JP2011086906A - 液浸部材、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

液浸部材、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体上での液体の残留を抑制できる液浸部材を提供する。
【解決手段】液浸部材は、物体に照射される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、物体が対向可能な第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面と、第3面及び第3面の反対方向を向く第4面を有し、第3面が第2面と対向するように配置される所定部材と、第1面の周囲の少なくとも一部において、光路に対する放射方向に関して外側を向くように配置され、第1液体を供給する第1供給口と、第3面が面する第1空間と第4面が面する第2空間とを接続し、第1供給口から第1空間に供給された第1液体の少なくとも一部が第2空間に流れるように設けられた通路と、を備える。液浸部材は、物体に対する露光光の照射の少なくとも一部において、光路が第2液体で満たされるように物体との間で第2液体を保持して液浸空間を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液浸部材、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、液浸部材を用いて基板に照射される露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成し、その液浸空間の液体を介して投影光学系から射出される露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2005/259234号明細書
液浸露光装置において、液浸部材と物体(基板)との間に液浸空間が形成されている状態でその物体を高速で移動した場合、液体が漏出したり、物体上に液体(膜、滴等)が残留したりする可能性がある。その結果、露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。一方、液体を良好に保持するために、物体の移動速度を低くした場合、スループットが低下する可能性がある。
本発明の態様は、物体上での液体の残留を抑制できる液浸部材、露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、スループットの低下を抑制しつつ、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、物体に照射される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、物体が対向可能な第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面と、第3面及び第3面の反対方向を向く第4面を有し、第3面が第2面と対向するように配置される所定部材と、第1面の周囲の少なくとも一部において、光路に対する放射方向に関して外側を向くように配置され、第1液体を供給する第1供給口と、第3面が面する第1空間と第4面が面する第2空間とを接続し、第1供給口から第1空間に供給された第1液体の少なくとも一部が第2空間に流れるように設けられた通路と、を備え、物体に対する露光光の照射の少なくとも一部において、光路が第2液体で満たされるように物体との間で第2液体を保持して液浸空間を形成する液浸部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、物体に照射される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、物体が対向可能な第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面と、第1面に配置され、少なくとも一部が第1面と異なる方向を向き、且つ、光路に対する放射方向に沿った外面を有する所定部材と、放射方向に関して外側を向くように所定部材に配置され、第2面に第1液体を供給する第1供給口と、を備え、物体に対する露光光の照射の少なくとも一部において、光路が第2液体で満たされるように物体との間で第2液体を保持して液浸空間を形成する液浸部材が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、露光光を射出する射出面を有する光学系と、基板の露光の少なくとも一部において、射出面と基板との間の露光光の光路が第2液体で満たされるように基板との間で第2液体を保持して液浸空間を形成する第1、第2の態様の液浸部材と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1面の周囲の少なくとも一部において光学系の光軸に対する放射方向に関して外側を向くように配置された第1供給口から、第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面に対向する所定部材の第3面が面する第1空間に第1液体を供給することと、第1空間と、第3面の反対方向を向く所定部材の第4面が面する第2空間とを接続する通路を介して、第1供給口から第1空間に供給された第1液体の少なくとも一部を前記第2空間に流すことと、第1面、第2面、及び第4面と、基板とを対向させることと、射出面と基板の表面との間の第2液体を介して射出面からの露光光で基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1面、及び第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、基板とを対向させることと、少なくとも一部が第1面と異なる方向を向き、且つ、光学系の光軸に対する放射方向に沿うように配置された外面を有する所定部材に、放射方向に関して外側を向くように配置された第1供給口から第2面に第1液体を供給することと、射出面と基板との間の第2液体を介して射出面からの露光光で基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、第5、第6の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、スループットの低下を抑制しつつ、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、スループットの低下を抑制しつつ、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る液浸部材の近傍を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材を上方から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材を下方から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を下方から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側面図である。 液浸空間の液体の状態の一例を示す模式図である。 液浸空間の液体の状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る液浸部材の作用の一例を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る液浸部材の作用の一例を説明するための模式図である。 回収口に配置された多孔部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側面図である。 第1実施形態に係る液浸部材を下方から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材を下方から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材を下方から見た図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一部を下方から見た図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一部を下方から見た図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一部を下方から見た図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体を介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。なお、後述するように、本実施形態においては、液体として、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが使用され、露光光ELは、第2液体LQ2を介して基板Pに照射される。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を光学的に計測する干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が第2液体LQ2で満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材4と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された多層膜とを含む。多層膜は、少なくとも感光膜を含む複数の膜が積層された膜である。感光膜は、感光材で形成された膜である。また、多層膜が、例えば反射防止膜、及び感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部6を有し、マスクMを保持した状態で、第1定盤7のガイド面8上を移動可能である。マスクステージ1は、駆動システム9の作動により、照明領域IRに対して、マスクMを保持して移動可能である。駆動システム9は、マスクステージ1に配置された可動子9Aと、第1定盤7に配置された固定子9Bとを有する平面モータを含む。マスクステージ1を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。マスクステージ1は、駆動システム9の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、保持部材(鏡筒)10に保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面11を有する。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12が射出面11を有する。投影領域PRは、射出面11から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面11は、−Z方向(下方)を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面11は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
本実施形態において、投影光学系PLの像面近傍の光軸AX、すなわち、終端光学素子12の光軸AXは、Z軸とほぼ平行である。なお、終端光学素子12と隣り合う光学素子で規定される光軸を終端光学素子12の光軸とみなしてもよい。また、本実施形態において、投影光学系PLの像面は、X軸とY軸とを含むXY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、像面は、ほぼ水平である。ただし、像面はXY平面と平行でなくてもよいし、曲面であってもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部13を有し、第2定盤14のガイド面15上を移動可能である。基板ステージ2は、駆動システム16の作動により、投影領域PRに対して、基板Pを保持して移動可能である。駆動システム16は、基板ステージ2に配置された可動子16Aと、第2定盤14に配置された固定子16Bとを有する平面モータを含む。基板ステージ2を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。基板ステージ2は、駆動システム16の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部13の周囲に配置され、射出面11と対向可能な上面17を有する。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書等に開示されているような、基板保持部13の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Tの下面をリリース可能に保持するプレート部材保持部18を有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面17は、プレート部材Tの上面を含む。上面17は、平坦である。
本実施形態において、基板保持部13は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持可能である。プレート部材保持部18は、プレート部材Tの上面17とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持可能である。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置5は、干渉計システム3の計測結果に基づいて、駆動システム9,16を作動し、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
液浸部材4は、露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材4の少なくとも一部は、終端光学素子12の周囲の少なくとも一部に配置される。液浸部材4は、射出面11と対向する位置に配置された物体の表面と対向可能な下面20を有する。液浸部材4は、射出面11と、射出面11と対向する位置に配置された物体との間の露光光ELの光路が第2液体LQ2で満たされるように液浸空間LSを形成する。第2液体LQ2が下面20の少なくとも一部と物体の表面(上面)との間に保持されて、液浸空間LSが形成される。
液浸空間LSは、第2液体LQ2で満たされた部分(空間、領域)である。本実施形態において、物体は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光の少なくとも一部において、液浸部材4は、終端光学素子12と基板Pとの間の露光光ELの光路が第2液体LQ2で満たされるように液浸空間LSを形成する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置5は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置5は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの第2液体LQ2とを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
次に、図2〜図8を参照して、液浸部材4について説明する。図2は、液浸部材4の近傍を示す側断面図、図3は、液浸部材4を上方から見た図、図4は、液浸部材4を下方から見た図、図5及び図6は、液浸部材4の一部を示す側断面図、図7は、液浸部材4の一部を下方から見た図、図8は、液浸部材4の一部を示す側面図である。図5は、図4のA−A線断面図に相当し、図6は、図4のB−B線断面図に相当する。
本実施形態において、露光光ELは、Z軸に沿って進行する。以下の説明において、露光光ELが進行する方向を適宜、第1方向、と称し、第1方向の逆方向を適宜、第2方向、と称する。本実施形態において、第1方向は、−Z方向であり、第2方向は、+Z方向である。本実施形態において、露光光ELの光路は、Z軸とほぼ平行である。
本実施形態において、液浸部材4は、環状の部材である。液浸部材4の少なくとも一部は、露光光ELの一部の光路及び終端光学素子12の周囲に配置されている。図3及び図4に示すように、本実施形態において、XY平面内における液浸部材4の外形は、円形である。なお、液浸部材4の外形が、他の形状(例えば、矩形)でもよい。
本実施形態において、液浸部材4は、少なくとも一部が射出面11と対向するように配置されたプレート部41と、少なくとも一部が終端光学素子12の周囲に配置される本体部42と、プレート部41の周囲の少なくとも一部に配置された櫛歯部40とを有する。
液浸部材4は、投影光学系PLの射出面11から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される第1面21と、第1面21の周囲の少なくとも一部に配置される第2面22と、第3面23及び第3面23の反対方向を向く第4面24を有し、第3面23が第2面22に対向するように配置されるロッド部材30と、第1面21の周囲の少なくとも一部において、投影光学系PLの光軸AX(露光光ELの光路)に対する放射方向に関して外側を向くように(放射方向外方を向くように)配置され、第1液体LQ1を供給する第1供給口51と、第3面23が面する空間33と第4面24が面する空間34とを接続し、第1供給口51から空間33に供給された第1液体LQ1の少なくとも一部が空間34に流れるように設けられた通路35とを備えている。本実施形態において、液浸部材4の下面20は、第1面21、第2面22、及び第4面24を含む。
射出面11、第1面21、第2面22、及び第4面24は、液浸部材4の下方に配置された物体(基板P、プレート部材T等)の表面(上面)と対向可能である。第1面21は、間隙G1を介して、物体の表面と対向可能である。第2面22は、間隙G2を介して、物体の表面と対向可能である。第4面24は、間隙G4を介して、物体の表面と対向可能である。
第3面23は、第2面22と間隙G3を介して対向する。空間33は、間隙G3を含む。空間34は、間隙G4を含む。本実施形態において、間隙G3は、間隙G1、G4よりも小さい。
また、本実施形態において、液浸部材4は、射出面11から射出される露光光ELの光路Kに第2液体LQ2を供給する第2供給口52を備えている。
本実施形態において、第1液体LQ1と第2液体LQ2とは、同じ種類の液体である。本実施形態においては、第1液体LQ1及び第2液体LQ2として、水(純水)を用いる。以下の説明において、第1液体LQ1及び第2液体LQ2を総称して適宜、液体LQ、と称する。
本実施形態において、第1面21は、射出面11から射出される露光光ELの光路Kの周囲に配置されている。第2面22は、第1面21の周囲に配置されている。本実施形態において、XY平面内における第1面21及び第2面22の外形は、円形である。また、XY平面内における第2面22の内側エッジ22E1も、円形である。本実施形態において、第1面21の少なくとも一部は、プレート部41に配置され、第2面22は、本体部42に配置されている。
ロッド部材30は、第1面21の周囲の少なくとも一部に配置される。ロッド部材30は、第1面21の周囲の少なくとも一部において所定間隔で複数配置されている。本実施形態において、ロッド部材30は、第1面21の周囲に等間隔で複数配置されている。なお、ロッド部材30が、第1面21の周囲に不等間隔で複数配置されていてもよい。
櫛歯部40は、複数のロッド部材30を含む。すなわち、複数のロッド部材30は、所謂、櫛歯構造を形成する。ロッド部材30のそれぞれは、光軸AXに対する放射方向に長い(放射方向に沿った長軸を有する)。
本実施形態において、通路35は、隣り合うロッド部材30の間の間隙G30を含む。間隙G30は、光軸AXに対する放射方向に長い(放射方向に沿った長軸を有する)。第1供給口51から空間33に供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、間隙G30を介して、空間34に流れる。
本実施形態においては、図4に示すように、光軸AXに対する放射方向に関して、間隙G30の寸法は、ほぼ均一である。
本実施形態において、光軸AXに対する放射方向に関するロッド部材30の寸法は、第2面22の寸法より小さい。第2面22は、光軸AXを囲む第1領域22Aと、第1領域22Aの周囲の第2領域22Bとを含む。第1領域22Aは、環状(輪帯状)である。第3面23(ロッド部材30)は、第1領域22Aと対向する。
また、液浸部材4は、第1面21の反対方向を向き、少なくとも一部が射出面11と対向するように露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される第5面25を有する。本実施形態において、第5面25は、光路Kの周囲に配置されている。第5面25は、プレート部41に配置されている。第5面25は、間隙G5を介して、射出面11と対向する。
液浸部材4のプレート部41は、射出面11から射出された露光光ELが通過可能な開口43を有する。第1面21及び第5面25は、開口43の周囲に配置されている。基板Pの露光中、射出面11から射出された露光光ELは、開口43を介して、基板Pの表面に照射される。図3及び図4に示すように、本実施形態において、開口43は、基板Pの走査方向(Y軸方向)と交差するX軸方向に長い。
基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面11、第1面21、第2面22、及び第4面24は、基板Pの表面と対向する。なお、第1面21と基板Pの表面とが対向している状態は、第1面21と基板Pの表面との間に第2液体LQ2が存在している状態を含む。また、第2面22と基板Pとが対向している状態は、第2面22と基板Pとの間に液体LQの流れ(後述の液体面LQS)が形成されている状態を含む。
本実施形態において、第2面22は、第1面21よりも、第2方向(+Z方向)に配置されている。本実施形態において、間隙G2は、間隙G1よりも大きい。
本実施形態において、第1面21は、XY平面とほぼ平行である。第2面22の少なくとも一部は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって、第2方向(+Z方向)に傾斜する。すなわち、第2面22は、第1面21に対して傾斜している。また、第5面25は、第1面21とほぼ平行である。本実施形態において、第5面25と射出面11とは、ほぼ平行である。
本実施形態において、第3面23は、XY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、第2面22の第1領域22Aと第3面23とは、ほぼ平行である。本実施形態においては、第2領域22Bが、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって、第2方向(+Z方向)に傾斜する。
液浸部材4の本体部42は、終端光学素子12の側面12Fの少なくとも一部と間隙G44を介して対向する内側面44と、保持部材10の下面10Uと間隙G45を介して対向する上面45とを有する。側面12Fは、射出面11と異なる面であり、露光光ELが通過しない面である。側面12Fは、射出面11の周囲に配置されている。なお、内側面44の少なくとも一部が保持部材10の一部と対向していてもよい。あるいは、上面45の少なくとも一部が終端光学素子12の一部と対向していてもよい。
本実施形態において、第1面21の外形を規定する外側エッジ21E2と第4面24の内側エッジ24E1とは、結ばれている。また、本実施形態において、第1面21と第4面24とは、ほぼ同一平面内に配置されている。すなわち、本実施形態において、第4面24は、XY平面とほぼ平行である。
本実施形態において、第1供給口51の少なくとも一部は、第2面22の内側エッジ22E1と、第3面23の内側エッジ23E1との間に配置される。第1供給口51から供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、第2面22と第3面23との間に供給される。また、第1供給口51から供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、通路35(間隙G30)を介して、第4面24と物体(基板P)の表面との間に供給される。
第1供給口51は、第1液体LQ1が第2面22上を光軸AXに対する放射方向に関して外側に流れるように、第1液体LQ1を供給する。第1供給口51は、第1液体LQ1が第2面22と接触しながら第2面22に沿って光軸AXに対する放射方向に関して外側に流れるように、第1液体LQ1を供給する。
図8等に示すように、本実施形態において、第1供給口51は、光軸AXを囲むように形成されたスリット開口である。第1供給口51は、第2面22の内側エッジ22E1に沿うように配置されている。Z軸方向に関する第1供給口51の寸法(スリット幅)G51は、十分に小さい。第1供給口51の寸法G51は、間隙G3よりも小さい。第1供給口51のサイズG51は、例えば基板Pの露光中における間隙G1よりも小さい。
第2供給口52は、液浸部材4と終端光学素子12との間隙に第2液体LQ2を供給する。本実施形態においては、第2供給口52は、射出面11から射出される露光光ELの光路Kに面するように、液浸部材4の所定部位に配置されている。本実施形態において、第2供給口52は、射出面11と第5面25との間に第2液体LQ2を供給する。本実施形態において、第2供給口52は、内側面44に配置されている。図3に示すように、本実施形態においては、第2供給口52は、開口43(露光光ELの光路K)に対して+Y側及び−Y側のそれぞれに配置されている。なお、第2供給口52が、開口43(露光光ELの光路K)に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置されてもよい。また、第2供給口52の数は、2つに限られない。第2供給口52は、露光光ELの光路の周囲において、3箇所以上の位置に配置されてもよい。
第2供給口52からの第2液体LQ2は、射出面11から射出される露光光ELの光路Kに供給される。これにより、露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされる。また、基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面11、第1面21、第2面22、及び第4面24に基板Pの表面が対向する。基板Pの露光の少なくとも一部において、第2供給口52から射出面11と第5面25との間に供給された第2液体LQ2の少なくとも一部は、開口43を介して、第1面21と基板Pの表面との間の空間31に供給され、射出面11と基板Pの表面との間の露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされる。また、第2液体LQ2の少なくとも一部は、第1面21と基板Pの表面との間に保持される。基板Pは、射出面11と基板Pの表面との間の第2液体LQ2を介して、射出面11からの露光光ELで露光される。
本実施形態において、第1面21と物体との間に保持された第2液体LQ2によって、液浸空間LSの一部が形成される。本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているときに、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が第2液体LQ2で覆われるように液浸空間LSが形成される。本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
以下、簡単のため、液浸部材4の下面20と対向する位置に基板Pが配置され、液浸部材4と基板Pとの間に第2液体LQ2が保持されて液浸空間LSが形成される場合を例にして説明する。なお、上述のように、射出面11及び液浸部材4と他の部材(基板ステージ2のプレート部材T等)との間に液浸空間LSを形成することができる。
本実施形態においては、第2供給口52から供給された第2液体LQ2の少なくとも一部によって、射出面11と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされるように、射出面11、及び下面20の少なくとも一部と基板Pの表面との間に液浸空間LSが形成される。
図2、図5、図6においては、液浸空間LSの第2液体LQ2の気液界面(メニスカス、エッジ)LGは、第2面22と基板Pの表面との間に形成されている。第1供給口51、通路35、空間33、及び空間34は、液浸空間LSに配置される。すなわち、第1供給口51、通路35、空間33、及び空間34が、第2供給口52から供給された第2液体LQ2によって形成される液浸空間LSの第2液体LQ2と接触するように、液浸空間LSが形成されている。図2、図5、図6においては、第1供給口51が液浸空間LSの第2液体LQ2に浸かった状態で、第1供給口51から第2面22に第1液体LQ1が供給されている。すなわち、本実施形態においては、第1供給口51は、液浸空間LSに配置された状態で、第1液体LQ1を供給する。
本実施形態において、第1供給口51からの第1液体LQ1の供給は、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給と並行して実行される。すなわち、第2液体LQ2の液浸空間LSが形成された状態で第1供給口51から第2面22に第1液体LQ1が供給され、その第1供給口51からの第1液体LQ1は、第2面22上を光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる。また、液浸空間LSの第2液体LQ2の少なくとも一部は、第1供給口51からの第1液体LQ1とともに、第2面22上を光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる。これにより、光軸AXに対する放射方向に関して液浸空間LSの界面LGの外側では、液体LQ(第1液体LQ1及び第2液体LQ2の少なくとも一方)が、基板P(物体)の表面と接触することなく、第2面22上を光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる。すなわち、光軸AXに対する放射方向に関して液浸空間LSの界面LGの外側には、第2面22上を流れる液体LQの表面(液体面LQS)と、それに対向する基板P(物体)の表面との間に気体空間が存在する。
第1供給口51からの第1液体LQ1の少なくとも一部は、通路35を介して、第4面24(櫛歯部40)と基板Pとの間の空間34に流れる。また、第2供給口52から供給され、開口43を介して第1面21が面する空間31に流れた第2液体LQ2の少なくとも一部は、その空間31を介して、第4面24が面する空間34に流れる。
本実施形態において、第1供給口51から供給される第1液体LQ1の流速は、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の流速よりも高い。
本実施形態において、通路35から空間34に流れる第1液体LQ1の流速は、空間31から空間34に流れる第2液体LQ2の流速よりも高い。
また、本実施形態においては、基板Pの露光の少なくとも一部において、液浸空間LSが形成された状態で、射出面11(第1面21)とほぼ平行なXY平面内の所定方向に基板Pが移動される。例えば、基板Pのショット領域の露光において、基板Pは、Y軸方向に移動され、そのショット領域の露光終了位置から次のショット領域の露光開始位置までのステップ移動において、基板Pは、例えばX軸方向に移動される。本実施形態において、第1供給口51から基板Pの移動方向(所定方向)とほぼ平行に供給される第1液体LQ1の流速は、所定方向に関する基板Pの移動速度よりも高い。
第2面22は、第1液体LQ1に対して親液性であることが望ましい。本実施形態において、第1液体LQ1に対する第2面22の接触角は、90度以下である。本実施形態において、第2面22は、チタン製であり、第1液体LQ1に対して親液性(親水性)である。本実施形態においては、第2面22は、第2面22と対向する物体(例えば基板P)の表面よりも親液性であることが望ましい。なお、液浸部材4の下面20の少なくとも一部に、第1液体LQ1に対して親液性の材料で形成された膜を配置して、第2面22を第1液体LQ1に対して親液性にしてもよい。また、第2面22は第1液体LQ1に対して親液性でなくてもよい。
また、液浸部材4は、光軸AXに対する放射方向に関して第2面22の外側に配置され、第2面22上の液体LQ(第1液体LQ1及び第2液体LQ2の少なくとも一方)の少なくとも一部を回収する回収部60を備えている。回収部60は、第1供給口51から供給され、第2面22上を流れた第1液体LQ1、及び第1液体LQ1とともに第2面22上を流れた第2液体LQ2を回収可能である。
本実施形態において、回収部60は、第2面22と交差するように配置された第6面26を有する。第2面22の外側エッジ22E2と第6面26との間に間隙G6が形成されている。回収部60は、第2面22から間隙G6に流入した液体LQの少なくとも一部を回収する。
また、本実施形態においては、第6面26の少なくとも一部は、第2面22の外側エッジ22E2よりも第1方向(−Z方向)に、光軸AXを向くように配置されている。本実施形態において、第6面26は、光軸AXとほぼ平行に配置されている。
また、本実施形態においては、回収部60は、第6面26の下端に接続され、第2面22の周縁領域と間隙G7を介して対向するように配置された第7面27を有する。第7面27は、第2面22の周縁領域の下方において第2方向(+Z方向)を向くように配置されている。
本実施形態においては、第6面26は、第2面22の周囲に環状に配置されている。また、XY平面内において、第7面27は、環状である。
本実施形態においては、第2面22の外側エッジ22E2と第6面26との間の間隙G6が、第2面22上の液体LQの少なくとも一部を回収可能な回収部60の回収口61を構成する。本実施形態においては、XY平面内における回収口61の形状は、環状である。なお、XY平面内において、回収口61が、露光光ELの光路Kの周囲に所定間隔で複数配置されていてもよい。なお、本実施形態において、回収口61近傍から基板P(物体)の表面への液体LQの落下を防止する第7面27が設けられているが、第7面27を省いてもよい。
図2に示すように、第1供給口51は、供給流路70を介して、第1液体供給装置71と接続されている。供給流路70は、液浸部材4の内部流路72、及びその内部流路72と第1液体供給装置71とを接続する供給管の流路73を含む。第1液体供給装置71は、クリーンで温度調整された第1液体LQ1を第1供給口51に供給することができる。
本実施形態において、内部流路72の流入口74は、液浸部材4の上面45に配置されている。第1液体供給装置71からの第1液体LQ1は、流入口74を介して内部流路72に流入する。内部流路72は、流入口74から放射方向に関して内側に延びる第1部分72Aと、少なくとも一部が屈曲し、第1部分72Aと第1供給口51とを結ぶ第2部分72Bとを有する。第2部分72Bの下端は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に延びる。本実施形態において、第1部分72A、及び第2部分72Bを含む内部流路72は、光軸AXを囲むように形成されている。
流入口74より内部流路72に流入した第1液体LQ1は、第1部分72Aにおいて、光軸AXを囲むように拡がって流れ、第2部分72Bを介して、第1供給口51に供給される。第1供給口51は、第1液体LQ1が第2面22上を放射方向に関して外側に流れるように、第2部分72Bからの第1液体LQ1を第2面22に供給する。第1供給口51は、第2面22のほぼ全部の領域が第1液体LQ1で濡れるように、第2面22に第1液体LQ1を供給する。
また、図2に示すように、第2供給口52は、供給流路80を介して、第2液体供給装置81と接続されている。供給流路80は、液浸部材4の内部流路82、及びその内部流路82と第2液体供給装置81とを接続する供給管の流路83を含む。第2液体供給装置81は、クリーンで温度調整された第2液体LQ2を第2供給口52に供給することができる。
また、図2に示すように、回収口61は、回収流路90を介して、液体回収装置91と接続されている。本実施形態において、回収流路90は、液浸部材4の内部流路92、及びその内部流路92と液体回収装置91とを接続する回収管の流路93を含む。内部流路92の少なくとも一部は、第6面26と、第6面26と間隙G8を介して対向する第8面28との間に形成されている。液体回収装置91は、真空システム(真空源と回収口61との接続状態を制御するバルブなど)を含み、回収口61から液体LQを吸引して回収することができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
制御装置5は、第1面21、第2面22、及び第4面24と基板Pの表面(あるいは基板ステージ2の上面17)とを対向させる。第1面21と基板Pの表面とは、間隙G1を介して対向し、第2面22と基板Pの表面とは間隙G2を介して対向し、第4面24と基板Pの表面とは間隙G4を介して対向する。
制御装置5は、第1面21、第2面22、及び第4面24と基板Pの表面とを対向させた状態で、第2液体供給装置81から第2液体LQ2を送出する。
第2液体供給装置81から送出された第2液体LQ2は、第2供給口52より、射出面11と第5面25との間に供給され、射出面11から射出される露光光ELの光路Kに供給される。これにより、露光光ELの光路Kは、液体LQで満たされる。
また、第2供給口52から供給された第2液体LQ2の少なくとも一部は、開口43を介して、第1面21と基板Pの表面との間の空間31に供給され、第1面21と基板Pの表面との間に保持される。また、空間31の第2液体LQ2の少なくとも一部は、第4面24が面する空間34に流れ、第2面22及び第4面24と基板Pの表面との間に保持される。これにより、第2供給口52から供給された第2液体LQ2によって、射出面11と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされるように、射出面11、第1面21、第2面22の少なくとも一部、及び第4面24と基板Pの表面との間に液浸空間LSが形成される。
また、制御装置5は、第1液体供給装置71から第1液体LQ1を送出する。また、制御装置5は、液体回収装置91を作動する。第1液体供給装置71から送出された第1液体LQ1は、供給流路70を介して、第1供給口51に供給される。第1供給口51は、第3面23が面する空間33に第1液体LQ1を供給する。第1供給口51から空間33に供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、その空間33を介して、第2面22に供給される。また、空間33に供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、通路35を介して、第4面24が面する空間34に流れる。
制御装置5は、第1供給口51からの第1液体LQ1の供給と、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給とが並行して行われるように、第1液体供給装置71及び第2液体供給装置81を制御する。すなわち、制御装置5は、第2供給口52からの第2液体LQ2で液浸空間LSが形成された状態で第1供給口51から第1液体LQ1を供給する。
第1供給口51から第1液体LQ1が供給されると、その第1供給口51からの第1液体LQ1が第2面22上を放射方向に関して外側に流れるとともに、液浸空間LSの第2液体LQ2の少なくとも一部が第1供給口51からの第1液体LQ1とともに第2面22上を放射方向に関して外側に向かって流れる。制御装置5は、第2面22上を流れる液体LQの表面(液体面LQS)と基板P(物体)の表面との間に気体空間が形成されるように第1供給口51から第1液体LQ1を供給する。これにより、光軸AXの放射方向に関して第1面21の外側(液浸空間LSの界面LGの外側)には、光軸AXの放射方向において外側に向かって流れる液体LQの液体面LQSが形成される。第2面22上を放射方向に関して外側に流れた液体LQ(第1,第2液体LQ1,LQ2)は、回収部60に回収される。第2面22上を流れた液体LQの少なくとも一部は回収口61より回収される。
制御装置5は、第1供給口51からの第1液体LQ1の供給と、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給と、回収部60(回収口61)による液体LQの回収とを並行して行って、第2面22上に液体LQを流しながら、射出面11と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされるように液浸空間LSを形成する。
制御装置5は、第1供給口51からの第1液体LQ1の供給と並行して、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給を実行し、第2液体LQ2で基板Pの表面の一部が局所的に覆われるように液浸空間LSを形成した状態で、基板Pの露光を開始する。
制御装置5は、照明系ILより露光光ELを射出して、マスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PLの射出面11から射出される。制御装置5は、射出面11と基板Pとの間の第2液体LQ2を介して、射出面11からの露光光ELで基板Pを露光する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pが露光光ELで露光される。基板Pの露光中にも、第1供給口51からの第1液体LQ1の供給と、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給とが並行して行われる。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは、走査型露光装置であり、基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面11と基板Pとの間に第2液体LQ2が保持されている状態で(液浸空間LSが形成されている状態で)、基板PがXY平面内の所定方向に移動される。例えば、基板Pに対する露光光ELの照射中(スキャン露光中)においては、基板Pは、終端光学素子12及び液浸部材4に対してY軸方向に移動する。また、基板P上の複数のショット領域を順次露光する場合において、あるショット領域の露光後、次のショット領域を露光する場合、基板Pは、終端光学素子12及び液浸部材4に対して、例えばX軸方向、あるいはXY平面内におけるX軸に対する傾斜方向にステップ移動する。また、スキャン露光中の移動、及びステップ移動に限られず、基板Pは、射出面11との間に第2液体LQ2を保持した状態で、様々な移動条件で移動する可能性がある。基板Pの移動条件は、XY平面内における所定方向(例えば−Y方向)に関する移動速度、加速度(減速度)、及び移動距離(XY平面内における第1位置から第2位置へ移動するときの移動距離)の少なくとも一つを含む。
本実施形態においては、第1供給口51から第1液体LQ1が、光軸AXに対する放射方向において外側に向かって第2面22上を流れているので、例えば、基板Pを高速、あるいは高加速度で移動した場合にも、液浸部材4と基板Pとの間の空間からの第2液体LQ2の漏出、及び基板P上の第2液体LQ2(膜、滴等)の残留を抑制することができる。
また、本実施形態においては、第1供給口51からの第1液体LQ1の少なくとも一部が、通路35を介して、空間34に流れるので、第2液体LQ2の漏出、及び第2液体LQ2の残留等をより効果的に抑制することができる。
以下、第1供給口51から供給される第1液体LQ1の作用について説明する。図9及び図10は、液浸空間LSが形成された状態で、基板Pが−Y方向に移動した場合における、液浸空間LSの界面LGの形状、及び液浸部材400の下面420と基板Pの表面との間における液体LQの流速分布の一例を模式的に示す図である。図9及び図10において、流速分布は、矢印で示されている。
図9は、流速が高い第1液体LQ1が第2面422に供給されるとともに、基板Pが−Y方向に高速で移動された場合における、界面LGの形状、及び液体LQの流速分布を示す。流速が高い第1液体LQ1が第2面422に供給されるとともに、基板Pが−Y方向に高速で移動された場合、液体LQの流速は、液浸部材400の下面420の近傍、及び基板Pの表面の近傍において高くなる。一方、例えば液体LQの粘性の作用により、液体LQの流速は、液浸部材400の下面420と基板Pの表面との間のほぼ中央部において低くなる。換言すれば、中央部における流速の発達が、下面420の近傍、及び基板Pの表面の近傍における流速の発達よりも遅くなる。その結果、図9に示すように、基板Pの表面に液体LQの膜が形成される可能性が高くなる。
図10は、液体LQの漏出、残留が十分に抑制される液浸空間LSの界面LGの形状、及び液体LQの流速分布の一例を示す模式図である。図10に示すように、液浸部材400の下面420の近傍、及び基板Pの表面の近傍における流速と中央部における流速との差が小さくなるように流速分布が調整されることによって、基板Pの表面において液体LQの膜が形成されることを抑制でき、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。図10においては、液浸部材400の下面420と基板Pの表面との間を流れる液体LQのうち、基板Pの表面の近傍における液体LQの流速が低く、液浸部材400の下面420の近傍における液体LQの流速が高い。以下の説明において、図10に示す界面LGの形状を適宜、理想形状、と称し、図10に示す液体LQの流速分布を適宜、理想流速分布、と称する。
図10に示す理想速度分布を得るために、例えば第1供給口(51)から第2面422に供給する第1液体LQ1の流速を低下したり、基板Pの移動速度を低下したりすることが考えられる。第1液体LQ1の流速を低下した場合、第1供給口(51)から供給された第1液体LQ1が基板Pに落下したり、第2面422上を流れて回収部(60)まで到達することが困難となったりする可能性がある。また、基板Pの移動速度を低下した場合、例えば露光処理に時間を要し、スループットが低下する可能性がある。
本実施形態においては、第1供給口51から供給された第1液体LQ1の少なくとも一部が、通路35を介して空間34に流れるので、通路35から空間34に流入した第1液体LQ1が、空間31から空間34に流れる第2液体LQ2に作用して、空間34における液体LQの流速分布が調整される。本実施形態においては、界面LGが図10に示した理想形状になるように、流速分布が調整される。
図11及び図12は、本実施形態に係る液浸部材4の作用の一例を示す模式図である。図11は、ロッド部材30を含む断面図、図12は、通路35を含む断面図である。図11及び図12は、液浸部材4と基板Pとの間に液浸空間LSが形成された状態で、−Y方向に基板Pが移動される場合を示す。
制御装置5は、第2供給口52から第2液体LQ2を供給して、液浸空間LSを形成した状態で、第1供給口51から第1液体LQ1を供給する。第2供給口52から供給された第2液体LQ2は、開口43を介して、空間31に流れる。第1供給口51は、液浸空間LSに配置された状態で、第1液体LQ1を供給する。本実施形態においては、基板PがXY平面内の所定方向に移動する場合において、第1供給口51からその所定方向に供給される第1液体LQ1の流速は、その所定方向に関する基板Pの移動速度よりも高い。すなわち、例えば基板Pが−Y方向に移動する場合において、第1供給口51から−Y方向に供給される第1液体LQ1の流速は、その−Y方向に関する基板Pの移動速度よりも高い。
図11に示すように、第1供給口51から空間33に供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、第2面22と第3面23との間を高速で移動した後、第2面22(第2領域22B)上を流れて、回収部60(外側エッジ22E2)に到達する。
また、図12に示すように、第1供給口51から空間33に供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、通路35を介して、空間34に流れる。通路35から空間34に流入した第1液体LQ1は、空間31から空間34に流入した第2液体LQ2に作用する。これにより、図11及び図12中の矢印で示すように、第4面24と基板Pの表面との間の空間34における液体LQの流速分布が調整される。例えば、第1液体LQ1が第2液体LQ2に作用することによって、空間34の第4面24の外側エッジ24E2における液体LQの流速が、空間33の第3面23の外側エッジ23E2における液体LQの流速に近づくように流速分布が調整される。
本実施形態においては、第1供給口51から供給される第1液体LQ1の流速は、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の流速よりも高い。また、第1供給口51から高速で第1液体LQ1が供給され、通路35から空間34に流れる第1液体LQ1の流速は、空間31から空間34に流れる第2液体LQ2の流速よりも高い。通路35から空間34に流入した第1液体LQ1と、空間31から空間34に流入した第2液体LQ2とが相互に作用することによって、その空間34において、液体LQの流速が調整される。すなわち、空間31から空間34に流入した第2液体LQ2の流速が、第1液体LQ1の作用によって高まる。具体的には、第4面24(第2面22)と基板Pの表面との間の中央部における第2液体LQ2の流速が、第1液体LQ1の作用によって高まる。これにより、液浸部材4と基板Pとの間の中央部における液体LQの流速の低下が抑制される。すなわち、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが相互に作用することによって、液浸部材4の下面20(第2面22)の近傍、及び基板Pの表面の近傍における流速と、中央部における流速との差が小さくなるように、液体LQの流速分布が調整される。したがって、液浸部材4と基板Pとの間における液体LQの流速分布を、理想流速分布に近づけ、界面LGを理想形状に近づけることができ、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。
空間34の液体LQは、第2面22と第3面23との間を高速で流れる第1液体LQ1の作用によって、基板P上に落下することなく、その第1液体LQ1とともに第2面22(第2領域22B)上を流れて、回収部60に到達することができる。
本実施形態において、第2面22(第2領域22B)上を流れる液体LQの流速は、その液体LQ(液体面LQS)と対向する基板P(物体)の移動速度よりも高い。したがって、その第2面22上を流れる液体LQは、基板P上に落下することなく、回収部60に到達することができる。なお、第2面22上を流れる液体LQの流速が、基板P(物体)の移動速度よりも低くてもよい。
本実施形態においては、通路35から空間34に流入した第1液体LQ1と、空間31から空間34に流入した第2液体LQ2との相互の粘性の作用によって、空間34を流れて第4面24の外側エッジ24E2に到達した液体LQの流速と、第2面22と第3面23との間を流れて第3面23の外側エッジ23E2に到達した液体LQの流速とが、近づく。換言すれば、空間34において−Y方向に流れる液体LQの流速は、通路35から空間34に流入する第1液体LQ1の作用によって徐々に発達して、第2面22と第3面23との間を−Y方向に流れる第1液体LQ1の流速に近づく。したがって、液浸部材4と基板Pとの間における液体LQの流速分布を理想流速分布に近づけることができ、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。
なお、基板Pの移動条件に応じて、第1供給口51からの第1液体LQ1の供給条件が調整されてもよい。例えば、XY平面内の所定方向(例えばY軸方向)に関する基板Pの移動速度に応じて、第1供給口51から供給される第1液体LQ1の流速が調整されてもよい。例えば、基板Pが−Y方向に高速で移動する場合、第1供給口51から−Y方向に供給する第1液体LQ1の流速を高くする。例えば、制御装置5は、第1液体供給装置71から送出される単位時間当たりの第1液体LQ1の供給量を調整することによって、第1液体LQ1の流速を調整することができる。基板Pの移動速度に応じて、第1液体LQ1の流速が調整されることによって、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。
また、制御装置5は、XY平面内の所定方向(例えばY軸方向)に関する基板Pの加速度に応じて、第1供給口51からY軸方向とほぼ平行に供給される第1液体LQ1の流速を調整することができる。例えば、基板Pが−Y方向に高加速度で移動する場合、第1供給口51から−Y方向に供給する第1液体LQ1の流速を高くする。こうすることによっても、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。
また、XY平面内の所定方向(例えばY軸方向)に関する基板Pの直線移動距離に応じて、第1供給口51からY軸方向とほぼ平行に供給される第1液体LQ1の流速を調整することができる。
このように、基板Pの移動条件に応じて、基板Pの移動方向と同方向(−Y方向)への第1供給口51からの第1液体LQ1の供給条件を調整することによって、液体LQの漏出、残留等の発生を抑制することができる。
なお、上述の説明では、基板P上に第2液体LQ2の液浸空間LSが形成されている場合について説明したが、基板ステージ2(プレート部材T)上、あるいは基板ステージ2(プレート部材T)と基板Pとに跨るように第2液体LQ2の液浸空間LSが形成されている場合も同様である。
以上説明したように、本実施形態によれば、液体LQが漏出したり、液浸部材4と対向する物体(基板P等)の表面に液体LQが残留したりすることを抑制できる。本実施形態によれば、基板Pを高速で移動した場合でも、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。したがって、スループットの低下を抑制しつつ、露光不良の発生を抑制できる。
また、本実施形態によれば、回収部60が第6面26を有するので、第2面22からの液体LQの漏出を抑制しつつ、その第2面22からの液体LQを回収口61から良好に回収することができる。また、第7面27が設けられているので、第2面22の周縁領域の液体LQが基板P上等に落下することを抑制することができる。
なお、図13に示すように、回収口61にメッシュ等の多孔部材64が配置されてもよい。
なお、図14に示すように、第1供給口151が、光軸AXの周囲において所定間隔で複数配置されてもよい。図14に示す例では、第1供給口151のそれぞれは、円形であるが、例えば四角形、楕円形等、任意の形状でよい。
なお、図15に示すように、光軸AXに対する放射方向に関して、間隙G30の寸法が変化してもよい。図15に示す例では、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって、間隙G30の寸法が徐々に大きくなっており、ロッド部材30Bの寸法が徐々に小さくなっている。なお、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって、間隙G30の寸法が徐々に小さくなってもよい。
なお、上述の実施形態においては、第1面21と第4面24とが、ほぼ同一平面内に配置されることとしたが、第4面24の少なくとも一部が、第1面21よりも、第2方向(+Z方向)に配置されてもよい。例えば、図16に示すように、第4面24が、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって第2方向(+Z方向)に傾斜していてもよい。また、第1面21と第4面24との間に段差があってもよい。
なお、上述の実施形態においては、第2面22(第1領域22A)と第3面23とがほぼ平行であることとしたが、非平行でもよい。例えば、図17に示すように、第2面22と第3面23との間の空間のZ軸方向の寸法が、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって徐々に大きくなるように、第2面22に対して第3面23が傾斜していてもよい。
なお、上述の実施形態においては、第1面21の外側エッジ21E2と第4面24の内側エッジ24E1とが結ばれていることとしたが、図18に示すように、離れていてもよい。図18において、ロッド部材30Cは、間隙を介して第1面21(プレート部41)の周囲に配置されている。ロッド部材30Cのそれぞれは、接続部材30Zを介して、第2面22の少なくとも一部に接続されている。なお、ロッド部材30Cの第3面23の少なくとも一部が、第2面22の第2領域22Bと対向していてもよい。また、図18に示すように、第1供給口51が、第2面22の内側エッジ22E1と第3面23の内側エッジ23E1との間に配置されていなくてもよい。また、第1供給口51の少なくとも一部が、空間33に面する第2面22の少なくとも一部に配置されてもよいし、空間33に面する第3面23の少なくとも一部に配置されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、液浸部材4が、プレート部41の周囲に配置された複数のロッド部材30を含む櫛歯部40を有し、第3面23及び第4面24がロッド部材30に配置されていることとしたが、例えば、図19に示すように、液浸部材4が、プレート部41の周囲に配置されたプレート部材130を有し、第3面23及び第4面24が、そのプレート部材130に配置されることとしてもよい。図19に示す例において、第3面23が面する空間33と第4面24が面する空間34とを接続する通路35は、第3面23と第4面24とを結ぶようにプレート部材130に形成された開口135を含む。第1供給口51から供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、開口135を介して、空間34に流入する。図19に示す例においては、開口135は、光軸AXに対する放射方向に長い(放射方向に沿った長軸を有する)スリット状である。また、開口135は、第1面21の周囲において、所定間隔で複数配置されている。図19に示す例においても、液体LQの流速分布を理想流速分布に近づけることができ、液体LQの漏出、残留等の発生を抑制することができる。
なお、図20に示すように、プレート部材130に形成される開口135Bが、例えば円形でもよいし、楕円でもよい。また、その開口135Bが、光軸AXに対する放射方向に複数配置されてもよいし、第1面21の周囲に複数配置されてもよい。また、開口135Bが、矩形でもよい。また、光軸AXに対する放射方向に関する開口135Bの寸法が、光軸AXの周方向に関する開口135Bの寸法と等しくてもよいし、短くてもよい。
また、プレート部材130が、間隙を介して第1面21(プレート部41)の周囲に配置されていてもよい。また、空間33に面するプレート部材130の第3面23の少なくとも一部に第1供給口51が配置されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、光軸AXに対する放射方向に関するロッド部材30(プレート部材130)の寸法が、第2面22の寸法より小さいこととしたが、ロッド部材30(プレート部材130)の少なくとも一部が、第2面22の寸法と同じでもよい。例えば、複数のロッド部材30のうち、一部のロッド部材30の外側エッジ(第3面23の外側エッジ23E2)が、第2面22の外側エッジ22E2と対向していてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図21は、第2実施形態に係る液浸部材4Bの一部を示す側断面図、図22は、液浸部材の一部を下方から見た図である。
図21及び図22において、液浸部材4Bは、射出面11から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される第1面21と、第1面21の周囲の少なくとも一部に配置される第2面22と、第1面21に配置され、少なくとも一部が第1面21と異なる方向を向き、且つ、光軸AXに対する放射方向に沿った外面310を有する供給部材300と、光軸AXに対する放射方向に関して外側を向くように(放射方向外方を向くように)供給部材300に配置され、第2面22に第1液体LQ1を供給する第1供給口351とを備えている。
本実施形態において、供給部材300は、少なくとも一部が第1面21と間隙G310を介して対向する管部材300Pを含む。外面310は、管部材300Pの外周面の少なくとも一部を含む。本実施形態において、第1供給口351は、第1面21と基板Pの表面との間のほぼ中央に配置される。
本実施形態において、第1面21は、第1方向(−Z方向)を向き、XY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、管部材300Pの外周面の断面は、円形である。図21及び図22において、管部材300Pの外周面は、+Z方向を向く第1部分、+X方向を向く第2部分、及び−X方向を向く第3部分を含む。また、管部材300Pの外周面は、第1面21と同じ方向(−Z方向)を向く第4部分も含む。本実施形態において、管部材300Pは、光軸AXの周囲において所定間隔で複数配置される。
また、液浸部材4Bは、光路Kに第2液体LQ2を供給する第2供給口52を備えている。本実施形態において、第1供給口351からの第1液体LQ1の供給は、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給と並行して実行される。第2供給口52から供給された第2液体LQ2の少なくとも一部によって、射出面11と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされるように、射出面11、第1面21、及び第2面22の少なくとも一部と基板Pの表面との間に液浸空間LSが形成され、第1供給口351は、液浸空間LSに配置された状態で、第1液体LQ1を供給する。
本実施形態において、第1供給口351から供給される第1液体LQ1の流速は、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の流速よりも高い。本実施形態において、第1供給口351から供給される第1液体LQ1の流速は、第2供給口52から開口43を介して空間31に流れる第2液体LQ2の流速よりも高い。
なお、第1供給口351から供給される第1液体LQ1の流速が、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の流速より低くてもよい。また、第1供給口351から供給される第1液体LQ1の流速が、第2供給口52から開口43を介して空間31に流れる第2液体LQ2の流速より低くてもよい。
第2供給口52からの第2液体LQ2の少なくとも一部は、第1面21が面する空間31において、外面310に接触しながら光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる。外面310に接触しながら光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる第2液体LQ2の少なくとも一部は、第1供給口351の近傍において、第1供給口351から供給された第1液体LQ1と接触(合流)する。管部材300Pの外面(外周面)310は、第1供給口351の周囲に配置されており、外面310に接触しながら流れる第2液体LQ2は、第1供給口351から供給された第1液体LQ1を包囲する。例えば、+Z方向を向く管部材300Pの外周面の第1部分に接触しながら流れる第2液体LQ2は、第1供給口351の上方(+Z側)から、第1供給口351から供給された第1液体LQ1に接触(合流)する。また、+X方向(−X方向)を向く管部材300Pの外周面の第2部分(第3部分)に接触しながら流れる第2液体LQ2は、第1供給口351の+X側(−X側)から、第1供給口351から供給された第1液体LQ1に接触(合流)する。また、−Z方向を向く管部材300Pの外周面の第4部分に接触しながら流れる第2液体LQ2は、第1供給口351の下方(−Z側)から、第1供給口351から供給された第1液体LQ1に接触(合流)する。これにより、第1供給口351から供給された第1液体LQ1と、外面310に接触しながら流れる第2液体LQ2とが、相互に作用する。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
制御装置5は、第1面21、及び第2面22と基板Pの表面(あるいは基板ステージ2の上面17)とを対向させる。制御装置5は、第1面21、及び第2面22と基板Pの表面とを対向させた状態で、第2供給口52から第2液体LQ2を供給する。これにより、第2供給口52から供給された第2液体LQ2によって、射出面11と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされるように、射出面11、第1面21、及び第2面22の少なくとも一部と基板Pの表面との間に液浸空間LSが形成される。
また、制御装置5は、第1供給口351から第1液体LQ1を供給する。第1供給口351は、第2面22に第1液体LQ1を供給する。
制御装置5は、第1供給口351からの第1液体LQ1の供給と、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給とを並行して実行する。制御装置5は、第2供給口52からの第2液体LQ2で液浸空間LSが形成された状態で第1供給口351から第1液体LQ1を供給する。
第1供給口351から第1液体LQ1が供給されると、その第1供給口351からの第1液体LQ1が第2面22上を放射方向に関して外側に流れるとともに、液浸空間LSの第2液体LQ2の少なくとも一部が第1供給口351からの第1液体LQ1とともに第2面22上を放射方向に関して外側に向かって流れる。第2面22上を放射方向に関して外側に流れた液体LQ(第1,第2液体LQ1,LQ2)は、回収部60に回収される。
制御装置5は、第1供給口351からの第1液体LQ1の供給と並行して、第2供給口52からの第2液体LQ2の供給を実行し、第2液体LQ2で基板Pの表面の一部が局所的に覆われるように液浸空間LSを形成した状態で、基板Pの露光を開始する。制御装置5は、液浸空間LSが形成された状態で、基板PをY軸方向に移動しながら、射出面11と基板Pとの間の第2液体LQ2を介して、射出面11からの露光光ELで基板Pを露光する。
本実施形態においても、第1供給口351から第1液体LQ1が、光軸AXに対する放射方向において外側に向かって第2面22上を流れているので、例えば、基板Pを高速、あるいは高加速度で移動した場合にも、液浸部材4Bと基板Pとの間の空間からの液体LQの漏出、及び基板P上の液体LQ(膜、滴等)の残留を抑制することができる。
また、本実施形態においては、第1供給口351から供給された第1液体LQ1が外面310に接触しながら流れる第2液体LQ2に作用して、第1面21及び第2面22の少なくとも一方と基板Pの表面との間の空間における液体LQの流速分布が調整される。第1液体LQ1の作用によって、界面LGが図10に示した理想形状になるように、流速分布が調整される。
本実施形態においても、基板PがXY平面内の所定方向に移動する場合において、第1供給口351からその所定方向に供給される第1液体LQ1の流速は、その所定方向に関する基板Pの移動速度よりも高い。すなわち、例えば基板Pが−Y方向に移動する場合において、第1供給口351から−Y方向に供給される第1液体LQ1の流速は、その−Y方向に関する基板Pの移動速度よりも高い。
本実施形態においては、第1供給口351から供給される第1液体LQ1の流速は、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の流速よりも高い。また、第1供給口351から高速で第1液体LQ1が供給された第1液体LQ1の流速は、開口43を介して空間31に流れる第2液体LQ2の流速よりも高い。第1供給口351から供給された第1液体LQ1と、開口43を介して空間31に流入した第2液体LQ2とが相互に作用することによって、その空間31において、液体LQの流速が調整される。すなわち、開口43を介して空間31に流入した第2液体LQ2の流速が、第1液体LQ1の作用によって高まる。これにより、液浸部材4Bと基板Pとの間の中央部における液体LQの流速の低下が抑制される。すなわち、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが相互に作用することによって、液浸部材4Bの下面20(第1面21)の近傍、及び基板Pの表面の近傍における流速と、中央部における流速との差が小さくなるように、液体LQの流速分布が調整される。本実施形態においては、第1供給口351は、液浸部材4Bの第1面21と基板Pの表面との間のほぼ中央に配置されているので、液体LQの流速分布を良好に調整することができる。したがって、液浸部材4Bと基板Pとの間における液体LQの流速分布を、理想流速分布に近づけることができ、界面LGを理想形状にして、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。
空間31の液体LQは、第1供給口351から供給された第1液体LQ1の作用によって、基板P上に落下することなく、その第1液体LQ1とともに第2面22(第2領域22B)上を流れて、回収部60に到達することができる。
本実施形態においても、第2面22(第2領域22B)上を流れる液体LQの流速は、その液体LQ(液体面LQS)と対向する基板P(物体)の移動速度よりも高い。したがって、その第2面22上を流れる液体LQは、基板P上に落下することなく、回収部60に到達することができる。なお、第2面22上を流れる液体LQの流速が、基板P(物体)の移動速度よりも低くてもよい。
以上説明したように、本実施形態においても、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。また、基板Pを高速、高加速度で移動した場合でも、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。したがって、スループットの低下を抑制しつつ、露光不良の発生を抑制できる。
なお、図21及び図22に示した例においては、供給部材300が管部材300Pを含むこととしたが、例えば図23及び図24に示すように、第1面21から突出する凸部材300Tを含むこととしてもよい。
図23及び図24において、凸部材300Tは、光軸AXに対する放射方向に関して外側を向くように配置され、第2面22に第1液体LQ1を供給する第1供給口351を有する。凸部材300Tは、光軸AXの周囲において所定間隔で複数配置されている。
凸部材300Tは、第1面21と異なる方向を向き、且つ、光軸AXに対する放射方向に沿った外面310を有する。外面310は、第1面21と交差する凸部材300Tの側面310Tを含む。
図23及び図24において、凸部材300Tの側面310Tは、+X方向を向く第1側面と、−X方向を向く第2側面とを含む。また、凸部材300Tの外面310は、−Z方向を向く下面を含む。
図23は、液浸部材4Cの一部を示す側断面図、図24は、液浸部材4Cの一部を下方から見た図である。図23及び図24に示す例においても、第2供給口52から供給され、開口43を介して空間31に流入した第2液体LQ2の少なくとも一部は、空間31において、側面310Tを含む凸部材300Tの外面310に接触しながら、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる。凸部材300Tの外面310に接触しながら流れる第2液体LQ2は、第1供給口351から供給された第1液体LQ1の周囲の少なくとも一部を包囲する。第1供給口351から供給された第1液体LQ1が第2液体LQ2に作用することによって、第1面21及び第2面22の少なくとも一方と基板Pの表面との間における液体LQの流速分布が調整される。
図23及び図24に示す例においても、液体LQの漏出、残留等の発生を抑制することができる。
なお、図25及び図26に示す液浸部材4Dによっても、液体LQの漏出、残留等を抑制することができる。図25は、液浸部材4Dの一部を示す側断面図、図26は、液浸部材4Dの一部を下方から見た図である。図25及び図26において、液浸部材4Dの下面20(第1面21)の少なくとも一部に、凹部500が形成されている。凹部500は、第1面21とほぼ同じ方向を向く下面501と、第1面21と異なる方向を向く第1,第2内側面502,503とを有する。図25及び図26に示す例において、第1内側面502は、ほぼ−X方向を向き、第2内側面503は、ほぼ+X方向を向く。第1,第2内側面502,503は、光軸AXに対する放射方向に沿って配置されている。
第1供給口351は、凹部500の内側に配置されている。第1供給口351は、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって第1液体LQ1を供給する。第1供給口351は、第2面22に第1液体LQ1を供給する。
凹部500の内側に、第2供給口52から供給された第2液体LQ2の少なくとも一部が流れる。第2液体LQ2の少なくとも一部は、第1、第2内側面502,503に接触しながら、光軸AXに対する放射方向に関して外側に向かって流れる。第1供給口351から供給された第1液体LQ1は、第2液体LQ2に作用する。第1液体LQ1が第2液体LQ2に作用することによって、液浸部材4の下面20と基板Pの表面との間の空間における液体LQの流速分布が調整される。
なお、第2実施形態において、供給部材300(凹部500)の少なくとも一部が、第2面22に配置されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第2液体LQ2で液浸空間LSが形成されているが、第1液体LQ1の一部が第2液体LQ2に混じることによって、第1液体LQ1と第2液体LQ2とで液浸空間LSが形成されてもよい。上述の各実施形態においては、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが同じ液体なので、第1液体LQ1が露光光ELの光路K中に存在しても構わない。
なお、上述の各実施形態においては、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが同じ液体である場合を例にして説明したが、異なる液体でもよい。例えば、第2液体LQ2として、基板Pの露光に適した所定の物性の液体を使用し、第1液体LQ1として、第2面22に対する親液性が第2液体LQ2より高い液体を使用してもよい。
また、第1液体LQ1は、第2液体LQ2より質(クリーン度、透明度等)が低くてもよい。この場合は、第1供給口(51等)からの第1液体LQ1が、露光光ELの光路K上で第2液体LQ2と混じらないように第1供給口(51等)の配置、第1供給口(51等)からの第1液体LQ1の供給条件を設定するのが望ましい。
なお、上述の各実施形態においては、第1供給口(51等)から供給される第1液体LQ1の温度と、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の温度とがほぼ同じになるように調整されているが、第1供給口(51等)から供給される第1液体LQ1の温度と、第2供給口52から供給される第2液体LQ2の温度とが異なってもよい。また、内部流路72を流れる第1液体LQ1を用いて、液浸部材4の温度調整を行ってもよい。
なお、上述の各実施形態において、液浸空間LSの第2液体LQ2の気液界面LGの近傍に、気体を供給する気体供給口を設けてもよい。例えば、基板Pの表面と第2面22との間にガスシールが形成されるように、気体給気口から気液界面LGの近傍に気体を供給してもよい。気体給気口から供給された気体の力によって、液浸空間LSの拡大が抑制される。これにより、また、気体供給口から供給された気体の力によって、第2液体LQ2の漏出、残留等の発生が抑制される。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子12の射出側(像面側)の光路Kが第2液体LQ2で満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子12の入射側(物体面側)の光路Kも液体で満たされる投影光学系を採用することもできる。なお、終端光学素子12の入射側の光路Kに満たされる液体は、第2液体LQ2と同じ種類の液体でもよいし、異なる種類の液体でもよい。
なお、上述の各実施形態の第1,第2液体LQ1,LQ2として、水(純水)に限られず、例えばハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系PLを用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系PLを用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、露光装置EXは、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などでもよい。また、露光装置EXは、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどであってもよい。
また、露光装置EXは、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置であってもよい。この場合、各基板ステージ上、あるいは複数の基板ステージを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。
更に、露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材、露光光ELを計測する計測部材、及び露光光ELを計測する計測器(光電センサ)の少なくとも一つを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置であってもよい。上述の各実施形態の液浸部材(4等)は、計測ステージに対する露光光ELの照射の少なくとも一部において、露光光ELの光路Kが第2液体LQ2で満たされるように計測ステージとの間で第2液体LQ2を保持して液浸空間を形成可能である。
また、露光装置EXは、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置であってもよい。この場合、計測ステージ上、あるいは基板ステージと計測ステージとを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域IRと、投影領域PRがそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法であってもよい。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、露光装置EXは、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)であってもよい。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置EXへの組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置EXへの組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置EXへの組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置EX全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置EXの製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図27に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…マスクステージ、2…基板ステージ、5…制御装置、11…射出面、12…終端光学素子、21…第1面、22…第2面、22A…第1領域、22B…第2領域、23…第3面、24…第4面、25…第5面、26…第6面、30…ロッド部材、31…空間、33…空間、34…空間、35…通路、51…第1供給口、52…第2供給口、60…回収部、61…回収口、64…多孔部材、130…プレート部材、135…開口、300…供給部材、300P…管部材、300T…凸部材、351…第1供給口、310…外面、AX…光軸、EL…露光光、EX…露光装置、G30…間隙、K…光路、LQ1…第1液体、LQ2…第2液体、LS…液浸空間、P…基板、PL…投影光学系

Claims (51)

  1. 物体に照射される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記物体が対向可能な第1面と、
    前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面と、
    第3面及び前記第3面の反対方向を向く第4面を有し、前記第3面が前記第2面と対向するように配置される所定部材と、
    前記第1面の周囲の少なくとも一部において、前記光路に対する放射方向に関して外側を向くように配置され、第1液体を供給する第1供給口と、
    前記第3面が面する第1空間と前記第4面が面する第2空間とを接続し、前記第1供給口から前記第1空間に供給された前記第1液体の少なくとも一部が前記第2空間に流れるように設けられた通路と、を備え、
    前記物体に対する前記露光光の照射の少なくとも一部において、前記光路が第2液体で満たされるように前記物体との間で前記第2液体を保持して液浸空間を形成する液浸部材。
  2. 前記所定部材は、前記第1面の周囲の少なくとも一部において所定間隔で複数配置され、
    前記通路は、隣り合う前記所定部材の間の第1間隙を含む請求項1記載の液浸部材。
  3. 前記第1間隙は、前記放射方向に長い請求項2記載の液浸部材。
  4. 前記通路は、前記第3面と前記第4面とを結ぶように前記所定部材に形成された開口を含む請求項1記載の液浸部材。
  5. 前記開口は、前記放射方向に長い請求項4記載の液浸部材。
  6. 前記放射方向に関する前記所定部材の寸法は、前記第2面の寸法より小さい請求項1〜5のいずれか一項記載の液浸部材。
  7. 前記第2面は、前記光軸を囲む第1領域と、前記第1領域の周囲の第2領域とを含み、
    前記第3面は、前記第1領域と対向する請求項6記載の液浸部材。
  8. 前記第1領域と前記第3面とは、ほぼ平行である請求項7記載の液浸部材。
  9. 前記第1供給口の少なくとも一部は、前記第2面の内側エッジと前記第3面の内側エッジとの間に配置される請求項7又は8記載の液浸部材。
  10. 前記光路に前記第2液体を供給する第2供給口を備え、
    前記第2供給口からの前記第2液体の少なくとも一部が、前記第1面が面する所定空間を介して、前記第2空間に流れる請求項1〜9のいずれか一項記載の液浸部材。
  11. 前記第1面の反対方向を向き、少なくとも一部が射出面と対向するように前記光路の周囲の少なくとも一部に配置される第5面を有し、
    前記第2供給口は、前記射出面と前記第5面との間に前記第2液体を供給する請求項10記載の液浸部材。
  12. 前記第1供給口からの前記第1液体の供給は、前記第2供給口からの前記第2液体の供給と並行して実行される請求項11記載の液浸部材。
  13. 前記第2供給口から供給された前記第2液体の少なくとも一部によって、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一部と前記物体の表面との間に前記液浸空間が形成され、
    前記通路、前記第1空間、及び前記第2空間は、前記液浸空間に配置される請求項10〜12のいずれか一項記載の液浸部材。
  14. 前記第1供給口は、前記液浸空間に配置された状態で、前記第1液体を供給する請求項13記載の液浸部材。
  15. 前記通路から前記第2空間に流れる前記第1液体の流速は、前記所定空間から前記第2空間に流れる前記第2液体の流速より高い請求項13又は14記載の液浸部材。
  16. 前記液浸空間が形成された状態で、前記第1面とほぼ平行な面内の所定方向に前記物体が移動され、
    前記通路から前記第2空間に流入した前記第1液体が前記第2液体に作用して、前記第4面と前記物体の表面との間の第2空間における液体の流速分布が調整される請求項15記載の液浸部材。
  17. 前記作用により、前記第2空間の前記第4面の外側エッジにおける液体の流速が、前記第1空間の前記第3面の外側エッジにおける液体の流速に近づく請求項16記載の液浸部材。
  18. 前記第1供給口から前記所定方向とほぼ平行に供給される前記第1液体の流速は、前記所定方向に関する物体の移動速度より高い請求項17記載の液浸部材。
  19. 前記第1供給口から供給される前記第1液体の流速は、前記第2供給口から供給される前記第2液体の流速より高い請求項10〜18のいずれか一項記載の液浸部材。
  20. 前記第1面の外側エッジと前記第4面の内側エッジとは結ばれている請求項1〜19のいずれか一項記載の液浸部材。
  21. 前記第1面と前記第4面とは、ほぼ同一平面内に配置される請求項1〜20のいずれか一項記載の液浸部材。
  22. 前記第4面の少なくとも一部は、前記第1面よりも、前記露光光が進行する第1方向の逆の第2方向に配置される請求項1〜21のいずれか一項記載の液浸部材。
  23. 前記第1供給口は、前記第1液体が前記第2面上を前記放射方向に関して外側に流れるように、前記第1液体を供給する請求項1〜22のいずれか一項記載の液浸部材。
  24. 前記第1供給口は、前記光軸を囲むように形成されたスリット開口を含む請求項1〜23のいずれか一項記載の液浸部材。
  25. 前記第1供給口は、前記光軸の周囲において所定間隔で複数配置される請求項1〜23のいずれか一項記載の液浸部材。
  26. 物体に照射される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記物体が対向可能な第1面と、
    前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面と、
    前記第1面に配置され、少なくとも一部が前記第1面と異なる方向を向き、且つ、前記光路に対する放射方向に沿った外面を有する所定部材と、
    前記放射方向に関して外側を向くように前記所定部材に配置され、前記第2面に第1液体を供給する第1供給口と、を備え、
    前記物体に対する前記露光光の照射の少なくとも一部において、前記光路が第2液体で満たされるように前記物体との間で前記第2液体を保持して液浸空間を形成する液浸部材。
  27. 前記光路に前記第2液体を供給する第2供給口を備え、
    前記第2供給口からの前記第2液体の少なくとも一部が、前記第1面が面する所定空間において、前記外面に接触しながら前記放射方向に関して外側に向かって流れる請求項26記載の液浸部材。
  28. 前記第1供給口からの前記第1液体の供給は、前記第2供給口からの前記第2液体の供給と並行して実行される請求項27記載の液浸部材。
  29. 前記第2供給口から供給された前記第2液体の少なくとも一部によって、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一部と前記物体の表面との間に前記液浸空間が形成され、
    前記第1供給口は、前記液浸空間に配置された状態で、前記第1液体を供給する請求項28記載の液浸部材。
  30. 前記第1供給口から供給される前記第1液体の流速は、前記第2供給口から前記所定空間に流れる前記第2液体の流速より高い請求項29記載の液浸部材。
  31. 前記液浸空間が形成された状態で、前記第1面とほぼ平行な面内の所定方向に前記物体が移動され、
    前記第1供給口から供給された前記第1液体が前記第2液体に作用して、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方と前記物体の表面との間の空間における液体の流速分布が調整される請求項29又は30記載の液浸部材。
  32. 前記第1供給口は、前記第1面と前記物体の表面との間のほぼ中央に配置される請求項31記載の液浸部材。
  33. 前記第1供給口から前記所定方向とほぼ平行に供給される前記第1液体の流速は、前記所定方向に関する前記物体の移動速度より高い請求項31又は32記載の液浸部材。
  34. 前記第1供給口から供給される前記第1液体の流速は、前記第2供給口から供給される前記第2液体の流速より高い請求項27〜33のいずれか一項記載の液浸部材。
  35. 前記所定部材は、前記第1面から突出する凸部材を含み、
    前記外面は、前記第1面と交差する前記凸部材の側面を含む請求項26〜34のいずれか一項記載の液浸部材。
  36. 前記所定部材は、少なくとも一部が前記第1面と第2間隙を介して対向する管部材を含み、
    前記外面は、前記管部材の外周面の少なくとも一部を含む請求項26〜34のいずれか一項記載の液浸部材。
  37. 前記所定部材は、前記光軸の周囲において所定間隔で複数配置される請求項26〜36のいずれか一項記載の液浸部材。
  38. 前記第2面の少なくとも一部は、前記第1面よりも、前記露光光が進行する第1方向の逆の第2方向に配置される請求項1〜37のいずれか一項記載の液浸部材。
  39. 前記第2面の少なくとも一部は、前記放射方向に関して外側に向かって、前記露光光が進行する第1方向の逆の第2方向に傾斜する請求項1〜38のいずれか一項記載の液浸部材。
  40. 前記第2面は、前記第1液体に対して親液性である請求項1〜39のいずれか一項記載の液浸部材。
  41. 前記第1液体と前記第2液体とは同じ種類の液体である請求項1〜40のいずれか一項記載の液浸部材。
  42. 前記放射方向に関して前記第2面の外側に配置され、前記第2面上の液体の少なくとも一部を回収する回収部を備える請求項1〜41のいずれか一項記載の液浸部材。
  43. 前記回収部は、前記第2面上の液体の少なくとも一部を回収可能な回収口と、前記回収口に配置された多孔部材とを有する請求項42記載の液浸部材。
  44. 前記回収部は、前記第2面と交差するように配置された第6面を有する請求項42又は43記載の液浸部材。
  45. 前記第2面の外側のエッジと前記第6面との間に第3間隙が形成され、
    前記回収部は、前記第2面から前記第3間隙に流入した液体の少なくとも一部を回収する請求項44記載の液浸部材。
  46. 前記第6面の少なくとも一部は、前記第2面の外側エッジよりも、前記露光光が進行する第1方向に、前記光軸を向くように配置される請求項44又は45記載の液浸部材。
  47. 露光光を射出する射出面を有する光学系と、
    基板の露光の少なくとも一部において、前記射出面と前記基板との間の前記露光光の光路が第2液体で満たされるように前記基板との間で前記第2液体を保持して液浸空間を形成する請求項1〜46のいずれか一項記載の液浸部材と、を備える露光装置。
  48. 請求項1〜46のいずれか一項記載の液浸部材又は請求項47に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  49. 光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1面の周囲の少なくとも一部において前記光学系の光軸に対する放射方向に関して外側を向くように配置された第1供給口から、前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置される第2面に対向する所定部材の第3面が面する第1空間に第1液体を供給することと、
    前記第1空間と、前記第3面の反対方向を向く前記所定部材の第4面が面する第2空間とを接続する通路を介して、前記第1供給口から前記第1空間に供給された前記第1液体の少なくとも一部を前記第2空間に流すことと、
    前記第1面、前記第2面、及び前記第4面と、基板とを対向させることと、
    前記射出面と前記基板の表面との間の第2液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光することと、を含む露光方法。
  50. 光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1面、及び前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、基板とを対向させることと、
    少なくとも一部が前記第1面と異なる方向を向き、且つ、前記光学系の光軸に対する放射方向に沿うように配置された外面を有する所定部材に、前記放射方向に関して外側を向くように配置された第1供給口から前記第2面に第1液体を供給することと、
    前記射出面と前記基板との間の第2液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光することと、を含む露光方法。
  51. 請求項49又は50記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015084455A (ja) * 2011-10-24 2015-04-30 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 流体ハンドリング構造、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法

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