JP2010270523A - 建設機械の干渉防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業具の回動角を検出する角度センサ等が故障した場合であっても、作業具と運転室との干渉を防止しつつ、作業が継続可能となる建設機械の干渉防止装置を提供する。
【解決手段】故障検出手段34により、作業具の回動角を検出する作業具角度センサ22の出力を監視して故障を検出する。故障検出手段34が角度センサ22の故障を検出することにより、第1の干渉防止制御手段43による干渉防止制御を、第2の干渉防止制御手段46による干渉防止制御に切り換える。第1の干渉防止制御手段43は、多関節フロントの関節部の回動角のみならず、作業具の回動角を参照した干渉防止制御を行なう。第2の干渉防止制御手段46は作業具の回動角を参照しない干渉防止制御を行なう。
【選択図】図4

Description

本発明は、建設機械において、多関節フロントの先端に取付けられる作業具と運転室との干渉を防止する装置に関する。
多関節フロントを有する建設機械において、多関節フロントの先端に取付けた各種バケットやリフティングマグネット等の作業具が運転室に干渉することを防止するための干渉防止装置を備えたものがある。特許文献1に記載の干渉防止装置は、ブームおよびアームの回動角を検出して多関節フロント先端部の作業具の回動支点の位置を演算し、さらに、アーム先端の作業具回動支点に設けた角度センサにより作業具の先端位置を検出し、作業具先端位置が干渉防止領域に近づくと、作業具の運転室への接近動作を禁止する。
特開平11−71780号公報
しかしながら、作業具のアームに対する回動角を検出する角度センサは、作業箇所に近い過酷な環境に晒される。このため、角度センサに作業対象物や障害物が衝突したり引っ掛かかる等により角度センサが破損したり断線等の故障を生じるおそれがある。その場合、上記特許文献1に記載の干渉防止装置においては、作業具の回動支点に設けた角度センサの検出値に基づき、作業具の先端位置を算出し、多関節フロントの動作を制御しているため、作業具の回動角を検出する角度センサ等が故障して機能しなくなると、一般的には多関節フロントの動作を禁止するか、もしくは少なくとも多関節フロントがそれ以上運転室へ接近する動作を禁止する制御が行われる。すなわち、作業具が運転室から退避する方向にしか多関節フロントが動けなくなるため、結果として作業具の回動角を検出する角度センサが故障して機能しなくなると、作業を中断せざるを得なくなる。
本発明は、上記問題点に鑑み、作業具の回動角を検出する角度センサ等が故障した場合であっても、作業具と運転室との干渉を防止しつつ、作業が継続可能となる建設機械の干渉防止装置を提供することを目的とする。
請求項1の建設機械の干渉防止装置は、上部旋回体上に運転室を設置し、
前記上部旋回体に多関節フロントを取付け、
前記多関節フロントの先端に作業具を回動可能に取付けた建設機械における前記作業具と前記運転室との干渉を防止する建設機械の干渉防止装置において、
前記多関節フロントの関節部の回動角を検出する関節部角度センサと、
前記多関節フロントの先端に設けられ、前記作業具の回動角を検出する作業具角度センサと、
前記関節部角度センサの検出値により前記多関節フロントの先端位置を求めると共に、前記作業具角度センサの検出値により、前記作業具の先端位置を算出し、その先端位置を参照して前記作業具と前記運転室との干渉を防止する制御を行う第1の干渉防止制御手段と、
前記関節部角度センサの検出値により前記多関節フロントの先端位置を求め、その多関節フロントの先端位置を中心として、作業具の先端位置までの距離を半径とする円を作業具の先端位置と擬制して前記作業具と前記運転室との干渉を防止する制御を行う第2の干渉防止制御手段と、
前記作業具角度センサの出力を監視してその故障を検出する故障検出手段と、
前記故障検出手段が前記作業具角度センサの故障を検出することにより、前記第1の干渉防止制御手段による干渉防止制御を前記第2の干渉防止制御手段による干渉防止制御に切り換える切換手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の建設機械の干渉防止装置は、請求項1に記載の干渉防止装置において、
前記第1の干渉防止制御手段は、
前記関節部角度センサおよび前記作業具角度センサの検出値と、前記多関節フロントの先端位置が円弧部の一部に含まれる前記作業具の予め設定された包絡円の半径または直径とから、前記包絡円の位置を演算する作業具位置演算手段と、
前記包絡円の位置が、作業具と運転室との干渉防止領域に属するか否かを判定する干渉判定手段と、
前記包絡円の位置が、作業具と運転室との干渉防止領域に達した際に前記作業具の前記運転室への近接を制限する動作制限手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明は、作業具の回動角を検出する作業具角度センサが正常である状態においては、第1の干渉防止制御手段により、作業具の回動姿勢を参照して作業具と運転室との干渉を防止する制御を行なう。そしてもし故障検出手段が作業具角度センサの故障を検出すると、この作業具角度センサが不要となる第2の干渉防止制御手段による干渉防止制御を行なう。このため、作業の中断を要することなく、作業を続行させることができる。また、干渉防止制御が機能しない状態での作業の継続を防止することができ、安全性が向上する。
請求項2の発明においては、多関節フロントの先端位置を円弧の一部として含む包絡円は、実際の作業具の外形を良好に反映するので、包絡円の中心や全体の位置について作業具と運転室との干渉を判定すれば、作業具の運転室に近接する方向の過度の移動制限が緩和され、作業範囲を拡大することができる。
本発明を適用する建設機械の一例を示す側面図である。 図1の要部を作業具を傾斜させて示す拡大図である。 本発明の干渉防止装置の一実施の形態を示すブロック図である。 図3に示すコントローラの機能ブロック図である。 この実施の形態の第2の干渉防止制御手段における干渉防止動作を説明する側面図である。 この実施の形態の第1の干渉防止制御手段における干渉防止動作を作業具が運転室に向いた状態について従来例と対比して示す側面図である。 この実施の形態の第1の干渉防止制御手段における干渉防止動作を作業具が前方に向いた状態について従来例と対比して示す側面図である。 この実施の形態の第1の干渉防止制御手段における他の演算態様を説明する側面図である。
図1は本発明を適用する建設機械の一例を示す側面図である。図1に示す建設機械は、下部走行体1上に旋回装置2を介して上部旋回体3を設置し、上部旋回体3にパワーユニット4や運転室5等を搭載するとともに、上部旋回体3に多関節フロント6を取付けて構成される。多関節フロント6は、上部旋回体3にブームシリンダ7により起伏可能に取付けられたブーム8と、ブーム8の先端にアームシリンダ9により回動可能に取付けられたアーム10とを備える。
アーム10の先端に作業具13のブラケット13aを回動支点14を中心に回動可能に取付ける。この例では作業具13がリフティングマグネットである場合について示す。15は作業具13を回動させる油圧シリンダ(以下作業具シリンダと称す。)であり、そのヘッドをアーム10にピン付けする。16は一端をアーム10に回動可能にピン付けし、他端を作業具シリンダ15のピストンロッド15aにピン付けしたアームリンクである。17は一端を作業具13の取付け用ブラケット13aにピン付けし、他端を作業具シリンダ15のピストンロッド15aにアームリンク16と共にピン付けした作業具リンクである。
多関節フロント6の関節部には、ブーム8、アーム10の角度をそれぞれ検出する関節部角度センサとしての角度センサ20,21が取付けられる。また、作業具13の回動支点14には、作業具13の回動角を検出する作業具角度センサ22が取付けられる。23は作業具13と運転室5との干渉を防止する領域であり、この干渉防止領域23は運転室5の周囲から例えば30cm程度離れた位置に境界が設定される。
図2は図1の要部拡大図である。24はこの実施の形態において設定する包絡円である。この包絡円24は、作業具13の回動支点14を円弧の一部に含み、ブラケット13aを除いた作業具13の全体が包含されるように設定される。Oはこの包絡円24の中心、rはこの包絡円24の半径である。作業具13が水平姿勢にある場合、包絡円24の中心Oは、運転室5から見て回動支点14よりも前方にある。
図3は作業具13と運転室5との干渉を防止する装置の一実施の形態を示すブロック図である。図3において、25は上部旋回体3に搭載した油圧ポンプ、26はブームシリンダ7、アームシリンダ9、作業具シリンダ15の動作制御を行うコントローラである。このコントローラ26は、作業具15が運転室5に近接した場合、各シリンダ7,9,15のコントロール弁27,28,29に対する操作装置30,31,32の操作信号を作業具13の位置情報に基づいて変更するものである。33は作業具13の包絡円24の半径r(直径でもよい)の設定手段であり、この設定手段33はスイッチやキーボード等でなる。34は回動支点14に設けられる角度センサ22の出力信号を監視し、角度センサ22の故障を検知する故障検出手段である。この故障検出手段34は、例えば角度センサ22の出力電圧がゼロであるとか、作業具13の回動にも係らず角度センサ22の出力が変化しない等の現象が発生した場合を故障しみなしてコントローラ26に故障発生した旨の情報を伝えるものである。コントローラ26はこの故障検出手段34の出力に呼応して後述の制御を行なう。
この実施の形態においてはコントロール弁27〜29が電磁弁により構成された場合を示す。27a、27b〜29a、29bはコントロール弁27〜29のソレノイドである。35a,35b〜37a,37bはそれぞれコントロール弁27〜29のソレノイド27a、27b〜29a、29bにコントローラ26から操作信号を送る操作線である。38a〜38cはそれぞれコントロール弁27〜29のシリンダ伸長側の操作線35a〜37aに挿入され、作業具が干渉防止領域23に達した際に、操作線35a〜37aを経由する操作信号を断つ切断回路である。
図4はコントローラ26により実現される干渉防止のための制御装置のブロック図である。図4において、回動支点演算手段39は、ブーム8の角度センサ20により検出されるブームの回動角と、アーム10の角度センサ21により検出されるアーム10の回動角とから、多関節フロントの先端位置である回動支点14の位置を演算により求めるものである。
作業具位置演算手段40は、この回動支点14の位置と、設定手段33により与えられる包絡円24の半径rと、角度センサ22により検出される作業具13の回動角とから、包絡円24の中心Oの位置を演算するものである。干渉判定手段41は、作業具位置演算手段40により求められた包絡円24の中心Oの位置が、作業具13と運転室5との干渉を生じるおそれがあるか否かを判定するものである。動作制限手段42は、干渉判定手段41が包絡円24が干渉防止領域13に達した際に切断回路38a〜38cを作動させてブームシリンダ7、アームシリンダ9、作業具シリンダ15の伸長を防止するものである。前記回動支点演算手段39、作業具位置演算手段40、干渉判定手段41および動作制限手段42により第1の干渉防止制御手段43を構成する。
干渉判定手段44は前記回動支点演算手段39により演算される回動支点14の位置と包絡円24の半径rとから、作業具13の回動角に係わりなく、干渉防止のための干渉の可能性の判定を行うものである。動作制限手段45は、干渉判定手段44の出力により、ブームシリンダ38a、アームシリンダ38bの伸長を停止するものである。前記回動支点演算手段39、干渉判定手段44および動作制限手段45により第2の干渉防止制御手段46を構成する。
48は第1の干渉防止制御手段43と第2の干渉防止制御手段46の切換えを行なう切換手段である。この切換手段48は、角度センサ22が正常である間は第1の干渉防止制御手段43の出力により切断回路38a〜38cの制御を行ない、故障検出手段34により角度センサ22の故障が検出された際には、第1の干渉防止制御手段43に代わり、第2の干渉防止制御手段46の出力により干渉防止制御を行なうものである。
第1の干渉防止制御手段43の干渉判定手段41において、作業具13が干渉防止領域23に達したか否かの判定は、例えば下記のように行う。作業具位置演算手段40により、包絡円24の中心Oの位置情報として、例えば運転室5からの距離L(図2参照)を演算する。一方、作業具13と運転室5との干渉を防止する包絡円24の中心Oの基準距離L0を予め設定しておく。この基準距離L0は下記の式から得られる。
L0=r+ΔL(ただしΔLは干渉防止領域23の幅)
動作制限手段42は、包絡円24の中心Oの運転室5からの距離Lが基準距離L0にまで近づく(L≦L0になる)と、切断回路38a〜38cに制御信号を送り、操作線35a〜37aを電気的に切断し、作業具13が運転室5に近接する方向となるシリンダ7,9,15の伸長動作を禁止するものである。
この干渉防止装置において、角度センサ22が正常に動作し、故障検出手段34が角度センサ22の出力の異常を検出しない状態、すなわち故障が無い場合には、第1の干渉防止制御手段43の出力により、切断回路38a〜38cの制御を行なう。
ここで、例えばオペレータが操作装置30を操作することにより、コントロール弁27のソレノイド27aに操作線35aを通して通電し、コントロール弁27を右位置に切り換え、ブームシリンダ7を伸長させ、ブーム8を上げる動作中において、干渉判定手段41がL=L0となる判定を行った際には、干渉判定手段41の出力により、ブーム8のコントロール弁27の操作線35aに挿入された切断回路38aにより操作線35aを切断し、それ以上のブーム上げ動作を停止し、作業具13と運転室5とが干渉することを防止する。
また、オペレータが操作装置31を操作することによりコントロール弁28のソレノイド28aに操作線36aを通して通電し、コントロール弁28を右位置に切り換え、アームシリンダ9を伸長させ、アーム10を運転室5側に近接させる動作中において、干渉判定手段41がL≦L0となる判定を行った際には、干渉判定手段41の出力により、アーム10のコントロール弁28の操作線36aに挿入された切断回路38bにより操作線36aを切断し、それ以上のアーム10の運転室5側への近接動作を停止し、作業具13と運転室5とが干渉することを防止する。
また、オペレータが操作装置32を操作することによりコントロール弁29のソレノイド29aに操作線37aを通して通電し、コントロール弁29を右位置に切り換え、作業具シリンダ15を伸長させ、作業具10を運転室5側に回動させ近接させる動作中において、干渉判定手段41がL≦L0となる判定を行った際には、干渉判定手段41の出力により、作業具13のコントロール弁29の操作線37aに挿入された切断回路38cにより操作線37aを切断し、それ以上の作業具13の運転室5側への近接動作を停止し、作業具13と運転室5とが干渉することを防止する。
また、オペレータが操作装置30〜32のうち複数のものを操作した場合、干渉判定手段41がL≦L0となる判定を行った際には同様の干渉防止制御を行なう。
一方、故障検出手段34が角度センサ22の故障を検出した場合は、切換手段48により、第1の干渉防止制御手段43の出力をオフとし、ブーム8、アーム10のみに係わりのある切断回路38a,38bを第2の干渉防止制御手段46により制御する。
図5はこの第2の干渉防止制御手段46による制御の態様を説明する図である。図5に示すように、第2の干渉防止制御手段46においては、多関節フロント6の先端位置である回動支点14から作業具13の最遠点13bまでの距離Rを半径とする円50を想定して、作業具13の先端位置を擬制する。そしてこの円50が干渉防止領域23に接する場合を回動支点14の運転室5側への移動限界とする。したがって角度センサ22の出力は参照せず、角度センサ20,21の出力から求められる回動支点14の位置を参照して干渉の可能性を判定する。
すなわち、運転室5から回動支点14までの距離L1が、
L1>R+ΔLである場合には干渉判定手段44は干渉の可能性なしとし、動作制限手段45は切断回路38a,38bによる操作線35a,36aの切断は行なわない。一方、
L1≦R+ΔLである場合には、動作制限手段45は切断回路38a,38bにより操作線35a,36aに与える操作信号をオフとしてアームシリンダ7、ブームシリンダ8のさらなる伸長を防止し、干渉を防止する。このような制御を行なえば、回動支点14と干渉防止領域23との間に前記距離R以上の距離が確保されるため、作業具シリンダ15を伸長側に作動させ、作業具13を運転室5側に回動させても作業具13が運転室5に干渉するおそれはない。
このように、故障検出手段34が作業具13の角度センサ22の故障を検出すると、第1の干渉防止制御手段43から第2の干渉防止制御手段46による干渉防止制御に移行するため、作業の中断を要することなく、作業を続行させることができる。また、干渉防止制御が機能しない状態での作業の継続を防止することができ、安全性が向上する。
また、作業具13の回動支点14を円弧の一部として含む包絡円24は、実際の作業具13の外形を良好に反映するので、包絡円24の位置について作業具13と運転室5との干渉を判定すれば、作業具13の運転室5に近接する方向の過度の移動制限が緩和され、作業範囲を拡大することができる。
図6は前記特許文献1に記載の干渉防止装置による場合と上記実施の形態の第1の干渉防止制御手段43による場合の作業具13の近接可能距離を、作業具13が運転室5側へ向いた状態で対比して示す図である。特許文献1に記載の干渉防止態様を踏襲すると、作業具13の回動支点14から最遠点13bまでの距離Rを半径とする基準円50を想定し、この基準円50が干渉防止領域23に達すると前述した多関節フロント6等の運転室5への近接動作を制限する。
一方、この従来方式に比較し、上記実施の形態による場合は、例えば作業具13がリフティングマグネットである場合のように、作業具13の回動支点14を円弧の一部として含む包絡円24は、実際の作業具13の外形を良好に反映するので、包絡円24の中心Oについて作業具13と運転室5との干渉防止動作の要否を判定すれば、作業具13の運転室5に近接する方向の過度の動作制限が緩和され、作業範囲をΔXに示す幅分拡大することができる。
図7は前記特許文献1に記載の干渉防止装置による場合と上記実施の形態による場合の作業具13の近接可能距離を、作業具13が前方側へ向いた場合について対比して示す図である。従来方式による場合、作業具13の向きに係らず回動支点14が運転室5に近接できる距離は一定であるが、本実施の形態による場合、作業具13が前向きになると、包絡円24が前方に移動するので、回動支点14の運転室5に近接可能な距離は、作業具13が運転室5へ向いている場合に比較してさらに縮まり、従来方式に比較し、作業範囲をΔX1に示す分だけさらに拡大する(ΔX1>ΔX)ことができる。
図8は前記包絡円24を使用して干渉防止を行なう場合の他の演算態様を示す側面図である。この実施の形態においては、前記作業具位置演算手段40において、包絡円24の位置、すなわち運転室5と包絡円24との距離L2を求め、干渉判定手段41においては、この距離L2が干渉防止領域23の距離(幅)ΔL以下(L2≦ΔL)に達したか否かを判定して干渉防止動作制限を行うようにしたものである。
なお、前記距離L2は、前記包絡円24の中心Oの運転室5からの距離L(図2参照)から(L−r)なる演算によって求めることができる。また、作業具位置演算手段40において求める包絡円24の位置としては、運転室5側の最近接点ではなく、中心Oから見てこの最近接点の反対側の最遠点を用いることもできる。このような包絡円24の位置の演算によっても前記実施の形態と同様の効果を上げることができる。
なお、図3、図4の実施の形態においては、コントロール弁27〜29を電磁弁により構成した例を示したが、このコントロール弁27〜29を油圧操作式コントロール弁により構成することもできる。この油圧操作式コントロール弁を用いる場合は、干渉防止手段41,44において作業具13が干渉防止領域23に達すると判定される場合にコントロール弁27〜29の油圧操作回路をオフとするか、あるいは油圧操作回路へのパイロット圧油の供給を絶ち、サイディング3の運転室5への近接動作を制限する。
上記の実施の形態においては、包絡円24の運転室5からの距離、あるいは回動支点14の運転室5からの距離を演算することによって干渉の判定を行うようにしたが、包絡円24の中心位置や運転室5側の位置情報そのもの、あるいは回動支点14の位置情報そのものについて干渉の有無を予め判定しておき、包絡円24の位置情報そのものから干渉の判定結果を得るようにしてもよい。
また、第1の干渉防止制御手段43においては包絡円24を想定して干渉防止制御を行なうようにしたが、作業具13の回動角を参照して干渉防止制御を行なう制御であれば、他の制御方式を第1の干渉防止制御手段43に用いることができる。
また、上記の実施の形態においては、運転室5が上部旋回体3に固定して搭載される例について説明したが、運転室5の位置を上方、前方の少なくともいずれかに変位可能としたものにも適用できる。この場合は、運転室5の変位に応じて、運転室5の位置情報を変更する。また、本発明は、干渉防止領域23の周囲に所定幅の減速範囲を設定して動作制限を行うことも可能である。また、多関節フロント6の構成としては、上記実施の形態のような標準型ではなく、3本のアームや伸縮アームを付加したもの、あるいはアーム10を水平に揺動させるものにも適用できる。また、本発明は、作業具がリフティングマグネットである場合以外の例えばグラップルバケット、ホークバケット、鋏状の破砕具など、他の種々の作業具であるにも好適に適用できる。
1:下部走行体、2:旋回装置、3:上部旋回体、4:パワーユニット、5:運転室、6:多関節フロント、7:ブームシリンダ、8:ブーム、9:アームシリンダ、10:アーム、13:作業具、13a:ブラケット、14:回動支点、15:作業具シリンダ、16:アームリンク、17:作業具リンク、20〜22:角度センサ、23:干渉防止領域、24:包絡円、25:油圧ポンプ、26:コントローラ、27〜29:コントロール弁、27a、27b〜29a,29b:ソレノイド、30〜32:操作装置、33:半径rの設定手段、34:角度センサ22の故障検出手段、35a,35b〜37a,37b:操作線、38a〜38c:切断回路、43:第1の干渉防止制御手段、46:第2の干渉防止制御手段、48:切換手段、O:包絡円の中心、r:半径、R:回動支点14から作業具13の最遠点までの距離

Claims (2)

  1. 上部旋回体上に運転室を設置し、
    前記上部旋回体に多関節フロントを取付け、
    前記多関節フロントの先端に作業具を回動可能に取付けた建設機械における前記作業具と前記運転室との干渉を防止する建設機械の干渉防止装置において、
    前記多関節フロントの関節部の回動角を検出する関節部角度センサと、
    前記多関節フロントの先端に設けられ、前記作業具の回動角を検出する作業具角度センサと、
    前記関節部角度センサの検出値により前記多関節フロントの先端位置を求めると共に、前記作業具角度センサの検出値により、前記作業具の先端位置を算出し、その先端位置を参照して前記作業具と前記運転室との干渉を防止する制御を行う第1の干渉防止制御手段と、
    前記関節部角度センサの検出値により前記多関節フロントの先端位置を求め、その多関節フロントの先端位置を中心として、作業具の先端位置までの距離を半径とする円を作業具の先端位置と擬制して前記作業具と前記運転室との干渉を防止する制御を行う第2の干渉防止制御手段と、
    前記作業具角度センサの出力を監視してその故障を検出する故障検出手段と、
    前記故障検出手段が前記作業具角度センサの故障を検出することにより、前記第1の干渉防止制御手段による干渉防止制御を前記第2の干渉防止制御手段による干渉防止制御に切り換える切換手段とを備えたことを特徴とする建設機械の干渉防止装置。
  2. 請求項1に記載の干渉防止装置において、
    前記第1の干渉防止制御手段は、
    前記関節部角度センサおよび前記作業具角度センサの検出値と、前記多関節フロントの先端位置が円弧部の一部に含まれる前記作業具の予め設定された包絡円の半径または直径とから、前記包絡円の位置を演算する作業具位置演算手段と、
    前記包絡円の位置が、作業具と運転室との干渉防止領域に属するか否かを判定する干渉判定手段と、
    前記包絡円の位置が、作業具と運転室との干渉防止領域に達した際に前記作業具の前記運転室への近接を制限する動作制限手段とを備えたことを特徴とする建設機械の干渉防止装置。
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