JP2010277656A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents
不揮発性半導体記憶装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010277656A JP2010277656A JP2009130588A JP2009130588A JP2010277656A JP 2010277656 A JP2010277656 A JP 2010277656A JP 2009130588 A JP2009130588 A JP 2009130588A JP 2009130588 A JP2009130588 A JP 2009130588A JP 2010277656 A JP2010277656 A JP 2010277656A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- memory cell
- dummy
- word line
- transistor
- memory
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Read Only Memory (AREA)
Abstract
【課題】チャネルをより高くブーストすることで、メモリセルへの誤書き込みを抑制する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置10は、直列に接続されかつ電気的に書き換えが可能なメモリセル群と、メモリセル群の一端とビット線BLとの間に接続された選択トランジスタST1と、メモリセル群の他端とソース線SLとの間に接続された選択トランジスタST2とを含むメモリストリングと、メモリセル群のゲートにそれぞれ接続された複数のワード線WLと、メモリセル群のうち両端のメモリセルの間に配置され、かつチャネル長がメモリセルのそれより長いダミートランジスタDTと、ダミートランジスタDTのゲートに接続されたダミーワード線DWLとを含む。
【選択図】 図6
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置10は、直列に接続されかつ電気的に書き換えが可能なメモリセル群と、メモリセル群の一端とビット線BLとの間に接続された選択トランジスタST1と、メモリセル群の他端とソース線SLとの間に接続された選択トランジスタST2とを含むメモリストリングと、メモリセル群のゲートにそれぞれ接続された複数のワード線WLと、メモリセル群のうち両端のメモリセルの間に配置され、かつチャネル長がメモリセルのそれより長いダミートランジスタDTと、ダミートランジスタDTのゲートに接続されたダミーワード線DWLとを含む。
【選択図】 図6
Description
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に係り、例えば電気的に書き換えが可能なメモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装置に関する。
不揮発性半導体メモリとしては、データの書き込み及び消去を電気的に行うEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)の一種であるNAND型フラッシュメモリが知られている。NAND型フラッシュメモリでは、複数のメモリセルを隣接するもの同士でソース/ドレイン領域を共有する形で直列接続して、NANDストリングを形成する。NANDストリングの両端はそれぞれ、選択ゲートトランジスタを介してビット線及びソース線に接続される。
NAND型フラッシュメモリのメモリセルは、半導体基板上にトンネル絶縁膜を介して形成された電荷蓄積層(浮遊ゲート電極)と、その上にゲート間絶縁膜を介して積層された制御ゲート電極とを有し、浮遊ゲート電極の電荷蓄積状態によりデータを不揮発に記憶する。具体的には、浮遊ゲート電極に電子を注入した閾値電圧の高い状態を例えば“0”データ、浮遊ゲート電極の電子を放出させた閾値電圧の低い状態を“1”データとして、2値データの記憶を行う。また、メモリセルの閾値分布を細分化して、2ビット以上の多値記憶を行うことも可能である。
NAND型フラッシュメモリのデータ書き込みは、選択ワード線に沿って配列された全メモリセル(或いはその半分)を1ページとして、ページ単位で行われる。書き込みは、選択ワード線に書き込み電圧Vpgmを印加し、チャネル領域から浮遊ゲート電極にFN(Fowler Nordheim)トンネル電流によって電子を注入するという動作として行われる。この場合、ビット線から書き込みデータ“0”、“1”に応じてNANDストリングのチャネル電位が制御される。
すなわち、“0”書き込みの場合は、ビット線に接地電圧Vssを印加し、この電圧をオンさせた選択ゲートトランジスタを介して選択セルのチャネルまで転送する。このとき、選択セルでは、浮遊ゲート電極とチャネルとの間に大きな電界が印加され、浮遊ゲート電極に電子が注入される。一方、“1”書き込み(書き込み禁止)の場合は、ビット線から選択ゲートトランジスタを介してNANDストリングのチャネルに電源電圧Vddを転送した後、チャネルをフローティングにする。そして、チャネル電位を、ワード線からの容量結合によって上昇させて、浮遊ゲート電極への電子注入を禁止する。
従って、ワード線WLに書き込み電圧Vpgmが印加された“1”書き込みセル(非書き込みセル)で、チャネルのブーストが不十分であると、浮遊ゲート電極への電子注入が生じ、誤書き込みが発生してしまう。
この種の関連技術として、GIDL(gate induced drain leakage)に起因する誤書き込みを抑制するNAND型フラッシュメモリが開示されている(特許文献1参照)。
本発明は、チャネルをより高くブーストすることで、メモリセルへの誤書き込みを抑制することが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供する。
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、ビット線及びソース線と、直列に接続されかつ電気的に書き換えが可能なメモリセル群と、前記メモリセル群の一端と前記ビット線との間に接続された第1の選択トランジスタと、前記メモリセル群の他端と前記ソース線との間に接続された第2の選択トランジスタとを含むメモリストリングと、前記メモリセル群のゲートにそれぞれ接続された複数のワード線と、前記メモリセル群のうち両端のメモリセルの間に配置され、かつチャネル長がメモリセルのそれより長いダミートランジスタと、前記ダミートランジスタのゲートに接続されたダミーワード線とを具備する。
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、ビット線及びソース線と、直列に接続されかつ電気的に書き換えが可能なメモリセル群と、前記メモリセル群の一端と前記ビット線との間に接続された第1の選択トランジスタと、前記メモリセル群の他端と前記ソース線との間に接続された第2の選択トランジスタとを含むメモリストリングと、前記メモリセル群のゲートにそれぞれ接続された複数のワード線と、前記メモリセル群のうち両端のメモリセルの間に互いに1個以上のメモリセルを挟むようにして配置され、かつチャネル長がメモリセルのそれより長い複数のダミートランジスタと、前記複数のダミートランジスタのゲートにそれぞれ接続された複数のダミーワード線とを具備する。
本発明によれば、チャネルをより高くブーストすることで、メモリセルへの誤書き込みを抑制することが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ(不揮発性半導体記憶装置)10の構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ(不揮発性半導体記憶装置)10の構成を示すブロック図である。
メモリセルアレイ11は、電気的に書き換え可能な不揮発性のメモリセルMCがマトリクス状に配置されて構成されている。NAND型フラッシュメモリ10は、メモリセルアレイ11に動作モードに応じて必要な制御電圧を与えてデータの消去、書き込み及び読み出しを行う、カラム制御回路15、ロウ制御回路16及びブロック制御回路17を備えている。
カラム制御回路15は、メモリセルアレイ11に配設されたビット線BLを制御し、メモリセルMCのデータ消去、メモリセルMCへのデータ書き込み、及びメモリセルMCからのデータ読み出しを行う。このために、カラム制御回路15は、メモリセルMCからデータを読み出すためのセンスアンプ回路、読み出し及び書き込みデータを保持するデータキャッシュ、及びカラム選択ゲートを含む。また、カラム制御回路15は、各動作に必要な電圧を生成してビット線BLに印加する。
ロウ制御回路16は、メモリセルアレイ11に配設されたワード線WLを制御し、選択ワード線及び非選択ワード線に消去、書き込み及び読み出しに必要な電圧を印加する。さらに、ロウ制御回路16は、メモリセルアレイ11に配設されたダミーワード線DWLを制御し、このダミーワード線に消去、書き込み及び読み出しに必要な電圧を印加する。このために、ロウ制御回路16は、ワード線WL及びダミーワード線DWLを選択するロウデコーダ、及びワード線及びダミーワード線DWLに所定の電圧を印加するワード線ドライバを含む。
ブロック制御回路17は、データの消去、書き込み及び読み出し時に、例えばブロック単位で、メモリセルアレイ11の共通ソース線を制御し、また、メモリセルアレイ11が形成されたウェル領域の電圧を制御する。
データ入出力バッファ12は、IO端子(図示せず)を介してホストと接続される。データ入出力バッファ12は、ホストからデータ及び制御信号(アドレスを含む)を受けて一時的に保持し、データをカラム制御回路15に送り、制御信号をコマンドインターフェイス13に送る。制御信号には、データの消去動作、書き込み動作及び読み出し動作を指示するコマンドが含まれる。また、データ入出力バッファ12は、カラム制御回路15から送られるデータを受けて一時的に保持し、このデータをホストに出力する。
コマンドインターフェイス13は、データ入出力バッファ12から送られる制御信号を制御部14に送る。
制御部14は、データ入出力バッファ12、コマンドインターフェイス13、カラム制御回路15、ロウ制御回路16、及びブロック制御回路17を制御し、データの消去、書き込み、読み出し、及びデータの入出力制御を実行する。制御部14は、コマンドインターフェイス13から送られる制御信号に基づいて、メモリセルアレイ11内のメモリセルにアクセスするためのアドレス、及びメモリセルに電圧を印加するための内部制御信号を生成し、この内部制御信号をカラム制御回路15、ロウ制御回路16及びブロック制御回路17に送る。
図2は、メモリセルアレイ11の構成を示す概略図である。メモリセルアレイ11は、(j+1)個のブロックBLK0〜BLKjを備えている。「j」は、0又は1以上の自然数である。ブロックとは、データ消去の最小単位である。
図3は、1個のブロックBLKの構成を示す回路図である。各ブロックBLKは、ビット線BL0〜BLnの本数に対応する(n+1)個のNANDストリングを備えている。「n」は、1以上の自然数である。複数個のNANDストリングにそれぞれ含まれる選択トランジスタST1は、そのドレインがビット線BLに接続され、そのゲートが選択ゲート線SGDに共通接続されている。また、複数個のNANDストリングにそれぞれ含まれる選択トランジスタST2は、そのソースがソース線SLに共通接続され、そのゲートが選択ゲート線SGSに共通接続されている。
各NANDストリングにおいて、ワード線WLの本数に対応する例えば32個のメモリセルMCは、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に、それぞれの電流経路が直列接続されるように配置されている。すなわち、32個のメモリセルMCは、隣接するもの同士で拡散領域(ソース領域若しくはドレイン領域)を共有するような形でカラム方向に直列接続される。
そして、最もソース側に位置するメモリセルMCから順に、制御ゲート電極がワード線WL0〜WL31にそれぞれ接続されている。従って、ワード線WL0に接続されたメモリセルMCのソースは選択トランジスタST2のドレインに接続され、ワード線WL31に接続されたメモリセルMCのドレインは選択トランジスタST1のソースに接続されている。
ワード線WL0〜WL31は、ブロック内のNANDストリング間で、メモリセルMCの制御ゲート電極を共通に接続している。つまり、ブロックBLK内において同一行にあるメモリセルMCの制御ゲート電極は、同一のワード線WLに接続される。この同一のワード線WLに接続される(n+1)個のメモリセルMCは1ページとして取り扱われ、このページごとにデータの書き込み及び読み出しが行われる。
また、ビット線BLは、ブロックBLK間で、選択トランジスタST1のドレインを共通接続している。つまり、(j+1)個のブロックBLK内において同一列にあるNANDストリングは、同一のビット線BLに接続される。
ところで、本実施形態では、NANDストリングに含まれる32個のメモリセルMCのうち両端のメモリセル間の任意の位置に、ダミートランジスタDTが配置されている。ダミートランジスタDTは、メモリセルMC或いは選択トランジスタSTと同じ導電型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)から構成される。ダミートランジスタDTは、これの両側のメモリセルMCに直列に接続される。ダミートランジスタDTのゲートはダミーワード線DWLに接続され、このダミーワード線DWLは、他のワード線WLと平行に配設されている。また、ダミートランジスタDTは、各ブロックBLK内の(n+1)個のNANDストリングにそれぞれ設けられ、これら(n+1)個のダミートランジスタDTのゲートは、ダミーワード線DWLに共通接続されている。
図3では、ワード線WLmとワード線WLm+1との間にダミーワード線DWLが配設されている。「m」は、0≦m≦30の整数である。ダミーワード線DWLは、ワード線WLと同じ方向に延在しており、ロウ制御回路16に接続されている。ダミートランジスタDTの電流経路の一端は、これのドレイン側のメモリセル(ワード線WLm+1に接続されたメモリセル)の電流経路の一端に接続され、ダミートランジスタDTの電流経路の他端は、これのソース側のメモリセル(ワード線WLmに接続されたメモリセル)の電流経路の一端に接続されている。
図4は、1個のNANDストリングの構成を示す断面図である。P型半導体基板(P-sub)20内にはN型ウェル(N-well)21が形成され、このN型ウェル(N-well)21内にはP型ウェル(P-well)22が形成されている。各メモリセルMCは、P型ウェル22上に形成された積層ゲート構造を備えたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)から構成される。積層ゲート構造は、P型ウェル22上に、トンネル絶縁膜24、電荷蓄積層(浮遊ゲート電極)25、ゲート間絶縁膜26、制御ゲート電極27が順に積層されて構成されている。隣接する積層ゲート構造間のP型ウェル22内には、N型の拡散領域(ソース領域或いはドレイン領域)23が設けられている。
メモリセルMCは、浮遊ゲート電極25に蓄積される電子の数に応じて閾値電圧が変化し、この閾値電圧の違いに応じてデータを記録する。メモリセルMCは、1ビットデータを記憶するように構成してもよいし、閾値電圧の分布を細分化して2ビット以上の多値データを記憶するように構成してもよい。また、メモリセルMCの種類としては、電荷蓄積層が多結晶シリコンなどの導電体からなるフローティングゲート型メモリセルであってもよいし、電荷蓄積層がシリコン窒化物などの絶縁体であるMONOS(metal-oxide-nitride-oxide-semiconductor)型メモリセルであってもよい。MONOS型メモリセルの場合、ゲート間絶縁膜は、ブロック絶縁膜と呼ばれる。
選択トランジスタST1は、P型ウェル22内に互いに離間して設けられたソース領域28S及びドレイン領域28D、ソース領域28S及びドレイン領域28D間のチャネル領域上に設けられたゲート絶縁膜29、ゲート絶縁膜29上に設けられたゲート電極30から構成されている。ドレイン領域28Dは、ビット線BLに接続されている。ソース領域28S及びドレイン領域28Dは、N型の拡散領域からなる。
選択トランジスタST2は、P型ウェル22内に互いに離間して設けられたソース領域31S及びドレイン領域31D、ソース領域31S及びドレイン領域31D間のチャネル領域上に設けられたゲート絶縁膜32、ゲート絶縁膜32上に設けられたゲート電極33から構成されている。ソース領域31Sは、ソース線SLに接続されている。ソース領域31S及びドレイン領域31Dは、N型の拡散領域からなる。
ダミートランジスタDTは、P型ウェル22内に互いに離間して設けられた2つの拡散領域23、これら2つの拡散領域23間のチャネル領域上に設けられたゲート絶縁膜34、ゲート絶縁膜34上に設けられたゲート電極35から構成されている。ダミートランジスタDTのチャネル長(ゲート長)を「L1」、メモリセルMCのチャネル長(ゲート長)を「L2」とすると、ダミートランジスタDTのチャネル長L1は、これのカットオフ特性を向上させるために、メモリセルMCのチャネル長L2より長く設定される。
(動作)
このように構成されたNAND型フラッシュメモリ10の書き込み動作について説明する。データ書き込みは、ブロックBLK内のメモリセルMCのデータを一括消去した後に、選択されたワード線WLに接続される(n+1)個のメモリセルMCに対して一括して行われる。また、NANDストリング内のワード線WLに対して、任意の順番で書き込みを行う方式(ランダム書き込み)と、一方向から順番に書き込む方式(シーケンシャル書き込み)とがある。シーケンシャル書き込み方式は、通常、ソース側のワード線WLから順に書き込む。本実施形態では、例えば、シーケンシャル書き込み方式を用いて書き込みを行う。
このように構成されたNAND型フラッシュメモリ10の書き込み動作について説明する。データ書き込みは、ブロックBLK内のメモリセルMCのデータを一括消去した後に、選択されたワード線WLに接続される(n+1)個のメモリセルMCに対して一括して行われる。また、NANDストリング内のワード線WLに対して、任意の順番で書き込みを行う方式(ランダム書き込み)と、一方向から順番に書き込む方式(シーケンシャル書き込み)とがある。シーケンシャル書き込み方式は、通常、ソース側のワード線WLから順に書き込む。本実施形態では、例えば、シーケンシャル書き込み方式を用いて書き込みを行う。
消去状態を“1”データ記憶状態とすると、メモリセルMCに“0”データを書き込む場合は、浮遊ゲート電極に電子を注入してメモリセルMCの閾値電圧を正側にシフトさせ、一方、メモリセルMCに“1”データを書き込む場合は、浮遊ゲート電極に電子を注入せずに消去状態を維持させる。書き込み時には、選択されたワード線WLに正の高電圧(書き込み電圧)Vpgmを印加する。そして、“0”データの場合はチャネルから浮遊ゲート電極に電子を注入し(“0”書き込み)、“1”データの場合は浮遊ゲート電極への電子の注入を禁止する(書き込み禁止、若しくは“1”書き込み)という2種類のデータ書き込みが同時に行われる。このようなワード線一括書き込みを実現するためには、データに応じてメモリセルMCのチャネル電圧を制御することが必要である。
例えば、“0”書き込みの場合には、チャネル電圧を低く保ち、ワード線WL(すなわち、制御ゲート電極)に書き込み電圧Vpgmが印加されたときに、浮遊ゲート電極下のトンネル絶縁膜に大きな電界が印加されるようにする。一方、書き込み禁止の場合には、チャネルをブーストしてトンネル絶縁膜に印加される電界を下げ、浮遊ゲート電極への電子の注入を禁止する。
図5は、ワード線WLに印加する書き込み電圧Vpgmとチャネル電圧との関係を示すグラフである。縦軸は電圧V、横軸は時間tを表している。
メモリセルMCに“0”データを書き込む場合、ワード線WLに書き込み電圧Vpgmを印加し、チャネル電圧を低くする(例えば、0Vに設定する)。これにより、制御ゲート電極とチャネルとの電圧差がある値以上になることで、浮遊ゲート電極に電子が注入される。
一方、書き込み禁止の場合、チャネル電圧を書き込み禁止電圧Vinhまで上昇させる。これにより、制御ゲート電極とチャネルとの電圧差ΔVを小さくすることで、浮遊ゲート電極に電子が注入されないようにする。
図6は、書き込み動作時のNANDストリングの電圧関係を説明する図である。図6(a)は、書き込み禁止を説明する図であり、図6(b)は、“0”書き込みを説明する図である。ワード線WLm+2が選択され、このワード線WLm+2に書き込み電圧Vpgmが印加されるものとする。以下の説明において、ワード線WL及びダミーワード線DWLへの電圧供給はすべて、図1に示したロウ制御回路16によって行われる。
(1)書き込み禁止
書き込み禁止のNANDストリングでは、選択ゲート線SGSに0Vが印加され、ソース線SLに0Vより大きい電圧Vcs(1.5V程度)が印加されることで、選択トランジスタST2は、カットオフする。また、選択ゲート線SGD及びビット線BLにそれぞれ電源電圧Vddが印加されることで、選択トランジスタST1は、ビット線電圧をNANDストリングのチャネル領域(メモリセルMCの拡散領域を含む)に転送する。P型ウェル22及びN型ウェル21は、0Vである。
書き込み禁止のNANDストリングでは、選択ゲート線SGSに0Vが印加され、ソース線SLに0Vより大きい電圧Vcs(1.5V程度)が印加されることで、選択トランジスタST2は、カットオフする。また、選択ゲート線SGD及びビット線BLにそれぞれ電源電圧Vddが印加されることで、選択トランジスタST1は、ビット線電圧をNANDストリングのチャネル領域(メモリセルMCの拡散領域を含む)に転送する。P型ウェル22及びN型ウェル21は、0Vである。
この状態で、選択ワード線WLm+2に書き込み電圧Vpgmを印加し、選択ワード線WLm+2以外のワード線WLに、記憶データに関わらずメモリセルMCがオンする中間電圧Vpassを印加する。中間電圧Vpassは、0Vと書き込み電圧Vpgmとの中間の電圧である。すると、NANDストリングのチャネル電圧は、制御ゲート電極とチャネル領域との容量結合により上昇する。チャネル電圧が“Vdd−(トランジスタST1の閾値)”まで上昇すると、選択トランジスタST1が自動的にカットオフし、NANDストリングのチャネル領域が、ビット線BL及びソース線SLから電気的に絶縁される。
ここで、ダミーワード線DWLに接地電圧Vss(0V)を印加し、ダミートランジスタDTをカットオフさせる。これにより、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル領域と、ソース側のチャネル領域とが電気的に絶縁される。
シーケンシャル書き込み方式を用いた場合、ソース側の選択トランジスタST2に近いメモリセルMCにはデータが書き込まれているため、制御ゲート電極とチャネル領域とのカップリング容量が小さくなり、結果として、チャネル電圧の上昇が抑えられる。このため、ダミートランジスタDTよりソース側のチャネル電圧は、低くなる(中チャネル電圧に設定される)。
一方、ダミートランジスタDTよりドレイン側では、データが書き込まれていないメモリセルMCが多いため、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル電圧は、高くなる(中チャネル電圧より高い高チャネル電圧に設定される)。さらに、ダミートランジスタDTがカットオフしているため、高チャネル電位から中チャネル電位へのリークがなく、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル電圧は、高いままで維持され、すなわち、十分な書き込み禁止電圧が得られる。これにより、書き込み電圧Vpgmが印加されたメモリセルMCでは、浮遊ゲート電極とチャネル領域との電界が十分に弱まり、浮遊ゲート電極への電子の注入は抑制される。この結果、書き込み禁止動作において、誤書き込みを防ぐことができる。
なお、書き込み禁止において、ダミートランジスタDTよりソース側のワード線WLは、ダミートランジスタDTがカットオフしているため、フローティングにしてもよい。これにより、書き込み時の電圧制御が容易になり、また消費電力を低減できる。
ダミートランジスタDTよりソース側のワード線WLへの書き込みは、ダミーワード線DWLに、ダミートランジスタDTがオンする電圧、例えば中間電圧Vpassを印加する。この場合、書き込みが行われたメモリセルMCが少ないため、制御ゲート電極とチャネル領域とのカップリング容量が大きくなる。これにより、チャネル領域全体が高くブーストされ、誤書き込みを防ぐことができる。
また、ダミートランジスタDTを配置する位置は、中央のメモリセルからドレイン側の端のメモリセルまでの間にすると、誤書き込みを防ぐという効果がより大きい。
(2)“0”書き込み
“0”書き込みのNANDストリングでは、ビット線BLに0Vが印加される。その他の電圧関係は、書き込み禁止の場合と同じである。よって、選択トランジスタST1は、メモリセルMCのチャネル領域に0Vを転送する。ダミートランジスタDTがカットオフしているため、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル電圧は低くなり、ほぼ0Vになる(低チャネル電圧に設定される)。これにより、書き込み電圧Vpgmが印加されたメモリセルMCでは、浮遊ゲート電極とチャネル領域との電界が十分に高くなり、浮遊ゲート電極へ電子が注入される。
“0”書き込みのNANDストリングでは、ビット線BLに0Vが印加される。その他の電圧関係は、書き込み禁止の場合と同じである。よって、選択トランジスタST1は、メモリセルMCのチャネル領域に0Vを転送する。ダミートランジスタDTがカットオフしているため、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル電圧は低くなり、ほぼ0Vになる(低チャネル電圧に設定される)。これにより、書き込み電圧Vpgmが印加されたメモリセルMCでは、浮遊ゲート電極とチャネル領域との電界が十分に高くなり、浮遊ゲート電極へ電子が注入される。
以上詳述したように第1の実施形態では、NANDストリングに含まれるメモリセル群の両端のメモリセルの間に、ダミートランジスタDTを配置する。そして、このダミートランジスタDTのチャネル長L1をメモリセルMCのチャネル長L2よりも大きくすることで、ダミートランジスタDTのカットオフ特性を向上させている。
従って第1の実施形態によれば、書き込み禁止動作(“1”書き込み動作)において、ダミートランジスタDTと選択トランジスタST1との間の第1のチャネル領域から、ダミートランジスタDTと選択トランジスタST2との間の第2のチャネル領域へのリーク電流を防ぐことができる。これにより、第1のチャネル領域を高くブーストすることが可能となる。この結果、ダミートランジスタDTと選択トランジスタST1との間に配置されたメモリセルMCへの誤書き込みを低減することができる。
また、書き込みNANDストリングにおいて、ダミートランジスタDTのチャネル長Lが長く設定できることで、低チャネル領域から中チャネル領域へ電子が取り込まれ、この電子がホットキャリア化する確率が低減する。これにより、中チャネル領域のメモリセルが誤書き込みされるのを防ぐことができる。
また、ダミートランジスタDTと選択トランジスタST2との間のメモリセルMCに接続されるワード線WLをフローティングにすることができる。これにより、書き込み時に制御するワード線WLの本数を少なくでき、また消費電力を低減できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態で示したダミートランジスタDTを、メモリセルMCと同じ記憶素子として使用するようにしている。これにより、本発明を適用した際の面積増加を最小限に抑えることができる。
第2の実施形態は、第1の実施形態で示したダミートランジスタDTを、メモリセルMCと同じ記憶素子として使用するようにしている。これにより、本発明を適用した際の面積増加を最小限に抑えることができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るNANDストリングの構成を示す断面図である。NANDストリングの回路図は、図3のダミートランジスタDTを省いたものと同じである。NANDストリングは、32本のワード線WL0〜WL31に対応する32個のメモリセルMCを備えている。32個のメモリセルMCのうち両端のメモリセルの間には、カットオフ特性が良好なメモリセルMCmが配置されている。メモリセルMCmの制御ゲート電極には、ワード線WLmが接続されている。メモリセルMCmは、他の31個のメモリセルと同じ構造を有しており、よって、P型ウェル22上に、トンネル絶縁膜24、電荷蓄積層(浮遊ゲート電極)25、ゲート間絶縁膜26、制御ゲート電極27が順に積層された積層ゲート構造を有している。
ワード線WLmに接続されたメモリセルMCmのチャネル長を「L1」、ワード線WLm以外に接続されたメモリセルMCのチャネル長を「L2」とすると、チャネル長L1は、メモリセルMCmのカットオフ特性を向上させるために、チャネル長L2より長く設定される。「m」は、1≦m≦30の自然数である。
メモリセルMCmは、記憶素子として機能する他に、メモリセルMCmと選択トランジスタST1との間のメモリセルMCに書き込みを行う場合に、第1の実施形態で説明したダミートランジスタDTと同じ機能を果たす。すなわち、書き込み禁止動作において、ワード線WLmに0Vが印加されることで、メモリセルMCmは、カットオフされる。これにより、メモリセルMCmよりドレイン側のチャネル領域と、ソース側のチャネル領域とが電気的に絶縁される。
以上詳述したように第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、メモリセルMCmと選択トランジスタST1との間に配置されたメモリセルMCへの誤書き込みを低減することができる。また、書き込みNANDストリングにおいて、ホットキャリアによって中チャネル領域のメモリセルが誤書き込みされるのを防ぐことができる。
さらに、メモリセルMCmを記憶素子として使用できるため、NANDストリング長の増加を最小限に抑えることができ、チップ面積の増加を抑制できる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、ダミートランジスタDTをNANDストリング内に1個配置する例を示したが、1個以上配置しても構わない。第3の実施形態は、ダミートランジスタDTをNANDストリング内に2個配置する例を示している。
第1の実施形態では、ダミートランジスタDTをNANDストリング内に1個配置する例を示したが、1個以上配置しても構わない。第3の実施形態は、ダミートランジスタDTをNANDストリング内に2個配置する例を示している。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る1個のブロックBLKの構成を示す回路図である。NANDストリングに含まれる32個のメモリセルMCのうち両端のメモリセル間の任意の位置に、互いに1個以上のメモリセルMCを挟むようにして2個のダミートランジスタDT1及びDT2が配置されている。ダミートランジスタDT1及びDT2は、メモリセルMC或いは選択トランジスタSTと同じ導電型のMOSFETから構成される。
ワード線WLkとワード線WLk+1との間には、ダミーワード線DWL1が配設されている。ダミートランジスタDT1の電流経路の一端は、これのドレイン側のメモリセル(ワード線WLk+1に接続されたメモリセル)の電流経路の一端に接続され、ダミートランジスタDT1の電流経路の他端は、これのソース側のメモリセル(ワード線WLkに接続されたメモリセル)の電流経路の一端に接続されている。ダミートランジスタDT1のゲートは、ダミーワード線DWL1に接続されている。
ワード線WLmとワード線WLm+1との間には、ダミーワード線DWL2が配設されている。ダミートランジスタDT2の電流経路の一端は、これのドレイン側のメモリセル(ワード線WLm+1に接続されたメモリセル)の電流経路の一端に接続され、ダミートランジスタDT2の電流経路の他端は、これのソース側のメモリセル(ワード線WLmに接続されたメモリセル)の電流経路の一端に接続されている。ダミートランジスタDT2のゲートは、ダミーワード線DWL2に接続されている。「k」及び「m」は、0≦k<m≦30の整数である。ダミーワード線DWL1及びDWL2は、ワード線WLと同じ方向に延在しており、ロウ制御回路16に接続されている。
図9は、1個のNANDストリングの構成を示す断面図である。ダミートランジスタDT1及びDT2の各々は、P型ウェル22内に互いに離間して設けられた2つの拡散領域23、これら2つの拡散領域23間のチャネル領域上に設けられたゲート絶縁膜34、ゲート絶縁膜34上に設けられたゲート電極35から構成されている。ダミートランジスタDT1及びDT2のチャネル長L1は、これのカットオフ特性を向上させるために、メモリセルMCのチャネル長L2より長く設定される。
(動作)
このように構成されたNAND型フラッシュメモリ10の書き込み動作について説明する。図10は、書き込み動作時のNANDストリングの電圧関係を説明する図である。図10(a)は、書き込み禁止を説明する図であり、図10(b)は、“0”書き込みを説明する図である。ワード線WLm+2が選択され、このワード線WLm+2に書き込み電圧Vpgmが印加されるものとする。
このように構成されたNAND型フラッシュメモリ10の書き込み動作について説明する。図10は、書き込み動作時のNANDストリングの電圧関係を説明する図である。図10(a)は、書き込み禁止を説明する図であり、図10(b)は、“0”書き込みを説明する図である。ワード線WLm+2が選択され、このワード線WLm+2に書き込み電圧Vpgmが印加されるものとする。
(1)書き込み禁止
書き込み禁止のNANDストリングでは、ビット線BLに電源電圧Vdd、ソース線SLに電圧Vcs(1.5V程度)、選択ゲート線SGSに0V、選択ゲート線SGDに電源電圧Vdd、選択ワード線WLm+2に書き込み電圧Vpgm、選択ワード線WLm+2以外のワード線WLに中間電圧Vpass、ダミーワード線DWL1及びDWL2に0Vが印加される。すると、選択トランジスタST2はカットオフし、選択トランジスタST1は、チャネル電圧が“Vdd−(トランジスタST1の閾値)”まで上昇すると自動的にカットオフする。また、ダミートランジスタDT1及びDT2もカットオフする。
書き込み禁止のNANDストリングでは、ビット線BLに電源電圧Vdd、ソース線SLに電圧Vcs(1.5V程度)、選択ゲート線SGSに0V、選択ゲート線SGDに電源電圧Vdd、選択ワード線WLm+2に書き込み電圧Vpgm、選択ワード線WLm+2以外のワード線WLに中間電圧Vpass、ダミーワード線DWL1及びDWL2に0Vが印加される。すると、選択トランジスタST2はカットオフし、選択トランジスタST1は、チャネル電圧が“Vdd−(トランジスタST1の閾値)”まで上昇すると自動的にカットオフする。また、ダミートランジスタDT1及びDT2もカットオフする。
これにより、ダミートランジスタDT2よりドレイン側では、データが書き込まれていないメモリセルMCが多いため、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル電圧は、高くなる(高チャネル電圧に設定される)。さらに、ダミートランジスタDT2がカットオフしているため、高チャネル電位から中チャネル電位へのリークがなく、ダミートランジスタDT2よりドレイン側のチャネル電圧は、高いままで維持され、すなわち、十分な書き込み禁止電圧が得られる。これにより、書き込み電圧Vpgmが印加されたメモリセルMCでは、浮遊ゲート電極とチャネル領域との電界が十分に弱まり、浮遊ゲート電極への電子の注入は抑制される。この結果、書き込み禁止動作において、誤書き込みを防ぐことができる。
ダミートランジスタDT1及びDT2の間のチャネル電圧は、チャネル領域と制御ゲート電極とのカップリング容量が低いため、あまり上昇しない(高チャネル電位より低い中チャネル電圧に設定される)。同様に、ダミートランジスタDT1よりソース側のチャネル電圧は、チャネル領域と制御ゲート電極とのカップリング容量が低いため、中チャネル電圧に設定される。
なお、書き込み禁止において、ダミートランジスタDT2よりソース側のワード線WLは、ダミートランジスタDT2がカットオフしているため、フローティングにしてもよい。これにより、書き込み時の電圧制御が容易になり、また消費電力を低減できる。
ダミートランジスタDT1及びDT2の間に配設されたワード線WLへの書き込み時には、ダミーワード線DWL1には0Vが印加され、ダミーワード線DWL2にはダミートランジスタDT2がオンする電圧、例えば中間電圧Vpassが印加される。そして、選択ワード線に書き込み電圧Vpgm、選択ワード線以外のワード線に中間電圧Vpassを印加する。
これにより、ダミートランジスタDT1がカットオフし、ダミートランジスタDT1よりドレイン側のチャネル領域が高くブーストされる。この結果、誤書き込みを防ぐことができる。なお、ダミートランジスタDT1よりソース側のワード線WLは、ダミートランジスタDT1がカットオフしているため、フローティングにしてもよい。
ダミートランジスタDT1よりソース側のワード線WLへの書き込み時には、ダミーワード線DWL1及びDWL2には、ダミートランジスタDT1及びDT2がオンする電圧、例えば中間電圧Vpassが印加される。この場合、書き込みが行われたメモリセルMCが少ないため、制御ゲート電極とチャネル領域とのカップリング容量が大きくなる。これにより、チャネル領域全体が高くブーストされ、誤書き込みを防ぐことができる。
(2)“0”書き込み
“0”書き込みのNANDストリングでは、ビット線BLに0Vが印加される。その他の電圧関係は、書き込み禁止の場合と同じである。よって、選択トランジスタST1は、メモリセルMCのチャネル領域に0Vを転送する。これにより、ダミートランジスタDT2よりドレイン側のチャネル電圧は低くなり、ほぼ0Vになる(低チャネル電圧に設定される)。これにより、書き込み電圧Vpgmが印加されたメモリセルMCでは、浮遊ゲート電極とチャネル領域との電界が十分に高くなり、浮遊ゲート電極へ電子が注入される。
“0”書き込みのNANDストリングでは、ビット線BLに0Vが印加される。その他の電圧関係は、書き込み禁止の場合と同じである。よって、選択トランジスタST1は、メモリセルMCのチャネル領域に0Vを転送する。これにより、ダミートランジスタDT2よりドレイン側のチャネル電圧は低くなり、ほぼ0Vになる(低チャネル電圧に設定される)。これにより、書き込み電圧Vpgmが印加されたメモリセルMCでは、浮遊ゲート電極とチャネル領域との電界が十分に高くなり、浮遊ゲート電極へ電子が注入される。
以上詳述したように第3の実施形態によれば、ダミートランジスタDTをNANDストリング内に2個配置した場合でも、第1の実施形態と同じ効果を得ることができる。また、NANDストリング内のメモリセルの数が多くなった場合でも、誤書き込みを低減することができる。
なお、チャネル領域を絶縁するダミートランジスタDTの数は、2個に限らず、それ以上配置してもよい。
(変形例1)
また、第2の実施形態と同様に、ダミートランジスタDT1及びDT2を、メモリセルMCと同じ記憶素子として使用するようにしてもよい。図11は、NANDストリングの他の構成例を示す断面図である。
また、第2の実施形態と同様に、ダミートランジスタDT1及びDT2を、メモリセルMCと同じ記憶素子として使用するようにしてもよい。図11は、NANDストリングの他の構成例を示す断面図である。
NANDストリングは、32本のワード線WL0〜WL31に対応する32個のメモリセルMCを備えている。32個のメモリセルMCのうち両端のメモリセルの間には、互いに1個以上のメモリセルを挟むようにして、カットオフ特性が良好なメモリセルMCk及びMCmが配置されている。メモリセルMCkの制御ゲート電極には、ワード線WLkが接続されている。メモリセルMCmの制御ゲート電極には、ワード線WLmが接続されている。メモリセルMCk及びMCmの各々は、他の30個のメモリセルと同じ構造を有しており、よって、P型ウェル22上に、トンネル絶縁膜24、電荷蓄積層(浮遊ゲート電極)25、ゲート間絶縁膜26、制御ゲート電極27が順に積層された積層ゲート構造を有している。
ワード線WLk及びWLmに接続されたメモリセルMCk及びMCmのチャネル長を「L1」、ワード線WLk及びWLm以外に接続されたメモリセルMCのチャネル長を「L2」とすると、チャネル長L1は、メモリセルMCk及びMCmのカットオフ特性を向上させるために、チャネル長L2より長く設定される。「k」及び「m」は、0≦k<m≦30の整数である。
メモリセルMCk及びMCmは、記憶素子として機能する他に、図9のダミートランジスタDT1及びDT2と同じ機能を果たす。すなわち、メモリセルMCmよりドレイン側に配設されたワード線WLへの書き込み時には、ワード線WLk及びWLmには0Vが印加され、選択ワード線には書き込み電圧Vpgmが印加され、これら以外のワード線には中間電圧Vpassが印加される。これにより、メモリセルMCmがカットオフし、メモリセルMCmよりドレイン側のチャネル電圧が高くブーストされる。この結果、誤書き込みを防ぐことができる。なお、ワード線WLkには、中間電圧Vpassを印加してもよい。
メモリセルMCk及びMCm+1の間に配設されたワード線WLへの書き込み時には、ワード線WLkには0Vが印加され、選択ワード線には書き込み電圧Vpgmが印加され、これら以外のワード線には中間電圧Vpassが印加される。これにより、メモリセルMCkがカットオフし、メモリセルMCkよりドレイン側のチャネル電圧が高くブーストされる。この結果、誤書き込みを防ぐことができる。
メモリセルMCk及びそれよりソース側のワード線WLへの書き込み時には、選択ワード線には書き込み電圧Vpgmが印加され、それ以外のワード線には中間電圧Vpassが印加される。この場合、書き込みが行われたメモリセルMCの数が少ないため、制御ゲート電極とチャネル領域とのカップリング容量が大きくなる。これにより、チャネル領域全体が高くブーストされ、誤書き込みを防ぐことができる。
(変形例2)
また、ダミートランジスタDTと、チャネル長L1を有するメモリセルとを混在して使用するようにしてもよい。図12は、NANDストリングの他の構成例を示す断面図である。
また、ダミートランジスタDTと、チャネル長L1を有するメモリセルとを混在して使用するようにしてもよい。図12は、NANDストリングの他の構成例を示す断面図である。
ワード線WLmとワード線WLm+1との間には、ダミーワード線DWLが配設されており、このダミーワード線DWLには、ダミートランジスタDTが接続されている。また、ワード線WL0とWLmとの間に配設されたワード線WLkには、チャネル長L1を有するメモリセルMCkが接続されている。
ダミートランジスタDTよりドレイン側に配設されたワード線WLへの書き込み時には、ダミーワード線DWL及びワード線WLkには0Vが印加され、選択ワード線には書き込み電圧Vpgmが印加され、これら以外のワード線には中間電圧Vpassが印加される。これにより、ダミートランジスタDTがカットオフし、ダミートランジスタDTよりドレイン側のチャネル領域が高くブーストされる。この結果、誤書き込みを防ぐことができる。なお、ワード線WLkには、中間電圧Vpassを印加してもよい。
メモリセルMCk及びダミートランジスタDTの間に配設されたワード線WLへの書き込み時には、ワード線WLkには0Vが印加され、選択ワード線には書き込み電圧Vpgmが印加され、これら以外のワード線には中間電圧Vpassが印加される。また、ダミーワード線DWLには、ダミートランジスタDTがオンする電圧、例えば中間電圧Vpassが印加される。これにより、メモリセルMCkがカットオフし、メモリセルMCkよりドレイン側のチャネル領域が高くブーストされる。この結果、誤書き込みを防ぐことができる。
メモリセルMCk及びそれよりソース側のワード線WLへの書き込み時には、選択ワード線には書き込み電圧Vpgmが印加され、それ以外のワード線には中間電圧Vpassが印加される。また、ダミーワード線DWLには、ダミートランジスタDTがオンする電圧、例えば中間電圧Vpassが印加される。この場合、書き込みが行われたメモリセルMCの数が少ないため、制御ゲート電極とチャネル領域とのカップリング容量が大きくなる。これにより、チャネル領域全体が高くブーストされ、誤書き込みを防ぐことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を構成することができる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
BLK…ブロック、MC…メモリセル、DT…ダミートランジスタ、BL…ビット線、WL…ワード線、DWL…ダミーワード線、SGD,SGS…選択ゲート線、SL…ソース線、ST1,ST2…選択トランジスタ、10…NAND型フラッシュメモリ、11…メモリセルアレイ、12…データ入出力バッファ、13…コマンドインターフェイス、14…制御部、15…カラム制御回路、16…ロウ制御回路、17…ブロック制御回路、20…半導体基板、21…N型ウェル、22…P型ウェル、23…拡散領域、24…トンネル絶縁膜、25…電荷蓄積層(浮遊ゲート電極)、26…ゲート間絶縁膜、27…制御ゲート電極、28S,31S…ソース領域、28D,31D…ドレイン領域、29,32,34…ゲート絶縁膜、30,33,35…ゲート電極。
Claims (5)
- ビット線及びソース線と、
直列に接続されかつ電気的に書き換えが可能なメモリセル群と、前記メモリセル群の一端と前記ビット線との間に接続された第1の選択トランジスタと、前記メモリセル群の他端と前記ソース線との間に接続された第2の選択トランジスタとを含むメモリストリングと、
前記メモリセル群のゲートにそれぞれ接続された複数のワード線と、
前記メモリセル群のうち両端のメモリセルの間に配置され、かつチャネル長がメモリセルのそれより長いダミートランジスタと、
前記ダミートランジスタのゲートに接続されたダミーワード線と、
を具備することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記ダミーワード線に接続され、前記ダミートランジスタと前記第1の選択トランジスタとの間に配設されたワード線が選択された場合に、前記ダミートランジスタをカットオフする制御回路をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- ビット線及びソース線と、
直列に接続されかつ電気的に書き換えが可能なメモリセル群と、前記メモリセル群の一端と前記ビット線との間に接続された第1の選択トランジスタと、前記メモリセル群の他端と前記ソース線との間に接続された第2の選択トランジスタとを含むメモリストリングと、
前記メモリセル群のゲートにそれぞれ接続された複数のワード線と、
前記メモリセル群のうち両端のメモリセルの間に互いに1個以上のメモリセルを挟むようにして配置され、かつチャネル長がメモリセルのそれより長い複数のダミートランジスタと、
前記複数のダミートランジスタのゲートにそれぞれ接続された複数のダミーワード線と、
を具備することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記ダミーワード線に接続され、任意のワード線が選択された場合に、この選択されたワード線から前記ソース線側に最も近いダミートランジスタをカットオフする制御回路をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記ダミートランジスタは、前記メモリセルと同じ構造を有し、かつ記憶素子として用いられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009130588A JP2010277656A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 不揮発性半導体記憶装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009130588A JP2010277656A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 不揮発性半導体記憶装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010277656A true JP2010277656A (ja) | 2010-12-09 |
Family
ID=43424486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009130588A Withdrawn JP2010277656A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 不揮発性半導体記憶装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010277656A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9343495B2 (en) | 2013-07-26 | 2016-05-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Solid-state imaging device and method of manufacturing the same |
-
2009
- 2009-05-29 JP JP2009130588A patent/JP2010277656A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9343495B2 (en) | 2013-07-26 | 2016-05-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Solid-state imaging device and method of manufacturing the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3863485B2 (ja) | 不揮発性半導体記憶装置 | |
US8520440B2 (en) | Semiconductor memory device and method of operating the same | |
US10861566B2 (en) | Semiconductor memory device | |
KR100659211B1 (ko) | 반도체 집적 회로 장치 | |
JP4504405B2 (ja) | 半導体記憶装置 | |
KR101323860B1 (ko) | 반도체 기억장치 | |
JP5491741B2 (ja) | 半導体記憶装置 | |
JP2009026369A (ja) | 半導体記憶装置 | |
JP2011198419A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置およびその書き込み方法 | |
JP2008010076A (ja) | 半導体記憶装置 | |
KR20100115612A (ko) | 프로그램 디스터브를 줄일 수 있는 비휘발성 반도체 메모리 장치 및 이 장치의 프로그램 방법 | |
JP2011198437A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置 | |
JP5305856B2 (ja) | 不揮発性半導体メモリ | |
JP2010198685A (ja) | 不揮発性半導体メモリ | |
JP2009205728A (ja) | Nand型不揮発性半導体メモリ | |
US20110075489A1 (en) | Non-volatile semiconductor memory device | |
JP4960018B2 (ja) | 不揮発性半導体メモリ | |
CN108110009B (zh) | 电介质界面中具有电荷俘获的紧凑型非易失性存储器器件 | |
JP2011023705A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置 | |
JP2006060030A (ja) | 半導体記憶装置 | |
US20130080718A1 (en) | Semiconductor memory device and method of operating the same | |
KR20090019718A (ko) | Nand형 불휘발성 반도체 메모리 | |
JP2009295259A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置およびそのデータ書き込み方法 | |
JP2009141278A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置 | |
JP2011192346A (ja) | 半導体メモリ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120807 |