JP2010256189A - 赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】配線のレイアウトの自由度が高く且つ高感度化を図れる赤外線センサを提供する。
【解決手段】シリコン基板1と、シリコン基板1の主表面側に形成されてシリコン基板1に支持された薄膜構造部6とを備え、シリコン基板1に薄膜構造部6におけるシリコン基板1側の表面の一部を露出させる開口部11が形成されている。薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面における開口部11の周部の全周に亘って形成された支持部61の内側に配置される赤外線受光部63が2つの短冊状の連結部62,62を介して支持部61に支持されるとともに赤外線受光部63の温度変化を検出するサーモパイルからなる感温素子3が設けられている。赤外線受光部63の周囲には連結部62,62を除いて支持部61との間にスリット64,64が形成されており、支持部61における赤外線受光部63との対向面を開口部11の開口縁から後退させてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線センサに関するものである。
従来から、マイクロマシニング技術などを利用して形成され、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線受光部と、赤外線受光部の温度変化を検出する感温素子とを備えた赤外線センサが各所で研究開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
ここで、上記特許文献1には、図7に示すように、主表面が(100)面のシリコン基板1’と、シリコン基板1’の主表面側に形成されてシリコン基板1’に支持された薄膜構造部6’とを備え、シリコン基板1’に薄膜構造部6’におけるシリコン基板1’側の表面の一部を露出させる開口部11’が形成された赤外線センサが記載されている。ここにおいて、薄膜構造部6’は、シリコン基板1の主表面における開口部11’の周部上に形成された支持部61’の内側に配置される赤外線受光部63’が2つの連結部62’を介して支持部61’に支持されるとともに赤外線受光部63’の温度変化を検出するサーモパイルからなる感温素子3’が設けられている。
また、薄膜構造部6’には、シリコン基板1’の開口部11’に連通する2つのスリット64’が形成されており、シリコン基板1’の開口部11’は、薄膜構造部6’の各スリット64’を通してアルカリ系溶液(例えば、ヒドラジンなど)からなるエッチャントを導入してシリコン基板1’を主表面側から異方性エッチングすることにより形成されている。したがって、シリコン基板1’の開口部11’は、矩形状に開口され内側面が{111}面により構成されている。
また、薄膜構造部6’は、シリコン基板1’の主表面上に形成したシリコン窒化膜からなる第1の絶縁層2’と、当該絶縁層2’上に形成された感温素子3’と、当該感温素子3’を覆うように第1の絶縁層2’におけるシリコン基板1’側とは反対側に形成されたシリコン酸化膜からなる第2の絶縁層4’と、第2の絶縁層4’上に形成されたパッシベーション膜5’とを有する積層構造体に上述の各スリット64’を形成することによりパターニングされている。しかして、シリコン基板1’の主表面側で平面視における開口部11’の内側に上記積層構造体の一部からなる赤外線受光部63’が配置されており、当該赤外線受光部63’が2つの連結部62’,62’を介して開口部11’の周部の支持部61’に支持されている。ここで、図7に示した構成の赤外線センサは、赤外線受光部63’において、パッシベーション膜5’上に金黒膜からなる赤外線吸収膜7’が形成されており、感温素子3’の両端の出力端子8’,8’が支持部61’において露出している。なお、サーモパイルからなる感温素子3’は、赤外線受光部63’に温接点T1’が配置され、支持部61’に冷接点T2’が配置されている。
また、上記特許文献2には、図8に示すように、シリコン基板1’の主表面側の赤外線受光部63’が、シリコン基板1’の主表面における開口部11’の周部上で矩形状の開口部11’の一辺のみに沿って形成された支持部61’に直接支持されてなる赤外線センサが記載されている。ここで、図8に示した構成の赤外線センサも、サーモパイルからなる感温素子3’の両端の出力端子8’,8’が支持部61’において露出している。また、図8の構成においても、サーモパイルからなる感温素子3’は、赤外線受光部63’に温接点T1’が配置され、支持部61’に冷接点T2’が配置されている。
なお、赤外線センサとしては、シリコン基板1’の主表面側に感温素子3’が1つだけ設けられた赤外線センサに限らず、感温素子3’と感温素子3’の出力を読み出すためのMOSトランジスタとを有する画素が2次元アレイ状(マトリクス状)に配列された赤外線イメージセンサや、MOSトランジスタなしで感温素子3’を有する画素が2次元アレイ状に配列された赤外線イメージセンサも考えられる。また、赤外線センサの感温素子3’としては、サーモパイルに限らず、例えば、抵抗ボロメータ、サーミスタ、ダイオード、焦電素子なども考えられる。
特開2006−64604号公報 特開平11−326064号公報
ところで、図7に示した構成の赤外線センサの感度の向上を図るために、当該赤外線センサを収納するパッケージの気密空間を真空雰囲気とすることが考えられるが、真空度の変動によって断熱性が変動するため、感度が不安定になってしまう。そこで、赤外線受光部63’の面積を開口部11’の開口面積に近づける(要するに、開口率を大きくする)ことで高感度化を図り、感度の安定化を図るために、パッケージの内部空間をNガスなどの不活性ガス雰囲気とすることが考えられる。しかしながら、本願発明者は、鋭意研究の結果、高感度化を目的として赤外線受光部63’の面積を大きくすることで赤外線受光部63’と支持部61’とを空間的に分離しているスリット64’の幅を狭くした赤外線センサをパッケージに収納するとともに当該パッケージの気密空間をNガス雰囲気とすると、スリット64’内に存在するNガスが熱伝導路となって赤外線受光部63’での赤外線吸収により発生した熱の一部が支持部61’へ放熱されてしまい、赤外線受光部63’の面内での温度勾配が大きくなって感度が低下してしまうという知見を得た。このような感度の低下は、赤外線センサの小型化を図ることでスリット64’の幅が小さくなった場合や、赤外線イメージセンサの各画素の縮小による赤外線イメージセンサの小型化を図ることでスリット64’の幅が小さくなった場合にも起こってしまう。
これに対して、図8に示した構成の赤外線センサでは、シリコン基板1’の主表面側の赤外線受光部63’が、シリコン基板1’の主表面における開口部11’の周部上で矩形状の開口部11’の一辺のみに沿って形成された支持部61’に直接支持されているので、赤外線受光部63’で発生した熱がNガスを熱伝導路として支持部61’へ放熱されるのを抑制することができる。
しかしながら、図8に示した構成の赤外線センサでは、シリコン基板1’の主表面における開口部11’の周部のうち、矩形状の開口部11’の1辺のみに沿った部位にしか支持部61’が形成されていないので、シリコン基板1’の主表面側において開口部11’の周部の大部分が金属配線などの配線を形成できないデッドスペースとなってしまい、シリコン基板1’の主表面側に複数の感温素子3’を2次元アレイ状に配列して適宜の配線やMOSトランジスタなどに接続する必要のある赤外線イメージセンサへの応用が難しかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、配線のレイアウトの自由度が高く且つ高感度化を図れる赤外線センサを提供することにある。
請求項1の発明は、シリコン基板と、シリコン基板の主表面側に形成されてシリコン基板に支持された薄膜構造部とを備え、シリコン基板に薄膜構造部におけるシリコン基板側の表面の一部を露出させる開口部が形成されてなる赤外線センサであって、薄膜構造部は、シリコン基板の主表面における開口部の周部の全周に亘って形成された支持部の内側に配置される赤外線受光部が連結部を介して支持部に支持されるとともに赤外線受光部の温度変化を検出する感温素子が設けられ、赤外線受光部の周囲には連結部を除いて支持部との間にスリットが形成されてなり、支持部における赤外線受光部との対向面を開口部の開口縁から後退させてあることを特徴とする。
この発明によれば、赤外線受光部の周囲には連結部を除いて支持部との間にスリットが形成されてなり、支持部における赤外線受光部との対向面を開口部の開口縁から後退させてあるので、支持部がシリコン基板の主表面における開口部の周部の全周に亘って形成された構造において、赤外線受光部の面積を大きくしながらも、赤外線受光部で発生した熱がスリット内の媒質を熱伝導路として支持部へ放熱されるのを抑制することができるから、配線のレイアウトの自由度が高く且つ高感度化を図れる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記シリコン基板の前記主表面側における前記開口部の形成部位と前記支持部の形成部位との間に断熱用凹部が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記シリコン基板の前記主表面側において前記開口部の形成部位と前記支持部の形成部位との間に断熱用凹部が形成されているので、前記赤外線受光部から前記シリコン基板への熱伝導路を長くすることができて、断熱性をより向上でき、より一層の高感度化を図れる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記シリコン基板の前記主表面側における前記開口部の形成部位と前記支持部の形成部位との間に前記シリコン基板に比べて熱伝導率の低い熱絶縁部が形成され、当該熱絶縁部は、前記スリット内の媒質に接していることを特徴とする。
この発明によれば、前記シリコン基板の前記主表面側において前記開口部の形成部位と前記支持部の形成部位との間に熱絶縁部が形成されているので、前記赤外線受光部と前記シリコン基板との間の断熱性をより向上でき、より一層の高感度化を図れる。
請求項1の発明は、配線のレイアウトの自由度が高く且つ高感度化を図れるという効果がある。
実施形態1の赤外線センサの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の赤外線センサの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の赤外線センサの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態2の赤外線センサの概略断面図である。 実施形態3の赤外線センサの概略断面図である。 実施形態4の赤外線センサの概略断面図である。 従来例の赤外線センサを示し、(a)は要部の平面レイアウト図、(b)は概略断面図である。 他の従来例の赤外線センサを示し、(a)は概略斜視図、(b)は(a)のA−A’概略断面図である。
(実施形態1)
本実施形態の赤外線センサは、図1に示すように、導電形がn形で主表面が{100}面の単結晶のシリコン基板1と、シリコン基板1の主表面側に形成されてシリコン基板1に支持された薄膜構造部6とを備え、シリコン基板1に薄膜構造部6におけるシリコン基板1側の表面の一部を露出させる開口部11が形成されている。ここで、シリコン基板1の開口部11は、薄膜構造部6の厚み方向に貫通する形で形成した複数のスリット64を通してエッチャントであるアルカリ系溶液(例えば、TMAH溶液、KOH溶液など)を導入してシリコン基板1を主表面側から異方性エッチングすることにより形成されており(要するに、エッチング速度の結晶面方位依存性を利用した異方性エッチングにより形成されており)、矩形状に開口され内側面が{111}面により構成された四角錘状に形成されている。図1(b)は、後述の層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、同図(a)のA−A’断面に相当する概略断面図である。また、本実施形態の赤外線センサは、複数の画素がアレイ状に配列された赤外線イメージセンサであるが、図1では、後述の感温素子3を有する画素を1つのみを図示してあり、当該画素に設けられ感温素子3の出力を読み出すための画素選択スイッチであるMOSトランジスタの図示も省略してある。なお、シリコン基板1の導電形は、n形に限らず、p形でもよい。
薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面における開口部11の周部の全周に亘って形成された支持部61の内側に配置される赤外線受光部63が2つの短冊状の連結部(ブリッジ部)62,62を介して支持部61に支持されるとともに赤外線受光部63の温度変化を検出する感温素子3が設けられ、赤外線受光部63の周囲には連結部62,62を除いて支持部61との間にスリット64が形成されており、支持部61における赤外線受光部63との対向面を開口部11の開口縁から後退させてある。ここでは、薄膜構造部6のうち、シリコン基板1の主表面における開口部11の周部上に形成された部位の一部が除去されて、シリコン基板1の主表面の一部が露出している。
また、薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面側に形成されシリコン基板1に支持されたシリコン窒化膜21と当該シリコン窒化膜21上のシリコン酸化膜22との積層膜からなる絶縁層2と、絶縁層2におけるシリコン基板1側とは反対側に形成された上述の感温素子3とを備えている。
感温素子3は、赤外線受光部63と連結部62と支持部61とに跨って形成された細長のp形ポリシリコン層(p形ポリシリコンエレメント)32および細長のn形ポリシリコン層(n形ポリシリコンエレメント)31と、p形ポリシリコン層32とn形ポリシリコン層31との一端部同士を薄膜構造部6の赤外線受光部63において電気的に接合した金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる接続金属部33とで構成される複数の熱電対が直列接続されたサーモパイルにより構成されている。ここで、感温素子3を構成するサーモパイルは、p形ポリシリコン層32の上記一端部およびn形ポリシリコン層31の上記一端部と、対をなすp形ポリシリコン層32とn形ポリシリコン層31との上記一端部同士を接合した接続金属部33とで温接点T1を構成し、互いに異なる熱電対のp形ポリシリコン層32の他端部およびn形ポリシリコン層31の他端部と、これら他端部同士を支持部61において接合した金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる接続金属部34とで冷接点T2を構成している。
ここで、n形ポリシリコン層31は、n形不純物(例えば、リンなど)の不純物濃度を例えば1018〜1020cm−3の範囲で適宜設定すればよく、p形ポリシリコン層32は、p形不純物(例えば、ボロン)の不純物濃度を例えば1018〜1020cm−3程度の範囲で適宜設定すればよい。本実施形態では、n形ポリシリコン層31およびp形ポリシリコン層32それぞれの不純物濃度が1018〜1020cm−3であり、熱電対の抵抗値を低減でき、S/N比の向上を図れる。
本実施形態では、n形ポリシリコン層31およびp形ポリシリコン層32の屈折率をn、検出対象の赤外線の中心波長をλとするとき、n形ポリシリコン層31およびp形ポリシリコン層32それぞれの厚さt1をλ/4nに設定するようにしているので、検出対象の波長(例えば、8〜12μm)の赤外線の吸収効率を高めることができ、高感度化を図れる。例えば、n=3.6、λ=10μmの場合には、t1≒0.69μmとすればよい。
また、本実施形態では、n形ポリシリコン層31およびp形ポリシリコン層32それぞれの不純物濃度が1018〜1020cm−3であるので、赤外線の吸収率を高くしつつ赤外線の反射を抑制することができて、感温素子3の出力のS/N比を高めることができる。
本実施形態の赤外線センサでは、上述の開口部11の形状が四角錘状であり、平面視における中央部の方が周部に比べて深さ寸法が大きくなっているので、赤外線受光部63の中央部に温接点T1が集まるように各画素における感温素子3の平面レイアウトを設計してある。すなわち、各温接点Tからスリット64までの距離が略等しくなるように温接点T1を配置してあり、各温接点T1の温度変化を大きくできるので、感度を向上できる。
また、薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面側で各ポリシリコン層31,32および絶縁層2において各ポリシリコン層31,32が形成されていない部位を覆うBPSG膜41と当該BPSG膜41上のSG膜42との積層膜からなる層間絶縁膜4と、層間絶縁膜4および各接続金属部33,34を覆うパッシベーション膜5とを備えている。しかして、上述の各接続金属部33,34が層間絶縁膜4により絶縁分離されている。ここで、温接点T1の接続金属部33は、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホールを通して両ポリシリコン層31,32と接続され、冷接点T2の接続金属部34は、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホールを通して両ポリシリコン層31,32と接続されている。なお、パッシベーション膜5は、PSG膜とNSG膜との積層膜により構成されているが、当該積層膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。いずれにしても、上述の薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面側に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された感温素子3と、絶縁層2におけるシリコン基板1側とは反対の表面側で感温素子3を覆うように形成された層間絶縁膜4と、層間絶縁膜4上に形成されたパッシベーション膜5との積層構造部をパターニングすることにより形成されている。また、本実施形態では、絶縁層2、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5が赤外線吸収膜として機能する。なお、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5は、シリコン基板1の主表面側における上述のMOSトランジスタなどの形成領域にも形成されている。
本実施形態の赤外線センサの各画素では、感温素子3が層間絶縁膜4上に形成された金属配線81,82を介して、信号読み出し用の上記MOSトランジスタや配線と電気的に接続されている。ここで、各金属配線81,82および上記各配線は、各接続金属部33,34と同じ材料で、且つ、同時に形成されている。
ところで、上述の説明から分かるように、本実施形態の赤外線センサは、シリコン基板1の主表面において各画素ごとに開口部11を形成することで、各画素それぞれにおいて赤外線受光部63をシリコン基板1と熱絶縁してある。ここで、各画素では、赤外線受光部63と支持部61とを連結する2つの短冊状の連結部62,62が開口部11の周方向に離間して形成されており、2つのスリット64,64の一方のスリット64は、2つの連結部62.62を空間的に分離するとともに赤外線受光部63を支持部61と空間的に分離し開口部11の内部空間に連通する平面視コ字状に形成され、他方のスリット64は、赤外線受光部63と支持部61とを空間的に分離する平面視コ字状に形成されている。
また、シリコン基板1の主表面側には、開口部11を上述のアルカリ系溶液を用いた異方性エッチングにより形成する際に開口部11の形成予定領域を規定する不純物ドーピング層からなるエッチングストップ層12が形成されている。ここで、本実施形態では、エッチングストップ層12が、シリコン基板1の主表面側においてシリコン基板1内にボロンをイオン注入することにより開口部11の形成予定領域を囲む矩形枠状に形成されており、開口部11の開口面積のばらつきを低減でき、シリコン基板1の主表面側で平面視において開口部11の周囲に配置される金属配線81,82、上記MOSトランジスタ、上記配線などとの距離を短くでき、赤外線センサの小型化を図れる。また、本実施形態では、エッチングストップ層12が、支持部61における赤外線受光部63との対向面よりも内側に形成されているので、開口部11の開口面積を支持部61の開口面積よりも小さくすることができ、赤外線センサの小型化を図れる。
以下、本実施形態の赤外線センサの製造方法について図2および図3を参照しながら説明する。
まず、シリコン基板1の主表面側にエッチングストップ層12を形成するエッチングストップ層形成工程を行うことによって、図2(a)に示す構造を得る。エッチングストップ層形成工程では、シリコン基板1の主表面側を熱酸化することによりシリコン酸化膜を形成してから、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してシリコン酸化膜をパターニングし、パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてシリコン基板1の主表面側にボロンのイオン注入を行ってから、ドライブインを行うことにより、エッチングストップ層12を形成する。
上述のエッチングストップ層形成工程の後、シリコン基板1の主表面上にシリコン窒化膜21をLPCVD法などにより形成するシリコン窒化膜形成工程を行うことによって、図2(b)に示す構造を得る。
上述のシリコン窒化膜形成工程の後で、シリコン窒化膜21上にシリコン酸化膜22を形成するシリコン酸化膜形成工程を行うことによって、図2(c)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、シリコン窒化膜形成工程とシリコン酸化膜形成工程とで絶縁層2を形成する絶縁層形成工程を構成している。
絶縁層形成工程の後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該シリコン窒化膜21のうち所定領域を残して上記MOSトランジスタの形成用領域に対応する部分をエッチング除去する絶縁層パターニング工程を行う。
上述の絶縁層パターニング工程の後、シリコン基板1の主表面側に上記MOSトランジスタのp形ウェル領域を形成するウェル領域形成工程を行い、続いて、シリコン基板1の主表面側における上記p形ウェル領域内にp++形チャネルストッパ領域を形成するチャネルストッパ領域形成工程を行い、その後、p形ウェル領域におけるn形ドレイン領域およびn形ソース領域それぞれの形成予定領域にn形不純物(例えば、リンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことによりn形ドレイン領域およびn形ソース領域を形成するソース・ドレイン形成工程を行う。
上述のソース・ドレイン形成工程の後、シリコン基板1の主表面側に熱酸化によりシリコン酸化膜(熱酸化膜)からなるゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程を行い、続いて、シリコン基板1の主表面側の全面に、各n形ポリシリコン層31、各p形ポリシリコン層32、上記配線(ポリシリコン層配線)およびゲート電極の基礎となるノンドープのポリシリコン層30をLPCVD法により形成するポリシリコン層形成工程を行うことによって、図2(d)に示す構造を得る。
その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してノンドープのポリシリコン層のうち各n形ポリシリコン層31、各p形ポリシリコン層32、上記各配線およびゲート電極それぞれに対応する部分が残るようにノンドープのポリシリコン層をパターニングするポリシリコン層パターニング工程を行い、続いて、ノンドープのポリシリコン層のうち各p形ポリシリコン層32に対応する部分にp形不純物(例えば、ボロンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことにより各p形ポリシリコン層32を形成するp形ポリシリコン層形成工程を行い、その後、ノンドープのポリシリコン層のうち各n形ポリシリコン層31、ゲート電極および上記各配線それぞれに対応する部分にn形不純物(例えば、リンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことにより各n形ポリシリコン層31、ゲート電極および上記各配線を形成するn形ポリシリコン層形成工程を行うことによって、図2(e)に示す構造を得る。なお、p形ポリシリコン層形成工程とn形ポリシリコン層形成工程との順序は逆でもよい。
上述のp形ポリシリコン層形成工程およびn形ポリシリコン層形成工程が終了した後、シリコン基板1の主表面側にBPSG膜41を形成するBPSG膜形成工程を行うことによって、図3(a)に示す構造を得る。BPSG膜形成工程では、シリコン基板1の主表面側に所定膜厚のBPSG膜をCVD法により堆積させてから、所定温度(例えば、800℃)でリフローすることにより表面が平坦化されたBPSG膜41を形成する。
上述のBPSG膜形成工程の後、BPSG膜41上にSG膜を形成するSG膜形成工程を行うことによって、図3(b)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、BPSG膜形成工程とSG膜形成工程とで層間絶縁膜4を形成する層間絶縁膜形成工程を構成している。
上述の層間絶縁膜形成工程の後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して層間絶縁膜4に、コンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程を行い、その後、シリコン基板1の主表面側の全面に各接続金属部33,34、各金属配線81,82および上記MOSトランジスタのドレイン電極、ソース電極などの基礎となる金属膜(例えば、Al−Si膜)を例えばスパッタ法などにより形成する金属膜形成工程を行い、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して金属膜をパターニングすることで各接続金属部33,33、各金属配線81,82および上記MOSトランジスタのドレイン電極、ソース電極などを形成する金属膜パターニング工程を行い、その後、シリコン基板1の主表面側(つまり、層間絶縁膜4の表面側)にPSG膜とNSG膜との積層膜からなるパッシベーション膜5をCVD法により形成するパッシベーション膜形成工程を行い、続いて、薄膜構造部6にスリット64,64を形成するスリット形成工程を行うことによって、図3(c)に示す構造を得る。なお、コンタクトホール形成工程では、バッファードフッ酸により層間絶縁膜4をエッチングする。また、スリット形成工程では、RIEにより薄膜構造部6をエッチングする。ここで、スリット64は、平面視において赤外線受光部63の外周線がエッチングストップ層12よりも内側になるように形成位置を規定してある。
上述のスリット形成工程の後、パッドを露出させるパッド用開口部を形成するパッド用開口部形成工程を行ってから、シリコン基板1の主表面側に開口部11を形成する開口部形成工程を行うことによって、図3(d)に示す構造の赤外線センサを得る。開口部形成工程では、各画素ごとに2つのスリット64,64それぞれを通してアルカリ系溶液からなるエッチャントを導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面側に開口部11を形成する。ここで、アルカリ系溶液としては、所定温度(例えば、85℃)に加熱したTMAH溶液を用いているが、アルカリ系溶液はTMAH溶液に限らず、他のアルカリ系溶液(例えば、KOH溶液など)を用いてもよい。いずれにしても、開口部11の内側面は{111}面により構成される。
上述の開口部形成工程が終了するまでの全工程はウェハレベルで行うので、開口部形成工程が終了した後、個々の赤外線センサに分離する分離工程(ダイシング工程)を行えばよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサによれば、赤外線受光部63の周囲には連結部62を除いて支持部61との間にスリットが形成されており、支持部61における赤外線受光部63との対向面をシリコン基板1の主表面側の開口部11の開口縁から後退させてあるので、支持部61がシリコン基板1の主表面における開口部11の周部の全周に亘って形成された構造において、赤外線受光部63の面積を大きくしながらも、赤外線受光部63で発生した熱がスリット64内の媒質を熱伝導路として支持部61へ放熱されるのを抑制することができる(なお、図1(b)中の矢印は、温接点T1から赤外線受光部62における支持部61との対向面側への熱の流れを模式的に示している)から、配線のレイアウトの自由度が高く且つ高感度化を図れる。ここで、本実施形態の赤外線センサをパッケージの気密空間をNガス雰囲気とした場合には、上記媒質は気体であるNガスなる。なお、SiOの熱伝導率は1.2W/m・K程度、Nの熱伝導率は0.026W/m・K程度である。
また、上述の赤外線センサの製造方法によれば、シリコン基板1の主表面側に形成される開口部11の開口面積は異方性エッチングを行う際のエッチングストップ層12の形成位置により規定されるから、開口部11の開口面積のばらつきを低減でき、低コストで小型化を図れる。
(実施形態2)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と同じであって、図4に示すように、開口部11がシリコン基板1の厚み方向に貫通し且つ開口面積が厚み方向の位置によらず略一様となる形で形成されている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、実施形態1では、開口部11を形成する開口部形成工程において、ベース基板1の主表面側からスリット64,64を通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることで開口部11を形成している。
これに対して、本実施形態の赤外線センサの製造にあたっては、開口部11を形成する開口部形成工程において、シリコン基板1の裏面側からシリコン基板1における開口部11の形成予定領域を例えば誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置を用いて異方性エッチングすることにより形成すればよい。
しかして、本実施形態の赤外線センサによれば、赤外線受光部63の厚み方向での断熱性が向上し、より一層の高感度化を図れる。
(実施形態3)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と略同じであり、図5に示すように、シリコン基板1の主表面側における開口部11の形成部位と支持部61の形成部位との間に、断熱用凹部13が形成されている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
シリコン基板1の主表面側の断熱用凹部13は、実施形態1で説明した製造方法において、開口部形成工程の後、誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置を用いてシリコン基板1を主表面側からドライエッチングすることにより形成している。
しかして、本実施形態の赤外線センサによれば、シリコン基板1の主表面側において開口部11の形成部位と支持部61の形成部位との間に断熱用凹部13が形成されているので、赤外線受光部63からシリコン基板1への熱伝導路を長くすることができて、断熱性をより向上でき、より一層の高感度化を図れる。なお、実施形態2の赤外線センサにおいて同様の断熱用凹部13を形成してもよい。
(実施形態4)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と略同じであり、図6に示すように、シリコン基板1の主表面側における開口部11の形成部位と支持部61の形成部位との間に、シリコン基板1に比べて熱伝導率の低い熱絶縁部14が形成され、当該熱絶縁部14が、スリット64内の媒質に接している点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
熱絶縁部14は、シリコン基板1の主表面側の露出部位を熱酸化することにより形成したシリコン酸化膜により構成してあり、熱絶縁部14は、シリコン基板1の主表面と開口部11の内側面とに跨って形成されている。
しかして、本実施形態の赤外線センサによれば、シリコン基板1の主表面側において開口部11の形成部位と支持部61の形成部位との間に、熱絶縁部14が形成されているので、赤外線受光部63とシリコン基板1との間の断熱性をより向上でき、より一層の高感度化を図れる。なお、実施形態2,3の赤外線センサにおいて同様の熱絶縁部14を形成してもよい。また、熱絶縁部14は、シリコン酸化膜に限らず、シリコン基板1の一部を多孔質化することにより形成した多孔質シリコン部により構成してもよい。
ところで、上記各実施形態では、感温素子3としてサーモパイルを例示したが、感温素子3は、サーモパイルに限らず、例えば、抵抗ボロメータや、サーミスタ、ダイオード、焦電素子などでもよい。
1 シリコン基板
3 感温素子
6 薄膜構造部
11 開口部
13 断熱用凹部
14 熱絶縁部
61 支持部
62 連結部
63 赤外線受光部
64 スリット

Claims (3)

  1. シリコン基板と、シリコン基板の主表面側に形成されてシリコン基板に支持された薄膜構造部とを備え、シリコン基板に薄膜構造部におけるシリコン基板側の表面の一部を露出させる開口部が形成されてなる赤外線センサであって、薄膜構造部は、シリコン基板の主表面における開口部の周部の全周に亘って形成された支持部の内側に配置される赤外線受光部が連結部を介して支持部に支持されるとともに赤外線受光部の温度変化を検出する感温素子が設けられ、赤外線受光部の周囲には連結部を除いて支持部との間にスリットが形成されてなり、支持部における赤外線受光部との対向面を開口部の開口縁から後退させてあることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記シリコン基板の前記主表面側における前記開口部の形成部位と前記支持部の形成部位との間に断熱用凹部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 前記シリコン基板の前記主表面側における前記開口部の形成部位と前記支持部の形成部位との間に、前記シリコン基板に比べて熱伝導率の低い熱絶縁部が形成され、当該熱絶縁部は、前記スリット内の媒質に接していることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04158583A (ja) * 1990-10-22 1992-06-01 Matsushita Electric Works Ltd 赤外線検出素子
JPH09219503A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Mitsuteru Kimura フローティング単結晶薄膜の形成方法

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