層膜が、例えば反射防止膜、及び感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
チャンバ装置5は、実質的に閉ざされた内部空間8を形成するチャンバ部材5Aと、内部空間8の環境(温度、湿度、クリーン度、及び圧力等)を制御する環境制御装置5Bとを有する。ボディ6は、内部空間8に配置される。ボディ6は、支持面FL上に設けられた第1コラム9と、第1コラム9上に設けられた第2コラム10とを有する。第1コラム9は、第1支持部材11と、第1支持部材11に防振装置12を介して支持された第1定盤13とを有する。第2コラム10は、第1定盤13上に設けられた第2支持部材14と、第2支持部材14に防振装置15を介して支持された第2定盤16とを有する。また、本実施形態においては、支持面FL上に、防振装置17を介して、第3定盤18が配置されている。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部19を有し、マスクMを保持した状態で、第2定盤16のガイド面16G上を移動可能である。マスクステージ1は、駆動システム20の作動により、照明領域IRに対して、マスクMを保持して移動可能である。駆動システム20は、マスクステージ1に配置された可動子20Aと、第2定盤16に配置された固定子20Bとを有する平面モータを含む。マスクステージ1を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。マスクステージ1は、駆動システム20の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLの複数の光学素子は、保持部材(鏡筒)21に保持されている。保持部材21は、フランジ21Fを有する。投影光学系PLは、フランジ21Fを介して、第1定盤13に支持される。なお、第1定盤13と保持部材21との間に防振装置を設けることができる。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面23を有する。射出面23は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子22に配置されている。投影領域PRは、射出面23から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面23は−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面23は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
本実施形態において、終端光学素子22の光軸(投影光学系PLの像面近傍の光軸)AXは、Z軸とほぼ平行である。なお、終端光学素子22と隣り合う光学素子で規定される光軸を終端光学素子22の光軸とみなしてもよい。また、本実施形態において、投影光学系PLの像面は、X軸とY軸とを含むXY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、像面は、ほぼ水平である。ただし、像面はXY平面と平行でなくてもよいし、曲面であってもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部24を有し、第3定盤18のガイド面18G上を移動可能である。基板ステージ2は、駆動システム25の作動により、投影領域PRに対して、基板Pを保持して移動可能である。駆動システム25は、基板ステージ2に配置された可動子25Aと、第3定盤18に配置された固定子25Bとを有する平面モータを含む。基板ステージ2を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。基板ステージ2は、駆動システム25の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部24の周囲に配置され、射出面23と対向可能な上面26を有する。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書等に開示されているような、基板保持部24の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Tの下面をリリース可能に保持するプレート部材保持部27を有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面26は、プレート部材Tの上面を含む。上面26は、平坦である。
本実施形態において、基板保持部24は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。プレート部材保持部27は、プレート部材Tの上面26とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置7は、干渉計システム3の計測結果に基づいて、駆動システム20,25を作動し、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
液浸部材4は、射出面23から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されている。液浸部材4は、射出面23から射出される露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように、第1液体LQ1の液浸空間LSを形成する。液浸部材4は、射出面23と、射出面23から射出される露光光ELが照射可能な位置に配置された物体との間の露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸空間は、液体で満たされた部分(空間、領域)である。本実施形態において、露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に配置可能な物体は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光中、液浸部材4は、終端光学素子22と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように液浸空間LSを形成する。
本実施形態において、液浸部材4は、第1部材31と第2部材32とを含む。第1部材31及び第2部材32は、終端光学素子22の近傍に配置されている。本実施形態において、第1部材31は、第1支持機構28に支持されている。第2部材32は、第2支持機構29に支持されている。本実施形態において、第1,第2支持機構28,29は、第1定盤13に支持されている。本実施形態において、第1部材31は、第1支持機構28を介して、第1定盤13に吊り下げられている。第2部材32は、第2支持機構29を介して、第1定盤13に吊り下げられている。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置7は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置7は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの第1液体LQ1とを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
次に、図2及び図3を参照しながら、液浸部材4について説明する。図2は、液浸部材4の近傍を示す側断面図、図3は、図2の一部を拡大した図である。
本実施形態において、第1部材31及び第2部材32のそれぞれは、環状の部材である。第1部材31の少なくとも一部は、露光光ELの光路K及び終端光学素子22の周囲に配置されている。第2部材32の少なくとも一部は、第1部材31の周囲に配置されている。本実施形態において、XY平面内における第1部材31及び第2部材32の外形は、円形である。なお、第1部材31及び第2部材32の外形が、他の形状(例えば、矩形)でもよい。
液浸部材4は、投影領域PRに配置される物体と対向可能な下面40を有する。下面40は、露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されている。投影領域PRに配置される物体は、射出面23及び下面40と対向可能である。下面40は、物体の上面との間で第1液体LQ1を保持可能である。射出面23及び下面40と物体の上面との間に保持される第1液体LQ1によって、露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように液浸空間LSが形成される。基板Pの露光の少なくとも一部において、第1液体LQ1の液浸空間LSは、射出面23と基板Pの表面との間、及び下面40の少なくとも一部と基板Pの表面との間に形成される。
ここで、以下の説明においては、簡単のため、露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に配置される物体が基板Pである場合を例にして説明する。なお、上述のように、露光光ELが照射可能な位置に、基板ステージ2等を配置することもできる。
本実施形態において、液浸部材4の下面40は、射出面23から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置された第1面41と、第1面41の周囲の少なくとも一部に間隙G1を介して配置された第2面42と、第2面42の周囲の少なくとも一部に配置された第3面43とを含む。第1面41、第2面42、及び第3面43のそれぞれは、−Z方向を向いている。第1面41,第2面42,及び第3面43のそれぞれは、基板Pの表面と対向可能である。
本実施形態において、第1面41は、第1部材31に配置されている。第2面42は、第2部材32に配置されている。第3面43は、第2部材32に配置されている。本実施形態においては、第1面41は、光路Kの周囲に配置されている。第2面42は、第1面41の周囲に配置されている。第3面43は、第2面42の周囲に配置されている。また、本実施形態においては、XY平面内における第1面41、第2面42、及び第3面43の外形は、円形である。なお、第1面41、第2面42、及び第3面43の少なくとも一つが、円形と異なる形状(例えば矩形状)でもよい。また、第2面42が、第1面41の周囲の一部に(部分的に)配置されていてもよいし、第3面43が、第2面42の周囲の一部に(部分的に)配置されていてもよい。
本実施形態において、第1面41、第2面42、及び第3面43は、XY平面とほぼ平行である。また、本実施形態においては、Z軸方向に関して、第1面41と第2面42とはほぼ同じ位置(高さ)に配置されている。第3面43は、第1面41及び第2面42より下方(−Z側)に配置されている。なお、例えば第1面41が第2面42より下方(−Z側)に配置されていてもよいし、上方(+Z側)に配置されてもよい。また、第1面41及び第2面42の少なくとも一方が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでいてもよい。
また、液浸部材4は、第1液体LQ1を供給する第1供給口61と、液浸部材4の下面40の少なくとも一部をクリーニングする第2液体LQ2を供給可能な第2供給口62とを備えている。第2供給口62は、液浸部材4の下面40のうち、第1面41及び第2面42の下方に配置されている。本実施形態において、第1供給口61は、第1部材31に配置されている。第2供給口62は、第2部材32に配置されている。
本実施形態において、第1液体LQ1と第2液体LQ2とは、同じ種類の液体である。すなわち、本実施形態において、第2液体LQ2は、水(純水)である。なお、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが、異なる種類の液体でもよい。例えば、第2液体LQ2が、アルコールでもよい。例えば、第2液体LQ2が、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、及びペンタノールの少なくとも一つでもよい。また、第2液体LQ2が、アルカリ水溶液でもよい。例えば、第2液体LQ2が、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:tetramethyl ammonium hydroxide)水溶液でもよい。
また、液浸部材4は、基板Pの露光の少なくとも一部において、第1液体LQ1を回収する第1回収口63を備えている。本実施形態において、第1回収口63は、第2部材32に配置されている。
本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXに対する放射方向に関して、第2供給口62は、第1面41及び第2面42の外側に配置されている。第2供給口62は、光軸AXに対する放射方向に関して、内側を向くように配置されている。第2供給口62は、光軸AXに対する放射方向に関して、第1面41及び第2面42の外側から、第1面41及び第2面42に向けて第2液体LQ2を供給可能である。
本実施形態において、第2部材32は、第2面42と第3面43とを結ぶ第4面44を有する。第4面44は、光軸AXに対する放射方向に関して、内側を向くように配置されている。第4面44は、露光光ELの光路Kを囲むように配置されている。本実施形態において、第2供給口62は、光路Kの周囲において、所定間隔をあけて複数配置されている。なお、第2供給口62が、光路Kを囲むように連続的に配置されていてもよい。例えば、第2供給口62が、光路Kを囲むように第4面44に形成されたスリット開口でもよい。
本実施形態においては、第1回収口63に多孔部材65が配置されている。多孔部材65は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、多孔部材65が、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。第1回収口63は、多孔部材65の孔を介して、基板P上の第1液体LQ1を回収する。
液浸部材4の下面40の少なくとも一部は、多孔部材65の表面(下面)を含む。本実施形態において、第1回収口63は、第2部材32に配置されている。本実施形態において、第2面42は、多孔部材65の下面を含む。
すなわち、本実施形態において、第2面42の少なくとも一部は、第1液体LQ1を回収可能な液体回収面として機能する。一方、第1面41は、第1液体LQ1を回収不可能な平坦面である。第1面41は、基板Pの表面との間で第1液体LQ1を良好に保持可能である。また、第2面42の少なくとも一部は、基板Pの表面との間で第1液体LQ1を保持可能である。
本実施形態において、第1部材31は、第1面41と逆方向を向き、射出面23の少なくとも一部と対向する第5面45と、第5面45の周囲に配置され、終端光学素子22の側面33と対向する第6面46と、第6面46の周囲に配置され、保持部材21の外面34と対向する第7面47とを有する。第1部材31は、少なくとも一部が射出面23と対向するように配置されたプレート部35と、少なくとも一部が終端光学素子22の周囲に配置される本体部36とを有する。第1面41及び第5面45は、プレート部35に配置されている。第6面46及び第7面47は、本体部36に配置されている。また、プレート部35は、射出面23から射出された露光光ELが通過可能な開口37を有する。基板Pの露光中、射出面23から射出された露光光ELは、開口37を介して、基板Pの表面に照射される。本実施形態において、開口37は、基板Pの走査方向(Y軸方向)と交差するX軸方向に長い。
第5面45は、射出面23と間隙G2を介して対向する。第6面46は、側面33と間隙G3を介して対向する。第7面47は、外面34と間隙G4を介して対向する。
終端光学素子22の側面33は、射出面23と異なる面であり、露光光ELが通過しない面である。側面33は、射出面23の周囲に配置されている。側面33は、光軸AXに対する放射方向に、かつ上方に延びるように傾斜している。
保持部材21は、終端光学素子22を保持する。保持部材21の外面34は、側面33の周囲に配置されている。外面34は、光軸AXに対する放射方向に延びるように配置されている。
本実施形態において、第5面45と射出面23とは、ほぼ平行である。また、第6面46と側面33とは、ほぼ平行である。また、第7面47と外面34とは、ほぼ平行である。なお、第5面45と射出面23とは平行でなくてもよい。また、第6面46と側面33とは平行でなくてもよい。また、第7面47と外面34とは平行でなくてもよい。
なお、本実施形態においては、第6面46と対向するように終端光学素子22が配置されているが、保持部材21の少なくとも一部と第6面46とが対向してもよい。また、本実施形態においては、第7面47と対向するように保持部材21が配置されているが、終端光学素子22の少なくとも一部と第7面47とが対向してもよい。
また、第1部材31は、第1面41の周囲に配置された第8面48と、第8面48の周囲に配置された第9面49とを有する。第8面48及び第9面49は、本体部36に配置されている。
第2部材32は、第8面48と対向する第10面50と、第9面49と対向する第11面51とを有する。
第10面50は、第8面48と間隙G5を介して対向する。第11面51は、第9面49と間隙G6を介して対向する。本実施形態において、第8面48と第10面50とは、ほぼ平行である。また、第9面49と第11面51とは、ほぼ平行である。なお、第8面48と第10面50とは平行でなくてもよい。また、第9面49と第11面51とは平行でなくてもよい。
液浸部材4は、第1部材31と第2部材32との間に形成された空隙部38を有する。空隙部38は、第8面48と第10面50とで規定された空間、及び第9面49と第11面51とで規定された空間を含む。空隙部38は、第1開口39Aを介して、下面40と基板Pの表面との間の空間と結ばれている。また、空隙部38は、第2開口39Bを介して、雰囲気に開放されている。第1開口39Aは、間隙G1を含み、基板Pの表面に面する。第1開口39Aは、第8面48の下端と第10面50の下端との間に配置される。本実施形態において、第1開口39Aは、環状に形成された一つの開口である。なお、第1開口39Aが、所定の間隔で環状に配置された複数の開口から構成されてもよい。第2開口39Bは、第1開口39Aと異なり、第9面49の外側の端と第11面51の外側の端との間に配置される。
本実施形態において、雰囲気は、液浸部材4を取り囲む気体である。本実施形態において、液浸部材4を取り囲む気体は、チャンバ装置5によって形成される内部空間8の気体である。本実施形態において、チャンバ装置5は、環境制御装置5Bを用いて、内部空間8をクリーンな空気で満たす。また、チャンバ装置5は、環境制御装置5Bを用いて、内部空間8をほぼ大気圧に調整する。もちろん、内部空間8を大気圧よりも高く設定してもよい。
基板Pの露光の少なくとも一部において、第1開口39A(間隙G1)は、基板Pの表面と対向する。基板P上の第1液体LQ1の少なくとも一部は、第1面41と第2面42との間の第1開口39A(間隙G1)を介して、空隙部38に流入可能である。
また、液浸部材4は、下面40の上方に配置され、第1開口39A(間隙G1)に流入した第1液体LQ1を回収可能な第2回収口64を備えている。第2回収口64は、第11面51の少なくとも一部に配置されている。
本実施形態においては、第11面51に凹部67が形成されている。凹部67は、上方を向く開口を有する。本実施形態において、第2回収口64は、凹部67の開口を含む。
本実施形態においては、第2回収口64に多孔部材66が配置される。多孔部材66は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、多孔部材66が、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。第2回収口64は、多孔部材66の孔を介して、空隙部38に流入した第1液体LQ1を回収する。なお、第2回収口64に多孔部材66が配置されていなくてもよい。
第1供給口61は、光路Kに面するように、第1部材31の所定位置に配置されている。本実施形態において、第1供給口61は、第6面46に配置されている。なお、第1供給口61が、側面33と対向するように配置されてもよい。
本実施形態において、第1供給口61は、光軸AXに対して+Y側及び−Y側のそれぞれに一つずつ配置されている。なお、第1供給口61が、光軸AXに対して+X側及び−X側のそれぞれに一つずつ配置されてもよい。また、第1供給口61の数は、3つ以上でもよい。
本実施形態において、第1供給口61は、射出面23と第5面45との間の空間に第1液体LQ1を供給する。第1供給口61から供給された第1液体LQ1は、射出面23と第5面45との間の空間を流れ、開口37を介して、下面40と基板Pの表面との間の空間に流入する。これにより、露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされる。
図2に示すように、第1供給口61は、供給流路を介して、第1液体供給装置71と接続されている。本実施形態において、供給流路は、第1部材31の内部に形成された流路、及び第1支持機構28の内部に形成された流路を含む。第1液体供給装置71は、クリーンで温度調整された第1液体LQ1を第1供給口61に供給することができる。なお、第1部材31を支持する第1支持機構28の内部に供給流路の一部を設けなくてもよい。
第2供給口62は、供給流路を介して、第2液体供給装置72と接続されている。本実施形態において、供給流路は、第2部材32の内部に形成された流路、及び第2支持機構29の内部に形成された流路を含む。第2液体供給装置72は、クリーンで温度調整された第2液体LQ2を第2供給口62に供給することができる。なお、第2部材32を支持する第2支持機構29の内部に供給流路の一部を設けなくてもよい。
第1回収口63は、回収流路を介して、第1液体回収装置73と接続されている。本実施形態において、回収流路は、第2部材32の内部に形成された流路、及び第2支持機構29の内部に形成された流路を含む。第1液体回収装置73は、真空システム(真空源と第1回収口63との接続状態を制御するバルブなど)を含み、第1回収口63から第1液体LQ1を吸引して回収することができる。第1回収口63と真空源を含む第1液体回収装置73とが接続されることによって、第1回収口63から第1液体LQ1が回収される。なお、第2部材32を支持する第2支持機構29の内部に回収流路の一部を設けなくてもよい。
第2回収口64は、回収流路を介して、第2液体回収装置74と接続されている。本実施形態において、回収流路は、第2部材32の内部に形成された流路、及び第2支持機構29の内部に形成された流路を含む。第2液体回収装置74は、真空システム(真空源と第2回収口64との接続状態を制御するバルブなど)を含み、第2回収口64から第1液体LQ1を吸引して回収することができる。第2回収口64と真空源を含む第2液体回収装置74とが接続されることによって、第2回収口64から第1液体LQ1が回収される。なお、第2部材32を支持する第2支持機構29の内部に回収流路の一部を設けなくてもよい。
本実施形態においては、制御装置7は、第1液体回収装置73を制御して、多孔部材65の下面側空間(下面40と基板Pの表面との間の空間)から上面側空間(回収流路)へ第1液体LQ1のみが通過するように、多孔部材65の下面側と上面側との圧力差を制御することができる。本実施形態において、下面側空間の圧力は、雰囲気に開放され、チャンバ装置5によって制御されている。制御装置7は、多孔部材65の下面側から上面側へ第1液体LQ1のみが通過するように、第1液体回収装置73を制御して、下面側の圧力に応じて、上面側の圧力を調整する。すなわち、制御装置7は、多孔部材65の孔を介して、第1液体LQ1のみを回収し、気体は多孔部材65の孔を通過しないように調整する。多孔部材65の一側と他側との圧力差を調整して、多孔部材65の一側から他側へ液体のみを通過させる技術は、例えば米国特許第7292313号明細書などに開示されている。
同様に、制御装置7は、第2液体回収装置74を制御して、多孔部材66の孔を介して、第1液体LQ1のみを回収し、気体は多孔部材66の孔を通過しないように調整することができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
制御装置7は、射出面23及び下面40と、基板ステージ2に保持された基板Pの表面との対向させ、露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように、射出面23と基板Pの表面との間、及び下面40の少なくとも一部と基板Pの表面との間に、第1液体LQ1の液浸空間LSを形成する。
制御装置7は、第1液体LQ1の液浸空間LSを形成するために、第1供給口61から第1液体LQ1を供給するとともに、その第1供給口61からの第1液体LQ1の供給動作と並行して、第1回収口63からの第1液体LQ1の回収動作を実行する。これにより、射出面23と基板Pの表面との間の露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように、射出面23及び下面40の少なくとも一部と基板Pの表面との間に第1液体LQ1の液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が第1液体LQ1で覆われるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSの第1液体LQ1の気液界面LGは、基板Pの表面と対向する液浸部材4の下面40と基板Pの表面との間に形成される。本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。本実施形態においては、第2面42と基板Pの表面との間に第1液体LQ1の気液界面LGが配置されるように、液浸空間LSが形成される。
また、本実施形態においては、基板P上の第1液体LQ1の少なくとも一部は、第1開口39Aを介して空隙部38に流入し、第2回収口64から回収される。
制御装置7は、基板Pの露光を開始する。制御装置7は、照明系ILより露光光ELを射出して、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する。マスクMに照射された露光光ELは、そのマスクM及び投影光学系PLの複数の光学素子を介して、投影光学系PLの射出面23より射出される。これにより、射出面23と基板Pの表面との間の第1液体LQ1を介して、射出面23からの露光光ELで基板Pが露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態の露光装置EXは、走査型露光装置である。基板Pの露光の少なくとも一部において、液浸部材4の下方側で基板Pが移動される。制御装置7は、基板Pを移動しながら、基板Pの複数のショット領域を順次露光する。
本実施形態においては、第2面42と基板Pの表面との間に第1液体LQ1の気液界面LGが配置されるように、液浸空間LSが形成される。液浸空間LSが形成された状態で、液浸部材4の下方において基板Pが移動されることによって、第2面42に対して気液界面LGが移動したり、気液界面LGの形状が変化したりする。これにより、第2面42は、第1液体LQ1に接触する状態と接触しない状態との一方から他方への変化を繰り返す。
図2及び図3に示すように、基板Pの露光時においては、第1供給口61から第1液体LQ1が供給され、第2供給口62からの第2液体LQ2の供給動作は停止される。すなわち、基板Pの露光時において、第2供給口62は、第2液体LQ2を供給しない。
ところで、基板Pの露光中、基板Pから発生(溶出)した物質(例えば感光材等の有機物)が、異物(汚染物、パーティクル)として液浸空間LSの第1液体LQ1中に混入する可能性がある。また、基板Pから発生する物質のみならず、例えば空中を浮遊する異物が、液浸空間LSの第1液体LQ1に混入する可能性もある。基板Pの露光の少なくとも一部において、液浸空間LSの第1液体LQ1は、液浸部材7の下面40と接触する。
したがって、液浸空間LSの第1液体LQ1中に異物が混入すると、液浸部材4の下面40の少なくとも一部に異物が付着する可能性がある。液浸部材4の下面(液体接触面)40に異物が付着している状態を放置しておくと、その異物が露光中に基板Pに付着したり、第1供給口61から供給された第1液体LQ1が汚染されたりする可能性がある。また、液浸部材4の下面40が汚染されると、例えば液浸空間LSを良好に形成できなくなる可能性もある。その結果、露光不良が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、制御装置7は、所定のタイミングで、液浸空間LSの第1液体LQ1と接触する液浸部材4の下面40の少なくとも一部をクリーニングする処理を実行する。
以下、液浸部材4の下面40の少なくとも一部を、第2供給口62から供給される第2液体LQ2でクリーニングする方法について説明する。
図4は、第2液体LQ2で下面40の少なくとも一部をクリーニングしている状態を示す図である。クリーニングは、基板Pの非露光時に実行される。クリーニングは、例えば所定時間間隔毎、所定数の基板Pを露光処理する毎等に実行される。なお、下面40の汚染状態を検出可能な検出装置で下面40の汚染状態を検出し、その検出結果に基づいて、クリーニングするタイミングを決定してもよい。あるいは、液浸空間LSの状態(形状、大きさ等)を検出可能な検出装置で液浸空間LSの状態を検出し、その検出結果に基づいて、クリーニングするタイミングを決定してもよい。あるいは、第1回収口63から回収された第1液体LQ1の汚染状態を確認し、その結果に基づいてクリーニングするタイミングを決定してもよい。
本実施形態においては、下面40のうち、主に、多孔部材65の表面を含む第2面42をクリーニングする場合を例にして説明する。なお、第2供給口62から供給された第2液体LQ2によって、第1面41をクリーニングすることもできる。
図4に示すように、制御装置7は、第2面42の下方に配置されている第2供給口62から第2面42に第2液体LQ2を供給する。第2供給口62から供給された第2液体LQ2は、第2面42と接触しながら、第2面42に沿って流れる。第2面42に第2液体LQ2の膜が形成されるように、第2供給口62から第2液体LQ2が供給される。
本実施形態においては、第2供給口62からの第2液体LQ2の供給時の少なくとも一部において、第1回収口63は、第2液体LQ2を回収しない。すなわち、本実施形態においては、制御装置7は、第2液体LQ2を用いるクリーニング時において、第1回収口63を用いる液体の回収動作を停止する。これにより、第2液体LQ2の膜が第2面42に良好に形成される。
本実施形態においては、第2供給口62は、光軸AXに対する放射方向に関して第2面42の外側に配置されている。第2供給口62から供給された第2液体LQ2は、第2面42と接触しながら、第2面42に沿って、第2面42の外側のエッジから内側のエッジに向かって流れる。これにより、第2面42の少なくとも一部は、第2液体LQ2で良好にクリーニングされる。
本実施形態においては、クリーニング時において、射出面23及び下面40と対向する位置に物体が配置される。制御装置7は、射出面23及び下面40と物体とを対向させた状態で、第2面42より下方に配置され、物体の上面よりも上方に配置された第2供給口62から第2面42に第2液体LQ2を供給して、第2面42の少なくとも一部をクリーニングする。
本実施形態においては、基板ステージ2の上面26が配置された状態で、第2供給口62から第2液体LQ2が供給される。なお、射出面23及び下面40と対向する位置に、例えば基板保持部24に保持されたダミー基板が配置された状態で、第2供給口62から第2液体LQ2が供給されてもよい。なお、ダミー基板は、異物を放出する可能性が十分に抑制された、基板Pとほぼ同じ外形を有する基板である。
図4に示すように、本実施形態においては、第2供給口62は、第1液体LQ1の液浸空間LSが形成された状態で、第2面42に第2液体LQ2を供給する。液浸空間LSの第1液体LQ1の気液界面LGは、第2面42と物体の上面(基板ステージ2の上面26)との間に形成される。また、第1液体LQ1の液浸空間LSは、第1開口39Aを覆うように形成される。第2供給口62より供給された第2液体LQ2は、液浸空間LSの第1液体LQ1と混ざる。
第1供給口61から供給された第1液体LQ1の少なくとも一部及び第2供給口62から供給された第2液体LQ2の少なくとも一部は、第1開口39Aを介して空隙部38に流入する。空隙部38に流入した第1,第2液体LQ1,LQ2は、第2回収口64から回収される。
すなわち、本実施形態においては、第2面42のクリーニング時において、第1供給口61から第1液体LQ1が供給され、第2供給口62から第2液体LQ2が供給され、第1回収口63からの回収動作が停止され、第2回収口64からの回収動作が実行される。これにより、第1液体LQ1の液浸空間LSが形成された状態で、第2供給口62から第2液体LQ2を供給して、その供給された第2液体LQ2を第1液体LQ1とともに第2回収口64から回収することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第2供給口62から供給された第2液体LQ2で、液浸部材4の下面40の少なくとも一部をクリーニングすることができる。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
本実施形態においては、基板Pの露光時に第1液体LQ1と接触した下面40の少なくとも一部の領域に、第2供給口62からの第2液体LQ2を良好に供給することができる。したがって、汚染されている可能性が高い下面40の少なくとも一部の領域を効率良く効果的にクリーニングすることができる。
例えば、基板Pの露光時において、第2面42が第1液体LQ1に接触する状態と接触しない状態との一方から他方への変化を繰り返すことによって、その第2面42の汚染が進行する可能性が高い場合、第2面42に対して第2供給口62から第2液体LQ2を供給することによって、その第2面42を効果的にクリーニングすることができる。
なお、上述の実施形態においては、第2供給口62からの第2液体LQ2が、第2面42に供給される場合を例にして説明したが、もちろん、第2供給口62からの第2液体LQ2が第1面41に供給されてもよい。基板P(物体)との間で第1液体LQ1を保持可能な第1部材31の第1面41に、第2部材32に設けられた第2供給口62から第2液体LQ2が供給されることによって、その第1面41を第2液体LQ2で良好にクリーニングすることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5は、第2実施形態に係る露光装置EXの一部を示す図である。上述の第1実施形態と異なる第2実施形態の特徴的な部分は、第2液体LQ2を供給する第2供給口62Bが、露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように基板P(物体)との間で第1液体LQ1を保持して第1液体LQ1の液浸空間LSを形成可能な液浸部材4Bと異なる部材に配置されている点にある。以下の説明において、第2供給口62Bが配置されている部材を適宜、クリーニング部材70、と称する。
図5に示すように、液浸部材4Bは、第1部材31と第2部材32Bとを含む。第1部材31は、露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置された第1面41と、第1液体LQ1を供給する第1供給口61とを有する。第2部材32Bは、第1面41の周囲の少なくとも一部に間隙G1Bを介して配置された第2面42Bと、基板P上の第1液体LQ1を回収する第1回収口63Bと、第1面41及び第2面42Bの上方に配置され、間隙G1Bに流入した第1液体LQ1及び第2液体LQ2の少なくとも一方を回収可能な第2回収口64Bとを有する。第1回収口63Bには、多孔部材65Bが配置され、第2回収口64Bには、多孔部材66Bが配置されている。第2面42Bは、第1回収口63Bに配置された多孔部材65Bの下面を含む。
クリーニング部材70は、液浸部材4Bの周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態において、クリーニング部材70は、第2部材32Bの周囲に配置される環状の部材である。なお、クリーニング部材70が、液浸部材4B(第2部材32B)の周囲に間隔をあけて配置された複数の部材から構成されてもよい。
クリーニング部材70は、光軸AXに対する放射方向に関して内側を向くように配置された第2供給口62Bと、第2面42Bの周囲の少なくとも一部に配置される第3面43Bとを有する。
図5は、基板Pの露光時における液浸部材4B及びクリーニング部材70の状態を示す。図5に示すように、基板Pの露光の少なくとも一部においては、第2供給口62Bから第2液体LQ2は供給されない。また、第2供給口62Bが第2面42Bより上方に配置されるように、液浸部材4Bに対するクリーニング部材70の位置が調整される。また、第2面42Bより第3面43Bが上方に配置されるように、液浸部材4Bに対するクリーニング部材70の位置が調整される。
図6は、第2供給口62Bから第2液体LQ2を供給して、第2面42Bをクリーニングしている状態を示す図である。
図6に示すように、第2面42Bのクリーニング時において、第2供給口62Bが、第2面42Bよりも下方に配置され、物体(基板ステージ2,ダミー基板など)の上面よりも上方に配置される。本実施形態においては、光軸AXとほぼ平行な方向(Z軸方向)に、液浸部材4Bとクリーニング部材70とを相対的に移動可能な駆動装置80が設けられている。制御装置7は、駆動装置80を制御して、液浸部材4Bに対して、クリーニング部材70をZ軸方向に移動させることができる。
すなわち、制御装置7は、基板Pの露光時に、第2供給口62Bが第2面42Bより上方に配置され、第2液体LQ2の供給時に、第2供給口62Bが第2面42Bより下方に配置されるように、駆動装置80を制御して、クリーニング部材70を移動する。制御装置7は、クリーニング部材70が物体の上面より上方に配置されるように(物体に接触しないように)、クリーニング部材70の位置を調整する。
制御装置7は、第2面42Bよりも下方に配置された第2供給口62Bから第2面42Bに第2液体LQ2を供給して、第2面42Bの少なくとも一部をクリーニングする。これにより、第2面42Bが第2供給口62Bから供給された第2液体LQ2でクリーニングされる。
なお、本実施形態においては、駆動装置80がクリーニング部材70を移動することとしたが、液浸部材4Bが移動されてもよい。また、クリーニング部材70と液浸部材4Bとの両方が移動されてもよい。
以上説明したように、本実施形態においても、第2供給口62Bから供給された第2液体LQ2で、液浸部材4Bの下面40Bの少なくとも一部をクリーニングすることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、第3実施形態に係る露光装置EXの一部を示す図である。第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。第2実施形態と異なる第3実施形態の特徴的な部分は、クリーニング部材70Cが、光軸AXに対する放射方向に関して第2供給口62Cの外側に配置され、第1液体LQ1及び第2液体LQ2の少なくとも一方を回収可能な第3回収口90を有する点にある。
図7において、液浸部材4Bは、第1部材31と第2部材32Bとを含む。第1部材31及び第2部材32Bの構造は、上述の第2実施形態と同様である。
クリーニング部材70Cは、光軸AXに対する放射方向に関して内側を向くように配置され、第2液体LQ2を供給可能な第2供給口62Cと、基板Pに面する位置に配置された第3回収口90とを備えている。第3回収口90には、多孔部材91が配置されている。第3回収口90は、多孔部材91の孔を介して、第1液体LQ1及び第2液体LQ2の少なくとも一方を回収可能である。なお、第3回収口90に多孔部材91が配置されていなくてもよい。
第3回収口90が設けられているので、例えば第1供給口61から供給された第1液体LQ1及び第2供給口62Cから供給された第2液体LQ2の少なくとも一方が液浸部材4Bの下面40B(第1面41及び第2面42B)と基板Pの表面との間の空間から流出した場合でも、その流出する第1液体LQ1及び第2液体LQ2の少なくとも一方を、第3回収口90で回収することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8は、第4実施形態に係る露光装置EXの一部を示す図である。上述の第1〜第3実施形態と異なる第4実施形態の特徴的な部分は、第2液体LQ2を供給可能な第2供給口62Dが、光軸AXに対する放射方向に関して外側を向くように配置されている点にある。
図8に示すように、第2供給口62Dは、光軸AXに対する放射方向に関して、第1回収口63D(多孔部材65D)の内側に配置されている。第2供給口62Dは、多孔部材65Dの下面に第2液体LQ2を供給可能である。本実施形態において、液浸部材4Dは、第1部材31と第2部材32Dとを含み、第2供給口62Dは、第2部材32Dに配置される。
本実施形態においても、第2供給口62Dから供給された第2液体LQ2によって、液浸部材4Dの下面40Dの少なくとも一部がクリーニングされる。
なお、上述の第1〜第4実施形態において、第1回収口(63など)は、第2液体LQ2を回収可能である。クリーニング時において、第2供給口(62など)から第2液体LQ2を供給するとともに、第1回収口(63など)から液浸空間LSの第1液体LQ1及び第2供給口(62など)から供給された第2液体LQ2の少なくとも一部が回収されてもよい。すなわち、第1供給口61からの第1液体LQ1の供給動作と、第2供給口(62など)からの第2液体LQ2の第2液体LQ2の供給動作と、第1回収口(63など)からの回収動作と、第2回収口(64など)からの回収動作とを並行して実行してもよい。あるいは、第1供給口61からの第1液体LQ1の供給動作と、第2供給口(62など)からの第2液体LQ2の供給動作と、第2回収口(64など)からの回収動作とを並行して実行し、第1回収口(63など)からの回収動作を停止してもよい。
また、終端光学素子22及び液浸部材(4など)と物体(基板ステージ2,ダミー基板など)との間に第1液体LQ1を保持して第1液体LQ1の液浸空間LSを形成し、第1供給口61からの第1液体LQ1の供給動作を停止した状態で、第2供給口(62など)からの第2液体LQ2の供給動作を実行してもよい。その場合、第1回収口(63など)からの回収動作及び第2回収口(64など)からの回収動作のいずれか一方が実行されてもよいし、第1回収口(63など)からの回収動作と第2回収口(64など)からの回収動作との両方が実行されてもよい。
また、上述の第1〜第4実施形態においては、第1回収口(63など)が、第2部材(32など)に配置されていることとしたが、第1部材(31など)に配置されてもよい。例えば、第1部材(31など)の第1面41が、露光光ELの光路Kの周囲に配置される平坦面と、その平坦面の周囲に配置される液体回収面とを含んでもよい。液体回収面は、第1部材(31など)に形成された第1回収口(63など)に配置された多孔部材の下面を含む。また、第1回収口(63など)が第1部材(31など)に配置される場合において、第2部材(32など)の第2面(42など)は、平坦面でもよいし、液体回収面を含んでもよい。
また、上述の第1〜第4実施形態においては、第1液体LQ1の液浸空間LSが形成された状態で、下面(40など)の少なくとも一部に第2液体LQ2を供給することとしたが、液浸空間LSを形成しない状態で、下面(40など)の少なくとも一部に第2液体LQ2を供給してもよい。
また、上述の第1〜第4実施形態において、第2回収口(64など)が省略されてもよい。この場合、第1液体LQ1と第2液体LQ2の少なくとも一方は、第1回収口(63など)で回収してもよいし、第3実施形態のように第3回収口90を備えている場合には、第1回収口(63など)と第3回収口90の少なくとも一方で回収してもよい。また、第2回収口(64など)を設けない場合、第1部材(31など)と第2部材(32など)との間に間隙(G5,G6)が無くてもよい。この場合、第1部材(31など)と第2部材(32など)が一つの部材であってもよい。
なお、上述の第1〜第4実施形態においては、液浸部材(4など)の下面が、第1回収口(63など)に配置された多孔部材(65など)の下面を含むこととしたが、多孔部材が省略されてもよい。また、液浸部材(4など)の下面が、第1回収口(多孔部材)を含まなくてもよい。例えば、第2面(42など)が、第1面と同様、平坦面でもよい。
また、上述の第1〜第4実施形態において、第1部材(31など)の一部が終端光学素子22の下方に配置されていなくてもよい。例えば、下面41が終端光学素子22の下面23とが同一面内に配置されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子22の射出側(像面側)の光路が第1液体LQ1で満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子22の入射側(物体面側)の光路も液体で満たされる投影光学系を採用することもできる。なお、終端光学素子22の入射側の光路に満たされる液体は、第1液体LQ1と同じ種類の液体でもよいし、異なる種類の液体でもよい。
なお、上述の各実施形態の第1液体LQ1として、水(純水)に限られず、例えばハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。この場合、各基板ステージ上、あるいは複数の基板ステージを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。この場合、計測ステージ上、あるいは基板ステージと計測ステージとを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図9に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。