以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
<画像形成装置例(デジタル複写装置)>
図1は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムの一実施例を適用したデジタル複写装置の正面概略構成図である。
図1に示すように、デジタル複写装置1は、給紙部100、プリンタ部200、及びスキャナ部300が順次重ねられた構成となっており、スキャナ部300の上には、原稿自動搬送装置(以下、ADFという。)400が搭載されている。
プリンタ部(画像形成手段)200は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kからなる画像形成ユニット210、光書き込みユニット230、中間転写ユニット240、2次転写部250、レジストローラ対260、ベルト定着方式の定着ユニット270及び用紙反転ユニット280等を備えている。
光書き込みユニット230は、後述するように、各色の画像データに基づいて変調させたレーザのビーム束を、各色のプロセスカートリッジの感光体211Y、211C、211M、211Kの表面に照射して、該感光体上に各色の画像の静電潜像を形成する。
また、各プロセスカートリッジは、ドラム状の各感光体、帯電器212Y、212C、212M、212K、現像器213Y、213C、213M、213Kを備えているとともに、ドラムクリーニング装置、除電器等を備えている。
上記各帯電器は、交流電圧が印加される帯電ローラを各感光体に摺擦させることで、ドラム表面を一様に帯電させる。なお、帯電処理の施された各感光体の表面には、光書き込みユニット230によって各色の画像データに基づいて変調及び偏向されたレーザのビーム束が照射され、各感光体のドラム表面に、各色用の静電潜像が形成される。
各プロセスカートリッジは、静電潜像の形成された各色の感光体に各現像器から各色のトナーを供給して、該静電潜像を現像して、各色のトナー画像を形成させる。
各感光体上に形成したトナー画像は、中間転写ベルトに中間転写され、中間転写後の各感光体の表面に残留する転写残トナーは、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされる。また、クリーニングされた各感光体は、回転に伴って、除電器(番号省略)によって除電され、帯電器によって一様に帯電されて、初期状態に戻って、再度画像形成に供される。
デジタル複写装置1は、プリンタ部200内の給紙路203あるいは手差し給紙路207に給紙された転写紙を、レジストローラ対260、2次転写ニップを経由させて搬送して、カラートナー画像を2次転写させ、定着ユニット270でトナー画像を定着させた後、機外へと排出する。
定着ユニット270を通過した転写紙は、図1の排紙ローラ対201を経て機外へと排出されてスタック部209にスタックされるか、あるいは、定着ユニット270の下方に配設された用紙反転ユニット280に送られる。
<光書き込みユニット>
次に、光書き込みユニット230について説明する。図2は、光書き込みユニットの斜視図である。図2に示すように、光書き込みユニット230は、レーザのビーム束源としてのLD(Laser Diode:半導体レーザ)アレイ231、コリメートレンズ232、アパーチャ233、シリンドリカルレンズ234、ポリゴンミラー235、ポリゴンミラー235の面倒れを補正するWTL(バレルトロイダルレンズ:面倒れ補正用レンズ)236、折返しミラー237、防塵ガラス238及び同期検知センサ239等を備えている。
LDアレイ231は、各発光源としての複数のLDから出射されたレーザビームを感光体211(感光体211は、感光体211Y、211C、211M、211Kを代表したものを示している。)に照射する。
なお、光書き込みユニット230は、図2に示す光走査系を、各色YMCKに対応してそれぞれ備えており、各色用のLDアレイ231が、各色の画像データに基づいて変調されたレーザ束を対応する各感光体211に照射する。
LDアレイ231は、複数の発光源としてのLDが、例えば、副走査方向に並んで配設されたものであってもよい。LDアレイ231から出射されたレーザビームは、コリメートレンズ232、アパーチャ233及びシリンドリカルレンズ234を通過して、所定形状のレーザビームに整形されて、ポリゴンミラー235に照射される。
ポリゴンミラー235は、所定の高速回転速度で連続回転し、入射されるレーザビームを、折返しミラー237方向に反射(偏向)して、主走査方向(感光体ドラムの軸方向)に繰り返し移動走査する。ポリゴンミラー235で反射されたレーザビームは、面倒れ補正用レンズで面倒れ補正が行なわれた後、折返しミラー237に入射され、折返しミラー237で角度を変えられて、感光体211の表面に所定ビーム径でスポット状に結像される。
また、ポリゴンミラー235で反射され感光体211上に主走査される直前のレーザビームは、感光体211の表面に対する主走査書き込み領域外(所定主走査幅の外)の主走査始点側に設けられた同期検知センサ239に入射される。
同期検知センサ239は、入射されるレーザビームを検知して、同期検知信号を生成して書き込み制御部1300に出力する。
次に、第1実施例について説明する。図3は、第1実施例に係るデジタル複写装置の要部回路ブロック構成図である。図3に示すように、デジタル複写装置1は、スキャナ部300のデータ処理を行う読み取り処理部1100と、画像処理部1200と、プリンタ部200のデータ処理を行う書き込み制御部1300と、光源制御部1400等を備えており、さらに、デジタル複写装置1の全体を制御する制御部1500等を備えている。
読み取り処理部1100は、CCDの光電変換したアナログの画像データに対してサンプリング処理、A/D(アナログ/デジタル)変換処理、及び読み取りデータがばらつく現象を補正するシェーディング補正等の処理を施して、画像処理部1200に出力する。
画像処理部1200は、画像の変倍処理、回転処理、及びエッジ処理等の画質補正処理を施した後、多値画像データ(例えば、4ビットの16値)に変換して書き込み制御部1300に出力する。
制御部1500は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)等を備えており、CPUが、ROM内のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして利用しつつ、デジタル複写装置1の各部を制御して、デジタル複写装置1全体の動作を制御する。デジタル複写装置1のハードウェア構成については後述する。
書き込み制御部1300は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が用いられており、プリンタ画像処理部1310と、発光データ生成部1320と、画素クロック制御部1330等が機能構成されている。
なお、読み取り処理部1100と、画像処理部1200とが、ASICで構成されていても良いが、読み取り処理部1100、画像処理部1200がそれぞれ異なるASICで構成されていてもよく、1つのASICで構成されていても良い。1つのASICで読み取り処理部1100と、画像処理部1200と、書き込み処理部1300とが構成されている場合には、各機能の実行において、相互に他の機能部を利用したり、ハードウェア構成を利用したりすることができる。
プリンタ画像処理部1310は、状態変換部1311と、注目画素コード出力部1312と、イメージマトリクス1313と、ルックアップテーブル1314−1等を備えている。
画素クロック制御部1330は、書き込み制御部1300内での画像データの処理動作タイミングとなる画素クロックを生成して必要な各部に出力し、この画素クロックの周波数は、その周期が1画素の主走査周期と一致している。
図3に示す画像処理部1200から出力される多値画像データ(入力多値画素データ)は、プリンタ画像処理部1310の注目画素コード出力部1312と状態変換部1311に入力される。
状態変換部(状態変換手段)1311は、制御部1500から設定される白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)に基づいて、入力される多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態値に振り分けてイメージマトリクス1313に出力する。
状態変換部1311は、例えば、4ビット16値(0〜15)の濃度値を有する多値画像データを、2ビット4値のデータに変換する。状態変換部1311は、入力される多値画像データを、例えば4ビット16値の場合、データ値が大きいほど、トナー積載量が多くなる画像データとして判断する。
図4は、白閾値と黒閾値の設定例及び3状態変換例を示す図である。図4に示すように、トナー積載量が無い状態であるとする無色閾値(以下、説明を簡略化するために、白閾値という。)が「1」、トナー積載量が最大の状態であるとする最大色閾値(以下、説明を簡略化するために、黒閾値という。)を「14」であるとする。
状態変換部1311は、入力される多値画像データが、「14」以上のデータ値のときには、その画素は、最大色画素と判断して、例えば、(1,1)の黒状態値(最大色状態値)に変換して、イメージマトリクス1313に出力する。
また、状態変換部1311は、入力される多値画像データが、「1」以下のデータ値のときには、その画素は、色無し画素と判断して、例えば、(0,0)の白状態値(色無し状態値)に変換して、イメージマトリクス1313に出力する。
また、状態変換部1311は、入力される多値画像データが、「2」から「13」までの間のデータ値のときには、中間調であると判断して、例えば、(0,1)または(1,0)の中間調状態値に変換して、イメージマトリクス1313に出力する。
なお、以下の説明では、適宜、色無し画素(トナー積載量のない画素)を、白画素、色無しを白といい、また、最大色画素(トナー積載量の多い画素)を、黒画素、最大色を黒色というが、特に限定しない限り、白画素は色無し画素を、白色は色無しを意味し、黒画素は最大色画素を、黒色は、最大色を意味する。
イメージマトリクス1313は、少なくとも、副走査方向において出力対象である注目画素を含む1画素、主走査方向において注目画素を中心として前後の隣接画素を含む3画素の主走査方向3画素以上で1ライン以上の画素ウィンドウ(マトリクス)を生成する。
イメージマトリクス1313は、生成した画素ウィンドウに、状態変換部1311からの画素毎の状態値を配列してルックアップテーブル1314−1に出力する。イメージマトリクス1313のウィンドウ生成方法は、既存の方法を用いることができる。
イメージマトリクス1313は、例えば、3画素1ラインの画素ウィンドウの場合、3ライン分のフリップフロップを用意して、画素クロック制御部1330からの画素クロックに基づいて1画素ずつ遅延させた主走査方向3画素の状態値の配列された画素ウィンドウを生成する。
イメージマトリクス1313は、上述のように、少なくとも、副走査方向1画素、主走査方向3画素のウィンドウを構築すればよいが、ウィンドウサイズは、副走査方向1画素、主走査方向3画素に限るものではなく、このサイズよりも大きくても良い。
この場合、イメージマトリクス1313は、読み取り処理部1100や画像処理部1200等で利用するマトリクス、例えば、エッジ強調処理用のマトリクスを併用してもよい。このような他の処理との間での処理機能の併用は、該他の処理部、例えば、画像処理部1200と、読み取り処理部1100と、書き込み制御部1300とを1つのASICを用いて構築する場合に容易に行うことができる。
ルックアップテーブル1314−1(第1の参照ルックアップテーブル決定手段)は、イメージマトリクス1313から入力される画素ウィンドウにおける状態値の配列状態に基づいてルックアップテーブル1314−1の参照LUT(参照ルックアップテーブル)を決定して、該決定した参照LUTのデータ値を注目画素コード出力部1312に出力する。
ここで、図5は、3×1の画素ウィンドウにおける各状態値に対する参照LUTを決定するルックアップテーブルの一例を示す図である。図5に示すように、ルックアップテーブル1314−1は、例えば、状態値の配列状態(主走査方向3画素の状態値)と該状態値の配列状態における参照すべき参照LUTを対応させたテーブルである。
ルックアップテーブル1314−1は、イメージマトリクス1313の画素ウィンドウにおける状態値の配列状態(画素の状態値の並び)に応じて、該入力画像データ(入力画素データ)のデータ値を修正する参照LUTを決定する。
具体的には、図5に示すルックアップテーブル1314−1は、イメージマトリクス1313が、3画素×1画素の画素マトリクスである場合の各状態値の配列状態に対する参照LUTを決定するルックアップテーブルである。
図5に示すように、3画素×1画素の画素マトリクスの状態値の配列状態が「○○●」のように、白画素から黒画素へ変化する画素列の先端白画素が注目画素である場合、参照LUTとして先端白画素用LUTが設定される。
同様に、状態値の配列状態が「○●●」のように白画素から黒画素へ変化する画素列の先端黒画素が注目画素である場合、参照LUTとして先端黒画素用LUTが設定される。
また、状態値の配列状態が「●○○」のように黒画素から白画素へと変化する画素列の後端白画素が注目画素である場合、参照LUTとして後端白画素用LUTが設定され、状態値の配列状態が「●●○」のように黒画素から白画素へと変化する画素列の後端黒画素が注目画素である場合、参照LUTとして後端黒画素用LUTが設定される。
また、状態値の配列状態が「●○●」のように黒画素、白画素、黒画素へと変化する画素列の孤立白画素が注目画素である場合、参照LUTとして孤立白画素用LUTが設定され、状態値の配列状態が「○●○」のように白画素、黒画素、白画素へと変化する画素列の孤立黒画素が注目画素である場合、参照LUTとして孤立黒画素用LUTが設定される。
また、状態値の配列状態が「×−−」、「−×−」、「−−×」(−は、任意の画素、×は、中間調画素)のように画素ウィンドウ内の画素列の状態値に中間調画素を有する場合、又は「●●●」、「○○○」のように黒画素のみ、白画素のみの場合には、入力多値画像データをそのまま出力多値画像データとする「処理なし」が設定されている。
ここで、図6は、縦ライン太らせ処理用と細らせ処理用の参照LUT群の一例を示す図である。図6に示すように、ルックアップテーブル1314−1は、参照先として設定されている参照LUT群の各参照LUT(黒孤立LUT、黒先端LUT、黒後端LUT、白孤立LUT、白先端LUT、白後端LUT)のデータ値が、縦ラインを太らせる処理(縦ライン太らせ処理)用と縦ラインを細らせる処理(縦ライン細らせ処理)用のそれぞれについて設定されている。
この参照LUTのデータ値は、制御部1500によって適宜設定することができる。また、図6においては、黒孤立LUTは、太らせ処理用に「15」、細らせ処理用に「11」、黒先端LUTは、太らせ処理用に「15」、細らせ処理用に「12」、黒後端LUTは、太らせ処理用に「15」、細らせ処理用に「13」、白孤立LUTは、太らせ処理用に「0」、細らせ処理用に「0」、白先端LUTは、太らせ処理用に「0」、細らせ処理用に「0」、白後端LUTは、太らせ処理用に「4」、細らせ処理用に「0」の画素データ値がそれぞれ設定されている。
なお、通常、縦ライン太らせ処理用の参照LUT群と縦ライン細らせ処理用の参照LUT群のいずれかがルックアップテーブル1314−1を搭載するデジタル複写装置1の特性に合わせて設定される。
例えば、デジタル複写装置1において、同じ太さの縦線と横線の画像データが、実際に画像形成されて転写紙に印刷出力された場合の縦線の画像と横線の画像を比較すると、縦線が太い場合には、横線に合わせて細くする修正処理を行う必要がある。また、逆に、縦線が細い場合には、横線に合わせて太くする修正処理を行う必要がある。
したがって、縦線を細く修正する縦ライン細らせ処理の場合には、ルックアップテーブル1314−1の参照LUT群として、例えば、図6の縦ライン細らせ処理用の参照データ値に示されるように、縦線を細く修正するデータ値が登録されている。
また、縦線を太く修正する縦ライン太らせ処理の場合には、ルックアップテーブル1314−1の参照LUT群として、例えば、図6の縦ライン太らせ処理用の参照データ値に示されるように、縦線を太く修正するデータ値が登録されている。
デジタル複写装置1は、上述のように、状態変換部1311の白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)及びルックアップテーブル1314−1の参照LUTのデータ値が適宜設定可能である。そこで、デジタル複写装置1は、ドット画像を主走査方向において細らせる場合、すなわち、縦ラインを細らせる縦ライン細らせ処理を行う場合には、無色参照用データ値≦白閾値<最大色参照用データ値≦黒閾値、の関係になるように、そのデータ値と閾値を設定する。
また、デジタル複写装置1は、ドット画像を主走査方向において太らせる場合、すなわち、縦ラインを太らせる縦ライン太らせ処理を行う場合には、白閾値≦無色参照用データ値<黒閾値≦最大色参照用データ値、の関係になるように、そのデータ値と閾値を設定する。
なお、縦線の修正においては、単純に細くしたり、太くするだけでは、隣接間画素で矛盾が発生して、画質を劣化させてしまうおそれがある。例えば、線のエッジ部分や孤立線については、上述のように単純に縦線を細めたり太めたりすることができるが、写真画像のようにエッジ部分に中間調を有する画像の場合には、単純に縦線を細めたり太めたりすると、画質が劣化するおそれがある。
そこで、図5に示すように、ルックアップテーブル1314−1には、画素ウィンドウの状態値に中間調が含まれているときには、入力される元の多値画像データ(多値画素データ)を出力多値画素データとする「処理なし」が参照LUTとして設定されている。
このように、デジタル複写装置1は、実際の画像出力状態によって、そのデータ値である参照LUTとして適切な参照LUTを設定する必要がある。そこで、ルックアップテーブル1314−1は、上述のように、制御部1500によってその参照LUTを適宜設定することができるとともに、参照LUTのデータ値を適宜設定することができる構成となっている。また、ルックアップテーブル1314は、参照LUTを内蔵した第1の参照ルックアップテーブル決定手段として機能している。
注目画素コード出力部(出力データ生成手段)1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力画像データと、ルックアップテーブル1314−1からの画像データ(データ値)のうち、ルックアップテーブル1314−1からの指示に応じて、一方を出力用多値画像データとして決定する。また、注目画素コード出力部1312は、該決定した多値画素データを発光データ生成部1320に出力する。
発光データ生成部1320は、プリンタ画像処理部1310の注目画素コード出力部1312からの多値画素データに基づいてLDアレイ231を点灯消灯制御する光源点灯信号及び光量制御する光源発光量制御信号を生成して、光源制御部1400に出力する。
光源制御部1400は、書き込み制御部1300の発光データ制御部1320からの光源点灯信号と光源発光量制御信号に基づいて、LDアレイ231の点灯/消灯を制御するとともに、その発光光量を制御する。
<デジタル複写装置1のハードウェア構成>
ここで、デジタル複写装置1のハードウェア構成例について説明する。図7は、デジタル複写装置のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態のデジタル複写装置1は、例えばコピー機能、スキャン機能、FAX機能、印刷機能等の複数の機能を有する複合機である。
デジタル複写装置1は、それぞれバスBで相互に接続されているスキャン装置1501、プロッタ装置1502、ドライブ装置1503、補助記憶装置1504、メモリ装置1505、演算処理装置1506、インターフェース装置1507、操作パネル1508で構成される。
スキャン装置1501は、スキャナエンジンと、スキャナエンジンを制御するエンジン制御部等から構成されており、紙原稿を画像データとするために用いられる。プロッタ装置1502は、プロッタエンジンとプロッタエンジンを制御するエンジン制御部等から構成され、画像データを出力するために用いられる。
インターフェース装置1507は、モデム、LANカード等で構成されており、ネットワークに接続する為に用いられる。
デジタル複写装置1は、インターフェース装置1507を介してネットワーク上の他の装置との情報の送受信を行う。操作パネル1508は、タッチパネル等で構成され、デジタル複写装置1の操作キーや処理の進捗状況等が表示される。
本発明の画像形成プログラムは、デジタル複写装置1を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。画像形成プログラムは、例えば記録媒体1509の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。
画像形成プログラムを記録した記録媒体1509は、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
また、画像形成プログラムを記録した記録媒体1509がドライブ装置1503にセットされると、画像形成プログラムは記録媒体1509からドライブ装置1503を介して補助記憶装置1504にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた画像形成プログラムは、インターフェース装置1507を介して補助記憶装置1504にインストールされる。
補助記憶装置1504は、インストールされた画像形成プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置1505は、コンピュータの起動時に補助記憶装置1504から画像形成プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置1506は、メモリ装置1505に格納された画像形成プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
上述したように、デジタル複写装置1は、図7に示したハードウェア構成を有し、制御部1500のCPU(演算処理装置1506)が読み取り可能な記録媒体であるROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW(Compact Disc Rewritable)、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等に記録されている本発明の画像形成方法を実行する画像形成プログラムを読み込む。
また、デジタル複写装置1は、書き込み制御部1300を構成するASICに導入することで、後述する縦線の線幅の制御を効率的に、かつ適切に行う画像形成方法を実行するように構築されている。
なお、上述した画像形成プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
<第1実施例の作用>
次に、第1実施例の作用について説明する。第1実施例のデジタル複写装置1は、縦線の判別を適切に行って、線幅を設定に応じて調整する画像形成処理を実行する。
まず、デジタル複写装置1は、スキャナ部300のCCDが光電変換したアナログの画像データを読み取り処理部1100に入力し、読み取り処理部1100が、サンプリング処理、A/D変換処理及びシェーディング補正処理等の処理を行って、画像処理部1200に出力する。
スキャナ部300の画像処理部1200は、画像の変倍処理、回転処理及びエッジ処理等の画質補正処理を施した後、多値画像データ(例えば、4ビットの16値)に変換して、プリンタ部200の書き込み制御部1300に出力する。
書き込み制御部1300は、発光データ生成部1320で、画像処理部1200からの多値画像データに基づき、LDアレイ231を点灯消灯制御する光源点灯信号及び光量制御する光源発光量制御信号を生成して、光源制御部1400に出力する。
光源制御部1400は、書き込み制御部1300の発光データ制御部1320からの光源点灯信号と光源発光量制御信号に基づいて、LDアレイ231の点灯/消灯を制御するとともに、その発光光量を制御する。
デジタル複写装置1は、プリンタ部200において、各色に点灯制御されるLDアレイ231によって感光体211Y、211C、211M、211Kに静電潜像を形成して、現像、転写、定着の処理を行い、転写紙にカラートナー画像を形成する。
ところが、上述のように、デジタル複写装置1の特性として、同じ入力多値画像データであっても、転写紙に形成される縦線と横線の太さに差が生じる。
例えば、主走査方向1画素期間のLDアレイ231の点灯によって縦ラインを形成する場合、1画素に相当する期間だけLDアレイ231を点灯させてビーム照射を行う。しかしながら、ビーム径や現像条件によって、転写紙に形成されるトナー画像の縦ラインの太さが、理想の1画素ラインの太さとは、異なった結果となる。
そこで、本実施例のデジタル複写装置1は、デジタル複写装置1の特性として、縦線が横線よりも細くなるときには、縦線を太らせる縦ライン太らせ処理を行い、縦線が横線よりも太くなるときには、縦線を細らせる縦ライン細らせ処理を行う。また、処理速度を向上させるとともに構成を簡単で小規模なものとするために、多値画像データを白画素、黒画素、中間調画素の3状態に変換する。
また、デジタル複写装置1は、該3状態の画素を少なくとも主走査方向3画素、副走査方向1画素のイメージマトリクス1313の画素ウィンドウにおける状態値の配列状態から、ルックアップテーブル1314−1で画像状態を判別する。また、デジタル複写装置1は、ルックアップテーブル1314−1で判別結果によって参照LUTを決定し、縦ライン太らせ処理または縦ライン細らせ処理あるいは「処理なし」を決定して、入力多値画像データを修正して、発光データ生成部1320で光源点灯信号及び光源発光量制御信号を生成する。
デジタル複写装置1は、書き込み制御部1300に、プリンタ画像処理部1310を備えており、スキャナ部300の画像処理部1200から入力される多値画像データを、プリンタ画像処理部1310の注目画素コード出力部1312に入力するとともに、状態変換部1311に入力する。
デジタル複写装置1は、状態変換部1311において、制御部1500で設定される白閾値及び黒閾値に基づいて、上述のように、入力多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態に振り分けてイメージマトリクス1313に出力する。
イメージマトリクス1313は、少なくとも、副走査方向において出力対象である注目画素を含む1画素、主走査方向において注目画素を中心として前後の隣接画素を含む3画素の主走査方向3画素以上で1ライン以上の画素ウィンドウを生成する。また、イメージマトリクス1313は、生成した画素ウィンドウに状態変換部1311から入力された画素毎の状態値を配列して、ルックアップテーブル1314−1に出力する。
ルックアップテーブル1314−1は、例えば、図5に示すように、イメージマトリクス1313から入力される画素ウィンドウにおける3状態の状態値の配列状態に基づいて参照LUTを決定し、図6に示すように、該決定した参照LUTのデータ値を注目画素コード出力部1312に出力する。
ここで、図8は、入力多値画素データ、3状態値及び画素ウィンドウの一例を示す図である。例えば、ルックアップテーブル1314−1は、図8に示すような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力されると、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUTを決定する。
図8は、入力多値画像データが多値4bitであり、黒閾値が「14」、白閾値が「1」の場合であって、画素ウィンドウに、白黒白(○●○)の画素の状態値がイメージマトリクス1313で取得されて、ルックアップテーブル1314−1に入力されていることを示している。
ルックアップテーブル1314−1は、図8に示す画素ウィンドウの配列状態の状態値が入力されると、図5に示すように、参照LUTとして、孤立黒画素用LUTを参照することを決定する。また、図6に示すように、孤立黒画素用LUTとして、縦ライン太らせ処理用では、「15」のデータ値が設定されており、縦ライン細らせ処理用では、「11」のデータ値が設定されている。
図8に示すように、入力多値画像データの注目画素の画素値が「14」の場合、状態変換部1311は、黒閾値が「14」であると、黒の状態値に変換する。
ルックアップテーブル1314−1は、黒の状態値に変換された注目画素に対して、ルックアップテーブル1314−1が孤立黒画素用LUTの参照を決定する。また、孤立黒画素用LUTには、縦ライン太らせ処理用として「15」のデータ値が設定されているので、ルックアップテーブル1314−1は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「15」)を出力する。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−1からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−1からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力する。
発光データ生成部1320は、プリンタ画像処理部1310の注目画素コード出力部1312からの多値画素データに基づいてLDアレイ231を点灯消灯制御する光源点灯信号及び光量制御する光源発光量制御信号を生成して、光源制御部1400に出力する。
光源制御部1400は、書き込み制御部1300の発光データ制御部1320からの光源点灯信号と光源発光量制御信号に基づいて、LDアレイ231の点灯/消灯を制御するとともに、その発光光量を制御する。
ルックアップテーブル1314−1は、図8の場合、図6の参照LUT群に縦ライン太らせ処理用のデータ値が設定されていると、データ値が「15」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定し、図6の参照LUT群に黒細らせ処理用のデータ値が設定されていると、データ値が「11」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定する。
これにより、参照LUT群のデータ値として、縦ライン太らせ処理用のデータ値が設定されていると、縦ラインを太らせることができ、縦ライン細らせ処理用のデータ値が設定されていると、縦ラインを細らせることができる。
ここで、図9は、1画素の縦ラインを細らせる場合の説明図である。例えば、デジタル複写装置1の画像出力によって、縦ラインが太って出力されてしまう場合について説明する。
図9(a)に示すように、入力多値画像データにおいて、縦ラインが、データ値が「15」の1画素の縦ラインである場合、ルックアップテーブル1314−1に、図6の参照LUT群に縦ライン細らせ処理用のデータ値が設定されている。ルックアップテーブル1314−1は、孤立黒画素用LUTを参照LUTとして決定して、図6の孤立黒画素用LUTに設定されているデータ値「11」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定する。
したがって、図9(a)に示す修正前出力画像は、図9(b)の修正後出力画像として示すように、縦ラインを細らせることができる。
次に、デジタル複写装置1の画像出力によって、逆に縦ラインが細って出力されてしまう場合について説明する。図10は、1画素の縦ラインを太らせる場合の説明図である。図10(a)に示すように、入力多値画像データの縦ラインが、データ値「15」の1画素の縦ラインであり、ルックアップテーブル1314−1に、図6の参照LUT群に縦ライン太らせ処理用のデータ値が設定されている。
ルックアップテーブル1314−1は、後端白画素(●○○)の状態値の参照LUTである後端白画素用LUTを参照LUTとして決定して、図6の後端白画素用LUTに設定されているデータ値「4」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定する。したがって、図10(a)に示す修正前出力画像は、図10(b)の修正後出力画像として示すように、修正前の縦ラインに「4」の期間だけLDアレイ231を点灯させた縦ラインを追加して、縦ラインを太らせることができる。
縦ラインを太らせる場合、入力多値画像データが多値4ビット(bit)であると、状態変換部1311は、黒閾値が「14」のとき、入力多値画像データが「14」以上であれば、その画素を黒画素に変換し、白閾値が「1」であるとき、入力多値画像データが「1」以下であると、その画素を白画素に変換する。
イメージマトリクス1313は、黒白白(●○○)となる状態配列の画素ウィンドウをルックアップテーブル1314−1に出力する。ルックアップテーブル1314−1は、該画素ウィンドウにおける中心の白画素の参照LUTとして、データ値が「2」以上に設定されている縦ライン太らせ処理用の参照LUTを決定して、該参照LUTのデータ値を採用する。これにより、図10(b)に示すように、縦ラインを太くすることができる。
なお、ルックアップテーブル1314−1は、白白黒(○○●)となる中心の白画素の参照LUTとして、データ値が「2」以上に設定されている縦ライン太らせ処理用の参照LUTを決定して、該参照LUTのデータ値を採用するようにしてもよい。
また、複数画素の縦ラインの場合にも、上記同様に、ルックアップテーブル1314−1の参照LUTの決定を複数画素用に決定し、参照LUTとして縦ライン太らせ処理用のデータ値または縦ライン細らせ処理用のデータ値を設定することで、縦ライン太らせ処理または細らせ処理を行うことができる。
例えば、図11は、2画素の縦ラインを細らせる場合の説明図である。図11(a)に示すように、まず、状態変換部1311は、黒閾値が「14」で、入力多値画像データが「14」以上のときには、その画素を黒画素に変換し、白閾値が「1」で、入力多値画像データが「1」以下のときには、その画素を白画素に変換する。
図11(a)に示すように、縦ラインが2画素であって、太って出力される場合には、ルックアップテーブル1314−1に、参照LUT群に縦ライン細らせ用のデータ値が設定されている。
したがって、ルックアップテーブル1314−1は、先端黒画素(○●●)の状態値の参照LUTである先端黒画素用LUTを参照LUTとして決定して、図6の先端黒画素用LUTに設定されているデータ値である「12」を出力用の多値画像データとして決定する。
さらに、ルックアップテーブル1314−1は、後端黒画素(●●○)の状態値の参照LUTである後端黒画素用LUTを参照LUTとして決定して、図6の後端黒画素用LUTに設定されているデータ値である「13」を出力用の多値画像データとして決定する。
これにより、図11(a)に示す修正前出力画像は、図11(b)に修正後出力画像として示すように、修正前の「15」のデータ値の2画素からなる縦ラインを、「12」と「13」のデータ値の2画素からなる縦ラインに変更して、縦ラインを細らせることができる。
また、主走査方向で複数画素からなる縦ラインが細く出力される場合に、縦ラインを太らせるときにも、上記と同様に処理することができる。
イメージマトリクス1313からの画素ウィンドウの状態値に、「中間調」がある場合には、注目画素が白黒の変化点や縦線の端ではないことがあるため、その注目画素に対して参照LUTを充ててしまうと、出力画像がかえって劣化するおそれがある。
そこで、ルックアップテーブル1314−1は、イメージマトリクス1313からの画素ウィンドウ内の状態値に、「中間調」がある場合には、図5に示すように、参照LUTの指定を行わず、「処理なし」として、入力多値画像データをそのまま出力多値画像データとして出力させる。
また、画素ウィンドウの状態値の全てが、黒黒黒(●●●)または白白白(○○○)の場合は、注目画素が白黒等の変化点ではない。したがって、ルックアップテーブル1314−1は、イメージマトリクス1313からの画素ウィンドウの状態値が、黒黒黒(●●●)または白白白(○○○)である場合には、図5に示すように、参照LUTの指定を行わず、「処理なし」として、入力多値画像データをそのまま出力多値画像データとして出力させる。
このように、本実施例のデジタル複写装置1は、状態変換部1311で、多値画素データを所定の白閾値(無色閾値)と所定の黒閾値(最大色閾値)に基づいて少なくとも白(無色)、黒(最大色)、中間調の3つの状態値に変換する。
また、デジタル複写装置1は、ルックアップテーブル1314−1で、イメージマトリクス1313から入力される該3状態に変換された入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素から構成される画素ウィンドウ内における各画素の該状態値の配列状態に対応させて、出力用多値画素データのデータ値の登録されている複数の参照LUT(参照ルックアップテーブル)のうち、該画素ウィンドウ内の該注目画素と該隣接画素の状態値の配列状態に基づいて参照対象の参照LUTを決定する。
また、デジタル複写装置1は、該入力多値画素データのデータ値を該決定した参照LUTのデータ値に切り替えて出力用多値画素データとして、発光データ生成部1320に出力して、該出力用多値画素データに基づいてドット画像を形成している。
したがって、入力多値画素データから縦線を簡単な構成でかつ高精度に判定して、縦線と横線を同じ太さにする等の該画素に適切な画素処理を施すことができ、画像品質を安価に向上させることができる。
また、本実施例のデジタル複写装置1は、ルックアップテーブル1314−1が、画素ウィンドウとして、主走査方向3画素、副走査方向1画素以上の画素からなる画素ウィンドウを用いて、該画素ウィンドウ内における各画素の状態値の配列状態に基づいて、参照LUTを決定している。
したがって、より一層簡単かつ安価な構成で、縦線を高精度に判定して、縦線と横線を同じ太さにする等の該画素に適切な画素処理を施すことができ、画像品質をより一層安価に向上させることができる。
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、ルックアップテーブル1314−1が、画素ウィンドウ内に中間調の状態値が存在すると、参照LUTの決定を拒否する。注目画素コード出力部1312は、ルックアップテーブル1314−1が参照LUTの決定を拒否すると、入力多値画素データを出力用多値画素データとして発光データ生成部1320に出力している。
したがって、注目画素が白黒の変化点や縦線の端ではない場合に、該注目画素に対して参照LUTを充ててしまって、出力画像がかえって劣化することを防止することができ、画像品質をより一層向上させることができる。
また、本実施例のデジタル複写装置1は、画素ウィンドウ内の全画素の状態値が白色または黒色であると、ルックアップテーブル1314−1が、参照LUTの決定を拒否し、注目画素コード出力部1312が、入力多値画素データを出力用多値画素データとして発光データ生成部1320に出力している。
したがって、注目画素が白黒の変化点や縦線の端ではない場合に、該注目画素に対して参照LUTを充ててしまって、出力画像がかえって劣化することを防止することができ、画像品質をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、状態変換部1311の白閾値と黒閾値及びルックアップテーブル1314−1の参照LUTのデータ値が適宜設定可能となっている。したがって、デジタル複写装置1は、形成されるドット画像を主走査方向において細らせる場合、注目画素が白色であるときに参照する無色参照LUTに登録されている白色参照用データ値、該注目画素が黒色であるときに参照する黒色参照LUTに登録されている黒色参照用データ値、該白閾値及び該黒閾値が、白色参照用データ値≦白閾値<黒色参照用データ値≦黒閾値)、の関係に設定されている。
したがって、デジタル複写装置1は、形成画像の縦線が太ってしまう場合に、適切に細らせる処理を行うことができ、デジタル複写装置1の特性に応じて、適切に画像修正を行って、画像品質を向上させることができる。
また、本実施例のデジタル複写装置1は、形成されるドット画像を主走査方向において太らせる場合、注目画素が白色であるときに参照する白色参照LUTに登録されている白色参照用データ値、注目画素が黒色であるときに参照する黒色値参照LUTに登録されている黒色参照用データ値、白閾値及び黒閾値が、白閾値≦白色参照用データ値<黒閾値≦黒色参照用データ値、の関係に設定されている。
したがって、デジタル複写装置1は、形成画像の縦線が細ってしまう場合に、適切に太らせる処理を行うことができ、デジタル複写装置1の特性に応じて、適切に画像修正を行って、画像品質を向上させることができる。
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、多値画素データに基づいて感光体211Y、211C、211M、211K上に照射する書き込み光の点灯制御を行ってドット状の静電潜像を形成して、該静電潜像を現像剤で現像して現像剤像を形成し、該現像剤像を記録媒体である転写紙に転写して画像形成している。
したがって、電子写真方式で画像形成する場合の画像品質を適切かつ簡単な構成で、向上させることができる。
なお、上記第1実施例においては、電子写真方式でドット画像を画像形成するデジタル複写装置1に適用した場合について説明したが、他の画像形成方式、例えば、インク噴射方式でドット画像を形成する場合にも、同様に、例えば、1回のインク噴射量を調整することで、縦ラインの幅を修正することができる。
次に、第2実施例について説明する。図12は、第2実施例に係るデジタル複写装置の要部回路ブロック構成図である。図12に示すように、第2実施例に係るデジタル複写装置2は、図3のデジタル複写装置1と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図12に示すデジタル複写装置2のイメージマトリクス1313は、少なくとも、副走査方向において出力対象である注目画素を含む1画素、主走査方向において注目画素を中心として前後の隣接画素を含む3画素の主走査方向3画素以上で1ライン以上の画素ウィンドウ(マトリクス)を生成する。
また、イメージマトリクス1313は、生成した画素ウィンドウに状態変換部1311からの画素毎の状態値を配列して、エッジ部分または孤立線等の判別を行って、ルックアップテーブル1314−2に出力するとともに、画像のエッジ部分または孤立線であるかを示すエッジ情報を生成してエッジ情報記憶部1315に出力する。
このエッジ情報は、例えば、エッジであれば、「1」、エッジでないときには、「0」となる情報であり、白黒白(○●○)、白黒黒(○●●)、黒黒白(●●○)の場合にエッジとなって、エッジ情報を「1」にする。
ルックアップテーブル1314−2は、イメージマトリクス1313の3画素×1画素の画素マトリクスにおける各状態値の配列状態に対する参照LUTを決定するルックアップテーブルである。また、ルックアップテーブル1314−2には、例えば主:副=1:1、主:副=2:1のそれぞれにおける、エッジ情報が「1」のときと、エッジ情報が「0」のときの各状態値の配列状態に応じて、参照LUT(参照LUT値)が設定されている。
ここで、図13は、図12のルックアップテーブルの主副の解像度が同じ場合と異なる場合のテーブル内容の一例を示す図である。図13(a)、図13(b)に示すように、ルックアップテーブル(第2の参照ルックアップテーブル決定手段)1314−2には、例えば、状態値の配列状態(主走査方向3画素の状態値)と該状態値の配列状態が参照すべき参照LUT値とを対応させたテーブルが、エッジ情報(「1」、「0」)毎に設けられている。
また、図13(a)、図13(b)に示すように、ルックアップテーブル1314−2には、主副が1:1の場合と、主副が2:1の場合のテーブルがそれぞれ設けられている。
ルックアップテーブル1314−2は、イメージマトリクス1313の画素ウィンドウにおける状態値の配列状態(画素の状態値の並び)と、エッジ情報に応じて該入力画像データ(入力多値画素データ)のデータ値を修正する参照LUT(参照LUT値)を決定する。
デジタル複写装置2は、状態変換部1311の白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)及びルックアップテーブル1314−2の参照LUTのデータ値が適宜設定可能である。
デジタル複写装置2は、ドット画像を主走査方向において細らせる場合、すなわち、ラインを細らせるライン細線化処理を行う場合であって、かつ、隣接画素に画素を付加する場合には、該付加する画素の画素値を付加画素値(付加画素の画素値)、エッジ画素である注目画素の参照LUTで決定される画素値を細らせ画素値としたとき、付加画素の画素値≦黒閾値(最大色閾値)−黒参照LUT(細らせ画素値)、の関係になるように、そのデータ値と閾値が設定される。
上述のように、縦ラインや斜めラインの修正において、単純に細くしたり、太くするだけでは、隣接間画素で矛盾が発生して、画質を劣化させてしまうおそれがある。例えば、斜めラインの場合やラインのエッジ部分や孤立線については、上述のように単純にラインを細めたり太めたりすることができるが、写真画像のようにエッジ部分に中間調を有する画像の場合には、単純にラインを細めたり太めたりすると、画質が劣化するおそれがある。
そこで、イメージマトリクス1313で、孤立点やエッジ部分を判定してエッジ情報をエッジ情報記憶部1315に記憶させる。
ここで、図14は、イメージマトリクスとエッジ情報記憶部の動作説明図である。図14に示すように、エッジ情報記憶部1315は、イメージマトリクス1313の前主走査ラインの全ての画素のエッジ情報を検出して、必要な所定量のエッジ情報を記憶する。
また、現在処理対象(注目画素)が、図14の下側のイメージマトリクス1313に示すように、nライン目で、n画素目、すなわち、画素ウィンドウ内の白白黒(○○●)の真ん中の画素が白であって、前ラインの対応する画素ウィンドウの状態値が白黒白(○●○)で黒画素であるとき、エッジ情報記憶部1315には、該前ラインの注目画素がエッジであることを示す「1」が記憶されている。
そこで、ルックアップテーブル1314−2は、イメージマトリクス1313が白白黒の(○○●)のときに参照する参照LUTとは異なる参照LUTを、参照先として決定して、決定した該参照LUTから、例えば、「4」の画素値を該注目画素の画素値として決定する。
このように、ルックアップテーブル1314−2は、デジタル複写装置2の実際の画像出力状態によって、そのデータ値である参照LUTとして適切な参照LUTを設定する必要があるため、上述のように、制御部1500によってその参照LUTを適宜設定することができるとともに、参照LUTのデータ値を適宜設定することができる構成となっている。
ルックアップテーブル1314−2は、参照LUT(参照ルックアップテーブル)を内蔵した第2の参照ルックアップテーブル決定手段として機能している。
なお、デジタル複写装置2のハードウェア構成については、上記図7と同様の構成であるため、ここでの説明は省略する。
<第2実施例の作用>
次に、第2実施例の作用について説明する。第2実施例のデジタル複写装置2は、縦ラインと横ライン及び斜めラインの判別を適切に行って、線幅を設定に応じて適切に調整する画像形成処理を実行する。
上述のように、デジタル複写装置2の特性として、同じ入力多値画像データであっても、転写紙に形成される縦ラインと横ラインの太さに差が生じたり、斜めラインにドット間に隙間が生じて薄く(細く)なったり、解像度によって薄く太くなる等の画像劣化が生じる場合がある。
例えば、主走査方向1画素期間のLDアレイ231の点灯によってラインを形成する場合、1画素に相当する期間だけLDアレイ231を点灯させてビーム照射を行っても、ビーム径や現像条件によって、転写紙に形成されるトナー画像のラインの太さが、理想の1画素ラインの太さとは、異なった結果となる。
そこで、本実施例のデジタル複写装置2の特性として、縦ライン及び斜めラインの主走査方向の線幅が、元多値画素データよりも細くなるときには、ラインを太らせるライン太線化処理を行い、元多値画素データデータよりも太くなるときには、ラインを細らせるライン細線化処理を行う。
また、デジタル複写装置2は、処理速度を向上させるとともに構成を簡単で小規模なものとするために、多値画像データを白画素、黒画素、中間調画素の3状態に変換する。また、該3状態の画素を少なくとも主走査方向3画素、副走査方向1画素のイメージマトリクス1313の画素ウィンドウにおける状態値の配列状態から、ルックアップテーブル1314−2で画像状態を判別する。
デジタル複写装置2は、ルックアップテーブル1314−2で、判別結果によって参照LUTを決定し、ライン太線化処理またはライン細線化処理あるいは「処理なし」を決定するとともに、イメージマトリクス1313で、エッジ部分または孤立線を判別して、エッジには、「1」、エッジ以外には、「0」となるエッジ情報を生成してエッジ情報記憶部1315に記憶する。
ルックアップテーブル1314−2は、該エッジ情報記憶部1315のエッジ情報に基づいて、ルックアップテーブル1314−2の参照先の参照LUTを変更して、注目画素の画素値を決定して、入力多値画像データを修正する。
以下、画像形成する多値画素データの主副での解像度が同じ場合と異なる場合に分けて線の画像処理について説明する。
<主副で同じ解像度で1ドットからなるラインの画像処理>
まず、主副で解像度が同じであって縦ラインが主走査方向に太ってしまう場合に、1画素の縦ラインを細線化する細線化処理について、図15に基づいて説明する。ここで、図15は、1画素の縦ラインを細らせる場合の説明図である。
例えば、入力多値画素データが多値4ビットで、白閾値が「1」、黒閾値が「14」であるとき、状態変換部1311は、入力多値画素データが、「14」以上であれば、その画素を、黒画素と判定し、「1」以下であると、その画素を白画素と判定し、「2」〜「13」の間の画素を中間調と判断する。
例えば、上記条件の場合、図15(a)に示すような入力多値画素データにおいて、主走査方向n画素目に画素値「15」の縦ライン(孤立点による縦ライン)があり、副走査方向n+1ライン目に画素値「15」の横ライン(孤立点による横ライン)がある。
実際に図15(a)に示すような入力多値画素データが、プリンタ部200で印刷されると、図15(a)の下部に示すように、主走査方向に太ったラインとなって印刷される場合がある。
デジタル複写装置2は、スキャナ部300の画像処理部1200から入力される多値画像データを、プリンタ画像処理部1310の注目画素コード出力部1312に入力するとともに、状態変換部1311に入力する。
状態変換部1311は、図4に示すように、制御部1500から設定される白閾値及び黒閾値に基づいて、上述のように、入力多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態に振り分けてイメージマトリクス1313に出力する。
イメージマトリクス1313は、少なくとも、副走査方向において出力対象である注目画素を含む1画素、主走査方向において注目画素を中心として前後の隣接画素を含む3画素の主走査方向3画素以上で1ライン以上の画素ウィンドウを生成し、生成した画素ウィンドウに状態変換部1311からの画素毎の状態値を配列して、ルックアップテーブル1314−2に出力する。
ルックアップテーブル1314−2は、例えば、イメージマトリクス1313から入力される画素ウィンドウにおける3状態の状態値の配列状態に基づいて、図13(a)に示すように、参照LUTを決定し、該決定した参照LUTのデータ値を注目画素コード出力部1312に出力する。
ルックアップテーブル1314−2は、例えば、図15(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力されると、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUT(実際には、図13(a)に示すように、参照LUT値)を決定する。
また、ルックアップテーブル1314−2は、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報から孤立点ラインであるとして、図13(a)及び図15(b)に示すように、参照LUTとして、「15」の多値画像データを「11」の多値画像データに変換する参照LUTを参照することを決定する。ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「11」)を出力する。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力する。
発光データ生成部1320は、プリンタ画像処理部1310の注目画素コード出力部1312からの多値画素データに基づいてLDアレイ231を点灯消灯制御する光源点灯信号及び光量制御する光源発光量制御信号を生成して、光源制御部1400に出力する。
光源制御部1400は、書き込み制御部1300の発光データ制御部1320からの光源点灯信号と光源発光量制御信号に基づいて、LDアレイ231の点灯/消灯を制御するとともに、その発光光量を制御する。
このように、ルックアップテーブル1314−2は、図15の場合、図13(a)に示すように、参照LUTに縦ライン細線化処理用のデータ値が設定されているか、縦ライン細線化処理用の参照LUTと縦ライン太線化処理用の参照LUTがある場合には、上述のように、データ値「15」の画素に対して、データ値が「11」の多値画像データを出力用の多値画像データとする参照LUTを決定する。
これにより、縦ラインが太って出力されてしまう場合に、縦ライン細線化処理用のデータ値を設定し、孤立ラインであっても、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報でエッジ判定して、適切に縦ラインを細らせることができる。
<主副で解像度が同じであって、主走査方向に太ってしまう場合に、1画素の斜めラインを細線化する場合>
次に、主副で解像度が同じであって主走査方向に太ってしまう場合に、1画素の斜めラインを細線化する場合の例について、図16に基づいて説明する。図16は、1画素の斜めラインを細らせる場合の説明図である。
ルックアップテーブル1314−2は、図16(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力される。
ルックアップテーブル1314−2は、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUTを決定するとともに、図14に示すように、前ラインの注目画素であったn画素目のエッジ情報が「1」であったことから、孤立点斜めラインであるとする。
ルックアップテーブル1314−2は、細線化を行う場合、図16(b)に示すように、参照LUTとして、データ値「15」の多値画像データをデータ値「13」の多値画像データに変換する参照LUTを参照することを決定する。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「13」)を出力する。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力し、以下上記と同様に処理する。
<主副で解像度が同じである場合に、1画素の斜めラインの画質を調整する場合>
次に、主副で解像度が同じで場合に、1画素の斜めラインの画質を調整する場合の例について、図17に基づいて説明する。図17は、1画素の斜めラインに対して画質を調整する場合の説明図である。
ルックアップテーブル1314−2は、図17(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力される。
ルックアップテーブル1314−2は、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUTを決定するとともに、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報から孤立点斜めラインであるとする。
ルックアップテーブル1314−2は、画質向上処理を行う場合、図17(b)に示すように、参照LUTとして、副走査方向で黒画素としては、「11」の多値画素データを決定するとともに、次のラインの該黒の画素の前の白の画素に対して、データ値「4」の多値画素データを参照LUTで決定させ、データ値「15」の1つの画素を、データ値「4」とデータ値「11」の2つの多値画素データに変換することを決定する。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「11」)を出力するとともに、前の白画素に対して「4」のデータ値を付加出力する隣接付加処理を行う。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力し、以降、上記と同様に処理する。
このようにすると、入力多値画素データで1画素の斜めラインを、主走査方向に2画素
を使用して、斜めラインを形成しているので、同じラインの太さで、斜めラインが薄くなることを防止することができ、画質を向上させることができる。
なお、図17では、ラインの太さを同じにしているが、斜めラインが細くなってしまう場合には、主走査方向の2画素の合計の画素値を、処理前の画素値よりも大きくなるように参照LUTを設定することで、斜めラインが細線化される場合に、適切に太線化することができる。
<主副で解像度が異なる1ドットからなるラインの画素処理>
まず、主副で解像度が異なっている場合であって、例えば、主:副=2:1であって、縦ラインが主走査方向に細ってしまう場合の、縦ラインを太線化する太線化処理について、図18に基づいて説明する。図18は、主副の解像度が異なるときの1画素の縦ラインを太らせる場合の説明図である。
例えば、図18(a)に示すような入力多値画素データにおいて、主走査方向n画素目画素値「15」の縦ライン(孤立点による縦ライン)があり、副走査方向n+1ライン目に画素値「15」の横ライン(孤立点による横ライン)がある。
実際に図18(a)に示すような入力多値画素データが、プリンタ部200で印刷されると、図18(a)の下部に示すように、主副で解像度が2:1のように異なると、主走査方向に細ったラインとなって印刷されることが多い。このように、解像度によって、ラインが細く印刷されたり、太って印刷されるため、デジタル複写装置2は、図13(b)に示したような参照LUTをルックアップテーブル1314−2に設定して、解像度に基づいて太線化処理または細線化処理を行う。
ルックアップテーブル1314−2は、例えば、図13(b)に示すように、イメージマトリクス1313から入力される画素ウィンドウにおける3状態の状態値の配列状態及びエッジ情報に基づいて参照LUTを決定し、該決定した参照LUTのデータ値を注目画素コード出力部1312に出力する。
ルックアップテーブル1314−2は、図18(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力される。
ルックアップテーブル1314−2は、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、図13(b)に示すように、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUTを決定するとともに、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報から孤立点ラインであるとする。
ルックアップテーブル1314−2は、解像度から太線化を行うものと判断して、図18(b)に示すように、参照LUTとして、「15」の多値画像データを「15」の多値画像データに変換する参照LUTを参照することを決定するとともに、該黒画素の次の白画素を「4」に変換させる参照LUTを参照することを決定する。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「15」)を出力するとともに、次の白画素に対して「4」のデータ値を付加出力するいわゆる後端黒エッジ処理を行う。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力し、以降、上記同様に処理して、図18(b)に示すように、主走査方向に「15」と「4」の多値画素の縦ラインを形成して、縦ラインを太らせる。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、図18の場合、解像度からラインが細ることの分かる解像度であると、参照LUTに縦ライン太線化処理用のデータ値が設定されているか、太線化処理用の参照LUTと細線化用のLUTがある場合には、太線化処理用の参照LUTを参照先として、上述のように、データ値「15」の画素に対して、データ値が「15」と「4」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定する。
これにより、縦ラインが細って出力されてしまう場合に、縦ライン太線化処理用のデータ値を設定することで、孤立ラインであっても、適切にエッジ情報記憶部1315のエッジ情報でエッジ判定して、適切に縦ラインを太らせることができる。
<主副の解像度が異なる場合の1画素の斜めラインを太らせる処理>
次に、主副の解像度が異なる場合の1画素の斜めラインを太らせる処理について、図19に基づいて説明する。図19は、主副の解像度が異なるときの1画素の斜めラインを太らせる場合の説明図である。まず、主副で解像度が異なる場合であって、例えば、主:副=2:1であって、斜めラインが主走査方向に細ってしまう場合に、斜めラインを太線化する太線化処理について、図19に基づいて説明する。
例えば図19(a)に示すような入力多値画素データにおいて、主走査方向n画素目に画素値「15」の斜めライン(孤立点による斜めライン)があり、副走査方向n+1ライン目に画素値「15」の横ライン(孤立点による横ライン)がある。
実際に図19(a)に示すような入力多値データが、プリンタ部200で印刷されると、主副の解像度が2:1のときには、図19(a)の下部に示すように、主走査方向に細ったラインとなって印刷されることが多い。
ルックアップテーブル1314−2は、例えば、図19(b)に示すように、イメージマトリクス1313から入力される画素ウィンドウにおける3状態の状態値の配列状態とエッジ情報に基づいて参照LUTを決定し、該決定した参照LUTのデータ値を注目画素コード出力部1312に出力する。
例えば、ルックアップテーブル1314−2は、図19(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力される。
ルックアップテーブル1314−2は、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUTを決定するとともに、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報から孤立点ラインであるとする。
ルックアップテーブル1314−2は、主副が2:1でラインが細るため、太線化処理用の参照LUTを参照先として決定する。
すなわち、ルックアップテーブル1314−2は、図13(b)及び図19(b)に示すように、参照LUTとして、「15」の多値画像データを「15」の多値画像データに変換する参照LUTを参照することを決定するとともに、該黒画素の次の白画素を「2」に変換させる参照LUTを参照することを決定する。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「15」)を出力するとともに、次の白画素に対して「2」のデータ値を付加出力するいわゆる後端黒エッジ処理を行う。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力し、以降、上記同様に処理して、図19(b)に示すように、主走査方向に「15」と「2」の多値画素の斜めラインを形成して、縦ラインを太らせる。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、主副の解像度が2:1である図19の場合、参照LUTに斜めライン太線化処理用のデータ値が設定されているか、太線化処理用の参照LUTと細線化処理用の参照LUTがある場合には太線化処理用の参照LUTを参照先として、上述のように、データ値「15」の画素に対して、データ値が「15」と「2」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定する。
これにより、斜めラインが細って出力されてしまう場合に、斜めライン太線化処理用のデータ値を設定することで、孤立ラインであっても、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報でエッジ判定して、適切に斜めラインを太らせることができる。
<主副で同じ解像度で複数ドットからなるラインの画素処理>
まず、主副で解像度が同じ場合であって、縦ラインが主走査方向に太ってしまう場合に、縦ラインを細線化する細線化処理について、図20に基づいて説明する。図20は、2画素の縦ラインを細らせる場合の説明図である。
例えば、図20(a)に示すような入力多値画素データにおいて、副走査方向(n−1)ライン目の主走査方向n画素目と(n+1)画素目に画素値「15」の縦ライン(2画素による縦ライン)があり、副走査方向nライン目と副走査方向(n+1)ライン目に画素値「15」の横ライン(2画素による横ライン)がある。
実際に図20(a)に示すような入力多値データが、プリンタ部200で印刷されると、図20(a)の下部に示すように、主副の解像度が同じ場合、主走査方向に太ったラインとなって印刷されることがある。
例えば、ルックアップテーブル1314−2は、図20(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力される。
ルックアップテーブル1314−2は、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から参照LUTを決定するとともに、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報から先端エッジ処理であるとする。
ルックアップテーブル1314−2は、図20(b)に示すように、エッジ情報が「1」、白黒黒(○●●)となる中心画素(注目画素)である黒画素の画素値が「13」以下(図20では、「12」)となる参照LUTを参照することを決定し、エッジ情報が「1」、黒黒白(●●○)となる中心画素(注目画素)である黒画素の画素値が「13」以下(図20)では、「12」)となる参照LUTを参照することを決定する。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「12」)を出力する先端エッジ処理を行うとともに、次の黒画素に対しても同じ参照LUTのデータ値(上記例では、「12」)を出力する後端エッジ処理を行う。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力し、以降、上記同様に処理して、図20(b)に示すように、主走査方向に「12」と「12」の多値画素の2画素からなる縦ラインを形成して、縦ラインを細らせる。
したがって、複数画素からなるラインについても、線幅を適切に調節することができる。
<主副の解像度が同じである場合の2画素の斜めラインを細らせる細線化処理>
次に、主副の解像度が同じである場合の2画素の斜めラインを細らせる細線化処理について、図21に基づいて説明する。図21は、2画素の斜めラインを細らせる場合の説明図である。
例えば、図21(a)に示すような入力多値画素データにおいて、副走査方向(n−1)ライン目の主走査方向(n−1)画素目とn画素目に、エッジ情報が「1」となるような多値4ビットである入力画像データの斜めライン(2画素による斜めライン)があり、副走査方向(n+2)ライン目と(n+3)に画素値「15」の横ライン(2画素による横ライン)がある。
実際に図21(a)に示すような入力多値データが、プリンタ部200で印刷されると、図21(a)の下部に示すように、主走査方向に太ったラインとなって印刷されることがある。
例えば、ルックアップテーブル1314−2は、図21(a)に示したような入力多値画像データが、状態変換部1311で3状態値に変換されて、イメージマトリクス1313で、主走査3画素の画素ウィンドウに配列されて入力される。
ルックアップテーブル1314−2は、該画素ウィンドウの中心の画素を注目画素とし、該注目画素及び該注目画素に隣接する左右の隣接画素の状態値から、付加画素を用いる場合の細線化処理用の参照LUTを決定するとともに、エッジ情報記憶部1315のエッジ情報から孤立点ラインであるとする。
ルックアップテーブル1314−2は、図21(b)に示すように、参照LUTとして、「15」の多値画像データを「12」の多値画像データに変換する参照LUTを参照することを決定するとともに、該黒画素の隣接白画素を「3」に変換させて付加させる参照LUTを参照することを決定する。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、注目画素コード出力部1312に該参照LUTのデータ値(上記例では、「12」)を出力するとともに、次の白画素に対して「3」のデータ値を付加出力するいわゆる先端エッジ処理、後端エッジ処理及び隣接付加処理を行う。
注目画素コード出力部1312は、出力対象の画素のコードを、画像処理部1200からの入力多値画像データと、ルックアップテーブル1314−2からのデータ値のうち、ルックアップテーブル1314−2からの指示に応じて決定して、該決定した多値画像データを発光データ生成部1320に出力し、以降、上記同様に処理して、図21(b)に示すように、主走査方向に「12」、「12」及び「3」の多値画素の斜めラインを形成して、斜めラインを細らせる。
したがって、ルックアップテーブル1314−2は、図21の場合、複数画素からなる斜めライン細線化処理用の参照LUTを決定して、上述のように、データ値「15」の2画素からなる斜めラインに対して、データ値が「12」、「12」、「3」の多値画像データを出力用の多値画像データとして決定する。
これにより、斜めラインが太って出力されてしまう場合に、斜めライン細線化処理用の参照LUTを用いて、複数画素からなる斜めラインであっても、適切にエッジ情報記憶部1315のエッジ情報でエッジ判定して、適切に斜めラインを細らせることができる。
なお、上記説明では、複数画素からなる縦ライン及び斜めラインを細線化する場合について説明したが、太線化する場合にも、参照LUTを太線化用に設定するか、太線化用に用意されている参照LUTを参照先として決定することで、同様に適用することができる。
次に、第3実施例について説明する。図22は、第3実施例のデジタル複写装置の要部回路ブロック構成図である。上記第2実施例において、プリンタ画像処理部1310は、エッジ情報記憶部1315にエッジ情報を記憶して、該エッジ情報とイメージマトリクス1313の状態値から決定されるルックアップテーブル1314−2の参照先の参照LUTを該エッジ情報記憶部1315のエッジ情報によって変更する処理を行っている。
しかしながら、図22に示すように、第3実施例としてデジタル複写装置3にエッジ情報マトリクス1316を設けてもよい。
図23は、図22のイメージマトリクス、エッジ情報記憶部及びエッジ情報マトリクスの動作説明図である。図23に示すように、エッジ情報マトリクス(エッジ情報記憶手段)1316は、エッジ情報記憶部1315からエッジ情報を受け取って、イメージマトリクス1313の注目画素と同位置及びその隣接画素の前主走査ラインのエッジ情報を、主走査方向3画素分以上副走査方向1画素分以上を保持するマトリクスである。
プリンタ画像処理部1310は、エッジ情報マトリクス1316を備えている場合、図23に示すように、このエッジ情報マトリクス1316のエッジ情報とイメージマトリクス1313の状態値からルックアップテーブル1314−2の参照LUTを決定して、決定した参照LUTで設定される画素値を注目画素コード出力部1312に出力する。
ここで、図24は、図22のルックアップテーブルの主副の解像度が同じ場合と異なる場合のテーブル内容の一例を示す図である。ルックアップテーブル1314−2は、例えば、図24(a)、(b)に示すようなルックアップテーブルが設定されている。
ルックアップテーブル1314−2は、参照LUT(参照LUT値)として、主:副=1:1の場合、及び主:副=2:1の場合それぞれにおいて、エッジ情報マトリクス1316のマトリクス値に対応させて、それぞれ状態値の配列状態に応じた参照LUT(参照LUT値)が設定されている。
例えば、主:副=1:1の場合を示す図24(a)においては、エッジ情報マトリクス1316のマトリクス値が「010」であって、状態値が白黒白(○●○)のときの参照LUT値として、「11」が設定されている。
主:副=2:1の場合を示す図24(b)においては、エッジ情報マトリクス1316のマトリクス値が「010」であって、状態値が白黒白(○●○)のときの参照LUT値として、「15」が設定されている。
例えば、入力多値画像データが、上記図15の場合、すなわち、解像度が主副で同一で、プリンタ部200で印刷したときに主走査方向に太ってしまう場合、(n−1)ライン目の(n−1,n,n+1)画素目のエッジ情報マトリクス1316のエッジ情報が、(0,1,0)であり、入力多値画素データが多値4bitである縦ラインである。このとき、図24(a)に示すようなルックアップテーブル1314−2を用いて、上記図15の場合と同様に細らせ処理を行う。
また、図16に示した斜めラインの場合、(n−1)ライン目の(n−1,n,n+1)画素目のエッジ情報マトリクス1316のエッジ情報が、図23に示すように、(1,0,0)であり、入力多値画素データが多値4bitである。この斜めラインの場合、nライン目のn画素目のイメージマトリクス1313の画素ウィンドウは、白黒白(○●○)となり、図24(a)に示したルックアップテーブル1314−2の斜めラインの参照LUT値として、「13」の値を設定することで、斜めラインを細らせる(細線化する)ことができる。
なお、逆の斜めラインの場合は、エッジ情報マトリクス1316のエッジ情報が、(0,0,1)、イメージマトリクス1313の画素ウィンドウが、白黒白(○●○)で細らせ処理(細線化処理)を行うことができる。
また、解像度が主副で異なる(主:副=2:1)のときには、図24(b)に示したようなルックアップテーブル1314−2のテーブル値を用いて、付加画素を用いてラインの線幅の調整する処理を行う。例えば、図18及び図19に示すように、太らせるときには、図18及び図19の場合の説明と同様であるが、エッジ情報マトリクス1316のエッジ情報と図24(b)に示したようなルックアップテーブル1314−2のテーブル値を用いることで、エッジ判断をより一層正確に行うことができる。
さらに、図20の2画素の縦ラインの場合、(n−1)ライン目の(n、n+1)画素目のエッジ情報マトリクス1316のエッジ情報が「1」であり、入力多値画素データが多値4bitである縦ラインであって、図20で説明した処理と同様の処理を行うことで、細線化処理を行うことができる。
この場合、エッジ情報マトリクス1316を用いることで、エッジ判定を正確に行って処理を行うことができ、より一層適切な画像処理を行うことができる。
また、図21に示した2画素の斜めラインの場合は、(n−1)ライン目の(n−1,n,n+1)画素目のエッジ情報マトリクス1316のエッジ情報が(1,1,0)であり、入力データが多値4bitである斜めラインの場合である。
この場合、nライン目の(n−1,n,n+1)画素目のイメージマトリクス1313の画素ウィンドウは白黒黒(○●●)となり、斜めラインの参照LUTとして、データ値「12」の黒画素を設定する。また、nライン目の(n、n+1、n+2)のイメージマトリクス1313の画素ウィンドウは黒黒白(●●○)となり、斜めラインの参照LUTとして、データ値「12」の黒画素を設定するとともに、nライン目の(n−1)画素目にデータ値「3」の付加画素を設定することで、斜めラインを細らせることができる。
さらに、図21とは逆方向の斜めラインの場合にも同様に適用することができ、この場合、エッジ情報マトリクス1316が(0,1,1)の注目画素において、参照LUT値として、「12」の黒画素を設定することで斜めラインを細らせることができる。
また、上記処理と同様の処理を斜めラインに施すとともに、そのときの元の黒画素の位置のデータ値と付加画素のデータ値を適宜組み合わせることで、太線化処理を行うことができる。
なお、上記説明においては、ラインの線幅を処理するために、主走査3画素、副走査1画素のサイズのイメージマトリクス1313を用いているが、イメージマトリクス1313のサイズとしては、上記サイズに限るものではなく、また、イメージマトリクス1313は、デジタル複写装置2で用いている他のイメージ検出用のマトリクスと併用して用いてもよい。
このようにすると、図20及び図21に示したような複数画素からなるラインについてもそのエッジを適切に考慮して、参照LUT値を決定して、ラインの細線化・太線化を適切に行うことができる。
なお、デジタル複写装置3のハードウェア構成については、上記図7と同様の構成であるため、ここでの説明は省略する。
また、デジタル複写装置2又はデジタル複写装置3は、前記ルックアップテーブル1314−2がエッジ情報記憶部1315に取得したエッジ情報やエッジ情報マトリクス1316の生成するエッジ情報マトリクスを参照するか否かを制御部(選択手段)1500によって適宜選択するようにしてもよい。
このようにすると、デジタル複写装置2又はデジタル複写装置3の利用形態等によって参照ルックアップテーブルを決定して、画素処理を行うことができる。
上述のように、本発明では、入力多値画素データから縦線や斜め線に対して簡単な構成でかつ適切に画素処理を施すことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。