JP2010256184A - 赤外線センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで小型化を図れる赤外線センサの製造方法を提供する。
【解決手段】主表面が{100}面のシリコン基板1の主表面上に薄膜構造部6を形成し(図1(d))、シリコン基板1の主表面に凹所11を形成する(図1(h))。凹所11の形成にあたっては、薄膜構造部6のうちシリコン基板1の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域の中央部に第1のエッチングホール7を形成し、第1のエッチングホール7を通してシリコン基板1を等方性エッチングすることで凹所形成予定矩形領域の内側に凹所11よりも小さな小凹所10を形成する等方性エッチングを行い、薄膜構造部6のうち矩形状規定領域の2つの対角線それぞれの両端部に対応する各部位に第2のエッチングホール8を形成し、各エッチングホール7,8を通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることで凹所11を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】主表面が{100}面のシリコン基板1の主表面上に薄膜構造部6を形成し(図1(d))、シリコン基板1の主表面に凹所11を形成する(図1(h))。凹所11の形成にあたっては、薄膜構造部6のうちシリコン基板1の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域の中央部に第1のエッチングホール7を形成し、第1のエッチングホール7を通してシリコン基板1を等方性エッチングすることで凹所形成予定矩形領域の内側に凹所11よりも小さな小凹所10を形成する等方性エッチングを行い、薄膜構造部6のうち矩形状規定領域の2つの対角線それぞれの両端部に対応する各部位に第2のエッチングホール8を形成し、各エッチングホール7,8を通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることで凹所11を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線センサの製造方法に関するものである。
従来から、マイクロマシニング技術などを利用して形成され、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収膜と、赤外線吸収膜の温度変化を検出する感温素子とを備えた赤外線センサが各所で研究開発されている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記特許文献1には、この種の赤外線センサとして、赤外線吸収膜と感温素子とを備えた熱型赤外線検出部をシリコン基板の主表面側において2次元アレイ状(マトリクス状)に配列し各熱型赤外線検出部が画素を構成するようにした赤外線イメージセンサが記載されている。
ここで、上記特許文献1には、図12に示すように、主表面が(100)面のシリコン基板1’と、抵抗ボロメータからなる感温素子3’を有しシリコン基板1’の主表面側に形成されてシリコン基板1’に支持された薄膜構造部6’と、薄膜構造部6’におけるシリコン基板1’側とは反対側で薄膜構造部6’から離間して配置され赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収膜61’とを備え、赤外線吸収膜61’が当該赤外線吸収膜61’と薄膜構造部6’の感温素子3’とを熱的に結合する柱状の接合柱62’を介して薄膜構造部6’に支持された赤外線センサが記載されている。
また、図12に示した構成の赤外線センサは、シリコン基板1’の主表面に薄膜構造部6’におけるシリコン基板1’側の表面を露出させるように矩形状に開口され内側面が{111}面により構成された凹所11’がエッチング速度の結晶方位依存性を利用した湿式の異方性エッチングにより形成され、薄膜構造部6’には、凹所11’に連通する複数のスリット状のエッチングホール17’が形成されている。要するに、シリコン基板1’の凹所11は、薄膜構造部6’のエッチングホール17’を通してアルカリ系溶液(例えば、KOH溶液、TMAH溶液など)からなるエッチャントを導入してシリコン基板1’を異方性エッチングすることにより形成されている。
また、薄膜構造部6’は、少なくとも、シリコン基板1’の主表面上に形成したシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と、当該第1の絶縁膜上に形成された感温素子3’および当該感温素子3’に電気的に接続された金属配線164’,165’と、感温素子3’および金属配線164’,165’を覆うように第1の絶縁膜におけるシリコン基板1’側とは反対側に形成されたシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜とを有する積層構造体に上述の複数のエッチングホール17’を形成することによりパターニングされている。しかして、シリコン基板1’の主表面側で平面視における凹所11’の内側に上記積層構造体の一部からなる感温部161’が配置されており、当該感温部161’が2つの支持脚部162’,163’を介して凹所11’の周部の支持部166’に支持されており、感温部161’の感温素子3’の一端が一方の支持脚部162’に沿って形成された金属配線164’を介して信号読み出し回路に接続され、他端が他方の支持脚部163’に沿って形成された金属配線165’を介して信号読み出し回路に接続されている。
また、上記特許文献1には、図12と略同じ構成の赤外線センサであって、図13に示すように、シリコン基板1’を主表面側からエッチングガスにより等方性エッチングすることにより凹所11’を形成してなる赤外線センサが記載されている。
図13に示した構成の赤外線センサは、シリコン基板1’に、凹所11’の形成領域を規定するエッチングストッパ14’を埋設してあるので、等方性エッチングにより凹所11’を形成する際の凹所11’の開口面積のばらつきを小さくすることができる。ここで、図13に示した構成の赤外線センサを製造する際に、シリコン基板1’にエッチングストッパ14’を形成するにあたっては、シリコン基板1’の主表面におけるエッチングストッパ14’の形成予定領域にドライエッチングによりトレンチを形成し、その後、シリコン基板1’の主表面を覆うとともにトレンチに埋め込まれるシリコン酸化膜をCVD法により形成、続いて、シリコン基板1’の主表面上のシリコン酸化膜をCMP法により除去することによってトレンチ内のシリコン酸化膜からなるエッチングストッパ14’を形成する。
また、凹所11’の形成にあたっては、薄膜構造体6’にエッチングホール(以下、第1のエッチングホールと称する)17’を形成する過程とは別に、赤外線吸収膜61’と接合柱62’と薄膜構造部6’とを貫通する第2のエッチングホール18’を形成する過程を設け、当該第2のエッチングホール18’を通してエッチングガスを導入しシリコン基板1’を等方性エッチングすることで凹所11’を形成するとともに、第2のエッチングホール18’−凹所11’の内部空間−第1のエッチングホール17’を通して薄膜構造部6’と赤外線吸収膜61’との間の犠牲層をエッチングする過程を行うようにしている。
なお、赤外線センサとしては、感温素子3’と感温素子3’の出力を読み出すためのMOSトランジスタとを有する画素が2次元アレイ状に配列された赤外線イメージセンサや、シリコン基板1’の主表面側に感温素子3’が1つだけ設けられた赤外線センサも考えられる。また、赤外線センサの感温素子3’としては、抵抗ボロメータに限らず、サーモパイル、サーミスタ、ダイオード、焦電素子なども考えられる。
ところで、図12および図13に示した構成の赤外線センサでは、シリコン基板の主表面上にパターニングされた犠牲層を形成することなく凹所11’を形成することができるので、薄膜構造部6’における感温素子3’の下地膜(上述の例では、第1の絶縁膜)の表面に段差が形成されるのを防止することができ、感温素子3’や金属配線164’,165’などの断線を防止することが可能となり、特に、感温素子3’と感温素子3’の出力を読み出すためのMOSトランジスタとを有する画素が2次元アレイ状に配列された赤外線センサを構成する場合の信頼性を向上できる。
しかしながら、図12および図13に示した構成の赤外線センサでは、赤外線吸収膜61’が薄膜構造部62’に接合柱62’を介して支持された構造を採用しているので、脆弱であり、しかも、接合柱62’の熱抵抗などに起因して赤外線吸収膜61’と感温素子3’との間に温度勾配が生じ、感温素子3’の温度が赤外線吸収膜61’の温度に比べて低くなるから、感度が低くなってしまう。また、図12および図13に示した構成の赤外線センサでは、接合柱62’の熱容量に起因して時定数が長くなって応答速度が低下してしまい、赤外線イメージセンサとして用いる場合にはフレーム周波数が低くなってしまう。
そこで、図12や図13に示した構成の赤外線センサにおいて、接合柱62’を設けず、赤外線吸収膜61’を薄膜構造部6’において感温素子3’に接するように薄膜構造部6’に一体化することが考えられる。
ここで、図12や図13の構成の赤外線センサにおいて、接合柱62’を設けずに赤外線吸収膜61’を薄膜構造部6’に一体化した場合には、赤外線の有効吸収エリアのサイズが感温部161’のサイズにほぼ等しくなるが、図12に示した構成の赤外線センサでは、シリコン基板1’の主表面の凹所11’を異方性エッチングにより形成しているので、エッチングホール17’を大きくしなければならず、赤外線吸収膜61’の面積が小さくなり、感度が低下してしまう。
また、図12の構成の赤外線センサにおいて、接合柱62’を設けずに赤外線吸収膜61’を薄膜構造部6’に一体化するようにし、凹所11’を等方性エッチングにより形成する場合には、エッチングレートのばらつきにより凹所11’の開口面積が変わってしまうので、シリコン基板1’の主表面側で凹所11’の周囲に配置されるパッド、MOSトランジスタ、信号読み出し回路、隣りの画素の凹所11’などとの距離を長くする必要があり、赤外線センサの小型化が制限されるとともに、画素サイズに対して赤外線吸収膜61’の占める面積の割合が小さくなり、感度が低下してしまう。
これに対して、図13に示した構成の赤外線センサでは、シリコン基板1’にエッチングストッパ14’が埋設されているので、凹所11’を形成する際のエッチングレートのばらつきに起因して凹所11’の開口面積が変化するのを防止することができるが、エッチングストッパ14’を形成するために、シリコン基板1’にトレンチを形成してから、トレンチを埋め込むシリコン酸化膜を形成し、更にその後で、シリコン酸化膜の不要部分をCMP(化学的機械的研磨)法により研磨してシリコン基板1の主表面側を平坦化する必要があるので、製造工程が複雑になり、コストが高くなってしまう。また、シリコン基板1とシリコン酸化膜との研磨速度の違いに起因してシリコン基板1の主表面側にリセスやディッシングが生じて歩留まりが低下することによるコストアップが懸念される。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで小型化を図れる赤外線センサの製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、主表面が{100}面のシリコン基板と、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収膜および当該赤外線吸収膜の温度変化を検出する感温素子を有しシリコン基板の主表面側に形成されてシリコン基板に支持された薄膜構造部とを備え、シリコン基板の主表面に薄膜構造部におけるシリコン基板側の表面を露出させるように矩形状に開口され内側面が{111}面により構成された凹所が形成されてなる赤外線センサの製造方法であって、シリコン基板の主表面上に薄膜構造部を形成する薄膜構造部形成工程と、薄膜構造部形成工程の後でシリコン基板の主表面に凹所を形成する凹所形成工程とを備え、凹所形成工程は、薄膜構造部のうちシリコン基板の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域の中央部に厚み方向に貫通する第1のエッチングホールを形成する第1のエッチングホール形成過程と、薄膜構造部のうち前記矩形状規定領域の少なくとも1つの対角線の両端部に対応する各部位に当該薄膜構造部の厚み方向に貫通する第2のエッチングホールを形成する第2のエッチングホール形成過程と、第1のエッチングホール、第2のエッチングホールそれぞれを通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板を異方性エッチングすることによりシリコン基板の主表面に凹所を形成する異方性エッチング過程とを備え、第1のエッチングホール形成過程と異方性エッチング過程との間において、第2のエッチングホール形成過程の前後いずれか一方に、第1のエッチングホールのみを通してシリコン基板を等方性エッチングすることによりシリコン基板の主表面における凹所形成予定矩形領域の内側に凹所よりも開口面積が小さな小凹所を形成する等方性エッチング過程を有することを特徴とする。
この発明によれば、凹所形成工程が、薄膜構造部のうちシリコン基板の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域の中央部に厚み方向に貫通する第1のエッチングホールを形成する第1のエッチングホール形成過程と、薄膜構造部のうち前記矩形状規定領域の少なくとも1つの対角線の両端部に対応する各部位に当該薄膜構造部の厚み方向に貫通する第2のエッチングホールを形成する第2のエッチングホール形成過程と、第1のエッチングホール、第2のエッチングホールそれぞれを通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板を異方性エッチングすることによりシリコン基板の主表面に凹所を形成する異方性エッチング過程とを備え、第1のエッチングホール形成過程と異方性エッチング過程との間において、第2のエッチングホール形成過程の前後いずれか一方に、第1のエッチングホールのみを通してシリコン基板を等方性エッチングすることによりシリコン基板の主表面における凹所形成予定矩形領域の内側に凹所よりも開口面積が小さな小凹所を形成する等方性エッチング過程を有するので、凹所を異方性エッチングのみにより形成する場合に比べて各エッチングホールの開口面積を小さくすることができ、しかも、等方性エッチングと異方性エッチングとの組み合わせで形成される凹所の開口面積は異方性エッチングを行う際の第2のエッチングホールの形成位置により規定されるから、従来のようなトレンチを利用したエッチングストッパを形成することなく凹所の開口面積のばらつきを低減でき、低コストで小型化を図れる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2のエッチングホール形成過程を前記等方性エッチング過程よりも前に行うようにし、前記第2のエッチングホール形成過程と前記等方性エッチング過程との間に、前記等方性エッチング過程においてエッチング耐性を有する材料からなる保護層により第2のエッチングホールを閉塞するエッチングホール閉塞過程を備えることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2のエッチングホール形成過程を前記等方性エッチング過程よりも前に行うので、前記シリコン基板の主表面に前記小凹所が形成された状態で前記第2のエッチングホールを形成する場合に比べて、前記第2のエッチングホールを容易に形成することができ、また、前記第2のエッチングホール形成過程と前記等方性エッチング過程との間に、前記等方性エッチング過程においてエッチング耐性を有する材料からなる保護層により第2のエッチングホールを閉塞するエッチングホール閉塞過程を備えるので、前記第2のエッチングホールを通して前記シリコン基板が等方性エッチングされるのを防止することができる。
請求項1の発明は、低コストで小型化を図れる赤外線センサを提供することができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の赤外線センサは、図1(h)および図4(b)に示すように、導電形がn形で主表面が{100}面の単結晶のシリコン基板1と、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収膜2および当該赤外線吸収膜2の温度変化を検出する感温素子3を有しシリコン基板1の主表面側に形成されてシリコン基板1に支持された薄膜構造部6とを備え、シリコン基板1の主表面に薄膜構造部6におけるシリコン基板1側の表面を露出させるように矩形状に開口され内側面が{111}面により構成された四角錘状の凹所11が形成されている。ここにおいて、図4(b)は、後述の層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、図1(h)は図4(b)のA−A’断面に相当する概略断面図である。なお、シリコン基板1の導電形は、n形に限らず、p形でもよい。
本実施形態の赤外線センサは、図1(h)および図4(b)に示すように、導電形がn形で主表面が{100}面の単結晶のシリコン基板1と、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収膜2および当該赤外線吸収膜2の温度変化を検出する感温素子3を有しシリコン基板1の主表面側に形成されてシリコン基板1に支持された薄膜構造部6とを備え、シリコン基板1の主表面に薄膜構造部6におけるシリコン基板1側の表面を露出させるように矩形状に開口され内側面が{111}面により構成された四角錘状の凹所11が形成されている。ここにおいて、図4(b)は、後述の層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、図1(h)は図4(b)のA−A’断面に相当する概略断面図である。なお、シリコン基板1の導電形は、n形に限らず、p形でもよい。
ここで、薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面側に形成されシリコン基板1に支持されたシリコン窒化膜からなる上述の赤外線吸収膜2と、赤外線吸収膜2におけるシリコン基板1側とは反対側に形成された上述の感温素子3とを備えている。
感温素子3は、赤外線吸収膜2においてシリコン基板1の凹所11に重なる領域(凹所11の投影領域)とシリコン基板1の凹所11の周部に重なる領域とに跨って形成された細長のp形ポリシリコン層(p形ポリシリコンエレメント)32および細長のn形ポリシリコン層(n形ポリシリコンエレメント)31と、p形ポリシリコン層32とn形ポリシリコン層31との一端部同士を薄膜構造部6においてシリコン基板1の凹所11の投影領域で電気的に接合した金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる接続金属部33とで構成される複数の熱電対が直列接続されたサーモパイルにより構成されている。ここで、感温素子3を構成するサーモパイルは、p形ポリシリコン層32の上記一端部およびn形ポリシリコン層31の上記一端部と、対をなすp形ポリシリコン層32とn形ポリシリコン層31との上記一端部同士を接合した接続金属部33とで温接点T1を構成し(図4(b)および図6(a)参照)、互いに異なる熱電対のp形ポリシリコン層32の他端部およびn形ポリシリコン層31の他端部と、これら他端部同士を接合した金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる接続金属部34とで冷接点T2を構成している(図4(b)および図6(b)参照)。
また、薄膜構造部6は、シリコン基板1の主表面側で各ポリシリコン層31,32および赤外線吸収膜2において各ポリシリコン層31,32が形成されていない部位を覆うBPSG膜からなる層間絶縁膜4と、層間絶縁膜4および各接続金属部33,34を覆うパッシベーション膜5とを備えている。しかして、上述の各接続金属部33,34が層間絶縁膜4により絶縁分離されている。ここで、温接点T1の接続金属部33は、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール4a1,4a2を通して両ポリシリコン層31,32と接続され、冷接点T2の接続金属部34は、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール4a3,4a4を通して両ポリシリコン層31,32と接続されている。なお、パッシベーション膜5は、PSG膜とNSG膜との積層膜により構成されているが、当該積層膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。また、本実施形態では、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5も赤外線吸収膜として機能する。
また、感温素子3は、一端部が金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる金属配線35を介して一方のパッド37と電気的に接続され、他端部が金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる金属配線36を介して他方のパッド38と電気的に接続されている。ここで、各金属配線35,36および各パッド37,38は、各接続金属部33,34と同じ材料で、且つ、同時に形成されている。要するに、各金属配線35,36および各パッド37,38は、層間絶縁膜4上に形成され、各金属配線35,36における各パッド37,38側とは反対側の各端部それぞれが、感温素子3を構成するサーモパイルの一端側のp形ポリシリコン層32、他端側のn形ポリシリコン層31と層間絶縁膜4のコンタクトホール(図示せず)を通して接続されている。また、パッシベーション膜5には、各パッド37,38それぞれを露出させる2つの矩形状のパッド用開口部(図示せず)が形成されている。
ところで、上述の薄膜構造部6のうち凹所11の矩形状の投影領域の中央部には、当該薄膜構造部6の厚み方向に貫通し凹所11の内部空間に連通する複数(本実施形態では、4つ)の第1のエッチングホール7が形成され、当該投影領域の2つの対角線それぞれの両端部(当該投影領域の4つの隅部)には、薄膜構造部6の厚み方向に貫通し凹所11の内部空間に連通する第2のエッチングホール8が形成されている。
ここで、凹所12の開口形状は矩形状、各エッチングホール7,8の開口形状は円形状としてあるが、各エッチングホール7,8の開口形状は特に円形状に限定するものではなく、例えば、矩形状でもよい。ただし、第1のエッチングホール7の開口面積は第2のエッチングホール8の開口面積よりも小さく設定することが好ましい。
また、感温素子3は、各エッチングホール7,8を避けるように平面レイアウトを設計してある。なお、感温素子3の平面レイアウトは、図4(b)の例に限定するものではない。
本実施形態の赤外線センサでは、赤外線吸収膜2の膜厚を1000Å、n形ポリシリコン層31およびp形ポリシリコン層32の膜厚を3000Å、層間絶縁膜4の膜厚を5000Å、上記金属膜の膜厚を1μm、パッシベーション膜5の膜厚を0.4μm(PSG膜の膜厚を0.2μm、NSG膜の膜厚を0.2μm)、としてあるが、これらの数値は一例であって、特に限定するものではない。
以下、本実施形態の赤外線センサの製造方法について図1〜図6を参照しながら説明する。
まず、シリコン基板1の主表面上にシリコン窒化膜からなる赤外線吸収膜2を形成する赤外線吸収膜形成工程を行うことによって、図1(a)に示す構造を得る。ここで、赤外線吸収膜形成工程では、シリコン基板1の主表面上に第1の所定膜厚(例えば、1000Å)のシリコン窒化膜からなる赤外線吸収膜2をLPCVD法により形成することで、引張応力を有する赤外線吸収膜2を形成する。なお、赤外線吸収膜2の材料は、シリコン基板1の主表面に凹所11を形成する際に用いるエッチャントに対して耐性を有する耐エッチング材料であり、且つ、赤外線吸収材料であればよく、SiNxに限定するものではなく、例えば、SiO2でもよい。
上述の赤外線吸収膜形成工程の後で、シリコン基板1の主表面側の全面に、各n形ポリシリコン層31および各p形ポリシリコン層32の基礎となる第2の所定膜厚(例えば、3000Å)のノンドープのポリシリコン層をLPCVD法により形成するポリシリコン層形成工程を行い、その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してノンドープのポリシリコン層のうち各n形ポリシリコン層31および各p形ポリシリコン層32それぞれに対応する部分が残るようにノンドープのポリシリコン層をパターニングするポリシリコン層パターニング工程を行い、続いて、ノンドープのポリシリコン層のうち各p形ポリシリコン層32に対応する部分にp形不純物(例えば、ボロンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことにより各p形ポリシリコン層32を形成するp形ポリシリコン層形成工程を行い、その後、ノンドープのポリシリコン層のうち各n形ポリシリコン層31に対応する部分にn形不純物(例えば、リンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことにより各n形ポリシリコン層31を形成するn形ポリシリコン層形成工程を行うことによって、図1(b)および図2(a)に示す構造を得る。ここにおいて、図1(b)は図2(a)のA−A’概略断面図である。なお、p形ポリシリコン層形成工程とn形ポリシリコン層形成工程との順序は逆でもよい。
上述のp形ポリシリコン層形成工程およびn形ポリシリコン層形成工程が終了した後、シリコン基板1の主表面側に層間絶縁膜4を形成する層間絶縁膜形成工程を行ってから、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して層間絶縁膜4に、温接点T1用のコンタクトホール4a1,4a2、冷接点T2用のコンタクトホール4a3,4a4、金属配線35,36用の上記コンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程を行い、その後、シリコン基板1の主表面側の全面に各接続金属部33,34、各金属配線35,36および各パッド37,38の基礎となる金属膜(例えば、Al−Si膜)を形成する金属膜形成工程を行い、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して金属膜をパターニングすることで各接続金属部33,33、各金属配線35,36および各パッド37,38を形成する金属膜パターニング工程を行うことによって、図1(c)および図2(b)に示す構造を得る。ここにおいて、図2(b)は、層間絶縁膜4の図示を省略してあり、図1(c)は図2(b)のA−A’断面に相当する概略断面図である。また、層間絶縁膜形成工程では、シリコン基板1の主表面側に第3の所定膜厚(例えば、5000Å)のBPSG膜をCVD法により堆積させてから、所定温度(例えば、800℃)でリフローすることにより表面が平坦化された層間絶縁膜4を形成する。また、コンタクトホール形成工程では、バッファードフッ酸により層間絶縁膜4をエッチングする。また、金属膜形成工程では、シリコン基板1の主表面側に、第4の所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜をスパッタ法などにより形成する。また、金属膜パターニング工程におけるエッチングはRIEにより行っている。
上述の金属膜パターニング工程の後、シリコン基板1の主表面側(つまり、層間絶縁膜4の表面側)に第5の所定膜厚(例えば、0.2μm)のPSG膜と第6の所定膜厚(例えば、0.2μmÅ)のNSG膜との積層膜からなるパッシベーション膜6をCVD法により形成するパッシベーション膜形成工程を行うことによって、図1(d)に示す構造を得る。なお、パッシベーション膜6は、PSG膜とNSG膜との積層膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜でもよい。
なお、本実施形態では、上述の赤外線吸収膜形成工程からパッシベーション膜形成工程までの全工程で、シリコン基板1の主表面上に薄膜構造部6を形成する薄膜構造部形成工程を構成している。
上述の薄膜構造部形成工程の後、シリコン基板1の主表面に凹所11を形成する凹所形成工程を行うことによって、図1(h)および図4(b)に示す構造の赤外線センサを得る。ここにおいて、図4(b)は、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、図1(h)は図4(b)のA−A’断面に相当する概略断面図である。
ここで、凹所形成工程は、薄膜構造部6のうちシリコン基板1の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域VAの中央部に厚み方向に貫通する第1のエッチングホール7を形成する第1のエッチングホール形成過程(第1のエッチングホール形成工程)を行うことによって、図1(e)および図3(a)に示す構造を得る。ここにおいて、図3(a)は、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、図1(e)は図3(a)のA−A’断面に相当する概略断面図である。なお、本実施形態では、凹所形成予定矩形領域が正方形状であり、矩形状規定領域VAも正方形状であるが、これらは必ずしも正方形状である必要はない。
上述の第1のエッチングホール形成過程の後、第1のエッチングホール7を通してシリコン基板1を等方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面における凹所形成予定矩形領域の内側に凹所11よりも開口面積が小さな小凹所10を形成する等方性エッチング過程(等方性エッチング工程)を行うことによって、図1(f)および図3(b)に示す構造を得る。ここにおいて、図3(b)は、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、図1(f)は図3(b)のA−A’断面に相当する概略断面図である。また、等方性エッチング過程では、エッチングガスとしてXeF2ガスを用いてシリコン基板1を等方性エッチングするが、エッチングガスは、XeF2ガスに限らず、例えば、XeF4ガス、XeF6ガス、KrF2ガス、KrF4ガス、KrF6ガス、ClF3ガス、BrF3ガス、IF5ガスなどを用いてもよい。等方性エッチング過程は、エッチングガスを用いたドライエッチングに限らず、等方性エッチングが可能で且つ薄膜構造部6に対してシリコン基板1を選択的にエッチング可能なエッチャントを用いたウェットエッチングでもよい。
上述の等方性エッチング過程の後、薄膜構造部6のうち矩形状規定領域VAの2つの対角線の両端部に対応する各部位に当該薄膜構造部6の厚み方向に貫通する第2のエッチングホール8を形成する第2のエッチングホール形成過程(第2のエッチングホール形成工程)を行うことによって、図1(g)および図4(a)に示す構造を得る。ここにおいて、図4(a)は、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略してあり、図1(g)は図4(a)のA−A’断面に相当する概略断面図である。なお、第2のエッチングホール形成過程では、矩形状規定領域VAの少なくとも1つの対角線の両端部に対応する各部位それぞれに1つずつ第2のエッチングホール8を形成すればよい。また、第2のエッチングホール形成過程において形成する第2のエッチングホール8の開口形状は、円形状に限らず、例えば、長方形状の形状でもよいし、平行四辺形状の形状でもよい。
上述の第2のエッチングホール形成過程の後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して各パッド37,38を露出させる上記パッド用開口部を形成するパッド用開口部形成工程を行ってから、第1のエッチングホール7、第2のエッチングホール8それぞれを通してアルカリ系溶液からなるエッチャントを導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面に凹所11を形成する異方性エッチング過程(異方性エッチング工程)を行うことによって、図1(h)および図4(b)に示す構造の赤外線センサを得る。ここで、パッド用開口部形成工程におけるエッチングはRIEにより行っている。また、異方性エッチング過程では、アルカリ系溶液として所定温度(例えば、85℃)に加熱したTMAH溶液を用いているが、アルカリ系溶液はTMAH溶液に限らず、他のアルカリ系溶液(例えば、KOH溶液など)を用いてもよい。いずれにしても、凹所11の内側面は{111}面により構成される。すなわち、上述の等方性エッチング過程を終えた段階では図5の1番上のような小凹所10が形成されているが、異方性エッチング過程では、図5の上から2番目、3番目の図のように小凹所10が深さ方向および横方向に広がるように異方性エッチングが進行し、最終的には図5の上から4番目のように矩形状に開口された凹所11が形成される。
上述の凹所形成工程が終了するまでの全工程はウェハレベルで行うので、凹所形成工程が終了した後、個々の赤外線センサに分離する分離工程(ダイシング工程)を行えばよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサの製造方法によれば、凹所形成工程が、薄膜構造部6のうちシリコン基板1の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域VAの中央部に厚み方向に貫通する第1のエッチングホール7を形成する第1のエッチングホール形成過程と、薄膜構造部6のうち矩形状規定領域VAの少なくとも1つの対角線の両端部に対応する各部位に当該薄膜構造部6の厚み方向に貫通する第2のエッチングホール8を形成する第2のエッチングホール形成過程と、第1のエッチングホール7、第2のエッチングホール8それぞれを通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面に凹所11を形成する異方性エッチング過程とを備え、第1のエッチングホール形成過程と異方性エッチング過程との間において、第2のエッチングホール形成過程の前に、第1のエッチングホール7のみを通してシリコン基板1を等方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面における凹所形成予定矩形領域の内側に凹所11よりも開口面積が小さな小凹所10を形成する等方性エッチング過程を有するので、凹所11を異方性エッチングのみにより形成する場合に比べて各エッチングホール7,8の開口面積を小さくすることができ、しかも、等方性エッチングと異方性エッチングとの組み合わせで形成される凹所11の開口面積は異方性エッチングを行う際の第2のエッチングホール8の形成位置により規定されるから、従来のようなトレンチを利用したエッチングストッパ14’(図13参照)を形成することなく凹所11の開口面積のばらつきを低減でき、低コストで小型化を図れる。ここで、本実施形態の赤外線センサでは、平面視における凹所11と各パッド37,38や冷接点T2の距離を短くでき、小型化を図れる。
(実施形態2)
図9に示す本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と同じであって、製造方法における凹所形成工程が相違するだけなので、凹所形成工程についてのみ図7〜図9を参照しながら説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、図7〜図9は、右側の図が層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略した平面レイアウト図であり、左側の図が右側の図のA−A’断面に対応する概略断面図である。
図9に示す本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と同じであって、製造方法における凹所形成工程が相違するだけなので、凹所形成工程についてのみ図7〜図9を参照しながら説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、図7〜図9は、右側の図が層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5の図示を省略した平面レイアウト図であり、左側の図が右側の図のA−A’断面に対応する概略断面図である。
本実施形態の赤外線センサの製造方法における凹所形成工程では、第1のエッチングホール7を形成する第1のエッチングホール形成過程と第2のエッチングホール8を形成する第2のエッチングホール形成過程とを同時に行うことによって、図7(a)に示す構造を得る。
続いて、後の等方性エッチング過程(等方性エッチング工程)においてエッチング耐性を有する材料(例えば、等方性エッチング過程において用いるXeF2ガスに対するエッチング耐性を有する材料であるポリイミドなど)からなる保護層9により第2のエッチングホール8を閉塞するエッチングホール閉塞過程(エッチングホール閉塞工程)を行うことによって、図7(b)に示す構造を得る。ここで、エッチングホール閉塞過程では、シリコン基板1の主表面側にポリイミドをスピンコート法により塗布してから、パターニングすることによって保護層9を形成する。
上述のエッチングホール閉塞過程の後、第1のエッチングホール7のみを通してシリコン基板1を等方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面における凹所形成予定矩形領域の内側に凹所11よりも開口面積が小さな小凹所10を形成する等方性エッチング過程を行うことによって、図8(a)に示す構造を得る。
等方性エッチング過程の後、保護層9を除去する保護層除去過程(保護層除去工程)を行うことによって、図8(b)に示す構造を得る。ここにおいて、保護層除去過程では、上述のように保護層9がポリイミドにより形成されている場合には、酸素プラズマ処理により保護層9を除去する。
上述の保護層除去工程の後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して各パッド37,38を露出させる上記パッド用開口部を形成するパッド用開口部形成工程を行ってから、第1のエッチングホール7、第2のエッチングホール8それぞれを通してアルカリ系溶液からなるエッチャントを導入してシリコン基板1を異方性エッチングすることによりシリコン基板1の主表面に凹所11を形成する異方性エッチング過程(異方性エッチング工程)を行うことによって、図9に示す構造の赤外線センサを得る。
しかして、本実施形態の赤外線センサの製造方法によれば、第2のエッチングホール形成過程を等方性エッチング過程よりも前に行うので、実施形態1のようにシリコン基板1の主表面に小凹所10が形成された状態で第2のエッチングホール8を形成する場合に比べて、第2のエッチングホール8を容易に形成することができ、また、第2のエッチングホール形成過程と等方性エッチング過程との間に、等方性エッチング過程においてエッチング耐性を有する材料からなる保護層9により第2のエッチングホール8を閉塞するエッチングホール閉塞過程を備えるので、第2のエッチングホール8を通してシリコン基板1が等方性エッチングされるのを防止することができる。なお、第1のエッチングホール形成過程と、第2のエッチングホール形成過程とは別々に行ってもよい。
(実施形態3)
本実施形態における赤外線センサは、赤外線イメージセンサであり、図10および図11に示すように実施形態1で説明した薄膜構造部6(図1(h)参照)を有する熱型赤外線検出部30と画素選択用スイッチング素子であるMOSトランジスタ40とを有する画素20がシリコン基板1の主表面側においてアレイ状(ここでは、2次元アレイ状)に配列されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における赤外線センサは、赤外線イメージセンサであり、図10および図11に示すように実施形態1で説明した薄膜構造部6(図1(h)参照)を有する熱型赤外線検出部30と画素選択用スイッチング素子であるMOSトランジスタ40とを有する画素20がシリコン基板1の主表面側においてアレイ状(ここでは、2次元アレイ状)に配列されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における赤外線センサでは、シリコン基板1の主表面側にm×n個(図示例では、8×8個)の画素20が形成されているが、画素20の数や配列は特に限定するものではない。また、図11では、熱型赤外線検出部30における感温素子3の等価回路を、当該感温素子3の熱起電力に対応する電圧源Vsと、当該電圧源Vsに直列接続された抵抗Rと、当該抵抗Rに並列接続されたコンデンサCとで表してある。
また、本実施形態における赤外線センサは、各列の複数個の熱型赤外線検出部30の感温素子3の一端が上述のMOSトランジスタ40を介して各列ごとに共通接続された複数の垂直読み出し線70と、各行の熱型赤外線検出部30に対応するMOSトランジスタ40が各行ごとに共通接続された複数の水平信号線60と、各列の複数個の熱型赤外線検出部30の感温素子3の他端が各列ごとに共通接続された複数の基準バイアス線50と、各列のMOSトランジスタ40のp+形ウェル領域141が各列ごとに共通接続された複数のグラウンド線80とを備えており、全ての熱型赤外線検出部30の出力を時系列的に読み出すことができるようになっている。ここで、MOSトランジスタ40は、ゲート電極146が水平信号線60に接続され、ソース電極148が感温素子3を介して基準バイアス線50に接続され、ドレイン電極147が垂直読み出し線70に接続されており、各基準バイアス線50および各水平信号線60および各垂直読み出し線70および共通グランド線80それぞれが、パッド(図示せず)と電気的に接続されている。なお、本実施形態における赤外線センサは、各水平信号線60それぞれが各別の画素選択用パッドに電気的に接続され、各垂直読み出し線70それぞれが各別の出力用パッドに電気的に接続され、共通グラウンド線80がグラウンド用パッドに電気的に接続され、基準バイアス線50が基準バイアス用パッドに電気的に接続され、シリコン基板1が基板用パッドに電気的に接続されている。
しかして、MOSトランジスタ40が順次オン状態になるように各画素選択用パッドの電位を制御することで各画素20の出力電圧を順次読み出すことができる。例えば、基準バイアス用パッドの電位を1.65、グラウンド用パッドの電位を0V、基板用パッドの電位を5Vとしておき、画素選択用パッドの電位を5Vとすれば、MOSトランジスタ40がオンとなり、出力用パッドから画素20の出力電圧(1.65V+感温素子3の出力電圧)が読み出され、画素選択用パッドの電位を0Vとすれば、MOSトランジスタ40がオフとなり、出力用パッドから画素20の出力電圧は読み出されない。
上述の熱型赤外線検出部30は、シリコン基板1の主表面側の各画素20それぞれにおける熱型赤外線検出部30の形成用領域A1に形成されており、MOSトランジスタ40は、シリコン基板1の主表面側の各画素20それぞれにおけるMOSトランジスタ40の形成用領域A2に形成されている。ここで、本実施形態の赤外線センサは、熱型赤外線検出部30それぞれに対応する部位ごとに、実施形態1,2にて説明した凹所11、第1のエッチングホール7および第2のエッチングホール8が形成されている。なお、層間絶縁膜4およびパッシベーション膜5は、両形成用領域A1,A2に跨って形成されている。
また、MOSトランジスタ40は、シリコン基板1の主表面側に上述のp+形ウェル領域141が形成され、p+形ウェル領域141内に、n+形ドレイン領域143とn+形ソース領域144とが離間して形成されている。また、p+形ウェル領域141内には、n+形ドレイン領域143とn+形ソース領域144とを囲むp++形チャネルストッパ領域142が形成されている。また、p+形ウェル領域141においてn+形ドレイン領域143とn+形ソース領域144との間に位置する部位の上には、シリコン酸化膜(熱酸化膜)からなるゲート絶縁膜145を介してn形ポリシリコン層からなるゲート電極146が形成されている。また、n+形ドレイン領域143上には金属材料(例えば、Al−Siなど)からなるドレイン電極147が形成され、n+形ソース領域144上には金属材料(例えば、Al−Siなど)からなるソース電極148が形成されている。ここで、ゲート電極146、ドレイン電極147およびソース電極148は、上述の層間絶縁膜4により絶縁分離されている。すなわち、ドレイン電極147は、層間絶縁膜4に形成したコンタクトホール4a7を通してn+形ドレイン領域143と電気的に接続され、ソース電極148は、層間絶縁膜4に形成したコンタクトホール4a8を通してn+形ソース領域144と電気的に接続されている。
ところで、本実施形態の赤外線センサの各画素20では、MOSトランジスタ40のソース電極148と感温素子3の上記他端側とが金属配線36を介して電気的に接続され、感温素子3の上記一端側が金属配線35を介して基準バイアス線50と電気的に接続されている。また、本実施形態の赤外線センサの各画素20では、上述のようにMOSトランジスタ40のドレイン電極147が垂直読み出し線70と電気的に接続され、ゲート電極146が当該ゲート電極146と連続一体に形成されたn形ポリシリコン配線からなる水平信号線60と電気的に接続されている。また、各画素20では、MOSトランジスタ40のp++形チャネルストッパ領域142上に金属材料(例えば、Al−Siなど)からなるグラウンド用電極149が形成されており、当該グラウンド用電極149が、当該p++形チャネルストッパ領域142をn+形ドレイン領域143およびn+形ソース領域144よりも低電位にバイアスして素子分離するための共通グラウンド線80と電気的に接続されている。なお、グラウンド用電極149は、層間絶縁膜4に形成したコンタクトホール4a9を通してp++形チャネルストッパ領域142と電気的に接続されている。
以下、本実施形態の赤外線センサの製造方法について簡単に説明するが、実施形態1,2にて説明した製造方法と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、シリコン基板1の主表面上にシリコン窒化膜からなる赤外線吸収膜2を形成する赤外線吸収膜形成工程を行う。ここにおいて、赤外線吸収膜形成工程では、シリコン基板1の主表面側に赤外線吸収膜2の基礎となるシリコン窒化膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該シリコン窒化膜のうち熱型赤外線検出部30の形成用領域A1に対応する部分を残してMOSトランジスタ40の形成用領域A2に対応する部分をエッチング除去する。
赤外線吸収膜形成工程の後、シリコン基板1の主表面側にp+形ウェル領域141を形成するウェル領域形成工程を行い、続いて、シリコン基板1の主表面側におけるp+形ウェル領域141内にp++形チャネルストッパ領域142を形成するチャネルストッパ領域形成工程を行い、その後、p+形ウェル領域141におけるn+形ドレイン領域143およびn+形ソース領域144それぞれの形成予定領域にn形不純物(例えば、リンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことによりn+形ドレイン領域143およびn+形ソース領域144を形成するソース・ドレイン形成工程を行う。
上述のソース・ドレイン形成工程の後、シリコン基板1の主表面側に熱酸化によりシリコン酸化膜(熱酸化膜)からなるゲート絶縁膜145を形成するゲート絶縁膜形成工程を行い、続いて、実施形態1にて説明したポリシリコン層形成工程を行い、その後、ポリシリコン層パターニング工程において、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してノンドープのポリシリコン層のうちn形ポリシリコン層31、p形ポリシリコン層32、ゲート電極146および水平信号線60それぞれに対応する部分が残るようにパターニングする。続いて、p形ポリシリコン層形成工程を行い、その後、n形ポリシリコン層形成工程において、ノンドープのポリシリコン層のうちn形ポリシリコン層31、ゲート電極146および水平信号線60に対応する部分にn形不純物(例えば、リンなど)のイオン注入を行ってからドライブを行うことによりn形ポリシリコン層31、ゲート電極146および水平信号線60を形成する。
上述のp形ポリシリコン層形成工程およびn形ポリシリコン層形成工程が終了した後、層間絶縁膜形成工程において、シリコン基板1の主表面側の全面に層間絶縁膜4を形成し、続いて、コンタクトホール形成工程において、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して層間絶縁膜4に上記各コンタクトホール4a1〜4a9などを形成する。
上述のコンタクトホール形成工程の後、金属膜形成工程において、シリコン基板1の主表面側の全面に各接続金属部33,34、各金属配線35,36、ドレイン電極147、ソース電極148、基準バイアス線50、垂直読み出し線70、共通グラウンド線80、および上記各パッドの基礎となる金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法などにより形成する。この金属膜形成工程の後、金属膜パターニング工程において、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して金属膜をパターニングすることで各接続金属部33,34、各金属配線35,36、ドレイン電極147、ソース電極148、基準バイアス線50、垂直読み出し線70、共通グラウンド線80、および上記各パッドを形成する。
上述の金属膜パターニング工程の後、パッシベーション膜形成工程において、シリコン基板1の主表面側(つまり、層間絶縁膜4の表面側)にパッシベーション膜5をCVD法により形成する。ここで、赤外線吸収膜形成工程からパッシベーション膜形成工程までの工程のうちソース・ドレイン形成工程を除いた全工程で薄膜構造部形成工程を構成している。
上述の薄膜構造部形成工程の後、パッド用開口部形成工程においてフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して上記各パッドを露出させ、その後、実施形態1あるいは実施形態2と同様の凹所形成工程を行うことによって、図10に示す構造の赤外線センサを得る。
以上説明した本実施形態の赤外線センサの製造方法によれば、感温素子3とMOSトランジスタ40とを有する画素20が2次元アレイ状に配列された構成を採用しながらも、実施形態1,2と同様、低コストで小型化を図れる赤外線センサを提供することができる。ここで、本実施形態の赤外線センサでは、平面視における凹所11と冷接点T2やMOSトランジスタ40などとの距離を短くでき、小型化を図れる。また、本実施形態の赤外線センサでは、各画素20ごとにMOSトランジスタ40を設けてあるので、MOSトランジスタ40が順次オン状態になるように各画素選択用パッドの電位を制御することで各画素20の出力電圧を順次読み出すことができるから、パッドの数を低減でき、小型化を図れる。
なお、上記各実施形態では、感温素子3としてサーモパイルを例示したが、感温素子3は、サーモパイルに限らず、例えば、抵抗ボロメータや、サーミスタ、ダイオード、焦電素子などでもよい。
1 シリコン基板
2 赤外線吸収膜
3 感温素子
6 薄膜構造部
7 第1のエッチングホール
8 第2のエッチングホール
9 保護層
10 小凹所
11 凹所
VA 矩形状規定領域
2 赤外線吸収膜
3 感温素子
6 薄膜構造部
7 第1のエッチングホール
8 第2のエッチングホール
9 保護層
10 小凹所
11 凹所
VA 矩形状規定領域
Claims (2)
- 主表面が{100}面のシリコン基板と、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収膜および当該赤外線吸収膜の温度変化を検出する感温素子を有しシリコン基板の主表面側に形成されてシリコン基板に支持された薄膜構造部とを備え、シリコン基板の主表面に薄膜構造部におけるシリコン基板側の表面を露出させるように矩形状に開口され内側面が{111}面により構成された凹所が形成されてなる赤外線センサの製造方法であって、シリコン基板の主表面上に薄膜構造部を形成する薄膜構造部形成工程と、薄膜構造部形成工程の後でシリコン基板の主表面に凹所を形成する凹所形成工程とを備え、凹所形成工程は、薄膜構造部のうちシリコン基板の凹所形成予定矩形領域に対応する仮想の矩形状規定領域の中央部に厚み方向に貫通する第1のエッチングホールを形成する第1のエッチングホール形成過程と、薄膜構造部のうち前記矩形状規定領域の少なくとも1つの対角線の両端部に対応する各部位に当該薄膜構造部の厚み方向に貫通する第2のエッチングホールを形成する第2のエッチングホール形成過程と、第1のエッチングホール、第2のエッチングホールそれぞれを通してアルカリ系溶液を導入してシリコン基板を異方性エッチングすることによりシリコン基板の主表面に凹所を形成する異方性エッチング過程とを備え、第1のエッチングホール形成過程と異方性エッチング過程との間において、第2のエッチングホール形成過程の前後いずれか一方に、第1のエッチングホールのみを通してシリコン基板を等方性エッチングすることによりシリコン基板の主表面における凹所形成予定矩形領域の内側に凹所よりも開口面積が小さな小凹所を形成する等方性エッチング過程を有することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
- 前記第2のエッチングホール形成過程を前記等方性エッチング過程よりも前に行うようにし、前記第2のエッチングホール形成過程と前記等方性エッチング過程との間に、前記等方性エッチング過程においてエッチング耐性を有する材料からなる保護層により第2のエッチングホールを閉塞するエッチングホール閉塞過程を備えることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサの製造方法。
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