JP2010254858A - ゴム組成物及びそれを用いた冬用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエット操縦安定性能及びドライ操縦安定性能を低下させることなく、氷上性能を向上し得るゴム組成物及びそれをトレッドに用いた冬用タイヤを提供する。
【解決手段】求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ高分子量共役ジエン系重合体(A−1)の該活性末端に、下記一般式(1)
Figure 2010254858

で表されるシラン化合物及び/又はその部分縮合物からなる変性剤(B)を反応させて得られた、変性前の重量平均分子量が15×104を超え200×104以下である高分子量変性共役ジエン系重合体(C)を含むゴムマトリックス100質量部に対して、変性前の低分子量共役ジエン系重合体(A−2)の重量平均分子量が2×103〜15×104である低分子量変性共役ジエン系重合体(D)5〜50質量部及び補強性充填材(E)20〜200質量部を配合してなるゴム組成物であって、加硫後のゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、冬用タイヤの湿潤路面での操縦安定性能及び乾燥路面での操縦安定性能を低下することなく、氷上性能を向上し得るゴム組成物及びそれをトレッドに用いた冬用タイヤに関する。
従来の冬用タイヤは、氷上性能を向上させるためにガラス転移点(Tg)を下げ、低温(ここで、低温とは、氷上走行時の温度であり、−20〜0℃程度である)での弾性率を低く設定したものが多い。しかしながら、一般に低温での弾性率を下げると高温での弾性率も低下する傾向があるため、従来の冬用タイヤは、乾燥路面での操縦安定性能(以下、「ドライ操縦安定性能」という)が低く、湿潤路面での操縦安定性能(以下、「ウエット操縦安定性能」という)も十分とは言えなかった。
これに対し、特許文献1では、ゴムマトリックスに発泡剤を配合してなり、加硫後の気泡率と、0℃及び60℃での動的弾性率とが特定に範囲にあるゴム組成物をタイヤのトレッドゴムに用い、且つそのゴム組成物のゴムマトリックスとして変性共役ジエン系重合体を用いた冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)が提案されている。この提案では、特定の変性共役ジエン系重合体を用いて、一定程度の氷上性能を達成し得た。
また、シリカやカーボンブラックを充填材とするゴム組成物用の変性ゴムの技術開発が多くなされてきた。その中でも特に、有機リチウムを用いたアニオン重合で得られる共役ジエン系重合体の重合活性末端を充填材と相互作用する官能基を含有するアルコキシシラン誘導体で変性する方法が有効なものとして提案されている(例えば、特許文献2、3及び4参照)。
しかしながら、さらに氷上性能、ドライ操縦安定性能及びウェット操縦安定性能が高度にバランスのとれた優れた冬用タイヤが要求されている。
特開2004−238619 特開2001−158837号公報 特開2005−232364号公報 特開2005−290355号公報
本発明は、このような状況下で、冬用タイヤのウエット操縦安定性能及びドライ操縦安定性能を低下させることなく、氷上性能を向上し得るゴム組成物及びそれをトレッドに用いた冬用タイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、冬用タイヤのトレッドに用いるゴム組成物にケイ素原子に直接結合するヒドロカルビルオキシ基を2つ有し、かつ同一分子内に特定の官能基を有する二官能ヒドロカルビルオキシシラン誘導体を用いた高分子量変性共役ジエン系重合体及び特定の官能基を有する低分子量変性共役ジエン系重合体をそれぞれ特定量配合することにより上記課題を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] 求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ高分子量共役ジエン系重合体(A−1)の該活性末端に、下記一般式(1)
Figure 2010254858
[式中、A1は炭素数2以上のヒドロカルビルオキシ基、A2は加水分解性官能基、R1は炭化水素基、R2は二価の炭化水素基を示し、Xは飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を示す。A1及びA2は同一でも異なっていてもよい。]で表されるシラン化合物及び/又はその部分縮合物からなる変性剤(B)を反応させて得られた、変性前の重量平均分子量が15×104を超え200×104以下である高分子量変性共役ジエン系重合体(C)を含むゴムマトリックス100質量部に対して、変性前の低分子量共役ジエン系重合体(A−2)の重量平均分子量が2×103〜15×104である低分子量変性共役ジエン系重合体(D)5〜50質量部及び補強性充填材(E)20〜200質量部を配合してなるゴム組成物であって、加硫後のゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%有することを特徴とするゴム組成物、
[2] 一般式(1)で表される変性剤において、A1は炭素数2〜18のヒドロカルビルオキシ基、A2は炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基又はハロゲン原子、R1は炭素数1〜18の炭化水素基、R2は炭素数1〜20の二価の炭化水素基である上記[1]のゴム組成物、
[3] 一般式(1)で表される変性剤において、A2が炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基である上記[1]又は[2]のゴム組成物、
[4] 一般式(1)におけるR2が、炭素数2〜10のアルカンジイル基である、上記[2]又は[3]のゴム組成物、
[5] 一般式(1)におけるA1がエトキシ基である、上記[2]〜[4]いずれかのゴム組成物、
[6] 一般式(1)におけるR1がメチル基である、上記[2]〜[5]いずれかのゴム組成物、
[7] 一般式(1)において、Xにおける不飽和環状3級アミン化合物残基が、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基、オキサゾール残基又はピリジル基である上記[2]〜[6]いずれかのゴム組成物、
[8] 一般式(1)におけるXが、ケチミン残基、飽和環状3級アミン化合物残基、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基、ピリジル基、ニトリル基、イソシアネート基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも1種の含窒素官能基を有する一価の基である、上記[7]のゴム組成物、
[9] 含窒素官能基が、飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも1種である、上記[7]のゴム組成物、
[10] 求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ高分子量共役ジエン系重合体(A−1)及び低分子量共役ジエン系重合体(A−2)が、C−Li又はN−Liを含む有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させて得られたものである上記[1]〜[9]いずれかのゴム組成物、
[11] 共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンの中から選ばれる少なくとも1種である上記[10]のゴム組成物、
[12] 芳香族ビニル化合物がスチレンである上記[10]又は[11]のゴム組成物、
[13] 前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)の結合芳香族ビニル含有量(X)(%)及び共役ジエン部分のビニル結合含有量(Y)(%)が、X+(Y/2)<25を満たす上記[1]のゴム組成物、
[14]
前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)が、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を含有する上記[1]又は[13]のゴム組成物、
[15] 前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)が、低分子量変性ポリブタジエン及び/又は低分子量変性ポリイソプレンである上記[1]又は[13],[14]いずれかのゴム組成物、
[16] 前記補強性充填材(E)が、カーボンブラック及び/又はシリカである上記[1]〜[15]いずれかのゴム組成物、
[17] 前記ゴムマトリックスが高分子量変性共役ジエン系重合体(C)10〜100質量%とジエン系ゴム90〜0質量%とからなる上記[1]〜[16]いずれかのゴム組成物、
[18] 前記ジエン系ゴムが、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びハロゲン化メチル基を持つスチレンとイソブチレンの共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である上記[17]のゴム組成物、
[19] 更に、ゴムマトリックス100質量部に対して、平均長径5〜1000μmの微粒子(F)3〜30質量部を含む上記[1]〜[18]いずれかのゴム組成物、及び
[20] 上記[1]〜[19]いずれかのゴム組成物をトレッドに用いてなる冬用タイヤであって、該トレッドがゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%を有する冬用タイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、冬用タイヤのウエット操縦安定性能及びドライ操縦安定性能を低下させることなく、氷上性能を向上し得るゴム組成物及びそれをトレッドに用いた冬用タイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ高分子量共役ジエン系重合体(A−1)の該活性末端に、下記一般式(1)
Figure 2010254858
[式中、A1は炭素数2以上のヒドロカルビルオキシ基、A2は加水分解性官能基、R1は炭化水素基、R2は二価の炭化水素基を示し、Xは飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を示す。A1及びA2は同一でも異なっていてもよい。]で表されるシラン化合物及び/又はその部分縮合物からなる変性剤(B)を反応させて得られた、変性前の重量平均分子量が15×104を超え200×104以下である高分子量変性共役ジエン系重合体(C)を含むゴムマトリックス100質量部に対して、変性前の低分子量共役ジエン系重合体(A−2)の重量平均分子量が2×103〜15×104である低分子量変性共役ジエン系重合体(D)5〜50質量部及び補強性充填材(E)20〜200質量部を配合してなるゴム組成物であって、加硫後のゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%有することを要する。
尚、(A−1)とは変性前の高分子量共役ジエン系重合体を、(A−2)とは変性前の低分子量共役ジエン系重合体を示す。
高分子量変性共役ジエン系重合体(C)の変性前の(A−1)の重量平均分子量を15×104を超え200×104以下と限定することによって、耐摩耗性及び耐破壊特性の低下を抑制し、ゴム組成物の優れた工場作業性を確保することができる。これらの観点から高分子量変性共役ジエン系重合体の(A−1)の重量平均分子量は20×104〜150×104であることが好ましく、20×104〜120×104であることがよりに好ましい。
また、低分子量変性共役ジエン系重合体(D)の(A−2)の重量平均分子量を2×103〜15×104と限定することによって高温での動的せん断貯蔵弾性率G' の低下及び動的損失正接tanδの上昇を抑えると共に優れた工場作業性を確保することができる。これらの観点から低分子量変性共役ジエン系重合体(D)の(A−2)の重量平均分子量は5×103〜12×104であることが好ましい。
そして、低分子量変性共役ジエン系重合体の配合量を5〜50質量部の範囲に限定することによって、タイヤの氷上性能及びウェット性能を改良し、耐摩耗性及び耐破壊特性を維持することができる。これらの観点から低分子量変性共役ジエン系重合体の配合量は5〜40質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることが更に好ましい。
更に、本発明のゴム組成物は、加硫後のゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%有することを必要とするが、この気泡率については、後述する。
まず、本発明のゴム組成物に用いられる高分子量変性共役ジエン系重合体(C)について説明する。
[高分子量変性共役ジエン系重合体(C)]
本発明のゴム組成物に用いられる高分子量変性共役ジエン系重合体(C)は、求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ重量平均分子量が15×104を超え200×104以下である高分子量共役ジエン系重合体(A−1)の該活性末端に、変性剤(B)として、前記一般式(1)で表されるシラン化合物及び/又はその部分縮合物を反応させて変性反応を行うことで得ることができる。
(活性末端を有する高分子量共役ジエン系重合体(A−1))
本発明において用いられる求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ高分子量共役ジエン系重合体は、ジエン系モノマーを単独で、又は他のモノマーと共重合して得られるものであり、その製造方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
また、共役ジエン系重合体の分子中に存在する活性部位の金属はアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる1種であることが好ましく、アルカリ金属が好ましく、特にリチウム金属が好ましい。
上記溶液重合法においては、例えば有機アルカリ金属化合物、特にリチウム化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させることにより、目的の重合体を製造することができる。
さらには、ハロゲン含有モノマーを混在させ、ポリマー中のハロゲン原子を有機金属化合物によって活性化することも有効である。例えば、イソブチレン単位、パラメチルスチレン単位及びパラブロモメチルスチレン単位を含む共重合体の臭素部分をリチオ化して活性部位とすることも有効である。
上記共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
さらに、単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さなどの実用性面、及びアニオン重合特性がリビング性などの点で優れることなどから、特に好適である。
また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は0〜55質量%の範囲が好ましい。
重合開始剤のリチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応性生物などが挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドなどが挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加など、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエンースチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイサーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタンなどのエーテル類及び三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−tert−アミレート、カリウム−tert−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−tert−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、重合開始剤、溶媒、単量体など、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物などの反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。
得られる共役ジエン系重合体の示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は−95℃〜−15℃であることが好ましい。ガラス転移温度を上記範囲にすることによって、粘度が高くなるのを抑え、取り扱いが容易な共役ジエン系重合体を得ることができる。
(変性剤)
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、前記のようにして得られた求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ共役ジエン系重合体の該活性末端に、変性剤として、一般式(1)
Figure 2010254858
で表されるシラン化合物及び/又はその部分縮合物を反応させる。
前記一般式(1)において、A1は炭素数2以上のヒドロカルビルオキシ基、A2は加水分解性官能基、R1は炭化水素基、R2は二価の炭化水素基を示し、Xは、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を示す。A1及びA2は同一でも異なっていてもよい。
具体的には、A1としては炭素数2〜18のヒドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビロキシ基ともいう。)、R1としては、炭素数1〜18の炭化水素基、R2としては、炭素数1〜20の二価の炭化水素基が挙げられる。
前記A1で表される炭素数2〜18のヒドロカルビルオキシ基としては、炭素数2〜18のアルコキシ基若しくはアルケニロキシ基、炭素数6〜18のアリーロキシ基、炭素数7〜18のアラルキロキシ基等が挙げられるが、これらの中で、良好な反応性を有する観点から、炭素数2〜10のアルコキシ基が好ましい。このアルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよい。このようなアルコキシ基としては、例えばエトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、各種ペントキシ基、各種ヘキソキシ基、各種ヘプトキシ基、各種オクトキシ基、各種デシロキシ基、シクロペチロキシ基、シクロヘキシロキシ基などを挙げることができ、これらの中で、反応性の観点から、炭素数2〜6のアルコキシ基が好ましく、特にエトキシ基が好ましい。
このA1がメトキシ基である場合、変性部位同士の縮合が生じやすく、その結果、導入された変性基が、充填材に対する相互作用を充分に発揮できず、本発明の目的が達せられにくい。
2は、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基又はハロゲン原子などが挙げられるが、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基が好ましい。
なお、A1及びA2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。
前記R1で表される炭素数1〜18の炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基などが挙げられるが、これらの中で、変性剤の反応性や性能の観点から、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。このアルキル基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらの中で、変性剤の反応性や性能の観点から、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
2で表される炭素数1〜20の二価の炭化水素基としては、変性剤の性能の観点から、炭素数1〜20のアルカンジイル基が好ましく、炭素数2〜10のアルカンジイル基がより好ましく、炭素数2〜6のアルカンジイル基がさらに好ましい。
炭素数2〜6のアルカンジイル基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、例えばエチレン基、1,3−プロパンジイル基、1,2−プロパンジイル基、各種ブタンジイル基、各種ペンタンジイル基、各種ヘキサンジイル基などを挙げることができるが、これらの中で直鎖状のもの、例えばエチレン基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基などが挙げられ、特に1,3−プロパンジイル基が好ましい。
前記Xのうちの飽和環状3級アミン化合物残基としては、例えばヘキサメチレンイミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ヘプタメチレンイミノ基、ドデカメチレンイミノ基などを挙げることができ、不飽和環状3級アミン化合物残基としては、例えばイミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基、オキサゾール残基、ピリジル基などを挙げることができる。
前記Xとしては、性能の観点から、ケチミン残基、飽和環状3級アミン化合物残基、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基、ピリジル基、ニトリル基、イソシアネート基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも1種の含窒素官能基を有する一価の基であることが好ましく、飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも1種を有する一価の基であることが、より好ましい。
前記Xで表される一価の基における官能基の中で、脱保護可能な保護された2級アミノ基としては、N−(トリメチルシリル)アミノ基などを挙げることができる。(チオ)イソシアネート基は、−NCO基、−NCS基である。
(チオ)エポキシ基を含む一価の基としては、例えばグリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、及びこれらの基におけるエポキシ環をチオエポキシ環に置き換えたものなどが挙げられる。
本発明で用いる変性剤は、前記したように二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物である。ここで、部分縮合物とは、ヒドロカルビルオキシシラン化合物のSiOR基の一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
また、本発明で用いる変性剤が、ケイ素原子に直接結合したヒドロカルビルオキシ基が1つである一官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物である場合、変性反応によってヒドロカルビルオキシ基が消費され、シリカなどの無機充填材に相互作用する変性基が導入されないため、本発明の目的が達せられない。
一方、ケイ素原子に直接結合するヒドロカルビルオキシ基が3つある三官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物である場合、変性剤1分子に複数の活性末端を有する共役ジエン系重合体が反応することにより、ジエン系重合体1分子当たりの高効率な変性末端の導入が達成できない。
本発明における変性反応においては、用いる活性末端を有する共役ジエン系重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
前記一般式(1)で表される二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えばXがケチミン残基を有する場合、具体例として、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン、N−[1−メチルプロピリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン及びこれらのジエトキシ(メチル)シリル化合物に対応するジエトキシ(エチル)シリル化合物,ジプロポキシ(メチル)シリル化合物,ジプロポキシ(エチル)シリル化合物等を挙げることができるが、これらの中でも、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルブチリデン)−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミンが好適である。
前記一般式(1)で表される二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えばXがイミダゾール残基又はジヒドロイミダゾール残基を有する場合、具体例として、1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾール、1−[3−[ジエトキシ(エチル)シリル]プロピル]−イミダゾール、1−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾール、1−[3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]プロピル]−イミダゾール、1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−[3−[ジエトキシ(エチル)シリル]プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−[3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾールなどを挙げることができるが、これらの中で1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾール、1−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾール、1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール及び1−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾールが好適である。
前記一般式(1)で表される二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えばXがピリジル基、又はニトリル基を有する場合、具体例として、2−[2−[ジエトキシ(メチル)シリル]エチル]−ピリジン、2−[2−[ジプロポキシ(メチル)シリル]エチル]−ピリジン、2−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、2−[3−[ジエトキシ(エチル)シリル]プロピル]−ピリジン、2−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、2−[3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]プロピル]−ピリジン、4−[2−[ジエトキシ(メチル)シリル]エチル]−ピリジン、4−[2−[ジプロポキシ(メチル)シリル]エチル]−ピリジン、4−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、4−[3−[ジエトキシ(エチル)シリル]プロピル]−ピリジン、4−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、4−[3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]プロピル]−ピリジンなどのピリジン化合物、1−シアノ−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−シアノ−3−[ジエトキシ(エチル)シリル]−プロパン、1−シアノ−3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−シアノ−3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]−プロパンなどのシアノ化合物を挙げることができる。これらの中で、2−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、2−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、4−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、4−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−ピリジン、1−シアノ−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン及び1−シアノ−3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパンが好適である。
前記一般式(1)で表される二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えばXが(チオ)イソシアナート基又はオキサゾール残基を有する場合、具体例として、1−イソシアナート3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−イソシアナート3−[ジエトキシ(エチル)シリル]−プロパン、1−イソシアナート3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−イソシアナート3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]−プロパンなどのイソシアナート化合物、上記イソシアナート化合物におけるイソシアナートをチオイソシアナートに置き換えたチオイソシアナート化合物、4−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−オキサゾール、4−[3−[ジエトキシ(エチル)シリル]プロピル]−オキサゾール、4−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−オキサゾール、4−[3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]プロピル]−オキサゾールなどのオキサゾール化合物などを挙げることができる。これらの中で、1−イソシアナート3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−イソシアナート3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパン、4−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−オキサゾール及び4−[3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]プロピル]−オキサゾールが好適である。
なお、本発明においては、オキサゾール残基はイソオキサゾール残基をも包含する。
前記一般式(1)で表される二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えばXが(チオ)エポキシ基を有する場合、具体例として、1−グリシドキシ−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−グリシドキシ−3−[ジエトキシ(エチル)シリル]−プロパン、1−グリシドキシ−3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−グリシドキシ−3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]−プロパン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−[ジエトキシ(エチル)シリル]−プロパン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−[ジプロポキシ(エチル)シリル]−プロパンなどのエポキシ化合物、及び上記エポキシ化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたチオエポキシ化合物などを挙げることができる。これらの中で、1−グリシドキシ−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−グリシドキシ−3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−プロパン及び1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−[ジプロポキシ(メチル)シリル]−プロパンが好適である。
本発明において、求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ共役ジエン系重合体の該活性末端に反応させる、前記一般式(1)で表される二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物からなる変性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この変性剤による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、変性剤の使用量は、共役ジエン系重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲が更に好ましい。
(縮合促進剤)
本発明においては、前述の変性剤として用いる二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物が関与する縮合反応を促進するために、変性反応を行ったのち、必要に応じて縮合促進剤の存在下で縮合反応を行ってもよい。
この縮合促進剤としては、周期表の4族、13族、14族及び15族の少なくとも一つに属する元素の化合物が用いられる。
当該縮合促進剤としては、チタンの化合物、スズの化合物、ジルコニウムの化合物、ビスマスの化合物及びアルミニウムの化合物の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられ、より好ましくは、上記各元素のアルコキシド、カルボン酸塩及びアセチルアセトナート錯塩であり、さらに好ましくは、チタンのアルコキシド、チタンのカルボン酸塩、スズのカルボン酸塩、ビスマスのカルボン酸塩、ジルコニウムのアルコキシド、ジルコニウムのカルボン酸塩、アルミニウムのアルコキシド及びアルミニウムのカルボン酸塩である。
チタン化合物からなる縮合促進剤としては、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)などが挙げられる。中でも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
スズ化合物からなる縮合促進剤としては、例えば二価のスズのカルボン酸塩や、四価のジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩を好ましく挙げることができ、特にビス(2−エチルヘキサン酸)スズが好適である。
ビスマス化合物からなる縮合促進剤としては、例えば、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマスなどが挙げられる。これらの中で、トリス(2−エチルヘキサノエート)が好適である。
ジルコニウム化合物からなる縮合促進剤としては、例えばテトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキソキシ)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウムなどが挙げられる。これらの中で、テトラn−プロポキシジルコニウム、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)が好適である。
アルミニウム化合物からなる縮合促進剤としては、例えばトリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキソキシ)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウムなどを挙げられる。
これらの中でトリイソプロポキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)が好適である。
当該縮合促進剤の使用量としては、上記化合物のモル数が、反応系内に存在するケイ素原子に結合したヒドロカルビロキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10となることが好ましく、0.5〜5が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
本発明における縮合反応は、水の存在下で行うことが好ましく、縮合反応時の温度は85〜180℃が好ましく、さらに好ましくは100〜170℃、特に好ましくは110〜150℃である。
縮合反応時の温度を上記範囲にすることによって、縮合反応を効率よく進行完結することができ、得られる変性共役ジエン系重合体の経時変化によるポリマーの老化反応などによる品質の低下などを抑えることができる。
縮合反応時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは15分〜5時間程度である。縮合反応時間を上記範囲にすることによって縮合反応を円滑に完結することができる。
縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜10MPaである。
縮合反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器などの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
なお、変性剤として、保護された2級アミノ基を有する二官能ヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いた場合には、該保護アミノ基におけるシリル保護基を加水分解することによって遊離したイミノ基に変換することができる。これを脱溶媒処理することにより、2級アミノ基を有する乾燥したポリマーが得られる。なお、前記縮合処理を含む段階から、脱溶媒して乾燥ポリマーまでのいずれかの段階において必要に応じて変性剤由来の保護2級アミノ基の脱保護処理を行うことができる。
本発明のゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は、10℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。Tgが10℃以下であれば、転がり抵抗をより低減でき、低温時のゴム組成物の柔軟性を高めることができるからである。
本発明の変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜100である。ムーニー粘度の値を上記範囲にすることによって、混練り作業性および加硫後の機械的特性のすぐれたゴム組成物を得ることができる。
(その他のゴムマトリックス成分)
本発明のゴム組成物のゴムマトリックスは、高分子量変性共役ジエン系重合体(C)10〜100質量%とジエン系ゴム90〜0質量%とからなることが好ましく、高分子量変性共役ジエン系重合体(C)10〜90質量%とジエン系ゴム90〜10質量%とからなることが更に好ましい。ここで、ジエン系ゴムとしては、本発明にかかる変性共役ジエン系重合体以外の、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。これらのジエン系ゴムの内、天然ゴムが好ましい。ゴムマトリックス中、変性共役ジエン系重合体を10質量%以上とすることにより、氷上性能と低転がり抵抗の効果を奏することができる。
次に、本発明のゴム組成物に用いられる低分子量変性共役ジエン系重合体(D)について説明する。
[低分子量変性共役ジエン系重合体(D)]
本発明のゴム組成物に用いられる高分子量変性共役ジエン系重合体(D)は、求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ重量平均分子量が2×103〜15×104である低分子量共役ジエン系重合体(A−2)の該活性末端に、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を含有する変性剤を反応させて変性反応を行うことで得ることができる。
(活性末端を有する低分子量共役ジエン系重合体(A−2))
活性末端を有する低分子量共役ジエン系重合体(A−2)については、上述の活性末端を有する高分子量共役ジエン系重合体(A−1)を調製した同様な方法を用いて重合体の重量平均分子量を2×103〜15×104にすることによって得ることができる。
(低分子量共役ジエン系重合体に用いられる変性剤)
上記低分子量共役ジエン系重合体の変性に用いられる変性剤として、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を含有することが好ましい。
これらの官能基は、補強性充填材との反応性に富み、ゴム組成物の補強性を向上する。特に、スズ含有官能基はカーボンブラックとの反応性に富むので好ましく、ケイ素含有官能基はシリカとの反応性に富むので好ましく、窒素含有官能基はカーボンブラック及びシリカの双方との反応性に富むので好ましい。
スズ含有官能基としては、ハロゲン化スズ化合物残基が挙げられ、例えば、トリフェニルスズクロリド、トリブチルスズクロリド、トリイソプロピルスズクロリド、トリヘキシルスズクロリド、トリオクチルスズクロリド、ジフェニルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジヘキシルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、フェニルスズトリクロリド、ブチルスズトリクロリド、オクチルスズトリクロリド及び四塩化スズからなる群から選択される塩化スズ化合物から塩素原子が1つ以上離脱して生成する残基が好ましい。
また、ケイ素含有官能基としては、下記一般式(2)で表わされるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物の−OR5が1つ以上離脱して形成される残基が挙げられる。
Figure 2010254858
式中、Aは、イソシアネート基、チオイソシアネート基、イミン残基、アミド基、第一アミノ基、第一アミンのオニウム塩残基,環状第二アミノ基、環状第二アミンのオニウム塩残基、非環状第二アミノ基及び非環状第二アミンのオニウム塩残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、環状第三アミノ基、非環状第三アミノ基、ニトリル基、ピリジン残基、環状第三アミンのオニウム塩残基、非環状第三アミンのオニウム塩残基、エポキシ基,チオエポキシ基、ケトン基,チオケトン基、アルデヒド基,チオアルデヒド基、カルボン酸エステル残基、チオカルボン酸エステル残基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基、スルフィド基,マルチスルフィド基、ヒドロキシ基、チオール基、アリル又はベンジルSn結合を有する基、スルフォニル基及びスルフィニル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基、R3は単結合又は二価の不活性炭化水素基、R4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは0〜2の整数であり、OR5が複数ある場合、複数のOR5は同一でも異なっていてもよい。上記の内、第一アミノ基は変性反応終了後までアルキルシリル基(例えば、メチルシリル基やエチルシリル基)等により保護されていることが好ましい。
式中、A3は、イソシアネート基、チオイソシアネート基、イミン残基、アミド基、第一アミノ基、第一アミンのオニウム塩残基,環状第二アミノ基、環状第二アミンのオニウム塩残基、非環状第二アミノ基及び非環状第二アミンのオニウム塩残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、環状第三アミノ基、非環状第三アミノ基、ニトリル基、ピリジン残基、環状第三アミンのオニウム塩残基、非環状第三アミンのオニウム塩残基、エポキシ基,チオエポキシ基、ケトン基,チオケトン基、アルデヒド基,チオアルデヒド基、カルボン酸エステル残基、チオカルボン酸エステル残基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基、スルフィド基,マルチスルフィド基、ヒドロキシ基、チオール基、アリル又はベンジルSn結合を有する基、スルフォニル基及びスルフィニル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基、R1は単結合又は二価の不活性炭化水素基、R4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、mは0〜2の整数であり、OR5が複数ある場合、複数のOR5は同一でも異なっていてもよい。上記の内、第一アミノ基は変性反応終了後までアルキルシリル基(例えば、メチルシリル基やエチルシリル基)等により保護されていることが好ましい。
3のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基を好ましく挙げることができる。このアルキレン基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられる。
4及びR5としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基などを挙げることができる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。さらに該アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
また、窒素含有官能基としては、上記一般式(2)で表わされるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物の−OR5が1つ以上離脱して形成される残基の内、A3がイソシアネート基、チオイソシアネート基、イミン残基、アミド基、第一アミノ基、第一アミンのオニウム塩残基,環状第二アミノ基、環状第二アミンのオニウム塩残基、非環状第二アミノ基及び非環状第二アミンのオニウム塩残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、環状第三アミノ基、非環状第三アミノ基、ニトリル基、ピリジン残基、環状第三アミンのオニウム塩残基、非環状第三アミンのオニウム塩残基である窒素含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物残基が挙げられる。
上記一般式(2)で表わされる窒素含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物の内、イミン残基含有ヒドロカルビルオキシシアン化合物として、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン,N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物などを好ましく挙げることができるが、これらの中で特に、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンが好適である。
また、他のイミン残基(アミジン基)含有化合物としては、1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−〔10−(トリエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリンなどが挙げることができるが、これらの中で、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール及び1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾールを好ましく挙げることができる。また、N-(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−イソプロポキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールなどが挙げられ、内、好ましいのはN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールである。
また、上記一般式(2)で表わされる窒素含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物の内、イソシアネート基含有化合物としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらに中でも、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記一般式(2)で表わされる窒素含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物の内、環状第三アミノ基含有化合物としては、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシランを好ましく挙げることができる。特に3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン及び(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シランが好適である。さらに、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、4−エチルピリジンなどを挙げることができる。
上記一般式(2)で表わされる窒素含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物の内、非環状第三アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランなどが挙げることができるが、これらの中で、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン及び3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランが好適である。
更に、上記一般式(1)で表わされる窒素含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物の例として、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−シアノエチルトリエトキシシラン等も挙げられる。
また、窒素含有官能基としては、上記一般式(2)で表わされるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物の−OR5が1つ以上離脱して形成される残基の内、下記一般式(3)で表わされる一価の官能基又は下記一般式(4)で表わされる二価の官能基が特に好ましい。一般式(3)又は一般式(4)の第一アミノ基がカーボンブラック及びシリカの双方の補強性を特に向上する。
Figure 2010254858
式中、R6及びR7は夫々独立に−OR、−OH又は炭素数1〜20のアルキル基であり、R8は炭素数1〜20のアルキル基であり、Rは硫黄原子、酸素原子、窒素原子及び/又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜20のヒドロカルビル基である。
Figure 2010254858
ここで、R9及びR10は夫々独立に−OR、−OH又は炭素数1〜20のアルキル基であり、R8及びR10は夫々独立に炭素数1〜20のアルキル基であり、Rは硫黄原子、酸素原子、窒素原子及び/又はハロゲン原子を有していても良い炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、MはSi、Ti、Sn、Bi又はZrであり、R13は−OH、炭素数1〜30のヒドロカルビル基、炭素数2〜30のヒドロカルビルカルボキシル基、炭素数5〜20の1,3−ジカルボニル含有基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、並びに炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で三置換されたシロキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数のR13は同一でも異なっていても良く、kは{(Mの価数)−2}であり、nは0又は1の整数である]
上記一般式(3)及び(4)のR6、R8、R8及びR11の−ORとしては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、アリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられ、これらの官能基は、硫黄原子、酸素原子、窒素原子及び/又はハロゲン原子を有していても良い。硫黄原子は、例えば、−SH、−SX−(Xは1〜5の整数である)、エピチオ基としてR中に含まれていても良い。酸素原子は、−OH、−O−、エポキシ基、アシル基、カルボキシル基としてR中に含まれていても良い。窒素原子は、アミノ基(第一アミノ基、第二アミノ基、又は非環状もしくは環状第三アミノ基)、イミノ基、アミジン基、イソシアネート基、N−ヒドロキシ基、N−オキシド基、ニトリル基、イミン残基としてR中に含まれていても良い。
また、R6、R8、R9及びR11の炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
なお、R中に含まれていても良いハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、沃素のいずれであっても良いが、塩素又は臭素が好ましい。
前記のR7、R10及びR12の炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基等が挙げられる。
なお、通常、R9とR11は同一であり、R10とR12は同一である。上記一般式(4)で表わされる二価の官能基は、通常同一である上記一般式(3)で表わされる一価の官能基を有する二つのポリマー鎖が縮合されて生成するからである。
上記の一般式(3)又は(4)の第一アミノ基は、上記一般式(2)の場合と同様に、変性反応終了後までアルキルシリル基(例えば、メチルシリル基やエチルシリル基)等により保護されていることが好ましい。
前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)が含有するスズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基の内、上記一般式(3)で表わされる一価の官能基又は上記一般式(4)で表わされる二価の官能基以外の官能基であっても良い。
本発明のゴム組成物において、前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)は、変性ポリブタジエン及び/又は変性ポリイソプレンであることが好ましく、変性ポリブタジエンが特に好ましい。そして、前記高分子量変性共役ジエン系重合体は、変性ポリブタジエンゴム及び/又は変性ポリイソプレンゴムであることが好ましく、変性ポリブタジエンゴムが特に好ましい。低分子量変性共役ジエン系重合体及び高分子量変性共役ジエン系重合体のガラス転移点(Tg)を低くして、氷上性能を向上するためである。
本発明のゴム組成物は、前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)の結合芳香族ビニル含有量(X)(%)及び共役ジエンのビニル結合含有量(Y)(%)が、X+(Y/2)<25を満たすことが好ましい。{X+(Y/2)}が25未満であれば、氷上性能が改良される。
[補強性充填材]
次に、補強性充填材について説明をする。
本発明のゴム組成物は、ゴムマトリックス100質量部に対して、補強性充填材20〜200質量部、好ましくは20〜120質量部、更に好ましくは30〜100質量部を含むものである。補強性充填材が20質量部未満であると、高分子量変性共役ジエン系重合体と補強性充填材との相互作用を享受することができず、補強性充填材が200質量部を超えると冬用タイヤの転がり抵抗が著しく大きくなる。
本発明においては、補強性充填材はカーボンブラック及び/又はシリカであることが好ましい。
前記一般式(1)で表わされる変性剤(B)によって変性された高分子量変性共役ジエン系重合体(C)は、カーボンブラックとシリカの双方と好適に反応するので、ゴムマトリックスを前記高分子量変性共役ジエン系重合体(C)と天然ゴムとの併用としたとき、天然ゴム中に多く存在し勝ちなシリカと前記高分子量変性共役ジエン系重合体(C)との反応により、前記高分子量変性共役ジエン系重合体(C)中にシリカがより多く分配され、トレッドゴム組成物の−20℃における動的貯蔵弾性率E' が著しく小さくなるため、−20℃におけるトレッドの柔軟性が高くなり、氷上性能が更に向上する。
また、前記一般式(1)で表わされる変性剤(B)との反応で得られた官能基を分子鎖末端に有する高分子量変性共役ジエン系重合体(C)は、カーボンブラックとシリカの双方と好適に反応するので、カーボンブラックとシリカの双方の分散性が向上し、トレッドゴム組成物の30℃における動的貯蔵弾性率E' が大きくなるため、本発明の冬用タイヤのドライ操縦安定性能が向上する。
上述の観点から、ゴムマトリックスとしては、前記変性共役ジエン系重合体(C)と天然ゴムとの併用(変性共役ジエン系重合体10〜100質量%と天然ゴム90〜0質量%)がより好ましく、補強性充填材としてカーボンブラックとシリカの併用(カーボンブラック10〜90質量%とシリカ90〜10質量%、より好ましくは、カーボンブラック20〜80質量%とシリカ80〜20質量%)が更に好ましい。
(カーボンブラック)
補強性充填材として用いられるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が70〜200m2/gであることが好ましい。この範囲のカーボンブラックとしては、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、N285、N339、HAF−HS、HAF、HAF−LS等が挙げられる。カーボンブラック窒素吸着比表面積は、特に好ましくは85〜180m2/gである。
(シリカ)
補強性充填材として用いられるシリカとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ 、乾式シリカ 、コロイダルシリカ を用いるのが好ましく、湿式シリカが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)としては100m2/g以上のものが好ましく、より好ましくは150m2/g以上、特に好ましくは170m2/g以上である。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =190m2/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製、商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
(その他の充填材)
なお、補強性充填材以外に、所望により、以下の無機充填材を配合しても良い。例えば、アルミナ(Al23)、アルミナ−水和物(Al23・H2O)、水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。
本発明のゴム組成物にシリカが配合されるときは、シリカに対して1〜20質量%のシランカップリング剤が配合されることが好ましい。このシランカップリング剤としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド等の硫黄含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
本発明のゴム組成物においては、ゴムマトリックス100質量部に対して、発泡剤1〜15質量部が配合されることが好ましい。
この発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これら発泡剤の中でも、製造加工性の観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が好ましい。また、これら発泡剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
上記発泡剤の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて粒子状、液状等の中から適宜選択することができる。なお、発泡剤の形態は、例えば顕微鏡等を用いて観察することができる。また、粒子状の発泡剤の平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用いて測定することができる。
また、上記発泡剤には、発泡助剤として尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等を併用するのが好ましい。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。発泡助剤を併用することにより、発泡反応を促進して反応の完結度を高め、経時的に不要な劣化を抑制することができる。
本発明の冬用タイヤのトレッドは、加硫後のゴム組成物中に気泡を気泡率として5〜50体積%有することが好ましい。気泡率(Vs)は、次式により算出できる。
Vs=(ρ0/ρ1−1)×100(%)
(式中、ρ1は加硫後のゴム組成物の密度(g/cm3)を表し、ρ0は加硫後のゴム組成物における固相部の密度(g/cm3)を表す。)
なお、加硫後のゴム組成物の密度及び加硫後のゴム組成物における固相部の密度は、エタノール中の質量と空気中の質量を測定し、これから算出される。また、気泡率(Vs)は、前述した発泡剤及び発泡助剤の種類、量等により適宜変化させることができる。
気泡率を上記範囲にすることによって耐摩耗性や耐破壊性の低下を抑制し優れた氷上性能を得ることができる。このような観点から気泡率が5〜35体積%の範囲を有することがより好ましい。
本発明のゴム組成物は、熱可塑性樹脂からなる短繊維であって、該短繊維が加硫時にゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間に該ゴム組成物のマトリックス中で溶融又は軟化することを特徴とする短繊維を含有しても良い。ここで、該短繊維の配合量は、前記ゴムマトリックス100質量部に対し0.2〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫最高温度とは、加硫時におけるゴム組成物が達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでの間にゴム組成物が達する最高温度を意味する。該加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
本発明の冬用タイヤに係るゴム組成物が前記短繊維を含有すると、加硫後、トレッド中に長尺状気泡が存在し、該トレッドの摩耗によって長尺状気泡が表面に露出して穴部が形成され、効率的な排水を行う排水路として機能する。ここで、穴部とは、穴状、窪み状及び溝状のいずれの形状であっても良い。また、トレッドの穴部の表面が溶融又は軟化した短繊維が固化した保護層で被覆されているため、水路形状保持性、水路エッジ部摩耗性、荷重入力時の水路保持性等にも優れる。保護層の厚みとしては、0.5〜50μmが好ましい。
前記短繊維の素材としては、前記熱特性を有する熱可塑性樹脂である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。上記熱特性を有する短繊維としては、例えば、その融点が前記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子からなる短繊維等が好適に挙げられる。該結晶性高分子からなる短繊維を例に説明すると、該短繊維の融点と、前記ゴム組成物の加硫最高温度との差が大きくなる程、前記ゴム組成物の加硫中に速やかに該短繊維が溶融する。一方、短繊維の融点が、ゴム組成物の加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初期に速やかに該短繊維が溶融せず、加硫終期に短繊維が溶融する。加硫終期では、該短繊維内に存在していた空気が拡散し、加硫したゴム組成物中に分散乃至取り込まれてしまっており、溶融した短繊維内には充分な量の空気が保持されない。他方、短繊維の融点が低くなり過ぎると、ゴム組成物の混練り時の熱で短繊維が溶融し、混練りの段階で短繊維同士の融着による分散不良、混練りの段階で短繊維が複数に分断されてしまう、短繊維がゴム組成物中に溶け込んでミクロに分散してしまう等の不都合が生じ好ましくない。
前記短繊維の融点(又は軟化点)の上限としては、特に制限はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、前記ゴム組成物の加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合には、前記短繊維の融点としては、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。一方、ゴム組成物の混練りを考慮すると、前記短繊維の融点(又は軟化点)としては、混練り時の最高温度に対して、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が特に好ましい。前記ゴム組成物の混練りでの最高温度を例えば95℃と想定した場合には、前記短繊維の融点としては、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。なお、前記短繊維の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
前記短繊維は、前述の結晶性高分子から形成されていてもよいし、非結晶性高分子から形成されていてもよいし、結晶性高分子と非結晶性高分子とから形成されていてもよいが、本発明においては、相転移があるために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な点で結晶性高分子を含む有機素材から形成されているのが好ましく、結晶性高分子のみから形成されるのがより好ましい。
前記結晶性高分子としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック-1,2-ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれらに添加剤を加えたものも使用できる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これら結晶性高分子の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
また、前記非結晶性高分子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。また、前記結晶性高分子と前記非結晶性高分子とを併用してもよい。
前記短繊維の繊度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記氷雪上性能を向上させる観点からは、1〜1100dTexが好ましく、2〜900dTexがより好ましい。また、前記短繊維の平均径(D)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該短繊維を含むゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に、後述のミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を効率良く形成するためには、0.03〜0.3mmが好ましく、0.06〜0.25mmがより好ましい。平均径(D)が、0.03mm未満であると、長尺状の円柱発泡溝が形成されにくくなり、また前記短繊維の製造時に糸切れが多く発生する点で好ましくなく、0.3mmを超えると、前記短繊維の平均径(直径)が大きくなり、同一配合量では円柱発泡溝の数が減少して、排水効率が悪くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、所望により、ゴムマトリックス100質量部に対して、平均長径5〜1000μm、好ましくは5〜500μmの微粒子を好ましくは3〜30質量部、より好ましくは3〜15質量部を含んでも良い。
この微粒子は、(1)トレッド表面で氷上路面を引っ掻き、氷上グリップ性を向上する効果や、(2)微粒子がトレッドから脱離して、トレッドの表層部(トレッド表面及びその近傍)に穴部を形成し、氷上の氷から融解した水を排水する効果を奏する。微粒子の平均長径とは、平均最大径をいう。
ここで、微粒子の平均長径として5μm以上であることが好ましいのは、引っ掻き効果により氷上性能がより向上するからであり、微粒子の平均長径として1000μm以下であることが好ましいのは、耐磨耗性や耐破壊性がより向上するからである。
また、微粒子を3質量部以上含むことが好ましいのは、氷上性能がより向上するからであり、微粒子を15質量部以下含むことが好ましいのは、耐磨耗性や耐破壊性がより向上するからである。
平均長径は、電子顕微鏡で100個の微粒子を無作為に選び、夫々の長径を測定し、測定した100個の長径を相加平均したものである。
また、微粒子は、そのアスペクト比が1.1以上であることが好ましく、且つ角部が存在していることが好ましい。より好ましくはアスペクト比が1.2以上、更に好ましくは1.3以上である。ここで、角部が存在するとは、表面の全てが球面或いは滑らかなカーブ面でないことを意味する。本発明の微粒子には最初から角部を有する微粒子も使用できるが、微粒子が球形状であっても粉砕することにより、微粒子表面に角部を存在させて使用することができると共に、より多くの角部を存在させることができる。
本発明のゴム組成物に配合される前記微粒子は、上述のものに限られず、タイヤの加硫によっても軟化することなく微粒子として加硫後に存在するものであれば良い。前記微粒子としては、モース硬度が2以上である微粒子が好ましく、例えば、石膏微粒子、方解石微粒子、蛍石微粒子、正長石微粒子、石英微粒子、金剛石微粒子、鉄微粒子、卵殻粉、酸化ジルコニウム微粒子、炭酸カルシウム系微粒子、シリカ微粒子、珪灰石微粒子、アルカリ長石微粒子、天然酸化珪素微粒子、多孔質天然ガラス(例えばモース硬度5)微粒子等の無機微粒子、胡桃殻その他の種子の殻や果実の核等の植物性微粒子、(メタ)アクリル系硬化樹脂微粒子、エポキシ硬化樹脂微粒子等の有機硬化微粒子、酸化亜鉛ウィスカー(たとえば、松下アムテック(株)製のパナテトラ(テトラポット形状酸化亜鉛))、沖縄県産の星の砂、グラスファイバー、アルミニウムウイスカー、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリビニルホルマール繊維、芳香族ポリアミド繊維等のタイヤの加硫温度では軟化又は溶融しない短繊維、膨張黒鉛、熱膨張マイクロカプセル、シラスバルーン等が挙げられるが、更に好ましくは、モース硬度5以上のシリカガラス(モース硬度6.5)、石英(モース硬度7.0)、溶融アルミナ(モース硬度9.0)等を挙げることができる。中でも単結晶アルミナ、多結晶アルミナ等のアルミナ(酸化アルミニウム)、シリカガラス等が安価で容易に使用することができるので特に好ましい。
上述の膨張黒鉛は、黒鉛粒子の層間に熱により気化する物質を内包する粒子サイズとして平均長径が30〜600μm、好ましくは100〜350μmの粉体物質であり、加硫時の熱によって膨張して黒鉛膨張体(Expanded Graphite)となることが好ましい。
膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシートが層状に重なり、その層間に気化性層間物質を含む構造をしており、例えば加熱によりその層間物質が気化膨張し、黒鉛膨張体となる。膨張処理前は材質が硬いために混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不可逆的に膨張するため、タイヤの加硫によってゴムマトリックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部は他の微粒子と同様に摩耗時に表面凹凸が適度に形成され、氷とタイヤの接触面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上に動く。
膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛としては、例えば巴工業より米国のUCAR Graphtech社製の「グラフガード160−50」又は「グラフガード160−80」等が市販されており、入手可能である。膨張黒鉛は用語的には酸処理を行った直後の未膨張品を示すが、熱処理後の既膨張品のことを呼ぶ場合もある。本発明にてゴム組成物として配合される膨張黒鉛は熱処理前の未膨張品である。
また、上述の熱膨張マイクロカプセルは、熱により気化、分解又は化学反応して気体を発生する液体又は固体を熱可塑性樹脂に内包した粉体粒子であり、その膨張開始温度以上の温度、通常140〜190℃の温度で加熱すると膨張し、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体が封じ込められるものであり、この熱可塑性樹脂粒子の平均長径は膨張前で5〜300μmであるものが好ましく、更に好ましくは平均長径10〜200μmのものである。
このような熱膨張性熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL社より商品名「エクスパンセル091DU−80」又は「エクスパンセル092DU−120」等として、あるいは松本油脂社より商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」又は「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
上述のように、前記微粒子がトレッドから脱離して、トレッドの表層部(トレッド表面及びその近傍)に穴部を形成することが好ましく、このためには、微粒子がトレッドゴム組成物と加硫接着しないか加硫接着強度が低いことが望ましい。
本発明のゴム組成物に前記微粒子を配合する場合、微粒子を含む非線状の微粒子含有樹脂体として配合しても良い。ここで、微粒子含有樹脂体は、ゴムマトリックス100質量部に対して3〜30質量部配合することが好ましく、微粒子含有樹脂体の平均粒径が10〜1000μmであることが好ましい。この樹脂体は、タイヤの加硫時にゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間に該ゴム組成物のマトリックス中で溶融又は軟化するものであり、上述のタイヤの加硫時に溶融又は軟化する短繊維と同様の材料からなる。なお、微粒子含有樹脂体の平均粒径の測定方法は、微粒子の平均長径の測定方法と同様である。
また、タイヤの加硫時にゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間に該ゴム組成物のマトリックス中で溶融又は軟化する上述の短繊維中に微粒子を含有させ、この微粒子含有短繊維として配合しても良い。タイヤの加硫時に溶融又は軟化する短繊維の構成及び材料は、上述の通りである。微粒子含有短繊維の配合量は、本発明のゴム組成物のゴムマトリックス100質量部に対し3〜20質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることが更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、所望により前記ゴムマトリックス100質量部に対して、更に軟化剤1〜50質量部を配合しても良い。軟化剤を配合することにより加工性が改良されるからである。
なお、低分子量変性共役ジエン系重合体と軟化剤との双方を配合する場合は、前記低分子量変性共役ジエン系重合体と前記軟化剤との合計配合量が、ゴムマトリックス100質量部に対して、6〜60質量部であることが好ましい。6質量部以上であると加工性が改良されるからであり、60質量部以下であると耐摩耗性及び耐破壊特性が向上するからである。これらの観点から前記低分子量変性共役ジエン系重合体と前記軟化剤との合計配合量は6〜55質量部であることが好ましく、6〜50質量部であることが更に好ましい。
本発明のゴム組成物において、所望により配合される軟化剤としては、流動点の低い(例えば、流動点−10〜−60℃程度、好ましくは流動点−20〜−60℃、更に好ましくは流動点−30〜−60℃)ナフテン系プロセスオイルやパラフィン系プロセスオイル等のプロセスオイル、あるいはジブチル・フタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチル・ベンジル・フタレート、ジ−n−オクチル・フタレート等の可塑剤が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、硫黄架橋性であることが好ましく、加硫剤として硫黄が好適に用いられる。その使用量としては、ゴムマトリックス100質量部に対し、硫黄分(硫黄及び硫黄供与剤の硫黄分の合計量)を0.1〜10質量部配合することが好ましい。この範囲であれば、加硫ゴム組成物の必要な弾性率及び強度を確保すると共に低燃費性を得ることができるからである。この観点から、硫黄分を0.5〜7質量部配合することが更に好ましい。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば硫黄以外の加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を含有させることができる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴムマトリックス100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
更に、本発明のゴム組成物で使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、ゴムマトリックス100質量部に対して、0.1〜6.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5.0質量部である。
本発明のゴム組成物は、前記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、押出成形後、タイヤ成形機上で通常の方法により成型され、生タイヤが形成された後、加硫が行われ、冬用タイヤのトレッドとなる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、本発明に係る高分子量変性共役ジエン系重合体及び低分子量変性共役ジエン系重合体の変性前の重量平均分子量(Mw)、結合スチレン含有量及びビニル結合含有量並びに冬用タイヤの氷上性能、ウエット操縦安定性能及びドライ操縦安定性能は、下記の方法に従って測定した。
<変性前の重量平均分子量(Mw)>
GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
<結合スチレン含有量>
1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより求めた。
<ビニル結合含有量>
赤外法(モレロ法)により求めた。
<氷上性能>
冬用タイヤのトレッドから、溝底からの深さ1mmの接地面と平行な平面でタイヤ長手方向に長さ40mm、幅5mm、厚さ2mmのスラブシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪み200マイクロメートル(ミクロン)、動的歪1%、周波数52Hz、測定温度−20℃の条件で、貯蔵弾性率(E')を測定した。比較例1のタイヤの氷上性能を100として、以下の式により指数表示した。指数値が大きい程、氷上性能が良好であることを示す。
氷上性能(指数)={比較例1又は5のタイヤのE'(−20℃)/供試タイヤのE'(−20℃)}×100
<ウエット操縦安定性能>
氷上性能と同様の試料を用い、測定温度を0℃とした以外は氷上性能と同じスペクトロメーター及び測定条件により損失正接(tanδ)を測定した。比較例1のタイヤのウエット操縦安定性能を100として、以下の式により指数表示した。指数値が大きい程、ウエット操縦安定性能が良好であることを示す。
ウエット操縦安定性能(指数)={供試タイヤのtanδ(0℃)/比較例1又は5のタイヤのtanδ(0℃)}×100
<ドライ操縦安定性能>
氷上性能と同様の試料を用い、測定温度を30℃とした以外は氷上性能と同じスペクトロメーター及び測定条件により貯蔵弾性率(E')を測定した。比較例1又は5のタイヤのウエット操縦安定性能を100として、以下の式により指数表示した。指数値が大きい程、ウエット操縦安定性能が良好であることを示す。
ドライ操縦安定性能(指数)={供試タイヤのE'(30℃)/比較例1又は5のタイヤのE'(30℃)}×100
合成例1 変性剤aの合成
乾燥し、窒素置換された300ミリリットルの耐圧ガラス容器に、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン1モル/リットルシクロヘキサン溶液を調製し、これと等モルとなるように、メチルリチウムの1モル/リットルジエチルエーテル溶液を滴下し、よく攪拌することにより、変性剤aとしてのN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミンの変性剤溶液aを調製した。
合成例2 変性剤bの合成
合成例1において、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンの代わりに、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−イミダゾールを用いた以外は、合成例1と同様にして、変性剤bとして1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾールの変性剤溶液Bを調製した。
製造例1:高分子量未変性共役ジエン系重合体Aの製造
乾燥し、窒素置換された内容積約900mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエンモノマー100g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.015mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに0.50mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。その後さらに、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応停止をおこない、さらに,常法に従い乾燥することにより高分子量未変性共役ジエン系重合体Aを得た。得られた高分子量未変性共役ジエン系重合体Aのビニル結合含有量は20%、重量平均分子量(Mw)は300,000であった。
製造例2:高分子量変性共役ジエン系重合体Bの製造
乾燥し、窒素置換された内容積約900mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエンモノマー100g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.015mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに0.50mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
<変性反応工程>
次に、重合反応系に合成例1で得られた変性剤a(N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]−1−プロパンアミン)をリチウム(Li)対比等モルとなる量を加えて、更に50℃で30分間変性反応を行った。
<重合後処理>
その後さらに、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応停止をおこない、さらに,常法に従い乾燥することにより高分子量変性共役ジエン系重合体Bを得た。得られた高分子量変性共役ジエン系重合体Bのビニル結合含有量は20%及び変性前の重量平均分子量(Mw)は300、000であった。
製造例3:高分子量変性共役ジエン系重合体Cの製造
変性工程において、変性剤として1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾール(変性剤a)の替わりに合成例2で得られた1−[3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル]−イミダゾール(変性剤b)を用いた以外は、製造例2と同様にして、高分子量変性共役ジエン系重合体Cを得た。得られた高分子量変性共役ジエン系重合体Cのビニル結合含有量は20%及び変性前の重量平均分子量(Mw)は300、000であった。
製造例4:低分子量未変性共役ジエン系重合体Dの製造
乾燥し、窒素置換された内容積約900mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエンモノマー25g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.015mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに0.50mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。その後さらに、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応停止をおこない、さらに,常法に従い乾燥することにより、低分子量未変性共役ジエン系重合体Dを得た。得られた低分子量未変性共役ジエン系重合体Dのビニル結合含有量は20%及び変性前の重量平均分子量(Mw)は80、000であった。
製造例5:低分子量変性共役ジエン系重合体Eの製造
乾燥し、窒素置換された内容積約900mlの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエンモノマー25g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.015mmolをシクロヘキサン溶液として注入し、これに0.50mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
<変性反応工程>
この重合系に四塩化錫0.50mmolをシクロヘキサン溶液として加え50℃において30分攪拌した。
<後処理>
その後さらに、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加えて反応停止をおこない、さらに,常法に従い乾燥することにより低分子量変性共役ジエン系重合体Eを得た。得られた低分子量変性共役ジエン系重合体Eのビニル結合含有量は20%及び変性前の重量平均分子量(Mw)は80、000であった。
実施例1〜6及び比較例1〜6
製造例1〜5で得られた高分子量もしくは低分子量の未変性又は変性共役ジエン系重合体A〜Eを用い、第1表に示す配合処方に従い、実施例1〜6及び比較例1〜6の12種類のゴム組成物を調製した。
次に、これら9種類のゴム組成物を夫々冬用タイヤであるスタッドレスタイヤ(タイヤサイズ195/60R15)のトレッドに配設して、9種類のスタッドレスタイヤを常法に従って製造し、それら9種類のタイヤについて夫々上記の方法に従い氷上性能、ウエット操縦安定性能及びドライ操縦安定性能を評価した。結果を第1表に示す。
Figure 2010254858
[注]
*1.ポリブタジエンゴム:[BR150L]、宇部興産社製
*2.(C)成分、高分子量変性重合体B:製造例2で得られたものを用いた。
*3.(C)成分、高分子量変性重合体C:製造例3で得られたものを用いた。
*4.(Aー1)成分:高分子量未変性重合体A:製造例1で得られたものを用いた。
*5.(D)成分、低分子量変性重合体E:製造例5で得られたものを用いた。
*6.(A-2)成分、低分子量未変性重合体D:製造例4で得られたものを用いた。:
*7(E)成分、カーボンブラック:ISAF{N2SA(m2/g)=115(m2/g)}、旭カーボン(株)製、商品名「旭#80」
*8.シリカ:東ソー・シリカ 社製、商品名「Nipsil AQ」(BET比表面積 =190m2/g)
*9.シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、デグサ社製、商品名「Si69」
*10.老化防止剤IPPD:N−フェニル−N’−イソプロピルフェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学(株)製、「オゾノン3C」
*11.加硫促進剤CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーCZ」
*12.加硫促進剤MBTS:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーDM」
*13.発泡剤:{ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)}/尿素}=1/1混合品
*14.(F)成分、溶融短繊維:ポリエチレン融点132℃、繊維平均径32μm、繊維平均長さ2mm
*15.微粒子:アルミナ粉末、平均長径60μm、昭和電工(株)製、商品名「標準粒アルミナA−12」
第1表から明らかなように、本発明である実施例1〜6のゴム組成物及びそれをトレッドに用いた冬用タイヤは、比較例1〜6のゴム組成物及びそれをトレッドに用いた冬用タイヤと比較してウエット操縦安定性能及びドライ操縦安定性能を同等以上に維持すると共に、氷上性能を飛躍的に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は乗用車用、軽自動車用、軽トラック用及びトラック・バス用の冬用タイヤ、特にスタッドレスタイヤとして好適に用いられる。

Claims (20)

  1. 求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ高分子量共役ジエン系重合体(A−1)の該活性末端に、下記一般式(1)
    Figure 2010254858
    [式中、A1は炭素数2以上のヒドロカルビルオキシ基、A2は加水分解性官能基、R1は炭化水素基、R2は二価の炭化水素基を示し、Xは飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を示す。A1及びA2は同一でも異なっていてもよい。]で表されるシラン化合物及び/又はその部分縮合物からなる変性剤(B)を反応させて得られた、変性前の重量平均分子量が15×104を超え200×104以下である高分子量変性共役ジエン系重合体(C)を含むゴムマトリックス100質量部に対して、変性前の低分子量共役ジエン系重合体(A−2)の重量平均分子量が2×103〜15×104である低分子量変性共役ジエン系重合体(D)5〜50質量部及び補強性充填材(E)20〜200質量部を配合してなるゴム組成物であって、加硫後のゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 一般式(1)で表される変性剤において、A1は炭素数2〜18のヒドロカルビルオキシ基、A2は炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基又はハロゲン原子、R1は炭素数1〜18の炭化水素基、R2は炭素数1〜20の二価の炭化水素基である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 一般式(1)で表される変性剤において、A2が炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 一般式(1)におけるR2が、炭素数2〜10のアルカンジイル基である、請求項2又は3に記載のゴム組成物。
  5. 一般式(1)におけるA1がエトキシ基である、請求項2〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 一般式(1)におけるR1がメチル基である、請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 一般式(1)において、Xにおける不飽和環状3級アミン化合物残基が、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基、オキサゾール残基又はピリジル基である請求項2〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 一般式(1)におけるXが、ケチミン残基、飽和環状3級アミン化合物残基、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基、ピリジル基、ニトリル基、イソシアネート基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも1種の含窒素官能基を有する一価の基である、請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 含窒素官能基が、飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、イミダゾール残基、ジヒドロイミダゾール残基及び脱離可能な官能基を有する2級アミノ基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載のゴム組成物。
  10. 求核反応性を有する有機金属活性末端をもつ共役ジエン系重合体(A−1)及び未変性低分子量共役ジエン系重合体(A−2)が、C−Li又はN−Liを含む有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合させて得られたものである請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載のゴム組成物。
  12. 芳香族ビニル化合物がスチレンである請求項10又は11に記載のゴム組成物。
  13. 前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)の結合芳香族ビニル含有量(X)(%)及び共役ジエン部分のビニル結合含有量(Y)(%)が、X+(Y/2)<25を満たす請求項1に記載のゴム組成物。
  14. 前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)が、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基及び窒素含有官能基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を含有する請求項1又は13に記載のゴム組成物。
  15. 前記低分子量変性共役ジエン系重合体(D)が、低分子量変性ポリブタジエン及び/又は低分子量変性ポリイソプレンである請求項1又は13,14のいずれかに記載のゴム組成物。
  16. 前記補強性充填材(E)が、カーボンブラック及び/又はシリカである請求項1〜15のいずれかに記載のゴム組成物。
  17. 前記ゴムマトリックスが高分子量変性共役ジエン系重合体(C)10〜100質量%とジエン系ゴム90〜0質量%とからなる請求項1〜16のいずれかに記載のゴム組成物。
  18. 前記ジエン系ゴムが、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びハロゲン化メチル基を持つスチレンとイソブチレンの共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項17に記載のゴム組成物。
  19. 更に、ゴムマトリックス100質量部に対して、平均長径5〜1000μmの微粒子(F)3〜30質量部を含む請求項1〜18のいずれかに記載のゴム組成物。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに用いてなる冬用タイヤであって、該トレッドがゴムマトリックス中に気泡を気泡率として5〜50体積%を有する冬用タイヤ。
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