JP2010258637A - 固体撮像装置の駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水平ブランキング期間を短縮して固体撮像装置の高速駆動を実現しつつ、クロストークノイズが画質に与える影響を低減する。
【解決手段】垂直シフトレジスタに垂直転送パルスを印加して、光電変換部が出力した信号電荷を列方向に転送させる垂直転送パルス印加ステップと、水平シフトレジスタに水平転送期間に水平転送パルスを印加して、信号電荷を行方向に転送させる水平転送パルス印加ステップとにより固体撮像装置を駆動する。水平転送パルス印加ステップでは、水平転送期間中に信号電荷が出力されていない信号無効期間を設ける。また、垂直転送パルス印加ステップでは、垂直転送パルスの立ち上がり及び立ち下がりを信号無効期間に行わせる。
【選択図】図3

Description

本発明は、いわゆるCCD(Charge Coupled Device)型の固体撮像装置の駆動方法に関するものである。
近年、CCD型固体撮像装置を搭載したデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等において、多画素化に伴うフレームレートの低下が問題となっており、信号出力の高速化が求められている。そして、多画素化と、高フレームレート化を同時に向上させることを要望されるようになると、垂直転送と水平転送を高速化する、あるいは水平ブランキング期間と水平転送期間を短縮することが非常に重要な課題となっている。
この課題に対しては、例えば、垂直シフトレジスタ(垂直電荷転送部)を覆う導電性遮光膜をシャント配線として用いて垂直シフトレジスタのゲート電極膜に給電し、転送パルスの伝搬遅延を軽減するようにした固体撮像装置がある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載された例では、導電性遮光膜には、不要電荷の発生防止用の突出部が設けられ、スミアの防止を図っている。
また、他の例として、転送パルス波形の立ち上がり及び立ち下がりで発生するクロストークノイズを相関二重サンプリング回路で除去できるようなトランジェントスピードΔV/ΔT(ただしΔVは電圧、ΔTは時間)となる立ち上がり及び立ち下がりの傾きを有した転送パルス波形を、垂直転送時の垂直シフトレジスタに供給することで、水平転送期間に並行して垂直転送も行うようにした固体撮像装置がある(例えば特許文献2を参照)。これにより、水平ブランキング期間の短縮が可能になる。
特開平3−256359号公報 特開2005−269060号公報
しかしながら、特許文献1に記載された例では、不要電荷の発生防止用の突出部が設けられてはいるもの、導電性遮光膜に配線としての機能を付与するために遮光膜が分断されているので、遮光機能が低減しスミアなどの不要電荷の発生の可能性が残る。また、特許文献2に開示された例では、垂直シフトレジスタの転送パルスのトランジェントスピードの微調整が複雑であり、クロストークノイズを完全に除去することが技術的に難しい。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、水平ブランキング期間を短縮して固体撮像装置の高速駆動を実現しつつ、クロストークノイズが画質に与える影響を低減することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、
行列状に配置され、入射した光を光電変換して信号電荷を出力する複数の光電変換部、前記光電変換部の列毎に対応して設けられて、対応した列の各光電変換部が出力した信号電荷を列方向に転送する垂直シフトレジスタ、各垂直シフトレジスタの最終段に接続され、該垂直シフトレジスタから転送された信号電荷を蓄積する信号電荷一時蓄積部、及び、各信号電荷一時蓄積部と接続され、各信号電荷一時蓄積部が蓄積している信号電荷を3相以上の転送パルスによって行方向に転送する水平シフトレジスタを備えた固体撮像装置の駆動方法であって、
前記垂直シフトレジスタに垂直転送パルスを印加して、前記光電変換部が出力した信号電荷を列方向に転送させる垂直転送パルス印加ステップと、
前記水平シフトレジスタに水平転送期間に水平転送パルスを印加して、前記信号電荷一時蓄積部が蓄積している信号電荷を行方向に転送させる水平転送パルス印加ステップと、
を含み、
前記水平転送パルス印加ステップでは、前記水平転送期間中に前記信号電荷が出力されない信号無効期間を設け、
前記垂直転送パルス印加ステップでは、前記垂直転送パルスの立ち上がり及び立ち下がりを前記信号無効期間に行わせることを特徴とする。
この固体撮像装置の制御方法では、垂直シフトレジスタと水平シフトレジスタは水平転送期間に転送を行う。これにより、水平ブランキング期間を短縮することが可能となる。また、この固体撮像装置の制御方法では、垂直転送パルスの立ち上がり及立ち下がりが、信号無効期間に行われる。すなわち、垂直転送パルスの立ち上がり及び立ち下がりにともなうクロストークノイズが出力される期間には、水平シフトレジスタからは画像としての情報を有した信号電荷が出力されない。つまり、垂直転送パルスのクロストークノイズは、画像としての情報を有した信号には影響を与えないのである。
本発明によれば、水平ブランキング期間を短縮して固体撮像装置の高速駆動を実現しつつ、クロストークノイズが画質に与える影響を低減することが可能になる。
本発明の実施形態に係る固体撮像装置100の構成を示すブロック図である。 1ラインの信号出力期間に対応した各転送パルスのタイミングチャートである。 水平シフトレジスタ104における各転送パルスのタイミングチャートである。 時刻t0’〜t5’における、水平シフトレジスタ104終端付近の転送ゲート下のポテンシャルレベルを示す図である。 水平シフトレジスタ104に与える転送パルスの他の一例を示すタイミングチャートである。 水平シフトレジスタ104に与える転送パルスの他の一例を示すタイミングチャートである。 水平シフトレジスタ104に与える転送パルスの他の一例を示すタイミングチャートである。 水平シフトレジスタ104に与える転送パルスの他の一例を示すタイミングチャートである。 3相駆動の場合の水平シフトレジスタ104に与える転送パルスの一例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態の概要》
本発明の実施形態として、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等に使用される固体撮像装置に本発明を適用した例を説明する。以下に例示する固体撮像装置は、いわゆるインターライン転送(IT)方式のCCD型固体撮像装置である。インターライン転送方式のCCD型固体撮像装置は、光電変換部(フォトダイオード)と電荷転送を行う垂直シフトレジスタを一列ごとに交互に配置し、垂直シフトレジスタの終端部を水平シフトレジスタに接続した構造を有している。以下、その構成を詳しく説明する。
《固体撮像装置の構成》
図1は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この固体撮像装置100は、光電変換部101、垂直シフトレジスタ102、信号電荷一時蓄積部103、水平シフトレジスタ104、及び出力部105を備えている。
〈光電変換部101〉
光電変換部101は、入射した光を光電変換して信号電荷を出力する素子(例えばフォトダイオード)であり、この固体撮像装置100では複数の光電変換部101が行列状に配置されている。
〈垂直シフトレジスタ102〉
また、垂直シフトレジスタ102は、光電変換部101の列毎に対応して設けられて、対応した列の各光電変換部101が出力した信号電荷を保持するとともに、列方向に転送する。詳しくは、各垂直シフトレジスタ102は、複数のゲート電極膜を備え、1つの光電変換部101(フォトダイオード)に、2つの前記ゲート電極膜が対応するように形成されている。それぞれのゲート電極膜は、信号電荷の垂直方向の転送を制御する転送ゲートを構成している。より詳しくは、この垂直シフトレジスタ102では、奇数番目(図1の最上段を1番目とする)の光電変換部101に対応して転送ゲートV1,V2が設けられ、偶数番目の光電変換部101に対応して転送ゲートV3,V4がそれぞれ設けられている。これらの転送ゲートV1〜V4(4相の転送ゲートとも呼ぶ)には、位相が互いに異なる垂直転送パルスφV1,V2,V3,V4がそれぞれ印加されるようになっている。すなわち、この垂直シフトレジスタ102には、いわゆる4相の垂直転送パルスで駆動される。
〈信号電荷一時蓄積部103〉
信号電荷一時蓄積部103は、垂直シフトレジスタ102から転送された信号電荷を蓄積する。そのため、この信号電荷一時蓄積部103は、それぞれの垂直シフトレジスタ102の最終段の転送ゲート(垂直転送パルスφV4が印加される転送ゲートV4)の後段に接続されている。具体的には、この信号電荷一時蓄積部103は、信号電荷蓄積(ストレージ)ゲートであるゲートV5、及び転送阻止(バリア)ゲートであるゲートV6により形成されている。なお、ゲートV1〜V6の各ゲート電極膜は、それぞれの垂直シフトレジスタ102で共通となるように、水平方向(図1における水平方向)に延長されている。
〈水平シフトレジスタ104〉
水平シフトレジスタ104は、信号電荷一時蓄積部103に接続され、該信号電荷一時蓄積部103から入力された1行分の信号電荷を行方向に転送して出力部105に出力する。本実施形態の水平シフトレジスタ104は、いわゆる4相駆動方式の水平シフトレジスタである。具体的には、水平シフトレジスタ104は、各垂直シフトレジスタ102に4つの転送ゲートH1,H2,H3,H4の組がそれぞれ対応するように形成されている。すなわち、水平シフトレジスタ104は、4つで1組の転送ゲートH1〜H4が繰り返し配置されている。そして、これらの転送ゲートの後段(すなわち、水平シフトレジスタ104の最終段)には、転送ゲートHLと転送ゲートOGとが配置されている(図1参照)。
それぞれの転送ゲートH1は、対応する信号電荷一時蓄積部103に接続されている。また、4つの転送ゲートH1〜H4には、互いに位相が異なる水平転送パルスφH1,φH2,φH3,φH4がそれぞれ印加されている。これにより、4つの転送ゲートH1〜H4は、これらの転送パルスに応じ、各信号電荷一時蓄積部103から転送ゲートH1に入力された信号電荷を水平方向に転送駆動する。
一方、転送ゲートHLは信号電荷蓄積(ストレージ)ゲートであり、転送ゲートOGは転送阻止(バリア)ゲートである。転送ゲートHLには、前記水平転送パルスφH1〜φH4よりも高い振幅に設定された水平転送パルスφHLが印加されている。また、転送ゲートOGには直流電位が印加されている。本実施形態では、水平転送パルスφHLがハイレベル(以下、Hレベルと略記)のときに信号電荷が転送ゲートHLに蓄積される。そして、水平転送パルスφHLがHレベルからローレベル(以下、Lレベルと略記)に遷移したときに信号電荷がバリアゲートを超え、出力部105に該信号電荷が転送される。
なお、水平転送パルスφHLの位相は、水平転送パルスφH1〜φH4による駆動パターンに適合するように設定されている。本実施形態では、転送ゲートHLの1つ前の転送ゲートは転送ゲートH4なので、転送ゲートの繰り返しパターンで転送ゲートH4の次にあたる転送ゲートH1の転送パルスと、転送ゲートHLの転送パルスの位相は同位相となる。
〈出力部105〉
出力部105は、水平シフトレジスタ104から信号電荷が入力され、その信号電荷を電圧に変換して出力する。本実施形態の出力部105は、フローティング・ディフュージョン105b(図中ではFDと略記)、リセットゲート105c(図中ではRと略記)、リセットドレイン105d(図中ではRDと略記)、及び出力アンプ105aの各部から構成されている。
この出力部105では、リセットドレイン105dには、一定電圧が印加されている。また、リセットゲート105cには、リセット信号φRが印加されている。リセットゲート105cは、リセット信号φRがHレベルとなるとオンになる。そして、フローティング・ディフュージョン105bは、リセットゲート105cがオン状態になると、蓄積していた信号電荷がリセットされる。これにより、フローティング・ディフュージョン105bの電圧は、リセットドレイン105dの電圧と等しくなる。
その後、リセット信号φRがLレベルとなると、フローティング・ディフュージョン105bの電圧は、基準電圧(フィードスルーレベル)となる。その後、水平シフトレジスタ104の最終段からフローティング・ディフュージョン105bへ信号電荷が転送されると、フローティング・ディフュージョン105bの電圧は、基準電圧から当該信号電荷相当分だけ下がった電圧(信号レベル)となる。このようにして、フローティング・ディフュージョン105bは、水平シフトレジスタ104から転送されてきた信号電荷を電圧に変換するのである。
出力アンプ105aは、フローティング・ディフュージョン105bにて変換された電圧信号を増幅して、出力信号Voutを生成する。この出力信号Voutは、外部回路(図示は省略)において積分型相関二重サンプリング処理されて画像信号となり、ディスプレイ(図示省略)へ送信される。なお、積分型相関二重サンプリング処理とは、出力信号Voutのフィードスルーレベルの積分量と、出力信号Voutの信号レベルの積分量との差分を演算して1画素分の画像信号を生成する処理である。
《固体撮像装置100の駆動制御》
次に、本実施形態における固体撮像装置100の動作、すなわち固体撮像装置100の駆動方法について説明する。
〈固体撮像装置100の動作の概略〉
図2は、1ラインの信号出力期間に対応した各転送パルスのタイミングチャートである。図2に示すように、固体撮像装置100では、垂直シフトレジスタ102における垂直転送を水平転送期間中に行う。また、信号電荷一時蓄積部103(すなわちゲートV5,V6)から水平シフトレジスタ104への信号電荷の転送は、水平ブランキング期間中に行う。このように、この固体撮像装置100では、垂直シフトレジスタ102と水平シフトレジスタ104は同時に動作している。これにより、水平ブランキング期間を短縮し、固体撮像装置100の高速駆動が可能となる。
しかしながら、水平転送期間に無制限に垂直転送を行うと、垂直シフトレジスタ102の転送パルスのクロストークノイズが出力に乗ってしまう恐れがある。そこで、本実施形態では、水平転送期間中の垂直転送パルスのクロストークノイズが出力される期間には、水平シフトレジスタ104からは、画像としての情報を有した信号電荷が出力されないようにした。具体的には、本実施形態では、以下のように固体撮像装置100の水平転送パルスを水平シフトレジスタ104の各転送ゲートH1〜H4に印加して、該水平シフトレジスタ104を制御する。
〈水平転送期間における水平シフトレジスタ104の制御〉
図3は、水平シフトレジスタ104における各転送パルスのタイミングチャートである。同図は特に、水平転送期間中の一部の期間である時刻t0’〜t5’について詳細に記載している。なお、図3に示した破線は、CCD型固体撮像装置の一般的な駆動方法(説明の便宜上、従来の駆動方法と呼ぶ)を採用した場合に生成される水平転送パルスを例示している。従来の駆動方法では、水平転送パルスφH1〜φH4は、1/4周期ずつ位相が異なるパルスとなっている。
一方、図4は、時刻t0’〜t5’における、水平シフトレジスタ104終端付近の転送ゲート下のポテンシャルレベルを示す図である。図4におけるH1、H2等の符号は転送ゲートを示し、ハッチングを付した転送ゲートは信号電荷が蓄積されていることを示している。
本実施形態では、時刻t0’〜t5’において、水平転送パルスφH2及びφH3を、他の水平転送パルスとは異なるパルス幅に制御している(図3を参照)。この例では、時刻t1’〜t4’において、水平転送パルスφH2及びφH3の立ち上がりおよび立ち下がりをそれぞれ省略している。より具体的には、従来の駆動方法で用いられる水平転送パルスφH2及びφH3における、図3の破線で示した箇所をそれぞれ省略している。
前記の制御を、時刻を追って見ると、時刻t0’においては、水平転送パルスφH1及びφH2がHレベル、水平転送パルスφH3及びφH4がLレベルとなっている。このとき、信号電荷は図4に示すように、転送ゲートH1及びH2に蓄積されている。
時刻t1’においては、本実施形態では、水平転送パルスφH3をLレベルの状態に保持させつつ、水平転送パルスφH1をLレベルに遷移させている。これにより、固体撮像装置100は、信号電荷が転送ゲートH2の1枚に蓄積された状態になる(図4参照)。なお、従来の駆動方法であれば、図4に点線で示したように、このタイミングでは、水平転送パルスφH1がLレベル、水平転送パルスφH3がHレベルにそれぞれ制御される。
次に、時刻t2’においては、水平転送パルスφH2をHレベルの状態に保持させつつ、水平転送パルスφH4をHレベルに遷移させている。このタイミングでは、従来の駆動方法であれば、水平転送パルスφH2がLレベル、水平転送パルスφH4がHレベルに遷移するところである。
次に、時刻t3’においては、水平転送パルスφH3をLレベルの状態に保持させつつ、水平転送パルスφH1のみHレベルに遷移させる。このタイミングでは、従来の駆動方法であれば、水平転送パルスφH1がHレベル、水平転送パルスφH3がLレベルに遷移するところである。
次に、時刻t4’においては、水平転送パルスφH2をHレベルの状態に保持させつつ、水平転送パルスφH4をLレベルに遷移させる。この固体撮像装置100では、このタイミングで、水平シフトレジスタ104のポテンシャル状態が、時刻t0’の状態に回帰したことになる。このタイミングでは、従来の駆動方法であれば、水平転送パルスφH2がHレベル、水平転送パルスφH4がLレベルに遷移するところである。また、従来の駆動方法では、このタイミングでは、それぞれのゲートには、時刻t0’において前段のゲートに蓄積されていた電荷が蓄積される。しかし、本実施形態の駆動方法では、時刻t0’で蓄積されていた信号電荷が依然として同一のゲートに蓄積されている。そして、このときの水平転送パルスφHLはHレベルであるが、転送ゲートHLには信号電荷は存在しない状態である。
次に、時刻t5’においては、水平転送パルスφH1及びφHLをLレベル、水平転送パルスφH3をHレベルに遷移させる。このとき、転送ゲートHLには信号電荷が存在しないため、フローティング・ディフュージョン105b(FD)へ移動する信号電荷はない。すなわち、フローティング・ディフュージョン105bからは、画像としての情報を含んでいない信号がVout信号として検出される。従来の駆動方法であれば、このタイミングで、画像としての情報を有した信号電荷がフローティング・ディフュージョン105bに転送されるところである。なお、従来の駆動方法で時刻t5’にフローティング・ディフュージョン105bへ転送されていた信号電荷は、本実施形態では水平転送パルスの駆動周期で1周期分遅れた時刻t7’にフローティング・ディフュージョン105bへ転送されることになる。すなわち、本実施形態では、4相の水平転送パルスのうちの2つについて、立ち上がりおよび立ち下がりをそれぞれ省略することによって、信号電荷の出力部105への転送を遅延させている。つまり、本実施形態では、画像としての情報を有した信号電荷が出力されていない期間(以下、説明の便宜上この期間を信号無効期間と呼ぶ)を、水平転送期間中に設けているのである。この例では時刻t3’〜t6’が信号無効期間である。
本実施形態では、時刻T3〜T11(図2参照)における垂直シフトレジスタ102の各転送パルスの立ち上がり及び立ち下がり動作が、各ラインの水平転送期間中の時刻t3’〜t6’の間(図3参照)、すなわち信号無効期間に実施されるように、垂直シフトレジスタ102の転送パルスと水平シフトレジスタ104の転送パルスとをそれぞれ調整する。具体的には、この固体撮像装置100においては、水平転送期間中の垂直シフトレジスタの転送パルスの立ち上がり及び立ち下がりは、図2に示すように計9箇所あるので、この9箇所に対応して前記の信号無効期間を設けるようにするのである。
これにより、垂直転送パルスのクロストークノイズは、各ラインの信号無効期間の出力に重畳される。そして、画像としての情報を有した信号はこの期間には出力されない。すなわち、本実施形態では、垂直転送パルスのクロストークノイズは、画像としての情報を有した信号には影響を与えない。
なお、本実施形態では、水平転送期間が終了するたびに、水平シフトレジスタを停止させ(水平ブランキング期間)、この水平ブランキング期間中にゲートV5及びV6を駆動して、次の水平転送期間に出力部105に転送する信号電荷を垂直シフトレジスタ102から水平シフトレジスタ104に転送する。水平ブランキング期間中に行う動作は、ゲートV5及びV6の駆動だけである。そのため、水平ブランキング期間を短縮して、固体撮像装置100の高速駆動の実現が可能になる。
以上のように、本実施形態によれば、垂直転送パルスのクロストークノイズは、各ラインの信号無効期間の出力に重畳される。そして、画像としての情報を有した信号は、この期信号無効期間には出力されない。それゆえ、固体撮像装置100においてクロストークノイズによって画像に縦筋が発生するなどの問題が生じないようにすることが可能になる。すなわち、本実施形態によれば、固体撮像装置の高速駆動を実現しつつ、クロストークノイズが画質に与える影響を低減することが可能になる。例えば、一千万画素以上を搭載したCCD型固体撮像装置において、高速な撮像画像データの読み出しを実現しつつ、高画質な撮像画像データを得ることが可能となる。
《その他の実施形態》
〈1〉なお、上記の水平シフトレジスタ104の制御は一例である。要は、水平転送期間中の垂直転送パルスのクロストークノイズが出力に重畳される期間には、水平シフトレジスタ104からは有効信号電荷が出力されないように、該水平シフトレジスタ104に水平転送パルスを印加すればよいのである。例えば、図5に示したパターンで水平転送パルスφH1〜φH4を水平シフトレジスタ104に与えてもよい。この例では、水平転送パルスφH2及びφH3のパルス幅を他の水平転送パルスと異ならせることによって、信号無効期間を設けている。その他にも図6、図7、図8に示した駆動方法も採用できる。図6及び図7の例では、水平転送パルスφH1,φH4,及びφHLのパルス幅、図8の例では、水平転送パルスφH1〜φH4,及びφHLのパルス幅を他の水平転送パルスとそれぞれ異ならせることによって、信号無効期間を設けている。なお、図5〜図8の各図における破線は、CCD型固体撮像装置の一般的な駆動方法を採用した場合に生成される水平転送パルスを例示している。
〈2〉また、垂直シフトレジスタ102の転送ゲート数(駆動相数)が8相や12相のように本実施形態よりも増えた場合には、転送パルスの立ち上がり及び立ち下がりの総数も増えるので、さらに信号電荷の転送を遅延させる期間を増やす必要がある。水平シフトレジスタ104の転送パルスφH1〜φH4は、一般的には高速パルスであるため、1回の水平転送期間に10〜30箇所の信号が出力されない期間を設けても、遅延時間はほんの一瞬であり、高速化を阻害することはない。
〈3〉また、前記の説明では4相駆動方式の水平シフトレジスタを搭載したCCD型固体撮像装置を例としたが、前記の駆動方法は、3相以上の多相駆動方式の水平シフトレジスタを搭載したCCD型固体撮像装置に適用可能である。
図9は、本発明に係る固体撮像装置の駆動方法の、3相駆動方式の水平シフトレジスタにおける実施形態である。図9における破線は、3相駆動方式の一般的な駆動方法を採用した場合に生成される水平転送パルスを例示している。
〈4〉また、図3、5、9に示すように、本発明に係る固体撮像装置の駆動方法は、最小で2つの水平転送パルスのパルス幅を信号無効期間において制御することで実施可能である。すなわち、本発明に係る固体撮像装置の駆動方法では、3相以上の多相駆動方式の水平シフトレジスタにおいて、少なくとも1つの水平転送パルスについては、信号無効期間と、信号無効期間以外の水平転送期間(つまり、画像としての情報を有した信号電荷が出力されている期間)の双方で同じパルス幅に設定することが可能である。従って、本発明に係る固体撮像装置においては、少なくとも1つの水平転送パルスについては、従来から一般的に用いられているような、水平転送期間中のパルス幅変調機能を有しない水平転送パルス発生装置(ドライバ)を使用することが可能である。
本発明に係る固体撮像装置の駆動方法は、固体撮像装置の高速駆動を実現しつつ、クロストークノイズが画質に与える影響を低減することが可能になるという効果を有し、いわゆるCCD型の固体撮像装置の駆動方法等として有用である。
100 固体撮像装置
101 光電変換部
102 垂直シフトレジスタ
103 信号電荷一時蓄積部
104 水平シフトレジスタ
105 出力部

Claims (4)

  1. 行列状に配置され、入射した光を光電変換して信号電荷を出力する複数の光電変換部、前記光電変換部の列毎に対応して設けられて、対応した列の各光電変換部が出力した信号電荷を列方向に転送する垂直シフトレジスタ、各垂直シフトレジスタの最終段に接続され、該垂直シフトレジスタから転送された信号電荷を蓄積する信号電荷一時蓄積部、及び、各信号電荷一時蓄積部と接続され、各信号電荷一時蓄積部が蓄積している信号電荷を3相以上の転送パルスによって行方向に転送する水平シフトレジスタを備えた固体撮像装置の駆動方法であって、
    前記垂直シフトレジスタに垂直転送パルスを印加して、前記光電変換部が出力した信号電荷を列方向に転送させる垂直転送パルス印加ステップと、
    前記水平シフトレジスタに水平転送期間に水平転送パルスを印加して、前記信号電荷一時蓄積部が蓄積している信号電荷を行方向に転送させる水平転送パルス印加ステップと、
    を含み、
    前記水平転送パルス印加ステップでは、前記水平転送期間中に前記信号電荷が出力されない信号無効期間を設け、
    前記垂直転送パルス印加ステップでは、前記垂直転送パルスの立ち上がり及び立ち下がりを前記信号無効期間に行わせることを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
  2. 請求項1の固体撮像装置の駆動方法において、
    前記信号電荷一時蓄積部が蓄積している信号電荷を水平ブランキング期間中に水平シフトレジスタに転送させる転送ステップをさらに含んでいることを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
  3. 請求項1の固体撮像装置の駆動方法において、
    前記水平転送パルス印加ステップでは、前記信号無効期間において、水平転送パルスを前記信号無効期間以外の期間におけるパルス幅とは異なるパルス幅に制御することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
  4. 請求項3の固体撮像装置の駆動方法において、
    前記水平転送パルス印加ステップでは、前記信号無効期間において、前記3相以上の水平転送パルスのうちの少なくとも1つを前記信号無効期間以外の期間におけるパルス幅と同じパルス幅に制御することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
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