JP2010268652A - モータ駆動回路および冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホール素子の実装位置のばらつきをキャンセルし、モータを安定に駆動する。
【解決手段】ホール素子8は、駆動対象のファンモータ4のロータの位置を示すホール信号VH+、VH−を生成する。信号処理部12は、ホール素子8からのホール信号VH+、VH−に対して、不揮発性メモリ14に保持されたデータDposに応じた信号処理を施す。駆動部10は、信号処理部12を経たホール信号VH+’、VH−’にもとづいてファンモータ4を駆動する。たとえば信号処理部12は、不揮発性メモリ14に保持されるデータDposに応じた遅延をホール信号VH+、VH−に与える。
【選択図】図2
【解決手段】ホール素子8は、駆動対象のファンモータ4のロータの位置を示すホール信号VH+、VH−を生成する。信号処理部12は、ホール素子8からのホール信号VH+、VH−に対して、不揮発性メモリ14に保持されたデータDposに応じた信号処理を施す。駆動部10は、信号処理部12を経たホール信号VH+’、VH−’にもとづいてファンモータ4を駆動する。たとえば信号処理部12は、不揮発性メモリ14に保持されるデータDposに応じた遅延をホール信号VH+、VH−に与える。
【選択図】図2
Description
本発明は、ホール素子を利用したモータの駆動技術に関する。
近年のパーソナルコンピュータやワークステーションの高速化にともない、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用LSI(Large Scale Integration)の動作速度は上昇の一途をたどっている。このようなLSIは、その動作速度、すなわちクロック周波数が高くなるにつれて発熱量も大きくなる。LSIからの発熱は、そのLSI自体を熱暴走を誘発したり、あるいは周囲の回路に対して影響を及ぼすという問題がある。したがって、LSIの適切な熱冷却はきわめて重要な技術となっている。
LSIを冷却するための技術の一例として、冷却ファンによる空冷式の冷却方法がある。この方法においては、たとえば、LSIの表面に対向して冷却ファンを設置し、冷たい空気を冷却ファンによりLSI表面に吹き付ける。
図1は、ファンモータを備えた一般的な冷却装置の一部の外観図である。冷却装置200は、ロータ(不図示)にファン201が取り付けられたモータ(ファンモータ)202と、基板204と、ファンモータ202を駆動するための駆動回路206、ファンモータ202のロータの位置を検出するためのホール素子208を備える。駆動回路206およびホール素子208は、別々のデバイスであり、それぞれが基板204上の所定の位置に実装される。駆動回路206は、ホール素子208からのホール信号のペア(以下、単にホール信号とも称する)に応じてファンモータ202を駆動する。
現実問題として、ホール素子208の実装位置は、冷却装置200の製造工程においてばらつく。ファンモータ202(より具体的にはそのロータ)に対するホール素子208の相対的位置がずれると、ホール素子208から出力されるホール信号の波形が変化する。つまり駆動回路206に入力されるホール信号の波形は、冷却装置200ごとに異なったものとなる。駆動回路206は、たとえば極性の異なるホール信号H+、H−を比較し、比較結果に応じた矩形波信号(以下、FG信号)を生成したり、ホール信号H+、H−に応じてICの出力の論理を切りかえる。ホール信号H+、H−の波形が変化すると、たとえばFG信号の位相がずれたり、駆動回路206の出力信号の位相がずれたりする。したがっていくつかの冷却装置200を同様に動作させた場合であっても、個体ごとにファンモータ202の駆動状態が異なったり、もしくは個体によってはファンモータ202をうまく駆動できないという問題が発生しうる。
これはファンモータに限られず、ホール素子を用いてロータの位置を検出するモータの駆動系全般において生じうる問題である。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、モータを安定的に駆動可能なモータ駆動回路の提供である。
本発明のある態様は、モータ駆動回路に関する。モータ駆動回路は、駆動対象のモータのロータの位置を示すホール信号を生成するホール素子と、不揮発性メモリと、ホール素子からのホール信号に対して、不揮発性メモリに保持されたデータに応じた信号処理を施す信号処理部と、信号処理部を経たホール信号にもとづいてモータを駆動する駆動部と、を備える。
この態様によると、ホール素子とモータの位置が定められた状態における両者の位置関係に応じたデータを不揮発性メモリに書き込むことにより、ホール素子の実装位置のばらつきをキャンセルすることができ、モータを安定的に駆動できる。
不揮発性メモリに書き込むデータは、トライアンドエラーによって最適化してもよい。
不揮発性メモリに書き込むデータは、トライアンドエラーによって最適化してもよい。
「信号処理」としては、ホール信号の遅延、レベルシフト、増幅のいずれか、あるいはそれらの組み合わせ等をいう。
信号処理部は、不揮発性メモリに保持されるデータに応じた遅延をホール信号に与えてもよい。遅延によって、ホール素子とモータの位置関係のばらつきを好適にキャンセルできる。
ある態様の駆動回路は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。この場合、ホール素子がその他の駆動回路と同一のチップに内蔵されることになるため、ホール素子の実装位置は、そのチップの実装位置に応じたものとなる。したがって、駆動回路のチップの実装位置に応じたデータを、不揮発性メモリに書き込むことにより、モータを安定的に駆動できる。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
本発明の別の態様もまた、モータ駆動回路に関する。このモータ駆動回路は、異なる位置に配置され、それぞれが駆動対象のモータのロータの位置を示すホール信号を生成する複数のホール素子と、複数のホール素子により生成された複数のホール信号の少なくともひとつにもとづいて、モータを駆動する駆動部と、を備え、ひとつの半導体基板上に集積化される。
この態様によると、最終実装状態におけるモータ駆動回路とモータの位置関係に応じて、使用するホール素子の組み合わせを切りかえたり複数のホール信号を合成して、モータを駆動することが可能となる。
ある態様の駆動回路は、不揮発性メモリと、不揮発性メモリに保持されるデータに応じて、モータを駆動する際に参照すべきホール信号を切りかえる信号処理部と、をさらに備えてもよい。駆動部は、信号処理部によって選択されたホール信号にもとづいて、モータを駆動してもよい。
この態様によれば、最終実装状態におけるモータ駆動回路とモータの位置関係に応じて、不揮発性メモリにデータを書き込むことにより、最適な駆動が実現できる。
この態様によれば、最終実装状態におけるモータ駆動回路とモータの位置関係に応じて、不揮発性メモリにデータを書き込むことにより、最適な駆動が実現できる。
ある態様において、信号処理部は、選択されたホール信号に対して、不揮発性メモリに保持されたデータに応じた信号処理を施すように構成されてもよい。駆動部は、信号処理部を経たホール信号にもとづいてモータを駆動してもよい。
本発明のさらに別の態様は、冷却装置である。この冷却装置は、ファンモータと、ファンモータを駆動する上述のいずれかの態様のモータ駆動回路と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を、方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、モータを安定的に駆動できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、CPUなどの冷却対象物(単に対象物と称する)を冷却するためのファンモータの駆動回路に関する。図2は、第1の実施の形態に係るモータ駆動回路100を備える冷却システム2の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、CPUなどの冷却対象物(単に対象物と称する)を冷却するためのファンモータの駆動回路に関する。図2は、第1の実施の形態に係るモータ駆動回路100を備える冷却システム2の構成を示す回路図である。
冷却システム2は、主としてファンモータ4、モータ駆動回路100、対象物9を含む。ファンモータ4およびモータ駆動回路100は、冷却装置を構成する。
ファンモータ4は、単相全波モータであって、対象物9に対向して配置される。このファンモータ4は、モータ駆動回路100から出力される駆動電圧によりコイル電流、すなわち通電状態が制御されて、その回転が制御される。
モータ駆動回路100は、ホール素子8、駆動部10、信号処理部12、不揮発性メモリ14、ヒステリシスコンパレータ31、ロック保護回路32を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化されている。
ホール素子8は、ファンモータ4のロータからの磁界を受ける位置に配置される。ホール素子8は、4端子を頂点とする四角形を形成するよう接続された4つの抵抗を含むブリッジ回路である。ブリッジ抵抗の不均衡や抵抗値の変化によって、ホール素子8にはオフセット電圧が発生する。オフセットキャンセル回路13は、ホール素子8内の抵抗に流れる電流の方向を90度づつ順に切りかえていくことで、オフセット電圧をキャンセルする。オフセットキャンセル回路13には、公知の技術を利用すればよい。
オフセットキャンセル回路13は、ロータの位置に応じてレベルが変化する第1ホール信号VH+、第2ホール信号VH−を出力する。ファンモータ4が回転しているとき、第1ホール信号VH+と第2ホール信号VH−は互いに逆相な正弦波であって、その周期(周波数)は、ファンモータ4の回転数に応じて変化する。
不揮発性メモリ14には、データ(以下、位置データDposという)が格納される。この位置データDposは、たとえばホール素子8とファンモータ4の相対的な実装位置の関係に応じて決められる。ただし位置データDposの値は、両者の位置関係とは無関係に、ファンモータ4を良好に駆動しうるように決定されてもよい。
信号処理部12は、ホール素子8からのホール信号VH+、VH−の少なくとも一方に対して、不揮発性メモリ14に保持された位置データDposに応じた信号処理を施す。
「信号処理」としては、ホール信号VH+、VH−の遅延、レベルシフト、増幅のいずれか、あるいはそれらの組み合わせ等が例示される。具体的には、信号処理部12は以下の信号処理のいずれか、もしくはそれらの組み合わせを実行する。
1. ホール信号VH+、VH−それぞれに対して、位置データDposに応じた遅延を与える。2つのホール信号それぞれに与える遅延が個別に設定可能であってもよいし、あるいは2つのホール信号の相対的な遅延量(位相関係)が調整可能であってもよい。
2. ホール信号VH+、VH−それぞれに、位置データDposに応じたレベルシフトを与える。2つのホール信号それぞれに与えるシフト量が個別に設定可能であってもよいし、あるいは2つのホール信号の相対的なレベルが調整可能であってもよい。
3. ホール信号VH+、VH−それぞれを、位置データDposに応じた利得で増幅する。2つのホール信号それぞれの利得が個別に設定可能であってもよいし、あるいは2つのホール信号に共通な利得が設定可能であってもよい。ホール素子8がICに内蔵される場合、ホール信号VH+、VH−の振幅は微小となるため、その増幅利得を変化させることは、モータの回転特性に大きな影響を与えることになる。したがって、利得を最適化することで、モータを良好に回転させることができる。
説明の簡潔化と理解の容易化のために、以下では信号処理部12は遅延を与えるものとする。
駆動部10は、信号処理部12を経たホール信号VH+’、VH−’にもとづいてファンモータ4を駆動する。
たとえば駆動部10は、第1アンプAMP1、第2アンプAMP2を含む。第1アンプAMP1、第2アンプAMP2はそれぞれ、信号処理部12を経た第1ホール信号VH+’、第2ホール信号VH−’を反転増幅する反転増幅器である。
具体的には、第1アンプAMP1は、第1演算増幅器OA1、第1入力抵抗Ri1、第1帰還抵抗Rf1を含む。第1入力抵抗Ri1は、第1アンプAMP1の入力端子と第1演算増幅器OA1の反転入力端子の間に設けられる。第1帰還抵抗Rf1は、第1演算増幅器OA1の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。第1演算増幅器OA1の非反転入力端子は、第2アンプAMP2側の第2演算増幅器OA2の反転入力端子と接続される。第2アンプAMP2は、第1アンプAMP1と同様に構成される。第1演算増幅器OA1、第2演算増幅器OA2の非反転入力端子には、基準バイアス電圧が入力されてもよい。
第1アンプAMP1の出力電圧OUT1は、第1出力端子102を介してファンモータ4の一端に与えられ、第2アンプAMP2の出力電圧OUT2は、第2出力端子104を介してファンモータ4の他端に与えられる。
第1アンプAMP1および第2アンプAMP2には、駆動パルス信号DRV1が入力され、それぞれの出力電圧OUT1、OUT2は、駆動パルス信号DRV1と同期して、ホール電圧VH1、VH2に応じた値をとる状態と、両方が同時にローレベルとなる状態(両出力L状態という)と、を交互に繰り返す(PWM駆動)。たとえば第1演算増幅器OA1、第2演算増幅器OA2それぞれの出力段がハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタを含むプッシュプル形式で構成される場合、ファンモータ4にはHブリッジ回路が接続されることになる。両出力L状態においては、Hブリッジの2つのローサイドトランジスタがオンされる。両出力L状態を利用すると、一方のローサイドトランジスタのオン抵抗およびボディダイオードの一方と、モータと、他方のトランジスタのチャンネルを含むループ経路で電流を回生させることができるため、消費電力の観点で有利である。
両出力L状態に代えて、ハイインピーダンス状態としてもよい。この場合には、ハイインピーダンスとすべき期間において、Hブリッジ回路を構成するトランジスタのすべてをオフさせればよい。あるいは第1アンプAMP1および第2アンプAMP2は、ホール電圧VH1、VH2を利用してファンモータ4をリニア駆動してもよい。
両出力L状態に代えて、ハイインピーダンス状態としてもよい。この場合には、ハイインピーダンスとすべき期間において、Hブリッジ回路を構成するトランジスタのすべてをオフさせればよい。あるいは第1アンプAMP1および第2アンプAMP2は、ホール電圧VH1、VH2を利用してファンモータ4をリニア駆動してもよい。
モータ駆動回路100は、ファンモータ4に異物が挟まり、回転が停止した際に、ファンモータ4に大電流が流れるのを防止するロック保護機能を備える。
モータ駆動回路100がファンモータ4の回転を意図して駆動電圧OUT1、OUT2を生成しているにもかかわらず、ファンモータ4の回転が停止したケース、すなわち、異物が挟まるなどの不可抗力によりファンモータ4がロックしたケースにおいて、モータ駆動回路100はファンモータ4への通電を停止する。これにより、モータコイルへの過電流などが防止される。
モータ駆動回路100がファンモータ4の回転を意図して駆動電圧OUT1、OUT2を生成しているにもかかわらず、ファンモータ4の回転が停止したケース、すなわち、異物が挟まるなどの不可抗力によりファンモータ4がロックしたケースにおいて、モータ駆動回路100はファンモータ4への通電を停止する。これにより、モータコイルへの過電流などが防止される。
ヒステリシスコンパレータ31は、第1ホール信号VH+’と第2ホール信号VH−’とを比較し、VH+’>VH−’のときハイレベル、VH+’<VH−’のときローレベルとなる方形波信号(FG信号)を出力する。ファンモータ4が回転するとき、FG信号は、ファンモータ4の回転数に応じた周波数を有し、ファンモータ4が停止するときには一定レベルとなる。
ロック保護回路32は、FG信号をモニタするなどしてファンモータ4の回転の有無を検出する。ロック保護回路32は、ファンモータ4の回転停止(ロック)を検出すると、STOP信号をアサートし、駆動部10に対してファンモータ4への通電停止を指示する。
通電を停止する期間τ2は、数百ms〜数秒であることが好ましい。STOP信号がアサートされると、ファンモータ4への電流供給が停止される。これにより、ファンモータ4のロック時に過電流が流入することが防止される。なお、ファンモータ4が停止してからロック保護回路32にてその停止が確認されるまでには検証期間が設定されている。検証期間は、たとえば0.5s程度であり、ロック保護回路32の内部構成により適宜決められる。
以上がモータ駆動回路100の構成である。続いてモータ駆動回路100の動作を説明する。
冷却装置の製造者が、モータ駆動回路100をモータ基板に実装すると、ホール素子8とファンモータ4との相対的な位置関係が決定される。ホール素子8がファンモータ4のロータから受ける磁束は、ホール素子8の実装位置、つまりモータ駆動回路100の実装位置に応じて変化するため、ホール信号VH+、VH−の波形は、モータ駆動回路100の実装位置に応じて変化する。
もし、信号処理部12が設けられない場合、駆動部10に入力されるホール信号は、モータ駆動回路100の実装位置に応じて変化するため、冷却装置の個体ごとに、ファンモータ4の駆動状態が異なるという問題が生ずる。
これに対して図2のモータ駆動回路100によれば、モータ駆動回路100の実装位置のばらつきをキャンセルするように、ホール信号VH+、VH−に対して必要な信号処理を施すことができるため、モータ駆動回路100の実装位置によらずに、安定的にファンモータ4を駆動することができる。
冷却装置の製造者あるいは設計者は、最適な駆動状態が実現できるように、不揮発性メモリ14に書き込むべき位置データDposを最適化すればよい。言い換えれば、従来ではホール素子8を高精度に位置決めして実装する必要があったが、本実施の形態に係るモータ駆動回路100を利用すれば、実装に要求される精度を緩和できる。
本実施の形態では、ホール素子8がモータ駆動回路100に内蔵される場合を説明したが、ホール素子8がモータ駆動回路100に外付けされる場合であっても、不揮発性メモリ14に書き込む位置データDposを最適化することにより、ファンモータ4を好適に駆動することができる。この場合、位置データDposは、モータ駆動回路100の実装位置ではなく、ホール素子8の実装位置に応じて最適化すればよい。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係るモータ駆動回路100aを備える冷却システムを示す回路図である。モータ駆動回路100aは主として、複数のホール素子8a〜8e、信号処理部12a、駆動部10、不揮発性メモリ14a、ヒステリシスコンパレータ31、ロック保護回路32を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化される。
図3は、第2の実施の形態に係るモータ駆動回路100aを備える冷却システムを示す回路図である。モータ駆動回路100aは主として、複数のホール素子8a〜8e、信号処理部12a、駆動部10、不揮発性メモリ14a、ヒステリシスコンパレータ31、ロック保護回路32を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化される。
ホール素子8a〜8eはそれぞれ、オフセットキャンセル回路13と接続されている。オフセットキャンセル回路13は、各ホール素子8a〜8eそれぞれのオフセット電圧を除去し、ファンモータ4のロータの回転位置を示すホール信号VHa〜VHeを出力する。各ホール信号VHは、ポジティブ成分(+)とネガティブ成分(−)を含むが、図3では簡略化して一本の信号線で示している。
複数のホール素子8a〜8eは、半導体基板上の異なる位置に配置される。図4は、複数のホール素子8a〜8eの配置例を示す図である。5つのホール素子は、半導体チップ120の中央および四隅に配置される。なお、ホール素子の個数は5個に限定されず、任意の個数であってよく、それらの配置も、任意である。
図3に戻る。駆動部10は、複数のホール素子8a〜8eおよびオフセットキャンセル回路13により生成された複数のホール信号VHa〜VHeの少なくともひとつにもとづいて、ファンモータ4を駆動可能に構成される。
不揮発性メモリ14aには、信号処理部12aによって参照されるデータ(以下、位置データDposという)が格納される。この位置データDposは、たとえばモータ駆動回路100とファンモータ4の相対的な実装位置の関係に応じて決められる。ただし位置データDposの値は、両者の位置関係とは無関係に、ファンモータ4を良好に駆動しうるように決定されてもよい。
具体的には、駆動部10の前段に、複数のホール信号VHa〜VHeを受ける信号処理部12aが設けられる。信号処理部12aは、ファンモータ4を駆動する際に駆動部10が参照すべきホール信号VHを少なくともひとつ選択するセレクタとして機能する。そして選択された少なくともひとつのホール信号VHに依存した信号VH+’、VH−’を出力する。たとえばひとつのホール信号を選択した場合、選択した信号をVH+’VH−’として出力する。
信号処理部12aは、複数のホール信号を選択可能に構成されてもよい。この場合、信号処理部12aは選択された複数のホール信号を合成することによって信号VH+’VH−’を生成する。信号処理部12aが選択すべきホール信号は、不揮発性メモリ14aに格納される位置データDposによって規定される。
第1の実施の形態と同様に、信号処理部12aは、選択されたホール信号に対して、不揮発性メモリ14aに保持されたデータに応じた信号処理を施すように構成されてもよい。信号処理は、遅延、レベルシフト、増幅のいずれか、もしくはそれらの組み合わせ等をいう。
以上がモータ駆動回路100aの構成である。続いてその動作を説明する。
冷却装置の製造者が、モータ駆動回路100aをモータ基板に実装すると、複数のホール素子8a〜8eとファンモータ4との相対的な位置関係が決定される。この際に、ホール素子8a〜8eそれぞれがファンモータ4のロータから受ける磁束は異なっており、各ホール素子8a〜8eからのホール信号VHa〜VHeの波形は異なったものとなる。
製造者は、複数のホール信号VHa〜VHeを切りかえながらファンモータ4を駆動し、最適なホール信号VHを選択し、そのホール信号を示すデータを位置データDposとして不揮発性メモリ14aに書き込む。その結果、モータ駆動回路100aの実装位置がばらついた場合であっても、ホール信号を切りかえることにより、ファンモータ4を安定的に駆動できる。
さらに信号処理部12aが、第1の実施の形態と同様に、ホール信号に対して不揮発性メモリ14aに格納されるデータに応じた信号処理を施すことが可能な場合には、実装ばらつきをキャンセルして、ファンモータ4をさらに安定的に駆動することが可能となる。
実施の形態において、ファンモータ4が単相モータである場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。ファンモータ4は、多相モータであってもよい。またファンモータに限定されず、その他の用途のモータにも本発明は適用できる。
実施の形態にもとづき、特定の語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
100…モータ駆動回路、102…第1出力端子、104…第2出力端子、2…冷却システム、4…ファンモータ、9…対象物、8…ホール素子、10…駆動部、12…信号処理部、13…オフセットキャンセル回路、14…不揮発性メモリ、AMP1…第1アンプ、AMP2…第2アンプ、OA1…第1演算増幅器、Ri1…第1入力抵抗、Ri2…第2入力抵抗、Rf1…第1帰還抵抗、Rf2…第2帰還抵抗、OA2…第2演算増幅器、31…ヒステリシスコンパレータ、32…ロック保護回路。
Claims (7)
- 駆動対象のモータのロータの位置を示すホール信号を生成するホール素子と、
不揮発性メモリと、
前記ホール素子からの前記ホール信号に対して、前記不揮発性メモリに保持されたデータに応じた信号処理を施す信号処理部と、
前記信号処理部を経た前記ホール信号にもとづいて前記モータを駆動する駆動部と、
を備えることを特徴とするモータ駆動回路。 - 前記信号処理部は、前記不揮発性メモリに保持されるデータに応じた遅延を前記ホール信号に与えることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動回路。
- ひとつの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動回路。
- 異なる位置に配置され、それぞれが駆動対象のモータのロータの位置を示すホール信号を生成する複数のホール素子と、
前記複数のホール素子により生成された複数の前記ホール信号の少なくともひとつにもとづいて、前記モータを駆動する駆動部と、
を備え、ひとつの半導体基板上に集積化されたことを特徴とするモータ駆動回路。 - 不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに保持されるデータに応じて、前記モータを駆動する際に参照すべき前記ホール信号を切りかえる信号処理部と、
をさらに備え、
前記駆動部は、前記信号処理部によって選択されたホール信号にもとづいて、前記モータを駆動することを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動回路。 - 前記信号処理部は、選択されたホール信号に対して、前記不揮発性メモリに保持されたデータに応じた信号処理を施すように構成され、
前記駆動部は、前記信号処理部を経た前記ホール信号にもとづいて前記モータを駆動することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動回路。 - ファンモータと、
前記ファンモータを駆動する請求項1から6のいずれかに記載のモータ駆動回路と、
を備えることを特徴とする冷却装置。
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2009
- 2009-05-18 JP JP2009119776A patent/JP2010268652A/ja active Pending
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