JP2010254197A - リフト機能付きキャスター装置 - Google Patents

Abstract

【課題】運搬物を横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合であっても、容易に高さを調整して障害を乗り越えることができ、運搬物の横引き運搬から設置までを一連の作業で行うことを可能にするリフト機能付きキャスター装置を提供する。
【解決手段】下端にキャスター１３を備えるとともに、軸線Ｏ２を上下方向Ｔに配して螺合するネジ軸１５を備えた支軸部１０と、ネジ軸１５を軸線Ｏ２回りに回転させるとともに上下方向Ｔに昇降するように支軸部１０に支持された昇降部１１と、昇降部１１に繋げて設けられ、運搬物Ｍを保持する保持部１２とを備えて構成する。
【選択図】図１

Description

本発明は、例えば設備機器などの搬送物を横引き運搬するためのリフト機能付きキャスター装置に関する。

建物内部に例えば空調機器などの大型機材（運搬物Ｍ）を搬入して所定位置に設置する場合には、はじめに、角材などの仮置き用部材１を敷設し、重量鳶Ｓによって大型機材Ｍを搬入するとともに仮置き用部材１に載せて仮置きする（図３（ａ））。ついで、この大型機材Ｍを油圧ジャッキでジャッキアップしてキャスターやコロ装置２に載せて所定位置まで横引き運搬する（図３（ｂ））。そして、機械基礎３の高さに合わせて油圧ジャッキでジャッキアップするとともに所定の設置位置に配されるように大型機材Ｍの位置を微調整し、ジャッキダウンして大型機材Ｍを基礎３上に設置するようにしている（図３（ｃ））。

しかしながら、大型機材Ｍを横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合が多々あり、このような場合には、その都度油圧ジャッキで大型機材Ｍをジャッキアップして障害を乗り越えるようにしている。このため、床段差や設備基礎などの障害があると、その運搬作業に多大な労力を要することになる。

一方、特許文献１には、高さ調整機構を備えたキャスター装置が開示されている。このキャスター装置は、上端にネジ部を有する支軸の下端にキャスターを装着し、支軸を脚部下端に螺合させ、支軸の螺合量を調整することによって高さを調整できるように構成されている。

特開２００４−７５０４０号公報

しかしながら、特許文献１に開示されたキャスター装置を大型機材などの運搬物Ｍの運搬に採用した場合であっても、運搬物Ｍを支持した状態で支軸を回転して高さを調整することは困難であり、横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合には、その都度運搬物Ｍをジャッキアップしてキャスター装置の高さを調整することになる。このため、やはり運搬物Ｍの横引き運搬作業に多くの労力が必要になってしまう。

本発明は、上記事情に鑑み、運搬物を横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合であっても、容易に高さを調整して障害を乗り越えることができ、運搬物の横引き運搬から設置までを一連の作業で行うことを可能にするリフト機能付きキャスター装置を提供することを目的とする。

上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。

本発明のリフト機能付きキャスター装置は、運搬物を横引き運搬するためのリフト機能付きキャスター装置であって、下端にキャスターを備えるとともに、軸線を上下方向に配して螺合するネジ軸を備えた支軸部と、前記ネジ軸を軸線回りに回転させるとともに上下方向に昇降するように前記支軸部に支持された昇降部と、前記昇降部に繋げて設けられ、前記運搬物を保持する保持部とを備えて構成されていることを特徴とする。

この発明においては、運搬物を保持部で保持するようにリフト機能付きキャスター装置を設置することで、支軸部の下端に設けられたキャスターによって運搬物を横引き運搬することが可能になる。また、支軸部のネジ軸を回転させるという簡易な操作で昇降部を昇降させることができ、この昇降部に繋がる保持部ひいては保持部に保持された運搬物の高さを容易に変えることができる。

また、本発明のリフト機能付きキャスター装置においては、前記保持部が前記昇降部に着脱可能に繋げられていることが望ましい。

この発明においては、運搬物を保持する保持部が昇降部に着脱可能に設けられていることで、容易に保持部を交換することが可能になる。このため、形状や重量などが異なる種々の運搬物に対し、運搬物に応じた保持部に交換することで柔軟に且つ容易に対応することが可能になる。

さらに、本発明のリフト機能付きキャスター装置においては、前記ネジ軸の上端部に回転工具を取り付け、該回転工具によって前記ネジ軸を回転させて前記昇降部が昇降するように構成されていることがより望ましい。

この発明においては、ラチェットや電動インパクトレンチなどの回転工具を用いて昇降部を昇降させることができ、この昇降部に繋がる保持部ひいては保持部に保持された運搬物の高さを容易に変えることが可能になる。

本発明のリフト機能付きキャスター装置においては、運搬物を保持部で保持するようにリフト機能付きキャスター装置を設置することで、支軸部の下端に設けられたキャスターによって運搬物を横引き運搬することが可能になる。また、支軸部のネジ軸を回転させるという簡易な操作で昇降部を昇降させることができ、この昇降部に繋がる保持部ひいては保持部に保持された運搬物の高さを容易に変えることができる。

このため、横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合であっても、その都度ネジ軸を回転させるという簡易な操作を行うだけで運搬物の高さを高くすることができ、容易に障害物を乗り越えることが可能になる。また、所定位置まで運搬物を運搬した段階でネジ軸を回転させるという簡易な操作によって運搬物を降ろすことができ、容易に運搬物を所定位置に設置することが可能になる。よって、障害物を乗り越えるために、また、運搬物を所定位置に設置するために、従来のように油圧ジャッキでジャッキアップ、ジャッキダウンすることが不要になり、横引き運搬から設置までを一連の作業で効率的に行うことが可能になる。

さらに、ネジ軸を回転させるだけで運搬物の高さを変えることができるため、従来のように重量鳶の専門職によって運搬、設置作業を行うことを不要にすることが可能になる。

本発明の一実施形態に係るリフト機能付きキャスター装置を示す図であり、昇降部を降ろした状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るリフト機能付きキャスター装置を示す図であり、ネジ軸を回転して昇降部を上昇させた状態を示す図である。 従来の運搬物の横引き運搬作業を示す図である。

以下、図１及び図２を参照し、本発明の一実施形態に係るリフト機能付きキャスター装置について説明する。本実施形態は、例えば建物内部に設備機器（例えば空調機器）などの大型機材（運搬物）を運搬するためのリフト機能付きキャスター装置に関するものである。

本実施形態のリフト機能付きキャスター装置Ａは、図１に示すように、支軸部１０と、上下方向Ｔに昇降可能に支軸部１０に支持された昇降部１１と、昇降部１１に繋げて設けられ、運搬物Ｍを保持するアタッチメント部（保持部）１２とを備えて構成されている。

また、支軸部１０は、下端に設けられた自在車輪などのキャスター１３と、下端をキャスター１３に固設して立設された支持部材１４と、支持部材１４で支持して設けられたネジ軸１５とを備えて構成されている。

支持部材１４は、略円筒状に形成され、軸線Ｏ１方向を上下方向Ｔに配して設けられている。また、支持部材１４は、雌ネジ孔１６ａを備えたネジ軸螺合部材１６を上端に取り付けて形成されている。ネジ軸１５は、上端部１５ａがラチェットや電動インパクトレンチなどの回転工具が取り付けられるように例えば角柱状に形成されている。また、ネジ軸１５には、上端よりも僅かに下方に位置した部分に軸線Ｏ２直交方向外側に突出し、軸線Ｏ２中心の径方向に延びる環状のフランジ板１５ｂが固設されている。さらに、このネジ軸１５は、フランジ板１５ｂよりも下端１５ｃ側の外面に雄ネジ部１５ｄを設けて形成されている。そして、このように形成したネジ軸１５は、ネジ軸螺合部材１６の雌ネジ孔１６ａに雄ネジ部１５ｄを螺合し、支持部材１４と互いの軸線Ｏ１、Ｏ２を同軸上に配した状態で支持部材１４に支持されている。

昇降部１１は、昇降本体部１７とアタッチメント接続部１８とを備えて構成されている。昇降本体部１７は、略円筒状に形成されるとともに、支軸部１０の支持部材１４の外径よりもその内径が大径で形成されている。また、昇降本体部１７には、上端に環状の天板１７ａがその中央孔１７ｂを軸線Ｏ３上に配して取り付けられている。アタッチメント接続部１８は、一端を昇降本体部１７の外面に固設し、昇降本体部１７の軸線Ｏ３直交方向外側に突設されている。また、このアタッチメント接続部１８は、昇降本体部１７の軸線Ｏ３方向上端側と下端側にそれぞれ設けられている。

そして、昇降部１１は、昇降本体部１７の内部に支軸部１０の支持部材１４を挿入し、昇降本体部１７と支軸部１０の支持部材１４の互いの軸線Ｏ１、Ｏ３を同軸上に配して設けられている。このとき、ネジ軸１５の上端部１５ａが昇降本体部１７の天板１７ａの中央孔１７ｂを挿通して天板１７ａから上方に突出するとともに、ネジ軸１５のフランジ板１５ｂが天板１７ａの下面に当接して、昇降本体部１７（昇降部１１）がネジ軸１５（支軸部１０）に支持されている。このように設けられた昇降部１１は、ネジ軸１５を軸線Ｏ２回りに正逆回転させると、ネジ軸螺合部材１６に螺合したネジ軸１５が上下方向Ｔに進退し、ネジ軸１５のフランジ板１５ｂに支持された昇降部１１がネジ軸１５とともに支軸部１０に対して相対的に上下方向Ｔに進退（昇降）する。

アタッチメント部（保持部）１２は、アタッチメント接続部１８の他端にボルト１９とナット２０を用いて着脱可能に取り付けて、昇降部１１に支持されている。また、アタッチメント部１２は、アタッチメント接続部１８の他端に取り付けた状態で、アタッチメント接続部１８からさらに昇降本体部１７の軸線Ｏ３直交方向外側に突出するように設けられている。そして、このアタッチメント部１２の突出方向先端側が大型機材Ｍを載置して仮置きした溝形鋼（仮置き用部材１）にボルト２１とナット２２を用いて着脱可能に接続される。これにより、大型機材Ｍが溝形鋼１を介してアタッチメント部１２に保持される。

ついで、上記構成からなるリフト機能付きキャスター装置Ａを用いて大型機材Ｍを運搬、設置する方法を説明するとともに、本実施形態のリフト機能付きキャスター装置Ａの作用及び効果について説明する。

本実施形態のリフト機能付きキャスター装置Ａを用いて、建物内部に大型機材Ｍを搬入する際には、はじめに、大型機材Ｍの幅に応じた所定の間隔をあけて溝形鋼１を敷設する。そして、重量鳶により搬入した大型機材Ｍを溝形鋼１に載せて仮置きする。

ついで、アタッチメント部１２を昇降部１１に取り付け、昇降部１１を下方に降ろした状態のリフト機能付きキャスター装置Ａを溝形鋼１に接続して取り付ける。このとき、アタッチメント部１２の突出方向先端側を溝形鋼１に係合させるとともにボルト２１とナット２２を用いて接続する。また、例えば大型機材Ｍの互いに平行する一対の側面側にそれぞれ配設され、大型機材Ｍを載置した各溝形鋼１の前方側と後方側（載置した大型機材Ｍの前方側と後方側）にそれぞれ、リフト機能付きキャスター装置Ａを取り付ける。すなわち、本実施形態では、４つのリフト機能付きキャスター装置Ａを取り付ける。

ついで、図２に示すように、ネジ軸１５の上端部１５ａに回転工具を取り付け、この回転工具によってネジ軸１５を正方向（一方向）に回転させる。このようにネジ軸１５を回転させると、昇降部１１が上昇し、この昇降部１１に繋がるアタッチメント部１２、ひいては溝形鋼１を介してアタッチメント部１２に保持された大型機材Ｍがネジ軸１５の回転量に応じた上昇量で上昇する。そして、各リフト機能付きキャスター装置Ａのネジ軸１５を回転し各リフト機能付きキャスター装置Ａの昇降部１１を上昇させることで、各リフト機能付きキャスター装置Ａのキャスター１３で大型機材Ｍが支持される。

このように各リフト機能付きキャスター装置Ａを取り付けて支持された大型機材Ｍは、作業者が横方向に押すと、各リフト機能付きキャスター装置Ａのキャスター１３によって容易に移動する。このため、リフト機能付きキャスター装置Ａによって大型機材Ｍを所定位置まで横引き運搬することが可能になる。

一方、大型機材Ｍを横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合には、各ネジ軸１５を回転工具で正方向に回転させ、昇降部１１を上昇させる。このようにネジ軸１５を回転するという簡易な操作で、昇降部１１とともに大型機材Ｍが所望の高さに上昇する。このため、移動途中に障害物がある場合であっても、従来のように油圧ジャッキを設置して大型機材Ｍをジャッキアップすることなく、ネジ軸１５を回転させるという簡易な操作で大型機材Ｍを上昇させ、障害物を乗り越えながら容易に横引き運搬が行える。

そして、リフト機能付きキャスター装置Ａによって大型機材Ｍを所定位置に運搬した段階で、ネジ軸１５を逆方向（他方向）に回転させて昇降部１１を下降させる。これにより、昇降部１１とともに溝形鋼１ひいては大型機材Ｍが下降する。このため、ネジ軸１５を回転させるという簡易な操作で、機材基礎３などの高さに大型機材Ｍの位置を合わせ、大型機材Ｍが所定位置に設置されることになる。最後に、ボルト２１とナット２２を取り外し、リフト機能付きキャスター装置Ａを取り外して大型機材Ｍの運搬、設置作業が完了する。

したがって、本実施形態のリフト機能付きキャスターにおいては、大型機材Ｍをアタッチメント部（保持部）１２で保持するようにリフト機能付きキャスター装置Ａを設置することで、支軸部１０の下端に設けられたキャスター１３によって大型機材Ｍを横引き運搬することが可能になる。また、支軸部１０のネジ軸１５を回転させるという簡易な操作で昇降部１１を昇降させることができ、この昇降部１１に繋がるアタッチメント部１２ひいてはアタッチメント部１２に保持された大型機材Ｍの高さを容易に変えることができる。

このため、横引き運搬する移動途中に床段差や設備基礎などの障害物がある場合であっても、その都度ネジ軸１５を回転させるという簡易な操作を行うだけで大型機材Ｍの高さを高くすることができ、容易に障害物を乗り越えることが可能になる。また、所定位置まで大型機材Ｍを運搬した段階でネジ軸１５を回転させるという簡易な操作によって大型機材Ｍを降ろすことができ、容易に大型機材Ｍを所定位置に設置することが可能になる。よって、障害物を乗り越えるために、また、大型機材Ｍを所定位置に設置するために、従来のように油圧ジャッキでジャッキアップ、ジャッキダウンすることが不要になり、横引き運搬から設置までを一連の作業で効率的に行うことが可能になる。

さらに、ネジ軸１５を回転させるだけで大型機材Ｍの高さを変えることができるため、従来のように重量鳶Ｓの専門職によって運搬、設置作業を行うことを不要にすることが可能になる。

また、本実施形態のリフト機能付きキャスター装置Ａにおいては、大型機材Ｍを保持するアタッチメント部１２が昇降部１１に着脱可能に設けられていることで、容易にアタッチメント部１２を交換することも可能になる。このため、形状や重量などが異なる種々の運搬物Ｍに対し、運搬物Ｍに応じたアタッチメント部１２に交換することで柔軟に且つ容易に対応することが可能になる。すなわち、アタッチメント部１２を適宜交換してあらゆる運搬物Ｍの横引き運搬に適用することが可能になり、汎用性の高いリフト機能付きキャスター装置Ａにすることが可能になる。

さらに、ネジ軸１５の上端部１５ａに回転工具を取り付け、この回転工具によってネジ軸１５を回転させて昇降部１１が昇降するように構成されているため、ラチェットや電動インパクトレンチなどの回転工具を用いて昇降部１１を昇降させることができ、この昇降部１１に繋がるアタッチメント部１２ひいてはアタッチメント部１２に保持された運搬物Ｍの高さを容易に変えることが可能である。

以上、本発明に係るリフト機能付きキャスター装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、リフト機能付きキャスター装置Ａを用いて、建物内部に搬入する設備機器などの大型機材（運搬物）Ｍを運搬するものとして説明を行ったが、本発明に係る運搬物は、必ずしも設備機器などの大型機材でなくてもよい。

１ 溝形鋼（仮置き用部材）
１０ 支軸部
１１ 昇降部
１２ アタッチメント部（保持部）
１３ キャスター
１４ 支持部材
１５ ネジ軸
１５ａ 上端部
１５ｂ フランジ板
１５ｃ 下端
１５ｄ 雄ネジ部
１６ ネジ軸螺合部材
１６ａ 雌ネジ孔
１７ 昇降本体部
１７ａ 天板
１７ｂ 中央孔
１８ アタッチメント接続部
１９ ボルト
２０ ナット
２１ ボルト
２２ ナット
Ａ リフト機能付きキャスター装置
Ｍ 大型機材（運搬物）
Ｏ１ 支持部材の軸線
Ｏ２ ネジ軸の軸線
Ｏ３ 昇降本体部の軸線
Ｓ 重量鳶

Claims (3)

1. 運搬物を横引き運搬するためのリフト機能付きキャスター装置であって、
   下端にキャスターを備えるとともに、軸線を上下方向に配して螺合するネジ軸を備えた支軸部と、前記ネジ軸を軸線回りに回転させるとともに上下方向に昇降するように前記支軸部に支持された昇降部と、前記昇降部に繋げて設けられ、前記運搬物を保持する保持部とを備えて構成されていることを特徴とするリフト機能付きキャスター装置。
2. 請求項１記載のリフト機能付きキャスター装置において、
   前記保持部が前記昇降部に着脱可能に繋げられていることを特徴とするリフト機能付きキャスター装置。
3. 請求項１または請求項２に記載のリフト機能付きキャスター装置において、
   前記ネジ軸の上端部に回転工具を取り付け、該回転工具によって前記ネジ軸を回転させて前記昇降部が昇降するように構成されていることを特徴とするリフト機能付きキャスター装置。

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