JP2010255159A5 - - Google Patents
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上記の目的を達成するために、本発明の炭素繊維用前駆体繊維の製造方法は次の構成を有するものである。
(1)繊維を構成するポリアクリロニトリル系重合体のZ平均分子量Mz(F)が60万〜200万であり、多分散度Mz(F)/Mw(F)(Mw(F)は、繊維を構成するポリアクリロニトリル系重合体の重量平均分子量を表す)が2〜5であり、原子間力顕微鏡で3μmの範囲で測定した自乗平均面粗さRmsが15〜40nmであり、単繊維繊度が0.3〜1.5dtexであり、単繊維断面直径の変動係数が0〜5%である炭素繊維前駆体繊維。
(2)RAMAN分光法により求められ、明細書で規定するR値が2.7〜3.0であり、単繊維強度が6〜9cN/dtexであり、原糸結晶配向度が91〜94%である、前記(1)に記載の炭素繊維前駆体繊維。
(3) 真円度が0.85〜1である、前記(1)または(2)に記載の炭素繊維前駆体繊維。
(4) 短径が75〜200mm、孔数3000〜30000個である紡糸口金を用い、凝固浴液の紡糸条件での凝固温度における粘度が7〜15mPa・sの条件で凝固浴液中を凝固糸が35〜200m/分の速度で走行するように乾湿式紡糸する炭素繊維前駆体繊維の製造方法であって、Z平均分子量(Mz(P))が80万〜600万で、多分散度(Mz(P)/Mw(P))(Mw(P)は、重量平均分子量を表す)が2.7〜10であるポリアクリロニトリル系重合体を含有する紡糸溶液を用い、紡糸ドラフトを5〜50とし、紡糸口金の最外孔からの吐出した紡糸溶液の紡糸口金面鉛直方向との角度を5〜15°とすることを特徴とする炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(5)前記紡糸溶液を凝固価が23〜40gである凝固浴条件の凝固浴中に吐出する、前記(4)に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(6) 前記凝固糸の引き取りローラーからの合計延伸倍率が10〜20倍、前駆体繊維束の巻き取り速度が600〜2000m/分である、前記(4)または(5)に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(7)前記凝固糸の引き取り速度が50〜200m/分である、前記(4)〜(6)のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(8)沈み込む前の凝固浴液面と紡糸口金との距離を5〜10mmに設定し、紡糸によって凝固浴液面が沈み込む深さを5〜20mmに制御する、前記(4)〜(7)のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(9)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維、または、前記(4)〜(8)のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の温度の空気中において耐炎化する耐炎化工程と、耐炎化工程で得られた繊維を、300〜800℃の温度の不活性雰囲気中において予備炭化する予備炭化工程と、予備炭化工程で得られた繊維を1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において炭化する炭化工程を順次経て炭素繊維を得る炭素繊維の製造方法。
(1)繊維を構成するポリアクリロニトリル系重合体のZ平均分子量Mz(F)が60万〜200万であり、多分散度Mz(F)/Mw(F)(Mw(F)は、繊維を構成するポリアクリロニトリル系重合体の重量平均分子量を表す)が2〜5であり、原子間力顕微鏡で3μmの範囲で測定した自乗平均面粗さRmsが15〜40nmであり、単繊維繊度が0.3〜1.5dtexであり、単繊維断面直径の変動係数が0〜5%である炭素繊維前駆体繊維。
(2)RAMAN分光法により求められ、明細書で規定するR値が2.7〜3.0であり、単繊維強度が6〜9cN/dtexであり、原糸結晶配向度が91〜94%である、前記(1)に記載の炭素繊維前駆体繊維。
(3) 真円度が0.85〜1である、前記(1)または(2)に記載の炭素繊維前駆体繊維。
(4) 短径が75〜200mm、孔数3000〜30000個である紡糸口金を用い、凝固浴液の紡糸条件での凝固温度における粘度が7〜15mPa・sの条件で凝固浴液中を凝固糸が35〜200m/分の速度で走行するように乾湿式紡糸する炭素繊維前駆体繊維の製造方法であって、Z平均分子量(Mz(P))が80万〜600万で、多分散度(Mz(P)/Mw(P))(Mw(P)は、重量平均分子量を表す)が2.7〜10であるポリアクリロニトリル系重合体を含有する紡糸溶液を用い、紡糸ドラフトを5〜50とし、紡糸口金の最外孔からの吐出した紡糸溶液の紡糸口金面鉛直方向との角度を5〜15°とすることを特徴とする炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(5)前記紡糸溶液を凝固価が23〜40gである凝固浴条件の凝固浴中に吐出する、前記(4)に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(6) 前記凝固糸の引き取りローラーからの合計延伸倍率が10〜20倍、前駆体繊維束の巻き取り速度が600〜2000m/分である、前記(4)または(5)に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(7)前記凝固糸の引き取り速度が50〜200m/分である、前記(4)〜(6)のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(8)沈み込む前の凝固浴液面と紡糸口金との距離を5〜10mmに設定し、紡糸によって凝固浴液面が沈み込む深さを5〜20mmに制御する、前記(4)〜(7)のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
(9)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維、または、前記(4)〜(8)のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の温度の空気中において耐炎化する耐炎化工程と、耐炎化工程で得られた繊維を、300〜800℃の温度の不活性雰囲気中において予備炭化する予備炭化工程と、予備炭化工程で得られた繊維を1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において炭化する炭化工程を順次経て炭素繊維を得る炭素繊維の製造方法。
Claims (9)
- 繊維を構成するポリアクリロニトリル系重合体のZ平均分子量Mz(F)が60万〜200万であり、多分散度Mz(F)/Mw(F)(Mw(F)は、繊維を構成するポリアクリロニトリル系重合体の重量平均分子量を表す)が2〜5であり、原子間力顕微鏡で3μmの範囲で測定した自乗平均面粗さRmsが15〜40nmであり、単繊維繊度が0.3〜1.5dtexであり、単繊維断面直径の変動係数が0〜5%である炭素繊維前駆体繊維。
- RAMAN分光法により求められ、明細書で規定するR値が2.7〜3.0であり、単繊維強度が6〜9cN/dtexであり、原糸結晶配向度が91〜94%である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維。
- 真円度が0.85〜1である、請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体繊維。
- 短径が75〜200mm、孔数3000〜30000個である紡糸口金を用い、凝固浴液の紡糸条件での凝固温度における粘度が7〜15mPa・sの条件で凝固浴液中を凝固糸が35〜200m/分の速度で走行するように乾湿式紡糸する炭素繊維前駆体繊維の製造方法であって、Z平均分子量(Mz(P))が80万〜600万で、多分散度(Mz(P)/Mw(P))(Mw(P)は、重量平均分子量を表す)が2.7〜10であるポリアクリロニトリル系重合体を含有する紡糸溶液を用い、紡糸ドラフトを5〜50とし、紡糸口金の最外孔からの吐出した紡糸溶液の紡糸口金面鉛直方向との角度を5〜15°とすることを特徴とする炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 前記紡糸溶液を凝固価が23〜40gである凝固浴条件の凝固浴中に吐出する、請求項4に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 前記凝固糸の引き取りローラーからの合計延伸倍率が10〜20倍、前駆体繊維束の巻き取り速度が600〜2000m/分である、請求項4または5に記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 前記凝固糸の引き取り速度が50〜200m/分である、請求項4〜6のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 沈み込む前の凝固浴液面と紡糸口金との距離を5〜10mmに設定し、紡糸によって凝固浴液面が沈み込む深さを5〜20mmに制御する、請求項4〜7のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維、または、請求項4〜8のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の温度の空気中において耐炎化する耐炎化工程と、耐炎化工程で得られた繊維を、300〜800℃の温度の不活性雰囲気中において予備炭化する予備炭化工程と、予備炭化工程で得られた繊維を1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において炭化する炭化工程を順次経て炭素繊維を得る炭素繊維の製造方法。
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