JP2008120937A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥路面での操縦安定性といった性能を損なうことなく、湿潤路面での制動性(WET性能)、低転がり抵抗性(低発熱性)、及び氷上性能に優れているタイヤトレッド用ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のトレッドタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対して、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算)が5,000〜500,000の範囲にある芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)を2〜70質量部の範囲で含むと共に、有機繊維及び微粒子を含有する微粒子含有有機繊維(C)を合計量で1〜5質量部の範囲で含むことを特徴とし、前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)は、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基、及び窒素含有官能基から選択される少なくとも1種以上の官能基含有共重合体であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関する。詳しくは、トレッドゴム部に用いるゴム組成物の物性を向上させ、タイヤ性能を高めたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
一般に空気入りタイヤは図1に示すように、一対のビード部3と、一対のサイドウォール部4と、トレッド部1とを具え、トロイド状に延びビードコア2に係止されるカーカス層6と、そのクラウン部外周に位置するベルト層7と、そのタイヤ径方向外側に位置するトレッドゴム層8とを有する。空気入りタイヤにあっては、トレッド部1のゴム組成物の特性はタイヤの転がり抵抗を低減させるため、耐摩耗性を持たせるため、及び湿潤路面での制動性を向上させるために極めて重要となっている。
近年、自動車タイヤは、二酸化炭素削減要求、運転安全性の向上の要求などにより、タイヤ性能、例えば、高度な低転がり抵抗特性、及び湿潤路面での制動性の向上が求められる状況にある。これに関連してトレッドゴムの改善が望まれている。
従来、タイヤの転がり抵抗を抑制するにはゴムのガラス転移温度を下げる手法が知られている。しかし、これは同時に湿潤路面/氷路面での制動/駆動性能を低下させる欠点がある。また、制動/駆動性能を向上するには、カーボンブラック/シリカ等の補強充填剤や芳香族系プロセス油(以下、アロマ油という)などの軟化剤を使用することにより改良することが知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
しかしながら、充填剤及びアロマ油を大量に入れると低転がり抵抗性がなく、湿潤路面、氷上面での制動性や乾燥路面での操縦性が十分に改善できない。
特開平11−209515号公報 特開2002−20542号公報 特開2002−155165号公報
本発明は、前記課題に鑑み、乾燥路面での操縦安定性といった性能を損なうことなく、湿潤路面での制動性(WET性能)、低転がり抵抗性(低発熱性)、及び氷上性能に優れているタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ゴム成分(A)に低分子の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)を配合して、更に有機繊維及び微粒子を含有する微粒子含有有機繊維(C)を含むことにより、乾燥路面での操縦安定性をほぼ維持し、また、充填剤やアロマ油などの軟化剤を多量に使用しなくても、湿潤路面での制動性、低転がり抵抗性、及び氷上性能に優れているトレッドタイヤ用ゴム組成物となることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
また、前記芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)をスズ含有化合物、又はケイ素含有化合物で変性してスズ及びケイ素官能基を導入することにより、また、芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)に窒素含有官能基を導入することにより、より一層の性能を向上させることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、以下の構成或いは構造を特徴とするものである。
(1)ゴム成分(A)100質量部に対して、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算)が5,000〜500,000の範囲にある芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)を2〜70質量部の範囲で含むと共に、有機繊維及び微粒子を含有する微粒子含有有機繊維(C)を合計量で1〜5質量部の範囲で含むことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
(2)前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)が5〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、該共重合体(B)の共役ジエン化合物の部分のビニル結合量が10〜80質量%であることを特徴とする前記(1)記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(3)前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)は、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基、及び窒素含有官能基から選択される少なくとも1種以上の官能基含有共重合体である前記(1)記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(4)前記繊維(C)は、有機繊維(a)と微粒子含有有機繊維(b)との質量比率が95/5−0/100の範囲にある前記(1)記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(5)前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)に加えて、他の軟化剤が添加され、該共重合体(B)及びその軟化剤の合計量がゴム成分(A)100質量部に対して、5〜80質量部の範囲で含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(6)シリカを30〜100質量%の範囲で含む充填剤を添加してなる前記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
本発明によれば、ゴム組成物に軟化剤に代えて所定の分子構造の芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)を配合すること、及び有機繊維及び微粒子を含有する微粒子含有有機繊維(C)を含むことにより、高温域でのヒステリシスロスを低減し、低温乃至中温域でのヒステリシスロスの増大を抑えることができ、乾燥路面での操縦安定性の低下を抑えた、そして、湿潤路面での制動性、低転がり抵抗性、及び氷上性能に優れたトレッドタイヤ用ゴム組成物とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対して、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算)が5,000〜500,000の範囲にある芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)を2〜70質量部の範囲で含むと共に、有機繊維及び微粒子を含有する微粒子含有有機繊維(C)を合計量で1〜5質量部の範囲で含む。
<ゴム成分(A)>
ゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなり、ゴム成分としては、未変性のゴム及び変性ゴムのいずれを用いてもよい。ここで、合成ジエン系ゴムとしては、乳化重合又は溶液重合で合成されたものが好ましい。
また、前記合成ジエン系ゴムとして、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アタリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。特に好ましくは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ハロゲン(Br)化ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等である。
尚、前記ゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。また、ゴム組成物の耐摩耗性及び耐熱性の観点から、前記ゴム成分は、ガラス転移温度(Tg)が−60℃以上のものが好ましい。
<芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)>
芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)は、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算)が5,000〜500,000の範囲にある。
共重合体(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して2〜70質量部の範囲で含む。好ましくは、5〜50質量部の範囲、更に好ましくは、10〜40質量部の範囲で含む。芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体の配合量が2質量部未満では、トレッド用のゴム組成物として制動性改良効果が不十分である。また70質量部を超えると、耐摩耗性が悪化し、また加硫ゴムの破壊特性が低下する。
前記芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体は、単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合させた、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)が5,000〜500,000にある共重合体である。より好ましくは、50,000〜400,00である。より高分子量のものが貯蔵弾性率及び損失係数に優れるが、500,000以上では作業性が低下する。また、分子量分布は狭いのが好ましい。広いと損失係数に劣る傾向が出る。
共重合体(B)は、5〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなることが好ましい。また、共役ジエン化合物の部分のビニル結合量が10〜80質量%であることが好ましい。
5質量%未満か、又は80質量%を超える芳香族ビニル化合物の割合、及び10%未満か、又は80%を超えるビニル量率の共役ジエン化合物からなる共重合体は、作業性を悪くし、またタイヤにおける耐久性及び耐転がり抵抗性が十分に向上しない。なお、ここに規定するビニル量は、ジエン化合物由来の構成単位中のビニル量を示し、シス結合及びトランス結合で表される全てのビニル量の割合を示す。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。好ましいくは、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンが挙げられる。特に、スチレンが好ましい。
ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が用いられ、特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
前記共重合体は、所定の分子構造が与えられる限り、種々の製造方法によって得ることができる。共重合体は、各種液状、又は低分子量のポリマー又はゴムが適用可能であり、好ましくは、スチレンとブタジエンとを溶液重合することにより好適に製造される。特に好ましくは、共重合体は溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムである。
工業的な方法を例示すると、有機リチウム化合物を開始剤として、炭化水素溶媒中で、所定の単量体を共重合させる方法である。例えば、共重合体は、槽型又は塔型の反応器中において、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物開始剤をエーテル又は第3級アミンの存在下で用いて、少量の1,2−ブタジエンを含む1,3−ブタジエンのようなジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより得ることができる。
本発明にあっては、前記芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体(B)を変性し、該共重合体が、少なくとも1以上の官能基を有し、該共重合体の含有官能基が、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基、窒素含有官能基のいずれかのもの、又はこれらの2種以上を使用することができ、発熱耐久性を向上させる上で好ましい。
このような官能基を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体は、スズ含有化合物、ケイ素含有化合物又は窒素含有化合物で変性されたものである。
官能基を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体は、官能基を導入する前のゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算質量平均分子量が5,000〜200,000であることが好ましく、20,000〜150,000であることが更に好ましく、50,000〜150,000であることがより一層好ましい。この場合、官能基導入後の質量平均分子量を5,000〜500,000の範囲、特に好ましくは50,000〜400,000の範囲にして、ゴム組成物の貯蔵弾性率(G’)の向上、損失正接(tan∂)の低減、及び作業性の確保が容易となる。
前記官能基を有する芳香族ビニル化合物−共役ジュン化合物共重合体は、(1)単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを重合開始剤を用いて共重合させ、重合活性部位を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体を生成させた後、該重合活性部位を各種変性剤で変性する方法や、(2)単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを官能基を有する重合開始剤を用いて共重合させる方法で得ることができる。
ここで、重合活性部位を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体は、アニオン重合により製造されたものであっても、配位重合により製造されたものであってもよい。
アニオン重合で重合活性部位を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物化合物共重合体を製造する場合、重合開始剤としては、有機アルカリ金属化合物を用いることが好ましく、リチウム化合物を用いることが更に好ましい。
ゴム組成物において、前記窒素官能基を有する低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物化合物共重合体としては、置換若しくは非置換のアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ニトリル基及びビリジル基が好ましく、式(I):(RN−[式I中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基である]で表される置換アミノ基、及び式(II):R=N−[式2中、=はイレン(ylene)であり、Rは、3〜16のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す]で表される環状アミノ基が更に好ましい。これらの窒素含有官能基は、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム等の種々の充填剤を配合したゴム組成物において充填剤分散効果が高く、あらゆる配合のゴム組成物の貯蔵弾性率を大幅に向上させつつ、損失正接(tan∂)を大幅に低減させる。
リチウム化合物としては、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物等が挙げられる。
重合開始剤としてヒドロカルビルリチウムを用いる場合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、他方の末端が重合活性部位である共重合体が得られる。
一方、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である共重合体が得られ、該共重合体は、変性剤で変性しなくても、本発明における共重合体として用いることができる。なお、重合開始剤としての有機アルカリ金属化合物の使用量は、単量体100g当り2〜20mmolの範囲が好ましい。
前記ヒドロカルビルリチウムとしては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム等のアルキルリチウムが好ましく、n−ブチルリチウムが特に好ましい。
一方、前記リチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられ、これらの中でも、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状のリチウムアミド化合物が好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが特に好ましい。
前記リチウムアミド化合物として、式:Li−AM[式中、AMは、前記式(I)で表される置換アミノ基又は式(II)で表される環状アミノ基である]で表されるリチウムアミド化合物を用いることで、式(I)で表される置換アミノ基及び式(II)で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の窒素含有官能基が導入された低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物化合物共重合体(B)が得られる。
式(I)において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロへキシル基、3−フェニル−1−プロピル基及びイソブチル基等が好適に挙げられる。なお、Rは、それぞれ同じでも異なってもよい。
式(II)において、Rは、3〜16個のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基である。ここで、置換アルキレン基には、1置換から8置換のアルキレン基が含まれ、置換基としては、炭素数1〜12の鎖状若しくは分枝状アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。また、Rとして、具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N−アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基及びヘキサデカメチレン基等が好ましい。
前記リチウムアミド化合物は、二級アミンとリチウム化合物から予備調製して重合反応に用いてもよいが、重合系中で生成させてもよい。ここで、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロへキシルアミン、ジイソブチルアミン等の他、アザシクロヘプタン(即ち、ヘキサメチレンイミン)、2−(2−エチルヘキシル)ピロリジン、3−(2−プロピル)ピロリジン、3,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピペリジン、4−フエニルピペリジン、7−デシル−1−アザシクロトリデカン、3,3−ジメチル−1−アザシクロテトラデカン、4−ドデシル−1−アザシクロオクタン、4−(2−フェニルブチル)−1−アザシクロオクタン、3−エチル−5−シクロヘキシル−1−アザシクロへプタン、4−へキシル−1−アザシクロヘプタン、9−イソアミル−1−アザシクロヘプタデカン、2−メチル−1−アザシクロヘプタデセ−9−エン、3−イソプチルートアザシクロドデカン、2−メチル−7−t−ブチル−1−アザシクロドデカン、5−ノニル−トアザシクロドデカン、8−(4’−メチルフェニル)−5−ペンチル−3−アザビシクロ[5,4.0]ウンデカン、1−ブチル−6−アザビシクロ[3.2.1〕オクタン、8−エチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−プロピル−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3−(t−ブチル)−7−アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5−トリメチル−3−アザビシクロ[4.4.0]デカン等の環状アミンが挙げられる。一方、リチウム化合物としては、前記ヒドロカルビルリチウムを用いることができる。
前記有機アルカリ金属化合物等を重合開始剤として、アニオン重合により芳香族ビニル化合物−共役ジュン化合物共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との混合物を重合させることで共重合体を製造することができる。ここで、重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、トブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シスー2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
前記アニオン重合は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、共重合体の共役ジエン化合物部分のミクロ構造を制御することができ、より具体的には、共重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合量を制御したり、共重合体中の共役ジュン化合物単位と芳香族ビニル化合物単位とをランダム化する等の作用を有する。前記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ビリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
前記アニオン重合は、溶液重合で実施することが好ましく、重合反応溶液中の前記単量体の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との混合物中の芳香族ビニル化合物の含有率は、上述したように5〜80質量%の範囲である。従って、目的とする共重合体の芳香族ビニル化合物量に応じて適宜選択することができる。また、重合形式は特に限定されず、回分式でも連続式でもよい。
前記アニオン重合の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うことが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧することが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いることが好ましい。
一方、配位重合で重合活性部位を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物化合物共重合体を製造する場合、重合開始剤としては、希土類金属化合物を用いることが好ましく、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分を組み合わせて用いることが更に好ましい。
前記配位重合に用いる(a)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ビリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。前記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(a)成分として、具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリn−ブトキシド等が挙げられる。これら(a)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記配位重合に用いる(b)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:RAlで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:RAIH又はRAIHで表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜30の炭化水素基である)、炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド,アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(b)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用することが好ましい。
前記配位重合に用いる(c)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(c)成分として、具体的には、アルキルアルミニウムニ塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(c)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記重合開始剤は、前記の(a)、(b)、(c)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(a)成分又は(c)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。前記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(a)成分は単量体100g当たり0.001〜0.5molである。また、モル比で(b)成分/(a)成分は5〜1000、(c)成分/(a)成分は0.5〜10の範囲が好ましい。
前記配位重合における重合温度は、−80〜150℃の範囲が好ましく、−20〜120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様であり、反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
前記重合活性部位を有する共重合体の重合活性部位を変性剤で変性するにあたって、使用する変性剤としては、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物及びスズ含有化合物が好ましい。この場合、変性反応により、窒素含有官能基、ケイ素含有官能基又はスズ含有官能基を導入することができる。
前記変性剤として用いることができる窒素含有化合物は、置換若しくは非置換のアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ニトリル基又はビリジル基を有することが好ましい。該変性剤として好適な窒素含有化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDI、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、4−ジメチルアミノベンジリデンブチルアミン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
また、前記変性剤として用いることができるケイ素含有化合物としては、下記式(III):
A−R(R−Si−(OR3−n ・・・(III)
[式中、Aは(チオ)エポキシ、(チオ)インシアネート、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド、イミン、アミド、イソシアヌル酸トリエステル、(チオ)カルポン酸ヒドロカルビルエステル、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、炭酸ジヒドロカルビルエステル、環状三級アミン、非環状三級アミン、ニトリル、ビリジン、スルフィド及びマルチスルフィドの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;Rは単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;nは0〜2の整数であり;ORが複数ある場合、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、並びに、下記式(IV):
−Si−(OR4−p ・・・(IV)
(式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;pは0〜2の整数であり;ORが複数ある場合、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮物も好ましい。
式(III)において、Aにおける官能基の中で、イミンはケチミン、アルジミン、アミジンを包含し、(チオ)カルボン酸エステルは、アクリレートやメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルを包含し、非環状三級アミンは、N,N−二置換アニリン等のN,N−二置換芳香族アミンを包含し、また環状三級アミンは、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。また、(チオ)カルポン酸の金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基,オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R及びRとしては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、前記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、へキセニル基、オクテニル基、シクロペンチニル基、シクロへキセニル基等が挙げられる。また、前記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。更に、前記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
式(III)において、nは0〜2の整数であるが、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば(チオ)エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができるが、これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、N−(1,3−ジメチルブチリデント3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(トメチルエチリデント3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(トメチルプロビリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジエトキシシリル化合物、メチルジメトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物等を挙をずることができるが、これらの中でも、N−(1−メチルプロビリデント3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルプチリデン)−3−(トリエトキシシリルト1−プロパンアミンが特に好ましい。
更に、イミン(アミジン)基含有化合物としては、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール,1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−イソプロポキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミグゾール、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが好ましい。
また更に、カルボン酸エステル基含有化合物としては、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、イソシアネート基含有化合物としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましい。
また、環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−へプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン、3−[10−(トリエトキシシリル)デシル]−4−オキサゾリン等が挙げられ、これらの中でも、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロヒル(トリエトキシ)シラン及び(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シランが好ましい。
更に、非環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン等が挙げられ、これらの中でも、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン及び3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランが好ましい。
また更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、2−(トリメトキシシリルエチル)ビリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ビリジン、2−シアノエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記式(III)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
式(IV)において、R及びRについては、それぞれ前記式(III)におけるR及びRについて説明したとおりである。
式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、テトラエトキシシランが特に好ましい。
式(IV)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物を用いることもできる。
前記変性剤としては、下記式(V):
ZX ・・・・(V)
[式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である]で表されるカップリング剤も好ましい。
式(V)のカップリング剤で変性することで、当該共重合体の耐コールドフロー性を改良することができる。なお、式(V)のカップリング剤で変性して得られる当該共重合体は、少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。
式(V)のRとして、具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、ネオフィル基、シクロへキシル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基等が挙げられる。また、式Mのカップリング剤として、具体的には、SnCl、RSnCl、R SnCl、R SnCl、SiCl、RSiCl、R SiCl、R SiCl、SiCl、等が好ましく、SnCl及びSiClが特に好ましい。
前記変性剤による重合活性部位の変性反応は、溶液反応で行うことが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、変性剤の使用量は、共重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲が更に好ましい。
本発明においては、前記共重合体を含む反応溶液を乾燥して共重合体を分離した後、得られた共重合体を前記のゴム成分に配合してもよいし、共重合体を含む反応溶液を前記のゴム成分のゴムセメントに溶液状態で混合した後、乾燥して、ゴム成分及び共重合体の混合物を得てもよい。
<有機繊維及び微粒子含有有機繊維(C)>
前記ゴム組成物はゴム成分(A)100質量部に対して、(a)有機繊維と(b)微粒子含有有機繊維とからなる有機繊維(C)が1〜5質量部の範囲で含まれる。
前記(b)微粒子含有有機繊維をゴムの発泡層に含ませて用いると、タイヤ面における除水及び摩擦の増大に効果を発揮し、氷上性能を高める。また、後述するように(b)微粒子含有有機繊維に使用する微粒子に比較的硬度がある材料を使用した場合、含有させる有機繊維径との関係などから押出時に加硫ゴム及び成形物の表面に影響を与え、また、そのような原因と共に工場での作業性の低下を招く。そこで、(b)微粒子含有有機繊維と一緒に微粒子を含有しない(a)有機繊維をゴム組成物に含ませることが好ましい。
このような有機繊維の質量比率は、(a)有機繊維/(b)微粒子含有有機繊維の含まれる割合は、97/3以下、特に95/5−0/100の範囲にすることが好ましい。
また、前記(a)有機繊維及び(b)微粒子含有有機繊維の合計量が前記ゴム成分100質量部に対して1〜5質量部の範囲、特に好ましくは1.5〜3質量部の範囲であることが好ましい。
これらの合計量が1質量部未満であると、繊維を配合する効果を十分に発揮することができず、タイヤのトレッドにあっては、エッヂ効果或いはスパイク効果、それに対応する氷上性能の十分な向上が見られない。一方、その配合量が5質量部を超えると、押出作業性を悪くし、肌荒れを生じて、加硫ゴムやタイヤのトレッドにあってはクラック等の不都合を生じることがあり好ましくない。
前記(a)有機繊維及び(b)微粒子含有有機繊維に使用される有機繊維は、必ずしもその材質、形状、径、長さ等が一致した同じものを同時に使用することはなく、互いに異なった有機繊維を使用しても良い。
(a)有機繊維及び(b)微粒子含有有機繊維に使用される有機繊維の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
しかしながら、上述したように、ゴム成分との関係から加硫時に加硫最高温度に達するまでの間に、ゴム成分のゴムマトリックスの粘度よりも低くなる粘度特性を有する樹脂を用いることが本発明においては好ましい。即ち、前記有機繊維樹脂としては、ゴム組成物が加硫最高温度に達するまでの間に溶融(軟化を含む)する熱特性を有している。
このような熱特性を繊維樹脂が有していると、ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴム中に、ミクロな排水溝として機能し得る上述の長尺状気泡を容易に形成することができる。
尚、加硫最高温度とは、ゴム組成物の加硫時におけるゴム組成物が達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに該ゴム組成物が達する最高温度を意味する。加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。また、前記樹脂の粘度は、溶融粘度を意味し、例えば、コーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定する。
従って、本発明で選択される好ましい樹脂は、例えば、その融点が前記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子樹脂などが特に好適に挙げられる。
樹脂融点と、ゴム組成物の加硫最高温度との差が大きくなる程、ゴム組成物の加硫中に速やかに溶融するため、樹脂粘度がゴムマトリックスの粘度よりも低くなる時期が早くなる。このため、樹脂が溶融すると、そのゴム組成物に配合した発泡剤から発生したガスなどのゴム組成物に存在するガスは、ゴムマトリックスよりも低粘度である樹脂の内部に集まる。その結果、加硫ゴム中には、ゴムマトリックスとの間に微粒子を含有する樹脂層を有する気泡、即ち、前記樹脂により被覆されたカプセル状の長尺状気泡が潰れのない状態で効率良く形成される。
タイヤトレッドとなる発泡ゴム層においては、このカプセル状の長尺状気泡はトレッドの表面に現れ、摩擦により生じた溝が前記ミクロな排水溝として機能し、水膜排除効果と共に、エッヂ効果及びスパイク効果も十分に発揮する。
有機繊維樹脂の融点の上限としては、特に制限はないものの前記の点を考慮して選択するのが好ましい。前記ゴムマトリックスの加硫最高温度よりも低く、10℃以上低いのがより好ましく、20℃以上低いのが特に好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃を超えて設定されている場合には、前記樹脂の融点としては、190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
なお、前記樹脂の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
以上のことから有機繊維の樹脂は、結晶性樹脂及び/又は非結晶性樹脂から形成されていても良い。但し、上述したように本発明においては、相転移があるために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な点で結晶性樹脂を多く含む有機素材から形成されていることが好ましく、結晶性樹脂のみから形成されるのがより好ましい。
このような有機繊維(C)の樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれらの樹脂に添加剤を加えたものも使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの結晶性樹脂の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が比較的低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
また非結晶性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において使用される(a)有機繊維及び(b)微粒子含有有機繊維の有機繊維としては、その繊維長が、0.5乃至20mmの範囲、特に、1乃至10mmの範囲にあることが好ましい。
発泡ゴム層を形成する際の加硫ゴム中に、このような長さで有機繊維が存在すれば、エッヂ効果及びスパイク効果が有効に作用すると共に、後述の発泡剤等を含めるとミクロな排水溝として効率良く機能し得る長尺状気泡を十分に形成することも可能となる。前記有機繊維長が0.5mm未満では、前記効果を十分に発揮できない。また、前記有機繊維長が20mmを超えると、有機繊維同士が絡まり、その分散性が低下する傾向にある。
また、前記有機繊維において、その繊維の径が0.01〜0.1mmの範囲、特に、0.015〜0.09mmの範囲が好ましい。前記有機繊維は、その径が0.01mm未満では切断が生じ易いため、前記エッヂ効果或いはスパイク効果を十分に発揮できない。また、前記の径が0.1mmを超える場合には、加工性に問題が生じてくる。
有機繊維(C)の(b)微粒子含有有機繊維において、その有機繊維に含有される微粒子としては、無機微粒子及び有機微粒子が挙げられる。具体的には、無機微粒子としては、ガラス微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、アルミナ微粒子、鉄微粒子、などが挙げられる。前記有機微粒子としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂微粒子、エポキシ樹脂微粒子、などが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、氷上での引っ掻き効果に優れる点で、無機微粒子が好ましい。
微粒子はそのモース硬度が硬度2より、特に硬度5より高いものが好ましい。その微粒子のモース硬度が氷の硬度(1乃至2)以上、即ち、2以上であると、一層の引っ掻き効果を前記発泡ゴム層の表面部でトレッドとして発揮させることができる。このため、得られるタイヤは氷雪路面との間の摩擦係数が大きく、氷上性能(氷雪路面でのタイヤの面制動・駆動性能)に優れている。
このような硬度の高い微粒子としては、例えば、石膏、方解石、蛍石、正長石、石英、金剛石等が挙げられるが、好ましくは、モース硬度5以上のシリカガラス(硬度6.5)、石英(硬度7.0)、溶融アルミナ(硬度9.0)等を挙げることができる。中でもシリカガラス、アルミナ(酸化アルミニウム)等が安価で容易に使用することができる。
前記微粒子はその粒径分布の頻度数の80質量%以上、好ましく90質量%以上が10〜50μmの範囲にあることが好ましく、また、その平均粒径が10〜30μmの範囲であることが好ましい。前記頻度数における粒径が10μmを下回ってくると、(b)微粒子含有有機繊維を製造する際に、粒子同士が凝集し易くなるものが見られ、その分散性が低下する傾向にある。また、このような繊維を用いたタイヤにあっては、十分な引き掻き効果、或いはエッヂ効果、スパイク効果を発揮することができない。一方、前記粒径が50μmを超えると、(b)微粒子含有有機繊維の製造時に繊維切れ等の問題が頻発し、所望する(b)微粒子含有有機繊維が効率良く得られない。
前記微粒子はまた、粒度分布のピーク値での頻度数が20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは25質量%以上であり、更に好ましくは30質量%以上である。前記微粒子のピーク値での頻度数が20質量%以上であれば、微粒子の粒度分布曲線がシャープとなり、粒径が均一となる。このため、前記微粒子含有有機繊維の紡糸に際して切れなどが発生し難い良好な繊維が得られると共に、かかる繊維をタイヤに使用した場合には氷上性能性が安定してくる。これに対して、前記微粒子のピーク値での頻度数が20質量%未満では、前記繊維の紡糸に切れなどが生じやすくなり、また、タイヤとしての性能もばらつきが生じやすくなってくる。また、上述した前記範囲内の粒径の大きさでは、その粒径が大きいほどタイヤの氷上性能が向上する。
尚、ここで、頻度数とは全体の粒子質量に対する粒度分布(粒度分布曲線)における粒子粒径を2μmの刻み幅で区分したときのその区分幅での存在粒子の質量率をいい、ピーク値での頻度数とは、粒度分布曲線における前記刻み幅に最大ピーク値を含んでいる区分幅における頻度数を言う。
更に前記微粒子は、そのアスペクト比が1.1以上であることが好ましく、且つ角部が存在していることが好ましい。より好ましくはアスペクト比が1.2以上、更に好ましくは1.3以上である。ここで。角部が存在するとは、表面の全てが球面或いは滑らかなカーブ面でないことを意味する。微粒子形状はその微粒子群を電子顕微鏡で観察することにより確認が可能であり、球状でないことを確認するものである。また粒子の長軸と短軸の比率をあらわすアスペクト比が1.1以上であれば、粒子表面に形成される角部の存在が十分に角張ることができる。このため、このような微粒子を含む微粒子含有有機繊維を使用したタイヤ等にあっては、引っ掻き効果、或いはエッヂ効果、及びスパイク効果を十分に高めることができる。
前記微粒子は、前記微粒子含有有機繊維を形成する樹脂100質量部に対して5乃至50質量部、特に、7乃至50質量部の範囲で含有されることが好ましい。
前記微粒子量が5質量部未満では、タイヤのトレッドにエッヂ効果及びスパイク効果が十分に生じなくなる場合がある。一方、微粒子量が50質量部を超えると、微粒子含有有機繊維の製造時に繊維切れ等の問題が頻発し、微粒子含有有機繊維が効率良く得られなくなる虞がある。
<その他の添加物>
本発明のゴム組成物には、加流後に気泡を形成させるために、前記発泡ゴム層の成形前の加硫ゴム中に発泡剤を配合する。発泡剤及び前記繊維を用いることにより、トレッドとなる前記発泡ゴム層は、長尺状気泡を有してミクロな排水溝を形成して水膜除去能が付与される。
前記発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられる。
これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記発泡剤の作用により、得られた前記加硫ゴムは発泡率に富む発泡ゴムとなる。
更に効率的な発泡を行う観点から、その他の成分として発泡助剤を用い、前記発泡剤と併用するのが好ましい。前記発泡助剤としては、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡製品の製造に使用する助剤等が挙げられる。これらの中でも、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛等が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発泡剤の含有量としては、目的に応じて適宜決定すればよいが、一般にはゴム成分100質量部に対して1乃至10質量部程度が好ましい。前記発泡剤はゴムマトリックス中に配合しても良く、また各有機繊維中に配合しても良い。
本発明のゴム組成物には、前記共重合体(B)に加えて、その他のナフテン系、アロマ系等のプロセスオイル(アロマオイル)、スピンドルオイル等の軟化剤を添加することができる。
軟化剤は前記共重合体(B)に対して補助的に添加され、前記共重合体(B)及び軟化剤の合計量がゴム成分(A)100質量部に対して5〜80質量部の範囲、特に好ましくは10〜60質量部の範囲で添加するとよい。5未満では前記共重合体(B)の効果も低減し、80質量部を超えると耐摩耗性が悪化する。
本発明のゴム組成物には、シリカ及び/又はカーボンブラック(C/B)等の充填剤が添加される。
充填剤中でのシリカ質量率が30〜100質量%の範囲であることが好ましく、特に50〜100質量%の範囲であることが好ましい。充填剤におけるシリカ質量率が30質量%未満では、制動性、特にウエット時の制動性と低転がり抵抗性とを両立させることが困難となる。
前記充填剤のカーボンブラック(C/B)は、HAF、ISAF、SAFなどのカーボンブラックが好ましい。ゴム組成物中の充填剤の総含有量はゴム成分100質量部に対して、40〜100質量部が好ましく、40質量部未満では弾性率が低下してタイヤの操縦安定性が低下する。100質量部をこえると、発熱性が悪化し、タイヤの耐久性が低下する。
さらに、本発明のゴム組成物には、前記の共重合体に加えて、従来から使用されているステアリン酸などの脂肪酸類を使用してもよい。本発明の組成物は前記の含有組成の他にシランカップリング剤、老化防止剤、加硫促進剤、亜鉛華、硫黄などを含有させることができる。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、前記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、湿潤路面上での制動性(WET性能)、低転がり抵抗性(低発熱性)及び氷上性能が優れている。尚、空気入りタイヤには窒素などの不活性ガスを導入してもよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、供試タイヤの性能は下記の方法に従って測定した。
(1)転がり抵抗性
転がり抵抗は、スチール平滑面を有する外径1707.6mm、幅が350mmの回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させたときの惰行法を持って測定し、評価した。測定値は比較例1の値を100として指数化した。数値が大きいほど低転がり抵抗性に優れている(低燃費である)ことを示す。
(2)乾燥路面操縦安定性(DRY性能テスト)
プロのテストドライバーによるフィーリングに基づいて、試験コースのアスファルト路面におけるコーナリング性能及び制駆動性能を総合指数として評価した。なお、値については、比較例1のタイヤを100として、数値が大きいほどDRY性能が優れていることを示す。
(3)湿潤路面制動性能(ウェット制動テスト)
前記試験用タイヤ(タイヤサイズ185/70R15)国産1600CCクラスの乗用車に4本装着して、湿潤アスファルト路面にて、40、60、及び80km/hの初速度にて制動距離を測定し、比較例1のタイヤをコントロールタイヤとし、制動性能=(比較例1の各速度での制動距離/各実施例等での対応する各速度での距離)×100とした。数値が大きいほど制動性が良好である。
(4)氷上制動性能(氷上性能テスト)
前記試験用タイヤ(タイヤサイズ185/70R15)国産1600CCクラスの乗用車に4本装着して、氷温−1℃の氷上制動性能を確認した。比較例1のタイヤをコントロールタイヤとし、氷上性能=(コントロールタイヤの制動距離/実施例等のタイヤの制動距離)×100とした。数値が大きいほど制動性が良好である。
共重合体(B)の製造例
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロへキサン300g、1,3−ブタジエン40g、スチレン13g、ジテトラヒドロフリルプロパン 0.90mmolを加え、更にn−ブチルリチウム(n−BuLi)0.90mmolを加えた後、50℃で2時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤として表1に示す変性剤を表1に示す量速やかに加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して共重合体2〜5を得た。
共重合体1の製造例は、前記共重合体2〜5の製造例と同様にして重合反応を行ない、重合反応終了後、変性反応を行わずに、重合反応系に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して共重合体1を得た。
前記のようにして製造した共重合体1〜5の質量平均分子量(Mw)、ミクロ構造、結合スチレン量を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)質量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)ビニル量
重合体のビニル含量を赤外法(モレロ法)で求めた。
(3)結合スチレン含有量
重合体の結合スチレン含量を270MHzH−NMRによって求めた。
Figure 2008120937
次に、前記共重合体(B)1〜5及び/又はアロマオイルを、ゴム成分(A)として天然ゴム、ポリブタジエンゴムを用いて、表2及び3に示す配合処方のゴム組成物を調製し、これをタイヤのトレッドに使用して、加硫して試験タイヤを製造し、前記転がり抵抗試験、DRY操縦安定性能、WET性能テスト、及び氷上性能試験を行った。結果を表2及び3に示す。
尚、表2及び3中の*番号は以下の通りである。
*1:UBEPOL 150L 宇部興産社製、*2:N134(NSA;146m/g)旭カーボン社製、*3:Nipsil AQ(日本シリカ株式会社製)、*4:Si69(デグサ社製)、*5:N−イソプロピル−N’−フェニル−P−フェニレンジアミン、*6:ジベンゾチアジルジスルフィド、*7:N−シクロヘキシル−2−ベンゾジアゾールスルフェンアミド、*8:ジニトロソペンタメチレンテトラミン、*9:繊維原料(ポリエチレン融点132℃、繊維直径32μm、繊維長さ2mm)、*10:繊維原料(ポリエチレン融点132℃、繊維直径32μm、繊維長さ2mm)で微粒子含有量が15質量部で、微粒子平均粒径が20μmである。
Figure 2008120937
Figure 2008120937
本発明は、トレッド部に使用するゴム組成物の特性を高め、操縦安定性といった背反する性能を損なうことなく、湿潤路面での制動性(WET性能)、低転がり抵抗性(低発熱性)、及び氷上性能に優れている、産業上の利用可能性の高いトレッドタイヤ用組成物である。
図1は、一般的な空気入りタイヤの断面概略説明図である。

Claims (6)

  1. ゴム成分(A)100質量部に対して、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算)が5,000〜500,000の範囲にある芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)を2〜70質量部の範囲で含むと共に、有機繊維及び微粒子を含有する微粒子含有有機繊維(C)を合計量で1〜5質量部の範囲で含むことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)が5〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、該共重合体(B)の共役ジエン化合物の部分のビニル結合量が10〜80質量%であることを特徴とする請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)は、スズ含有官能基、ケイ素含有官能基、及び窒素含有官能基から選択される少なくとも1種以上の官能基含有共重合体である請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記繊維(C)は、有機繊維(a)と微粒子含有有機繊維(b)との質量比率が95/5−0/100の範囲にある請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記芳香族ビニル−共役ジエン化合物共重合体(B)に加えて、他の軟化剤が添加され、該共重合体(B)及びその軟化剤の合計量がゴム成分(A)100質量部に対して、5〜80質量部の範囲で含む請求項1〜3のいずれかの項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分(A)にシリカを30〜100質量%の範囲で含む充填剤を添加してなる請求項1〜3のいずれかの項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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