JP2010268903A - 什器用ストッパー - Google Patents

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Abstract

【課題】床面と接触する部材を、より確実に床面に接触、および、床面から離すことができ、かつ、当該圧接される部材のストロークを比較的自由に設定することができる什器用ストッパーを提供すること。
【解決手段】スライド部材20が所定の後退位置にある状態から、操作腕部41を紙面手前方向に回動させると、駆動腕部の先端部42tによってスライド部材20が前方へ摺動させられると共に、連結部材50に設けられた当接部52が突出部17の表面に沿って前方へ移動していく。これにより、連結部材50が、徐々に立ち上がっていくのに伴って、接触部材60が床面に接近していき、スライド部材20が所定の前進位置に到達すると、連結部材50が略直立状態となって、接触部材60が床面に圧接される。
【選択図】図4

Description

床面を移動可能な什器の底面に取り付け、床面との摩擦によって当該什器が容易に移動しないように停留させる什器用ストッパーに関する。
従来、オフィスなどで使用されるキャビネットや、ワゴンなどの什器の中には、その移動を容易にするためのキャスターが底面に設けられているものがある。また、このようなキャスターが取り付けられた什器には、その使用中に什器が動いてしまわないようにするためのストッパーが設けられているものもある。この種のストッパーとして、例えば、特許文献1には、外部からの操作に応じて、弾性部材からなる吸盤状の圧接部を床面に圧接させることで什器の移動を規制し、また、床面との圧接を解除することで、什器の移動を可能とさせるものが開示されている。より具体的に、当該ストッパーは、主に、什器の底部に取り付けられる取付ベースと、当該取付ベースに回動自在に設けられ、上述した圧接部が設けられたストッパーパーツと、外部から操作されたレバー体の動きに応じて当該ストッパーパーツを、前記圧接部が床面に圧接される位置、および前記圧接部が床面に接しないリフト位置の間で回動させるスライドパーツとによって構成されている。
前記ストッパーパーツは、ねじりコイルばねによって、常時、前記リフト位置に付勢されている状態にあり、この状態で、レバー体の動きに応じてスライドパーツが一方向へスライドすると、この動きに伴って、スライドパーツに設けられたローラーが、ストッパーパーツの背面(圧接部が設けられている面とは逆の面)に形成された隆起部の傾斜面を上る方向へ転動しつつ水平移動する。これにより、ローラーによって、ねじりコイルばねの付勢に抗してストッパーパーツが回動して先端部分が床面に向かって押し出され、圧接部が床面へ接近する。そして、前記ローラーが隆起部の頂上に到達したときに、前記ストッパーパーツが最も床面側に接近する回動位置(以下、圧接位置という)となり、圧接部が床面に圧接されることになる。また、圧接部の床面への圧接を解除するには、外部からレバー体を操作して、元の位置までスライドパーツをスライドさせる。これにより、前記ローラーは、隆起部の頂上から傾斜面へと、先ほどとは逆方向に水平移動し、隆起部の傾斜面を下る方向に水平移動するにつれて、ストッパーパーツがねじりコイルばねの付勢によって、上述したリフト位置へと回動し、圧接部の床面への圧接が解除される。
特開2008−188361号公報
ところが、上述した特許文献1のストッパーでは、ストッパーパーツのリフト位置への復帰が、ねじりコイルばねの付勢に依存している。このため、ねじりコイルばねの劣化やへたりなどによって付勢力が低下し、また、ねじりコイルばねが破損した場合は、ストッパーパーツをリフト位置へ復帰させることができなくなってしまう。この場合、什器の移動を阻止するまでには至らないまでも、圧接部が床面と接触し続けることとなるため、什器のスムーズな移動の妨げとなる恐れがある。
また、リフト位置における圧接部と、圧接位置における圧接部との、床面方向における位置の差(以下、ストロークという)が、隆起部の高さで決まってしまうため、ストロークを大きくするには、隆起部を高くする必要がある。この場合、高くなった隆起部が取付ベースに当接してしまい、リフト位置における圧接部の位置と、床面との間に、十分な間隔を開けることができず、結果として十分なストロークを得るのが困難であった。
さらに、隆起部の傾斜面が、なだらかで一定の角度になっているため、圧接部をリフト位置から圧接位置まで移動させるのに、レバー体を回動させなくてはならない角度が広く(すなわち、レバー体の操作量が多く)なり、必ずしも操作性が良いとはいえなかった。一方、レバー体の操作量を少なくするために、ローラーの転動距離を短く(すなわち、隆起部の傾斜角度を急峻に)すると、特に、圧接部が床面に接触し始めてから圧接位置に至るまでの間に、レバー体を操作するときの負荷が大きくなってしまうことになる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、床面と接触する部材を、より確実に床面へ圧接、および、床面から離間させることができ、かつ、当該床面と接触する部材のストロークを比較的自由に設定可能にするとともに、操作性をより向上させることができる什器用ストッパーを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の什器用ストッパーは、床面を移動可能な什器の底面に取り付けられ、前記床面との摩擦によって前記什器の移動を阻止する什器用ストッパーであって、裏面が前記什器への取付面となっているベース部材と、前記ベース部材の表面に突設され、所定の傾斜面を形成した突出部と、前記ベース部材の表面側に取り付けられ、前後方向に摺動可能なスライド部材と、一端側が前記ベース部材に回動自在に支持され、自由な他端側が前記床面に対して接離可能となっている回動部材と、前記回動部材の他端側に設けられ、前記床面と接触し摩擦力を生じさせる接触部材と、一端側が前記スライド部材に回動自在に連結されるとともに、他端側が前記回動部材の他端側に回動自在に連結された連結部材と、前記連結部材の中央に設けられ、前記スライド部材の摺動に伴って前記突出部の傾斜面上を移動する当接部と、外部からの操作に応じて、前記スライド部材を所定の前進位置と後退位置との間で摺動させる摺動駆動部材と、を有し、前記スライド部材の摺動に伴って、前記当接部が前記突出部の傾斜面上を移動するとともに、前記当接部の移動に伴って、前記連結部材が傾倒または屹立した状態となり、これにより、前記回動部材の他端側が前記床面に対して接近または離間し、前記接触部材の摩擦力を生じさせ、または摩擦力を解除させる構成としてある。
本発明に係る什器用ストッパーでは、摺動駆動部材を操作して、スライド部材を後退位置から前進位置へ摺動させると、連結部材に設けられた当接部が、前進位置に向かって突設部の傾斜面上を移動する。これにより連結部材が屹立し、当該連結部材の他端側に連結されている回動部材の他端側が床面に接近する方向に回動させられる。そして、スライド部材が前進位置に到達すると、回動部材に設けられた接触部材が床面に接触し、これにより生じる摩擦力によって什器の移動が阻止される。
また、摺動駆動部材を操作することによって、スライド部材を前進位置から後退位置へ摺動させると、連結部材の一端側が後退位置の方向へ引き寄せられ、当接部が後退位置に向かって突設部の傾斜面上を移動する。これにより連結部材が傾倒し、回動部材の他端側が床面から離れる方向に回動させられ、接触部材の床面に対する摩擦力が解除される。そして、スライド部材が後退位置に到達すると、回動部材の他端側が床面から離れた状態に維持される。
本発明に係る什器用ストッパーによれば、接触部材を床面から離間させるためのコイルばねを省略することができ、摺動駆動部材の操作に応じたスライド部材の摺動のみによって、接触部材の床面への接近、および、床面に対する離間が可能となる。また、連結部材の長さを適宜設定することによって、床面方向における接触部材のストロークを所望の寸法に設定することが容易となる。また、当接部が突出部の表面上を移動して、連結部材を屹立させることで接触部材を床面に圧接するため、スライド部材の移動量を少なくすることができ、結果として摺動駆動部材の操作量を少なくすることができる。
好ましくは、上記の什器用ストッパーにおいて、前記突出部の傾斜面が、前記スライド部材が前記後退位置にあるときの前記当接部の位置に対応する第1傾斜面と、後退位置と前進位置との中間位置に対応する第2傾斜面と、前記スライド部材が前記前進位置にあるときの前記当接部の位置に対応する第3の傾斜面とを含み、前記第1傾斜面を、前記ベース部材の表面から前記突出部の頂部に向かう上り傾斜とし、前記第2傾斜面を、前記第1傾斜面から前記突出部の頂部に向かう、前記第1傾斜面よりも緩やかな上り傾斜とし、前記第3傾斜面を、前記第2傾斜面から前記ベース部材の表面に向かう下り傾斜とした構成としてもよい。
上記構成によれば、摺動駆動部材を操作することによって、スライド部材を後退位置から前進位置へ摺動させたときに、当接部は、まず、突設部の第1傾斜面上を移動し、後退位置と前進位置との中間位置で、第1傾斜面よりも緩やかになっている第2傾斜面に達する。そして、さらに当該第2傾斜面上を移動した後、スライド部材が前進位置に達したときには、前記当接部は突設部の頂部を越えて、ベース部材の表面に向かう下り傾斜となっている第3傾斜面上に到達する。
ここで、スライド部材の中間位置において、当接部は、第1の傾斜面よりもなだらかな第2傾斜面へと移行するため、例えば、接触部材が床面に接し始めることにより、摺動駆動部材の操作に抵抗が生じ始めたとしても、ユーザに与える負荷を軽減させることができる。また、スライド部材が前進位置に到達したときには、当接部が、突設部の頂部を越えて、下り傾斜になっている第3傾斜面に達しているため、例えば、什器が何らかの影響で振動したとしても、当接部が第2傾斜面へ戻ってしまい、その勢いで第1傾斜面へ移動して、勝手に接触部材が床面から離間してしまう可能性を低くすることができる。
好ましくは、上記いずれかの什器用ストッパーにおいて、前記接触部材が、吸盤状に傾斜した弾性部材からなる周壁部を有し、前記周壁部の水平方向の断面形状を、四角形の両端部に、これら両端部の各幅より直径の大きい2つの円形を各々連成した略亜鈴形となっている構成としてもよい。
上記構成によれば、接触部材の略亜鈴形の周壁部における、直線箇所と円弧箇所との接合箇所にエッジが形成される。これより、接触部材を床面に圧接させているときに、什器を移動させるべく外力が加えられたとしても、接触部材がよれにくくなるため、床面との摩擦力を維持し易くなり、什器の移動を阻止した状態を保ちやすくすることができる。
好ましくは、上記いずれかの什器用ストッパーにおいて、前記摺動駆動部材を、外部から操作される操作腕部と、前記操作腕部の動きをスライド部材に伝達する駆動腕部とを、平面視略L字形に連成したレバーとし、前記摺動駆動部材の操作腕部と駆動腕部との接合部を、前記ベース部材の表面側に回動自在に軸着するとともに、前記駆動腕部の先端を、前記スライド部材の表面に穿設した左右方向に延びる長穴に遊挿した構成とし、前記操作腕部を操作したときの回動が、前記駆動腕部を介して前記スライド部材に伝達され、前記スライド部材を前後方向に摺動させる構成としてもよい。
上記構成によれば、操作腕部を操作してレバーを回動させると、これに伴って駆動腕部が回動し、スライド部材が長穴を介して前進位置と後退位置との間を摺動する。ここで、摺動駆動部材が略L字形のレバーになっており、かつ、操作腕部と駆動腕部の接合部をベース部材の表面側に軸着しているので、梃子の原理によって、少ない力で摺動駆動部を摺動させることができる。
また、上記の略L字形以外の摺動駆動部材を含む什器用ストッパーとして、前記摺動駆動部材を、前記スライド部材の摺動方向に延びる略長尺棒状とし、一端側を前記スライド部材に連結するとともに、他端側に操作部を設け、前記摺動駆動部材の前後方向の動きによって、前記スライド部材を前後方向に摺動させる構成としてもよい。
上記構成によれば、長尺棒状の部材を前後に動かすことでスライド部材を容易に摺動させることができるとともに、少ない部品点数で摺動駆動部材を簡単な構成とすることができる。
また、上記の略L字形および長尺棒状部材以外の摺動駆動部材を含む什器用ストッパーとして、前記摺動駆動部材を、リンク機構を介して前記スライド部材に連結されたペダルとし、該ペダルを上下方向に操作することにより、前記スライド部材を前後方向に摺動させる構成としてもよい。
上記構成によれば、ペダルを上下方向に操作することにより、スライド部材を前後方向に摺動させることができるため、足などで摺動駆動部材を操作することができ、什器の底面という低い位置に什器用ストッパーを取り付ける場合でも、摺動駆動部材の操作を容易にすることができる。
本発明に係る什器用ストッパーによれば、床面と接触する部材を、より確実に床面に接触、および、床面から離間させることができ、かつ、当該圧接される部材のストロークを比較的自由に設定することができる。
本発明の什器用ストッパーの構成を示す分解斜視図である。 同什器用ストッパーをキャビネットに取り付けた状態を示す斜視図である。 同什器用ストッパーによりキャビネットの移動を阻止するときの各部の動きを示す底面図である。 同什器用ストッパーによりキャビネットの移動を阻止するときの各部の動きを示す側断面図である。 同什器用ストッパーによりキャビネットの移動を阻止する過程において、当接部が突出部の表面上を移動する様子を示す図である。 同什器用ストッパーの突出部の他の形態を、側方から見たときの模式図である。 同什器用ストッパーの摺動駆動部材の他の形態を示す側断面図である。 同什器用ストッパーの摺動駆動部材の他の形態を示す側断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における什器用ストッパー1の構成を示す分解斜視図である。各部の配置関係を分かりやすく説明するために、同図中、矢印アを前後方向、矢印イを左右方向とする。本実施形態の什器用ストッパー1は、大別すると、ベース部材10、スライド部材20、回動部材30、摺動駆動部材40、および、接触部材60によって構成されている。以下、個々の構成について説明する。
<ベース部材10>
ベース部材10は、略T字形の平面部11と、平面部11の表面側において、後端部分一部を除く周縁から立設された周壁12とからなっている。また、ベース部材10の表面は、後述する各種構成部材の取付面になっており、ベース部材10の背面は、後述する図2に示すように、什器用ストッパー1を什器に取り付ける際の取付面(什器の底面と接触する面)になっている。
平面部11は、前後方向に延伸する縦延領域(右下がりのハッチングで示す領域)と、縦延領域の前方において左右に展開する横延領域(右上がりのハッチングで示す領域)とからなっている。平面部11の表面略中央には、平面部11の前端から後端に掛けて、直線状のガイド条13が形成されている。当該ガイド条13は、後述するスライド部材20を摺動方向にガイドするためのものである。また、平面部11の縦延領域後端近傍における左右の周壁12の各内側には、直線状の支持条14L,14Rが形成されている。これら支持条14L,14Rは、後述するスライド部材20を摺動自在に支持するためのものである。なお、図1においては、図中、左側の周壁12に設けられた支持条14Lのみを図示しているが、右側の周壁12においても、支持条14Lと対向する位置に、支持条14Rが形成されている。
また、平面部11の縦延領域を挟んで対向する左右の周壁12において、支持条14L,14Rの上方には、支持穴15L,15Rが穿設されている。これら支持穴15L,15Rには、後述する回動部材30の一端側左右側面にそれぞれ形成された凸部31L,31Rが嵌入される。これにより、回動部材30の一端側がベース部材10に回動自在に支持される。また、支持穴15L,15Rの前方における平面部11には、縦延領域を挟んで対向する回動軸16L,16Rが立設されている。これら回動軸16L,16Rは、後述する摺動駆動部材40または40’を軸支するためのものである。回動軸16L,16Rは円柱形状の軸であり、頭頂部周縁において直径方向に突出する2つの突起pが形成されている。また、平面部11の横延領域には、ガイド条13を挟んで左右に突出部17L,17Rが突出形成されている(突出部17L,17Rの接触面の構成については、後述する什器用ストッパー1の動作説明において詳細に述べる)。さらに、平面部11には、ベース部材10をキャビネットなどの什器の底面に取り付けるためのネジ穴hが4箇所に穿設されている。また、平面部11の横延領域は、後述する回動部材30の横延部を収容するための収容部18になっている。
<スライド部材20>
スライド部材20は、平面形状が矩形になっており、その底面略中央には、スライド部材20の前端から後端にかけて、直線状のガイド溝21が形成されている。スライド部材20の両側辺には、各々、上述した支持条14L,14Rと係合する段差部22L,22Rが形成されている。これにより、スライド20をベース部材10に取り付ける際は、ガイド溝21をガイド条13の位置に合わせて、ベース部材10の後端から、平面部11の表面に沿ってスライド部材20を前方へ押し出すと、段差部22L,22Rがガイド条14L,14Rと係合する。これにより、ベース部材10を什器の底面に取り付けた場合でも、ベース部材10からスライド部材20を脱落させることなく、摺動自在に支持することができる。
スライド部材20の表面には凹部23が形成され、凹部23の中で、後述する摺動駆動部材40の駆動腕部42の回動が可能になっている。また、凹部23底面の略中央には、駆動腕部42の先端部42tが貫入される長穴24が穿設されている。この長穴24は、図1中、左右方向が長径になっている。スライド部材20の前方端には、連結部材50L,50Rの一端側を貫き、連結部材50L,50Rをそれぞれ回動自在に軸支するための軸25が取り付けられている。この軸25は、スライド部材20の前方端に形成されたU字溝26(図4(b)参照)内において上下方向に移動可能な状態で支持されている。
連結部材50L,50Rの各先端側(他端側)は、一本の軸51が貫入されており、この軸51は、後述する回動部材30の他端側裏面に形成された把持部34a,34b,34c,34dによって着脱自在に把持される。ここで、連結部材50L,50Rは、図1に示すように直立した状態で前方を向いている面が開口になっている。そして、連結部材50L,50Rの内部における各一端側と他端側の間には、それぞれローラーで構成された当接部52L,52Rが回転自在に軸支されている。これにより、スライド部材20をベース部材10に取り付けた状態で前方へ摺動させると、当接部52L,52Rが、各々、突出部17L,17Rに当接することができるように構成されている。なお、当接部52L,52Rは、必ずしもローラーである必要は無く、連結部材50L,50Rに一体成形された円筒形状の部材であってもよい。
<回動部材30>
回動部材30は、平面形状が横延部と縦延部とからなる略T字形の部材であり、縦延部の後端側(一端側)において、左右側面に、ベース部材10に穿設された支持穴15L,15Rに嵌入される凸部31L,31Rが形成されている。また、縦延部の前方に位置する横延部(他端側)には、接触部材60を取り付けるための凹部32が形成されている。この凹部32の左右端と中央部には、後述する接触部材60を取り付けるための取付孔33L,33R,33Cが、それぞれ穿設されている。また、横延部の裏面側には、前述した軸51を着脱自在に把持するための4つの把持部34a,34b,34c,34dが形成されている。このうち、把持部34aは軸51の左端部分を把持し、把持部34bおよび34cは、連結部材50L,50Rの間を渡っている軸51を把持し、把持部34dは軸51の右端部分を把持する。なお、横延部と縦延部とは、鈍角を成しており、例えば、図1において、横延部を水平面に置いたとすると、縦延部は後方へ向かって下方へ傾斜することになる。
<摺動駆動部材40>
摺動駆動部材40は略L字形の部材であり、ユーザによって操作される操作腕部41と、操作腕部41の先端箇所から略直角に右方向へ延出した駆動腕部42とによって構成されている。操作腕部41は、長尺棒状の部材であるが、前述した支持穴15Lが穿設されている周壁12の後方で曲折するクランク状になっている。また、駆動腕部42の先端部42tは、駆動腕部42の下面よりもさらに下方へ延出する円柱形になっている。操作腕部41と駆動腕部42との接合部には軸穴43が穿設されており、さらに軸穴43の内部には、コイルばね44を受けるためのスリーブ43sが形成されている。そして、ベース部材10に立設された回動軸16Lを、この軸穴43に通した後、摺動駆動部材40が回動軸16Lから抜けないように、回動軸16Lの頭頂部を固定部材45によって固定する。固定部材45は、回動軸16Lの直径と略同寸の直径の貫通孔を有する筒形状の部材であり、この貫通孔の内周面において、対向する2箇所に軸方向へ延びる2つの直線状の溝45sが形成されている。また、2つの溝45sに対して90度傾いた位置に、回動軸16Lの突起pが嵌合する2つの嵌合溝45fが形成されている。
摺動駆動部材40を回動軸16Lに固定する際には、まず、回動軸16Lを軸穴43に通し、軸穴43の内部に、スリーブ43sを巻回するように、コイルばね44を収容させる。このとき、駆動腕部42の先端部42tは、予めベース部材10の支持条14L,14Rによって支持させておいたスライド部材20に穿設されている長穴24へ貫入させておく。そして、回動軸16Lの突起pの位置に、固定部材45の溝45sの位置を合わせた上で、固定部材45の貫通孔に回動軸16Lを通し、さらにコイルばね44の付勢に抗して固定部材45を押し下げて、回動軸16Lの突起pを固定部材45の頭頂面から突出させる。この状態で固定部材45を略90度回転させて、回動軸16Lの突起pを嵌合溝45fの位置に合わせた後、コイルばね44の付勢に任せて突起pを嵌合溝45fに嵌合させる。これにより、摺動駆動部材40を、ベース部材10に回動自在に固定することができる。
操作腕部41を、図1中、矢印ウの方向に回動させると、駆動腕部42の先端部42tも回動軸16Lを中心として回動し、この動きが長穴24によってスライド部材20の前後方向への摺動に変換される。
また、本実施形態では、操作腕部41の軸穴43を形成する円筒状壁部の底縁部に微小突起43aを突設するとともに、ベース部材10の回動軸16周り2箇所に、微小突起43aと係合する2つの凹部(図示せず)を形成した構成としてある。各凹部の形成位置は、微小突起43aの回動軌道(すなわち、操作腕部41の回動範囲)上における始点と終点である。このような構成により、コイルばね44に付勢された微小突起43aが、操作腕部41の回動始点と終点とにおいて前記凹部に係合し、操作腕部41の回動操作にクリック感を持たせている。
なお、本実施形態の什器用ストッパー1では、回動軸16Lと左右対称的な位置に回動軸16Rを設けてあるので、上述した摺動駆動部材40の代わりに、これと左右対称的な形状の摺動駆動部材40’を回動軸16Rに取り付けることにより、ベース部材10の右側から操作腕部を操作することも可能である。すなわち、本実施形態の什器用ストッパー1は、什器100(図2参照)を操作者の左右どちら側に配置した場合でも容易に操作することが可能となっている。
<接触部材60>
接触部材60は、弾性部材からなる吸盤状の部材であって、底面部61には、回動部材30の凹部32に穿設された取付孔33L,33C,33Rの位置に合わせて、貫通孔61L,61C,61Rが穿設されている。底面部61の周縁には、袴状の周壁部62が一体的に形成され、その開口(水平方向における断面)の形状は、略亜鈴形になっている。すなわち、接触部材60は、平行な2本の直線部62sと、これら直線部62sの両端に連続する2つの円弧部62aとからなり、直線部62sと円弧部62aとが接合する位置にエッジEが形成されている。このような接触部材60は、固定具70によって回動部材30の凹部32に固定される。固定具70は、長尺平板状の部材であり、長手方向の両端および中央において、貫通孔61L,61C,61Rとそれぞれ対応する位置に、突起71L,71C,71Rが形成されている。また、両端に形成された突起71Lおよび71Rには、各々、可撓性を有し、先端に係止爪が形成された係止片72Lおよび72Rが設けられている。
この固定具70によって、接触部材60を回動部材30の凹部32に固定する際は、まず、底面部62に穿設された貫通孔61L,61C,61Rを、それぞれ凹部32に穿設された取付孔33L,33C,33Rの位置に合わせ、その上から固定具70の突起71L,71C,71Rを、それぞれ対応する貫通孔へ挿入する。そして、固定具70の突起71Lおよび71Rの先端が、回動部材30の裏面から突出すると、係止片72Lおよび72Rの係止爪が、取付孔33Lおよび33Rの周縁に係合して、回動部材30から固定具70を容易に取り外すことができなくなる。これにより、接触部材60は、回動部材30と固定具70とによって挟持される。
<什器用ストッパー1の取付状態>
上述した構成の什器用ストッパー1を、什器に取り付けた状態を図2(a)、(b)に示す。同図(a)は什器の一種であるキャビネットの外観を示す斜視図であり、同図(b)は上述したキャビネットを底面側から見た斜視図である。なお、これら図面において、図1と同一の箇所には同じ符号を付し、その説明を省略する。同図(a)に示すキャビネット100は、上下二段の引き出し101u,101dを備え、その底面の四隅には、キャスター102が各々取り付けられている。同図(b)に示すように、キャビネット100の底面103には、什器用ストッパー1が、キャビネット100の底面103にベース部材10の背面を当てた状態で、図1に示したネジ穴hを通してボルトおよびナット等により取り付けられている。
ここで、キャビネットの底面103における什器用ストッパー1の取付位置は、適宜定めることができるが、同図(a)に示すように、少なくとも操作腕部41の先端が、キャビネット100の正面から突出していることが望ましい。
同図(a)、(b)はいずれも、什器用ストッパー1の接触部材60を床面に接触させて、キャビネット100の移動を阻止している状態(移動阻止状態)を示している。この移動阻止状態から、操作腕部41の先端を、同図中、矢印エの方向へ回動させると、回動部材30が凸部31L(図示略)および31Rを軸にして上側に回動し、その横延部が収容部18に収容される。これにより、接触部材60が床面から離間して、キャビネット100が自由に移動できる状態(移動可能状態)となる。
<什器用ストッパー1の動作説明>
次に、什器用ストッパー1が移動可能状態から移動阻止状態へ移行するまでの各部の動作について、図3〜図5を参照しつつ説明する。なお、図3〜図5において、図1と同一の箇所には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、図3〜図5の前後方向は、図1の前後方向に対応している。さらに、図4および図5においては、左右一対の部材(例えば、突出部17L,17R又は当接部52L,52Rなど)の符号の「L」および「R」の文字を省略して数字のみで総称する。
図3は、什器用ストッパー1が移動可能状態から移動阻止状態へ移行するまでの各部の動作を説明するための底面図であり、同図(a)は什器用ストッパー1の移動可能状態、同図(b)は移動可能状態と移動阻止状態との中間の状態(中間状態)、同図(c)は什器用ストッパー1の移動阻止状態を示すものである。図4(a)〜(c)は、図3(a)〜(c)の各状態を同図(a)の矢印オからみた側断面図である。
図5は、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c)の各状態における突出部17と当接部52との位置関係を示す側断面図であり、図中の符号Oは移動可能状態における当接部52の位置、符号Pは中間状態における当接部52の位置、符号Qは移動阻止状態における当接部52の位置を各々示している。
<<突出部17の接触面>>
ここで、什器用ストッパー1の移動可能状態および移動阻止状態は、図5に示すように、突出部17の接触面に沿って当接部52が移動し、これに連動した接触部材60が床面に接離することで形成されるものである。そこで、什器用ストッパー1の動作説明に先だって、突出部17の接触面の構成について詳述する。
図5において、突出部17の当接部52との接触面は、第1傾斜面17a、第2傾斜面17b、および、第3傾斜面17cによって構成されている。第1傾斜面17aは、平面部11の表面から急峻に立ち上がるとともに、前方へ傾斜した面であり、その表面は外方に向けて湾曲した凸曲面になっている。第2傾斜面17bは、第1傾斜面17aの端部から前方に向かってさらに傾斜した面(第1傾斜面17aよりもなだらかな傾斜面)になっており、第1傾斜面17aと同様に凸曲面になっているが、その曲率は、第1傾斜面17aよりも小さくなっている。第3傾斜面17cは、第2傾斜面17bの端部から前方に向かって平面部11の表面の方向に傾斜した面である。これにより、突出部17において、第2傾斜面17bと、第3傾斜面17cとの接合線が、平面部11の表面から最も高い箇所(頂部)となる。
なお、第1傾斜面17aおよび第2傾斜面17bの表面を凸曲面としているが、平坦面で構成してもよい。また、第3傾斜面17cの表面は平坦面であってもよいが、後述するように、連結部材50が直立した状態を維持しやすくするために、やや窪んだ凹曲面にしてもよい。さらに、第1傾斜面から第2傾斜面まで、または、第1傾斜面から第3傾斜面までを連続した1つの曲面で形成しても良い。例えば、第1傾斜面から第3傾斜面までを連続した1つの曲面とした場合の突出部17の一例を図6に示す。この図は、突出部17を側方から見たときの形状を示す模式図であるが、突出部17の頂部Pに近づくほど曲率が小さくなるような曲線を描くようにするとよい。
<<移動可能状態>>
図3(a)および図4(a)において、操作腕部41を矢印カの方向へ回動させると、スライド部材20がガイド条14に沿って平面部11の表面を後退し、操作腕部41の回動が規制された時点でスライド部材20が最も後退した位置(後退位置)となる。スライド部材20の後退動作は、軸25を介して連結部材50に伝達されるとともに、軸51を介して回動部材30に伝達される。
すなわち、連結部材50は、スライド部材20の後退に伴って、その当接部52を突出部17の接触面に沿って移動させながら後退する(図5参照)。その後、スライド部材20が後退位置となったとき、連結部材50は、軸25を支点にして前方へ傾倒した状態となる。これにより、連結部材50の軸51を把持している回動部材30が、凸部31を中心として図4中、時計回りに回動し、回動部材30の横延部が収容部18に収容される。このとき、当接部52は、平面部11の表面に最も接近した状態で突出部17の第1傾斜面17aに接触する(図5参照)。
一方、回動部材30は、連結部材50の後退に伴って、その凸部31を中心に上方に回動する。その後、連結部材50が前方へ傾倒した状態になると、回動部材30の横延部が、ベース部材10の収容部18に収容される。これにより、接触部材60と床面との接触が解除され、什器用ストッパー1が移動可能状態となる。
<<中間状態>>
上述した什器ストッパー1の移動可能状態において、操作腕部41を図3(b)の矢印キの方向へ回動させると、スライド部材20がガイド条14に沿って平面部11の表面を前進し、この前進動作に連動して、連結部材50の当接部52が、突出部17の第1傾斜面17aを第2傾斜面17bに向かって移動する(図5参照)。これにより、連結部材50が起き上がった状態となるに連れて、回動部材30が凸部31を中心として図4中、反時計回りに回動し、接触部材60が床面に接近する。そして、当接部52が、第1傾斜面17aと第2傾斜面17bとの境界に達したあたりで、接触部材60が床面と接触する。引き続き、当接部52が、第2傾斜面17bを頂部に向かって移動することで、連結部材50がさらに起き上がった状態となり、接触部材60を床面に圧接させる。
<<移動阻止状態>>
引き続き、操作腕部41を図3(b)の矢印キの方向へ回動させると、スライド部材20がガイド条14に沿ってさらに前進し、操作腕部41の回動が規制された時点でスライド部材20が最も前進した位置(前進位置)となる。この前進動作に連動して、連結部材50の当接部52が、突出部17の頂部を越え、第2傾斜面17bと逆方向に傾斜する第3傾斜面17cに到達する(図5参照)。これにより、連結部材50が直立して、回動部材30の横延部がベース部材10から最も離れた位置まで回動する。そして、この状態でロックされ、接触部材60の床面に対する圧接状態が維持される。
<本実施形態の作用効果>
上述した本実施形態に係る什器用ストッパー1によれば、接触部材60を床面から離間させるためのコイルばねを省略することができ、摺動駆動部材の操作に応じたスライド部材20の摺動のみによって、接触部材60の床面への接近、および、床面からの離間が可能となる。また、連結部材50の長さを適宜設定することによって、床面方向における接触部材60のストロークを所望の寸法に設定することが容易となる。
また、本実施形態では、突出部17の接触面を、傾斜角度が急峻な第1傾斜面17aと、この第1傾斜面17aよりも傾斜角度がなだらかな第2傾斜面17bと、第2傾斜面17bと逆方向に傾斜する第3傾斜面17cとを連続させた構成としてあるので、什器用ストッパー1を移動可能状態から移動阻止状態へ移行させるときの操作が極めてスムーズになる。
すなわち、図3(a)に示す操作腕部41の回動初期においては、連結部材50の当接部52が急峻な第1傾斜面17aを移動するので、操作腕部41の僅かな回動で接触部材60を床面に急接近させることができる。次いで、当接部52が第2傾斜面17bに到達したあたりで、接触部材60が床面に接触し、操作腕部41に対して弾性負荷を生じるが、この弾性負荷は、急峻な第1傾斜面17aからなだらかな第2傾斜面17bへ移行するときの勢いによって相殺される。第1傾斜面17aから第2傾斜面17bへ移行するときに、操作腕部41を回動させる力が同じであっても、連結部材50が接触部材60に与える押圧力が増大するのである。その後、当接部52が頂部を超える際には、接触部材60の弾性力が、当接部52を逆傾斜の第3傾斜面17cに到達させる助けとなる。このようにして、本実施形態に係る什器用ストッパー1は、移動可能状態から移動阻止状態へ移行させるときの操作を極めてスムーズにしている。
さらに、本実施形態では、操作腕部41の軸穴43周りに突設した微小突起43aと、ベース部材10の回動軸16周りに形成した2つの前記凹部との係合により、什器用ストッパー1が移動可能状態になったときと、移動阻止状態になったときとの2点においてクリック感を持たせている。これにより、什器用ストッパー1の状態を操作者に報知することができるとともに、スムーズな操作感に減り張りを与えることが可能となる。
また、連結部材50の当接部52が第3傾斜面17cに到達すると、接触部材60の弾性力によって当接部52が第3傾斜面17cに押し付けられるので、当接部52が頂部を超えて第2傾斜面17b側に後戻りしにくい。したがって、什器用ストッパー1の移動阻止状態において外力が加えられた場合でも、移動阻止状態が容易に解除されてしまうことがなく、什器の移動を確実に阻止することができる。
さらに、本実施形態では、移動阻止状態における連結部材50の軸51と、当接部52の支軸とを結ぶ線(図4(c)の一点鎖線を参照)が鉛直となる構成としているので、連結部材50が接触部材60を床面に圧接させる力、および、接触部材60が当接部52に加える弾性力の分散を防止している。これにより、接触部材60を効果的に床面へ圧接することができると同時に、この圧接状態を効果的に維持することが可能となる。
これに加え、接触部材60の周壁部62にエッジEが形成される(図1および図3(c)参照)。これにより、例えば、開口形状をエッジEが生じない長丸形にした場合に比べて、接触部材60が床面に圧接されている状態で、什器を移動させようして床面と平行な方向に力を加えたとしても、周壁部62が縒れにくくなる。
<摺動駆動部材の他の実施形態>
上述した什器用ストッパー1における摺動駆動部材40は、操作腕部41を左右方向に回動させることによってスライド部材20を前後方向へ摺動させ、これにより接触部材60を床面に圧接し、または、当該圧接を解除していたが、以下では、異なる操作によって接触部材60の床面への圧接またはその圧接の解除を行うことができる摺動駆動部材の形態について、図7および図8を参照して説明する。
<<プッシュ式摺動駆動部材>>
図7は、摺動駆動部材を前後方向へ動かすことによって、接触部材60の床面に対する圧接および解除を可能とした什器用ストッパーの側断面を示す図であり、同図(a)はスライド部材20’が後退位置にある状態を示し、同図(b)はスライド部材20’が前進位置にある状態を示している。同図において、図1と同一の箇所には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
同図(a)、(b)において、本実施形態に係る什器用ストッパーの摺動駆動部材80は、中間部が折れ曲がったクランク状となっており、上方に折れ曲がった一端側がスライド部材20’の後端に連結されている。また、摺動駆動部材80の下方に折れ曲がった他端側には、操作者の把持手となる平板状の操作部81が取り付けられている。
また、本実施形態のスライド部材20’の上面側には、前壁FWおよび後壁BWにより画定される凹部27(同図(b)参照)が設けられており、この凹部27には後述するコイルばね19が収容されている。一方、ベース部材10の平面部11には、上下方向に撓むことができる係止部11aが設けられている。この係止部11aには、スライド部材20’が前進位置および後退位置にあるときに、上述した後壁BWの先端部と各々係合する、前方係合溝FG(同図(a)参照)および後方係合溝BG(同図(b)参照)が形成されている。このような係止部11aは、摺動駆動部材80を同図(a)に示す後退位置まで引き出したとき、および、同図(b)に示す前進位置まで押し込んだときにクリック感を生じさせるとともに、後述するコイルばね19の付勢力に抗して、前進位置まで移動したスライド部材20’の後退を阻止する。
また、平面部11aには、スライド部材20’が後退位置よりもさらに後方へ移動するのを阻止するための後退阻止部11bが突設されている。これにより、摺動駆動部材80を同図(a)に示す位置よりもさらに後方へ引き出そうとしても、スライド部材20’の前壁FWが後退阻止部11bに当接し、さらなる後退が阻止される。さらに、コイルばね19は、スライド部材20’を後退させる方向に付勢力を発揮しており、凹部27内において、上述した後退阻止部11bと、スライド部材20’の後壁BWとの間に挟持されている。
次に、上述した什器用ストッパーが移動可能状態から移動阻止状態へ移行するまでの各部の動作について説明する。まず、図7(a)に示す什器用ストッパーの移動可能状態では、コイルばね19の付勢力によってスライド部材20’が後退位置に配置されている。このとき、前壁FWと後退阻止部11bとが当接し、スライド部材20’のさらなる後退が阻止されるとともに、後壁BWの先端部が係止部11aの後方係合溝BGと係合している。
このような移動可能状態において、コイルばね19の付勢力に抗して、摺動駆動部材80の操作部81を前方へ押し込むとスライド部材20’が前進する。このとき、スライド部材20’の後壁BWの先端部と、係止部11aの後方係合溝BGとの係合が解除され、これがクリック感を生じさせる。そして、操作部81をさらに前方へ押し込むと、スライド部材20’とともに前進する連結部材50の当接部52が、突出部17の接触面に沿って移動し、これに伴って連結部材50が起き上がった状態となり、回動部材30の横延部に設けられた接触部材60が床面に圧接する。
その後、図7(b)に示すように、スライド部材20’が前進位置に到達すると、この前進動作に連動して、当接部52が突出部17の頂部を越え、連結部材50が直立した状態でロックされ、接触部材60の床面に対する圧接状態が維持される。すなわち、什器用ストッパーが移動阻止状態となる。この移動阻止状態は、スライド部材20’の後壁BWの先端部と、係止部11aの前方係合溝FGとの係合によって維持されるとともに、この係合がクリック感を生じさせる。
なお、上述した什器用ストッパーでは、スライド部材20’の前進位置における係止状態を、スライド部材20’の後壁BWの先端部と、係止部11aの前方係合溝FGとの係合によって維持していたが、この代わりに、周知のラッチ機構を設けることによって、スライド部材20’の前進位置における係止状態を維持するようにしてもよい。例えば、ノック式のボールペンに採用されているようなラッチ機構を設け、スライド部材20’が前進位置へ到達するまで、操作部81を前方へ押し込むと、前記ラッチ機構によってスライド部材20’が前進位置でラッチされ、再びスライド部材20’を後退位置へ戻す際は、操作部81を一旦前方へ押し込むと、ラッチされた状態が解除され、スライド部材20’がそのままばねの付勢力によって、後退位置まで摺動するように構成してもよい。また、摺動駆動部材80は、必ずしもクランク状に形成する必要はなく、一直線の長尺棒状部材を用いてもよい。
<<ペダル式摺動駆動部材>>
図8は、摺動駆動部材を上下方向へ動かすことによって、接触部材60の床面に対する圧接および解除を可能とした什器用ストッパーの側断面を模式的に示した図であり、同図(a)はスライド部材20’’が後退位置にある状態を示し、同図(b)はスライド部材20’’が前進位置にある状態を示している。同図において、図1と同一の箇所には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、図示が煩雑になるのを避けるために、回動部材30および接触部材60を一点鎖線で示している。
同図において、本実施形態に係る什器用ストッパーの摺動駆動部材90は、側方から見て略ヘ字形の可動部材91と、この可動部材91をスライド部材20’’に連結するリンク部材92とからなっている。可動部材91は、第1腕部93と第2腕部94とが鈍角に屈曲した構成となっており、その屈曲部が、回動軸95によって周壁12に軸支されている。第1腕部93は、ベース部材10の後端BEよりもさらに後方に延出し、その端部には、平板状のペダル96が設けられている。また、前記屈曲部から前方に延出した第2腕部94の端部には、丸長穴97が穿設されている。
リンク部材92は、長尺平板状となっており、その一端側が、回動軸28を介してスライド部材20’’の後端側に回動自在に軸支されている。また、リンク部材92の他端側は、回動軸98を介して可動部材91の丸長穴97に移動および回動自在に軸支されている。なお、図示を省略したその他の構成は、図1と同様である。
次に、上述した什器用ストッパーが移動可能状態から移動阻止状態へ移行するまでの各部の動作について説明する。まず、図8(a)に示す什器用ストッパーの移動可能状態では、摺動駆動部材90の第1腕部93が略水平となっており、下方に傾動した第2腕部94と、リンク部材92とが互いに略V時に折り畳まれた状態となっている。リンク部材92に連結されたスライド部材20’’は後退位置まで移動されている。また、スライド部材20’’の後退に連動して連結部材50が傾倒した状態となっており、回動部材30の横延部が収容部18に収容されている。
このような移動可能状態において、例えば、ペダル96を足で踏み込むと、可動部材91が回動軸95を中心に時計回りに回動し、回転軸98が丸長穴97の後端に当接したところで、第2腕部94の動きがリンク部材92に伝達され、このリンク部材92に連結されたスライド部材20’’が前進する。この前進動作に連動して、連結部材50の当接部52が突出部17の接触面に沿って移動する。これに伴って、連結部材50が起き上がった状態となり、回動部材30の横延部に設けられた接触部材60が床面に圧接する。
その後、図8(b)に示すように、第2腕部94及びリンク部材92が、共に略水平となるまで回動したとき、スライド部材20’’が前進位置に到達する。この前進動作に連動して、当接部52が突出部17の頂部を越え、連結部材50が直立した状態でロックされ、接触部材60の床面に対する圧接状態が維持される。すなわち、什器用ストッパーが移動阻止状態となる。再び、同図(a)の移動可能状態にする場合は、ペダル96の下に足を引っ掛けて、可動部材91の第1腕部93を略水平に戻せばよい。
このような本実施形態の什器用ストッパーによれば、足でペダル96を操作することが可能であり、本什器用ストッパーを極めて容易に移動可能状態または阻止状態とすることができる。
1 什器用ストッパー
10 ベース部材
20,20’,20’’ スライド部材
30 回動部材
40,80,90 摺動駆動部材
50 連結部材
60 接触部材
70 固定具
100 キャビネット(什器)

Claims (6)

  1. 床面を移動可能な什器の底面に取り付けられ、前記床面との摩擦によって前記什器の移動を阻止する什器用ストッパーであって、
    裏面が前記什器への取付面となっているベース部材と、
    前記ベース部材の表面に突設され、所定の傾斜面を形成した突出部と、
    前記ベース部材の表面側に取り付けられ、前後方向に摺動可能なスライド部材と、
    一端側が前記ベース部材に回動自在に支持され、自由な他端側が前記床面に対して接離可能となっている回動部材と、
    前記回動部材の他端側に設けられ、前記床面と接触し摩擦力を生じさせる接触部材と、
    一端側が前記スライド部材に回動自在に連結されるとともに、他端側が前記回動部材の他端側に回動自在に連結された連結部材と、
    前記連結部材の中央に設けられ、前記スライド部材の摺動に伴って前記突出部の傾斜面上を移動する当接部と、
    外部からの操作に応じて、前記スライド部材を所定の前進位置と後退位置との間で摺動させる摺動駆動部材と、を有し、
    前記スライド部材の摺動に伴って、前記当接部が前記突出部の傾斜面上を移動するとともに、前記当接部の移動に伴って、前記連結部材が傾倒または屹立した状態となり、これにより、前記回動部材の他端側が前記床面に対して接近または離間し、前記接触部材の摩擦力を生じさせ、または摩擦力を解除させる什器用ストッパー。
  2. 前記突出部の傾斜面が、前記スライド部材が前記後退位置にあるときの前記当接部の位置に対応する第1傾斜面と、後退位置と前進位置との中間位置に対応する第2傾斜面と、前記スライド部材が前記前進位置にあるときの前記当接部の位置に対応する第3傾斜面とを含み、
    前記第1傾斜面を、前記ベース部材の表面から前記突出部の頂部に向かう上り傾斜とし、
    前記第2傾斜面を、前記第1傾斜面から前記突出部の頂部に向かう、前記第1傾斜面よりも緩やかな上り傾斜とし、
    前記第3傾斜面を、前記第2傾斜面から前記ベース部材の表面に向かう下り傾斜とした請求項1に記載の什器用ストッパー。
  3. 前記接触部材が、吸盤状に傾斜した弾性部材からなる周壁部を有し、前記周壁部の水平方向の断面形状を、四角形の両端部に、これら両端部の各幅より直径の大きい2つの円形を各々連成した略亜鈴形とした請求項1または2に記載の什器用ストッパー。
  4. 前記摺動駆動部材を、外部から操作される操作腕部と、前記操作腕部の動きをスライド部材に伝達する駆動腕部とを、平面視略L字形に連成したレバーとし、
    前記摺動駆動部材の操作腕部と駆動腕部との接合部を、前記ベース部材の表面側に回動自在に軸着するとともに、前記駆動腕部の先端を、前記スライド部材の表面に穿設した左右方向に延びる長穴に遊挿した構成とし、
    前記操作腕部を操作したときの回動が、前記駆動腕部を介して前記スライド部材に伝達され、前記スライド部材を前後方向に摺動させる請求項1から3のうちいずれか1項に記載の什器用ストッパー。
  5. 前記摺動駆動部材を、前記スライド部材の摺動方向に延びる長尺棒状とし、一端側を前記スライド部材に連結するとともに、他端側に操作部を設け、
    前記摺動駆動部材の前後方向の動きによって、前記スライド部材を前後方向に摺動させる請求項1から3のうちいずれか1項に記載の什器用ストッパー。
  6. 前記摺動駆動部材を、リンク機構を介して前記スライド部材に連結されたペダルとし、
    該ペダルを上下方向に操作することにより、前記スライド部材を前後方向に摺動させる請求項1から3のうちいずれか1項に記載の什器用ストッパー。
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