JP2010261069A - 溶射膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性と導電性とを兼ね備えた溶射膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の溶射膜は、酸化イットリウムと、導電性物質とを含有し、この導電性物質の含有率は4.0体積%以上かつ12.0体積%以下であり、この導電性物質は、イットリウム、ケイ素、アルミニウムの群から選択された1種または2種以上であり、粒界に偏析して網目状構造を形成している。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶射膜及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、ドライエッチング装置やクリーニング装置等の半導体製造装置等に好適に用いられ、フッ素系腐食性ガス、塩素系腐食性ガス等のハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対して高い耐食性を有すると共に導電性にも優れた溶射膜及びその製造方法に関するものである。
従来、IC、LSI、VLSI等の半導体装置の製造ラインにおいては、フッ素系腐食性ガス、塩素系腐食性ガス等のハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマを用いる工程があり、なかでもドライエッチング工程やクリーニング工程においては、上記の腐食性ガスやプラズマによる半導体製造装置内の構成部材の腐食が問題となっている。そのため、耐食性部材としては酸化アルミニウムや酸化イットリウム等の溶射皮膜が用いられている。
この様な溶射皮膜としては、金属、ガラス等のセラミックス等の基材の表面に形成された、熱放射性及び耐損傷性に優れた酸化イットリウムの黒色溶射皮膜が提案されている(特許文献1)。
特開2005−256098号公報
ところで、従来の酸化イットリウムの黒色溶射皮膜では、確かに、熱放射性及び耐損傷性には優れているものの、使用時に、この黒色溶射皮膜に剥がれ、腐食、目視が困難な微細なクラック(マイクロクラック)等が生じた場合、基材を構成している元素が拡散し、基材自体が破損または破壊する危険性があるという問題点があった。
また、この酸化イットリウムの黒色溶射皮膜は、酸化イットリウム自体が絶縁性であるから、導電性が要求される部分には用いることができないという問題点があった。
このように、例えば、半導体製造装置内の構成部材やエッチング電極等のようなハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性及び導電性が要求される部材に対しては、従来の酸化イットリウムの黒色溶射皮膜では対応することが難しく、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性と導電性とを兼ね備えた膜が要望されているが、いまだに実現していない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性と導電性とを兼ね備えた溶射膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、既存のセラミックスにおいて最も耐食性に優れる材料の一種である酸化イットリウムに着目し、この酸化イットリウムのハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性を保持したまま、さらに導電性を付与するべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の溶射膜は、導電性物質を4.0体積%以上かつ12.0体積%以下含有し、残部を酸化イットリウム及び不可避不純物としたことを特徴とする。
前記導電性物質が粒界に偏析して網目状構造を形成していることが好ましい。
前記導電性物質は、イットリウム、ケイ素、アルミニウムの群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の溶射膜の製造方法は、酸化イットリウムをアルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第1の熱プラズマにより加熱してその一部を溶融し、この一部が溶融した酸化イットリウムを基板上に堆積させて粗密な溶射膜を形成し、次いで、酸化イットリウムと導電性物質とを含む混合物を、アルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第2の熱プラズマにより加熱して溶融し、この酸化イットリウムと導電性物質との溶融物を前記粗密な溶射膜上に堆積させて緻密な溶射膜を形成し、次いで、この緻密な溶射膜から前記粗密な溶射膜及び前記基板を除去することを特徴とする。
前記緻密な溶射膜上に、酸化イットリウムをアルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第3の熱プラズマにより加熱してその一部が溶融した酸化イットリウムを堆積させて前記粗密な溶射膜より低密度の溶射膜を形成し、次いで、前記緻密な溶射膜から、前記低密度の溶射膜、前記粗密な溶射膜及び前記基板を除去することとしてもよい。
前記第1及び第2の熱プラズマ、前記第3の熱プラズマ、のうちいずれか一方または双方の圧力は、13kPa以上かつ100kPa以下であることが好ましい。
前記除去の際に水蒸気を含むガスを導入することが好ましい。
本発明の溶射膜によれば、導電性物質を4.0体積%以上かつ12.0体積%以下含有し、残部を酸化イットリウム及び不可避不純物としたので、フッ素系腐食性ガス、塩素系腐食性ガス等のハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性を少しも損なうことなく、導電性を高めることができる。
また、導電性物質を粒界に偏析させて網目状構造を形成すれば、導電性物質を少量、粒界に偏析させることにより、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する優れた耐食性を少しも損なうことなく、導電性をより一層高めることができる。
本発明の溶射膜の製造方法によれば、酸化イットリウムをアルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第1の熱プラズマにより加熱してその一部を溶融し、この一部が溶融した酸化イットリウムを基板上に堆積させて粗密な溶射膜を形成し、次いで、酸化イットリウムと導電性物質とを含む混合物を、アルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第2の熱プラズマにより加熱して溶融し、この酸化イットリウムと導電性物質との溶融物を前記粗密な溶射膜上に堆積させて緻密な溶射膜を形成し、次いで、この緻密な溶射膜から前記粗密な溶射膜及び前記基板を除去するので、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性に優れると共に導電性にも優れた溶射膜を、既存の製造装置に何ら変更を加えることなく、廉価かつ簡便に製造することができる。
本発明の一実施形態の溶射膜の製造方法に用いられる溶射膜形成装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態の2層の溶射膜の製造方法を示す過程図である。 本発明の一実施形態の3層の溶射膜の製造方法を示す過程図である。 本発明の実施例1の2層の溶射膜の断面構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の実施例1のY−Y膜の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
本発明の溶射膜及びその製造方法を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「溶射膜」
本実施形態の溶射膜は、酸化イットリウム(Y)と、導電性物質とを含有してなる溶射膜である。
この溶射膜は、導電性物質を4.0体積%以上かつ12.0体積%以下、好ましくは4.0体積%以上かつ10.0体積%以下、さらに好ましくは4.0体積%以上かつ8.0体積%以下含有し、残部が酸化イットリウム及び不可避不純物であることが好ましい。
この導電性物質としては、イットリウム(Y)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
ここで、導電性物質の含有率を4.0体積%以上かつ12.0体積%以下と限定した理由は、含有率が4.0体積%未満では、導電性物質が少なすぎて、溶射膜に導電性を十分に付与することができず、したがって、良好な導電性を発現させることができないからであり、一方、含有率が12.0体積%を超えると、良好な導電性を発現させることはできるものの、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性が低下するので好ましくないからである。
この溶射膜の密度は、理論密度の90%以上であることが好ましく、より好ましくは理論密度の92%以上、さらに好ましくは理論密度の95%以上である。
ここで、この溶射膜の密度を理論密度の90%以上とした理由は、密度が理論密度の90%を下回ると、膜中の微小な空孔や欠陥の量が多くなるために、膜質が低下することとなり、その結果、緻密な溶射膜を得ることができず、したがって、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性が低下するからである。
この溶射膜では、酸化イットリウムがマトリックス状の粒子を構成し、導電性物質が溶射膜を構成する酸化イットリウム粒子の粒界に偏析して網目状構造を形成している。
この場合、導電性物質が網目状構造の粒界に偏析することにより、この導電性物質が溶射膜中に網目状の連続した導電経路を形成することになり、したがって、導電性物質の含有率が低いにもかかわらず、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性に優れると共に、優れた導電性を発現することとなる。
この導電性物質は、マトリックスを構成する酸化イットリウム粒子の粒界に存在することから、金属イットリウムの個々の粒子は小さく、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに曝されて消耗しても、この金属イットリウムに起因する粗大なパーティクルの発生が抑制され、パーティクルの発生の原因となることがない。
本実施形態の溶射膜は、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する優れた耐食性を有することはもちろんのこと、表面抵抗が1×10Ω/□〜1×10Ω/□程度の導電性を兼ね備えているので、ハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性を少しも損なうことなく、導電性をより一層高めることができる。
「溶射膜の製造方法」
図1は、本実施形態の溶射膜の製造方法に用いられる溶射膜形成装置を示す断面図であり、図において、1はチャンバ、2はチャンバ1内に配置され基板4を支持する基板ホルダ、3はチャンバ1上部に設けられ基板4上に熱プラズマ5を形成するプラズマトーチである。
基板ホルダ2は、基板4を支持するとともに所定の範囲内で移動しかつ回転させるためのもので、上下方向及び水平方向に移動可能かつ軸を中心として回転可能とされている。
この基板ホルダ2の上方には、熱プラズマ5から飛散した溶融/未溶融粒子が基板4上に堆積するのを防止し、かつ基板4の温度を所定の温度範囲に保持するための断熱板6が配置され、この断熱板6には基板4付近の温度を測定(モニタリング)するための熱電対7が設けられている。
プラズマトーチ3は、熱プラズマ5を形成するトーチ11と、このトーチ11内に粉末原料、アルゴンガス、水蒸気等を導入するためのプローブ12と、このプローブ12にチューブ13を介して粉末原料を供給する粉末供給器14と、このプローブ12を固定する導入フランジ15と、このトーチ11に導入フランジ15を介してプラズマガスを供給するプラズマガス源16と、このプローブ12及びトーチ11を介してチャンバ1内にアルゴンガスを供給するアルゴンガス源17と、このプローブ12及びトーチ11を介してチャンバ1内に水蒸気をキャリアガスとともに供給する水蒸気源18と、トーチ11の外側に設けられたワークコイル19と、このワークコイル19に高周波電流を流す高周波電源20とを備えている。
そして、このチャンバ1の側壁に設けられた窓21の外側には、基板4上の熱プラズマ5の温度を測定(モニタリング)するための放射温度計22が設けられている。
次に、この溶射膜形成装置を用いて本実施形態の溶射膜を製造する方法について説明する。
ここでは、まず、2層の溶射膜の製造方法について説明し、次いで、3層の溶射膜の製造方法について説明する。
(1)2層の溶射膜の製造方法
まず、粉末供給器14に酸化イットリウムを所定量投入し、基板ホルダ2上に基板4を配置する。この酸化イットリウムは、粉末状または顆粒状であることが好ましい。
次いで、真空ポンプ(図示略)によりチャンバ1内を排気し、チャンバ1内が所定の圧力、例えば、1kPa以下に達したときに、プラズマガス源16からプラズマガス、例えばアルゴンガスをトーチ11内に導入する。そして、高周波電源20によりワークコイル19に高周波電流を流すと共にプラズマを点火させ、トーチ11及びチャンバ1内に熱プラズマ5を形成する。
次いで、プラズマガス源16からアルゴン及び水素をそれぞれ所定の流量にてトーチ11内に導入し、このトーチ11内の雰囲気をアルゴン及び水素を含む混合ガス雰囲気とする。アルゴン及び水素は、所定の体積比率となるように予め混合しておき、この混合ガスを所定の流量にてトーチ11内に導入することとしてもよい。
次いで、チャンバ1およびトーチ11内の圧力を徐々に上昇させて所定の圧力、例えば13kPa(約98Torr)以上かつ100kPa(約750Torr)以下とし、同時に、プレート電力(図示略)の出力を上げ、低いプレート電力にてトーチ11及びチャンバ1内に熱プラズマ5を発生させ、この熱プラズマ5により基板4を加熱する。
次いで、基板4の温度が所定の温度、例えば酸化イットリウムの融点以下の温度領域である600℃〜1000℃に達したならば、アルゴンガスをキャリアガスとしてプローブ12からトーチ11内に粉末状または顆粒状の酸化イットリウムを供給する。この酸化イットリウムは、プレート電力が低い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した場合においても十分に溶融せず、一部が未溶融の状態のまま基板4上に堆積する。また、基板4の温度も酸化イットリウムの融点以下の温度であるから、一部が未溶融の状態の酸化イットリウムは溶融することなく堆積される。したがって、図2(a)に示すように、基板4上には、基板4との密着性が悪くかつその密度が理論密度の90%未満である粗密な溶射膜31が形成されることとなる。
次いで、粉末供給器14に酸化イットリウムと導電性物質との混合物、すなわち酸化イットリウムと導電性物質との混合粉末または混合顆粒を所定量投入する。
この導電性物質としては、イットリウム、ケイ素、アルミニウムの群から選択された1種または2種以上の粉末または顆粒が好ましい。
次いで、プレート電力を段階的に上げ、粗密な溶射膜31の温度が所定の温度、例えば導電性物質の融点以上の温度に達したならば、アルゴンガスをキャリアガスとしてプローブ12からトーチ11内に酸化イットリウムと導電性物質との混合粉末または混合顆粒を供給する。この酸化イットリウムと導電性物質との混合粉末または混合顆粒は、プレート電力が高い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した際に導電性物質が十分に溶融し、酸化イットリウムと導電性物質が十分に溶融した溶融物となり、この酸化イットリウムと導電性物質との溶融物が粗密な溶射膜31上に堆積する。したがって、図2(b)に示すように、粗密な溶射膜31上には、理論密度の90%以上の高密度を有する酸化イットリウムと導電性物質とからなる緻密な溶射膜32が形成されることとなる。
次いで、酸化イットリウムと導電性物質との混合粉末または混合顆粒の供給を停止し、プレート電力を段階的に下げて、緻密な溶射膜32の温度が導電性物質の融点以下の温度になったところで、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12からチャンバ1内に水蒸気を供給し、緻密な溶射膜32の表面を酸化する。次いで、チャンバ1内を冷却し、この緻密な溶射膜32が形成された基板4の温度を室内の温度まで下げる。この冷却過程では、緻密な溶射膜32と基板4との熱膨張差により、図2(c)に示すように、緻密な溶射膜32が粗密な溶射膜31共々基板4から剥離し、この緻密な溶射膜32及び粗密な溶射膜31からなる2層構造の溶射膜33となる。
この冷却過程における冷却速度は、緻密な溶射膜32及び粗密な溶射膜31からなる2層構造の溶射膜33が基板4から熱膨張差により剥離することができればよく、特に制限はないが、例えば、酸化イットリウムと金属イットリウムとを含む溶射膜である場合、20℃/分〜100℃/分程度である。
緻密な溶射膜32の温度が室温にまで下がった段階で、チャンバ1内を大気開放し、2層構造の溶射膜33と、基板4を取り出す。以上により、基板4から独立した膜である緻密な溶射膜32及び粗密な溶射膜31からなる2層構造の溶射膜33が得られる。
さらに、この2層構造の溶射膜33から粗密な溶射膜31を切削や研削等により取り除けば、独立した1枚の溶射膜である緻密な溶射膜32が得られる。
(2)3層の溶射膜の製造方法
粗密な溶射膜31上に緻密な溶射膜32を形成するまでは、上記の方法と全く同様である。
ここでは、粗密な溶射膜31上に緻密な溶射膜32を形成した後に、粉末供給器14に酸化イットリウムを所定量投入する。
次いで、プレート電力を段階的に下げ、緻密な溶射膜32の温度が所定の温度、例えば導電性物質の融点以下の温度にまで降下したならば、アルゴンガスをキャリアガスとしてプローブ12からトーチ11内に粉末状または顆粒状の酸化イットリウムを供給する。この酸化イットリウムは、プレート電力が比較的低い状態であるから、熱プラズマ5中を通過する際に十分に溶融せず、一部が未溶融の状態のまま緻密な溶射膜32上に堆積する。したがって、図3(a)に示すように、緻密な溶射膜32上には、溶融が不十分で理論密度の90%未満の酸化イットリウムからなる低密度の溶射膜41が形成されることとなる。
次いで、酸化イットリウムの供給を停止し、プレート電力を段階的に下げて、低密度の溶射膜41の温度が導電性物質の融点以下の温度になったところで、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12からチャンバ1内に水蒸気を供給し、低密度の溶射膜41の表面を酸化する。次いで、チャンバ1内を冷却し、この低密度の溶射膜41が形成された基板4の温度を室内の温度まで下げる。この冷却過程では、溶射膜31、32、41と基板4との熱膨張差により、図3(b)に示すように、粗密な溶射膜31、緻密な溶射膜32及び低密度の溶射膜41からなる3層構造の溶射膜42が基板4から剥離する。
低密度の溶射膜41の温度が室温にまで下がった段階で、チャンバ1内を大気開放し、3層構造の溶射膜42と、基板4を取り出す。以上により、基板4から独立した膜である粗密な溶射膜31、緻密な溶射膜32及び低密度の溶射膜41からなる3層構造の溶射膜42が得られる。
さらに、この3層構造の溶射膜42から粗密な溶射膜31及び低密度の溶射膜41を切削や研削等により取り除けば、独立した1枚の溶射膜である緻密な溶射膜32が得られる。
本実施形態の溶射膜によれば、酸化イットリウムと、イットリウム、ケイ素、アルミニウムの群から選択された1種または2種以上の導電性物質とを含有したので、フッ素系腐食性ガス、塩素系腐食性ガス等のハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性を保持すると共に、導電性を高めることができる。
本実施形態の溶射膜の製造方法によれば、基板4上に、粗密な溶射膜31、緻密な溶射膜32を順次成膜して2層構造の溶射膜33とするか、粗密な溶射膜31、緻密な溶射膜32、低密度の溶射膜41を順次成膜して3層構造の溶射膜42とし、その後、チャンバ1内に水蒸気を供給し、緻密な溶射膜32または低密度の溶射膜41の表面を酸化するので、緻密な溶射膜32及び粗密な溶射膜31からなる2層構造の溶射膜33、または粗密な溶射膜31、緻密な溶射膜32及び低密度の溶射膜41からなる3層構造の溶射膜42を、既存の製造装置に何ら変更を加えることなく、廉価かつ簡便に製造することができる。
さらに、この2層構造の溶射膜33から粗密な溶射膜31を切削や研削等により取り除くか、あるいは3層構造の溶射膜42から粗密な溶射膜31及び低密度の溶射膜41を切削や研削等により取り除くことにより、独立した1枚の溶射膜である緻密な溶射膜32を容易に得ることができる。
以下、実施例1〜11及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す溶射膜形成装置を用いて、実施例1の溶射膜を作製した。
まず、基板として、外径130mm、内径90mm、厚み4mmのリング状カーボン(日本炭素工業株式会社製)を、溶射膜の原料として市販の粒径が45μm以下の酸化イットリウム顆粒(日本イットリウム株式会社製)及び粒径が500μm以下の金属イットリウム(日本イットリウム株式会社製)を、それぞれ用意し、この酸化イットリウム顆粒に金属イットリウムを、この金属イットリウムの含有率が3体積%となるように混合し、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物を作製した。
次いで、上記の酸化イットリウム顆粒を粉末供給器14に充填し、上記のリング状カーボンをチャンバ1内の基板ホルダ2上の所定位置に配置した。
次いで、真空ポンプ(図示略)によりチャンバ1内を排気し、チャンバ1内が1kPa以下になったことを確認した後に、アルゴンガス源17からアルゴンガスをトーチ11内に導入した。そして、高周波電源20からワークコイル19に高周波電流を通電してトーチ11内にプラズマを点火させ、トーチ11及びチャンバ1内に熱プラズマ5を発生させた。
次いで、プラズマガス源16から、アルゴンガス80L/分、水素ガス10L/分をトーチ11及びチャンバ1内に供給し、このトーチ11及びチャンバ1内の圧力を徐々に上げ、40kPa(約300Torr)の圧力とした。
同時に、プレート電力を15kVAまで上げ、トーチ11及びチャンバ1内に発生させた熱プラズマ5を、基板ホルダ2上のリング状カーボンに当てて加熱した。ここでは、基板ホルダ2を、X軸方向(図1中の紙面に垂直な方向)の45mm〜65mm間を水平方向に往復移動させながら、55rpmの回転速度で回転させた。
次いで、熱電対7(リング状カーボンからの距離が10mm)でモニタリングしているリング状カーボンの表面温度が約660℃にまで上昇したら、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12から熱プラズマ5中に酸化イットリウム顆粒を2.7g/分にて供給し、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒をリング状カーボンの表面上に4.5分間溶射した。この溶射におけるプレート電力は低い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒は溶融が不十分な状態のままリング状カーボンの表面に堆積された。これにより、リング状カーボンの表面に、このリング状カーボンとの密着性が悪く、密度が理論密度の75%と低い粗密な溶射膜が形成された。
次いで、酸化イットリウム顆粒を2.7g/分にて供給しながら、プレート電力を1分毎に1kVAずつ上げて30kVAとした。このとき、粗密な溶射膜の温度は約800℃まで上昇した。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給を停止し、上記の酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物を粉末供給器14に充填した。
次いで、この酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の供給を開始し、この供給量を5分間かけて0g/分から2.7g/分に調整した。
次いで、プレート電力を1分毎に2kVAずつ段階的に上げて、40kVAとし、同時に酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の熱プラズマ5中への供給量を1分毎に0.06gずつ増加させ、この混合物の供給量を3.0g/分とし、この状態を100分間保持した。
この状態でのプレート電力は高い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物は十分に溶融され、酸化イットリウム及び金属イットリウムの溶融物が粗密な溶射膜上に堆積された。これにより、粗密な溶射膜の表面に、密度が理論密度の96.8%と高い緻密な溶射膜が形成された。
次いで、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の供給を停止し、プレート電力を5分毎に2kVAずつ下げて、緻密な溶射膜を徐冷した。この緻密な溶射膜の表面温度を熱電対7によりモニタリングしつつ、この表面温度が約850℃になったところで、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12からトーチ11及びチャンバ1内に水蒸気を含んだガスを供給し、緻密な溶射膜の表面の酸化を行った。この緻密な溶射膜の表面温度が約300℃になったところで、リング状カーボンと溶射膜との熱膨張率の違いから溶射膜はリング状カーボンから剥離した。
次いで、熱プラズマ5を消し、緻密な溶射膜の表面温度が室温(25℃)にまで下がったときにチャンバ1内を大気開放し、溶射膜とリング状カーボンを取り出した。
以上のプロセスにより、Y膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が積層された2層構造の自立体である溶射膜が得られた。
図4は、この溶射膜の断面構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像であり、樹脂中に埋め込んだ溶射膜をダイヤモンドカッターにより切断して得られた断面である。
さらに、このY膜及びY−Y膜が積層された2層構造の自立体である溶射膜から20mm×20mm×2mmの大きさの試験片を切り出し、この試験片の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
図5は、この試験片のY−Y膜の表面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像であり、Y粒子(図中白色部分)の周囲の粒界(図中黒色部分)にイットリウムが偏析し、ネットワーク構造を形成していることが分かる。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、表面抵抗、体積抵抗を表1に示す。
(実施例2)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を4体積%とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例2の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、表面抵抗、体積抵抗を表1に示す。
(実施例3)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を8体積%とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例3の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、表面抵抗、体積抵抗を表1に示す。
(実施例4)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を10体積%とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例4の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、表面抵抗、体積抵抗を表1に示す。
(実施例5)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を12体積%とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例5の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、表面抵抗、体積抵抗を表1に示す。
(実施例6)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を13体積%とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例6の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、表面抵抗、体積抵抗を表1に示す。
表1によれば、イットリウムの含有率が4体積%未満であると、体積抵抗が高く、十分な電気伝導性が発現せず、一方、イットリウムの含有率が12体積%を超えると、相対密度が90%より低くなることが分かった。
(実施例7)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を4体積%とし、さらに、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の熱プラズマ5中への供給量を3.0g/分とした後に、チャンバ1内及びトーチ11内の圧力を5分毎に5kPa下げて30kPa(約218Torr)とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例7の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、体積抵抗を表2に示す。
(実施例8)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を8体積%とし、さらに、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の熱プラズマ5中への供給量を3.0g/分とした後に、チャンバ1内及びトーチ11内の圧力を5分毎に5kPa下げて30kPa(約218Torr)とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例8の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、体積抵抗を表2に示す。
(実施例9)
酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物中の金属イットリウムの含有率を12体積%とし、さらに、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の熱プラズマ5中への供給量を3.0g/分とした後に、チャンバ1内及びトーチ11内の圧力を5分毎に5kPa下げて30kPa(約218Torr)とした以外は、実施例1に準じてリング状カーボンの表面にY膜(粗密な溶射膜)及びY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された実施例9の試料を作製した。
この試料の金属イットリウムの添加量、緻密な溶射膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、体積抵抗を表2に示す。
表2と表1とを比較すると、イットリウムの含有率が等しい場合であっても、溶射時の圧力が低くなるほど、体積抵抗が低下することが分かった。
(実施例10)
基板として、外径260mm、内径200mm、厚み12mmのリング状カーボン(日本炭素工業株式会社製)を、溶射膜の原料として市販の粒径が38μm以上かつ63μm以下の酸化イットリウム顆粒(日本イットリウム株式会社製)及び粒径が500μm以下の金属アルミニウム(昭和アルミニウム株式会社製)を、それぞれ用意し、この酸化イットリウム顆粒に金属アルミニウムを、この金属アルミニウムの含有率が6体積%となるように混合し、酸化イットリウム及び金属アルミニウムの混合物を作製した。
次いで、上記の酸化イットリウム顆粒を粉末供給器14に充填し、上記のリング状カーボンをチャンバ1内の基板ホルダ2上の所定位置に配置した。
次いで、真空ポンプ(図示略)によりチャンバ1内を排気し、チャンバ1内が1kPa以下になったことを確認した後に、アルゴンガス源17からアルゴンガスをトーチ11内に導入した。そして、高周波電源20からワークコイル19に高周波電流を通電してトーチ11内にプラズマを点火させ、トーチ11及びチャンバ1内に熱プラズマ5を発生させた。
次いで、プラズマガス源16から、アルゴンガス80L/分、水素ガス10L/分をトーチ11及びチャンバ1内に供給し、このトーチ11及びチャンバ1内の圧力を徐々に上げ、40kPa(約300Torr)の圧力とした。
同時に、プレート電力を15kVAまで上げ、トーチ11及びチャンバ1内に発生させた熱プラズマ5を、基板ホルダ2上のリング状カーボンに当てて加熱した。ここでは、基板ホルダ2を、X軸方向(図1中の紙面に垂直な方向)の100mm〜130mm間を水平方向に往復移動させながら、120rpmの回転速度で回転させた。
次いで、熱電対7(リング状カーボンからの距離が20mm)でモニタリングしているリング状カーボンの表面温度が約660℃にまで上昇したら、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12から熱プラズマ5中に酸化イットリウム顆粒を6.0g/分にて供給し、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒をリング状カーボンの表面上に3分間溶射した。この溶射におけるプレート電力は低い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒は溶融が不十分な状態のままリング状カーボンの表面に堆積された。これにより、リング状カーボンの表面に、このリング状カーボンとの密着性が悪く、密度が理論密度の85%と低い粗密な溶射膜が形成された。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給量を1分毎に0.45gずつ増加させながら7.6g/分にまで上げ、プレート電力を1分毎に1kVAずつ上げて20kVAとし、次いで、酸化イットリウム顆粒の供給量を7.6g/分に維持しながら、プレート電力を1分毎に1kVAずつ上げて30kVAとした。粗密な溶射膜とこの過程により溶射膜の厚みは0.7mm増加した。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給を停止し、上記の酸化イットリウム及び金属アルミニウムの混合物を粉末供給器14に充填した。
次いで、この酸化イットリウム及び金属アルミニウムの混合物の熱プラズマ5への供給を開始し、この供給量を5分間かけて0g/分から4.2g/分に調整した。
次いで、プレート電力を1分毎に2kVAずつ段階的に上げて40kVAとし、同時にチャンバ1内の圧力を1分毎に2kPaずつ段階的に下げて30kPa(約218Torr)の圧力とした。このとき、熱電対7で測定したリング状カーボンの表面温度は1010℃まで上昇していた。その後、この状態を180分間保持した。
この状態でのプレート電力は高い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム及び金属アルミニウムの混合物は十分に溶融され、酸化イットリウム及び金属アルミニウムの溶融物が粗密な溶射膜上に堆積された。これにより、粗密な溶射膜の表面に、厚みが4.5mmの緻密な溶射膜が形成された。
次いで、酸化イットリウム及び金属アルミニウムの混合物の供給を停止し、プレート電力を10分毎に1kVAずつ下げて、緻密な溶射膜を徐冷した。この緻密な溶射膜の表面温度を熱電対7によりモニタリングしつつ、この表面温度が約750℃になったところで、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12からトーチ11及びチャンバ1内に水蒸気を含んだガスを供給し、緻密な溶射膜の表面の酸化を行った。この緻密な溶射膜の表面温度が約650℃になったところで、リング状カーボンと溶射膜との熱膨張率の違いから溶射膜はリング状カーボンから剥離した。
次いで、熱プラズマ5を消し、緻密な溶射膜の表面温度が室温(25℃)にまで下がったときにチャンバ1内を大気開放し、溶射膜とリング状カーボンを取り出した。
以上のプロセスにより、Y膜(粗密な溶射膜)及びY−Al膜(緻密な溶射膜)が積層された2層構造の自立体である溶射膜が得られた。
次いで、この溶射膜の下面を1mmの厚みで研削してY膜を取り除き、厚み4.2mmのY−Al膜からなる実施例10のリング状試料を得た。
このリング試料の金属アルミニウムの添加量、Y−Al膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、体積抵抗を表3に示す。
表3によれば、金属アルミニウムにおいても、金属イットリウムと同等の特性を有することが分かった。
(実施例11)
基板として、外径260mm、内径200mm、厚み12mmのリング状カーボン(日本炭素工業株式会社製)を、溶射膜の原料として市販の粒径が38μm以上かつ63μm以下の酸化イットリウム顆粒(日本イットリウム株式会社製)及び粒径が500μm以下の金属イットリウム(日本イットリウム株式会社製)を、それぞれ用意し、この酸化イットリウム顆粒に金属イットリウムを、この金属イットリウムの含有率が6体積%となるように混合し、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物を作製した。
次いで、上記の酸化イットリウム顆粒を粉末供給器14に充填し、上記のリング状カーボンをチャンバ1内の基板ホルダ2上の所定位置に配置した。
次いで、真空ポンプ(図示略)によりチャンバ1内を排気し、チャンバ1内が1kPa以下になったことを確認した後に、アルゴンガス源17からアルゴンガスをトーチ11内に導入した。そして、高周波電源20からワークコイル19に高周波電流を通電してトーチ11内にプラズマを点火させ、トーチ11及びチャンバ1内に熱プラズマ5を発生させた。
次いで、プラズマガス源16から、アルゴンガス80L/分、水素ガス10L/分をトーチ11及びチャンバ1内に供給し、このトーチ11及びチャンバ1内の圧力を徐々に上げ、40kPa(約300Torr)の圧力とした。
同時に、プレート電力を15kVAまで上げ、トーチ11及びチャンバ1内に発生させた熱プラズマ5を、基板ホルダ2上のリング状カーボンに当てて加熱した。ここでは、基板ホルダ2を、X軸方向(図1中の紙面に垂直な方向)の100mm〜130mm間を水平方向に往復移動させながら、120rpmの回転速度で回転させた。
次いで、熱電対7(リング状カーボンからの距離が20mm)でモニタリングしているリング状カーボンの表面温度が約660℃にまで上昇したら、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12から熱プラズマ5中に酸化イットリウム顆粒を6.0g/分にて供給し、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒をリング状カーボンの表面上に3分間溶射した。この溶射におけるプレート電力は低い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒は溶融が不十分な状態のままリング状カーボンの表面に堆積された。これにより、リング状カーボンの表面に、このリング状カーボンとの密着性が悪く、密度が理論密度の85%と低い粗密な溶射膜が形成された。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給量を1分毎に0.45gずつ増加させながら7.6g/分にまで上げ、プレート電力を1分毎に1kVAずつ上げて20kVAとし、次いで、酸化イットリウム顆粒の供給量を7.6g/分に維持しながら、プレート電力を1分毎に1kVAずつ上げて30kVAとした。粗密な溶射膜とこの過程により溶射膜の厚みは約0.7mm増加した。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給を停止し、上記の酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物を粉末供給器14に充填した。
次いで、この酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の熱プラズマ5への供給を開始し、この供給量を5分間かけて0g/分から4.2g/分に調整した。
次いで、プレート電力を1分毎に1kVAずつ段階的に上げて40kVAとし、同時にチャンバ1内の圧力を1分毎に2kPaずつ段階的に下げて30kPa(約218Torr)の圧力とした。このとき、熱電対7で測定したリング状カーボンの表面温度は1010℃まで上昇していた。その後、この状態を180分間保持した。
この状態でのプレート電力は高い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物は十分に溶融され、酸化イットリウム及び金属イットリウムの溶融物が粗密な溶射膜上に堆積された。これにより、粗密な溶射膜の表面に、厚みが約4.5mmのY−Y膜(緻密な溶射膜)が形成された。
次いで、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の供給を続けながら、プレート電力を1分毎に1kVAずつ段階的に下げて30kVAとし、同時にチャンバ1内の圧力を1分毎に1kPaずつ段階的に上げて40kPa(約300Torr)の圧力とした。
次いで、酸化イットリウム及び金属イットリウムの混合物の供給を停止し、上記の酸化イットリウム顆粒を粉末供給器14に充填した。
次いで、この酸化イットリウム顆粒の熱プラズマ5への供給を開始し、この供給量を5分間かけて0g/分から4.6g/分に調整した。
次いで、プレート電力を1分毎に0.5kVAずつ段階的に下げて20kVAとした。このとき、熱電対7で測定した緻密な溶射膜の表面温度は700℃であった。次いで、この状態にて45分間溶射を行った。これにより、溶射膜の厚みは約1.0mm増加した。
この溶射におけるプレート電力は低い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒は溶融が不十分な状態のまま緻密な溶射膜上に堆積された。よって、密度が理論密度の89%程度のY膜(低密度の溶射膜)が形成された。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給を停止し、プレート電力を10分毎に1kVAずつ段階的に下げて、この低密度の溶射膜の表面温度を熱電対7によりモニタリングしつつ、この表面温度が約750℃になったところで、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12からトーチ11及びチャンバ1内に水蒸気を含んだガスを供給し、この低密度の溶射膜の表面の酸化を行った。この低密度の溶射膜の表面温度が約650℃になったところで、リング状カーボンと溶射膜との熱膨張率の違いから溶射膜はリング状カーボンから剥離した。
次いで、熱プラズマ5を消し、低密度の溶射膜の表面温度が室温(25℃)にまで下がったときにチャンバ1内を大気開放し、溶射膜とリング状カーボンを取り出した。
以上のプロセスにより、Y膜(粗密な溶射膜)、Y−Y膜(緻密な溶射膜)及びY膜(低密度の溶射膜)が積層された3層構造の自立体である溶射膜が得られた。
次いで、この溶射膜の両面をそれぞれ1mmの厚みで研削して両面それぞれのY膜を取り除き、厚み4.2mmのY−Y膜(緻密な溶射膜)からなる実施例11のリング状試料を得た。
このリング試料の金属イットリウムの添加量、Y−Y膜の理論密度に対する密度(相対密度:%)、体積抵抗を表4に示す。
さらに、このY膜(粗密な溶射膜)、Y−Y膜(緻密な溶射膜)及びY膜(低密度の溶射膜)が積層された3層構造の自立体である溶射膜から20mm×20mm×2mmの大きさの試験片を切り出し、この試験片の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、Y粒子の周囲の粒界層にイットリウムが偏析し、ネットワーク構造を形成していることが分かった。
(比較例)
基板として、外径130mm、内径90mm、厚み4mmのリング状カーボン(日本炭素工業株式会社製)を、溶射膜の原料として市販の粒径が38μm以上かつ63μm以下の酸化イットリウム顆粒(日本イットリウム株式会社製)を、それぞれ用意した。
次いで、上記の酸化イットリウム顆粒を粉末供給器14に充填し、上記のリング状カーボンをチャンバ1内の基板ホルダ2上の所定位置に配置した。
次いで、真空ポンプ(図示略)によりチャンバ1内を排気し、チャンバ1内が1kPa以下になったことを確認した後に、アルゴンガス源17からアルゴンガスをトーチ11内に導入した。そして、高周波電源20からワークコイル19に高周波電流を通電してトーチ11内にプラズマを点火させ、トーチ11及びチャンバ1内に熱プラズマ5を発生させた。
次いで、プラズマガス源16から、アルゴンガス80L/分、水素ガス10L/分をトーチ11及びチャンバ1内に供給し、このトーチ11及びチャンバ1内の圧力を徐々に上げ、40kPa(約300Torr)の圧力とした。
同時に、プレート電力を15kVAまで上げ、トーチ11及びチャンバ1内に発生させた熱プラズマ5を、基板ホルダ2上のリング状カーボンに当てて加熱した。ここでは、基板ホルダ2を、X軸方向(図1中の紙面に垂直な方向)の45mm〜65mm間を水平方向に往復移動させながら、55rpmの回転速度で回転させた。
次いで、プレート電力をさらに上げて40kVAとし、熱プラズマ5によりリング状カーボンを加熱した。このリング状カーボンの表面温度は約900℃になった。
次いで、アルゴンガスをキャリアガスとして、プローブ12から熱プラズマ5中に酸化イットリウム顆粒を3.7g/分にて供給し、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒をリング状カーボンの表面上に85分間溶射した。この溶射におけるプレート電力は高い状態であるから、熱プラズマ5中を通過した酸化イットリウム顆粒は十分に溶融した状態となり、したがって、リング状カーボンの表面には緻密な溶射膜が形成された。
次いで、酸化イットリウム顆粒の供給を停止し、プレート電力を5分毎に1kVAずつ段階的に下げて、この緻密な溶射膜及びリング状カーボンの温度を徐々に下げた。その後、熱プラズマ5を消し、この緻密な溶射膜及びリング状カーボンの温度が室温(25℃)にまで下がったときにチャンバ1内を大気開放し、溶射膜とリング状カーボンを取り出した。
この溶射膜の表面には多数のクラックが生じていたが、この溶射膜とリング状カーボンとの接合が強く、この溶射膜をリング状カーボンから剥離することは容易ではなかった。
また、この溶射膜及びリング状カーボンをチャンバ1内から取り出した際に腐食臭を感じたが、この腐食臭は、溶射膜とリング状カーボンとの界面付近に生成していると考えられるイットリウムカーバイドが大気中の水分と反応し、アセチレンとイットリアが生成したものと考えられる。
本発明の溶射膜は、酸化イットリウムと、導電性物質とを含有したことにより、この酸化イットリウムのハロゲン系腐食性ガス及びこれらのプラズマに対する耐食性を保持したまま、さらに導電性を付与することができたものであるから、半導体製造装置内の構成部材としてはもちろんのこと、エッチング電極、静電チャック用誘電材等、半導体製造装置以外の耐食性及び導電性が同時に要求される様々な部材に適用可能であり、その有用性は非常に大きいものである。
1 チャンバ
2 基板ホルダ
3 プラズマトーチ
4 基板
5 熱プラズマ
6 断熱板
7 熱電対
31 粗密な溶射膜
32 緻密な溶射膜
33 2層構造の溶射膜
41 低密度の溶射膜
42 3層構造の溶射膜

Claims (7)

  1. 導電性物質を4.0体積%以上かつ12.0体積%以下含有し、残部を酸化イットリウム及び不可避不純物としたことを特徴とする溶射膜。
  2. 前記導電性物質が粒界に偏析して網目状構造を形成していることを特徴とする請求項1記載の溶射膜。
  3. 前記導電性物質は、イットリウム、ケイ素、アルミニウムの群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の溶射膜。
  4. 酸化イットリウムをアルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第1の熱プラズマにより加熱してその一部を溶融し、この一部が溶融した酸化イットリウムを基板上に堆積させて粗密な溶射膜を形成し、
    次いで、酸化イットリウムと導電性物質とを含む混合物を、アルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第2の熱プラズマにより加熱して溶融し、この酸化イットリウムと導電性物質との溶融物を前記粗密な溶射膜上に堆積させて緻密な溶射膜を形成し、
    次いで、この緻密な溶射膜から前記粗密な溶射膜及び前記基板を除去することを特徴とする溶射膜の製造方法。
  5. 前記緻密な溶射膜上に、酸化イットリウムをアルゴン及び水素を含む混合ガスからなる第3の熱プラズマにより加熱してその一部が溶融した酸化イットリウムを堆積させて前記粗密な溶射膜より低密度の溶射膜を形成し、
    次いで、前記緻密な溶射膜から、前記低密度の溶射膜、前記粗密な溶射膜及び前記基板を除去することを特徴とする請求項4記載の溶射膜の製造方法。
  6. 前記第1及び第2の熱プラズマ、前記第3の熱プラズマ、のうちいずれか一方または双方の圧力は、13kPa以上かつ100kPa以下であることを特徴とする請求項4または5記載の溶射膜の製造方法。
  7. 前記除去の際に水蒸気を含むガスを導入することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項記載の溶射膜の製造方法。
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