JP2011060845A - 露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光不良を抑制することができる露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】ステージに保持される基板の表面の一部と第1液体とが接触した状態で当該第1液体を介して基板に露光光を照射する露光装置であって、このステージは、第2液体に対して親液性を有しかつ基板を囲むように配置される1つ以上の親液領域を備え、当該親液領域に第2液体を供給する供給系を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法に関する。
半導体デバイス、電子デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、例えばステージ上に保持される基板の一部に液体で満たされた液浸空間を形成し、当該液浸空間を介して基板に露光光を照射する液浸露光装置が用いられる(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このような液浸露光装置では、例えば基板を保持しつつステージを移動させることによって、基板と液浸空間とを相対移動させる構成となっている。
米国特許出願公開第2006/0139614号明細書 米国特許第7199858号明細書
しかしながら、ステージ上に液浸空間の液体などが分離して残ってしまうと、当該液体が気化したときの気化熱により、ステージが変形してしまう。この変形により、ステージ上に保持される基板に形成されるパターンに歪みや欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。
本発明は、露光不良を抑制することができる露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、ステージに保持される基板の表面の一部と第1液体とが接触した状態で第1液体を介して基板に露光光を照射する露光装置であって、ステージは、第2液体に対して親液性を有しかつ基板を囲むように配置される1つ以上の親液領域を備え、当該親液領域に第2液体を供給する供給系を備える露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、ステージに基板を保持させることと、基板の表面の一部に第1液体の第1液浸領域を形成することと、ステージに設けられ第2液体に対して親液性を有しかつ基板を囲むように配置される1つ以上の親液領域に、第2液体を供給することと、第2液体が供給された親液領域と、第1液浸領域とを接触させることと、第1液浸領域を介して基板に露光光を照射することとを含む露光方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、本発明の露光装置で基板を露光することと、露光された基板を現像することとを含むデバイスの製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、本発明の露光方法で基板を露光することと、露光された基板を現像することとを含むデバイスの製造方法が提供される。
本発明によれば、露光不良を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図。 本実施形態に係る基板ステージの一例を示す図。 本実施形態に係る基板ステージの一例を示す図。 本実施形態に係る基板ステージの一部の構成を示す図。 本実施形態に係る基板ステージの一部の構成を示す図。 本実施形態に係る液浸部材の近傍の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。 本実施形態に係る露光装置の他の構成を示す図。 本実施形態に係る露光装置の他の構成を示す図。 本実施形態に係る露光装置の他の構成を示す図。 本実施形態に係る露光装置の他の構成を示す図。 本実施形態に係る露光装置の他の構成を示す図。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体(第1液体)LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。本実施形態の露光装置EXは、例えば工場などに設置されて用いられる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材C及び計測器を搭載して移動可能な計測ステージ3と、マスクステージ1を移動する駆動システム4と、基板ステージ2を移動する駆動システム5と、計測ステージ3を移動する駆動システム6と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材7と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置8とを備えている。
なお、基板を保持して移動可能な基板ステージと、基板を保持せずに、露光光を計測する計測部材及び計測器を搭載して移動可能な計測ステージとを備えた露光装置の一例が、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されており、その内容を援用して本文の記載の一部とする。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。駆動システム4は、ガイド面9G上でマスクステージ1を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、マスクステージ1に配置された可動子と、ベース部材9に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ1は、駆動システム4の作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材C及び計測器を搭載した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。
基板ステージ2を移動するための駆動システム5は、ガイド面10G上で基板ステージ2を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、基板ステージ2に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。同様に、計測ステージ3を移動するための駆動システム6は、平面モータを含み、計測ステージ3に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。
本実施形態において、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置情報は、レーザ干渉計ユニット11A、11Bを含む干渉計システム11によって計測される。レーザ干渉計ユニット11Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置情報を計測可能である。レーザ干渉計ユニット11Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2R、及び計測ステージ3に配置された計測ミラー3Rを用いて、基板ステージ2及び計測ステージ3それぞれの位置情報を計測可能である。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置8は、干渉計システム11の計測結果に基づいて、駆動システム4,5,6を作動し、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
液浸部材7は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間(第1液浸領域)LSを形成可能である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸部材7は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材7は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材7の少なくとも一部が、終端光学素子12の周囲に配置される。
終端光学素子12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面13を有する。本実施形態において、液浸空間LSは、終端光学素子12と、終端光学素子12から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に配置される物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子12の射出面13側)で投影領域PRに移動可能な物体であり、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、及び計測ステージ3の少なくとも一つを含む。もちろん、投影領域PRに配置可能な物体は、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、及び計測ステージ3の少なくとも一つに限られない。
本実施形態において、液浸部材7は、投影領域PRに配置される物体と対向可能な下面14を有する。液浸部材7は、投影領域PRに配置される物体との間で液体LQを保持することができる。液浸部材7は、射出面13から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、投影領域PRに配置される物体との間で液体LQを保持可能である。投影領域PRに移動可能な物体は、射出面13から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、終端光学素子12及び液浸部材7との間で液体LQを保持可能である。一方側の射出面13及び下面14と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子12と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)の少なくとも一部は、液浸部材7の下面14と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
図2は、本実施形態に係る基板ステージ2の概略構成を示す側断面図である。図2は基板ステージ2の概略構成を説明する図であり、一部の構成を省略して示している。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書、米国特許出願公開第2008/0049209号明細書等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部31と、第1保持部31の周囲に配置され、プレート部材Tをリリース可能に保持する第2保持部32とを有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面2Uは、第2保持部32に保持されたプレート部材Tの上面を含む。
第1保持部31、第2保持部32は、ピンチャック機構を有する。プレート部材Tは、第1保持部31に保持された基板Pの周囲に配置される。基板ステージ2が移動することによって、第1保持部31に保持された基板P、及び第2保持部32に保持されたプレート部材Tは、投影領域PRに移動可能である。なお、第1保持部31及び第2保持部32の少なくとも一方で使用される保持機構はピンチャック機構に限られない。
本実施形態において、第1保持部31は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。第2保持部32は、プレート部材Tの上面2UとXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。本実施形態において、第1保持部31に保持された基板Pの表面と第2保持部32に保持されたプレート部材Tの上面2Uとは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。また、第1保持部31に保持された基板Pの側面と、第2保持部32に保持されたプレート部材Tの内側面とは、所定のギャップを介して対向する。
図3は、基板ステージ2の一例を示す平面図である。図4は、プレート部材Tの上面2Uの一部の構成を示す平面図である。
図3及び図4に示すように、プレート部材Tの上面2Uには、基板Pを囲うように親液領域50が配置されている。本実施形態では、親液領域50は、例えばプレート部材Tの上面2Uのほぼ全面に配置されている。親液領域50は、第2液体LQ2(図5等参照)に対して親液性を有する領域である。第2液体LQ2としては、例えば液体LQと同一の液体を用いることができる。本実施形態では、第2液体LQ2として、例えば水(純水)が用いられる。ここで、第2液体LQ2に対する親液性とは、例えば第2液体LQ2の接触角が90°以下となる性質をいう。
図4に示すように、親液領域50は、第1領域51及び第2領域52を有する。第1領域51及び第2領域52は、それぞれ親液領域50内に区画された矩形の領域である。本実施形態では、第1領域51及び第2領域52は、図を引用しXY平面において正方形に形成されており、かつ、同一の寸法を有している。第1領域51及び第2領域52の一辺の寸法は、例えば5mm程度となっている。勿論、第1領域51及び第2領域52の上記の寸法は一例に過ぎず、当該寸法とは異なる寸法であっても勿論構わない。
第1領域51は、第2液体LQ2に対して親液性を有する材料、例えば酸化チタンなどを含んでいる。第2領域52は、第1領域51に比べて親液性の低い領域である。例えば、第2領域52として、例えばプレート部材Tを構成する材料をそのまま露出させるようにしても構わない。第2領域52が第2液体LQ2に対して撥液性を有する材料を含んでいても構わない。ここで、第2液体LQ2に対する撥液性とは、例えば第2液体LQ2の接触角が90°以上となる性質をいう。
親液領域50には、第2液体LQ2に対して親液性を有する第1領域51と、第2液体LQ2に対して非親液性の第2領域52とがX方向及びY方向のそれぞれに交互に配列されており、第1領域51と第2領域52とが互いに隣り合わないように配置されている。親液領域50は、このように配置された第1領域51及び第2領域52により、親液領域50は、全体として第2液体LQ2が均一に供給されるように形成されていると共に、液体LQが液浸部材7の回収口16(図6参照)から外側にはみ出さないように形成されている。
第1領域51が酸化チタンを含む場合、当該第1領域51に励起光を照射することにより、第1領域51に含まれる酸化チタンが励起し、第1領域51上の異物(基板Pに含まれる感光膜の残渣など)を分解できるようになっている。このように、第1領域51は、光触媒としても機能することになる。
励起光としては、例えば基板Pに含まれる感光膜が感光しない波長であって酸化チタンを励起可能な波長の光を用いることができる。具体的には、波長10nm〜400nm程度の紫外線などを用いることができる。近年では紫外線よりも波長の長い可視光(波長400nm〜波長600nm程度)の光であっても励起する酸化チタンが開発されている。第1領域51がこのような酸化チタンを含む場合には、励起光として上記波長400nm〜波長600nm程度の可視光を用いても構わない。
図5は、基板ステージ2の一部の構成を示す断面図であり、主としてプレート部材Tの断面構成を示す図である。
図2、図4及び図5に示すように、基板ステージ2は、親液領域50に第2液体LQ2を供給する供給系53と、プレート部材Tの親液領域50を温調する温調部54とを有している。
図5に示すように、供給系53は、第2液体供給部53a、プレート内流路53b及び供給口53cを有している。第2液体供給部53aは、第2液体LQ2を貯める貯留部(不図示)、第2液体LQ2を送り出す送出部(不図示)、貯められた第2液体LQ2の温度を調整可能な温調部(不図示)を有している。
本実施形態では、第2液体LQ2として液体LQと同一の水(純水)が用いられるため、当該第2液体LQ2として液体LQの供給源を用いても構わない。勿論、第2液体LQ2を供給する供給源を別途設ける構成であっても構わない。第2液体供給部53aは、第2液体LQ2の供給量を調整可能である。第2液体LQ2の供給量は例えば制御装置8によって設定されるようになっており、第2液体供給部53aでは制御装置8での設定量に対応するように供給量を調節して第2液体LQ2を供給する。
プレート内流路53bは、プレート内流路53bは、例えばプレート部材Tの側面又は底面とプレート部材Tの上面2Uとの間を貫通して形成されている。図2及び図5には、プレート内流路53bがプレート部材Tの上面2Uから側面に貫通された状態が示されているが、底面に貫通される構成であっても構わない。プレート内流路53bは、プレート部材Tの側面又は底面の開口部において、第2液体供給部53aに接続されている。プレート内流路53bは、第2液体供給部53aとの接続側からプレート部材Tの上面2U側までの経路上において複数の経路に分岐されている。分岐されたプレート内流路53bのそれぞれは、例えばプレート部材Tの上面2Uに接続されている。
供給口53cは、プレート内流路53bのうちプレート部材Tの上面2U上に形成される開口部である。供給口53cは、図4及び図5に示すように、例えば各第1領域51のうちXY平面において中央部に配置されている。第2液体供給部53aから供給される第2液体LQ2は、プレート内流路53b及び供給口53cを介してプレート部材Tの上面2Uのうち第1領域51に供給されるようになっている。
図4に示すように、供給口53cは、例えばXY平面において円形に形成されている。供給口53cの径は、例えば0.1mm程度に形成されている。このため、例えば上記のように5mm×5mmに形成された本実施形態の第1領域51においては、第2液体LQ2は供給口53cから滲み出して第1領域51に広がるように供給される。
供給口53cは、図4及び図5では第1領域51内に1つずつ設けられている構成が示されているが、これに限られることは無く、例えば第1領域51内に供給口53cが複数設けられている構成であっても構わない。この場合、プレート内流路53bは、第1領域51ごとに分岐した分岐路上で更に供給口53cの数及び位置に対応して分岐されることになる。供給口53cの位置についても、第1領域51のうちXY平面における中央部に配置された構成に限られず、他の位置(例えばXY平面において第1領域51の角部など)に配置された構成であっても構わない。
図2及び図4に示すように、温調部54は、基板ステージ2のうちプレート部材Tの−Z側に配置されている。温調部54は、例えばXY平面においてプレート部材Tとほぼ同一の形状及び寸法に形成されており、XY平面においてプレート部材Tと重なるように配置されている。温調部54は、例えばヒータなどの加熱部(不図示)と、空冷機構や液冷機構などの冷却部(不図示)とを有している。
加熱部及び冷却部は、例えばプレート部材Tの−Z側に設けられている。勿論、他の部分(例えばプレート部材Tの内部)に設けられていても構わない。温調部54は、加熱部と冷却部とを作動させることにより、親液領域50の温度をほぼ全域に亘って均一に調整可能である。当該加熱部及び冷却部は、例えば親液領域50のうち第1領域51に配置し、第2領域52には配置しないようにしても構わない。
図6は、本実施形態に係る液浸部材7の一例を示す側断面図である。なお、図6を用いる説明においては、投影領域PR(終端光学素子12及び液浸部材7と対向する位置)に基板Pが配置される場合を例にして説明するが、上述のように、基板ステージ2(プレート部材T)、及び計測ステージ3(プレート部材S、計測部材C)を配置することもできる。
図6に示すように、液浸部材7は、射出面13と対向する位置に開口7Kを有する。射出面13から射出された露光光ELは、開口7Kを通過して、基板Pに照射可能である。
また、液浸部材7は、液体LQを供給可能な供給口15と、液体LQを回収可能な回収口16とを備えている。供給口15は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面するように配置されている。供給口15は、流路17を介して、液体供給装置18と接続されている。液体供給装置18は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。流路17は、液浸部材7の内部に形成された供給流路、及びその供給流路と液体供給装置18とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置18から送出された液体LQは、流路17を介して供給口15に供給される。
回収口16は、液浸部材7の下面14と対向する物体上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。本実施形態においては、回収口16は、露光光ELが通過する開口7Kの周囲に配置されている。回収口16は、物体の表面と対向する液浸部材7の所定位置に配置されている。回収口16には、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材19が配置されている。なお、回収口16に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。また、回収口16に多孔部材19が配置されていなくてもよい。本実施形態において、液浸部材7の下面14の少なくとも一部は、多孔部材19の下面を含む。回収口16は、流路20を介して、液体回収装置21と接続されている。液体回収装置21は、回収口16を真空システムに接続可能であり、回収口16を介して液体LQを吸引可能である。流路20は、液浸部材7の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と液体回収装置21とを接続する回収管で形成される流路を含む。回収口16から回収された液体LQは、流路20を介して、液体回収装置21に回収される。
本実施形態においては、制御装置8は、供給口15からの液体LQの供給動作と並行して、回収口16からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子12及び液浸部材7と、他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
なお、液浸部材7として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて、基板Pを露光する方法の一例について説明する。
制御装置8は、露光前の基板Pを第1保持部31に搬入(ロード)するために、図7に示すように、基板ステージ2を基板交換位置CPに移動する。基板交換位置CPは、基板Pの交換処理が実行可能な位置である。基板Pの交換処理は、搬送装置36を用いて、第1保持部31に保持された露光後の基板Pを第1保持部31から搬出(アンロード)する処理、及び第1保持部31に露光前の基板Pを搬入(ロード)する処理の少なくとも一方を含む。制御装置8は、液浸部材7から離れた基板交換位置CPに基板ステージ2を移動して、基板Pの交換処理を実行する。
また、基板ステージ2が液浸部材7から離れた期間の少なくとも一部において、必要に応じて、計測部材C及び計測器を用いる計測処理が実行される。計測部材C及び計測器を用いる計測処理を実行するとき、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3とを対向させ、終端光学素子12と計測部材Cとの間の光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。制御装置8は、投影光学系PL及び液体LQを介して計測部材Cに露光光ELを照射して、計測部材Cを用いる計測処理を実行する。その計測処理の結果は、基板Pの露光処理に反映される。
基板ステージ2が液浸部材7から離れている期間の少なくとも一部において、制御装置8は、計測ステージ3を液浸部材7に対して所定位置に配置して、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3の上面3Uとの間で液体LQを保持して、液浸空間LSを形成する。
また、基板Pが第1保持部31にロードされた後、制御装置8は、第2液体供給部53aから第2液体LQ2を供給させる。第2液体LQ2は、プレート内流路53bを介して供給口53cからプレート部材T上に滲み出し、プレート部材Tのうち親液性に形成された各第1領域51に供給される。各第1領域51上に第2液体LQ2が供給されることにより、図8に示すように、親液領域50全体として、第2液体LQ2で満たされた第2液浸空間LS2が形成されることになる。
第2液浸空間LS2の第2液体LQ2は、当該第2液体LQ2の放置される時間の経過と共に気化する。制御装置8は、第2液体LQ2の気化量と等量の第2液体LQ2を供給する。親液領域50では、第2液体LQ2の気化量と供給量とが等しくなるため、一定量の第2液体LQ2で満たされた第2液浸空間LS2が配置され続けることになる。
また、第2液浸空間LS2が形成された後、制御装置8は温調部54を作動させ、プレート部材Tの親液領域50を温調する。この動作により、第2液体LQ2の気化時においてプレート部材Tから奪われる気化熱が補われることになり、プレート部材Tの熱変形が緩和されることになる。
露光前の基板Pが第1保持部31にロードされ、液浸空間LS及び第2液浸空間LS2が形成され、計測部材C及び計測器を用いる計測処理が終了した後、制御装置8は、基板ステージ2を投影領域PRに移動して、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSを形成する。
本実施形態においては、例えば米国特許出願公開第2006/0023186号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているように、制御装置8は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方と終端光学素子12及び液浸部材7との間に液体LQを保持可能な空間を形成し続けるように、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとを接近又は接触させた状態で、基板ステージ2の上面2U及び計測ステージ3の上面3Uの少なくとも一方と終端光学素子12の射出面13及び液浸部材7の下面14とを対向させつつ、終端光学素子12及び液浸部材7に対して、基板ステージ2と計測ステージ3とをXY方向に同期移動させることができる。これにより、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2との間に液浸空間LSが形成可能な状態、及び終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液浸空間LSが形成可能な状態の一方から他方へ変化させることができる。すなわち、制御装置8は、液体LQの漏出を抑制しつつ、液浸部材7の下面14側に形成された液浸空間LSが基板ステージ2の上面2U上と計測ステージ3の上面3U上との間を移動するように、基板ステージ2及び計測ステージ3を液浸部材7に対して移動させることができる。
以下の説明において、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとを接近又は接触させた状態で、終端光学素子12及び液浸部材7に対して、基板ステージ2と計測ステージ3とをXY方向に同期移動させる動作を適宜、スクラム移動、と表記する。
本実施形態においては、スクラム移動を実行するとき、図9に示すように、制御装置8は、基板ステージ2の+Y側の側面2Fと、その基板ステージ2と対向可能な計測ステージ3の−Y側の側面3Fとを所定のギャップを介して対向させる。そして、制御装置8は、そのギャップを維持した状態で、基板ステージ2及び計測ステージ3を同時に移動(同期移動)させる。本実施形態においては、スクラム移動を実行するとき、制御装置8は、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとで実質的に一つの連続面が形成されるように、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとの位置関係を調整する。
スクラム移動の際、基板ステージ2の親液領域50には第2液浸空間LS2が配置された状態になっている。このため、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2との間に形成される液浸空間LSは、図10に示すように、基板ステージ2に接触する際に、第2液浸空間LS2上に配置されることになる。
制御装置8は、液浸空間LSが第2液浸空間LS2上に配置された状態のまま基板ステージ2を移動させ、図11に示すように、終端光学素子12の射出面13と基板Pの表面との間に液体LQが保持させる。このとき、液浸空間LSは、図13に示すように、基板ステージ2の一辺(計測ステージ3に近接又は接触させる辺。本実施形態では−Y側の辺)側から基板Pにかけての帯状に領域55に接触することになる。
その後、制御装置8は、基板Pの露光処理を開始する。基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2とを対向させ、終端光学素子12と基板Pとの間の光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。制御装置8は、照明系ILより露光光ELを射出して、マスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置8は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
基板Pの周縁部に露光光ELを照射する際には、図12に示すように、液浸空間LSの一部がXY平面において基板Pからはみ出してプレート部材T上に配置された状態になる場合がある。この場合、図13に示すように、基板ステージ2の移動により、液浸空間LSはプレート部材Tのうち基板Pを囲む環状の領域56にも接触する。液浸空間LSは、当該接触領域56に接触する場合においても第2液浸空間LS2上に配置されることになる。
基板Pの露光処理が終了した後、制御装置8は、スクラム移動を実行する。終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置8は、基板ステージ2を基板交換位置CPに移動する。制御装置8は、基板交換位置CPに移動した基板ステージ2から露光後の基板Pを搬出し、露光前の基板Pを基板ステージ2に搬入する。
以下、制御装置8は、上述の処理を繰り返して、複数の基板Pを順次露光する。制御装置8は、複数の基板Pを露光する間、基板ステージ2の親液領域50を常時第2液体LQ2によって湿らせておくようにする。親液領域50(第1領域51)上の第2液体LQ2の量を検出するセンサなどを別途配置しておき、当該センサの検出結果に基づいて制御装置8が適宜第2液体LQ2を供給する構成としても構わない。
液浸空間LSを形成しつつ基板ステージ2を移動させる際には、液浸空間LSの液体LQの一部が基板ステージ2の上面2Uの接触領域55、56に分離して残留したり、当該接触領域55、56の周囲の領域57に飛散して残留したりする場合がある。このように基板ステージ2の上面2Uに局所的に液体LQが残留すると、当該液体LQの気化時における気化熱により基板ステージ2の一部、具体的にはプレート部材Tの一部が局所的に熱変形する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、基板ステージ2の上面2Uに基板Pを囲むように親液領域50を形成し、当該親液領域50に第2液体LQ2を供給して第2液浸空間LS2を形成することとしたので、親液領域50において気化熱を均一に発生させることができる。この場合、液浸空間LSから分離又は飛散して残留した液体LQが気化することがあっても、上面2Uの温度が局所的に変化することは無く、プレート部材T上の局部的な変形を防ぐことができる。これにより、露光不良の発生を防ぐことができる。
加えて、本実施形態では、第2液浸空間LS2の形成される親液領域50が、液浸空間LSの液体LQが接触するプレート部材T上の接触領域55、56よりも大きくなっているため、液体LQは第2液浸空間LS2の形成領域内に残留させることができる。これにより、液体LQの気化によるプレート部材Tの局部的な熱変形を防ぐことができる。また、本実施形態では、更に親液領域50が、液浸空間LSから液体LQが飛散して付着する可能性のある領域57よりも大きいため、プレート部材Tの局部的な熱変形を防ぐことができる。
加えて、本実施形態では、プレート部材Tのうち基板Pを囲む部分のほぼ全面に親液領域50及び第2液浸空間LS2を隙間無く形成することとしたので、プレート部材Tの全面において気化熱を均一に発生させることができる。これにより、プレート部材Tの局部的な熱変形を防ぐことができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、親液領域50に設けられる第1領域51及び第2領域52の配置として、例えばX方向及びY方向のそれぞれについて交互に配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。
例えば、図14(a)に示すように、第1領域51を曲線で囲まれた領域として形成し、当該第1領域51から外れた領域を第2領域52とする構成であっても構わない。また、図14(b)に示すように、基板Pの中心についての複数の同心円及び複数の放射状の直線によってプレート部材Tを区画し、同心円の円周方向及び直線方向に隣接する領域同士が互いに異なる領域となるように第1領域51及び第2領域52を設定する構成であっても構わない。また、図14(c)に示すように、基板Pを中心とする複数の同心円によってプレート部材Tを区画し、隣接する領域同士が互いに異なる領域となるように第1領域51及び第2領域52を設定する構成であっても構わない。
図14(a)〜図14(c)に示す場合においては、上記実施形態と同様、第1領域51及び第2領域52を設けることにより、親液領域50において全体として第2液体LQ2が均一に供給されるように形成すると共に、液体LQが液浸部材7の回収口16(図6参照)から外側にはみ出さないように形成する。
また、上記実施形態では、親液領域50が基板Pを囲むように配置される形態として、プレート部材Tの上面2Uのほぼ全面に1つの親液領域50が形成されている構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。親液領域50が配置される形態として、例えば図15に示すように、基板Pの径方向に延在する放射線状の隙間60を空けるように複数の親液領域50が配置されている構成であっても構わない。この場合、隙間60の幅方向(延在方向に直交する方向)の寸法としては、プレート部材Tの局部的な熱変形が生じない程度の寸法にする必要がある。また、このように複数の親液領域50によって基板Pを囲む配置の場合、基板Pを中心として例えば上下左右に対称となるように親液領域50を配置することが好ましい。
また、プレート部材Tの上面2Uに親液領域50を設定する場合には、例えば上記実施形態(図13)において説明した接触領域55、56を含む範囲に設定することが好ましく、当該接触領域55、56の周囲の領域57を含む範囲に設定するとより好ましい。
また、図16に示すように、基板ステージ2にエンコーダシステムのスケール部材70が設けられている構成においては、当該スケール部材70のパターン71が形成されている面(パターン形成面70a)に親液領域50を配置する構成であっても構わない。この構成においては、例えばプレート部材Tの上面2Uとパターン形成面70aとは、ほぼ面一状態に形成される。また、例えば基板ステージ2の+Z側には不図示のパターン検出装置が配置されており、当該パターン検出装置を用いてパターン71を検出することで、基板ステージ2の位置を検出可能になっている。スケール部材70が例えば熱変形すると、基板ステージ2の位置検出精度が低下してしまうことになる。当該スケール部材70に親液領域50を配置し、当該親液領域50に第2液体LQ2を供給することにより、液体LQの気化による熱変形を防ぐことができるため、位置検出精度の低下を回避することができる点で好ましい構成である。なお、エンコーダシステムを用いる構成においては、基板ステージ2側にパターン検出装置を配置し、基板ステージ2の+Z側にパターンを形成する場合であっても適用することができる。例えば基板ステージ2の上面2Uには、パターン検出装置の検出部分が配置される。この場合、検出部分に親液領域50を形成することにより、当該検出部分の熱変形を防ぐことができる。なお、エンコーダシステムのパターン71が基板ステージ2上に形成されている場合には、パターン71を含む領域に親液領域50を配置すれば良い。
また、上記実施形態においては、第2液体LQ2の供給系53を基板ステージ2に設ける構成としたが、これに限られることは無く、基板ステージ2とは異なる位置に供給系53を配置する構成であっても構わない。例えば図17に示すように、複数のノズルを有する液体噴射装置80を基板交換位置CPに配置し、当該液体噴射装置80のノズルから第2液体LQ2を噴射させる構成としても構わない。この場合、基板交換位置CPにおいて基板Pをロードした後、基板ステージ2が投影領域PRへと移動するときに、基板ステージ2を移動させながら液体噴射装置80のノズルから第2液体LQ2を噴射させるようにする。液体噴射装置80自体は位置を固定させておき、基板ステージ2の移動を利用してプレート部材Tの例えばほぼ全面に第2液体LQ2を付着させる。基板ステージ2にはすでに基板Pがロードされているため、液体噴射装置80の−Z側を通過する基板Pから外れた位置のノズルのみを稼動させることで、当該基板Pを避けつつ基板ステージ2の上面2Uに第2液体LQ2を供給することができる。また、液体噴射装置80から噴射される第2液体LQ2としては、例えばミスト状であっても構わない。
この場合、プレート部材T上に第2液体LQ2をまとめて供給する必要があるため、制御装置8は、例えば基板Pを次に交換するまでに気化する第2液体LQ2の気化量を供給量として設定する。この気化量は、予め実験やシミュレーションなどによって求めておくようにする。実際の露光動作の際に当該気化量を求めるようにしても構わない。第2液体LQ2の気化量は、基板ステージ2上の気圧によって変化するため、例えば圧力計などを設けておき、圧力計の検出結果に基づいて第2液体LQ2の供給量を調整する構成としても構わない。
また、上記実施形態において、例えば多孔質部材を用いてプレート部材Tを構成しても構わない。この場合、プレート部材T内に流路を形成しなくても、当該プレート部材Tを介して第2液体LQ2を上面2Uに供給させることができる。
また、上記実施形態においては、基板ステージ2の上面2UがXY平面に平行になっている構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば上面2Uの少なくとも一部がXY平面に対して傾いている構成としても構わない。この傾きとしては、例えば基板ステージ2のXY平面上の外周から基板Pに至るにつれて徐々にZ方向の位置が低くなるように形成する構成などが挙げられる。このようにすることで、上面2U(親液領域50)に配置された第2液体LQ2が基板ステージ2からこぼれ落ちるのを防ぐことができる。
また、上記実施形態においては、親液領域50の第1領域51と第2領域とが接するように配置する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば図18に示すように、第1領域51と第2領域52との間に溝部90を形成する構成としても構わない。この場合、例えば溝部90内が親液性を有する構成としておき、当該溝部90内に供給口53cを配置する構成としても構わない。
なお、上記実施形態では、親液領域50には、親液性の異なる第1領域51及び第2領域52を有したが、親液領域50は、第1領域51だけでも構わない。第1領域51の親液性により、第1領域51に第2液体LQ2が均一に供給されると共に、第1領域51で液体LQが液浸部材7の回収口16(図6参照)から外側にはみ出さないように形成することが可能である。また、親液領域50には、第1領域51及び第2領域52とは異なる親液性の領域を有してもよい。例えば、第2液体LQ2に対して第1領域51及び第2領域52とは異なる親液性を有する第3領域を別途有しても構わない。
また、上記実施形態の構成に加えて、例えばプレート部材Tに第2液体LQ2を回収する回収系を設ける構成としても構わない。回収系としては、プレート部材Tの上面2Uに回収口を設け、当該回収口を介して第2液体LQ2を回収する構成などが挙げられる。この場合、当該回収口の形状及び大きさとしては、例えば供給口53cの形状及び大きさと同一とすることができるが、これに限られることは無い。また、回収口の配置として、例えば第1領域51内に設ける構成であっても構わないし、第1領域51と第2領域52との境界部分に設ける構成であっても構わない。
また、上記実施形態の構成に加えて、例えば液浸空間LSの形状を検出し、検出結果に応じて第2液体LQ2の供給量を調整する構成としても構わない。これにより、液浸空間LSを第2液浸空間LS2上に配置した場合であっても、液浸空間LSの液体LQが液浸部材7の回収口16から外側にはみ出すのを防ぐことができる。また、液体LQの周囲に気体を噴射し、エアカーテンを形成する構成としても構わない。この構成によれば、エアカーテンによって液体LQが回収口16から外側にはみ出すのを防ぐことができる。
また、上記実施形態においては、基板ステージ2に温調部54を設けた構成としたが、これに限られることは無く、例えば温調部54を省略した構成であっても構わない。また、温調部54を基板ステージ2とは異なる部分に配置し、当該異なる部分から基盤ステージ2を温調する構成であっても構わない。
なお、上述の実施形態においては、基板Pの露光処理において、投影光学系PLの終端光学素子12の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子12の入射側(物体面側)の光路も液体で満たされる投影光学系を採用することもできる。なお、終端光学素子12の入射側の光路に満たされる液体は、液体LQと同じ種類の液体でもよいし、異なる種類の液体でもよい。
なお、上述の実施形態の液体LQ及び第2液体LQ2としては水を用いたが、水以外の液体であってもよい。例えば、液体LQ及び第2液体LQ2として、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。また、上記実施形態では、液体LQ及び第2液体LQ2として同一種類の液体(水)を用いたが、これに限られることは無く、異なる液体を用いても構わない。
また、上記実施形態において液体LQ及び第2液体LQ2として水を用いる場合、当該水の供給源として、例えば露光装置EXが設置される工場などの水供給設備を用いても構わない。
また、上記実施形態においては、基板ステージ2の構成として、プレート部材Tが第2保持部32によってリリース可能に保持された構成としたが、これに限られることは無く、例えばプレート部材Tがリリース可能でない構成としても構わない。また、プレート部材Tと第2保持部32側とが一体的に形成された構成であっても構わない。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、露光装置EXは、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えていてもよい。また、露光装置EXは、計測ステージを備えていなくてもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図19に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
EX…露光装置 LQ…液体 LQ2…第2液体 P…基板 LS…液浸空間 LS2…第2液浸空間 2…基板ステージ 2U…上面 8…制御装置 50…親液領域 53…供給系 54…温調部 55、56…接触領域 70a…パターン形成面

Claims (32)

  1. ステージに保持される基板の表面の一部と第1液体とが接触した状態で前記第1液体を介して前記基板に露光光を照射する露光装置であって、
    前記ステージは、第2液体に対して親液性を有しかつ前記基板を囲むように配置される1つ以上の親液領域を備え、
    前記親液領域に前記第2液体を供給する供給系を備える
    露光装置。
  2. 前記親液領域は、光触媒を含む
    請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記光触媒は、二酸化チタンである
    請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記ステージは、前記第1液体と接触する接触領域を有し、
    前記親液領域は、前記接触領域より大きい
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  5. 前記ステージは、1つの前記親液領域で前記基板を囲んでいる
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記供給系は、前記親液領域に設けられる多孔質層を有する
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記供給系は、前記第2液体の供給口を有する
    請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記親液領域を温調する温調部を更に備える
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記第2液体として、前記第1液体が用いられる
    請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記第1液体は、水である
    請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  11. 前記供給系は、前記ステージに設けられる
    請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 前記親液領域に供給された前記第2液体を回収する回収系を更に備える
    請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  13. 前記第1液体の形状に応じて前記第2液体の供給量を調整する調整部を更に備える
    請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  14. 前記ステージは、所定のパターンを有し、
    前記親液領域は、前記パターンを含んで配置される
    請求項1から請求項13のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  15. 前記親液領域は、少なくとも一部が前記基板に対して傾斜している
    請求項1から請求項14のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 前記基板の表面の一部に前記第1液体の第1液浸領域を形成させ、前記親液領域に前記第2液体の第2液浸空間を形成させ、前記第1液浸空間が前記第2液浸空間上に配置可能となるように前記ステージを駆動させる制御装置
    を更に備える請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  17. ステージに基板を保持させることと、
    前記基板の表面の一部に第1液体の第1液浸領域を形成することと、
    前記ステージに設けられ第2液体に対して親液性を有しかつ前記基板を囲むように配置される1つ以上の親液領域に、前記第2液体を供給することと、
    前記第2液体が供給された前記親液領域と、前記第1液浸領域とを接触させることと、
    前記第1液浸領域を介して前記基板に露光光を照射することと
    を含む露光方法。
  18. 前記親液領域は、光触媒を含み、
    前記親液領域に前記露光光を照射する
    請求項17に記載の露光方法。
  19. 前記光触媒は、二酸化チタンである
    請求項18に記載の露光方法。
  20. 前記親液領域は、前記ステージと前記第1液体とが接触する接触領域より大きい
    請求項17から請求項19のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  21. 前記ステージは、1つの前記親液領域で前記基板を囲んでいる
    請求項17から請求項20のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  22. 前記親液領域を温調する
    請求項17から請求項21のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  23. 前記第2液体を供給した後、前記基板の表面の一部と前記第1液体とを接触させる
    請求項17から請求項22のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  24. 前記第2液体として、前記第1液体が用いられる
    請求項17から請求項23のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  25. 前記第1液体は、水である
    請求項17から請求項24のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  26. 前記ステージに設けられた前記第2液体の供給系を介して前記第2液体を供給する
    請求項17から請求項25のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  27. 前記親液領域に供給された前記第2液体を回収する
    請求項17から請求項26のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  28. 前記第1液体の形状に応じて前記第2液体の供給量を調整する
    請求項17から請求項27のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  29. 前記親液領域は、前記ステージに設けられたパターンを含んで配置される
    請求項17から請求項28のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  30. 前記親液領域には、前記第2液体で満たされた第2液浸領域を形成し、
    前記第1液浸領域は、前記第2液浸領域上に配置可能である
    請求項17から請求項29のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  31. 請求項1から請求項16のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと
    を含むデバイスの製造方法。
  32. 請求項17から請求項30のうちいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと
    を含むデバイスの製造方法。
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JP2019070861A (ja) * 2019-02-06 2019-05-09 株式会社ニコン 露光装置及び露光方法並びにデバイス製造方法

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