JP2010264913A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバがハンドルを切る際にはその操作感を損なわないようにしつつ、ハンドル戻し時には急な戻り感を低減して車両の収斂性を向上させることが可能な電動パワーステアリング制御装置を提供する。
【解決手段】路面反力に対するモータ速度の特性は、ダンピング制御なし(即ち基本アシスト量のみ)の従来の制御法でモータを駆動する場合に比べて、従来のダンピング制御ありの場合の特性とほぼ同様に、所定の周波数帯域においてモータ速度が抑制される。一方、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性については、ダンピング制御なし(即ち基本アシスト量のみ)の従来の制御法の特性からほとんど変化がない。このように異なる2つの特性(仕様)を共に満たす制御装置を構成することで、ドライバのハンドル操作を妨げることなく車両の収斂性を向上させることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のハンドル操作(操舵)をモータにてアシストする電動パワーステアリングシステムにおいて、このシステムを制御する電動パワーステアリング制御装置に関する。
車両のハンドル操作(操舵)をモータにてアシストする電動パワーステアリングシステムにおいては、ドライバのハンドル操作に応じて適切なアシスト操舵力をモータに発生させるべく、電動パワーステアリング制御装置(EPSECU;Electric Power Steering Electronic Control Unit )が、ドライバ操作によりハンドルに加えられるトルク(以下「ハンドルトルク」と称す)等により生じる操舵トルクや車両速度などの各種入力信号に基づいてアシスト操舵力を演算し、その演算結果に基づいてモータを駆動させる。
即ち、EPSECUは、一般的には、操舵トルクが大きくなるほどモータによるアシスト操舵力も大きくなるようにモータを駆動させることを制御の基本としている。このような基本的制御により、ドライバがハンドルを切る時には、その時の操舵トルクに応じたアシスト操舵力が発生するため、ドライバのハンドル操作が軽くなる。
但し、操舵トルクに応じてアシスト操舵力を決定するという基本制御のみでは、ハンドル戻し時に路面反力によってハンドルの戻され感が強くなり、車両の収斂性が悪くなってしまう。つまり、ハンドルを切りながら走行している車両には、路面反力、即ちタイヤがその向きを車両の直進方向に戻そうとする力(SAT;セルフアライニングトルク)が作用する。そのため、この路面反力によってハンドルが強く戻されようとし、結果、車両の収斂性が悪くなるのである。
そこで、従来の電動パワーステアリング制御装置として、モータの速度(即ちハンドルの回転速度)が大きいほどその回転を妨げるようにモータの回転を制御する、いわゆるダンピング制御機能を備えたものが知られている。ダンピング制御は、操舵トルクに応じてアシスト操舵力を決定するという基本制御の特性を、モータ速度に応じて変更するものであり、このダンピング制御により、ハンドル戻し時に路面反力によってハンドルが強く戻されようとしても、その戻り操作に粘性感が与えられてゆっくり戻るため、車両の収斂性が向上する。
図4に、ダンピング制御機能を有する従来の電動パワーステアリングシステムの概略構成を示す。図4に示す電動パワーステアリングシステム100は、ドライバによるハンドル2の操作をモータ6によってアシストするものである。ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。
トルクセンサ4は、操舵トルクを検出するためのセンサである。具体的には、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいてそのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、ハンドル2の操舵力をアシスト(補助)するものであり、その回転軸の先端にウォームギアが設けられ、このウォームギアが、インターミディエイトシャフト5に設けられたウォームホイールと噛み合っている。これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面12からの反力(路面反力)によってインターミディエイトシャフト5が回転されると、その回転がモータ6に伝達されてモータ6も回転されることになる。
また、モータ6は、ブラシレスDCモータであり、内部に回転センサを備え、モータ6の回転状態を出力可能に構成されている。図4の例では、モータ6はモータ速度(回転角速度を示す情報)を出力可能に構成されている。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、図示しないラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が改訂(即ちピニオンギアが回転)し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、タイヤ10の向きが変わる。
また、車両における所定の部位には、車両速度を検出するための車速センサ11が設けられている。
このような構成により、ドライバがハンドル2を回転させると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、及びインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ10が操舵される。
EPSECU110は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、トルクセンサ4にて検出された操舵トルク、モータ6のモータ速度、及び車速センサ11にて検出された車両速度に基づいて、アシスト操舵力を演算する。そして、その演算結果に応じてモータ6を駆動制御することにより、ドライバがハンドル2を回す力(延いては両タイヤ10を操舵する力)のアシスト量を制御するものである。
具体的には、EPSECU110は、基本アシスト量を演算する基本アシスト量演算部111と、ダンピング補償量を演算するダンピング制御部114と、基本アシスト量とダンピング補償量を加算することによりアシスト指令値を演算する加算部113と、加算部113からのアシスト指令値に基づいてモータ6を駆動するモータ駆動回路112と、を備えている。
基本アシスト量演算部111は、トルクセンサ4にて検出された操舵トルク及び車速センサ11にて検出された車両速度に基づき、基本アシスト量を演算する。具体的には、操舵トルクが大きいほど基本アシスト量が大きく(即ちモータ6の、ハンドル2の回転をアシストする方向のトルクが大きく)なるよう、また、車両速度が大きいほど基本アシスト量は小さくなるよう、例えば予め用意した操舵トルク−基本アシスト量マップを参照すること等によって、基本アシスト量を演算する。
ダンピング制御部114は、モータ速度に基づいて、基本アシスト量演算部111により演算された基本アシスト量を補正するためのダンピング補償量を演算する。具体的には、モータ速度が大きいほど(即ちハンドル2が速く回転しようとするほど)、その速度が抑制される(即ちハンドル2の回転速度が抑制される)ように、ダンピング補償量を演算する。なお、電動パワーステアリングシステムにおけるダンピング制御については、従来より種々の制御方法が提案され、実用化もされているため、ここではその詳細説明を省略する。
モータ駆動回路112は、基本アシスト量にダンピング補償量が加算されて得られたアシスト指令値に基づき、モータ6に電流を供給してモータ6を駆動する。
モータ駆動回路112に入力されるアシスト指令値は、基本アシスト量がダンピング補償量によって補正されたものである。そのため、ドライバがハンドル2を速く回転させようとするほど、また、路面反力によってタイヤ10が速く直進方向に戻ろうとするほど(即ちハンドル2が速く中立位置に戻ろうとするほど)、その動きが抑制されることになる。
その他、EPSECU110は、基本アシスト量の安定性を高めるための位相補償部、操舵トルクの変化に対する応答速度を高めるためのフィードフォワード制御部、アシスト指令値(電流指令値)とモータ6の実際の電流値との偏差に基づくフィードバック制御(例えばPI制御など)によってモータ駆動回路112に与える最終的な電流指令値を決定するフィードバック制御部など、種々の機能ブロックを備えているが、図4ではこれらの図示を省略している。
このように構成された従来の電動パワーステアリングシステム100は、ダンピング制御機能を備えていることにより、ハンドル2の急な動きに対しては粘性感が与えられる。そのため、ダンピング制御機能を持たない場合に比べて、ハンドル2を戻す際の特性(ハンドル戻され感)が改善され、車両の収斂性が向上する。
ところが、車両収斂性向上やハンドル戻し時の特性改善のためによく用いられるダンピング制御は、その背反として、ハンドル2を切る際にも制御が介入してしまい、ドライバの操作を妨げてしまうという問題がある。
つまり、ハンドル2の動きが速くなるほどそれを抑制しようとするダンピング制御の性質により、ハンドル2を戻す際には急激な戻りが抑制されてゆっくり戻るように制御されるのと共に、ハンドル2を切る際にも、同様に、急に切ろうとすればするほどその動きが抑制されてしまい、ハンドル2の操作が妨げられてしまうのである。
図5を用いてより具体的に説明する。図5は、図4の電動パワーステアリングシステム100の周波数特性(ボード線図)を示すものであり、図5(a)は、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性を表す周波数特性であり、同図(b)は、路面反力に対するモータ速度の特性を表す周波数特性である。
図5(b)に示すように、路面反力に対するモータ速度の特性は、ダンピング制御なしの場合、即ち基本アシスト量のみでモータ6を駆動する場合に比べて、ダンピング制御ありの場合の特性は、所定の周波数帯域(特に図中点線で囲んだ帯域)においてモータ速度が低くなっている。つまり、路面反力に対してモータの回転が抑制されるようになっている。このような特性により、ハンドル戻し時に急な戻りが抑えられ、結果として車両の収斂性が向上する。
一方、図5(a)に示すように、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性についても、ダンピング制御なしの場合に比べて、ダンピング制御ありの場合の特性は、所定の周波数帯域(特に図中点線で囲んだ帯域)においてモータ速度が低くなっている。つまり、ドライバがハンドル2を切る操作に対してもモータの回転が抑制されるようになっている。このような特性により、ドライバがハンドル2を切ろうとする際にも、速く切ろうとすればするほどその操作が妨げられてしまうのである。
これに対し、特許文献1には、ダンピング制御機能を有する電動パワーステアリングシステムにおいて、ダンピング制御機能を改良することにより、中立位置からの切り出し時のすっきり感を維持しつつハンドル戻し時の強い戻され感を低減することが記載されている。
特許文献1に記載された技術は、ダンピング補償量を、SAT(路面反力)、及びハンドルの切増し/切戻し判定信号に応じて調節するものである。即ち、SATを推定し、その推定量に応じてダンピング補償量を変えようとするものであり、具体的には、SATが大きければ大きいほどダンピング補償量を大きくしてモータ速度を抑えようとするものである。この技術によれば、切り出し初期のようにSATが小さいときは、ダンピング補償量は小さくなるため、ドライバの操作を妨げる量も小さくなる。
特開2007−125944号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ハンドル切り出し初期のSATが小さい時にはドライバの操作を妨げる量が小さくなるとはいえ、ハンドルを切ると必然的にSATが発生するため、それを推定してダンピング制御が働くことに変わりはない。そのため、程度の差こそあれ、ハンドル切り出し時にも、その切り出し操作を妨げるようなダンピング制御が働いてしまう。
特に、ドライバがハンドルを大きく切ろうとするほど、SATも大きくなる。そうなると、その大きなSAT(推定値)に応じてダンピング補償量も大きくなり、ハンドルの動き(モータの回転)が妨げられてしまう。
つまり、特許文献1に記載の技術によっても、ハンドルを切る際には、たとえSATが小さくてもそれ相応のダンピング補償量は演算され、ダンピング制御が働くため、ハンドルを動かす以上、ドライバ操作が妨げられてしまうのに変わりはない。
また、特許文献1に記載の技術を実現するためには、SATを推定する必要がある。そのため、制御性能の精度は、SATの推定精度に依存し、SATを高い精度で推定できなければ十分な制御性能を実現することは困難である。また、高い精度でのSAT推定を実現するためには、その工数も増大し、装置の複雑化やコストアップを招いてしまう。
しかも、特許文献1に記載の技術では、切増し/切戻しの判定を行い、その判定結果に応じてゲインを切り替えるようにしている。そのため、切増し/切戻しの変化の際にゲインが切り替わることによってハンドル操作時に違和感が生じるおそれがある。特に、ドライバが複雑なハンドル操作を行った場合には、その操作についていけない(切増し/切戻しが正確に判定されない)おそれもある。
このように、特許文献1に記載の技術によっても、結局のところ、ドライバがハンドルを切る操作を妨げることなく、ハンドルを戻す際のみダンピング制御を効かせて収斂性を向上させることが、本質的にできていない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ドライバがハンドルを切る際にはその操作感を損なわないようにしつつ、ハンドル戻し時には急な戻り感を低減して車両の収斂性を向上させることが可能な電動パワーステアリング制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、車両のハンドルに連結され、該ハンドルが操作されることにより入力されるハンドルトルクによって該ハンドルと共に回転する入力軸と、この入力軸の回転を操舵輪に伝達することにより該操舵輪を操舵させる入力伝達手段と、入力軸と操舵輪のねじれによる操舵トルクを検出するトルク検出手段と、ハンドルの操作による操舵輪の操舵時にハンドルの操作をアシストするためのアシスト操舵力を発生させるモータと、を備えた電動パワーステアリングシステムに設けられ、モータを制御することによりアシスト操舵力を制御する電動パワーステアリング制御装置であって、トルク検出手段により検出された操舵トルクに基づいてハンドルの操作をアシストするための基本アシスト量を演算する基本アシスト量演算手段と、この基本アシスト量演算手段により演算された基本アシスト量を補正するためのアシスト補償量を演算するアシスト補償量演算手段と、基本アシスト量演算手段により演算された基本アシスト量を、アシスト補償量演算手段により演算されたアシスト補償量によって補正することにより、補正後アシスト量を演算するアシスト量補正手段と、このアシスト量補正手段からの補正後アシスト量に基づいてモータを駆動させるモータ駆動手段と、を備えている。
そして、アシスト補償量演算手段は、電動パワーステアリングシステムの動作が反映された少なくとも2種類の信号に基づき、次の(a)及び(b)の2つの仕様を共に満たすようにアシスト補償量を演算する。
(a)前記電動パワーステアリングシステムにおける、前記ハンドルトルクに対する前記モータの速度の特性(以下「ハンドルトルク→モータ速度特性」ともいう)については、前記基本アシスト量を該アシスト補償量で補正せずに前記モータを駆動させた場合の特性(以下「第1基本特性」ともいう)と同じ特性となるような、第1の仕様。
(b)前記電動パワーステアリングシステムにおける、前記操舵輪が車両の走行路面から受ける力である路面反力に対する前記モータの速度の特性(以下「路面反力→モータ速度特性」ともいう)については、前記基本アシスト量を該アシスト補償量で補正せずに前記モータを駆動させた場合の特性(以下「第2基本特性」ともいう)よりも前記モータの速度が抑制された特性となるような、第2の仕様。
このように構成された請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置によれば、電動パワーステアリングシステムの動作が反映された少なくとも2種類の信号に基づいて演算されるアシスト補償量によって基本アシスト量が補正されることにより、上記第1の仕様及び第2の仕様が共に満たされる。即ち、路面反力→モータ速度特性については第2基本特性よりもモータ速度が抑制されるように変更されるが、ハンドルトルク→モータ速度特性については第1基本特性から変更されない。
そのため、ドライバがハンドルを切る際にはその操作感を損なわないようにしつつ、ハンドル戻し時には路面反力による急な戻り感を低減して車両の収斂性を向上させることができる。
なお、ハンドルトルク→モータ速度特性に対する第1の仕様は、必ずしも、第1基本特性と完全に同じ特性であることが要求されるわけではなく、ドライバがハンドルを切る際の操作感が損なわれない範囲内において第1基本特性との差異は許容される。
ここで、アシスト補償量演算手段がアシスト補償量を演算する際に用いる少なくとも2種類の信号は、電動パワーステアリングシステムの動作が反映された信号である限り種々の信号を採用可能であるが、例えば請求項2に記載のように、ハンドルの回転角度、ハンドルの回転速度、操舵トルク、モータの速度、モータの回転角、入力伝達手段の動作状態、のうち少なくとも何れか2つを表す信号を取得して、アシスト補償量を演算するようにするとよい。
このように構成された請求項2に記載の電動パワーステアリング制御装置によれば、少なくとも2種類の信号として、電動パワーステアリングシステムの動作をより良く反映された信号が用いられるため、第1の仕様及び第2の仕様の双方をより精度良く満たすような電動パワーステアリングシステムの実現が可能となる。
そして更に、上記少なくとも2種類の信号として、例えば請求項3に記載のように、操舵トルク、及び、モータの速度又は回転角を用いれば、より精度が高く且つより効率的な電動パワーステアリングシステムの実現が可能となる。
即ち、操舵トルクは、ハンドルの操作状態が反映された信号であり、モータの速度又は回転角は、ハンドル操作が反映された信号であると同時に路面反力の影響が反映された信号でもある。そのため、これら2つの信号を用いれば、ハンドルトルクと路面反力の分離(即ち、モータが回転しているのはハンドルトルクによるものかそれとも路面反力によるものかの判別)が可能となり、上記2つの仕様を共に満たすような電動パワーステアリングシステムをより精度高く且つより効率的に実現できるのである。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置であって、アシスト補償量演算手段は、上記少なくとも2種類の信号に対して予め設計された状態方程式に従ってアシスト補償量を演算するよう構成されており、該状態方程式は、第1の仕様及び第2の仕様が共に満たされるようにH∞制御理論を用いて設計されたものである。
H∞制御は、多入力多出力の制御器を設計でき、異なる仕様(特性)を織り込むことができ、更に閉ループ周波数特性の整形も可能な制御理論として、よく知られている。そこで、アシスト補償量演算手段をH∞制御理論を用いて設計するようにすれば、より効率的且つ高精度にアシスト補償量演算手段を設計(構成)することができる。
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置であって、車両の速度を検出する車両速度検出手段と、この車両速度検出手段により検出された車両の速度に応じたゲインである車速ゲインを演算する車速ゲイン演算手段と、アシスト補償量演算手段により演算されたアシスト補償量と車速ゲイン演算手段により演算された車速ゲインとの乗算を行うことによりアシスト補償量を補正するアシスト補償量補正手段と、を備えている。
このように構成された請求項5に記載の電動パワーステアリング制御装置によれば、車両速度に応じてアシスト補償量が補正されるため、車両速度に応じたより適切なアシスト補償量に基づいて基本アシスト量を補正でき、上述したハンドルトルク→モータ速度特性、及び路面反力→モータ速度特性を共に、車両速度が考慮された適切な特性とすることが可能となる。
実施形態の電動パワーステアリングシステムの概略構成を表す構成図である。 制御器(アシスト補償量演算部)の設計方法を説明するための説明図である。 実施形態の電動パワーステアリングシステムの周波数特性を、従来の電動パワーステアリングシステムの周波数特性と共に表したボード線図であり、(a)はハンドルトルクに対するモータ速度の特性を表す周波数特性、(b)は路面反力に対するモータ速度の特性を表す周波数特性を示す。 従来の電動パワーステアリングシステムの概略構成を表す構成図である。 従来の電動パワーステアリングシステムの周波数特性を表すボード線図であり、(a)はハンドルトルクに対するモータ速度の特性を表す周波数特性、(b)は路面反力に対するモータ速度の特性を表す周波数特性を示す。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電動パワーステアリングシステム1の概略構成を表す構成図である。図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリングシステム1において、制御対象であるモータ6を含む、ハンドル2からステアリングシャフト3、トルクセンサ4、インターミディエイトシャフト5,ステアリングギアボックス7、各タイロッド8、及び各ナックルアーム9を介して各タイヤ10に至る構成については、図4に示した従来の電動パワーステアリングシステム100と同じである。
また、モータ6の駆動を制御する本実施形態のEPSECU20についても、基本アシスト量を演算する基本アシスト量演算部111、加算部113、及びモータ駆動回路112を備えていることについては、図4に示した従来の電動パワーステアリングシステム100のEPSECU110と同じである。
そのため、図1に示した本実施形態の電動パワーステアリングシステム1において、図4に示した従来の電動パワーステアリングシステム100と同じ構成要素については図4と同じ符号を付し、その詳細説明を省略する。そして、以下、従来の電動パワーステアリングシステム100とは異なる構成(即ちEPSECU20の構成)を中心に詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリングシステム1におけるEPSECU20は、基本アシスト量を演算する基本アシスト量演算部111を備えているほか、更に、アシスト補償量を演算するアシスト補償量演算部24と、車速ゲインを演算する車速ゲイン演算部25と、アシスト補償量と車速ゲインを乗算することにより車速補正アシスト補償量を演算する乗算部26と、を備えている。
アシスト補償量演算部24は、基本アシスト量演算部111にて演算された基本アシスト量を補正するものである。図4に示した従来の電動パワーステアリングシステム100においても、ダンピング制御部114にて演算されるダンピング補償量によって基本アシスト量が補正されるが、その補正は、ドライバがハンドル2を切る操作をおこなう際、及びハンドル2を戻す際の双方で、同じように行われるものであった。
即ち、図5を用いて説明したように、従来のダンピング制御では、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性(図5(a)参照)、及び路面反力に対するモータ速度の特性(図5(b)参照)の双方ともに、基本アシスト量のみによる特性よりもモータ速度が抑制されていた。
これに対し、本実施形態の、アシスト補償量演算部24によって演算されるアシスト補償量によって基本アシスト量を補正する制御(以下、「収斂制御」とも称す)では、路面反力に対するモータ速度の特性は従来のダンピング制御と同等の特性となるようにする一方、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性については、基本アシスト量のみによる特性から変化しないよう(変化するとしても小さな変化量となるよう)に制御される。
ここで、アシスト補償量演算部24の構成・設計思想について説明する。本発明者らは、ハンドル2を切る際にはその操作感を損なわず、且つハンドル2を戻す際には急な戻りを抑制して収斂性を向上させるための制御を実現するために種々検討した結果、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性については基本アシスト量のみによる特性から変更しないという仕様(第1の仕様)と、路面反力に対するモータ速度の特性については従来のダンピング制御のようにモータ速度が抑制されるような特性に変更するという仕様(第2の仕様)を共に満たすような閉ループ周波数特性を満たす制御機構を実現できればよいという考えに至った。つまり、この2つの仕様を共に満たすことで、ハンドル2を切るときと戻すときとで背反のない収斂性が実現できると考えたのである。
そして、異なる2つの仕様を共に満たすためには、電動パワーステアリングシステム1の動作・挙動が反映された信号を少なくとも2種類取得する必要があると考え、その少なくとも2種類の信号に基づいてアシスト補償量を演算するような2入力1出力の制御器を構成すればよいと考えた。
つまり、従来のような1入力1出力の制御器で異なる2つの仕様を共に満たすのは困難であるが、2種類以上の信号を用いれば、異なる2つの仕様と共に満たすことが可能となるのである。
2入力1出力の制御器を設計する手法は様々であるが、設計段階において上述した第1の仕様及び第2の仕様を共に織り込むことができ、且つ閉ループ周波数特性の整形が可能でなければならないことを考慮した結果、本実施形態ではH∞制御理論を用いて制御器(アシスト補償量演算部24)の設計を行った。
H∞制御によれば、多入力多出力の制御器を設計でき、閉ループ周波数特性の整形(即ちボード線図の整形)が可能である。
H∞制御による制御器の設計手法は従来からよく知られており、本実施形態のアシスト補償量演算部24もその設計手法に則って設計されたものであるため、具体的な設計方法や設計過程についての説明は省略し、確認的にその概略のみ、図2を用いて説明する。
図2は、制御器(アシスト補償量演算部24)の設計方法を説明するための説明図である。図2に示すように、H∞制御理論を用いて制御器32を設計する際には、一般化プラント31を設定する。
H∞制御による制御器設計において、一般化プラントを設定することは周知であり、一般化プラントへの入力として外乱入力及び操作入力(制御器から出力される)があること、出力として制御出力及び観測出力(制御器へ入力される)があることも周知である。
そこで本実施形態では、図2に示すように、一般化プラント31への外乱入力をハンドルトルク及び路面反力とし、一般化プラント31への操作入力(即ち制御器32からの出力)をアシスト補償量とし、一般化プラント31からの観測出力(即ち制御器32への入力)を操舵トルク及びモータ速度とした。また、一般化プラント31からの制御出力を、速度差分及び制御対象モデル出力速度とした。
制御出力のうち、速度差分は、ハンドルトルクの入力に対して規範モデルから出力されるモータ速度(第1の仕様)と、ハンドルトルク、路面反力、及びアシスト補償量の入力に対して制御対象モデルから出力されるモータ速度(第2の仕様)との差分を示す値である。制御対象モデル出力速度は、上述した制御対象モデルから出力されるモータ速度(第2の仕様)に所定の重み付けがなされた値である。
なお、規範モデル及び制御対象モデルはいずれも、H∞制御において一般化プラント内に通常設定される周知のモデルである。本実施形態では、制御対象モデルとして、ハンドルトルク及び路面反力の入力に対してモータ速度が出力される、3慣性モデルが設定されている。
また、一般化プラント31を設定するにあたっては、基本アシスト量を演算する基本アシスト量演算部111の特性も十分に考慮されている。
このように、基本アシスト量演算部111の特性を考慮しつつ、基本アシスト量のみの場合の特性から変更しない第1の仕様と、基本アシスト量のみの場合の特性から変更する第2の仕様の双方を満たすような一般化プラント31を設定して、H∞制御のアルゴリズムに従った演算を行うことで、制御器32が設計される。具体的な演算方法や演算ツールは種々考えられ、例えば、よく知られたMATLABを用いて演算することが可能である。
このようにして設計された制御器32(即ちアシスト補償量演算部24)は、実際には、次式(1)に示す状態方程式にて表されるものである。
上記式(1)において、un+1は操作入力(即ちアシスト補償量)であり、ynは観測出力(即ち操舵トルク及びモータ速度)であり、xn及びxn+1は、制御器32内の内部変数(状態量)である。そして、制御器32を設計するということは、即ち、上記状態方程式における各パラメータA,B,C,Dを具体的に算出するということである。
このようにして、H∞制御理論による制御器設計を行うことにより、アシスト補償量演算部24が設計される。即ち、アシスト補償量演算部24の状態方程式(上記式(1))が得られる。なお、上記式(1)は離散時間系における状態方程式を示しているが、設計すべき状態方程式が離散時間系に限るものではないことはいうまでもない。
また、本実施形態では、アシスト補償量を演算するためにアシスト補償量演算部24に入力される少なくとも2種類の入力信号として、操舵トルク及びモータ速度を用いたが、これは次の理由による。
即ち、アシスト補償量の演算は、基本的には、電動パワーステアリングシステム1の動作(挙動)が反映された2種類以上の信号であれば種々の信号を用いることができると考えられるが、このうち特に、操舵トルクは、ドライバによるハンドル2の操作状態が反映されたものであり、一方のモータ速度は、ドライバによるハンドル2の操作状態が反映されたものであると共に路面反力の影響が反映されたものでもある。しかも、これら2つの信号からは、ドライバによるハンドル2の操作によってモータが回されているのか、それとも路面反力によってモータが回されているのかといった、ドライバ操作と路面反力との分離も可能である。
そのため、これら2つの信号を用いれば、上記2つの仕様を満たす収斂制御が実現される制御システムを確実に構築することができると考え、これら2つの信号を入力としてアシスト補償量を出力する制御器(アシスト補償量演算部24)を設計したのである。
アシスト補償量演算部24により演算されたアシスト補償量は、そのまま加算部113に入力するようにしてもよいが、本実施形態では、車速ゲイン演算部25により演算された車速ゲインが乗算部26にて乗算され、その乗算結果である車速補正アシスト補償量が加算部113に入力される。
車速ゲイン演算部25は、車両速度に対するゲインがマップ化されたものであり、車速センサ11にて検出された車両速度に応じたゲインが出力される。具体的には、車両速度が大きいほど大きなゲインが出力されるようにされており、これにより、ハンドル戻し時には、車両速度が大きいほどモータ速度がより抑制される(ハンドル2の戻し操作がより妨げられる)こととなる。
このように構成された本実施形態の電動パワーステアリングシステム1の周波数特性の一例を、図3に示す。図3は、収斂制御が実現された本実施形態の電動パワーステアリングシステム1の周波数特性を、従来の電動パワーステアリングシステム100の周波数特性と共に表したボード線図であり、(a)はハンドルトルクに対するモータ速度の特性を表す周波数特性であり、(b)は路面反力に対するモータ速度の特性を表す周波数特性である。
図3(b)に示すように、路面反力に対するモータ速度の特性は、ダンピング制御なし(即ち基本アシスト量のみ)の従来の制御法でモータ6を駆動する場合に比べて、本実施形態の収斂制御による特性は、従来のダンピング制御ありの場合の特性とほぼ同様に、所定の周波数帯域(特に図中点線で囲んだ帯域)においてモータ速度が低くなっている。つまり、路面反力に対しては、本実施形態の収斂制御においても、従来のダンピング制御と同様、モータの回転が抑制されるようになっている。そのため、ハンドル戻し時に急な戻りが抑えられ、結果として車両の収斂性が向上する。
一方、図3(a)に示すように、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性については、本実施形態の収斂制御による特性は、ダンピング制御なし(即ち基本アシスト量のみ)の従来の制御法の特性からほとんど変化がない。つまり、ドライバがハンドル2を切る操作に対しては、ダンピング制御のようにモータの回転が抑制されることなく、基本アシスト量のみによる特性がそのまま(微差はあれど)得られている。このような特性により、ドライバがハンドル2を切ろうとする際には、そのハンドル操作は妨げられない。
従って、本実施形態の電動パワーステアリングシステム1によれば、ドライバがハンドル2を切る際にはその操作感を損なわないようにしつつ、ハンドル戻し時には路面反力による急な戻り感を低減して車両の収斂性を向上させることができる。
また、アシスト補償量を演算するアシスト補償量演算部24は、H∞制御理論を用いて設計するようにしている。H∞制御は、多入力多出力の制御器を設計でき、異なる仕様(特性)を織り込むことができ、更に閉ループ周波数特性の整形も可能な制御理論であることから、アシスト補償量を演算する制御器を設計するための方法としてより適したものである。そのため、H∞制御理論を用いてアシスト補償量演算部24を設計することで、より効率的且つ高精度に設計することが可能となる。
また、アシスト補償量演算部24がアシスト補償量を演算するために入力される信号として、本実施形態では、操舵トルク及びモータ速度が採用されている。既述の通り、これら2つの信号を用いれば、ハンドルトルクと路面反力の分離(即ち、モータ6が回転しているのはハンドルトルクによるものかそれとも路面反力によるものかの判別)が可能となり、上記2つの仕様を共に満たすような電動パワーステアリングシステム1をより精度高く且つより効率的に実現することができる。
また、本実施形態では、アシスト補償量が車速ゲインによって補正されるよう構成されている。そのため、車両速度に応じたより適切なアシスト補償量に基づいて基本アシスト量を補正することができ、ハンドルトルクに対するモータ速度の特性、及び路面反力に対するモータ速度の特性を、共に、車両速度が考慮された適切な特性とすることが可能となる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、ステアリングシャフト3は本発明の入力軸に相当し、トルクセンサ4は本発明のトルク検出手段に相当し、タイヤ10は本発明の操舵輪に相当し、車速センサ11は本発明の車両速度検出手段に相当し、EPSECU20は本発明の電動パワーステアリング制御装置に相当し、基本アシスト量演算部111は本発明の基本アシスト量演算手段に相当し、アシスト補償量演算部24は本発明のアシスト補償量演算手段に相当し、車速ゲイン演算部25は本発明の車速ゲイン演算手段に相当し、加算部113は本発明のアシスト量補正手段に相当し、乗算部26は本発明のアシスト補償量補正手段に相当する。また、インターミディエイトシャフト5、ステアリングギアボックス7、タイロッド8、及びナックルアーム9により、本発明の入力伝達手段が構成される。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、アシスト補償量演算部24に入力される信号として、モータ速度の代わりにモータ角度(即ちモータの回転位置)を用いても良い。
更には、アシスト補償量演算部24に入力される信号は、上述した操舵トルク及びモータ速度に限らず、電動パワーステアリングシステム1の動作・挙動が反映されたあらゆる信号(但し少なくとも2種類の信号)を用いることができる。
具体的には、例えば、ハンドル2の回転角度、ハンドル2の回転速度、インターミディエイトシャフト5のトルク、ステアリングギアボックス7を構成するラックのストローク(左右方向の移動量)、そのラックの推力、或いはタイヤ10の角度などを用いるようにしてもよい。
また、上述した各種信号のうち、操舵トルク、ハンドル2の回転角度、及びハンドル2の回転速度は、特にドライバの操作が反映された信号であると言え、一方、モータ速度、モータ角度、インターミディエイトシャフト5のトルク、ラックのストローク、ラックの推力、及びタイヤ10の角度は、特に路面反力が反映された信号であると言える。そのため、上述した各種信号のうち何れか2種類以上の信号を用いてアシスト補償量を演算する際には、より好ましくは、ドライバの操作が反映された信号と路面反力が反映された信号の双方を用いるようにするとよい。
また、上記実施形態では、モータ6としてブラシレスDCモータを用いたが、ブラシレスDCモータを用いることはあくまでも一例であって、例えばブラシ付DCモータであってもよいし、他の各種モータであってもよい。
また、上記実施形態では、モータ6が回転センサを備え、その回転センサによってモータ速度が検出されるものとしたが、これも一例に過ぎず、回転センサをどこに備えるか、延いては必要な情報(モータ速度やモータ回転角などのモータ6の回転状態)をどのようにして検出するかは、適宜決めることができる。そのため、モータ6として例えばブラシ付DCモータを用いた場合は、モータ6に流れる電流に基づいて回転状態を推定する方法等を用いることによって回転状態を得るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電動パワーステアリングシステム1の方式として、インターミディエイトシャフト5の回転をモータ6でアシストする、いわゆるシャフトアシスト式の構成を例に挙げて説明したが、これもあくまでも一例であり、例えばタイロッド8の往復運動(即ちステアリングギアボックス7内のラックの往復運動)をモータでアシストする、いわゆるラックアシスト式のものにも適用できるなど、種々のアシスト方式の電動パワーステアリングシステムに対して本発明を適用することが可能である。
1,100…電動パワーステアリングシステム、2…ハンドル、3…ステアリングシャフト、4…トルクセンサ、5…インターミディエイトシャフト、6…モータ、7…ステアリングギアボックス、8…タイロッド、9…ナックルアーム、10…タイヤ、11…車速センサ、12…路面、20,110…EPSECU、24…アシスト補償量演算部、25…車速ゲイン演算部、26…乗算部、31…一般化プラント、32…制御器、111…基本アシスト量演算部、112…モータ駆動回路、113…加算部、114…ダンピング制御部

Claims (5)

  1. 車両のハンドルに連結され、該ハンドルが操作されることにより入力されるハンドルトルクによって該ハンドルと共に回転する入力軸と、
    前記入力軸の回転を操舵輪に伝達することにより該操舵輪を操舵させる入力伝達手段と、
    前記入力軸と前記操舵輪のねじれによる操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    前記ハンドルの操作による前記操舵輪の操舵時に該ハンドルの操作をアシストするためのアシスト操舵力を発生させるモータと、
    を備えた電動パワーステアリングシステムに設けられ、前記モータを制御することにより前記アシスト操舵力を制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記トルク検出手段により検出された操舵トルクに基づいて前記ハンドルの操作をアシストするための基本アシスト量を演算する基本アシスト量演算手段と、
    前記基本アシスト量演算手段により演算された前記基本アシスト量を補正するためのアシスト補償量を演算するアシスト補償量演算手段と、
    前記基本アシスト量演算手段により演算された前記基本アシスト量を、前記アシスト補償量演算手段により演算された前記アシスト補償量によって補正することにより、補正後アシスト量を演算するアシスト量補正手段と、
    前記アシスト量補正手段からの前記補正後アシスト量に基づいて前記モータを駆動させるモータ駆動手段と、
    を備え、
    前記アシスト補償量演算手段は、前記電動パワーステアリングシステムの動作が反映された少なくとも2種類の信号に基づき、次の(a)及び(b)の2つの仕様を共に満たすように前記アシスト補償量を演算する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
    (a)前記電動パワーステアリングシステムにおける、前記ハンドルトルクに対する前記モータの速度の特性については、前記基本アシスト量を該アシスト補償量で補正せずに前記モータを駆動させた場合の特性と同じ特性となるような、第1の仕様。
    (b)前記電動パワーステアリングシステムにおける、前記操舵輪が車両の走行路面から受ける力である路面反力に対する前記モータの速度の特性については、前記基本アシスト量を該アシスト補償量で補正せずに前記モータを駆動させた場合の特性よりも前記モータの速度が抑制された特性となるような、第2の仕様。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記アシスト補償量演算手段は、前記少なくとも2種類の信号として、前記ハンドルの回転角度、前記ハンドルの回転速度、前記操舵トルク、前記モータの速度、前記モータの回転角、前記入力伝達手段の動作状態、のうち少なくとも何れか2つを表す信号を取得して、前記アシスト補償量を演算する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記少なくとも2種類の信号は、前記操舵トルク、及び、前記モータの速度又は回転角である
    ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記アシスト補償量演算手段は、前記少なくとも2種類の信号に対して予め設計された状態方程式に従って前記アシスト補償量を演算するよう構成されており、該状態方程式は、前記第1の仕様及び前記第2の仕様が共に満たされるようにH∞制御理論を用いて設計されたものである
    ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記車両の速度を検出する車両速度検出手段と、
    前記車両速度検出手段により検出された前記車両の速度に応じたゲインである車速ゲインを演算する車速ゲイン演算手段と、
    前記アシスト補償量演算手段により演算された前記アシスト補償量と前記車速ゲイン演算手段により演算された車速ゲインとの乗算を行うことにより該アシスト補償量を補正するアシスト補償量補正手段と、
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
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