JP2010264764A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙くわえ胴6の周囲に各印刷ドラム1a,1bを配置した多色孔版印刷装置100において、紙くわえ胴6の回転方向の位相に対して各印刷ドラム1a,1bの回転方向の位相を調整可能とする天地移動機構を有し、紙くわえ胴6の回転中心軸を中心として凹部8の範囲に対応して形成される凹部切欠角度θ2は、クランパ幅角度θ3と、マスタ先端余白角度θ4と、天地移動量の片側分角度θ5とを加算した値以上に設定されている。
【選択図】図4
Description
(1)特許文献1には、2つ(またはそれ以上)の印刷ドラムを用紙搬送方向に略水平状態に並べて配置し、印刷用紙(以下、単に「用紙」という)を2つの印刷ドラム(またはそれ以上)の印刷部に給送し、印刷部において押圧手段として用いたプレスローラで印刷ドラム上の製版済みのマスタに用紙を押し付けることにより、2色(または多色)印刷を行う多色孔版印刷装置が開示されている。この印刷技術では、印刷部がプレスローラによるものなので、構成が簡略化でき低コストになるという利点がある(以下、「第1の印刷技術」という)。
そして、前記公報の第7図に示されているように、第2の印刷技術における各印刷ドラム101は、横木105に対して開閉自在な、製版済みの孔版原紙T(以下、「マスタ」という)の先端部を保持するマスタ保持手段としての孔版原紙前縁取付装置105a(以下、「クランパ」という)を有している。また、第2の印刷技術における裏押しローラ102(圧胴または紙くわえ胴とも呼ばれ、以下、「紙くわえ胴」という)は、各印刷ドラム101の横木105の部分およびそのクランパ(孔版原紙前縁取付装置105a)との接触・干渉を避けるための切り欠き状の凹部としての溝114(以下、「凹部」という)および用紙Sの先端部を保持する保持手段としての吸引ノズル130を有している(以下、「第2の印刷技術」という)。
そして、このような多色孔版印刷装置では、用紙のジャム処理や色替えのために印刷ドラムが印刷装置本体に対して着脱自在な印刷ドラムユニットを構成しているものが多く、印刷ドラムユニットを介して印刷ドラムの着脱動作が頻繁に行われる。それ故に、前記したような印刷ドラムユニットを使用した多色孔版印刷方法および多色孔版印刷装置によると、印刷ドラムユニットを介して印刷ドラムを印刷装置本体に挿入(装着)したり、印刷装置本体から(引き出し)離脱したりする際には、各印刷ドラムユニットにおいては適正位置にて印刷ドラムを着脱操作できるようにして、誤操作が生じないようにし、印刷装置本体や印刷ドラムを含む印刷ドラムユニットの損傷がないようにする必要がある。しかし、第2の印刷技術ではそのような点についての配慮等が全くなされていないという問題点がある。
本発明の第2の目的は、印刷ドラムを備え、印刷装置本体に対して着脱自在な複数の印刷ドラムユニットを構成しているか否かに拘わらず多色印刷等を行える印刷装置において、小サイズの用紙にも対応でき、紙くわえ胴や印刷ドラム、あるいは印刷ドラムを含む印刷ドラムユニットの損傷を防止できる印刷装置を実現することにある。
請求項1記載の発明は、印刷装置本体に対して着脱自在に構成され、製版済みのマスタの先端部を保持するマスタ保持手段を備えた印刷ドラムを有する複数の印刷ドラムユニットと、前記マスタ保持手段との接触を避けるための凹部を備え、前記印刷装置本体に装着された前記各印刷ドラムユニットにおける前記各印刷ドラム上の製版済みのマスタに用紙を相対的に押し付ける、前記印刷ドラムの外径と略同径の圧胴とを具備し、前記圧胴の周囲に前記複数の印刷ドラムユニットを配置した印刷装置において、前記各印刷ドラムユニットは、該印刷ドラムが回転方向の離脱位置で停止したとき離脱可能であり、前記離脱位置は、前記各印刷ドラムユニットの前記マスタ保持手段が前記圧胴の前記凹部に対応した範囲内にあるときに設定されており、前記印刷装置本体内から離脱すべき前記印刷ドラムユニットの該印刷ドラムを回転駆動するドラム駆動手段と、前記離脱すべき前記印刷ドラムユニットの該印刷ドラムが前記離脱位置で停止するように前記ドラム駆動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
ここで、ドラム駆動手段の具体例としては、後述する実施形態のように、圧胴と各印刷ドラムとの同期を取りやすくし、かつ、駆動時の制御を容易にするために、圧胴、各印刷ドラムを回転伝達部材を介して連結した単一のメインモータを挙げることができる。このような利点を望まなくてもよいのであれば、単一のメインモータに限らず、印刷装置本体内から離脱すべき印刷ドラムユニットの該印刷ドラムを回転駆動する、複数の印刷ドラムに対応して配設された複数のモータであってもよい。
印刷ドラム接離方式には、後述する第1の実施形態における接離手段が挙げられる他、各印刷ドラムの多孔性円筒部が圧胴側へ移動(印刷ドラム内部のインキ供給ローラ等が圧胴側へ突出するタイプも含む)して印刷を行う周知のものがある。この例としては、例えば、特開平1−204781号や、特開平3−197078号あるいは特開平3−254984号公報等に開示されているような金属製スクリーンを内側から外側に向けて膨出させる、いわゆる中押しローラ方式(インキ供給ローラを兼ねるものも含む)のものが挙げられる。
「印刷ドラムの外径と略同径の圧胴」とは、圧胴の外径寸法が印刷ドラムの外径寸法と同じであるものの他、設計上の許容寸法公差範囲内にある場合も含む。
請求項1記載の発明によれば、小サイズの用紙にも対応できることはもとより、制御手段が離脱すべき印刷ドラムユニットの該印刷ドラムが離脱位置で停止するようにドラム駆動手段を制御するので、印刷装置本体に対する複数の印刷ドラムユニットの着脱時に、圧胴や印刷装置本体や印刷ドラムを含む印刷ドラムユニットの損傷を防止できる。
(第1の実施形態)
図1ないし図8に、本発明の第1の実施形態を示す。図1において、符号100は、本発明を適用した印刷装置の一例としての多色孔版印刷装置を示す。符号101は多色孔版印刷装置100の装置本体としての本体フレームを示す。本体フレーム101は、後述する各装置・ユニットを覆うように配置された外装パネルおよび内部に配設された不動部材である各種側板を連結固定していて、その外側形状が略筐体状をなしている。以下、前記外装パネルおよび前記各種側板を総称して、単に本体フレーム101というときがある。
多色孔版印刷装置100は、図1に示すように、本体フレーム101に対して着脱自在に構成され、1色目印刷ドラム1a(以下、単に「印刷ドラム1a」というときがある)を有する印刷ドラムユニット70aと、同じく本体フレーム101に対して着脱自在に構成され、2色目印刷ドラム1b(以下、単に「印刷ドラム1b」というときがある)を有する印刷ドラムユニット70b’と、給送されて来た用紙32の先端部を保持する保持手段としての用紙クランパ7を備え、本体フレーム101に装着された各印刷ドラムユニット70a,70b’における各印刷ドラム1a,1b上の製版済みのマスタ12a,12bに用紙32を相対的に押し付ける、各印刷ドラム1a,1bの外径と略同径の圧胴6(以下、「紙くわえ胴6」と言い替える)とを有する。
したがって、第1の実施形態によれば、上述した構成を有することにより、従来の第2の印刷技術と同様の利点、すなわち多色孔版印刷装置100全体の用紙搬送方向Xの幅を狭くできること、および他の紙くわえ胴等の押圧手段への用紙の受け渡しがないので用紙搬送性に優れていて、用紙搬送方向Xに長さの短い小サイズの用紙32を使用しても、各印刷ドラム1a,1bとの同期が取りやすく、印刷しやすいという利点がある。
印刷ドラムユニット70aは、図1および図2に示すように、印刷ドラム1aと、本体側レール69aに係合して本体フレーム101内の所定位置に案内される移動可能な被係合レール部71aと、この被係合レール部71aに一体的に形成され、印刷ドラムユニット70aの重心73aよりも略鉛直方向の印刷ドラムユニット70aの上部に設けられ、印刷ドラムユニット70aの着脱操作時に用いる把手手段としての取っ手72aと、印刷ドラム1aの両側の端板(図示せず)を挟んで被係合レール部71aの図1および図2の紙面の手前側に垂設された前フレーム74aおよび図1および図2の紙面の奥側に垂設された後フレーム(図示せず)とから主に構成されている。
印刷ドラムユニット70b’は、図1および図2に示すように、印刷ドラム1bと、本体側レール69b’に係合して本体フレーム101内の所定位置に案内される移動可能な被係合レール部71b’と、この被係合レール部71b’に一体的に形成され、印刷ドラムユニット70b’の重心73bよりも略鉛直方向の印刷ドラムユニット70bの上部に設けられ、印刷ドラムユニット70bの着脱操作時に用いる把手手段としての取っ手72b’と、印刷ドラム1bの両側の端板(図示せず)を挟んで被係合レール部71b’の図1および図2の紙面の手前側に垂設された前フレーム74bおよび図1および図2の紙面の奥側に垂設された後フレーム(図示せず)とから主に構成されている。
また、マスタ12については、印刷ドラム1a側へ給版するものを製版済みのマスタ12aとし、印刷ドラム1b側へ給版するものを製版済みのマスタ12bとして区別して説明することとする。
被係合レール部71aは、図2に拡大して示すように、例えば板金でできていて、断面が正面視でチャンネル状に形成されている。取っ手72aは、被係合レール部71aの図1および図2における紙面手前側で折り曲げ形成されていて、その断面が側面視で倒立したL字状をなす。取っ手72aは、本体側レール69aと係合して印刷ドラムユニット70aを印刷ドラム1aの軸線方向に移動可能にする機能を有する。この第1の実施形態例では、印刷ドラムユニット70aの取っ手72aを把持・操作して、印刷ドラムユニット70aを印刷ドラム軸線方向にスライドさせて前記印刷位置と前記離脱位置とを占めることができる。
被係合レール部71b’および取っ手72b’ の各断面形状は、被係合レール部71および取っ手72aの断面形状と比較すると、被係合レール部71b’および取っ手72b’の方が、被係合レール部71aおよび取っ手72aの断面形状に対して、図1および図2における左右方向に小さくかつ上下方向に大きいことのみ相違する。
また、各取っ手72a,72bは、前フレーム74aの上端部および被係合レール部71aの前端部に一体的に形成、換言すれば固定して設けられているので、印刷ドラムユニット70aまたは印刷ドラムユニット70b’を片手で保持し、かつ、着脱操作をできるから、各印刷ドラムユニット70a,70b’の着脱操作が行いやすくなると共に、離脱させた場合の印刷ドラムユニット70aまたは印刷ドラムユニット70b’をハンドリングする際にも操作性を向上することができる。
第1の実施形態における印刷ドラム1aは、少なくともインキ通過性の金属薄板層(前記支持円筒体に同じ)を有していればよく、メッシュスクリーン層は無くても、あるいは複数層有していても構わない。
クランパ5aは、それ自身が図1において略真上に位置する給版位置に印刷ドラム1aが停止したときや、印刷ドラム1a上の使用済みのマスタ12aを排版すべく排版位置に停止したとき、図示しない開閉装置により開閉される。同様に、クランパ5bは、それ自身が図1および図2において右斜め上方に位置する給版位置に印刷ドラム1bが停止したときや、印刷ドラム1b上の使用済みのマスタ12bを排版すべく排版位置に停止したとき、図示しない開閉装置により開閉される。
インキは、各印刷ドラムユニット70a,70b’に設けられたインキ容器(図示せず)からインキポンプ(図示せず)により圧送され、前記インキディストリビュータを介してインキ溜まりIaへ供給される。インキ溜まりIaに供給されるインキの量は、インキ検知手段としてのインキセンサ(図示せず)やインキ検知回路(図示せず)によって検知・測定され、前記インキポンプによってインキ圧送量をコントロールされる。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキが良好な印刷画像品質を得る上から好ましく用いられる。
なお、ドクターローラは、前記したような回転不能に固定されているものに限らず、例えば前記インキ側板に軸を持って回転可能(間欠的に回転するもの含む)に支持されていて、図示しないギヤ列等により反時計回り方向に回転するものであってもよい。このような場合、ドクターローラと印刷ドラム1aとの回転速度の比も所定の値に設定される。
用紙クランパ7周りの細部の構造は、例えば本願出願人が提案した特開平11−99735号公報の図1ないし図6および図8ないし図10や、特開平11−147358号公報の図23ないし図25、あるいは特開2000−33764公報の図1、図2、図22および図26等に開示されているものと同様である。
このようなことから、各印刷ドラムユニット70a,70b’は、各印刷ドラム1a,1bが回転方向の離脱位置で停止したとき離脱可能に構成されている。そして、前記離脱位置は、各印刷ドラム1a,1bの各クランパ5a,4bが紙くわえ胴6の凹部8に対応した範囲内にあるときに設定されている。換言すれば、前記離脱位置は、各印刷ドラム1a,1bの各クランパ5a,4bが用紙クランパ7を含めた紙くわえ胴6に接触することなく紙くわえ胴6の凹部8の中に入るように予め設定されている。印刷ドラムユニット70aの1色目印刷ドラム1aの前記離脱位置は、例えば図4および図5に示されている位置に設定されている。印刷ドラムユニット70b’の2色目印刷ドラム1bの前記離脱位置は、例えば図1、図2および図3に示されている位置に設定されている。
多色孔版印刷装置100における製版・給版ユニット10の配置構成は、新規であって特有の効果を有するが、これについては本願出願人が先に提案した特願2000−231142号に詳細に記載されているのでそれを参照されたい。製版・給版ユニット10の各構成要素は、何れも周知であるため、その説明を省略し、後述する動作で補足説明する。
マスタ12は、前記のものに限らず、非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものや、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ(その厚さが約1〜8μm)程ではないが、前記マスタ12(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ20〜30μm)、かつ、ベースにおける合成繊維の混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊維の混抄率が高いポリエチレンテレフタレート(PET)100%からなるベースを有する合成繊維ベースマスタを用いることも可能である。また、マスタ12の熱可塑性樹脂フィルム面を外側にして芯管13Aの周りに巻き付けられた前記フィルム面がいわゆる外巻きのマスタロールも使用可能である。
前記給版切替ガイドは、ソレノイド等のアクチュエータおよびバネ等の付勢手段の組み合わせ駆動機構(図示せず)によって、図示しないガイド軸を中心として、時計回り方向または反時計回り方向に揺動するように駆動される。
排版ユニット50aは、1色目印刷ドラム1aの外周面に近接自在に配置され、1色目印刷ドラム1a上の使用済みのマスタ12aの先端部を剥離し案内するマスタ剥がし爪51aと、このマスタ剥がし爪51aにより剥離・案内された使用済みのマスタ12aを排版ボックス53a内に搬送する排版搬送ローラ対52aと、この排版搬送ローラ対52aにより搬送されてきた使用済みのマスタ12aを収納する排版ボックス53aとから主に構成されている。
呼出しコロ33と分離コロ34とは、プーリおよびベルト等の回転伝達部材を介して回転伝達関係にあり、前記メインモータとは独立して配設された給紙モータ(図示せず)により回転駆動される。レジストローラ対36は、前記メインモータとは独立して配設されたレジストモータ(図示せず)により回転駆動される。前記給紙モータおよび前記レジストモータは、例えばステッピングモータからなる。
排紙搬送ユニット41は、例えば特開平10−297074号公報の図1等に示されているものと同様の構成を有し、周知の動作を行う。
また、前記スキャナユニットには、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能および構成を有するものが、スキャナユニット45のミラー群と結像レンズとの間の光路上に配設されていて、同公報記載と略同様の自動製版等の動作を行えるようになっているものでもよいし、色分解機能のない単色のスキャナでもよい。
1色目駆動機構115aと2色目駆動機構115bとは、配置位置を除き略同一の機能および同じ構成要素を有しているので、それらを同一符号の末尾に符号aまたはbを付加することで区別することとし、その一方を詳述した場合には重複説明を避けるため他方の説明をできるだけ省略する。
同様に、2色目駆動機構115bは、第1リンク120bによりドラム駆動ギヤ116に連結され、ドラム駆動ギヤ116に噛み合う第1天地ギヤ117bと、第2リンク121bにより第1天地ギヤ117bに連結され、第1天地ギヤ117bに噛み合う第2天地ギヤ118bと、第3リンク122bにより第2天地ギヤ118bに連結され、第2天地ギヤ118bに噛み合う2色目駆動ギヤ119bとから主に構成される。
なお、メインモータ111は、DCモータに限らず、ステッピングモータなどのパルス駆動可能なものでもよい。
この天地移動機構を設けた理由は、以下のとおりである。すなわち、多色孔版印刷装置100は、複数の印刷ドラム1a,1bを有するため、各印刷ドラム1a,1bに製版済みのマスタ12a,12bを巻き付ける際に、マスタ搬送方向での着版位置にバラツキが生じることで、各色間での製版画像位置、すなわち印刷画像位置にバラツキが生じ、1つの印刷ドラムに対する用紙給送タイミングを調整しただけでは各色間での印刷画像位置ずれを補正できないため、各色間の印刷画像位置の天地調整のために天地移動を行うことが必然的となるからである。
2色目印刷ドラム1b側の天地移動動作も、上述したと同様にして、紙くわえ胴6に対して所定の位相差を作ることができて、天地移動が可能になっている。
図4および図5において、各印刷ドラム1a,1bおよび紙くわえ胴6の外径(直径)を共に、例えば180mm(φ180)とし、各印刷ドラム1a,1bのドラム配置角度θ1=66.66°(θ1/2=33.33°)とし、紙くわえ胴6の凹部8の凹部切欠角度をθ2とし、クランパ幅角度θ3=31.8°(θ3/2=15.9°)(但し、各クランパ5a,5bの各印刷ドラム1a,1bの回転方向におけるクランパ幅を50mmとしたとき)とし、マスタ先端余白角度θ4=31.8°(但し、1色目印刷ドラム1a上の製版済みのマスタ12aの製版画像における先端余白=50mmとしたとき)とし、2色目印刷ドラム1bによる天地移動量の片側分角度θ5=19.1°(但し、印刷画像位置が天(前)方向へ進む側で、用紙32における天地移動量を±30mmとしたとき)、2色目印刷ドラム1bの余裕回転角度θ6=31.66°としたとき、従来の技術で説明したような問題点を生じない紙くわえ胴6の適正な凹部切欠角度θ2を求める。なお、図5の符号θ8は、θ3+θ5を表している。符号Pa,Pbは、製版済みのマスタ12aおよび用紙32を介して、1色目印刷ドラム1aの外周面と紙くわえ胴6の外周面とが印圧開始時に互いに接触し始める接触開始位置をそれぞれ表している。
マスタ先端余白角度θ4は、クランパ5a(マスタ保持手段)に保持された製版済みのマスタ12aの製版画像先端までの範囲に対応して形成される角度をいう。マスタ先端余白角度θ4は、1色目印刷ドラム1aのクランパ5aが紙くわえ胴6の凹部8に対向・離間してから1色目印刷ドラム1aの外周面上の製版済みのマスタ12aと紙くわえ胴6の外周面とが接触するまでの1色目印刷ドラム1aの回転角で決まり、その接触までの助走距離(角度)でもある。天地移動量の片側分角度θ5は、前記天地移動手段による位相調整可能な角度のうち2色目印刷ドラム1b上の製版済みのマスタ12bの製版画像がホームポジションから回転方向の進み側へ偏倚した位相調整角度をいう。2色目印刷ドラム1bの余裕回転角度θ6は、2色目印刷ドラム1bの外周面が紙くわえ胴6の外周面と接触するまで回転可能な角度をいう。
θ6=θ1−θ3/2−θ5…(1)
θ2=θ1+θ3/2+θ4−θ6…(2)
(1)式と(2)式との関係から、θ2=θ1+θ3/2+θ4−(θ1−θ3/2−θ5)=θ3+θ4+θ5が得られる。
θ2=θ1−θ6+θ4…(3)
θ6=θ1−θ3−θ5…(4)
(3)式と(4)式との関係から、θ2=θ1−(θ1−θ3−θ5)+θ4
=θ3+θ4+θ5となって、図4において求めた凹部切欠角度θ2と同様の結果が得られる。
2色目印刷ドラム1bのクランパ5b配置部は、紙くわえ胴6の外周面との接触点より、さらに2色目印刷ドラム1bの回転方向の上流側にドラム配置角度θ1だけ戻った位置になる。2色目印刷ドラム1bが天地移動調整されて図4において二点鎖線で示すクランパ5b配置部が2色目印刷ドラム1bの回転方向の下流側に進んだときでも、図4において実線で示す位置ではクランパ5b配置部が紙くわえ胴6の外周面に接触しないで凹部内に入り、2色目印刷ドラム1bおよび紙くわえ胴6が共に余裕回転角度θ6だけ回転したときにも、二点鎖線で示すクランパ5b配置部が回転移動してきた紙くわえ胴6の凹部8と外周面との境界部分に接触しないようになっている。
しかし、例えば2色目印刷ドラム1bの天地移動方向が逆方向に移動されると、1色目印刷ドラム1aと2色目印刷ドラム1bとのクランパ5a,5bは、丁度2つの印刷ドラム1a,1bの回転中心軸を結ぶ線分上付近で交差することがあり、2つのクランパ5a,5b同士の接触を防止する必要がある。これは、ドラム間隔を狭め装置全体を小型化する上で重要となってくる。
また、1色目ドラム着脱可ランプ96、1色目ドラム着脱不可ランプ97、2色目ドラム着脱可ランプ98および2色目ドラム着脱不可ランプ99は、各印刷ドラムユニット70a,70b’の着脱可否状態を表示するためのドラム着脱可否表示手段としての機能を有する。
これらの各ランプ96,97,98,99は、それぞれ発光素子としての発光ダイオードからなり、該発光ダイオードには各印刷ドラムユニット70a,70b’の着脱可および着脱不可状態に対応した色別表示がなされている。1色目ドラム着脱可ランプ96および2色目ドラム着脱可ランプ98は、例えば緑色の発光ダイオードを用いていて、発光ダイオード駆動回路を介して点滅したり点灯表示したりする。1色目ドラム着脱不可ランプ97および2色目ドラム着脱不可ランプ99は、例えば赤色の発光ダイオードを用いていて、発光ダイオード駆動回路を介して点滅したり点灯表示したりする。
操作パネル55は、前記スキャナの上部の一側部に配設されている。操作パネル55には、図7に示すように、原稿の画像の読み取りから排版、製版、給版、版付け印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための動作起動設定手段としてのスタートキー56と、印刷枚数等を入力・設定するためのテンキー58と、このテンキー58で置数(入力・設定)された印刷枚数分の印刷動作の起動を行うためのプリントキー57と、本体フレーム101内から離脱すべき1色目印刷ドラム1aを備えた印刷ドラムユニット70aを離脱可能な状態に設定するための個別ドラム離脱設定手段としての1色目ドラム離脱キー60、および本体フレーム101内から離脱すべき2色目印刷ドラム1bを備えた印刷ドラムユニット70b’を離脱可能な状態に設定するための個別ドラム離脱設定手段としての2色目ドラム離脱キー61等の各種キーが配置されている。
1色目ドラム離脱キー60は、本体フレーム101内へ装着すべき1色目印刷ドラム1aを備えた印刷ドラムユニット70aを装着可能な状態に設定するための個別ドラム装着設定手段としての機能も有する。同じく、2色目ドラム離脱キー61は、本体フレーム101内へ装着すべき2色目印刷ドラム1bを備えた印刷ドラムユニット70b’を装着可能な状態に設定するための個別ドラム装着設定手段としての機能も有する。
上述したとおり、1色目ドラム着脱可ランプ62、2色目ドラム着脱可ランプ64および液晶表示部59は、離脱すべき印刷ドラムユニット70aの1色目印刷ドラム1aまたは印刷ドラムユニット70b’の2色目印刷ドラム1bが前記離脱位置に停止したときに、印刷ドラムユニット70aの1色目印刷ドラム1aまたは印刷ドラムユニット70b’の2色目印刷ドラム1bが前記離脱位置にあることを報知する報知手段としての機能を有する(請求項3参照)。
また、液晶表示部59、1色目ドラム着脱可ランプ62、1色目ドラム着脱不可ランプ63、2色目ドラム着脱可ランプ64および2色目ドラム着脱不可ランプ65は、各印刷ドラムユニット70a,70b’の着脱可否状態を表示するためのドラム着脱可否表示手段としての機能を有する。
図3および図8において、メインモータ111は、図示しないモータ駆動回路を介して制御装置80を構成しているCPU81に接続されており、前記モータ駆動回路を介してCPU81との間でオン/オフ信号やデータ信号あるいは指令信号の送受信を行っている。
各印刷ドラム1a,1bの奥側の端板(図示せず)には、各ドラム着脱位置検知センサ87,88と選択的に係合する図示しない遮光板が外側に突出して設けられている。前記遮光板は、特開平11−138961号公報の図7や特開平11−151852号公報の図7に示されていると同様のものを用いている。
さらに具体的には、制御装置80は、1色目ドラム離脱キー60または2色目ドラム離脱キー61、1色目ドラム着脱位置検知センサ87または2色目ドラム着脱位置検知センサ88からの各信号に基づいて、離脱すべき印刷ドラムユニット70aまたは70b’の印刷ドラム1aまたは1bが前記離脱位置で停止するようにメインモータ111を制御する制御手段としての制御機能を有する。
各印刷ドラムユニット70a,70b’のうちの特定の印刷ドラムユニット70aまたは70b’において、インキの色替えやマスタ12の交換あるいは清掃・保守整備等のために、各印刷ドラムユニット70a,70b’を本体フレーム101から離脱する場合について説明する。
1色目印刷ドラム1aが前記離脱位置に停止した状態で、印刷ドラムユニット70aの本体フレーム101からの離脱操作が行われる。この離脱操作は、取っ手72aを把持してドラムユニット70aを本体フレーム101の着脱口90aから引き出すことにより行われる。そして、1色目印刷ドラム1a側のインキの色替えやマスタ12の交換あるいは清掃等を実施した後、ドアカバー91を閉める。印刷ドラムユニット70b’の2色目印刷ドラム1b側の離脱動作も前記と同様に行われるので、以下この動作説明を省略する。
例えば、両印刷ドラムユニット70a,70b’のマスタ12の交換が終わり、両印刷ドラムユニット70a,70b’が本体フレーム101内に装着されていない状態で、一方の印刷ドラムユニット70b’を装着するときについて述べる。このときは、両印刷ドラムユニット70a,70b’を離脱したときに、後から一方の印刷ドラムユニット70b’を離脱しているので、着脱口90b側の2色目ドラム着脱可ランプ98が緑色で、着脱口90a側の1色目ドラム着脱不可ランプ97が赤色でそれぞれ点灯している。操作パネル55側でも同様に、2色目ドラム着脱可ランプ64が緑色で、1色目ドラム着脱不可ランプ63が赤色でそれぞれ点灯しているので、2色目印刷ドラム1b側に対応した駆動機構110の着脱駆動部が前記離脱位置(離脱位置すなわち装着位置でもある)を占めていて、印刷ドラムユニット70b’を装着可能な状態にあることが分かる。
次いで、ドアカバー91を閉める。このとき、制御装置80は、2色目ドラム有無センサ67からの印刷ドラム有り信号、ドアカバー開閉センサ94からの閉信号、2色目着脱位置検知センサ88からの各信号に基づいて、未だ装着されていない他方の印刷ドラムユニット70aの1色目印刷ドラム1a側の着脱駆動部が前記離脱位置を占めるようにメインモータ111を制御する。これにより、1色目印刷ドラム1a側の着脱駆動部が前記離脱位置に自動的に回転駆動され、停止する。このとき、操作パネル55の1色目ドラム着脱可ランプ62が緑色点灯状態となる。
使用者は印刷ドラムユニット70aを着脱口90aに挿入すると、1色目印刷ドラム1a側の着脱駆動部が前記離脱位置を占めているので、容易に装着・セットを行うことができる。そして、ドアカバー91を閉める。またこのとき、制御装置80は、ドアカバー開閉センサ94からの閉信号および各ドラム有無センサ66,67からの印刷ドラム有り信号に基づいて、印刷動作可能状態と判断することとなる。
これにより、例えば、一方の印刷ドラム1aはインキの色を固定して、他方の印刷ドラム1bは色替えを行うような場合、色替えを行う方の印刷ドラム1bを常に前記離脱位置に停上させるようにすると、色替えの際に、交換する側の印刷ドラム1bを前述のように2色目ドラム離脱キー61で位置決め設定する必要がなくなるので、印刷ドラムの交換作業が迅速に行える。また、最初に離脱すべき位置決めする印刷ドラムを選択できるようにすることで、前記のような利点を得る印刷ドラムの離脱位置を選択できるようになる。
先ず、使用者により前記スキャナユニットに配設されている図示しないADFの原稿載置台あるいはコンタクトガラス上に原稿がセットされ、操作パネル55のスタートキー55が押されると製版スタート信号が生成され、これが図示しない制御装置(前記した制御装置80でもよい)に入力されることによって、排版動作、原稿読み取り動作および製版動作が同時的にスタートする。またこのとき、給紙台31上に積載された最上位面の用紙32を呼出しコロ33に接触させて給紙可能な状態になるまで、給紙台31が上昇される。
この原稿読み取りに係る詳細な動作は、例えば特開平10−297074号公報明細書の段落番号(0064)に記載されている内容と略同じであり、原稿読み取りされた画像は最終的にCCD等の光電変換素子からなる画像センサにより光電変換される。画像センサにより光電変換された電気信号は、図示しないA/D変換装置に送信されることによりデジタル画像信号に変換される。スキャナが前述の色分解機能付きの場合には、次いで、デジタル画像信号は図示しない画像処理装置で、例えば1色目印刷ドラム1aで黒、2色目印刷ドラム1bで赤印刷する場合、黒画像に対応したデジタル画像信号および赤画像に対応したデジタル画像信号に分類されて、赤画像に対応したデジタル画像信号は図示しない画像メモリに一度格納される。
すなわち、第1ステッピングモータが駆動されることにより、プラテンローラ16およびテンションローラ対18が回転を開始して、マスタロール13からマスタ12が引き出されつつ搬送されると共に、図示しないソレノイド等を備えた可動ガイド板駆動手段がオンすることにより、可動ガイド板23aは、図1に仮想線で示すように、製版済みのマスタ12aを受け入れ貯容するタワミ形成位置を占め、これにより吸引ボックス21の左方が開放されて、製版済みのマスタ12aを導入するための吸引口が形成される。
このときには、前述したように、前記給版切替ガイドは反時計回り方向に揺動していて、1色目給送経路が既に形成されているので、製版済みのマスタ12aの先端部が1色目給送経路に案内されてステージと拡開したクランパ5aとの間に挿入される。給版ローラ対19が所定の角度回転して、これに対応して第2ステッピングモータのステップ数がある設定値に達し、製版済みのマスタ12aの先端部がステージと拡開したクランパ5aとの間に届いたと判断されると、前記開閉装置によりクランパ5aが閉じられ、製版済みのマスタ12aの先端部がステージとクランパ5aとの間に挟持される。
これと同時的に、カッタ17が作動して製版済みのマスタ12aの後端が切断される。このとき、1色目印刷ドラム1aの回転によって製版済みのマスタ12aが吸引ボックス21より完全に引き出される前にカッタ17による製版済みのマスタ12aの切断が終了するようになっていて、製版済みのマスタ12aの後端部が引きちぎれたりしないような設定になっている。
そして、切断された製版済みのマスタ12aの後端が、1色目印刷ドラム1aの回転によって製版・給版ユニット10内から引き出され、1色目印刷ドラム1aの外周面に完全に巻き取られた段階で1色目印刷ドラム1aへの製版済みのマスタ12aの巻装が終了すると共に、吸引ボックス21の前記吸引口近傍に設けられた図示しないセンサ等により、製版済みのマスタ12aの残り等が判断される。
次いで、給版ローラ対19が回転して、次に製版されるべきマスタ12の先端が給版ローラ対19のニップ部で挟持され前記初期位置を占める。そして、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータへ供給したパルス数(または所定のステップ数)から、次に製版されるべきマスタ12の先端が前記初期位置を占めたと判断されると、可動ガイド板23aは反時計回り方向へ揺動変位してタワミ形成位置に復帰すると共に、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータの駆動が一時停止される。
赤画像に対応した製版・給版動作は、前述した黒画像に対応した製版・給版動作と比較して、「製版済みのマスタ12a」を「製版済みのマスタ12b」と、「黒画像に対応したデジタルの画像データ信号」を「赤画像に対応したデジタルの画像データ信号」と、「1色目印刷ドラム1a」を「2色目印刷ドラム1bと、「クランパ5a」を「クランパ5b」とそれぞれ読み替えるだけで容易に理解し実施することができるので、以下相違する給版時の動作のみについて説明する。
すなわち、給版時においては、前記給版切替ガイドは時計回り方向に揺動していて、前記2色目給送経路が既に形成されているので、製版済みのマスタ12bの先端部が前記2色目給送経路に案内されてステージと拡開したクランパ5bとの間に挿入される。給版ローラ対19が所定の角度回転して、これに対応して第2ステッピングモータのステップ数がある設定値に達し、製版済みのマスタ12bの先端部がステージと拡開したクランパ5bとの間に届いたと判断されると、前記開閉装置によりクランパ5bが閉じられ、製版済みのマスタ12bの先端部がステージとクランパ5bとの間に挟持される。
すなわち、印刷ドラムユニット70aを誤った本体フレーム101内の本体側レール69b’を介して装着しようとしても、本体側レール69b’の断面形状と被係合レール部71aおよび取っ手72a の各断面形状とが異なることにより、被係合レール部71aおよび取っ手72aが本体側レール69b’に入らず(係合することができず)印刷ドラムユニット70aを本体フレーム101内に挿入・装着できないので、誤った印刷ドラムユニット70a自体を挿入することが回避できて、これにより誤った印刷ドラムユニット70aを装着してしまって、紙くわえ胴6や駆動機構110の印刷ドラム着脱部などを損傷させたり、インキ溜まりにインキを保持できなくなって正常な印刷ができなくなったり、インキが漏れてきたりすることを未然に防止することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態のような紙くわえ胴6を用いた多色孔版印刷装置100では、上述したように、紙くわえ胴6の解除量が小さく設定されるので、各印刷ドラムユニット70a,70b’を引き出し・離脱する際には、各クランパ5a,5bを含めて各印刷ドラム1a,1bが紙くわえ胴6に接触しないようにする必要があった。また、第1の実施形態のような天地移動手段による天地移動調整を行う場合には、上述したように、凹部切欠角度θ2を比較的大きく設定する必要もあった。
そこで、凹部切欠角度θ2を比較的大きく設定することが困難な場合には、各印刷ドラム1a,1bのクランパ5a,5b配置部と紙くわえ胴6とが、非印刷時に、接触しない隙間を設けることで、これを回避できる。このような考えの下に、第2の実施形態を創作した。
前記相違点に加えて、第2の実施形態における紙くわえ胴6の凹部切欠角度θ2が、第1の実施形態における紙くわえ胴6の凹部切欠角度θ2と比べて、小さくなっていることを付記しておく。
これらの構成により、保持フレーム104aは、複数の支持コロ103の転動動作を介して、紙くわえ胴6の軸9の中心と本体フレーム101に装着された1色目印刷ドラム1aのドラム軸2aの回転中心とを通る直線に沿ってこれと平行に、紙くわえ胴6の外周面に対して進退自在になされている。同様に、保持フレーム104bは、複数の支持コロ103の転動動作を介して、紙くわえ胴6の軸9の中心と本体フレーム101に装着された2色目印刷ドラム1bのドラム軸2bの回転中心とを通る直線に沿ってこれと平行に、紙くわえ胴6の外周面に対して進退自在になされている。また、保持フレーム104aには、前記直線近傍の位置に、印圧支点部131aが設けられている。
レバー支点ピン132aは、本体フレーム101に植設されていて、棒板状の印圧レバー133aの略中央部に緩く嵌入されている。印圧レバー133aの一端部は、印圧支点部131aにおいてピンを介して所定角度回動自在、かつ、摺動自在に取り付けられ、印圧レバー133aの他端部は、印圧カム145aの輪郭周面に選択的に摺接されるようになっている。印圧レバー133aにおけるレバー支点ピン132aの支持部と印圧レバー133aの他端との間には、保持フレーム104aを紙くわえ胴6の外周面に接近させる方向(図示矢印方向)に常に付勢する印圧スプリング134a(引張コイルバネ)が設けられている。印圧カム135aの軸には、カム駆動モータ136aの出力軸が連結されている。カム駆動モータ136aの駆動により、印圧カム135aが回転される。
図9に示す接離手段130aは、非印刷時の動作状態を示している。図9において、印圧スプリング134aの付勢力に抗して、カム駆動モータ136aが駆動されることにより、印圧カム135aが回転され、印圧カム135aの大径部が図9に示すように印圧レバー133aの他端部に摺接しているとき、印圧レバー133aの一端部はレバー支点ピン132aを中心として時計回りに揺動する。これにより、印刷ドラムユニット76aを保持している保持フレーム104aは、複数の支持コロ103の転動動作を介して、図9に破線矢印で示す方向に移動して、印刷ドラムユニット76aにおける1色目印刷ドラム1aのクランパ5a等が紙くわえ胴6に接触しない隙間107が確保され、1色目印刷ドラム1aは非印刷位置を占める。
印刷ドラムユニット76aにおける1色目印刷ドラム1aが非印刷位置を占めたとき、1色目印刷ドラム1aを含む印刷ドラムユニット76aの如何なる部分も紙くわえ胴6に接触させることなく、保持フレーム104aから印刷ドラムユニット76aを引き出し・離脱することができる。
なお、カム駆動モータ136aに代えて、紙くわえ胴6のドラム駆動ギヤ116から駆動力伝達を行って適切なタイミングによって2つの印圧カム135a,135bを回転駆動してもよい。
(第3の実施形態)
この第3の実施形態は、第2の実施形態と比較して、第2の実施形態における少なくともインキ通過性の金属薄板層(前記支持円筒体)を有して構成された各印刷ドラム1a,1bに代えて、インキ通過性の網材で形成され紙くわえ胴の外周面に接離可能な多孔性円筒体(図示せず)と、各印刷ドラム内に配置され前記多孔性円筒体の内周面に一つの母線に沿って接触し、印刷時に、紙くわえ胴の外周面に押圧すべく前記多孔性円筒体を紙くわえ胴に向けて半径方向外方へ押し出す中押しローラ(図示せず)とを有する各印刷ドラム(図示せず)であること、および前記各印刷ドラムによって、隙間(図9に示した接触しない隙間107に相当する)が非印刷時に設けられることが主に相違する(請求項6および請求項7参照)。
第1ないし第3の実施形態では、説明の簡明化のために、2つの各印刷ドラム1a,1bや2つの印刷ドラムユニット70a,70bあるいは2つの印刷ドラムユニット76a,76bを具備したものとして説明したが、本発明の実施形態は、上述した各実施形態例に限定されるものでなく、3つ以上の印刷ドラムや3つ以上の印刷ドラムユニットを具備して構成できることは勿論、後述する効果を得られるものであることを付記しておく。
1b (2色目)印刷ドラム
5a,5b マスタ保持手段としてのクランパ
6 圧胴としての紙くわえ胴
7 保持手段としての用紙クランパ
8 凹部
10 製版・給版装置としての製版・給版ユニット
32 用紙
59 報知手段としての液晶表示部
62 報知手段としての1色目ドラム着脱可ランプ
64 報知手段としての2色目ドラム着脱可ランプ
60 個別ドラム離脱設定手段としての1色目ドラム離脱キー
61 個別ドラム離脱設定手段としての2色目ドラム離脱キー
70a,70b’,76a,76b 印刷ドラムユニット
80 制御手段および優先停止制御手段としての制御装置
87 ドラム回転位置検知手段としての1色目ドラム着脱位置検知センサ
88 ドラム回転位置検知手段としての2色目ドラム着脱位置検知センサ
96 報知手段としての1色目ドラム着脱可ランプ
98 報知手段としての2色目ドラム着脱可ランプ
100,200 印刷装置の一例としての多色孔版印刷装置
101 印刷装置本体としての本体フレーム
104a 保持部材としての1色目保持フレーム
104b 保持部材としての2色目保持フレーム
107 隙間
110 駆動機構
111 ドラム駆動手段としてのメインモータ
130a,130b 接離手段
θ2 凹部切欠角度
θ3 マスタ保持手段形成角度としてのクランパ幅角度
θ4 マスタ先端余白角度
θ5 位相調整角度としての天地移動量の片側分角度
L 相隣る各印刷ドラムの回転中心軸間の距離
X 用紙搬送方向
Claims (3)
- 製版済みのマスタの先端部を保持するマスタ保持手段を備えた複数の印刷ドラムと、前記マスタ保持手段との接触を避けるための凹部を備え、前記各印刷ドラム上の製版済みのマスタに用紙を相対的に押し付ける、前記印刷ドラムの外径と略同径の圧胴とを有し、前記圧胴の周囲に前記複数の印刷ドラムを配置した印刷装置において、
前記圧胴の回転方向の位相に対して前記各印刷ドラムの回転方向の位相を調整可能とする天地移動手段を有し、
前記圧胴の回転中心軸を中心として前記凹部の範囲に対応して形成される凹部切欠角度は、相隣る前記各印刷ドラムの回転中心軸を中心として前記マスタ保持手段の範囲に対応して形成されるマスタ保持手段形成角度と、前記マスタ保持手段に保持された製版済みのマスタの製版画像先端までの範囲に対応して形成されるマスタ先端余白角度と、前記天地移動手段による位相調整可能な角度のうち製版画像がホームポジションから回転方向の進み側へ偏倚した位相調整角度とを加算した値以上に設定されていることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
前記各印刷ドラムは、前記印刷装置本体に対して着脱自在な印刷ドラムユニットとして構成されていることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1または2記載の印刷装置において、
相隣る前記各印刷ドラム上の製版済みのマスタ装着面からの前記マスタ保持手段の高さまたは前記マスタ装着面から最外周部までの高さをHとし、相隣る前記各印刷ドラムの前記マスタ装着面までの半径をRとしたとき、相隣る前記各印刷ドラムの回転中心軸間の距離Lは、L≧2R+2Hを満足することを特徴とする印刷装置。
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