JP2010257691A - 燃料電池用ソケット、燃料電池用カップラー、および燃料電池 - Google Patents

燃料電池用ソケット、燃料電池用カップラー、および燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池への装着に必要な部品点数が少なく、また燃料電池への装着も容易で、さらに強度や固定力に優れ、燃料電池からの脱落や回転が抑制され、信頼性に優れる燃料電池用ソケットを提供すること。
【解決手段】燃料電池3に装着され、前記燃料電池3に液体燃料を供給する燃料電池用プラグ4が着脱可能に接続される燃料電池用ソケット1であって、バルブ機構を有するソケット本体11と、前記ソケット本体11の外周部に突出するように設けられ、前記燃料電池3の装着部71に係止可能なフランジ状の係止部12とを有するもの。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池への液体燃料の供給に用いられる燃料電池用ソケットと、これを用いた燃料電池用カップラーおよび燃料電池とに関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気とを供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することができる。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
特に、エネルギー密度の高いメタノール燃料を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源として有望視されている。DMFCにおける燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料収容部内の液体燃料を燃料電池内で気化させて燃料極に供給する内部気化型のパッシブ方式が知られている。このうち、パッシブ方式はDMFCの小型化に対して有利である。パッシブ方式のDMFCでは、例えば燃料収容部内のメタノール燃料を燃料含浸層や燃料気化層等を介して気化させて燃料極に供給する。
燃料収容部への液体燃料の供給には、例えばサテライトタイプ(外側注入式)の燃料カートリッジが用いられる。燃料カートリッジによって液体燃料を供給する場合、一般に燃料電池に装着される燃料電池用ソケットと、燃料カートリッジに装着される燃料電池用プラグとから構成される燃料電池用カップラーが用いられる。燃料電池用ソケットおよび燃料電池用プラグはそれぞれバルブ機構を有しており、両者を接続することで互いのバルブを当接させてバルブ機構を開状態とすることができ、燃料カートリッジに収容されている燃料を燃料電池、具体的には燃料収容部へと供給することができる。また、燃料電池用ソケットから燃料電池用プラグを取り外すことで、互いのバルブを離してバルブ機構を閉状態とすることができ、液体燃料の供給を遮断することができる(例えば、特許文献1参照)。
このような燃料電池用ソケットは、例えば燃料電池の下面側に設けられる燃料収容部に装着されている。具体的には、円筒状の燃料電池用ソケットの両脇を内側に凹ませるようにして軸方向に垂直な一対の固定用溝部を形成する。別途、燃料収容部に、燃料電池用ソケットを収容するソケット収容孔を形成すると共に、このソケット収容孔に燃料電池用ソケットを固定するための固定ピンを挿入するピン挿入孔を形成する。ピン挿入孔は、ソケット収容孔の軸方向に対して直角となるように、またソケット収容孔の両脇に開口するようにして一対形成される。
そして、ソケット収容孔に燃料電池用ソケットを収容した後、一対の固定ピンをピン挿入孔に挿入すると同時に、燃料電池用ソケットの両脇に設けた固定用溝部に嵌め込むことで、ソケット収容孔に燃料電池用ソケットを固定することができ、例えば燃料電池用ソケットから燃料電池用プラグを取り外す際、燃料電池用プラグと共に燃料電池用ソケットが脱落するのを抑制することができる。また、このようなものとすることで、ソケット収容孔における燃料電池用ソケットの軸回りの回転も抑制でき、燃料電池用ソケットに対して軸回りの位置関係を合わせて燃料電池用プラグを接続しなければならないものの場合等、燃料電池用プラグの接続も容易なものとすることができる。
特開2008−47405号公報
しかしながら、燃料電池と同様に燃料電池用ソケットについても携帯用電子機器等に搭載可能とするために小型化が進められており、上記した固定ピンを用いる装着方法では固定ピンが微細となって取り扱いや挿入が容易でなく、燃料電池用ソケットの装着が困難となりつつある。また、燃料電池の生産性を向上させる観点から、燃料電池用ソケットの装着に必要な部品点数も減らすことが求められている。
さらに、上記した固定ピンを用いる装着方法では、燃料電池用ソケットを両脇の2点で固定する構造のために必ずしも強度や固定力に優れず、特に燃料電池用ソケットが小型化された場合にソケット収容孔からの脱落や、ソケット収容孔内における回転を十分に抑制できないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、燃料電池への装着に必要な部品点数が少なく、また燃料電池への装着も容易で、さらに強度や固定力に優れ、燃料電池からの脱落や回転が抑制され、信頼性に優れる燃料電池用ソケットを提供することを目的としている。また、本発明は、このような燃料電池用ソケットを用いた燃料電池用カップラー、および燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池用ソケットは、燃料電池に装着され、前記燃料電池に液体燃料を供給する燃料電池用プラグが着脱可能に接続される燃料電池用ソケットであって、バルブ機構を有するソケット本体と、前記ソケット本体の外周部に突出するように設けられ、前記燃料電池の装着部に係止可能なフランジ状の係止部とを有することを特徴とする。
前記係止部は、非円形状であり、前記装着部における前記燃料電池用ソケットの軸回りの回転を抑制可能なものであることが好ましい。また、前記非円形状の係止部は、円弧状の切り欠き部を有することが好ましく、前記切り欠き部は、前記非円形状の係止部の両側に一対設けられていることが好ましい。
本発明の燃料電池用ソケットは、さらに、前記ソケット本体の外周部に突出するように設けられ、前記燃料電池の装着部における前記燃料電池用ソケットの軸回りの回転を抑制可能な非円形のフランジ状の回転抑制部を有することが好ましい。
前記装着部は、例えば前記燃料電池の燃料収容部に設けられる。前記装着部は、例えば前記燃料収容部に一体的に設けられ、燃料電池用ソケットの一方の側面側を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの他方の側面側を覆い、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記係止部は、前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方の内側部分に設けられる溝部に係止するものである。
また、前記装着部は、例えば前記燃料収容部に一体的に設けられ、前記燃料電池用ソケットの後端側を挿入することにより当該部分を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの先端側を覆い、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記係止部は、前記カバーの前記支持部側に係止するものである。
前記支持部と前記カバーとは、例えば溶着により固定されるものである。この場合、前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方は、溶着のためのエネルギー導波部を有することが好ましい。前記支持部と前記カバーとは、例えば一方に形成される係合凸部と他方に形成される係合凹部とを嵌め合わせることにより固定されるものであっても構わない。
本発明の燃料電池用カップラーは、燃料電池に液体燃料を供給する燃料電池用プラグと、前記燃料電池に装着され、前記燃料電池用プラグが着脱可能に接続される燃料電池用ソケットとを有する燃料電池用カップラーであって、前記燃料電池用ソケットが、上記した本発明の燃料電池用ソケットであることを特徴とする。
本発明の燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持される電解質膜とを有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する液体燃料を収容する燃料収容部と、前記燃料収容部の装着部に設けられる燃料電池用ソケットとを有する燃料電池であって、前記燃料電池用ソケットが、上記した本発明の燃料電池用ソケットであることを特徴とする。
前記装着部は、例えば前記燃料収容部に一体的に設けられ、燃料電池用ソケットの一方の側面側を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの他方の側面側を覆い、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記燃料電池用ソケットの係止部は、前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方の内側部分に設けられる溝部に係止するものである。
また、前記装着部は、例えば前記燃料収容部に一体的に設けられ、前記燃料電池用ソケットの後端側を挿入することにより当該部分を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの先端側を覆い、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記燃料電池用ソケットの係止部は、前記カバーの前記支持部側に係止するものである。
前記支持部と前記カバーとは、例えば溶着により固定されるものである。この場合、前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方は、溶着のためのエネルギー導波部を有することが好ましい。前記支持部と前記カバーとは、例えば一方に形成される係合凸部と他方に形成される係合凹部とを嵌め合わせることにより固定されるものであっても構わない。
本発明によれば、燃料電池用ソケットにおけるソケット本体の外周部に燃料電池の装着部に係止可能なフランジ状の係止部を設けることで、燃料電池への装着に必要な部品点数が少なく、また燃料電池への装着も容易で、さらに強度が高く固定力に優れ、燃料電池からの脱落や回転が抑制され、信頼性に優れる燃料電池用ソケットとすることができる。
また、本発明によれば、燃料電池用プラグと燃料電池用ソケットとからなる燃料電池用カップラーにおいて、燃料電池用ソケットとして上記した本発明の燃料電池用ソケットを用いることで、燃料電池への装着に必要な部品点数が少なく、また燃料電池への装着が容易で、さらに強度が高く固定力に優れ、燃料電池からの脱落や回転が抑制され、信頼性に優れるものとすることができる。
さらに、本発明によれば、膜電極接合体、燃料収容部、および燃料電池用ソケットを有する燃料電池において、燃料電池用ソケットとして上記した本発明の燃料電池用ソケットを用いることで、燃料電池用ソケットの装着に必要な部品点数が少なく、また燃料電池用ソケットの装着が容易で、さらに燃料電池用ソケットの脱落や回転が抑制され、信頼性に優れるものとすることができる。
本発明の燃料電池用ソケット、燃料電池用カップラー、および燃料電池の関係を示す模式図。 本発明の燃料電池用ソケットの構造を示す分解斜視図。 本発明の燃料電池用ソケットの構造を示す断面図。 本発明の燃料電池用ソケットと燃料電池用プラグとの接続方法を示す断面図。 本発明の燃料電池用ソケットの装着方法を示す外観図。 装着方法を別方向から示す外観図。 装着方法を示す断面図。 装着後の状態を示す断面図。 図5に示す装着方法の変形例を示す外観図。 変形例の装着方法を示す長手方向の断面図。 変形例の装着方法を示す幅方向の断面図。 変形例の装着後の状態を示す長手方向の断面図。 変形例の装着後の状態を示す幅方向の断面図。 他の装着方法を示す外観図。 他の装着方法を示す側面図。 他の装着方法の装着後の状態を示す側面図。 他の装着方法の装着後の状態を示す断面図。 図14に示す装着方法の変形例を示す外観図。 変形例の装着方法の側面図。 変形例の装着方法の装着後の状態を示す側面図。 変形例の装着方法の装着後の状態を示す断面図。 本発明の燃料電池の一例を示す断面図。 燃料分配機構の一例を示す断面図。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の燃料電池用ソケット1(以下、単にソケット1と呼ぶ)と、これを用いた燃料電池用カップラー2(以下、単にカップラー2と呼ぶ)および燃料電池3との関係を示す模式図である。
ソケット1は、プラグ4と対になってカップラー2を構成する。ソケット1、プラグ4は、それぞれバルブ機構を有しており、図示するような分離状態においては、それぞれのバルブ機構が閉じることで外部への液体燃料の流出が抑制されている。そして、ソケット1にプラグ4を接続した場合、互いのバルブが当接してバルブ機構が開かれることによりプラグ4からソケット1への液体燃料の供給が可能となる。
ソケット1が装着される燃料電池3は、例えば起電部となる燃料電池セル5と、これに燃料を供給する燃料供給機構6とを有しており、この燃料供給機構6に燃料を収容する燃料収容部7が設けられている。ソケット1は、例えばこのような燃料収容部7の装着部71に装着されている。
プラグ4は、液体燃料を収容する容器であるカートリッジ本体8に装着されてカートリッジ9を構成する。このようなカートリッジ9は、燃料電池3に液体燃料を注入するときのみ接続され、いわゆるサテライトタイプ(外側注入式)と呼ばれるものである。
カートリッジ本体8には、燃料電池3に応じた液体燃料、例えば直接メタノール型燃料電池(DMFC)であれば各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が収容される。なお、カートリッジ本体8に収容される液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池3に応じた液体燃料が収容される。
以下、本発明のソケット1について具体的に説明する。
図2、3は、それぞれソケット1の構造を示す分解斜視図、断面図である。なお、図2については図中左側が、また図3については図中上側が、それぞれプラグ4が接続される先端側となっている。
ソケット1は、メス側カップラーとも呼ばれるものであり、例えばバルブ機構を有するソケット本体11と、その外側に設けられる係止部12および回転抑制部13とから構成されている。
係止部12は、例えばソケット本体11の略中央部に設けられ、ソケット本体11の外周部に板状に突出するフランジ状とされている。この係止部12は、燃料電池3、具体的には燃料収容部7の装着部71にソケット1を容易に装着できるようにすると共に、例えばソケット1からプラグ4を取り外す際、装着部71からソケット1が容易に脱落しないように強固に固定するために設けられている。具体的には、このような係止部12をソケット1に設けると共に、装着部71の構造を係止部12に合わせることで、ソケット1の装着を容易にすると共に、ソケット1を強固に固定することができる。
係止部12は、少なくともフランジ状であって、装着部71に有効に係止できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば図示するような両側に一対の円弧状の切り欠き部121による直線部を有する略楕円形状等の非円形状であることが好ましい。このようなものとすることで、装着部71の形状と併せて、装着部71におけるソケット1の軸回りの回転(以下、単にソケット1の回転という)を抑制することができ、例えばソケット1とプラグ4とが軸回りの位置関係を合わせて接続しなければならないものの場合等、これらの接続を容易とすることができる。
一方、回転抑制部13は、装着部71の形状と併せて、ソケット1の回転を抑制するために設けられており、例えば係止部12よりも先端側に設けられ、ソケット本体11の外周部に板状に突出する非円形のフランジ状とされている。この回転抑制部13は、係止部12がソケット1の回転を抑制するものの場合、この係止部12による回転の抑制を補助し、また係止部12がソケット1の回転を抑制できないものの場合、主としてソケット1の回転を抑制する。
回転抑制部13についても、少なくとも非円形のフランジ状であって、装着部71の形状と併せてソケット1の回転を抑制できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば図示するような多数の直線部を有する略多角形状等のものであってもよいし、係止部12と同様な略楕円形状等のものであってもよい。なお、本発明については、必ずしも回転抑制部13を設ける必要はなく、例えば係止部12がソケット1の回転を抑制できるか否かに係わらず、係止部12のみを設けてもよい。
一方、このような係止部12や回転抑制部13が設けられるバルブ機構を有するソケット本体11は、バルブ14と、これを収容する略円筒状の筒部15とから主として構成されている。筒部15は、例えば第1筒部151の後端側に第2筒部152および第3筒部153が順に嵌め込まれることにより構成されている。第2筒部152の内部には、第3筒部153と併せてバルブ室16(図3)を構成する第4筒部154が配置されている。これら第3筒部153と第4筒部154との間には、これらの間からの液体燃料の漏れを抑制するためのOリング155が配置されている。
係止部12は、例えば第1筒部151の後端部に形成されており、具体的には第1筒部151の後端部を外側に垂直に折り曲げるように変形させることにより一体的に形成されている。このように第1筒部151に係止部12を一体的に形成することで、係止部12を強度に優れたものとし、装着部71からソケット1が脱落しにくいものとすることができる。
第1筒部151の側面部には、プラグ4の接続時、その外周に設けられた溝部に嵌め合わされて一時的に接続状態を保持するプランジャー17が配置されている。プランジャー17は、第1筒部151の孔部151aに挿入され、プラグ4の溝部に嵌め合わされる嵌合部171と、この外側に設けられる本体部172とから構成されている。
プランジャー17の周囲には、このプランジャー17を第1筒部151の側面部に保持するゴムベルト18が配置されている。ゴムベルト18は、プラグ4が接続された際、プランジャー17が外側へ移動するのに合わせて拡径するように弾性変形することで、プランジャー17を保持しつつ、プラグ4の接続を可能とする。
また、ゴムベルト18の先端側には、ゴムベルト18が先端側へと脱落するのを抑制するためのストッパー19が配置されている。回転抑制部13は、例えばストッパー19の後端部に形成されており、具体的にはストッパー19の後端部を外側に垂直に折り曲げるように変形させることにより一体的に形成されている。
ストッパー19の内側には軸方向に延びる凹部191が形成されており、この凹部191と第1筒部151の先端側に設けられる凸部151bとが一致するように嵌め込むことで、ストッパー19や第1筒部151を介して回転抑制部13によって装着部71におけるソケット1の回転を抑制することができる。
一方、筒部15の内部には、プラグ4から供給される液体燃料の流路となる弾性ホルダ21が配置されている。弾性ホルダ21は、その後端部に設けられるフランジ状の固定部211が第2筒部152と第4筒部154とによって挟持されることにより固定されている。弾性ホルダ21は、例えば弾性材料からなる蛇腹状の筒状体であり、プラグ4の接続に合わせて軸方向に伸縮することで、プラグ4から供給される液体燃料を自身の内部に通してバルブ室16へと導入することができる。
第4筒部154の後端側には、Oリング22を介してバルブ14が配置されている。また、バルブ14の後端側には、バルブ14をOリング22に向かって押圧する圧縮スプリング23が配置されている。バルブ14の先端側および後端側はそれぞれ軸部141、軸部142とされており、先端側の軸部141はOリング22を通して弾性ホルダ21に挿入されており、後端側の軸部142は第3筒部153の軸孔153aに挿入されている。また、バルブ14の略中間部にはバルブヘッド143が設けられており、このバルブヘッド143を介して圧縮スプリング23がOリング22を押圧するものとなっている。
また、第3筒部153における軸孔153aの周囲には、バルブ室16に導入された液体燃料を主として排出するための複数の排出口153bが形成されている。さらに、排出口153bを囲むようにして後端面に環状の溝部153cが形成されており、この溝部153cにOリング156が嵌め込まれている。Oリング156は、装着部71に装着した際、ソケット1の後端部と装着部71の燃料供給口との間から液体燃料が漏れ出すのを抑制するために設けられている。溝部153cの幅は、Oリング156の幅と同様か、これよりも若干細めとなっていることが好ましい。このようなものとすることで、ソケット1の装着時、溝部153cからOリング156が脱落することを抑制し、取り扱いが容易なものとすることができる。
このようなソケット1は、プラグ4を接続していない場合、第4筒部154の軸孔154aがOリング22とバルブヘッド143とによって塞がれることで、バルブ室16から先端側への液体燃料の流出が抑制されている。
一方、図4に示すようにプラグ4を接続した場合、圧縮スプリング23の反発力に抗してバルブ14が後端側へと移動し、これと共にOリング22が後端側へと移動することで、第4筒部154の軸孔154aが開放され、プラグ4から供給される液体燃料をバルブ室16へと導入することができる。このバルブ室16に導入された液体燃料は、第3筒部153の排出口153bを通して燃料収容部7へと供給される。
このようなソケット1におけるゴムベルト18、弾性ホルダ21、Oリング22、23、155、156は、液体燃料に対する耐性、特に耐メタノール性を有するエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなるものが好ましい。しかしながら、EPDMに限らず、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)、フッ素ゴム(FKM)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)からなるものであってもよい。
また、圧縮スプリング23は、液体燃料と接触したときのために表面処理が施されたものであることが好ましい。具体的には、ステンレス系のスプリングに対し不動態化処理を行い、耐食性を高めたものが好ましい。表面処理に関しては不動態化処理に限らず、金等の貴金属めっきやフッ素系樹脂等の樹脂コーティングも好適に用いられる。また、素材としてカーボンを用いたバネを使用することもできる。
その他の部材については、上記したような金属材料の他、非金属材料からなるものとすることができ、液体燃料に対する耐性、特に耐メタノール性を有するものからなることが好ましい。例えば、耐メタノール性を有する樹脂材料として、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス社商標)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)等が挙げられ、さらに透明性を有するものとして、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリエーテルサルホン(PES)等が挙げられる。
このようなソケット1については、基本的に従来のこの種のソケットと同様にして製造することができる。係止部12や回転抑制部13のようなフランジ状の部分については、例えばソケット1へと組み付ける前の各部材の製造時に合わせて形成することができる。例えば、係止部12については、第1筒部151を製造する際、この第1筒部151の元となる筒状部材の端部を側面部に対して外側に垂直に折り曲げるようにして変形させることにより形成することができる。
また、切り欠き部121を有する係止部12については、例えばまず円形状の係止部12を形成した後、この外周部分を機械加工等により切断して切り欠き部121を形成してもよいし、また例えば第1筒部151の元となる筒状部材の端部を一部だけ長くしておき、この部分を側面部に対して垂直に外側に折り曲げることにより係止部12とし、折り曲げなかった部分を切り欠き部121としてもよい。
次に、ソケット1の装着方法について説明する。
図5〜8は、ソケット1の装着方法の一例を示すものである。ここで、図5、6は、装着前の状態を異なる視点から示す外観図であり、図7、8は、装着前後の状態を示す断面図である。
装着部71は、例えば燃料収容部7の角部に設けられている。なお、燃料収容部7の装着部71以外の部分は、実質的に液体燃料を収容する空間部73(図7、8)となっている。装着部71は、例えばソケット1を一方の側面側(図中、下側)から支持するために燃料収容部7に一体的に形成される支持部74と、ソケット1を他方の側面側(図中、上側)から覆うようにして固定するカバー75とから構成されている。
支持部74には、ソケット1の側面部が配置される凹部が設けられており、その後端側に空間部73と繋がる燃料供給口72が開口している。燃料供給口72は、支持部74にソケット1を配置した際、このソケット1の中心軸に自身の中心軸が一致するように開口している。
支持部74の略中間部には、ソケット1のフランジ状の係止部12を係止するための周方向に延びる溝部741が形成されている。溝部741の形状は、ソケット1のフランジ状の係止部12に合わせて決定されるものであり、例えば係止部12がソケット1の回転を抑制するために略楕円形状等の非円形状とされている場合には、これに合わせて溝部741の形状も略楕円形状等の非円形状とされる。溝部741よりも先端側の部分は、回転抑制部13と同様な形状とされ、回転抑制部13が配置された際にその回転を抑制する非円形受部742とされている。
カバー75についても、支持部74と略同様にソケット1の側面部が配置される凹部が設けられており、略中間部にソケット1のフランジ状の係止部12を係止するための周方向に延びる溝部751(図7)が形成され、これよりも先端側の部分に回転抑制部13の形状と同様な形状とされた非円形受部752が形成されている。
また、カバー75のうちソケット1の両側で支持部74に接触する部分には、位置合わせや溶着に利用される挿入凸部753が形成されており、その支持部74側の先端面には、より有効に溶着を行うための支持部74側に向かって突出する幅の狭いエネルギー導波部753a(図7)が形成されている。一方、支持部74には、この挿入凸部753が挿入される挿入凹部743が形成されると共に、その底面にはエネルギー導波部753aを受ける図示しない溝状の導波部受部が形成されている。なお、挿入凸部や挿入凹部が設けられる部材は必ずしも上記した部材に限られるものではなく、例えば挿入凸部を支持部74に設け、挿入凹部をカバー75に設けるようにしても構わない。
このような装着部71へのソケット1の装着は、まずソケット1の後端部を下げて燃料供給口72の周囲に接触させた後、ソケット1の先端側を下げ、フランジ状の係止部12を支持部74の溝部741に嵌め込む。この際、ソケット1の後端部にOリング156が配置されていることで、このOリング156の反発力によって支持部74にソケット1が自然に仮固定される。このため、カバー75を被せるまでの間、他の固定手段により仮固定する必要がなく、ソケット1が配置された支持部74(燃料収容部7)の取り扱いが容易となる。
ソケット1を配置した支持部74には、ソケット1を覆うようにしてカバー75を被せた後、例えば超音波を与えることにより、両者を溶着させて固定する。この際、支持部74やカバー75に、エネルギー導波部753aや導波部受部が形成されていることで、より有効かつ効率的に溶着を行うことができる。
支持部74とカバー75との固定は、上記した超音波溶着の他、例えばレーザー溶着、振動溶着等により行ってもよい。また、装着部71、すなわち支持部74やカバー75が金属材料からなる場合、スポット溶接またはアーク溶接等により固定してもよく、この場合には支持部74やカバー75にソケット1の係止部12を直接固定してもよい。さらに、支持部74とカバー75との固定は、例えば接着剤を利用して行ってもよく、両者を確実に固定できるものであれば特に固定方法は制限されるものではない。
このような装着方法によれば、装着部71の溝部741によってソケット1の係止部12が係止されるために、プラグ4の引き抜き等に伴って装着部71からソケット1が脱落することを抑制できる。特に、係止部12をフランジ状とすることにより係止面積を大きくすることができ、また係止部12をソケット本体11に一体的に形成することにより強度に優れたものとすることができ、より有効にソケット1の脱落を抑制することができる。
また、ソケット1の係止部12や回転抑制部13によって装着部71におけるソケット1の回転を抑制することができ、例えばソケット1とプラグ4とが軸回りの位置関係を合わせて接続しなければならないものの場合等、これらの接続を容易とすることができる。
さらに、支持部74にソケット1を配置した後、カバー75を被せて溶着等を行うだけで装着することができ、従来の固定ピンを用いた装着方法のように必ずしも細かな部品を必要としないために取り扱いや装着が容易となり、これにより燃料電池3の生産性を向上することができる。
図9〜13は、上記した装着方法の変形例を示すものであり、支持部74とカバー75との固定に嵌め合わせを利用したものである。ここで、図9〜11は、それぞれ装着前の状態を示す外観図、ならびに長手方向および幅方向の断面図であり、図12、13は、装着後の状態を示す長手方向および幅方向の断面図である。
この変形例では、支持部74の内壁部の内側に嵌め合わせに用いる係合凸部745を形成すると共に、外壁部の外側にも嵌め合わせに用いる係合凹部746を形成している。一方、カバー75には上記内壁部の係合凸部745に対向する部分に係合凹部755(図11)を形成すると共に、上記外壁部を覆うように延設部754を設け、この延設部754の内側に上記外壁部の外側に形成される係合凹部746に対応する係合凸部756(図11)を形成している。
このような装着方法によれば、上記した装着方法と同様にして支持部74にソケット1を配置した後、単にソケット1を覆うようにしてカバー75を被せるだけで、支持部74側の係合凸部745、係合凹部746と、カバー75側の係合凹部755、係合凸部756とを嵌め合わせて固定することができ、溶着のような高価な設備を必要とせず、また固定に要する時間も短縮でき、装着性に優れるものとすることができる。
図14〜17は、他の装着方法を示すものであり、ソケット1を軸方向の両側から支持部74とカバー75とによって固定するものである。ここで、図14、15は、それぞれ装着前の状態を示す外観図、側面図、また図16、17は、それぞれ装着後の状態を示す側面図および断面図である。
この装着方法に用いる支持部74には、ソケット1の係止部12から後端側を挿入することにより当該部分を支持する支持孔747を形成すると共に、その開口部側にソケット1の係止部12を配置する浅い凹部747aを形成している。また、この支持孔747の底部に空間部73と繋がる燃料供給口72(図17)を形成している。
一方、カバー75の支持部74とは反対側の表面部には、ストッパー19の略四角形状の回転抑制部13が配置される同形状の浅い凹部である非円形受部757を形成し、この非円形受部757の中心部にソケット1の先端側を挿入する円形状の貫通口758を形成している。
また、カバー75の支持部74側であって、貫通口758の周囲には、支持部74との位置合わせや溶着に利用される複数の挿入凸部753(図15)を形成し、その支持部74側の先端面には、より有効に溶着を行うための支持部74側に向かって突出する幅の狭いエネルギー導波部753aを形成している。一方、支持部74には、支持孔747の周囲にカバー75の挿入凸部753を挿入する挿入凹部743を形成すると共に、その底面にはエネルギー導波部753aを受ける溝状の導波部受部743a(図17)を形成している。
このような支持部74とカバー75とからなる装着部71へのソケット1の装着は、例えば支持部74の支持孔747にソケット1の後端部を挿入し、このソケット1の先端側からカバー75を被せ、支持部74とカバー75とを溶着した後、ソケット1の先端部にストッパー19を嵌め込むことにより行うことができる。なお、各部材の取付順序は必ずしも上記したものに限られず、例えば予めソケット1にカバー75を被せてストッパー19を嵌め込んだ後、このカバー75やストッパー19が取り付けられたソケット1を支持部74の支持孔747に挿入して溶着するようにしてもよい。
このような装着方法によれば、カバー75の支持部74側、具体的には貫通口758の支持部74側の周囲にソケット1の係止部12が係止されるために、プラグ4の引き抜き等に伴い装着部71からソケット1が脱落するのを抑制することができる。また、カバー75の表面部に略四角形状の非円形受部757を設け、これにストッパー19の略四角形状の回転抑制部13を配置することで、ストッパー19や第1筒部151を介して回転抑制部13によってソケット1の回転を抑制することができる。
図18〜21は、上記した装着方法の変形例を示すものであり、支持部74とカバー75との固定に嵌め合わせを利用したものである。ここで、図18、19は、それぞれ装着前の状態を示す外観図、側面図、また図20、21は、それぞれ装着後の状態を示す側面図および断面図である。
この変形例では、支持部74の略中央部に四角形状の突出部748を形成し、その中心部に支持孔747、凹部747aを形成すると共に、その各側面部に嵌め合わせに用いる係合凹部746を形成している。一方、カバー75には、突出部748の各側面部を覆うように延設部754を設け、この延設部754の内側に突出部748の係合凹部746に対応する係合凸部756を形成している。
このような装着方法によれば、上記した装着方法と同様にして支持部74にソケット1を配置した後、単にソケット1を覆うようにしてカバー75を被せるだけで、支持部74側の係合凹部746と、カバー75側の係合凸部756とを嵌め合わせて固定することができ、溶着のような高価な設備を必要とせず、また固定に要する時間も短縮でき、装着性に優れるものとすることができる。
次に、本発明のソケット1を用いた燃料電池3について説明する。
図22は、燃料電池3の一例を示す断面図である。燃料電池3は、例えば起電部を構成する燃料電池セル5と、この燃料電池セル5に燃料を供給する燃料供給機構6とを有している。燃料供給機構6は、例えば燃料分配機構61と、液体燃料を収容する燃料収容部7と、これら燃料分配機構61と燃料収容部7とを接続する流路62と、この流路62中に配置されるポンプ63とを有している。ソケット1は、このような燃料電池3の燃料収容部7に設けられている。
燃料収容部7には、ソケット1を通してカートリッジ9から供給される液体燃料が収容される。液体燃料としては、上記したメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料の他、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料が挙げられる。
燃料収容部7は、液体燃料に対する耐性、特に耐メタノール性を有する樹脂材料からなることが好ましく、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス社商標)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)等、さらには耐メタノール性と透明性とを有する樹脂材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリエーテルサルホン(PES)等からなることが好ましい。
ポンプ63は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部7から燃料分配機構61に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。このようなポンプ63で必要時に液体燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。燃料分配機構61から燃料電池セル5に供給される燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部7に戻されることはない。この燃料電池3は燃料を循環させないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ63を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なるため、例えばセミパッシブ方式と呼称されるものである。
ポンプ63の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ63の送液能力は燃料電池3の主たる対象物が小型電子機器であることから、10μL/分〜1mL/分の範囲であることが好ましい。送液能力が1mL/分を超えると、一度に送液される液体燃料の量が多くなるために全運転期間に占めるポンプ63の停止時間が長くなり、燃料供給量が大きく変動するために出力の変動も大きくなる。これを防止するためのリザーバをポンプ63と燃料分配機構61との間に設けてもよいが、そのような構成を適用しても燃料供給量の変動を十分に抑制することはできず、さらに装置サイズの大型化等を招くため好ましくない。
一方、ポンプ63の送液能力が10μL/分未満であると、装置立ち上げ時のように燃料消費量が増えた際に供給不足を招き、燃料電池3の起動特性等が低下するおそれがある。ポンプ63の送液能力は10〜200μL/分の範囲とすることがより好ましい。このような送液量を安定して実現する上でも、ポンプ63には電気浸透流ポンプやダイアフラムポンプを適用することが好ましい。
燃料分配機構61は、例えば図23に示すように流路62からの液体燃料が流入する少なくとも1個の燃料注入口611と、液体燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料排出口612とを有する燃料分配板613である。燃料分配板613の内部には、図22に示すように燃料注入口611から流入する液体燃料の通路となる空隙部614が設けられている。各燃料排出口612は、この空隙部614に接続されている。
燃料注入口611から燃料分配板613に導入される液体燃料は、空隙部614を通して複数の燃料排出口612に導かれ、アノード53の複数個所に向けて排出される。複数の燃料排出口612には、例えば液体燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず)を配置してもよい。これによって、アノード53に液体燃料の気化成分が供給される。なお、気液分離体は燃料分配機構61とアノード53との間に気液分離膜等として設置してもよい。
燃料排出口612の個数は、アノード53の面内における燃料供給量を均一化するために、0.1〜10個/cmであることが好ましい。燃料排出口612の個数が0.1個/cm2未満であると、アノード53への燃料供給量を十分に均一化することができないおそれがある。一方、燃料排出口612の個数が10個/cmを超えても、それ以上の効果を得ることができない。
燃料電池セル5は、図22に示すようにアノード触媒層51とアノードガス拡散層52とを有するアノード53(燃料極)と、カソード触媒層54とカソードガス拡散層55とを有するカソード56(空気極/酸化剤極)と、アノード触媒層51とカソード触媒層54とで挟持されるプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜57とから構成される膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を有している。
アノード触媒層51やカソード触媒層54に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金が挙げられる。アノード触媒層51にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。一方、カソード触媒層54にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。但し、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜57を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。但し、プロトン伝導性の電解質膜57はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層51に積層されるアノードガス拡散層52は、アノード触媒層51に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層51の集電体も兼ねている。一方、カソード触媒層54に積層されるカソードガス拡散層55は、カソード触媒層54に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層54の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層52およびカソードガス拡散層55は多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層52やカソードガス拡散層55には、必要に応じて導電層が積層される。これら導電層としては、例えばAu、Ni等の導電性金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)、薄膜または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)等の導電性金属材料にAu等の良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。電解質膜57と燃料分配機構61およびカバープレート58との間には、それぞれゴム製のOリング59が介在されており、これらによって燃料電池セル(MEA)2からの燃料漏れや酸化剤漏れが抑制されている。
図示を省略したが、カバープレート58は酸化剤である空気を取入れるための開口を有している。また、カバープレート58とカソード56との間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層は、カソード触媒層54で生成した水の一部を保持することにより蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層54への空気の均一拡散を促進するものである。表面層は、空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整される複数の空気導入口を有するものである。
燃料分配機構61からアノード53に供給される燃料は、アノードガス拡散層52を拡散し、アノード触媒層51に供給される。メタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層51で下記(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層54で生成した水や電解質膜57中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
この反応で生成した電子(e)は集電体を経由して外部に導かれ、携帯用電子機器等を動作させた後、カソード56に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H)は電解質膜57を経てカソード56に導かれる。カソード56に到達した電子(e)とプロトン(H)とは、カソード触媒層54で空気中の酸素と下記(2)式に示す反応をし、この反応により水が生成する。
6e+6H+(3/2)O → 3HO …(2)
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態そのものに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。例えば、本発明の燃料電池としては、燃料電池セルに供給される液体燃料が全て液体燃料の蒸気であってもよいし、一部が液体状態で供給されるものであってもよい。
1…燃料電池用ソケット、11…ソケット本体、12…係止部、121…切り欠き部、13…回転抑制部、2…燃料電池用カップラー、3…燃料電池、4…燃料電池用プラグ、5…燃料電池セル、53…アノード、56…カソード、57…電解質膜、6…燃料供給機構、7…燃料収容部、71…装着部、74…支持部、741…溝部、745…係合凸部、746…係合凹部、75…カバー、751…溝部、755…係合凹部、756…係合凸部

Claims (18)

  1. 燃料電池に装着され、前記燃料電池に液体燃料を供給する燃料電池用プラグが着脱可能に接続される燃料電池用ソケットであって、
    バルブ機構を有するソケット本体と、
    前記ソケット本体の外周部に突出するように設けられ、前記燃料電池の装着部に係止可能なフランジ状の係止部と
    を有することを特徴とする燃料電池用ソケット。
  2. 請求項1記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記係止部は、非円形状であり、前記装着部における前記燃料電池用ソケットの軸回りの回転を抑制可能なものであることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  3. 請求項2記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記非円形状の係止部は、円弧状の切り欠き部を有することを特徴とする燃料電池用ソケット。
  4. 請求項3記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記切り欠き部は、前記非円形状の係止部の両側に一対設けられていることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  5. 請求項1記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    さらに、前記ソケット本体の外周部に突出するように設けられ、前記燃料電池の装着部における前記燃料電池用ソケットの軸回りの回転を抑制可能な非円形のフランジ状の回転抑制部を有することを特徴とする燃料電池用ソケット。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記装着部は、前記燃料電池の燃料収容部に設けられていることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  7. 請求項6記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記装着部は、前記燃料収容部に一体的に設けられ、前記燃料電池用ソケットの一方の側面側を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの他方の側面側を覆い、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記係止部は、前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方の内側部分に設けられる溝部に係止するものであることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  8. 請求項6記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記装着部は、前記燃料収容部に一体的に設けられ、前記燃料電池用ソケットの後端側が挿入されることにより当該部分を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの先端側を覆うように配置され、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記係止部は、前記カバーの前記支持部側に係止するものであることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  9. 請求項7または8記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記支持部と前記カバーとは、溶着により固定されるものであることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  10. 請求項9記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方は、溶着のためのエネルギー導波部を有することを特徴とする燃料電池用ソケット。
  11. 請求項7または8記載の燃料電池用ソケットにおいて、
    前記支持部と前記カバーとは、一方に形成される係合凸部と他方に形成される係合凹部とを嵌め合わせることにより固定されるものであることを特徴とする燃料電池用ソケット。
  12. 燃料電池に液体燃料を供給する燃料電池用プラグと、
    前記燃料電池に装着され、前記燃料電池用プラグが着脱可能に接続される燃料電池用ソケットとを有する燃料電池用カップラーであって、
    前記燃料電池用ソケットが、請求項1乃至11のいずれか1項記載の燃料電池用ソケットであることを特徴とする燃料電池用カップラー。
  13. 燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持される電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する液体燃料を収容する燃料収容部と、
    前記燃料収容部の装着部に設けられる燃料電池用ソケットとを有する燃料電池であって、
    前記燃料電池用ソケットが、請求項1乃至11のいずれか1項記載の燃料電池用ソケットであることを特徴とする燃料電池。
  14. 請求項13記載の燃料電池において、
    前記装着部は、前記燃料収容部に一体的に設けられ、前記燃料電池用ソケットの一方の側面側を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの他方の側面側を覆い、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記燃料電池用ソケットの係止部は、前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方の内側部分に設けられる溝部に係止していることを特徴とする燃料電池。
  15. 請求項13記載の燃料電池において、
    前記装着部は、前記燃料収容部に一体的に設けられ、前記燃料電池用ソケットの後端側が挿入されることにより当該部分を支持する支持部と、前記燃料電池用ソケットの先端側を覆うように配置され、前記支持部に前記燃料電池用ソケットを固定するカバーとからなり、前記燃料電池用ソケットの係止部は、前記カバーの内側に係止していることを特徴とする燃料電池。
  16. 請求項14または15記載の燃料電池において、
    前記支持部と前記カバーとは、溶着により固定されていることを特徴とする燃料電池。
  17. 請求項16記載の燃料電池において、
    前記支持部および前記カバーの中から選ばれる少なくとも一方は、溶着のためのエネルギー導波部を有することを特徴とする燃料電池。
  18. 請求項14または15記載の燃料電池において、
    前記支持部と前記カバーとは、一方に形成される係合凸部と他方に形成される係合凹部との嵌め合わせにより固定されていることを特徴とする燃料電池。
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