JP2010262725A - 反射型波長板およびそれを用いた光ピックアップ - Google Patents

反射型波長板およびそれを用いた光ピックアップ Download PDF

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Abstract

【課題】波長の異なる複数の光源を用いた場合にも波長板として機能する反射型波長板およびこれを用いた光ピックアップを提供する。
【解決手段】反射型(1/4)波長板15は、ガラス基板15e上に反射膜15d、(1/4)波長板機能のサブ波長凹凸構造15cを有する。光源からの入射光LIは、反射型(1/4)波長板15の面15aから入射、屈折してサブ波長凹凸構造5c内部を通過、反射膜15dとの境界面で反射、再び内部を通過して面15aで屈折され出射光LOとして出射する。反射型波長板15の光学軸15pは、XおよびY方向と45度の方向に設定され、X方向の直線偏光は、円偏光に変換される。サブ波長凹凸構造15cは、入射光の波長よりも短い周期構造では入射光を回折せずに透過し、入射光に対し複屈折特性を示す。この偏光方向に応じて異なる屈折率を示すことから、構造パラメータを調整し位相差を任意に設定して各種波長板を実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射型波長板およびこれを備えた光ピックアップに係り、特に、光源からの出射光を適切な偏光状態に変換するのに好適な光学素子の反射型波長板およびそれを用いた光ピックアップに関するものである。
従来、採用されている光ピックアップは、図27に示すように構成されている。図27において、半導体レーザの光源1から出射されたコヒーレントな光である出射光は、直線偏光として出射され、往路光として、光学的情報記録媒体(光記録媒体8)に向かって進行することになる。まず、3ビーム用回折素子2に入射し回折される。これにより、往路光としての往路3ビームが発生して偏光ビームスプリッタ3に向かって出射される。往路光の偏光成分に対しては反射する偏光ビームスプリッタ3において反射し、光路を90度変換する。続くコリメートレンズ4によって平行光に変換されて、偏向ミラー5によって光路を90度偏向させ、(1/4)波長板6に入射し、この(1/4)波長板6によって直線偏光から円偏光に変換されて対物レンズ7側に出射される。対物レンズ7に入射し、この対物レンズ7によって光記録媒体8に集光される(往路)。
対物レンズ7から出射された往路3ビームは、光記録媒体8の記録面に入射して集光し、この記録面によって、入射方向と逆方向となる対物レンズ7側に、復路光としての復路3ビームとして反射する。これにより、往路3ビームにおけるメインビームは、例えば、記録面の情報を読み出したり、記録面に情報を書き込んだりするようになっている。また、往路3ビームにおけるサブビームは、トラックエラー信号の検出に用いられる。
光記録媒体8の記録面によって反射された復路3ビームは、対物レンズ7に入射し、この対物レンズ7によって平行光に変換されて(1/4)波長板6側に出射される。対物レンズ7から出射された復路3ビームは、(1/4)波長板6に入射し、この(1/4)波長板6によって円偏光から往路とは直交する偏向方向の直線偏光に変換されてコリメートレンズ4側に出射される。(1/4)波長板6から出射された復路3ビームは、コリメートレンズ4に入射し、このコリメートレンズ4によって収束光に変換される。往路と直交する偏光成分の光を透過する偏光ビームスプリッタ3を透過し、検出レンズ9を透過した後、受光素子10に入射し、この受光素子10によって電気信号に変換される(復路)。
しかし、このような光ピックアップの構成においては、対物レンズ7と偏向ミラー5の間に(1/4)波長板6を配置してなるため、光ピックアップの厚さ方向の寸法を低減して薄型化するときの障害となっている。そのような課題を解決したものが特許文献1に開示されている。
この特許文献1の発明は、半導体レーザ素子から出力されるレーザ光を用いて光記録媒体にデータを記録/再生する光ピックアップ装置において、光源光を光記録媒体に集束する対物レンズの光軸に対して、略45度傾斜させた態様に配設され、光源光を偏向する(1/7)波長板(反射型波長板)を備え、この(1/7)波長板により、直線偏光を円偏光に変換するようにしたものである。
したがって、(1/7)波長板を用いて光源光を対物レンズに偏向するとともに、光源光の偏光を直線偏光から円偏光に変換するようにしているので、従来必要であった偏向ミラー5と(1/4)波長板6を共通化して光学素子を省略でき、さらに、装置の薄型化が容易になる。
ところで、特許文献1の(1/7)波長板は、水晶板からなり、光源光の波長は790nmである。一般に、人造または天然のルチル、方解石、水晶などの一軸異方性結晶はこのような波長板として使用できることが知られている。しかしながら、人造の結晶では均一な成長が難しく、また天然の結晶では光学的に均一で大きな形状のものは入手が困難であり、高価であるという課題があった。
さらに以下のような課題もある。DVDとCDの光記録媒体を1つの装置で再生できるようにした装置が知られている。この装置の場合、DVD用の光と、それとは波長の異なるCD用の光とをそれぞれ出射する光源が必要になる。この装置は、両者の兼用を達成するため、波長の異なる2つの光束を同じ光路で照射するいわゆるツインビーム方式の光源を用いている(例えば、特許文献2参照)。このツインビームの光学系に特許文献1の(1/7)波長板を設けようとした場合、DVD、CDの2波長対応とする必要がある。さらに、このような結晶を用いた材料を用いる波長板は、その動作波長範囲が狭いことが課題として知られている。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、ツインビーム方式の光源や、3波長の光源のような複数の光源を用いた場合においても機能する反射型波長板およびこれを用いた光ピックアップを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る反射型波長板は、波長の異なる複数の入射光に対して、光路を偏向反射するとともに、位相差を付加する反射型波長板において、反射型波長板は、ガラス基板の上に反射膜、複数の入射光で最短波長以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、波長の異なる複数の入射光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されていることを特徴とする。
この請求項1の構成によって、反射型波長板により、光源光の偏光を変換すると同時に光路を90度偏向しているため、光ピックアップ光学系の薄型化、ならびに偏向ミラーなどを別途必要とせず、組付工数の削減、低コスト化ができる。
また、波長板機能をサブ波長の凹凸構造により実現しており、材料は任意に選択できるため、水晶などと比べ安価に作製ができる。
さらに、サブ波長凹凸構造を用いた波長板は非特許文献1の図4などに挙げられているとおり、従来の結晶を用いた波長板に比べて動作波長範囲が広いことが知られており、波長の異なる2つの光源を備えたツインビーム方式の光源を用いた場合にも反射型波長板の特性を確保することができる。
また、サブ波長凹凸構造を用いた波長板は、凹凸構造の溝深さと溝幅の比(溝深さ/溝幅)が小さい方が加工時間の短縮、容易化でき、一般にリタデーションは溝深さに比例することから、本発明においては反射型波長板の溝深さは略(1/8)波長板相当で良いため、従来の透過型(1/4)波長板に比べ半分の溝深さで済み、加工プロセス上の容易化が図れる。
また、反射型波長板の反射膜として、例えばAl膜などを用いることができ、Al膜はサブ波長凹凸構造をエッチング・プロセスにより作製する場合のエッチングストップ層としても兼用させることが可能である。
さらに、反射膜をサブ波長凹凸構造とは反対側のガラス基板の裏面に設けた構成に比べ、ガラス基板内の吸収やたわみの影響を受けにくくできる。すなわちガラスの厚さやたわみなどがあると、それによっても位相差が発生しまうが、それらの影響を管理することは製造上好ましくない、これに対して、本発明はサブ波長凹凸構造に続いて反射面を有するため、これらの影響を除いた形で位相差の管理を行えば良い構成となっている。
また、請求項2に記載した光ピックアップは、使用波長の異なる2種類の光記録媒体A(例えば、DVD系光記録媒体)と光記録媒体B(例えば、CD系光記録媒体)に対して、情報の記録もしくは再生もしくは消去を行うために用いられる光ピックアップにおいて、光ピックアップは、波長λ1の光を出射する光源A(例えば、赤色波長帯域(λ1=640〜670nm)の半導体レーザ)と、波長λ2(>λ1)の光を出射する光源B(例えば、赤外波長帯域(λ2=770〜800nm)の半導体レーザ)と、光源Aからの出射光と、光源Bからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段(例えば、DVD系,CD系光記録媒体に集光可能な対物レンズ)と、集光手段と光源A、光源Bの間の光路上に配置され、集光手段を介した戻り光束を分岐する分岐手段(例えば、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタ)と、分岐手段で分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段(例えば、フォトダイオードからなる受光素子)と、集光手段と分岐手段の間の光路上に配置された反射型波長板(例えば、入射光の偏光を変換させるとともに、光路を90度偏向させる光学素子)と、を備え、反射型波長板は、ガラス基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、光源Aおよび光源Bから出射された光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載した光ピックアップは、使用波長の異なる3種類の光記録媒体A(例えば、Blu-ray Disc(以下、BDという)系光記録媒体)と光記録媒体B(例えば、DVD系光記録媒体)と光記録媒体C(例えば、CD系光記録媒体)に対して、情報の記録もしくは再生もしくは消去を行うために用いられる光ピックアップにおいて、光ピックアップは、波長λ1の光を出射する光源A(例えば、青色波長帯域(λ1=400〜415nm)の半導体レーザ)と、波長λ2(>λ1)の光を出射する光源B(例えば、赤色波長帯域(λ1=640〜670nm)の半導体レーザ)と、波長λ3(>λ2)の光を出射する光源C(例えば、赤外波長帯域(λ2=770〜800nm)の半導体レーザ)と、光源Aからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段A(例えば、BD系光記録媒体に集光可能な対物レンズ)と、光源Bからの出射光と、光源Cからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段BC(例えば、DVD系,CD系光記録媒体に集光可能な対物レンズ)と、集光手段Aと光源Aの間の光路上に配置され、集光手段Aを介した戻り光束を分岐する分岐手段A(例えば、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタ)と、集光手段BCと光源B、光源Cの間の光路上に配置され、集光手段BCを介した戻り光束を分岐する分岐手段BC(例えば、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタ)と、分岐手段Aで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段A(例えば、フォトダイオードからなるBD用の受光素子)と、分岐手段BCで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段BC(例えば、フォトダイオードからなるDVD,CD用の受光素子)と、集光手段BCと分岐手段BCの間の光路上に配置された反射型波長板BC(例えば、光源B、Cからの入射光の偏光を変換させるとともに、光路を90度偏向させる光学素子)と、集光手段Aと反射型波長板BCの間の光路上に配置された反射型波長板A(例えば、光源Aからの入射光の偏光を変換させるとともに、光路を90度偏向させる光学素子)と、を備え、反射型波長板BCは、ガラス基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、光源Bおよび光源Cから出射された光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定され、かつ反射膜が波長λ2、λ3の光は反射し、波長λ1の光は透過して、反射型波長板Aは、ガラス基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、反射型波長板BCを波長λ1の光が通過するときに付加される位相差ΔAとした場合、光源Aから出射された光に対して位相差:(kπ)/8π−ΔA(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されることを特徴とする。
この請求項2,3の構成によって、従来のスリム型ドライブで3波長互換の光ピックアップ構成では、対物レンズと偏向ミラーの間に波長板が設置されてなる(非特許文献2の図2参照)。一方で、スリム型においてはピックアップ光学系の薄型の要求に応じて、前述の反射型波長板を備えることで光学系の薄型化が可能となる。
また、請求項4に記載した光ピックアップは、使用波長の異なる3種類の光記録媒体A(例えば、BD系光記録媒体)と光記録媒体B(例えば、DVD系光記録媒体)と光記録媒体C(例えば、CD系光記録媒体)に対して、情報の記録もしくは再生もしくは消去を行うために用いられる光ピックアップにおいて、光ピックアップは、波長λ1の光を出射する光源A(例えば、青色波長帯域(λ1=400〜415nm)の半導体レーザ)と、波長λ2(>λ1)の光を出射する光源B(例えば、赤色波長帯域(λ1=640〜670nm)の半導体レーザ)と、波長λ3(>λ2)の光を出射する光源C(例えば、赤外波長帯域(λ2=770〜800nm)の半導体レーザ)と、光源Aからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段A(例えば、BD系光記録媒体に集光可能な対物レンズ)と、光源Bからの出射光と、光源Cからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段BC(例えば、DVD系,CD系光記録媒体に集光可能な対物レンズ)と、集光手段Aと光源Aの間の光路上に配置され、集光手段Aを介した戻り光束を分岐する分岐手段A(例えば、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタ)と、集光手段BCと光源B、光源Cの間の光路上に配置され、集光手段BCを介した戻り光束を分岐する分岐手段BC(例えば、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタ)と、分岐手段Aで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段A(例えば、フォトダイオードからなるBD用の受光素子)と、分岐手段BCで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段BC(例えば、フォトダイオードからなるDVD,CD用の受光素子)と、集光手段Aと分岐手段Aの間の光路上に配置された反射型波長板A(例えば、光源Aからの入射光の偏光を変換させるとともに、光路を90度偏向させる光学素子)と、集光手段BCと反射型波長板Aの間の光路上に配置された反射型波長板BC(例えば、光源B、Cからの入射光の偏光を変換させるとともに、光路を90度偏向させる光学素子)と、を備え、反射型波長板Aは、ガラス基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、光源Aから出射された光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定され、かつ反射膜が波長λ1の光は反射し、波長λ2、λ3の光は透過して、反射型波長板BCは、ガラス基板の上に反射膜、波長λ2以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、反射型波長板Aを波長λ2、λ3の光が通過するときに付加される位相差ΔB、ΔCとした場合、光源B、Cから出射された光に対して位相差:(kπ)/8π−(ΔB+ΔC)/2(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されることを特徴とする。
この請求項4の構成によって、光ピックアップに配置する反射型波長板の順番として、光源からの波長λ1の光を反射する反射型波長板Aを光源側に、波長λ2、λ3の光を反射する反射型波長板BCをその次に配置し、これにより、反射型波長板BCのサブ波長凹凸構造の周期は波長λ2(>λ1)以下であれば良く、請求項3の反射型波長板よりも製造し易くでき、歩留まりの改善、低コスト化することができる。
本発明によれば、光源光の偏光状態を変換するとともに、その光路を偏向することができることから光ピックアップ光学系を薄型化でき、また波長板機能をサブ波長の凹凸構造により実現することから材料を任意に選択可能で、その溝深さが略(1/8)波長板相当で良いことから加工プロセスも容易となり、複数の光源を用いた場合にも特性を確保することが可能な反射型波長板およびこれを用いた光ピックアップを提供できるという効果を奏する。
本発明の実施形態における実施例1の光ピックアップの概略構成を示す図 本実施例1における反射型波長板のマクロ構造を示す(a)は断面図、(b)は斜視図 本実施例1の反射型波長板に形成されているサブ波長凹凸構造を示す拡大図 本実施例1の光ピックアップにおける別の概略構成を示す図 本実施形態における実施例2の光ピックアップの概略構成を示す図 本実施例2における反射型波長板のマクロ構造を示す(a)は断面図、(b)は斜視図 本実施形態における実施例3の光ピックアップの概略構成を示す図 本実施例3における反射型波長板のマクロ構造を示す(a)は断面図、(b)は斜視図 本実施形態における実施例4の光ピックアップの概略構成を示す図 本実施例4における反射型波長板のマクロ構造を示す(a)は断面図、(b)は斜視図 本実施例4の光ピックアップにおける別の概略構成を示す図 本実施形態における実施例5の光ピックアップの概略構成を示す図 本実施例5における反射型波長板のマクロ構造を示す(a)は断面図、(b)は斜視図 本実施例5の光ピックアップにおける別の概略構成を示す図 本実施形態における実施例6の光ピックアップの概略構成を示す図 本実施例6における反射型波長板のマクロ構造を示す断面図 反射型波長板の位相差を説明する図 (a)は屈折率楕円体RG、(b),(c)は常光線屈折率Noと異常光線屈折率Ne,Ne’の関係を説明する図 波長660nmのフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図 波長785nmのフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図 波長405nmのフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図 (a)〜(d)は石英を基材とした型の作製方法を説明するための図 (a)〜(d)はシリコンを基材とした型の作製方法を説明するための図 (a)〜(h)はガラス基板上に金型を用いて波長板を形成する手順を示す図である。 (a)〜(g)はガラス基板上に金型を用いずに波長板を形成する手順を示す図である。 本発明の光ピックアップを備えた光情報処理装置の概略構成を示すブロック図 従来の光ピックアップの概略構成を示す図
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態における実施例1の光ピックアップの概略構成を示す図である。図1に示す光ピックアップは、共通パッケージに収納された2波長光源を用いており、図1において、2は3ビーム用回折素子、3は偏光ビームスプリッタ、4はコリメートレンズ、7は対物レンズ、8は光記録媒体、9は検出レンズ、10は受光素子、11は光源の半導体レーザ(DVD用)、12は光源の半導体レーザ(CD用)、15は反射型(1/4)波長板である。
ここで、3ビーム用回折素子2は、3ビーム法やDPP方式などによりトラックエラー信号を検出するように、半導体レーザ11,12から出射される光を0次光(メイン光)および±1次光(サブ光)に分岐する。これにより、光記録媒体8で反射された0次光の検出信号から再生信号を得、光記録媒体8で反射された0次光および±1次光の検出信号の演算によりトラックエラー信号を得ることができる。
偏光ビームスプリッタ3は、半導体レーザ11,12から出射された光を集束させて記録媒体、すなわち光記録媒体8に光スポットとして結ばせる対物レンズ7へ向かう往路光と、光記録媒体8から反射した復路光を受光素子10に導くように進路を変えるための光路変換器であり、光学系での高効率要求を満足するように、入射光の進路を偏光によって変換するための偏光依存性光路変換器である。
コリメートレンズ4は、半導体レーザ11,12からの発散入射光を平行光束に変換するとともに、光記録媒体8から反射し受光素子10へ向かう復路光に対しては集光レンズとして作用する。
対物レンズ7は、例えば、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体のそれぞれに集光されるようなレンズであり、樹脂製の回折レンズである。レンズ表面に回折構造が形成されてなり、入射光の波長に応じて集光位置、開口数の切り替えが可能なレンズである。波長660nmの入射光束に対しては開口数:NAが0.65でDVD系光記録媒体に集光し、波長785nmの入射光束に対しては開口数:NAが0.50でCD系光記録媒体に集光する。
光記録媒体8は、CD系光記録媒体およびDVD系光記録媒体である。
検出レンズ9は、非点収差法によりフォーカスエラー信号を検出できるように非点収差を発生させる非点収差レンズである。
受光素子10は、光記録媒体8で反射された光を受光して情報信号および/または誤差信号を検出する。
半導体レーザ11は、波長785nm帯域の光を出射するレーザダイオードからなるCD用、半導体レーザ12は、波長660nm帯域の光を出射するレーザダイオードからなるDVD用の光源1が共通パッケージに収納された2波長光源ユニットである。2波長光源としては、同一半導体基板上に2波長光源が形成されたモノリシックタイプ、または、個別チップを組み込んだハイブリットタイプを採用することができる。また本発明においてはCD用光源から出射される光の偏光方向と、DVD用光源から出射される光の偏光方向は同一とする。
反射型(1/4)波長板15は、光学系での高効率要求を満足するように、偏光ビームスプリッタ3と対物レンズ7の間に配置され、入射光の偏光を変換させる手段として使用するとともに、光路を90度偏向させる機能も有する。
そして、この光ピックアップは、光記録媒体8としてCD系光記録媒体から情報を再生等するときは、半導体レーザ(CD用)12から、波長が785nmの光を出射する。3ビーム用回折素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、反射型(1/4)波長板15を介して対物レンズ7によって、CD系光記録媒体の記録面に光スポットとして収束し、CD系光記録媒体の記録面で反射した戻り光が、偏光ビームスプリッタ3を介して受光素子10に集光し、受光素子10検出された信号によりCD系の情報再生が行われる。
これに対して、光記録媒体8としてDVD系光記録媒体から情報を再生等するときは、半導体レーザ(DVD用)11から、波長が660nmの光を出射する。同様に、3ビーム用回折素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、反射型(1/4)波長板15を介して対物レンズ7によって、DVD系光記録媒体の記録面に光スポットとして収束し、DVD系光記録媒体の記録面で反射した戻り光が、偏光ビームスプリッタ3を介して受光素子10に集光し、受光素子10で検出された信号によりDVD系の情報再生が行われる。
以下、光ピックアップの光路の流れを、DVD系光路を用いて説明する。DVD系光記録媒体に対する情報の読み出し、書き込みを行うには、まず、半導体レーザ(DVD用)11から、往路光として、3ビーム用回折素子2に入射し回折される。これにより、往路光としてのDVD往路3ビームが発生して偏光ビームスプリッタ3に向かって出射される。往路光の偏光方向に対しては反射する偏光ビームスプリッタ3において反射し、光路を90度変換する。続くコリメートレンズ4によって平行光に変換されて、反射型(1/4)波長板15に入射し、この反射型(1/4)波長板15によって直線偏光から円偏光に変換されるとともに、光路を90度偏向させて対物レンズ7側に出射される。対物レンズ7に入射し、この対物レンズ7によってDVD系の光記録媒体8に集光される(往路)。
対物レンズ7から出射されたDVD往路3ビームは、光記録媒体8であるDVD系光記録媒体の記録面に入射して集光し、この記録面によって、入射方向と逆方向となる対物レンズ7側に、復路光としてのDVD復路3ビームとして反射する。これにより、DVD往路3ビームにおけるメインビームは、例えば、記録面の情報を読み出したり、記録面に情報を書き込んだりするようになっている。
また、DVD往路3ビームにおけるサブビームは、トラックエラー信号の検出に用いられる。光記録媒体8の記録面によって反射されたDVD復路3ビームは、対物レンズ7に入射し、この対物レンズ7によって平行光に変換されて反射型(1/4)波長板15側に出射される。対物レンズ7から出射されたDVD復路3ビームは、反射型(1/4)波長板15に入射し、この反射型(1/4)波長板15によって円偏光から往路光とは直交する偏光成分の直線偏光に変換されてコリメートレンズ4側に出射される。
反射型(1/4)波長板15から出射されたDVD復路3ビームは、コリメートレンズ4に入射し、このコリメートレンズ4によって収束光に変換される。往路光とは直交する偏光成分の光を透過する偏光ビームスプリッタ3を透過し、検出レンズ9を透過した後、受光素子10に入射し、この受光素子10によって電気信号に変換される(復路)。
ここで、本実施形態の実施例1に記載される光ピックアップに搭載されてなる反射型(1/4)波長板について詳述する。
図2(a)は本実施例1における反射型(1/4)波長板のマクロ構造を示す断面図、(b)は斜視図である。図2(a)に示すとおり、反射型(1/4)波長板15は、ガラス基板15eの上に反射膜15d、さらにその上に(1/4)波長板機能を有するサブ波長凹凸構造15cを有する。なお、本実施例1の構成では、反射膜15dをサブ波長凹凸構造15cとは反対側のガラス基板15eの裏面に設けた裏面コートに比べ、ガラス基板15e内の吸収やたわみの影響を受けにくいなどの利点がある。なお、ここでは基板としてガラス基板15eとしたがガラスに限定されるものでなく、樹脂や金属などであっても良い。
また、図2(a)は反射型(1/4)波長板15での光の屈折および反射の状況を示している。光源からの往路光入射光LIは、反射型(1/4)波長板15の面15aから入射され、この面15aで屈折され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、反射膜15dとサブ波長凹凸構造15cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、面15aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。
また、図2(b)に示すように、反射型(1/4)波長板15の光学軸(f軸)15pは、X方向およびY方向と45度の方向に設定されているため、X方向の直線偏光は、円偏光に変換される。
図3は反射型(1/4)波長板に形成されているサブ波長凹凸構造を示す拡大図であり、波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造15cが形成されてなる。周期Pが入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち、入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
また、本発明の光ピックアップにおいては、前述した図1の実施例1に示したような2波長光源ユニット方式に限定されるものではなく、個別パッケージの半導体レーザを用いても良い。
図4は本発明の実施形態における実施例1の光ピックアップで他の構成を示す図である。図4においては、半導体レーザ(DVD用)11、半導体レーザ(CD用)12を1つのパッケージに収めた半導体レーザ(光源1)の代わりに、それぞれを1パッケージに収めた光源1としたものを使用している。図2に示すように、11は半導体レーザ(DVD用)であり、12は半導体レーザ(CD用)である。13はダイクロイックプリズムであり、波長660nmの光は透過し、波長785nmの光は反射する多層膜13aを有している。多層膜13aにより、波長660nmの光と波長785nmの光を合成して光記録媒体8側に向かわせられる。
図5は本発明の実施形態における実施例2の光ピックアップの概略構成を示す図である。ここで、前記図1において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付して示す。本実施例2では、実施例1のDVD,CDに加えて、近年普及し始めているBlu-ray Disc(以下、BDという)の記録/再生を行う光ピックアップにも対応し、反射型(1/4)波長板を用いた例を示している。
図5において、2は3ビーム用回折素子、3は偏光ビームスプリッタ、4はコリメートレンズ、7は対物レンズ、8は光記録媒体、9は検出レンズ、10は受光素子、11は光源の半導体レーザ(DVD用)、12は光源の半導体レーザ(CD用)、16は反射型(1/4)波長板であり、さらにBD用として、21は光源の半導体レーザ(BD用)、22は3ビーム用回折素子、23は偏光ビームスプリッタ、24はコリメートレンズ、25は反射型波長板、27は対物レンズ、29は検出レンズ、30は受光素子、33はダイクロイックプリズムである。
まず、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体の記録/再生時に使用する部品について、前述した実施例1と同様である、3ビーム用回折素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、対物レンズ7、検出レンズ9、受光素子10、光源の半導体レーザ11(DVD用),12(CD用)についての説明は省略する。
本実施例2の光記録媒体8は、CD系光記録媒体およびDVD系光記録媒体と、後述するBD系光記録媒体であり、反射型(1/4)波長板16は、光学系での高効率要求を満足するように、偏光ビームスプリッタ3と対物レンズ7の間に配置され、入射光の偏光を変換させる手段として使用するとともに、光路を90度偏向させる機能も有する。そして、その反射面はダイクロイックコートであり、波長660nm,785nmの光は反射し、波長405nmの光は透過する。
また、ダイクロイックプリズム33は、波長660nm,785nmの光は透過し、波長405nmの光は反射する誘電体多層膜がコートされたプリズムである。
ここで、BD系光記録媒体の記録/再生時に使用する部品について説明する。まず、半導体レーザ21は、波長405nm帯域の光を出射する半導体レーザダイオードである。
3ビーム用回折素子22は、3ビーム法やDPP方式などによりトラックエラー信号を検出するように、半導体レーザ21から出射される光を0次光(メイン光)および±1次光(サブ光)に分岐する。これにより、光記録媒体8で反射された0次光の検出信号から再生信号を得、光記録媒体8で反射された0次光および±1次光の検出信号の演算によりトラックエラー信号を得ることができる。
偏光ビームスプリッタ23は、半導体レーザ21から出射された光を集束させて記録媒体、すなわち光記録媒体8に光スポットとして結ばせる対物レンズ27へ向かう往路光と、光記録媒体8から反射した復路光を受光素子30に導くように進路を変えるための光路変換器であり、光学系での高効率要求を満足するように、入射光の進路を偏光によって変換するための偏光依存性光路変換器である。
コリメートレンズ24は、半導体レーザ21からの発散入射光を平行光束に変換するとともに、光記録媒体8からの反射し受光素子30へ向かう復路光に対しては集光レンズとして作用する。
反射型波長板25は、光学系での高効率要求を満足するように、偏光ビームスプリッタ23と対物レンズ27の間に配置され、入射光の偏光を変換させる手段として使用するとともに、光路を90度偏向させる機能も有する。
対物レンズ27は、BD系光記録媒体に集光されるようなレンズであり、樹脂製あるいはガラス製の非球面モールドレンズである。レンズ前段には不図示の開口が形成されており波長405nmの入射光束に対しては開口数:NAが0.85でBD系光記録媒体に集光する。
検出レンズ29は、非点収差法によりフォーカスエラー信号を検出できるように非点収差を発生させる非点収差レンズである。
受光素子30は、光記録媒体8で反射された光を受光して情報信号および/または誤差信号を検出する。
この光ピックアップは、光記録媒体8としてCD系光記録媒体から情報を再生等するときは、半導体レーザ(CD用)12から、波長が785nmの光を出射する。3ビーム用回折素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、ダイクロイックプリズム33、反射型(1/4)波長板16を介して対物レンズ7によって、CD系光記録媒体の記録面に光スポットとして収束し、CD系光記録媒体の記録面で反射した戻り光が、偏光ビームスプリッタ3を介して受光素子10に集光し、受光素子10で検出された信号によりCD系の情報再生が行われる。
また、光記録媒体8としてDVD系光記録媒体から情報を再生等するときは、半導体レーザ(DVD用)11から、波長が660nmの光を出射する。同様に、3ビーム用回折素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、ダイクロイックプリズム33、反射型(1/4)波長板16を介して対物レンズ7によって、DVD系光記録媒体の記録面に光スポットとして収束し、DVD系光記録媒体の記録面で反射した戻り光が、偏光ビームスプリッタ3を介して受光素子10に集光し、受光素子10で検出された信号によりDVD系の情報再生が行われる。
そして、光記録媒体8としてBD系光記録媒体から情報を再生等するときは、半導体レーザ(BD用)21から、波長が405nmの光を出射する。同様に、3ビーム用回折素子22、偏光ビームスプリッタ23、コリメートレンズ24、ダイクロイックプリズム33、反射型(1/4)波長板16、反射型波長板25を介して対物レンズ27によって、BD系光記録媒体の記録面に光スポットとして収束し、BD系光記録媒体の記録面で反射した戻り光が、偏光ビームスプリッタ23を介して受光素子30に集光し、受光素子30で検出された信号によりBD系の情報再生が行われる。
以下に、光ピックアップの光路の流れについて、DVD系光路を用いて説明する。DVD系光記録媒体に対する情報の読み出し、書き込みを行うには、まず、半導体レーザ(DVD用)11から、往路光として、3ビーム用回折素子2に入射し回折される。これにより、往路光としてのDVD往路3ビームが発生して偏光ビームスプリッタ3に向かって出射される。往路光の偏光方向に対しては反射する偏光ビームスプリッタ3において反射し、光路を90度変換する。続くコリメートレンズ4によって平行光に変換されて、ダイクロイックプリズム33を透過し、反射型(1/4)波長板16に入射し、この反射型(1/4)波長板16によって直線偏光から円偏光に変換されるとともに、光路を90度偏向させて対物レンズ7側に出射される。対物レンズ7に入射し、この対物レンズ7によってDVD系の光記録媒体8に集光される(往路)。
対物レンズ7から出射されたDVD往路3ビームは、光記録媒体8であるDVD系光記録媒体の記録面に入射して集光し、この記録面によって、入射方向と逆方向となる対物レンズ7側に、復路光としてのDVD復路3ビームとして反射する。これにより、DVD往路3ビームにおけるメインビームは、例えば、記録面の情報を読み出したり、記録面に情報を書き込んだりするようになっている。
また、DVD往路3ビームにおけるサブビームは、トラックエラー信号の検出に用いられる。光記録媒体8の記録面によって反射されたDVD復路3ビームは、対物レンズ7に入射し、この対物レンズ7によって平行光に変換されて反射型(1/4)波長板16側に出射される。対物レンズ7から出射されたDVD復路3ビームは、反射型(1/4)波長板16に入射し、この反射型(1/4)波長板16によって円偏光から往路光とは直交する偏光成分の直線偏光に変換されてコリメートレンズ4側に出射される。
反射型(1/4)波長板16から出射されたDVD復路3ビームは、ダイクロイックプリズム33を透過し、コリメートレンズ4に入射し、このコリメートレンズ4によって収束光に変換される。往路光とは直交する偏光成分の光を透過する偏光ビームスプリッタ3を透過し、検出レンズ9を透過した後、受光素子10に入射し、この受光素子10によって電気信号に変換される(復路)。
また、同様に半導体レーザ(CD用)12から出射した波長785nmの光も同様の光路をたどりCD系光記録媒体の記録/再生が行われる。
続いて、本実施例2の光ピックアップにおけるBD系光路の流れを説明する。BD系光記録媒体に対する情報の読み出し、書き込みを行うには、まず、半導体レーザ(BD用)21から、往路光として、3ビーム用回折素子22に入射し回折される。これにより、往路光としてのBD往路3ビームが発生して偏光ビームスプリッタ23に向かって出射される。往路光の偏光方向に対しては反射する偏光ビームスプリッタ23において反射し、光路を90度変換する。続くコリメートレンズ24によって平行光に変換されて、ダイクロイックプリズム33で反射し、反射型(1/4)波長板16を透過し、反射型波長板25に入射し、この反射型波長板25によって直線偏光から円偏光に変換されるとともに、光路を90度偏向させて対物レンズ27側に出射される。対物レンズ27に入射し、この対物レンズ27によってBD系の光記録媒体8に集光される(往路)。
対物レンズ27から出射されたBD往路3ビームは、光記録媒体8であるBD系光記録媒体の記録面に入射して集光し、この記録面によって、入射方向と逆方向となる対物レンズ27側に、復路光としてのBD復路3ビームとして反射する。これにより、BD往路3ビームにおけるメインビームは、例えば、記録面の情報を読み出したり、記録面に情報を書き込んだりするようになっている。
また、BD往路3ビームにおけるサブビームは、トラックエラー信号の検出に用いられる。光記録媒体8の記録面によって反射されたBD復路3ビームは、対物レンズ27に入射し、この対物レンズ27によって平行光に変換されて反射型波長板25側に出射される。対物レンズ27から出射されたBD復路3ビームは、反射型波長板25に入射し、この反射型波長板25によって円偏光から往路光とは直交する偏光成分の直線偏光に変換されてコリメートレンズ24側に出射される。
反射型波長板25から出射されたBD復路3ビームは、ダイクロイックプリズム33で反射し、コリメートレンズ24に入射し、このコリメートレンズ24によって収束光に変換される。往路光とは直交する偏光成分の光を透過する偏光ビームスプリッタ23を透過し、検出レンズ29を透過した後、受光素子30に入射し、この受光素子30によって電気信号に変換される(復路)。
図6(a)は本実施例1における反射型(1/4)波長板のマクロ構造を示す断面図、(b)は斜視図である。図6(a)に示すとおり、反射型(1/4)波長板16は、ガラス基板16eの上に反射膜16d、さらにその上に(1/4)波長板機能を有するサブ波長凹凸構造16cを有する。反射膜16dは、波長660nm,785nmの光は反射し、波長405nmの光は透過する誘電体多層膜からなるダイクロイックコートである。
また、図6(a)は反射型(1/4)波長板16での光の屈折および反射の状況を示している。光源からの往路光入射光LIは、反射型(1/4)波長板16の面16aから入射され、この面16aで屈折され、サブ波長凹凸構造16cの内部を通過し、波長660nmの光と波長785nmの光は反射膜16dとサブ波長凹凸構造16cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造16cの内部を通過し、面16aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。一方、波長405nmの光はそのまま反射型(1/4)波長板16の構成要素である16c,16d,16eを透過する。
また、図6(b)に示すように、反射型(1/4)波長板16の光学軸(f軸)16pは、X方向およびY方向と45度の方向に設定されているため、X方向の波長660nmと波長785nmの直線偏光は、円偏光に変換される。
反射型(1/4)波長板16に形成されているサブ波長凹凸構造16cの拡大図は実施例1と同じであり、図3で表現できる。波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち,入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
なお、周期Pの目安としては、最も短い入射光の波長であるBD用の波長405nmより短い周期で、より望ましくは波長405nmの半分以下の周期である必要がある。
また、本実施例2の反射型波長板25のマクロ構造については、前記した図2と同じ構成である。ただし、波長405nmの光は、反射型(1/4)波長板16でも位相差を付加される(図5参照)ので、この位相差を考慮して位相差を付加する必要がある。よって、反射型波長板25は、いわゆる1/4波長板としては機能しない。
図2(a)に示すとおり、本実施例2の反射型波長板25(15)は、ガラス基板15eの上に反射膜15d、さらにその上に波長板機能を有するサブ波長凹凸構造15cを有する。また、図2(a)は反射型波長板25(15)での光の屈折および反射の状況を示している。光源からの往路光入射光LIは、反射型波長板25(15)の面15aから入射され、この面15aで屈折され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、反射膜15dとサブ波長凹凸構造15cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、面15aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。
同様に、反射型波長板25(15)に形成されているサブ波長凹凸構造15cの拡大図は実施例1と同じであり、図3で表現できる。波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち,入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
なお、周期Pの目安としては、使用波長であるBD用の波長405nmより短い周期で、より望ましくは波長405nmの半分以下の周期である必要がある。
図7は本発明の実施形態における実施例3の光ピックアップの概略構成を示す図である。ここで、前記図5において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付して示す。
また、3波長の光源を備えた光ピックアップとしては、前述した実施例2の構成に限定されるものではない。図7に示すように、反射型波長板の順番として、光源からの光のうち、半導体レーザ(BD用)21の波長405nmの光を反射する反射型(1/4)波長板26を光源側に、半導体レーザ(DVD用)11の波長660nm、半導体レーザ(CD用)12の波長785nmを反射する反射型波長板35をその次に配置してなる構成であっても良い。この場合、反射型波長板35の周期(ピッチ)は波長660nm以下であれば良く、実施例2の反射型波長板25よりも製造し易い。これにより歩留まりの改善、低コスト化が可能となる。
また、図8は本実施例3における反射型(1/4)波長板のマクロ構造を示す断面図、(b)は斜視図である。図8(a)に示すとおり、反射型(1/4)波長板26は、ガラス基板26eの上に反射膜26d、さらにその上に(1/4)波長板機能を有するサブ波長凹凸構造26cを有する。反射膜26dは、波長660nm,785nmの光は透過し、波長405nmの光は反射する誘電体多層膜からなるダイクロイックコートである。
また、図8(a)は、反射型(1/4)波長板26での光の屈折および反射の状況を示している。 光源からの往路光入射光LIは、反射型(1/4)波長板26の面26aから入射され、この面26aで屈折され、サブ波長凹凸構造26cの内部を通過し、波長405nmの光は反射膜26dとサブ波長凹凸構造26cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造26cの内部を通過し、面26aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。一方、波長660nmと波長785nmの光はそのまま反射型(1/4)波長板26の構成要素である26c,26d,26eを透過する。
また、図8(b)に示すように、反射型(1/4)波長板26の光学軸(f軸)26pは、X方向およびY方向と45度の方向に設定されているため、X方向の波長405nmの直線偏光は、円偏光に変換される。
反射型(1/4)波長板26に形成されているサブ波長凹凸構造26cの拡大図は実施例1と同じであり、図3で表現できる。波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち,入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
なお、周期Pの目安としては、最も短い入射光の波長であるBD用の波長405nmより短い周期で、より望ましくは波長405nmの半分以下の周期である必要がある。
また、本実施例3の反射型波長板35のマクロ構造については、前記した図2と同じ構成である。ただし、波長660nm,785nmの光は、反射型(1/4)波長板26でも位相差を付加される(図7参照)ので、この位相差を考慮して位相差を付加する必要がある。よって、反射型波長板35は、いわゆる1/4波長板としては機能しない。
図2(a)に示すとおり、本実施例3の反射型波長板35(15)は、ガラス基板15eの上に反射膜15d、さらにその上に波長板機能を有するサブ波長凹凸構造15cを有する。また、図2(a)は反射型波長板35(15)での光の屈折および反射の状況を示している。光源からの往路光入射光LIは、反射型波長板35(15)の面15aから入射され、この面15aで屈折され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、反射膜15dとサブ波長凹凸構造15cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、面15aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。
同様に、反射型波長板35(15)に形成されているサブ波長凹凸構造15cの拡大図は実施例1と同じであり、図3で表現できる。波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち、入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
なお、周期Pの目安としては、使用波長が短波長であるDVD用の波長660nmより短い周期で、より望ましくは波長660nmの半分以下の周期である必要がある。
図9は本発明の実施形態における実施例4の光ピックアップの概略構成を示す図である。ここで、前記図5において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付して示す。
また、3波長の光源を備えた光ピックアップとしては、前述した実施例2、3の構成に限定されるものではない。図9に示すように、反射型波長板36として、光源からの光のうち、半導体レーザ(DVD用)11の波長660nm、半導体レーザ(CD用)12の波長785nmに対しては反射する反射型(1/4)波長板として機能し、半導体レーザ(BD用)21の波長405nmの光に対しては透過型(1/4)波長板として機能するもの配置してなる構成であっても良い。この場合、反射型波長板25の代わりに、反射偏向のみを行う反射ミラー5aを配置すればよくなり、3波長に対する波長板機能を有する部品を一つに集約できるため、光学軸の方向精度などに関わる部品の設置精度の管理を一部品に集約可能となる。これにより歩留まりの改善、低コスト化が可能となる。
また、図10は本実施例4における反射型(1/4)波長板のマクロ構造を示す断面図、(b)は斜視図である。図10(a)に示すとおり、反射型(1/4)波長板36は、ガラス基板36eの上に反射膜36d、さらにその上に(1/4)波長板機能を有するサブ波長凹凸構造36cを有するとともに、ガラス基板36eを介して所定の位相差を付加するサブ波長凹凸構造36fを有する。反射膜36dは、波長660nm,785nmの光は反射し、波長405nmの光は透過する誘電体多層膜からなるダイクロイックコートである。
また、図10(b)に示すように、反射型(1/4)波長板36の光学軸(f軸)36pは、X方向およびY方向と45度の方向に設定されている。
さらに、図10(a)は、反射型(1/4)波長板36での光の屈折および反射の状況を示している。 光源からの往路光の入射光LIは、反射型(1/4)波長板36の面36aから入射され、この面36aで屈折され、サブ波長凹凸構造36cの内部を通過し、波長660nmと波長785nmの光は反射膜36dとサブ波長凹凸構造36cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造36cの内部を通過し、面36aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。一方、波長405nmの光は反射型(1/4)波長板36の構成要素である36c、36d、36e、36fを透過する。
反射型(1/4)波長板36に形成されているサブ波長凹凸構造36cの拡大図は実施例1と同じであり、図3で表現できる。波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち,入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
なお、周期Pの目安としては、最も短い入射光の波長であるBD用の波長405nmより短い周期で、より望ましくは波長405nmの半分以下の周期である必要がある。
ここで、本実施例4の反射型波長板36の光源側とは反対側の面に形成されたサブ波長凹凸構造36fについて説明する。波長405nmの光は、サブ波長凹凸構造36c、およびサブ波長凹凸構造36fの2箇所で位相差が付加される。そして反射型(1/4)波長板36を透過した段階で波長405nmの光を円偏光にするものである。すなわちサブ波長凹凸構造36cは波長660nm、波長785nmに対して反射型(1/4)波長板機能を有するように設計し、波長405nmの光がサブ波長凹凸構造36cを通過して付加される位相差に、さらに位相差を加減して透過後に円偏光をする役目をしているのがサブ波長凹凸構造36fである。
図11は本発明の実施形態における実施例4の光ピックアップの他の概略構成を示す図である。反射型(1/4)波長板36の偏向方向は光源からの光を光記録媒体8側に偏向するものに限られず光源や受光素子が配置されている光学系面内での偏向を行うものであっても良い。この場合、光記録媒体8側への偏向手段として反射ミラー5bや5cを介して、光学系のレイアウトが自由に行えるようになる。
図12は本発明の実施形態における実施例5の光ピックアップの概略構成を示す図である。ここで、前記図7において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付して示す。
また、3波長の光源を備えた光ピックアップとしては、前述した実施例2、3、4の構成に限定されるものではない。図9の構成に対して、図12に示すように、反射型波長板56として、光源からの光のうち、半導体レーザ(BD用)21の波長405nmの光を反射する反射型(1/4)波長板として機能し、半導体レーザ(DVD用)11の波長660nm、半導体レーザ(CD用)12の波長785nmに対しては透過型(1/4)波長板として機能するもの配置してなる構成であっても良い。この場合、反射型(1/4)波長板56の光源側とは反対側の面に形成されるサブ波長凹凸構造の周期(ピッチ)は波長660nm以下であれば良く、実施例4の反射型波長板46よりも製造し易い。これにより歩留まりの改善、低コスト化が可能となる。
また、図13は本実施例5における反射型(1/4)波長板のマクロ構造を示す断面図、(b)は斜視図である。図13(a)に示すとおり、反射型(1/4)波長板56は、ガラス基板56eの上に反射膜56d、さらにその上に(1/4)波長板機能を有するサブ波長凹凸構造56cを有するとともに、ガラス基板56eを介して所定の位相差を付加するサブ波長凹凸構造56fを有する。反射膜56dは、波長405nmの光は反射し、波長660nm、785nmの光は透過する誘電体多層膜からなるダイクロイックコートである。
また、図13(b)に示すように、反射型(1/4)波長板56の光学軸(f軸)56pは、X方向およびY方向と45度の方向に設定されている。
さらに、図13(a)は、反射型(1/4)波長板56での光の屈折および反射の状況を示している。 光源からの往路光の入射光LIは、反射型(1/4)波長板56の面56aから入射され、この面56aで屈折され、サブ波長凹凸構造56cの内部を通過し、波長405nmの光は反射膜56dとサブ波長凹凸構造56cの境界面で反射され、サブ波長凹凸構造56cの内部を通過し、面56aで屈折されて出射光LOとして出射される。この出射光LOは、入射光LIと90度の角度をなす。一方、波長660nm、785nmの光は反射型(1/4)波長板56の構成要素である56c、56d、56e、56fを透過する。
反射型(1/4)波長板56に形成されているサブ波長凹凸構造56cの拡大図は実施例1と同じであり、図3で表現できる。波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示すことが知られている。すなわち,入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することにより位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
なお、サブ波長凹凸構造56cの周期Pの目安としては、最も短い入射光の波長であるBD用の波長405nmより短い周期で、より望ましくは波長405nmの半分以下の周期である必要がある。一方、サブ波長凹凸構造56fの周期Pの目安としてはDVD用の波長660nmより短い周期で、より望ましくは波長660nmの半分以下の周期であれば良い。
ここで、本実施例5の反射型波長板56の光源側とは反対側の面に形成されたサブ波長凹凸構造56fについて説明する。波長660nm、785nmの光は、サブ波長凹凸構造56c、およびサブ波長凹凸構造56fの2箇所で位相差が付加される。そして反射型(1/4)波長板56を透過した段階で波長660nm、785nmの光を円偏光にするものである。すなわちサブ波長凹凸構造56cは波長405nmに対して反射型(1/4)波長板機能を有するように設計し、波長660nm、785nmの光がサブ波長凹凸構造56cを通過して付加される位相差に、さらに位相差を加減して透過後に円偏光をする役目をしているのがサブ波長凹凸構造56fである。
図14は本発明の実施形態における実施例4の光ピックアップの他の概略構成を示す図である。反射型(1/4)波長板56の偏向方向は光源からの光を光記録媒体8側に偏向するものに限られず光源や受光素子が配置されている光学系面内での偏向を行うものであっても良い。この場合、光記録媒体8側への偏向手段として反射ミラー5dや5eを介して、光学系のレイアウトが自由に行えるようになる。
図15は本発明の実施形態における実施例6の光ピックアップの概略構成を示す図である。図15に示す反射型(1/4)波長板66は、図16に示すように、ガラス基板66eを介してその両面に、波長405nm用の反射型(1/4)波長板機能と、波長660nm、波長785nmの反射型(1/4)波長板機能を有する波長板を配置した構成であっても良い。波長405nm用の反射型(1/4)波長板機能と、波長660nm、波長785nmの反射型(1/4)波長板機能は実施例1で述べていたものを用いれば良い。
次に、本実施形態の実施例1の光ピックアップに搭載されてなる反射型(1/4)波長板について詳述する。
図2に示したマクロ構造を有する反射型(1/4)波長板15は、ガラス基板15eの上に反射膜15d、その上に(1/4)波長板機能を有するサブ波長凹凸構造15cを有している。図2(a)の反射型(1/4)波長板15の光の屈折および反射の状況を示し、光源からの往路光入射光LIは、反射型(1/4)波長板15の面15aから入射され、面15aで屈折され、サブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、反射膜15dとの境界面で反射さら、またサブ波長凹凸構造15cの内部を通過し、面15aで屈折され出射光LOとして出射される。出射光LOと入射光LIとは90度の角度をなす。
また、図2(b)に示すように、反射型(1/4)波長板15の光学軸(f軸)15pは、X方向およびY方向と45度の方向に設定されているため、X方向の直線偏光は、円偏光に変換される。
図3に示す反射型(1/4)波長板15のサブ波長凹凸構造15cの拡大図では、波長よりも短い周期Pを有するサブ波長凹凸構造が形成されてなる。周期が入射光の波長よりも短い周期構造は入射光を回折することはなく(入射光はそのまま透過する)、入射光に対して複屈折特性を示す。すなわち、入射光の偏光方向に応じて異なる屈折率を示す。結果、構造に関するパラメータを調整することで位相差を任意に設定することができるため各種波長板を実現できる。
以下、従来例の特許文献1を参考にして、必要な位相差を検討する。図17に示すように、反射型(1/4)波長板15の面15aで入射光LIの入射点をA、反射膜15dとサブ波長凹凸構造15cの境界面での反射点をB、面15aからの出射光LOの出射点をCとすると、この場合、入射光LIは、点Aに入射角θ1=45度で入射して屈折する。
このときの屈折角をθ2とすると、(数1)
Figure 2010262725
の関係が成り立つ。
図18(a)に、屈折率楕円体RGを示す。反射型(1/4)波長板15は、結晶軸zを含む面でカットして形成されているという水晶同様のモデルを想定した場合、反射型(1/4)波長板15に直角に光を入射すると、図18(b)に示したように、常光線屈折率がNoでかつ異常光線屈折率がNeとなる。そして、本実施例1のように、反射型(1/4)波長板15に対して、角度φで光を入射すると、この場合、結晶軸zに対してφの角度でカットして形成した反射型(1/4)波長板15に対して光を直角に入射したことと等価となる。
したがって、図18(c)に示したように、この場合、常光線屈折率がNoでかつ異常光線屈折率がNe’となる。ここで、Ne’<Neである。このようにして、反射型(1/4)波長板15に光を斜め方向から入射したとき、異常光線の屈折率が小さくなる方向に変化する。この場合、反射型(1/4)波長板15へ光を入射したときの屈折角がθ2なので、(数2)
Figure 2010262725
の関係が成立する。
また、サブ波長凹凸構造15cの厚みをd、光が光路ABC(図17参照)を進むときの光路長をtとすると、この反射型(1/4)波長板15の位相差Δ(θ2)は、(数3)
Figure 2010262725
のようになる。
ここで、厚みdと光路長tとの間には、(数4)
Figure 2010262725
なる関係が成り立つ。
一方、反射型(1/4)波長板15に光を垂直入射したときの位相差Δ(0)は、(数5)
Figure 2010262725
のようになる。
したがって、(数3)〜(数5)より、(数6)
Figure 2010262725
が得られる。
ここで、図3の反射型(1/4)波長板15に形成されているサブ波長凹凸構造15cの格子の拡大図に示す各符号について説明する。Pはサブ波長凹凸構造の凹凸周期(ピッチ)、aはサブ波長凹凸構造の凸部のランド幅、dはサブ波長凹凸構造の溝深さを表す。また、a/Pは、フィリングファクタと呼んでおり、後述する有効屈折率の計算に用いる。
図3のサブ波長凹凸構造15cは、一般に知られている構造性複屈折を呈する(発現する)。構造性複屈折とは、屈折率の異なる2種類の媒質を光の波長よりも短い周期でストライプ状に配置したとき、ストライプに平行な偏光成分(TE波)とストライプに垂直な偏光成分(TM波)とで屈折率(有効屈折率と呼ぶ)が異なり、複屈折作用が生じることをいう。
いま、屈折率の異なる2種類の媒質として、空気と屈折率nの媒質を想定して、サブ波長凹凸構造の周期よりも2倍以上の波長をもつ光が垂直入射したと仮定する。このときの入射光の偏光方向がサブ波長凹凸構造の溝に平行(TE方向)であるか垂直(TM方向)であるかによって、サブ波長凹凸構造の有効屈折率は(数7)、(数8)
Figure 2010262725
Figure 2010262725
で与えられる。
入射光の偏光方向がサブ波長凹凸構造の溝に平行である場合をn(TE)、垂直である場合をn(TM)と表す。(数7)の左辺の符号はn(TE)を表し、(数8)の左辺の符号はn(TM)を表す。また、(数7),(数8)中の符号Fは前述のフィリングファクタを表す。
図19はフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図である。図19はそれぞれの屈折率の計算結果の例を示している。計算にはTa(5酸化タンタル)の波長660nmの屈折率n(DVD)=2.147を用いた。また、図20はフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図である。図20はそれぞれの屈折率の計算結果の例を示している。計算にはTaの波長785nmの屈折率n(CD)=2.124を用いた。
そして、図3のフィリングファクタFは(数9)
Figure 2010262725
のとおりとなる。
よって、各サブ波長凹凸構造の有効屈折率は以下のとおりである。サブ波長凹凸構造1のTE方向でのDVD適用時の有効屈折率:n(TE,DVD)は(数10)
Figure 2010262725
サブ波長凹凸構造1のTM方向でのDVD適用時の有効屈折率:n(TM,DVD)は(数11)
Figure 2010262725
サブ波長凹凸構造1のTE方向でのCD適用時の有効屈折率:n(TE,CD)は(数12)
Figure 2010262725
サブ波長凹凸構造1のTM方向でのCD適用時の有効屈折率:n(TM,CD)は(数13)
Figure 2010262725
である。
また位相差は、以下のようになる。DVD適用時、図3のX軸方向偏光方向の光が入射したときのサブ波長凹凸構造15cの位相差Δ(DVD)は(数14)
Figure 2010262725
CD適用時、図3のX軸方向偏光方向の光が入射したときのサブ波長凹凸構造15cの位相差Δ(CD)は(数15)
Figure 2010262725
である。
ここで、dはサブ波長凹凸構造15cの溝深さである。これからフィリングファクタ、および溝深さdを適当に選択することで位相差を任意に調整可能である。
以下に具体的な数値の一例を示す。まず、サブ波長凹凸構造15cの周期Pは、使用波長よりも十分に小さい。短波長側のDVD用光源波長の660nmよりも小さい。半波長の330nm以下であることが望ましい。
波長660nmで、n=2.147の媒質に、
サブ波長凹凸構造2のフィリングファクタ:F=0.7とした場合、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,DVD)=1.878
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,DVD)=1.488
また、波長785nmで、n=2.124の媒質に、
サブ波長凹凸構造2のフィリングファクタ:F=0.7とした場合、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,CD)=1.859
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,CD)=1.482
となる。
ここで、No=n(TE,DVD)、Ne=n(TM,DVD)とすると、
Δ(θ2)=90度
No=1.878(λ=660nm)
Ne=1.488(λ=660nm)
θ2=22.11度
なので、dとして220nmを選択すると、前述した(数2)より、
Ne’=1.529
Δ(0)=46.8度≒λ/8
となる。すなわち、反射型(1/4)波長板15としては、1/8波長板相当を用いることができる。
同様にCDについて前記の値を用いると、Δ(θ2)が72度程度となる。DVD系の位相差を重視する場合はこの値を用いれば良く、CD系についても例えば90度±10%程度の範囲としたい場合は、DVD系とCD系の波長中心である722nm程度でΔ(θ2)が90度となるように設計してやれば良い。
また、本実施例1ではフィリングファクタ:F=0.7の場合について記載したがこれに限定されるものでなく、他のフィリングファクタを用いても良い。すなわち、フィリングファクタ:F=0.5の場合が最も溝深さが小さくなる点で加工に望ましく、フィリングファクタが小さすぎても大きすぎても加工は難しくなる。フィリングファクタが小さすぎると、構造が細いため加工中あるいは完成後に倒れ易く、またフィリングファクタが大きすぎると、エッチング・プロセスにて行う溝加工が途中で止まってしまう等の課題が生じ易くなる。このフィリングファクタとしてはF=0.5±0.2くらいの範囲が加工性や、製品の信頼性上望ましい。
なお、本実施例1では、光源からの出射光を円偏光に、光記録媒体からの反射光を直線偏光に変換させる(1/4)波長板の場合について説明したが、Δ(θ2)が180度となるように設計すれば、光源からの出射光の偏光方向を90度回転させる(1/2)波長板が得られる。また、反射膜は特許文献1と同様に、位相差を配慮した設計が望まれる。
次に、本実施形態の実施例2の光ピックアップに搭載されてなる反射型(1/4)波長板および反射型波長板について詳述する。
図5に示す実施例2の反射型(1/4)波長板16は、前述した実施例1の反射型(1/4)波長板15の構成と同じであるが、反射膜16dとして、波長660nm,785nmの光は反射し、波長405nmの光は透過する誘電体多層膜からなるダイクロイックコートとした点が異なる(図6参照)。
サブ波長凹凸構造の周期Pとしては、使用波長よりも十分に小さい必要がある。本実施例2の波長板は波長405nmの光も透過することから、波長405nmの光が回折の影響を受けないように、半波長の202.5nm以下であることが望ましい。
また、図5に示す反射型波長板25についても説明しておく。反射型(1/4)波長板16を通過して、反射型波長板25に入射する波長405nmの光は、反射型(1/4)波長板16においても位相差が付加されてなる。そのため、反射型波長板25は反射型(1/4)波長板16で受ける位相差を考慮した構造とする必要がある。すなわち反射型(1/4)波長板16の位相差と反射型波長板25の位相差が合わさって1/4波長板として機能する必要がある。
以下、波長405nmの光が反射型(1/4)波長板16を通過する際に受ける位相差を算出する。
図21はフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図である。図21にはそれぞれの屈折率の計算結果の例を示している。計算にはTaの波長405nmの屈折率n(BD)=2.313を用いた。
このときの位相差は、以下のようになる。
BD適用時、図2のX軸方向偏光方向の光が入射したときのサブ波長凹凸構造の位相差Δ
(BD)は(数16)
Figure 2010262725
である。
前述のとおり、反射型(1/4)波長板16のサブ波長凹凸構造2のフィリングファクタは:F=0.7、また溝深さは:d=220nmを選択している。
波長405nm、n=2.313の場合は、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,BD)=2.011
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,BD)=1.523
であり、位相差Δ(BD)は、Δ(BD)=0.53πとなる。
また、反射型波長板25の具体的数値について説明する。前記のとおり、波長405nmの光は反射型(1/4)波長板16を通過する際に位相差0.53π(=95.4度)を受ける。そこで、この位相差を考慮して反射型波長板25は構成する必要がある。
まず、サブ波長凹凸構造の周期Pは、使用波長よりも十分に小さい。短波長側のBD用光源の波長405nmよりも小さい。半波長の202.5nm以下であることが望ましい。
波長405nmで、n=2.313の媒質に、
サブ波長凹凸構造2のフィリングファクタ:F=0.7とした場合、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,BD)=2.011
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,BD)=1.523
ここで、No=n(TE、BD)、Ne=n(TM,BD)とすると、
No=2.011(λ=405nm)
Ne=1.523(λ=405nm)
θ2=20.59度
なので、前述した(数2)より、Ne’=1.565
Δ(θ2)=95.4−90より、d=12.7nmとなる。
次に、本実施形態の実施例3の光ピックアップに搭載されてなる反射型(1/4)波長板および反射型波長板について詳述する。
図7に示す実施例3の反射型(1/4)波長板26は、前述した実施例2の反射型(1/4)波長板16の構成と同じであるが、反射膜26dとして、波長405nmの光は反射し、波長660nm,785nmの光は透過する誘電体多層膜からなるダイクロイックコートとした点が異なる(図8参照)。
前述したように、図21のフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率の計算結果の例から、計算にTaの波長405nmの屈折率n(BD)=2.313を用いている。
このときの位相差は、以下のようになる。
BD適用時、図2のX軸方向偏光方向の光が入射したときのサブ波長凹凸構造の位相差Δ(BD)は(数17)
Figure 2010262725
波長405nm、n=2.313、
反射型(1/4)波長板26のサブ波長凹凸構造2のフィリングファクタは:F=0.7の場合は、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,BD)=2.011
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,BD)=1.523
であり、前記実施例と同様に、(λ/8)板相当であれば良く、
溝深さは:d=256nmを選択すれば良い。
また、図7に示す反射型波長板35についても説明しておく。反射型(1/4)波長板26を通過して、反射型波長板35に入射する波長660nm,785nmの光は、反射型(1/4)波長板26においても位相差が付加されてなる。そのため、反射型波長板35は反射型(1/4)波長板26で受ける位相差を考慮した構造とする必要がある。すなわち反射型(1/4)波長板26の位相差と反射型波長板35の位相差が合わさって1/4波長板として機能する必要がある。
以下、波長660nm,波長785nmの光が反射型(1/4)波長板26を通過する際に受ける位相差を算出する。
図19はフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図である。図19はそれぞれの屈折率の計算結果の例を示している。計算にはTaの波長660nmの屈折率n(DVD)=2.147を用いた。
図20はフィリングファクタに対する偏光方向別の屈折率を示す図である。図20はそれぞれの屈折率の計算結果の例を示している。計算にはTaの波長785nmの屈折率n(CD)=2.124を用いた。
このときの位相差は、以下のようになる。
DVD適用時、図2のX軸方向偏光方向の光が入射したときのサブ波長凹凸構造の位相差Δ(DVD)は(数18)
Figure 2010262725
CD適用時、図2のX軸方向偏光方向の光が入射したときのサブ波長凹凸構造の位相差Δ(CD)は(数19)
Figure 2010262725
である。
前述のとおり、反射型(1/4)波長板26のサブ波長凹凸構造2のフィリングファクタは:t=0.7、また溝深さは:d=256nmで選択している。
波長660nmで、n=2.147の媒質の場合、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,DVD)=1.878
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,DVD)=1.488
波長785nmで、n=2.124の媒質の場合、
サブ波長凹凸構造のTE方向の有効屈折率:n(TE,CD)=1.859
サブ波長凹凸構造のTM方向の有効屈折率:n(TM,CD)=1.482
であり、
位相差Δ(DVD)は、Δ(DVD)=0.15π
位相差Δ(CD)は、Δ(CD)=0.12π
となる。
ここで、反射型波長板35の具体的数値について説明する。前記のとおり、波長660nmの光は反射型(1/4)波長板26を通過する際に位相差0.15π(=27度)を受ける。また波長785nmの光は反射型(1/4)波長板26を通過する際に位相差0.12π(=21.6度)を受ける。そこで、この位相差を考慮して反射型波長板35は構成する必要がある。
例えば、波長660nmの光を重視する場合は、反射型波長板35を通過する際のDVD位相差:Δ(DVD)=90−27となるように構成すれば良い。また、波長785nmの光を重視する場合は、反射型波長板35を通過する際のCD位相差:Δ(CD)=90−21.6となるように構成すれば良い。
あるいは、
Δ(DVD)=90−(27+21.6)/2
Δ(CD)=90−(27+21.6)/2
を満たすように溝深さを選定してやれば良い。
また、サブ波長凹凸構造の周期Pは、使用波長よりも十分に小さい。短波長側のDVD用光源波長の660nmよりも小さい。半波長の330nm以下であることが望ましい。
前述した実施例では、1/4波長板を実現する方法として、位相差90度として説明してきたが、市販機器に搭載されている1/4波長板としては、一般には90±5度程度であればその性能を満足するものとされている。また、1/4波長板の後段に光源のパワーコントロールを行うモニタ用受光素子を配置しても良く、この場合には、反射型波長板の反射膜の特性として、モニタ用受光素子へ入射させるための波長の光を5%程度透過させる誘電体多層膜を選択すれば良い。
また、これまで反射膜面での位相差については触れてきていないが、実際には反射膜面でも材料に応じて位相差(例えば、位相差:Δ(Z))がつく場合がある。この場合は、この値も含めた形で、1/4波長板としての位相差がつくように溝深さを決めれば良い。すなわち、サブ波長凹凸構造での位相差は(kπ)/8π−Δ(Z)となるような溝深さとすれば良い。
次に、本実施形態の実施例4の光ピックアップに搭載されてなる反射型(1/4)波長板36について説明する。
図9に示す実施例4の反射型(1/4)波長板36は、両面にサブ波長凹凸構造36c、36fが形成されてなる(図10(a)参照)。光源側のサブ波長凹凸構造36cは、実施例2のサブ波長凹凸構造16c(図6(a)参照)と同一の構成であり、光源側とは反対側の面に形成されてなるサブ波長凹凸構造36fは実施例2の反射型波長板25(図5参照)に形成されたサブ波長凹凸構造と溝深さのみ異なる構成となっている。
実施例4において、波長405nmに対して反射型(1/4)波長板36は透過型(1/4)波長板として機能するため、サブ波長凹凸構造36fの溝深さは実施例2の反射型波長板25のサブ波長凹凸構造の2倍の深さとなる。
次に、本実施形態の実施例5の光ピックアップに搭載されてなる反射型(1/4)波長板56について説明する。
図12に示す実施例5の反射型(1/4)波長板56は、両面にサブ波長凹凸構造56c、56fが形成されてなる(図13(a)参照)。光源側のサブ波長凹凸構造56cは、実施例3のサブ波長凹凸構造26c(図8(a)参照)と同一の構成であり、光源側とは反対側の面に形成されてなるサブ波長凹凸構造56fは実施例3の反射型波長板35(図7参照)に形成されたサブ波長凹凸構造と溝深さのみ異なる構成となっている。
実施例5において、波長660nm、波長785nmの光に対して反射型(1/4)波長板56は透過型(1/4)波長板として機能するため、サブ波長凹凸構造56fの溝深さは実施例3の反射型波長板35のサブ波長凹凸構造の2倍の深さとなる。
次に、本実施形態による波長板の作製手順を説明する。ここで、素子の作製の説明に先立って型の作製方法を説明する。
図22(a)〜(d)は石英を基材とした型の作製方法を説明するための図である。図22(a)において、石英材料を基板とし、その表面に電子線描画用のレジストを所定の厚さに塗布し、プリベークする。予め設計されたプログラムにより、波長板の諸元に対応したピッチ(周期)・線幅に描画する。
図22(b)において、レジストに対し、現像およびリンスを行うことにより、レジスト上にサブ波長凹凸構造が形成される。溝の底は石英基材が露出している。
図22(c)において、サブ波長凹凸構造のレジストパターンをマスクとして石英のドライエッチングを行う。エッチングには、RIE、NLD、TCP等のエッチング装置にて、CF4、CF3ガスを用いる。基板にバイアスをかけることで、面に垂直にエッチングを進行させる。
図22(d)において、レジストを剥離する。剥離の方法はドライエッチング装置内で、酸素ガスを導入し、酸素ガスプラズマ中でレジスト除去を行う方法と、基板を装置から取り出してCAROS洗浄で除去する方法とがある。完成したものを石英型として用いる。
また、図23(a)〜(d)はシリコンを基材とした型の作製方法を説明するための図である。以下に説明する方法は、必ずしもシリコン基板に限定されることはなく、石英基板上にスパッタリング、CVD方式等で形成されたシリコン膜に対しても同様の方法で型の製作が可能である。
図23(a)において、シリコンを基板とし、その表面に電子線描画用のレジストを所定の厚さに塗布し、プリベークする。予め設計されたプログラムにより、波長板の諸元に対応したピッチ(周期)・線幅に描画する。
図23(b)において、レジストに対し、現像およびリンスを行うことにより、レジスト上にサブ波長凹凸構造が形成される。溝の底はシリコン基材が露出している。
図23(c)において、サブ波長凹凸構造のレジストパターンをマスクとしてシリコンのアルカリウェットエッチング(KOH溶液使用)を行う。シリコン基板はシリコン面の壁として、ピッチを維持したまま深さ方向にエッチングされる。なお、前述した石英基板上にスパッタリング、CVD方式等と同様の方法で形成されたシリコン膜に対しても型の製作が可能である。この場合、ボッシュプロセス用いたドライエッチングでも同様の構造を制作できる。
図23(d)において、レジストを剥離する。完成したものをシリコン型として用いる。このようにして作られた石英型、あるいはシリコン型を便宜上、金型と呼ぶことがある。
また、図24(a)〜(h)はガラス基板上に反射膜としてのAl(アルミニウム)膜を形成し、この上に位相差を発現するためのTa(5酸化タンタル)膜を成膜し、Ta膜に波長板を形成する手順を示す図である。
図24(a)において、ガラス基板表面にAl膜とTa膜を形成する。形成方法としては、(密着性向上膜としてSiO(一酸化ケイ素)下地膜を含む)Al膜は真空蒸着法、Ta膜はスパッタリング法を、次のような条件で用いる。
Al膜のSiO下地膜(密着性向上膜を形成)
1.基板温度 :40℃以下
2.成膜時圧力:8×10−2Pa
3.成膜速度 :3.0Å/sec
4.膜厚 :100〜150Å
5.電子銃(EB)蒸着法
Al膜(反射膜)
1.基板温度 :40℃以下
2.成膜時圧力:9×10−3Pa
3.成膜速度 :8.0Å/sec
4.膜厚 :1500〜2000Å
5.抵抗加熱蒸着法(電流値:400〜450A)
6.反射率 :91%以上
Ta
1.基板温度 :70〜100℃
2.製膜時圧力:5〜8×10−4Torr
3.成膜速度 :0.7〜1.0Å/sec
4.RFパワー:300〜500W
の条件を用いる。
図24(b)において、Ta膜上にUV硬化樹脂を塗布し、上からモールド型で押圧する。モールド型としてはシリコン型、石英型ともに使用しうるが、微細構造を形成するナノインプリントにおいては、石英金型の方が光透過性なので適している。UV硬化樹脂はPAC−01(東洋合成(株)製)を用いる。また、熱硬化性転写材料を使用する場合は、シリコン製型も利用できる。
図24(c)において、モールド型背面からUV(紫外線)を照射し、樹脂を固める。また、モールド型としてシリコン金型を用いる場合は、UVをガラス基板側から与える。
図24(d)において、モールド型を離型する。UV硬化樹脂に凸状の微細構造のマスクパターンが形成されている。
図24(e)において、Ta膜が露出するまでUV硬化樹脂をドライエッチングする。この工程は、最下部に樹脂層がない状態でマスクパターンの型形状を転写できれば、省くことが可能である。
ドライエッチングは以下の
1.ガス種 :酸素ガス(O
2.ガス流入量 :20sccm
3.圧力 :0.4Pa
4.樹脂エッチング速度:30nm/sec
5.上部バイアス電力 :1KW
6.下部バイアス電力 :100W
条件で行う。
図24(f)において、Ta膜の溝が所望の深さになるまでドライエッチングする。
ドライエッチングは以下の
・エッチング装置:RIE(住友金属社製 Rainbow4500機 平行平板RF印加 Sprit Power方式)
・稼働条件
上部電極パワー:200W
下部電極パワー:200W
電極間隔 :9.5mm
上部電極温度 :10℃
下部電極温度 :10℃
・ガス種
CF4=30sccm、CHF3=60sccm
Ar=100sccm、He=5sccm
反応室内圧力 :30Pa
Ta膜エッチング速度:8nm/sec
条件で行う。
このとき、Ta膜のパターン谷部は、完全にエッチングされずに僅かに残っていても良い(図24(g)参照)。この谷部の残膜量は位相差に影響するが、予め残膜量と位相差に与える影響の関係はシミュレーションによって算出可能である。したがって、Ta膜の残膜量、Ta膜の屈折率、フィリングファクタ、ピッチ(周期)、深さ等を最適化することによって、目的とする波長板の位相差を確保することができる。
また、Ta膜のエッチングの際に、僅かにオーバーエッチングを行いTa膜の谷部がなくなりAl膜が現れても良い(図24(h)参照)。この場合は、前記のエッチング条件でドライエッチングを行うとAl膜のエッチング速度は、Ta膜のエッチング速度に対して1/20以上遅くなるように条件設定してある(すなわち、Ta膜が20nmエッチングされるときにAl膜は1nm(10Å以下)しかエッチングされない。反射膜として形成されたAl膜は、Ta膜のエッチングの際エッチングストップ膜としても機能している)。この状態では、Al膜の反射率は影響されない状態で、Ta膜の谷部を完全に除去できる。
最後に、最上部に残った樹脂マスクを酸素ガス(プラズマ)中でドライエッチングによる剥離処理により除去する。図24(g)の状態になって波長板が完成する。ガラス基板上のTa膜が波長板を形成している。
図25(a)〜(g)は金型を使用しない波長板の作製方法を説明するための図であり、ガラス基板上に反射膜としてのAl膜を形成し、この上に位相差を発現するためのTa(5酸化タンタル)膜を成膜し、Ta膜に波長板を形成する手順を示す図である。
図25(a)において、ガラス基板表面にAl膜とTa膜を形成する。形成方法としては、Al膜は真空蒸着法、Ta膜はスパッタリング法により、次のような条件で用いる。
Al膜の下地膜(密着性向上膜)
1.基板温度 :40℃以下
2.成膜時圧力:8×10−2Pa
3.成膜速度 :3.0Å/sec
4.膜厚 :100〜150Å
5.電子銃(EB)蒸着法
Al膜(反射膜)
1.基板温度 :40℃以下
2.成膜時圧力:9×10−3Pa
3.成膜速度 :8.0Å/sec
4.膜厚 :1500〜2000Å
5.抵抗加熱蒸着法(電流値:400〜450A)
6.反射率 :91%以上
Ta
1.基板温度 :70〜100℃
2.製膜時圧力:5〜8×10−4Torr
3.成膜速度 :0.7〜1.0Å/sec
4.RFパワー:300〜500W
の条件を用いる。
さらに、Ta膜上にCr(クロム)膜を形成する。Cr膜の形成方法としては、スパッタリング法を次のような条件
1.基板温度 :70〜100℃
2.製膜時圧力:7〜8×10−4Torr
3.成膜速度 :0.5〜1.0Å/sec
4.RFパワー:100〜200W
で用いる。
図25(b)において、Cr膜上に電子線描画用のレジストを塗布する。
図25(c)において、「高精度微細幅露光装置」によって、I線ステッパを使用する。露光後、現像工程を経て部分的にレジストを除去し、Cr膜を露出させる。残っているレジストは、以後のCr膜エッチング用マスクパターンとなる。
図25(d)において、Ta膜が露出するまでCr膜をドライエッチングする。Cr膜のドライエッチングは以下の・エッチング装置:RIE(住友金属社製 Rainbow4720機 平行平板RF印加 Plasma mode方式)
・稼働条件
上部電極パワー:400W
下部電極パワー:80W
電極間隔 :12mm
上部電極温度 :0℃
下部電極温度 :20℃
・ガス種
Ar=50sccm
=20sccm
Cl=80sccm
反応室内圧力:35Pa
条件で行う。
図25(e)において、Ta膜が所望の溝深さになるまでドライエッチングする。Ta膜のドライエッチングは以下の・エッチング装置:RIE(住友金属社製 Rainbow4500機 平行平板RF印加 Sprit Power方式)
・稼働条件
上部電極パワー:200W
下部電極パワー:200W
電極間隔 :9.5mm
上部電極温度 :10℃
下部電極温度 :10℃
・ガス種
CF4=30sccm、CHF3=60sccm
Ar=100sccm、He=5sccm
反応室内圧力 :30Pa
Taエッチング速度:8nm/sec
条件で行う。
このとき、Ta膜のパターン谷部は、完全にエッチングされずに僅かに残っていても良い。この谷部の残膜量は位相差に影響するが、予め残膜量と位相差に与える影響の関係はシミュレーションによって算出可能である。したがって、Ta膜の残膜量、Ta膜の屈折率、フィリングファクタ、ピッチ(周期)、深さ等を最適化することによって、目的とする波長板の位相差を確保することができる。
図25(f)において、最後に最上部に残ったCrマスクをCr剥離液中でウェットエッチングにより除去する。
図25(g)の状態になって波長板が完成する。ガラス基板の片面がTa膜とAl反射膜によって構成される波長板になっている。
また、図26は本発明の光学素子を用いる光ピックアップを備えた光情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。以下に図26を参照しながら構成を説明する。
光記録媒体8に対して、情報信号の記録および再生を行う装置であり、前述した光ピックアップに相当する41を備えて構成されている。そして光記録媒体8を回転操作するスピンドルモータ43と、情報信号の記録/再生を行うに当たって使用される光ピックアップ41と、光ピックアップ41を光記録媒体8の内外周に移動操作するための送りモータ42と、所定の変調および復調処理を行う変復調回路45と、光ピックアップ41のサーボ制御などを行うサーボ制御回路44と、光情報処理装置の全体の制御を行うシステムコントローラ47とを備えている。次にその動作を説明する。
スピンドルモータ43は、サーボ制御回路44により駆動制御され、所定の回転数で回転駆動される。すなわち、記録/再生の対象となる光記録媒体8は、スピンドルモータ43の駆動軸上にチャッキングされ、サーボ制御回路44により駆動制御されるスピンドルモータ43によって、所定の回転数で回転操作される。
光ピックアップ41は、光記録媒体8に対する情報信号の記録および再生を行うとき、前述したように、回転駆動される光記録媒体8に対してレーザ光を照射し、その戻り光を検出する。この光ピックアップ41は、変復調回路45に接続されている。そして、情報信号の記録を行う際には、外部回路46から入力され変復調回路45によって所定の変調処理が施された信号が光ピックアップ41に供給される。光ピックアップ41は、変復調回路45から供給される信号に基づいて、光記録媒体8に対して、光強度変調が施されたレーザ光を照射する。また、情報信号の再生を行う際には、光ピックアップ41は、回転駆動される光記録媒体8に対して、一定の出力のレーザ光を照射し、その戻り光から再生信号が生成され、当該再生信号が変復調回路45に供給される。
また、この光ピックアップ41は、サーボ制御回路44にも接続されている。そして、情報信号の記録再生時に、回転駆動される光記録媒体8によって反射されて戻ってきた戻り光から、前述したように、フォーカスサーボ信号およびトラッキングサーボ信号が生成され、それらのサーボ信号がサーボ制御回路44に供給される。
変復調回路45は、システムコントローラ47および外部回路46に接続されている。この変復調回路45は、情報信号を光記録媒体8に記録するときには、システムコントローラ47による制御のもとで、光記録媒体8に記録する信号を外部回路46から受け取り、当該信号に対して所定の変調処理を施す。変復調回路45によって変調された信号は、光ピックアップ41に供給される。また、この変復調回路45は、情報信号を光記録媒体8から再生するときには、システムコントローラ47による制御のもとで、光記録媒体8から再生された再生信号を光ピックアップ41から受け取り、当該再生信号に対して所定の復調処理を施す。そして、変復調回路45によって復調された信号は、変復調回路45から外部回路46へ出力される。
送りモータ42は、情報信号の記録および再生を行うとき、光ピックアップ41を光記録媒体8の径方向で所定の位置に移動させるためのものであり、サーボ制御回路44からの制御信号に基づいて駆動される。すなわち、この送りモータ42は、サーボ制御回路44に接続されており、サーボ制御回路44により制御される。
サーボ制御回路44は、システムコントローラ47による制御のもとで、光ピックアップ41が光記録媒体8に対向する所定の位置に移動されるように、送りモータ42を制御する。また、サーボ制御回路44は、スピンドルモータ43にも接続されており、システムコントローラ47による制御のもとで、スピンドルモータ43の動作を制御する。すなわち、サーボ制御回路44は、光記録媒体8に対する情報信号の記録および再生時に、該光記録媒体8が所定の回転数で回転駆動されるように、スピンドルモータ43を制御する。
この光情報処理装置に用いる光ピックアップに前述の光学素子(反射型(1/4)波長板)を備えることによって、波長の異なる複数の光源を用いた場合にも反射型(1/4)波長板の特性を確保することがき、これに応じた波長の複数の光記録媒体に対して情報の記録、再生、消去が可能となり、光ピックアップの薄型化とともに、光情報処理装置も薄型および小型化ができる。
本発明に係る反射型波長板は、光源光の偏光状態を変換するとともに、その光路を偏向することができることから光ピックアップ光学系を薄型化でき、また波長板機能をサブ波長の凹凸構造により実現することから材料を任意に選択可能で、その溝深さが略(1/8)波長板相当で良いことから加工プロセスも容易となり、複数の光源を用いた場合にも特性を確保することができ、光ピックアップ等に有用である。
1 光源
2,22 3ビーム用回折素子
3,23 偏光ビームスプリッタ
4,24 コリメートレンズ
5 偏向ミラー
5a,5b,5c,5d,5e 反射ミラー
6 (1/4)波長板
7,27 対物レンズ
8 光記録媒体
9,29 検出レンズ
10,30 受光素子
11 半導体レーザ(DVD用)
12 半導体レーザ(CD用)
13 ダイクロイックプリズム
13a 多層膜
15,16,26,36,56,66 反射型(1/4)波長板
15a,16a,26a,36a,56a,66a,66b 面
15c,16c,26c,36c,36f,56c,56f,66c,66f サブ波長凹凸構造
15d,16d,26d,36d,56d,66d,66g 反射膜
15e,16e,26e,36e,56e,66e ガラス基板
15p,16p,26p,36p,56p f軸
21 半導体レーザ(BD用)
25,35 反射型波長板
33 ダイクロイックプリズム
41 光ピックアップ
42 送りモータ
43 スピンドルモータ
44 サーボ制御回路
45 変復調回路
46 外部回路
47 システムコントローラ
特許第3545008号公報 特開2005−141849号公報
菊田久雄,「構造性複屈折とその光学素子への応用」,回折光学素子入門,(社)応用物理学会 日本光学会 光設計研究グループ,オプトロニクス社,平成9年5月20日,第1版第1刷,p158-167 堀之内昇吾,弓田昌平,松尾友裕,「12.7mm厚スリム型BDドライブ」,Panasonic Technical Journal Vol.54 No.3,Panasonic社,Oct.2008,p15-20

Claims (4)

  1. 波長の異なる複数の入射光に対して、光路を偏向反射するとともに、位相差を付加する反射型波長板において、
    前記反射型波長板は、基板の上に反射膜、複数の入射光で最短波長以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、波長の異なる複数の入射光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されていることを特徴とする反射型波長板。
  2. 使用波長の異なる2種類の光記録媒体Aと光記録媒体Bに対して、情報の記録もしくは再生もしくは消去を行うために用いられる光ピックアップにおいて、
    前記光ピックアップは、波長λ1の光を出射する光源Aと、波長λ2(>λ1)の光を出射する光源Bと、前記光源Aからの出射光と、前記光源Bからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段と、前記集光手段と前記光源A、光源Bの間の光路上に配置され、前記集光手段を介した戻り光束を分岐する分岐手段と、前記分岐手段で分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段と、前記集光手段と前記分岐手段の間の光路上に配置された反射型波長板と、を備え、
    前記反射型波長板は、基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、前記光源Aおよび光源Bから出射された光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されていることを特徴とする光ピックアップ。
  3. 使用波長の異なる3種類の光記録媒体Aと光記録媒体Bと光記録媒体Cに対して、情報の記録もしくは再生もしくは消去を行うために用いられる光ピックアップにおいて、
    前記光ピックアップは、波長λ1の光を出射する光源Aと、波長λ2(>λ1)の光を出射する光源Bと、波長λ3(>λ2)の光を出射する光源Cと、前記光源Aからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段Aと、前記光源Bからの出射光と、前記光源Cからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段BCと、前記集光手段Aと前記光源Aの間の光路上に配置され、前記集光手段Aを介した戻り光束を分岐する分岐手段Aと、前記集光手段BCと前記光源B、光源Cの間の光路上に配置され、前記集光手段BCを介した戻り光束を分岐する分岐手段BCと、前記分岐手段Aで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段Aと、前記分岐手段BCで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段BCと、前記集光手段BCと前記分岐手段BCの間の光路上に配置された反射型波長板BCと、前記集光手段Aと前記反射型波長板BCの間の光路上に配置された反射型波長板Aと、を備え、
    前記反射型波長板BCは、基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、前記光源Bおよび光源Cから出射された光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定され、かつ反射膜が波長λ2、λ3の光は反射し、波長λ1の光は透過して、
    前記反射型波長板Aは、基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、前記反射型波長板BCを波長λ1の光が通過するときに付加される位相差ΔAとした場合、前記光源Aから出射された光に対して位相差:(kπ)/8π−ΔA(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されることを特徴とする光ピックアップ。
  4. 使用波長の異なる3種類の光記録媒体Aと光記録媒体Bと光記録媒体Cに対して、情報の記録もしくは再生もしくは消去を行うために用いられる光ピックアップにおいて、
    前記光ピックアップは、波長λ1の光を出射する光源Aと、波長λ2(>λ1)の光を出射する光源Bと、波長λ3(>λ2)の光を出射する光源Cと、前記光源Aからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段Aと、前記光源Bからの出射光と、前記光源Cからの出射光を光記録媒体のアクセス対象の記録面に集光させるための集光手段BCと、前記集光手段Aと前記光源Aの間の光路上に配置され、前記集光手段Aを介した戻り光束を分岐する分岐手段Aと、前記集光手段BCと前記光源B、光源Cの間の光路上に配置され、前記集光手段BCを介した戻り光束を分岐する分岐手段BCと、前記分岐手段Aで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段Aと、前記分岐手段BCで分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光手段BCと、前記集光手段Aと前記分岐手段Aの間の光路上に配置された反射型波長板Aと、前記集光手段BCと前記反射型波長板Aの間の光路上に配置された反射型波長板BCと、を備え、
    前記反射型波長板Aは、基板の上に反射膜、波長λ1以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、前記光源Aから出射された光に対して位相差:(kπ)/8(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定され、かつ反射膜が波長λ1の光は反射し、波長λ2、λ3の光は透過して、 前記反射型波長板BCは、基板の上に反射膜、波長λ2以下の周期をもつサブ波長凹凸構造が順次積層されてなり、前記反射型波長板Aを波長λ2、λ3の光が通過するときに付加される位相差ΔB、ΔCとした場合、前記光源B、Cから出射された光に対して位相差:(kπ)/8π−(ΔB+ΔC)/2(ここで、kは整数)を付加するようにサブ波長凹凸構造のフィリングファクタと溝深さが決定されることを特徴とする光ピックアップ。
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