JP2010259219A - 電源システムおよびそれを備えた電動車両ならびに電源システムの制御方法 - Google Patents

電源システムおよびそれを備えた電動車両ならびに電源システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】上アームオン制御の実行時に蓄電装置間に意図しない短絡が発生するのを防止する。
【解決手段】コンバータECUは、要求パワーが規定値よりも小さいとき(S10にてYES)、第1および第2蓄電装置の電圧の高低を判定する電圧判定処理を実行し(S20)、その判定結果に基づいて、第1および第2コンバータの一方を停止させ他方のコンバータの上アームをオンに固定する上アームオン制御を実行する(S30)。ここで、コンバータECUは、電流IL1,IL2の極性が互いに異なっていると判定すると(S40にてYES)、蓄電装置間で短絡が発生していると判断し、上アームオン制御を不実施として通常制御を実行する(S50)。
【選択図】図5

Description

この発明は、電源システムおよびそれを備えた電動車両ならびに電源システムの制御方法に関し、特に、複数の蓄電装置と複数のコンバータとを備えた電源システムにおいて蓄電装置間の短絡を防止する技術に関する。
特開2008−61487号公報(特許文献1)は、複数の蓄電装置を備えた電源システムを開示する。この電源システムにおいては、第1および第2のコンバータならびに電力線を介して第1および第2の蓄電装置間で電力を授受することにより第1および第2の蓄電装置を昇温する昇温制御の実行時、たとえば第1の蓄電装置の電圧が上限値を超えると、第1のコンバータの昇圧率を高める方向に第1のコンバータのデューティー指令が補正される。一方、第1の蓄電装置の電圧が下限値を下回ると、第1のコンバータの昇圧率を低める方向に第1のコンバータのデューティー指令が補正される。
この電源システムによれば、蓄電装置の電圧が上下限値を外れることを防止できるので、蓄電装置を保護しつつ昇温することができる(特許文献1参照)。
特開2008−61487号公報 特開2008−109840号公報 特開2007−295782号公報
上記の公報に開示される電源システムでは、第1および第2の蓄電装置間で電力を意図的に授受することにより第1および第2の蓄電装置を昇温する。一方、上記のような複数のコンバータを備える電源システムにおいて損失を抑制するために、相対的に電圧が低い方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの上アームを導通状態に制御する上アームオン制御が知られている。しかしながら、この上アームオン制御を実行するに際し、蓄電装置間の電圧の高低が誤判定されると、停止されたコンバータに対応する蓄電装置からその停止されたコンバータの上アームのダイオードを介して電流が流れることにより、蓄電装置間に意図しない短絡が発生する。
そこで、この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、上アームオン制御の実行時に蓄電装置間に意図しない短絡が発生するのを防止可能な電源システムおよびそれを備えた電動車両を提供することである。
また、この発明の別の目的は、上アームオン制御の実行時に蓄電装置間に意図しない短絡が発生するのを防止可能な電源システムの制御方法を提供することである。
この発明によれば、電源システムは、第1および第2の蓄電装置と、第1および第2のコンバータと、制御装置とを備える。第1および第2のコンバータは、電気負荷と電力を授受するための電力線と第1および第2の蓄電装置との間にそれぞれ設けられ、各コンバータは、第1および第2の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と電力線との間で電圧変換可能に構成される。制御装置は、第1および第2のコンバータを制御する。各コンバータは、対応の蓄電装置の正極と電力線の正極線との間に接続される上アームを有する直流チョッパ回路を含む。上アームは、制御装置によってオン/オフされる電力用スイッチング素子と、電力用スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードとを含む。制御装置は、電圧判定部と、制御部と、短絡判定部とを含む。電圧判定部は、第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を判定する。制御部は、電気負荷の要求パワーが規定値よりも小さいとき、電圧判定部により電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの電力用スイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御を実行する。短絡判定部は、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2の蓄電装置間で電力線を介して短絡が発生するか否かを判定し、短絡が発生すると判定されると、上アームオン制御を不実施とする。
この発明においては、電気負荷の要求パワーが規定値よりも小さいとき、電圧判定部により電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの電力用スイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御が実行される。ここで、第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を電圧判定部が誤判定すると、上アームオン制御の実行時、停止されたコンバータに対応する蓄電装置からその停止されたコンバータの上アームのダイオードを介して電流が流れることにより、第1および第2の蓄電装置間に意図しない短絡が発生するところ、この発明においては、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2の蓄電装置間で電力線を介して短絡が発生するか否かが判定され、短絡が発生すると判定されると上アームオン制御が不実施とされる。したがって、この発明によれば、上アームオン制御の実行時に第1および第2の蓄電装置間に意図しない短絡が発生するのを防止することができる。
好ましくは、短絡判定部は、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電流の極性に基づいて、短絡の発生有無を判定する。
また、好ましくは、短絡判定部は、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電力に基づいて、短絡の発生有無を判定する。
好ましくは、第1のコンバータは、電力線の電圧を目標値に一致させるように制御される。第2のコンバータは、第2の蓄電装置の入出力電流を目標値に一致させるように制御される。電圧判定部は、電力線の電圧を低下させたときの第2のコンバータの通電状態に基づいて、第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を判定する。
また、この発明によれば、電動車両は、上述したいずれかの電源システムと、電源システムから電力の供給を受けて車両駆動力を発生する電動機とを備える。
また、この発明によれば、制御方法は、電源システムの制御方法である。電源システムは、第1および第2の蓄電装置と、第1および第2のコンバータとを含む。第1および第2のコンバータは、電気負荷と電力を授受するための電力線と第1および第2の蓄電装置との間にそれぞれ設けられ、各コンバータは、第1および第2の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と電力線との間で電圧変換可能に構成される。各コンバータは、対応の蓄電装置の正極と電力線の正極線との間に接続される上アームを有する直流チョッパ回路を含む。上アームは、電力用スイッチング素子と、電力用スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードとを含む。そして、制御方法は、第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を判定するステップと、電気負荷の要求パワーが規定値よりも小さいとき、第1および第2の蓄電装置のうち電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの電力用スイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御を実行するステップと、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2の蓄電装置間で電力線を介して短絡が発生するか否かを判定するステップと、短絡が発生すると判定されると上アームオン制御を不実施とするステップとを備える。
好ましくは、短絡が発生するか否かを判定するステップにおいて、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電流の極性に基づいて、短絡の発生有無が判定される。
また、好ましくは、短絡が発生するか否かを判定するステップにおいて、第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電力に基づいて、短絡の発生有無が判定される。
好ましくは、第1のコンバータは、電力線の電圧を目標値に一致させるように制御される。第2のコンバータは、第2の蓄電装置の入出力電流を目標値に一致させるように制御される。そして、電圧の高低を判定するステップにおいて、電力線の電圧を低下させたときの第2のコンバータの通電状態に基づいて、第1および第2の蓄電装置の電圧の高低が判定される。
この発明によれば、相対的に電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの電力用スイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御の実行時、第1および第2の蓄電装置間に意図しない短絡が発生するのを防止することができる。
この発明の実施の形態1による電動車両の全体ブロック図である。 図1に示す第1および第2コンバータの概略構成図である。 図1に示すコンバータECUの機能ブロック図である。 図3に示すコンバータECUの通常制御部の機能ブロック図である。 図1に示すコンバータECUにより実行される制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。 図5に示すステップS30において実行される上アームオン制御の手順を示すフローチャートである。 実施の形態2におけるコンバータECUにより実行される制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3におけるコンバータECUの機能ブロック図である。 図8に示す電圧判定部による判定実行時の電圧および電流の変化を示した図である。 実施の形態3におけるコンバータECUにより実行される電圧判定の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の全体ブロック図である。図1を参照して、電動車両100は、電源システム1と、駆動力発生部3とを備える。駆動力発生部3は、第1および第2インバータ30−1,30−2と、第1および第2MG(Motor Generator)34−1,34−2と、動力伝達装置36と、駆動軸38と、駆動ECU(Electronic Control Unit)32とを含む。
第1および第2インバータ30−1,30−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに並列接続される。そして、第1および第2インバータ30−1,30−2は、電源システム1から供給される駆動電力(直流電力)を交流電力に変換してそれぞれ第1および第2MG34−1,34−2へ出力する。また、第1および第2インバータ30−1,30−2は、それぞれ第1および第2MG34−1,34−2が発電する交流電力を直流電力に変換して回生電力として電源システム1へ出力する。
なお、各インバータは、たとえば、三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路から成る。そして、第1および第2インバータ30−1,30−2は、それぞれ駆動ECU32からの駆動信号PWI1,PWI2に応じてスイッチング動作を行なうことにより、対応のMGを駆動する。
第1および第2MG34−1,34−2は、それぞれ第1および第2インバータ30−1,30−2から供給される交流電力を受けて回転駆動力を発生する。また、第1および第2MG34−1,34−2は、外部からの回転力を受けて交流電力を発電する。たとえば、第1および第2MG34−1,34−2は、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流回転電機から成る。そして、第1および第2MG34−1,34−2は、動力伝達装置36と連結され、動力伝達装置36にさらに連結される駆動軸38を介して回転駆動力が車輪(図示せず)へ伝達される。
なお、駆動力発生部3がハイブリッド車両に適用される場合には、第1および第2MG34−1,34−2は、動力伝達装置36または駆動軸38を介してエンジン(図示せず)にも連結される。そして、駆動ECU32によって、エンジンの発生する駆動力と第1および第2MG34−1,34−2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御が実行される。このようなハイブリッド車両に適用される場合には、第1および第2MG34−1,34−2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のMGを専ら発電機として機能させてもよい。
駆動ECU32は、図示されない各センサから送信される信号、走行状況およびアクセル開度などに基づいて車両の要求パワーPsを算出し、その算出した要求パワーPsに基づいて第1および第2MG34−1,34−2のトルク目標値および回転数目標値を算出する。そして、駆動ECU32は、第1および第2MG34−1,34−2の発生トルクおよび回転数が目標値となるように駆動信号PWI1,PWI2を生成し、その生成した駆動信号PWI1,PWI2をそれぞれ第1および第2インバータ30−1,30−2へ出力して第1および第2インバータ30−1,30−2を制御する。また、駆動ECU32は、算出した要求パワーPsを電源システム1のコンバータECU2(後述)へ出力する。
一方、電源システム1は、第1および第2蓄電装置6−1,6−2と、第1および第2コンバータ8−1,8−2と、平滑コンデンサCと、コンバータECU2と、電流センサ10−1,10−2と、電圧センサ12−1,12−2,18とを含む。
第1および第2蓄電装置6−1,6−2は、再充電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池から成る。第1蓄電装置6−1は、正極線PL1および負極線NL1を介して第1コンバータ8−1に接続され、第2蓄電装置6−2は、正極線PL2および負極線NL2を介して第2コンバータ8−2に接続される。なお、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の少なくとも一方をキャパシタで構成してもよい。
第1コンバータ8−1は、第1蓄電装置6−1と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間に設けられ、コンバータECU2からの駆動信号PWC1に基づいて、第1蓄電装置6−1と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。第2コンバータ8−2は、第2蓄電装置6−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間に設けられ、コンバータECU2からの駆動信号PWC2に基づいて、第2蓄電装置6−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。なお、第1コンバータ8−1は、コンバータECU2から停止信号SDN1を受けると動作を停止(シャットダウン)し、第2コンバータ8−2も、コンバータECU2から停止信号SDN2を受けると動作を停止(シャットダウン)する。
平滑コンデンサCは、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、主正母線MPLおよび主負母線MNLに含まれる電力変動成分を低減する。電圧センサ18は、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の電圧VHを検出し、その検出値をコンバータECU2へ出力する。
電流センサ10−1,10−2は、第1蓄電装置6−1に対して入出力される電流IL1および第2蓄電装置6−2に対して入出力される電流IL2をそれぞれ検出し、その検出値をコンバータECU2へ出力する。なお、電流センサ10−1,10−2は、対応の蓄電装置から出力される電流(放電電流)を正値として検出し、対応の蓄電装置に入力される電流(充電電流)を負値として検出する。なお、図では、電流センサ10−1,10−2がそれぞれ正極線PL1,PL2の電流を検出する場合が示されているが、電流センサ10−1,10−2は、それぞれ負極線NL1,NL2の電流を検出してもよい。電圧センサ12−1,12−2は、第1蓄電装置6−1の電圧VL1および第2蓄電装置6−2の電圧VL2をそれぞれ検出し、その検出値をコンバータECU2へ出力する。
コンバータECU2は、電流センサ10−1,10−2および電圧センサ12−1,12−2,18からの各検出値、ならびに駆動ECU32からの要求パワーPsに基づいて、第1および第2コンバータ8−1,8−2をそれぞれ駆動するための駆動信号PWC1,PWC2を生成する。そして、コンバータECU2は、その生成した駆動信号PWC1,PWC2をそれぞれ第1および第2コンバータ8−1,8−2へ出力し、第1および第2コンバータ8−1,8−2を制御する。また、コンバータECU2は、第1コンバータ8−1を停止させるとき、停止信号SDN1を生成して第1コンバータ8−1へ出力し、第2コンバータ8−2を停止させるとき、停止信号SDN2を生成して第2コンバータ8−2へ出力する。
図2は、図1に示した第1および第2コンバータ8−1,8−2の概略構成図である。なお、各コンバータの構成および動作は同様であるので、以下では第1コンバータ8−1の構成および動作について説明する。図2を参照して、第1コンバータ8−1は、チョッパ回路40−1と、正母線LN1Aと、負母線LN1Cと、配線LN1Bと、平滑コンデンサC1とを含む。チョッパ回路40−1は、電力用スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する。)Q1A,Q1Bと、ダイオードD1A,D1Bと、インダクタL1とを含む。
正母線LN1Aは、一方端がスイッチング素子Q1Bのコレクタに接続され、他方端が主正母線MPLに接続される。負母線LN1Cは、一方端が負極線NL1に接続され、他方端が主負母線MNLに接続される。
スイッチング素子Q1A,Q1Bは、負母線LN1Cと正母線LN1Aとの間に直列に接続される。具体的には、スイッチング素子Q1Aのエミッタが負母線LN1Cに接続され、スイッチング素子Q1Bのコレクタが正母線LN1Aに接続される。ダイオードD1A,D1Bは、それぞれスイッチング素子Q1A,Q1Bに逆並列に接続される。インダクタL1は、スイッチング素子Q1A,Q1Bの接続ノードと配線LN1Bとの間に接続される。
配線LN1Bは、一方端が正極線PL1に接続され、他方端がインダクタL1に接続される。平滑コンデンサC1は、配線LN1Bと負母線LN1Cとの間に接続され、配線LN1Bおよび負母線LN1C間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。
チョッパ回路40−1は、コンバータECU2(図1)からの駆動信号PWC1に応じて、第1蓄電装置6−1(図1)と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で直流電圧変換を行なう。駆動信号PWC1は、下アームを構成するスイッチング素子Q1Aのオン/オフを制御する駆動信号PWC1Aと、上アームを構成するスイッチング素子Q1Bのオン/オフを制御する駆動信号PWC1Bとを含む。そして、一定のデューティーサイクル(オン期間およびオフ期間の和)内でのスイッチング素子Q1A,Q1Bのデューティー比(オン/オフ期間比率)がコンバータECU2によって制御される。
スイッチング素子Q1Aのオンデューティーが大きくなるようにスイッチング素子Q1A,Q1Bが制御されると(スイッチング素子Q1A,Q1Bはデッドタイム期間を除いて相補的にオン/オフ制御されるので、スイッチング素子Q1Bのオンデューティーは小さくなる。)、第1蓄電装置6−1からインダクタL1に流れるポンプ電流量が増大し、インダクタL1に蓄積される電磁エネルギーが大きくなる。その結果、スイッチング素子Q1Aがオン状態からオフ状態に遷移したタイミングでインダクタL1からダイオードD1Bを介して主正母線MPLへ放出される電流量が増大し、主正母線MPLの電圧が上昇する。
一方、スイッチング素子Q1Bのオンデューティーが大きくなるようにスイッチング素子Q1A,Q1Bが制御されると(スイッチング素子Q1Aのオンデューティーは小さくなる。)、主正母線MPLからスイッチング素子Q1BおよびインダクタL1を介して蓄電装置6−1へ流れる電流量が増大するので、主正母線MPLの電圧は下降する。
このように、スイッチング素子Q1A,Q1Bのデューティー比を制御することによって、主正母線MPLの電圧を制御することができるとともに、第1蓄電装置6−1と主正母線MPLとの間に流す電流(電力)の方向および電流量(電力量)を制御することができる。
図3は、図1に示したコンバータECU2の機能ブロック図である。図3を参照して、コンバータECU2は、通常制御部52と、電圧判定部54と、上アームオン制御部56と、短絡判定部58とを含む。通常制御部52は、駆動ECU32から受ける車両の要求パワーPs、電圧センサ18からの電圧VHおよび電圧センサ12−1からの電圧VL1に基づいて、第1コンバータ8−1のスイッチング素子Q1A,Q1Bをオン/オフするためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、その生成したPWM信号を駆動信号PWC1として第1コンバータ8−1へ出力する。
また、通常制御部52は、要求パワーPs、電流センサ10−2からの電流IL2、電圧VHおよび電圧センサ12−2からの電圧VL2に基づいて、第2コンバータ8−2のスイッチング素子Q2A,Q2Bをオン/オフするためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を駆動信号PWC2として第2コンバータ8−2へ出力する。ここで、通常制御部52は、上アームオン制御部56により上アームオン制御が実行されることを示す、上アームオン制御部56からの信号CTLが活性化されると、第1および第2コンバータ8−1,8−2へ駆動信号PWC1,PWC2を出力するのを停止する。
電圧判定部54は、電圧センサ12−1,12−2によって検出される電圧VL1,VL2に基づいて第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を判定し、その判定結果を上アームオン制御部56へ出力する。
上アームオン制御部56は、車両の要求パワーPsが規定値よりも小さいとき、電圧判定部54により電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの上アームのスイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御を実行する。そして、上アームオン制御部56は、電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止するための停止信号SDN1またはSDN2を生成してそのコンバータへ出力し、他方のコンバータの上アームのスイッチング素子をオンに固定するための駆動信号PWC1またはPWC2を生成してその他方のコンバータへ出力する。
この上アームオン制御は、電源システム1の損失を抑制するために実施されるものであり、要求パワーPsが規定値よりも小さいとき、上アームオン制御を実施することにより、第1および第2コンバータ8−1,8−2の双方を動作させる通常制御を行なうよりも電源システム1の損失を抑制することができる。なお、上アームオン制御部56は、上アームオン制御の実行中、通常制御部52へ出力される信号CTLを活性化する。
また、上アームオン制御部56は、上アームオン制御の実行時、後述の短絡判定部58へ動作指令を出力し、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生するとの判定結果を短絡判定部58から受けると、上アームオン制御を不実施とする。なお、上アームオン制御の実行が不実施とされると、上アームオン制御部56は、通常制御部52へ出力される信号CTLを非活性化する。
短絡判定部58は、電流センサ10−1,10−2によってそれぞれ検出される電流IL1,IL2に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生するか否かを判定する。具体的には、短絡判定部58は、電流IL1が正値であり、かつ、電流IL2が負値のとき、または電流IL1が負値であり、かつ、電流IL2が正値のとき、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生しているものと判定する。そして、短絡判定部58は、その判定結果を上アームオン制御部56へ出力する。
図4は、図3に示したコンバータECU2の通常制御部52の機能ブロック図である。図4を参照して、通常制御部52は、目標値設定部60と、減算部62−1,62−2,66−1,66−2と、PI制御部64−1,64−2と、変調部68−1,68−2とを含む。
目標値設定部60は、駆動ECU32から受ける要求パワーPsに基づいて、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の電圧VHの目標値を示す電圧指令値VRを算出する。また、目標値設定部60は、要求パワーPsに基づいて、電流制御される第2コンバータ8−2の電流指令値IRを算出する。たとえば、要求パワーPsを第1および第2蓄電装置6−1,6−2で均等に負担する場合、目標値設定部60は、要求パワーPsの1/2を第2蓄電装置6−2の電圧VL2で割った値を電流指令値IRとして算出する。
減算部62−1は、電圧指令値VRから電圧VHの検出値を減算し、その演算結果をPI制御部64−1へ出力する。PI制御部64−1は、電圧指令値VRと電圧VHとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部66−1へ出力する。減算部66−1は、電圧VL1/電圧指令値VRで示される第1コンバータ8−1の理論昇圧比の逆数からPI制御部64−1の出力を減算し、その演算結果をデューティー指令Ton1として変調部68−1へ出力する。なお、この減算部66−1における入力項(VL1/VR)は、第1コンバータ8−1の理論昇圧比に基づくフィードフォワード補償項である。変調部68−1は、デューティー指令Ton1と図示されない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいて駆動信号PWC1を生成し、その生成した駆動信号PWC1を第1コンバータ8−1のスイッチング素子Q1A,Q1Bへ出力する。
これにより、第1コンバータ8−1は、電圧VHを電圧指令値VRに一致させるように制御される(電圧制御)。
一方、減算部62−2は、電流指令値IRから電流IL2の検出値を減算し、その演算結果をPI制御部64−2へ出力する。PI制御部64−2は、電流指令値IRと電流IL2との偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部66−2へ出力する。減算部66−2は、電圧VL2/電圧指令値VRで示される第2コンバータ8−2の理論昇圧比の逆数からPI制御部64−2の出力を減算し、その演算結果をデューティー指令Ton2として変調部68−2へ出力する。なお、この減算部66−2における入力項(VL2/VR)は、第2コンバータ8−2の理論昇圧比に基づくフィードフォワード補償項である。変調部68−2は、デューティー指令Ton2と図示されない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいて駆動信号PWC2を生成し、その生成した駆動信号PWC2を第2コンバータ8−2のスイッチング素子Q2A,Q2Bへ出力する。
これにより、第2コンバータ8−2は、電流IL2を電流指令値IRに一致させるように制御される(電流制御または電力制御)。
図5は、図1に示したコンバータECU2により実行される制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図5を参照して、コンバータECU2は、駆動ECU32から受ける要求パワーPsが規定値よりも小さいか否かを判定する(ステップS10)。なお、この規定値は、たとえば、第1および第2コンバータ8−1,8−2の双方を動作させたとき(通常制御)の損失と、第1および第2コンバータ8−1,8−2の一方を停止させ他方のコンバータの上アームをオンに固定したとき(上アームオン制御)の損失との大小関係に基づいて予め決定される。要求パワーPsが規定値以上であると判定されると(ステップS10においてYES)、コンバータECU2は、ステップS50(後述)へ処理を進める。
ステップS10において要求パワーPsが規定値よりも小さいと判定されると(ステップS10においてYES)、コンバータECU2は、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を判定する電圧判定処理を実行する(ステップS20)。この実施の形態1では、電圧センサ12−1,12−2からの電圧VL1,VL2の検出値に基づいて電圧判定処理が実行される。
そして、コンバータECU2は、電圧判定処理の判定結果に基づいて、第1および第2コンバータ8−1,8−2の一方を停止させ他方のコンバータの上アームをオンに固定する上アームオン制御を実行する(ステップS30)。上アームオン制御の具体的な処理手順については後述する。
次いで、コンバータECU2は、電流IL1,IL2に基づいて、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生するか否かを判定する。具体的には、コンバータECU2は、電流IL1が正値であり、かつ、電流IL2が負値であるか、または電流IL1が負値であり、かつ、電流IL2が正値であるかを判定する(ステップS40)。そして、電流IL1が正値であり、かつ、電流IL2が負値であるか、または電流IL1が負値であり、かつ、電流IL2が正値であるかと判定されると(ステップS40においてYES)、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生していると判断され、コンバータECU2は、上アームオン制御を不実施とし、図3に示した通常制御部52による通常制御を実行する(ステップS50)。なお、ステップS40において、電流IL1が正値であり、かつ、電流IL2が負値である状態ではなく、さらに電流IL1が負値であり、かつ、電流IL2が正値である状態でもないと判定されると(ステップS40においてNO)、コンバータECU2は、ステップS60へ処理を移行する。
図6は、図5に示したステップS30において実行される上アームオン制御の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、図5に示したステップS30の処理から呼出されて実行される。
図6を参照して、コンバータECU2は、第1蓄電装置6−1の電圧を示す電圧VL1が、第2蓄電装置6−2の電圧を示す電圧VL2よりも高いか否かを判定する(ステップS110)。電圧VL1が電圧VL2よりも高いと判定されると(ステップS110においてYES)、コンバータECU2は、第2コンバータ8−2へ停止信号SDN2を出力することによって第2コンバータ8−2を停止(シャットダウン)させ(ステップS120)、第1コンバータ8−1の上アームのスイッチング素子Q1Bをオンに固定するための駆動信号PWC1を第1コンバータ8−1へ出力する(ステップS130)。
一方、ステップS110において電圧VL1が電圧VL2以下であると判定されると(ステップS110においてNO)、コンバータECU2は、第1コンバータ8−1へ停止信号SDN1を出力することによって第1コンバータ8−1を停止(シャットダウン)させ(ステップS140)、第2コンバータ8−2の上アームのスイッチング素子Q2Bをオンに固定するための駆動信号PWC2を第2コンバータ8−2へ出力する(ステップS150)。
以上のように、この実施の形態1においては、車両の要求パワーPsが規定値よりも小さいとき、電圧判定部54により電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの上アームをオンに固定する上アームオン制御が実行される。ここで、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を電圧判定部54が誤判定すると、上アームオン制御の実行時、停止されたコンバータに対応する蓄電装置からその停止されたコンバータの上アームのダイオードを介して電流が流れることにより、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間に意図しない短絡が発生し得る。そこで、この実施の形態1においては、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の各々の入出力電流の極性に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生するか否かが判定され、短絡が発生すると判定されると上アームオン制御が不実施とされる。したがって、この実施の形態1によれば、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間に意図しない短絡が発生するのを防止することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、電流IL1,IL2に基づいて、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生しているか否かが判定されたが、この実施の形態2では、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の各々の入出力電力に基づいて、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生しているか否かが判定される。
再び図3を参照して、この実施の形態2においては、コンバータECU2の短絡判定部58は、電流センサ10−1,10−2によってそれぞれ検出される電流IL1,IL2および電圧センサ12−1,12−2によってそれぞれ検出される電圧VL1,VL2に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生しているか否かを判定する。具体的には、短絡判定部58は、|VL1×IL1|+|VL2×IL2|>VL1×IL1+VL2×IL2が成立するとき、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生しているものと判定する。すなわち、非短絡時であれば、|VL1×IL1|+|VL2×IL2|の値とVL1×IL1+VL2×IL2の値とは同じであるところ、短絡時は、VL1×IL1の符号(極性)とVL2×IL2の符合とが異なるために|VL1×IL1|+|VL2×IL2|の値がVL1×IL1+VL2×IL2の値よりも大きくなることを用いて、短絡の判定が行なわれる。
図7は、実施の形態2におけるコンバータECU2により実行される制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図7を参照して、このフローチャートは、図5に示されるフローチャートにおいて、ステップS40に代えてステップS45を含む。すなわち、ステップS30において上アームオン制御が実行されると、コンバータECU2は、|VL1×IL1|+|VL2×IL2|>VL1×IL1+VL2×IL2が成立するか否かを判定する(ステップS45)。そして、|VL1×IL1|+|VL2×IL2|>VL1×IL1+VL2×IL2が成立すると判定されると(ステップS45においてYES)、第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生していると判断され、ステップS50へ処理が移行される。すなわち、上アームオン制御が不実施とされ、図3に示した通常制御部52による通常制御が実行される。一方、ステップS45において、|VL1×IL1|+|VL2×IL2|>VL1×IL1+VL2×IL2は成立しないと判定されると(ステップS45においてNO)、ステップS60へ処理が移行される。
以上のように、この実施の形態2においては、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の各々の入出力電力(VL1×IL1,VL2×IL2)に基づいて、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間で短絡が発生するか否かが判定され、短絡が発生すると判定されると上アームオン制御が不実施とされる。したがって、この実施の形態2によっても、上アームオン制御の実行時に第1および第2蓄電装置6−1,6−2間に意図しない短絡が発生するのを防止することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1,2では、電圧センサ12−1,12−2の検出値に基づいて第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低が判定される。しかしながら、蓄電装置の入出力の変動が大きい場合、蓄電装置の内部抵抗の影響により電圧センサ12−1,12−2の電圧検出値が大きく変動するので、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を誤判定する可能性が高くなる。そこで、この実施の形態3では、電圧センサ12−1,12−2を用いずに第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を判定する手法が示される。具体的には、この実施の形態3では、電圧指令値VRを操作することにより電圧VHを電圧VL1,VL2のレベルまで低下させ、電流制御される第2コンバータ8−2の通電状態に基づいて第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低が判定される。
図8は、実施の形態3におけるコンバータECUの機能ブロック図である。図8を参照して、この実施の形態3におけるコンバータECU2Aは、図3に示したコンバータECU2の構成において、電圧判定部54に代えて電圧判定部54Aを含む。
電圧判定部54Aは、電圧センサ18から電圧VHの検出値を受け、電流センサ10−2から電流IL2の検出値を受ける。そして、電圧判定部54Aは、その受けた電圧VHおよび電流IL2の各検出値に基づいて、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を判定し、その判定結果を上アームオン制御部56へ出力する。
図9は、図8に示した電圧判定部54Aによる判定実行時の電圧VHおよび電流IL2の変化を示した図である。図9を参照して、電圧指令値VRを操作することにより電圧VHが電圧VL1,VL2のレベルまで低下させられる。電圧VL2の方が電圧VL1よりも高い場合、時刻t1において電圧VHが電圧VL2まで低下した後、電圧VHをさらに低下させようとして電圧指令値VRをさらに低下させると、第2コンバータ8−2の上アームのダイオードD2B(図2)を介して制御不可能な電流が流れ、電流指令値IRに対して電流IL2が上昇する(電圧VHは、電圧指令値VRが電圧VL2よりも低くなっているにも拘わらず、電圧VL2よりは低下しない。)。
一方、特に図示しないが、電圧VL1の方が電圧VL2よりも高い場合には、電圧VHが電圧VL1まで低下した後、電圧VHをさらに低下させようとして電圧指令値VRをさらに低下させても、第1コンバータ8−1の上アームのダイオードD1B(図2)により電圧VHは電圧VL1よりも低下せず、したがって、第2コンバータ8−2の上アームのダイオードD2Bを介して制御不可能な電流が流れることはないので、図9に示したような電流IL2の振れは発生しない。
したがって、電圧指令値VRを操作して電圧VL1,VL2のレベルまで電圧VHを低下させたとき、電流指令値IRに対して所定の偏差を有するしきい値Ithを電流IL2が超えるか否かによって、電圧VL1,VL2の高低を判定することができる。すなわち、電圧指令値VRを操作して電圧VL1,VL2のレベルまで電圧VHを低下させた場合、電流IL2がしきい値Ithを超えるまで変動したときは電圧VL2の方が電圧VL1よりも高いと判定することができ、電流IL2の変動が見られないときは電圧VL1の方が電圧VL2よりも高い場合と判定することができる。
図10は、実施の形態3におけるコンバータECU2Aにより実行される電圧判定の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図10を参照して、コンバータECU2Aは、電圧VHの目標を示す電圧指令値VRを第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧レベルまで一定レートで低下させる(ステップS210)。そして、予め定められた一定時間が経過すると(ステップS220においてYES)、コンバータECU2Aは、電流偏差(=IL2−IR)の最大値がしきい値ΔIth(図9)よりも大きいか否かを判定する(ステップS230)。
電流偏差の最大値がしきい値ΔIthよりも小さいと判定されると(ステップS230においてYES)、コンバータECU2Aは、電圧VL1の方が電圧VL2よりも高いと判定する(ステップS240)。一方、ステップS230において、電流偏差の最大値がしきい値ΔIthよりも大きいと判定されると(ステップS230においてNO)、コンバータECU2Aは、電圧VL2の方が電圧VL1よりも高いと判定する(ステップS250)。
以上のように、この実施の形態3によれば、第1および第2蓄電装置6−1,6−2の電圧の高低を誤判定する可能性が低くなるので、上アームオン制御が不実施となる頻度を抑制することができる。その結果、上アームオン制御が適切に実施されることにより、電源システム1の損失が抑制される。
なお、上記において、主正母線MPLおよび主負母線MNLは、この発明における「電力線」を形成し、コンバータECU2,2Aは、この発明における「制御装置」に対応する。また、上アームオン制御部56は、この発明における「制御部」に対応し、第1および第2MG34−1,34−2の少なくとも一方は、この発明における「電動機」に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電源システム、2,2A コンバータECU、3 駆動力発生部、6−1,6−2 蓄電装置、8−1,8−2 コンバータ、10−1,10−2 電流センサ、12−1,12−2,18 電圧センサ、30−1,30−2 インバータ、32 駆動ECU、34−1,34−2 MG、36 動力伝達装置、38 駆動輪、40−1,40−2 チョッパ回路、52 通常制御部、54,54A 電圧判定部、56 上アームオン制御部、58 短絡判定部、60 目標値設定部、62−1,62−2,66−1,66−2 減算部、64−1,64−2 PI制御部、68−1,68−2 変調部、100 PL1,PL2 正極線、NL1,NL2 負極線、MPL 主正母線、MNL 主負母線、C,C1,C2 平滑コンデンサ、LN1A,LN2A 正母線、LN1C,LN2C 負母線、LN1B,LN2B 配線、Q1A,Q1B,Q2A,Q2B スイッチング素子、D1A,D1B,D2A,D2B ダイオード、L1,L2 インダクタ。

Claims (9)

  1. 第1および第2の蓄電装置と、
    電気負荷と電力を授受するための電力線と前記第1および第2の蓄電装置との間にそれぞれ設けられ、各々が、前記第1および第2の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と前記電力線との間で電圧変換可能に構成された第1および第2のコンバータと、
    前記第1および第2のコンバータを制御する制御装置とを備え、
    前記第1および第2のコンバータの各々は、対応の蓄電装置の正極と前記電力線の正極線との間に接続される上アームを有する直流チョッパ回路を含み、
    前記上アームは、
    前記制御装置によってオン/オフされる電力用スイッチング素子と、
    前記電力用スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードとを含み、
    前記制御装置は、
    前記第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を判定する電圧判定部と、
    前記電気負荷の要求パワーが規定値よりも小さいとき、前記電圧判定部により電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの前記電力用スイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御を実行する制御部と、
    前記第1および第2の蓄電装置の各々における入出力に基づいて、前記上アームオン制御の実行時に前記第1および第2の蓄電装置間で前記電力線を介して短絡が発生するか否かを判定し、前記短絡が発生すると判定されると、前記上アームオン制御を不実施とする短絡判定部とを含む、電源システム。
  2. 前記短絡判定部は、前記第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電流の極性に基づいて、前記短絡の発生有無を判定する、請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記短絡判定部は、前記第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電力に基づいて、前記短絡の発生有無を判定する、請求項1に記載の電源システム。
  4. 前記第1のコンバータは、前記電力線の電圧を目標値に一致させるように制御され、
    前記第2のコンバータは、前記第2の蓄電装置の入出力電流を目標値に一致させるように制御され、
    前記電圧判定部は、前記電力線の電圧を低下させたときの前記第2のコンバータの通電状態に基づいて、前記第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を判定する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電源システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電源システムと、
    前記電源システムから電力の供給を受けて車両駆動力を発生する電動機とを備える電動車両。
  6. 電源システムの制御方法であって、
    前記電源システムは、
    第1および第2の蓄電装置と、
    電気負荷と電力を授受するための電力線と前記第1および第2の蓄電装置との間にそれぞれ設けられ、各々が、前記第1および第2の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と前記電力線との間で電圧変換可能に構成された第1および第2のコンバータとを含み、
    前記第1および第2のコンバータの各々は、対応の蓄電装置の正極と前記電力線の正極線との間に接続される上アームを有する直流チョッパ回路を含み、
    前記上アームは、
    電力用スイッチング素子と、
    前記電力用スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードとを含み、
    前記制御方法は、
    前記第1および第2の蓄電装置の電圧の高低を判定するステップと、
    前記電気負荷の要求パワーが規定値よりも小さいとき、前記第1および第2の蓄電装置のうち電圧が低いと判定された方の蓄電装置に対応するコンバータを停止し、かつ、他方のコンバータの前記電力用スイッチング素子をオンに固定する上アームオン制御を実行するステップと、
    前記第1および第2の蓄電装置の各々における入出力に基づいて、前記上アームオン制御の実行時に前記第1および第2の蓄電装置間で前記電力線を介して短絡が発生するか否かを判定するステップと、
    前記短絡が発生すると判定されると、前記上アームオン制御を不実施とするステップとを備える、電源システムの制御方法。
  7. 前記短絡が発生するか否かを判定するステップにおいて、前記第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電流の極性に基づいて、前記短絡の発生有無が判定される、請求項6に記載の電源システムの制御方法。
  8. 前記短絡が発生するか否かを判定するステップにおいて、前記第1および第2の蓄電装置の各々における入出力電力に基づいて、前記短絡の発生有無が判定される、請求項6に記載の電源システムの制御方法。
  9. 前記第1のコンバータは、前記電力線の電圧を目標値に一致させるように制御され、
    前記第2のコンバータは、前記第2の蓄電装置の入出力電流を目標値に一致させるように制御され、
    前記電圧の高低を判定するステップにおいて、前記電力線の電圧を低下させたときの前記第2のコンバータの通電状態に基づいて、前記第1および第2の蓄電装置の電圧の高低が判定される、請求項6から請求項8のいずれかに記載の電源システムの制御方法。
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