JP2010254095A - 自転車用幼児座席 - Google Patents

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Abstract

【課題】 幼児座席に座る際にシートベルトが邪魔にならないようにすると共に、幼児座席に座った幼児がシートベルトを長く繰り出すことができないようにする。
【解決手段】 座部の前側に、シートベルトを巻き取るベルト巻取具が設けられ、背凭れ部側に連結ベルトが連結され、互いに着脱自在に連結される雄部材と雌部材とが、前記シートベルトの先端部と連結ベルトの先端部とに振り分けて設けられ、前記ベルト巻取具はシートベルトを巻き取る巻取用回転体を有し、巻取用回転体は巻取バネによりシートベルトの巻き取り方向に回転自在に付勢され、巻取用回転体の繰り出し方向への回転のみを許すラチェット機構が設けられ、ラチェット爪をラチェット用歯車に係合した状態にロックする回転ロック機構が設けられ、ラチェット爪をラチェット用歯車から離間させるラチェット操作具が設けられている。
【選択図】図13

Description

本発明は、自転車用幼児座席に関するものである。
座部と背凭れ部とを有する自転車用幼児座席にはシートベルトを座部と背凭れ部との間に設けるようにしたものがある(例えば特許文献1)。
この種の従来の自転車用幼児座席では、シートベルトが長さ調整できるようになっているものの、幼児が幼児座席に座る前はシートベルトは長いままで座部上に配置されるようになっていた(例えば特許文献1)。
特開2005−153571号公報
従来の場合、幼児が幼児座席に座る前はシートベルトが長いままで座部1上に配置されているため、幼児が幼児座席に座る際にシートベルトが邪魔になった。また、自動車の座席に装着されるシートベルトのようにシートベルトをベルト巻取具で繰り出し自在に巻き取るようにすることが考えられるが、単に自動車のシートベルトと同様に構成した場合には、幼児座席に座った幼児に装着したシートベルトをその幼児がいたずらで長く繰り出してしまうおそれがあり、シートベルトが機能できなくなる等の問題が生じる。
本発明は上記問題点に鑑みて、幼児座席に座る際にシートベルトが邪魔にならないようにすると共に、幼児座席に座った幼児がいたずらでシートベルトを長く繰り出すことができないようにしたものである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、座部1と背凭れ部3とを有する自転車用幼児座席であって、座部1の前側に、シートベルト51を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具52が設けられ、背凭れ部3側に連結ベルト53が連結され、互いに着脱自在に連結される雄部材54と雌部材55とが、前記シートベルト51の先端部と連結ベルト53の先端部とに振り分けて設けられ、前記ベルト巻取具52はシートベルト51を巻き取る巻取用回転体59を有し、巻取用回転体は巻取バネによりシートベルトの巻き取り方向に回転自在に付勢され、巻取用回転体の繰り出し方向への回転のみを許して巻き取り方向への回転を不能にするラチェット機構が設けられ、ラチェット機構は巻取用回転体に設けたラチェット用歯車と巻取用回転体の巻き取り方向の回転を不能にすべくラチェット用歯車に係脱自在に係合するラチェット爪を有し、ラチェット爪をラチェット用歯車に係合した状態にロックして巻取用回転体の回転を不能にする回転ロック機構が設けられ、巻取用回転体を巻取バネの付勢により巻き取り方向に回転させるように、ラチェット爪をラチェット用歯車から離間させるラチェット操作具が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記回転ロック機構をロック状態とロック解除状態とに切り換え操作するための切り換え操作具が前記ラチェット操作具で兼用されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、座部の前方に足下げ用開口が設けられ、座部の左右方向中央部から前方に突出して足下げ用開口を左右に分離する仕切り壁が設けられ、仕切り壁に下方に没入した収納凹部が設けられ、この収納凹部に前記ベルト巻取具が収納保持されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、背凭れ部に、ヘッドレストが上下調整自在に保持され、ヘッドレストの左右両側に前記一対の連結ベルトが連結されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記ベルト巻取具は巻取ケースを有し、巻取ケース内に巻取用回転体が回転自在に収納されると共に、前記ラチェット爪を有する爪構成部材がラチェット用歯車に向けて移動自在に保持され、爪構成部材をラチェット用歯車に向けて付勢するラチェット用バネが設けられ、前記回転ロック機構は、巻取ケース内に設けた係止部と、ラチェット操作具でロック位置とロック解除位置とに回動操作可能なロック部材とを備え、ラチェット操作具でロック部材をロック位置に回転したときに、ロック部材が係止部に係合することにより、ラチェット爪がラチェット用歯車に係合した状態で爪構成部材がラチェット用歯車側にロックされ、ラチェット操作具でロック部材をロック解除位置に回動したときに、ロック部材が係止部から外れることにより、ラチェット爪がラチェット用歯車から外れるように爪構成部材がラチェット用歯車側から後退可能とされている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、ラチェット操作具は巻取ケースの外面側に配置され、ラチェット操作具とロック部材とが互いに連結固定されて爪構成部材に対して支持軸廻りに回動可能に連結され、ラチェット操作具を支持軸廻りに回動することにより、ロック部材がラチェット操作具に連動して支持軸廻りにロック位置とロック解除位置に回動し、ロック部材がロック解除位置に回動した状態でラチェット操作具を支持軸方向に移動させることにより爪構成部材がロック部材と共にラチェット用歯車から離間してラチェット爪がラチェット用歯車から外れるように構成されている点にある。
本発明によれば、座部の前側に、シートベルトを繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具が設けられ、背凭れ部側に連結ベルトが連結され、互いに着脱自在に連結される雄部材と雌部材とが、前記シートベルトの先端部と連結ベルトの先端部とに振り分けて設けられているので、シートベルトをベルト巻取具に巻き取っておくことができるため、幼児が幼児座席に座る際に従来のようにシートベルトが邪魔になることがなくなる。また、シートベルトを幼児に装着する場合は、幼児が幼児座席に座った後にベルト巻取具からシートベルトを繰り出して連結ベルトと連結すればよく、幼児座席に座った幼児に簡単に装着することができる。
しかも、ラチェット爪をラチェット用歯車に係合した状態にロックして巻取用回転体の回転を不能にする回転ロック機構が設けられているので、幼児座席に座った幼児にシートベルトを装着した後に、巻取用回転体をロックすることにより、幼児座席に座った幼児がいたずら等でベルト巻取具からシートベルトを必要以上に繰り出すようなことができなくなり、幼児座席に座った幼児に対してシートベルトの良好な装着状態を保持することができる。また、巻取用回転体を巻取バネの付勢によりシートベルトの巻き取り方向に回転させるように、ラチェット爪をラチェット用歯車から離間させるラチェット操作具が設けられているので、幼児に装着したシートベルトを取り外す際には、回転ロック機構でシートベルトが繰り出し不能にロックされた状態から、ラチェット操作具を操作することによって、繰り出されたシートベルトを巻取バネの付勢によって簡単に巻き取ることができ、非常に便利である。
本発明の一実施形態を示す自転車用幼児座席の側面図である。 同自転車用幼児座席の平面図である。 同自転車用幼児座席の分解斜視図である。 同自転車用幼児座席の側面断面図である。 同座席本体の側面図である。 同座席本体の平面図である。 同背凭れ体の平面図である。 同背凭れ体の底面図である。 同ヘッドレストの正面図である。 同ハンドル部分の正面断面図である。 同ハンドルの支持部分の側面図である。 同図11のA−A線断面図である。 同ベルト巻取具の分解斜視図である。 同ベルト巻取具の回転ロック状態の正面断面図である。 同ベルト巻取具のラチェット解除状態の正面断面図である。 同背凭れ係合機構(背凭れロック機構)部分の側面断面図である。 同背凭れ係合機構部分の係合状態の正面断面図である。 同背凭れ係合機構部分の係合解除状態の正面断面図である。 同背凭れ係合機構部分の分解斜視図である。 他の実施形態を示すベルト巻取具の分解斜視図である。 他の実施形態を示すベルト巻取具の分解斜視図である。 同ベルト巻取具の回転ロック状態の正面断面図である。 同ベルト巻取具のラチェット解除状態の正面断面図である。 他の実施形態を示すベルト巻取具部分の斜視図である。 同ベルト巻取具の分解斜視図である。 同ベルト巻取具の回転ロック機構部分の側面断面図で、(イ)はラチェット解除状態の側面断面図、(ロ)はラチェット機構動作状態(回転ロック解除状態)の側面断面図、(ハ)は回転ロック状態の側面断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図4において、自転車用子供座席は、座部1を有する座席本体2と、背凭れ部3を有する背凭れ体4とを別体に備え、背凭れ体4の背凭れ部3にヘッドレスト5が高さ調整自在に設けられ、座席本体2にステップ6が横軸7廻りに揺動可能に設けられている。自転車用子供座席は、自転車のハンドルバー8に着脱自在に装着され、ここに幼児を座らせることができると共に荷駕籠にもなるように構成されている。図4に示すように、ステップ6は座席本体2の座部1前方を下から塞ぐ閉鎖姿勢Pと、脚下げ時に下げた足を載せることが可能な足載置姿勢Sとに姿勢変更可能になっている。
座席本体2、背凭れ体4、ヘッドレスト5、ステップ6はそれぞれ合成樹脂で一体成形されている。
図1〜図6に示すように、座席本体2は、座部1の他に左右一対の本体側壁11を有し、座席本体2の左右一対の本体側壁11が自転車の左右一対のハンドルバー8の内側に配置されて、図示省略のボルトナット等の締結具で固定されている。座部1の前方に足下げ用開口12が設けられ、座部1の左右方向中央部から前方に突出して足下げ用開口12を左右に分離する仕切り壁13が設けられている。左右一対の本体側壁11の前端同士を連結する連結壁板14が設けられ、仕切り壁13の前端側が連結壁板14の左右方向中央部に連結されている。
図1〜図4、図7、図8に示すように、背凭れ体4は背凭れ部3の他に背凭れ部3下端から前方突出した底壁16と、左右一対の背凭れ側壁17とを有している。
図1〜図4に示すように、背凭れ体4の左右一対の背凭れ側壁17が座席本体2の左右一対の本体側壁11の内側に配置されて、座席本体2の左右一対の本体側壁11の後部と背凭れ体4の左右一対の背凭れ側壁17の前部とが左右に重合され、例えば、本体側壁11の取付孔10を外側から円板体15で塞ぐと共に、側壁17の前上部側と本体側壁11の後上部側とを図示省略のボルトと円板体15に保持したナットとで締め付けることにより、左右一対の背凭れ側壁17の前上部側が本体側壁11の後上部側に左右方向の支軸20廻りに揺動自在に支持されている。而して、背凭れ体4の上部側が座席本体2に対して左右方向の支軸20廻りに揺動自在に支持され、左右一対の本体側壁11と左右一対の背凭れ側壁17とで自転車用子供座席の左右一対の座席側壁21を構成している。
図1〜図4、図16〜図19に示すように、座席本体2の座部1と背凭れ体4の底壁16とは支軸20を支点とする円弧状に湾曲され、座席本体2の座部1上に背凭れ体4の底壁16が配置されて、座席本体2の座部1と背凭れ体4の底壁16とが支軸20を支点とする円弧状に湾曲した重合面で互いに前後移動自在に重合されている。
背凭れ体4の底壁16を座席本体2の座部1に対して支軸20廻りに前後移動調整自在に係合保持する背凭れ係合機構23が座部1と底壁16との間に設けられ、背凭れ係合機構23を係合状態にロックする背凭れロック機構24が設けられ、背凭れ係合機構23を操作するための背凭れ操作具25が座部1の下面側に設けられている。
図4、図6、図16〜図19に示すように、背凭れ係合機構23は、底壁16に設けた複数の嵌合凹部27と座部1に設けた嵌合凸部28とを有し、複数の嵌合凹部27は底壁16の下面(重合面)に支軸20廻りの円弧方向に並んで設けられ、嵌合凸部28は座部1に嵌合凹部27に向けて出退移動自在に保持され、嵌合凸部28は底壁16を座部1に対して前後移動調整自在に係合すべく複数の嵌合凹部27に選択的に嵌合するように構成されている。
座部1の後端部に、嵌合凹部27に対応して上下に開口した収納部29が設けられている。収納部29の左右方向中央部にその下開口縁部の前後を連結する連結底壁30が設けられ、連結底壁30に取付孔31が形成されている。収納部29の左右両側に左右一対の支持ブロック32が嵌合凹部27に向けて上下移動自在に保持されている。左右一対の支持ブロック32は上下方向の中途部で連結壁部33により互いに連結されている。連結壁部33に取付孔34が形成されている。
左右一対の支持ブロック32に嵌合凸部28が突設され、支持ブロック32の上下移動に伴って嵌合凸部28が収納部29から嵌合凹部27に出退するようになっている。支持ブロック32を嵌合凹部27に向けて付勢するバネ部材35が設けられている。バネ部材35はコイルバネにより構成され、連結底壁30と連結壁部33との間に配置されている。
背凭れロック機構24は、座部1の前端部に設けた前後一対の係止凹部37と、背凭れ操作具25でロック位置X1とロック解除位置Y1とに回動操作可能なロック部材38とを備え、前後一対の係止凹部37は収納部29の左右方向中央部の嵌合凹部27側に収納部29に連通するように形成されている。背凭れ操作具25でロック部材38をロック位置X1に回動したときに、ロック部材38の両端部が係止凹部37に係合することにより、嵌合凸部28が嵌合凹部27に嵌合した状態で支持ブロック32が下方移動不能にロックされ、これにより、背凭れロック機構24は、嵌合凸部28を嵌合凹部27に嵌合した状態にロックするように構成されている。また、背凭れ操作具25でロック部材38をロック解除位置Y1に回動したときに、ロック部材38が係止凹部37から外れることにより、支持ブロック32が上下移動自在になって嵌合凸部28が嵌合凹部27から収納部29内に後退可能とされている。従って、背凭れ操作具25は、背凭れロック機構24をロック状態とロック解除状態とに切り換え操作するための切り換え操作具として機能する(切り換え操作具に兼用されている)。
ロック部材38に支持筒軸40が突設され、支持筒軸40の突出端側に十字座金43が相対回動不能に外嵌固着され、支持筒軸40が連結壁部33及び連結底壁30に取付孔31,34を介して縦軸廻りに相対回動自在に挿通されている。背凭れ操作具25は支持ブロック32の下面側に配置され、十字座金43が背凭れ操作具25の嵌合没入部44に嵌合固着され、背凭れ操作具25とロック部材38とをボルトナット等の締結具41で締め付け固定することにより、背凭れ操作具25とロック部材38とで支持ブロック32を上下に挟持すると共に、背凭れ操作具25とロック部材38とが支持ブロック32に対して縦軸廻りに回動するように互いに連結されている。従って、背凭れ操作具25を縦軸廻り回動することにより、ロック部材38が背凭れ操作具25に連動して縦軸廻りにロック位置X1とロック解除位置Y1とに回動し、ロック部材38がロック解除位置Y1に回動した状態で背凭れ操作具25を縦軸方向(下方に)に引っ張ることにより支持ブロック32が収納部29を下方に移動して嵌合凸部28が嵌合凹部27から外れるように構成されている。従って、背凭れ操作具25は、背凭れロック機構24をロック状態とロック解除状態とに切り換え操作するための切り換え操作具に兼用されており、背凭れ操作具25は、背凭れ係合機構23による係合を解除操作するための操作具として機能する共に、背凭れロック機構24の切り換え操作具として機能する。
図6、図8、図17、図18に示すように、座部1の後部の左右両側に前後方向の案内溝46が左右一対設けられ、底壁16の左右両側に案内溝46に対応する左右一対の嵌合突起47が下方突設され、嵌合突起47が案内溝46に前後摺動自在に嵌合され、これにより、背凭れ体4を座席本体2に対して左右にガタ付かないように前後移動自在に案内している。
図4、図6、図9、図13〜図15に示すように、座部1の前側に2本のシートベルト51を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具52が設けられている。背凭れ部3側の上部であるヘッドレスト5の左右両側に一対の連結ベルト53が連結されている。図9に示すように、ヘッドレスト5の左右両側に上挿通孔48と下挿通孔49とが設けられ、これら挿通孔48,49に連結ベルト53を挿通して、連結ベルト53の基端部に挿通孔48,49に挿通不能な抜止部50を形成することにより、連結ベルト53はヘッドレスト5の左右両側に連結されている。
2本のシートベルト51の先端部と左右一対の連結ベルト53の先端部とに、互いにワンタッチで着脱自在に連結される雄部材54と雌部材55とが振り分けて設けられ、2本のシートベルト51と左右一対の連結ベルト53とは雄部材54と雌部材55とを介して連結されるようになっている。仕切り壁13に下方に没入した収納凹部56が設けられ、この収納凹部56にベルト巻取具52が着脱可能に収納保持されている。
図13〜図15に示すように、ベルト巻取具52は巻取ケース58と、2本のシートベルト51を巻き取る巻取用回転体59とを有し、巻取ケース58は左右一対のケース体58a,58bをボルトナット等の締結具60で互いに締結して成る。巻取用回転体59は左右一対の回転体59a,59bを組み合わせてなり、巻取ケース58内に横軸(締結具60の軸心)廻りに回転自在に収納され、巻取ケース58内に収納した巻取バネ62により巻取用回転体59がシートベルト51を巻き取る方向に回転自在に付勢されている。
巻取ケース58内に、ラチェット機構65と巻取用回転体59の回転を不能にする回転ロック機構66とが設けられ、巻取ケース58の外側にラチェット操作具67が設けられている。
ラチェット機構65は巻取用回転体59に設けた左右一対のラチェット用歯車68とラチェット用歯車68に係脱自在に係合する左右一対のラチェット爪69とを有し、巻取ケース58内に、前記ラチェット爪69を左右一対有する爪構成部材70がラチェット用歯車68に向けて移動自在に保持され、巻取ケース58内に爪構成部材70をラチェット用歯車68に向けて付勢するラチェット用バネ71が設けられ、ラチェット機構65は巻取用回転体59の繰り出し方向への回転のみを許して巻き取り方向への回転を不能にするように構成されている。
回転ロック機構66は、巻取ケース58内に設けた係止部73と、ロック位置X2とロック解除位置Y2とに回動操作可能なロック部材74とを備える。ロック部材74の中央部に第1支持筒77と第2支持筒78とが上下に突設されており、第1支持筒77は基部側の円筒部77aと先端側の角筒部77bとを有している。第2支持筒78は円筒状に形成されている。第1支持筒77は巻取ケース58の上壁に挿通孔80を介して軸心廻りに回転自在に挿通されると共に、ラチェット操作具67の下面側に嵌合固定されている。第2支持筒78は爪構成部材70の中央部に軸心廻りに相対回転自在に挿通されている。ラチェット操作具67は巻取ケース58の外面側に配置され、ラチェット操作具67とロック部材74とが第1支持筒77及び第2支持筒78に挿入したボルトナット等の締結具81により互いに連結固定されて、爪構成部材70に対して支持筒77,78廻りに回動可能に連結され、ラチェット操作具67を支持筒77,78(支持軸)廻りに回動することにより、ロック部材74がラチェット操作具67に連動して支持筒77,78廻りにロック位置X2とロック解除位置Y2に回動する。
ラチェット操作具67でロック部材74をロック位置X2に回動したときに、ロック部材74が係止部73に係合することにより、ラチェット爪69がラチェット用歯車68に係合した状態で爪構成部材70がラチェット用歯車68側にロックされ、これにより、回転ロック機構66はラチェット爪69をラチェット用歯車68に係合した状態にロックして巻取用回転体59の回転を不能にする。また、ラチェット操作具67でロック部材74をロック解除位置Y2に回動したときに、ロック部材74が係止部73から外れることにより、ラチェット爪69がラチェット用歯車68から外れるように爪構成部材70がラチェット用歯車68側から後退可能とされ、これにより、回転ロック機構66によるロックが解除可能になる。従って、ラチェット操作具67は、ラチェット爪69をラチェット用歯車68から離間させるためのラチェット操作具としての機能を有すると共に、回転ロック機構66をロック状態とロック解除状態とに切り換え操作するための切り換え操作具の機能を有する。
ロック部材74がロック解除位置Y2に回動した状態でラチェット操作具67を支持筒77,78(支持軸)方向に引っ張る(移動する)ことにより、ラチェット用バネ71の付勢に抗して爪構成部材70がロック部材74と共にラチェット用歯車68から離間してラチェット爪69がラチェット用歯車68から外れるように構成され、これにより、ラチェット爪69をラチェット用歯車68から離間させて、巻取用回転体59を巻取バネ62の付勢により巻き取り方向に自動的に回転させる。
図1、図3、図5、図10〜図12に示すように、左右一対の座席側壁21(本体側壁11)間にハンドル85が設けられている。左右一対の座席側壁21に、上下一対の挟持レール86がそれぞれ前後方向に設けられ、ハンドル85の左右両端部に前記一対の挟持レール86間に前後移動自在に嵌合される嵌合体87が設けられている。左右一対の本体側壁11に前後方向に長い挿通孔88が設けられ、ハンドル85の両端部に支持筒体89が左右方向外方に突設され、支持筒体89は一対の座席側壁21の挿通孔88に前後移動自在に挿通されている。
図10〜図12に示すように、嵌合体87は円板状に形成されて、一対の本体側壁11(座席側壁21)の外面側に配置され、嵌合体87の中央部に支持軸90が左右方向内方に突設され、各支持軸90は支持筒体89に軸心廻りに回動自在に挿通され、これにより、嵌合体87はハンドル85の両端部に横軸(支持軸90)廻りに固定位置Aと固定解除位置Bとに回動可能に連結されている。嵌合体87の径方向に対応する位置に円弧状の長孔92が設けられ、これにより、嵌合体87の径方向に対応する外周部に径方向内方に弾性変形可能な変形部93が形成されている。
上下一対の挟持レール86は、一対の本体側壁11の外面側であって前記挿通孔88の上下に配置され、上下一対の挟持レール86の両端同士は、挿通孔88の前後方向外方で互いに連結されている。上下一対の挟持レール86は、前後方向に向かう従い互いに離間と接近を繰り返すように波形に形成され、嵌合体87を固定位置Aに回動したときに嵌合体87の変形部93が一対の挟持レール86から外れて一対の挟持レール86間に前後移動不能に嵌合固定され、嵌合体87を固定解除位置Bに回転したときに嵌合体87の変形部93が一対の挟持レール86に対応して嵌合体87が一対の挟持レール86間に前後移動自在に嵌合保持されるようになっている。
嵌合体87を横軸廻りに回動操作するための回動操作体94がボルトナット等の締結具91による締め付け等によって支持軸90の内端部に固設され、回動操作体94は一対の本体側壁11の内面側に配置されている。一対の挟持レール86及び嵌合体87の外側方を覆う保護カバー95が座席本体2の本体側壁11の外面に着脱自在に設けられている。
上記実施形態によれば、図16及び図17に示すように、ロック部材38がロック位置X1にあって、嵌合凸部28が嵌合凹部27に嵌合した状態から、背凭れ部3をリクライニング調整する場合、まず、図18に示すように、背凭れ操作具25を回動操作して、ロック部材38をロック位置X1からロック解除位置Y1に回動する。すると、ロック部材38が係止凹部37から外れることにより、支持ブロック32が上下移動自在になって嵌合凸部28が嵌合凹部27から収納部29内に後退可能となる。その後、図18に示すように、背凭れ操作具25を縦軸方向(下方に)に引っ張ることにより支持ブロック32が収納部29を下方に移動して嵌合凸部28が嵌合凹部27から外れる。この状態で、支軸20を支点とする円弧状に湾曲した重合面に沿って底壁16を座部1に対して前後移動させると、図4に鎖線で示す如く背凭れ部3が支軸20軸廻りに揺動する。その後、背凭れ操作具25を下方に引っ張った状態から上方に戻すと、嵌合凸部28がいずれかの嵌合凹部27に嵌合するので、その後、背凭れ操作具25を回動操作して、ロック部材38をロック解除位置Y1からロック位置X1に戻すと、ロック部材38の両端部が係止凹部37に係合することにより、嵌合凸部28が嵌合凹部27に嵌合した状態で支持ブロック32が下方移動不能にロックされる。従って、背凭れ操作具25の操作によって簡単に背凭れ部3をリクライニング調整することができる。
しかも、上記実施形態の場合、背凭れ係合機構23を係合状態にロックする背凭れロック機構24が設けられているので、自転車の振動等により、背凭れ係合機構23の係合が不測に外れたり切り換わるのを背凭れロック機構24により防止できるし、背凭れ係合機構23による係合を解除操作し又は背凭れロック機構24をロック状態とロック解除状態とに切り換え操作するための背凭れ操作具25が座部1及び底壁16の下面側に設けられているので、自転車用幼児座席に座った幼児が背凭れ操作具25に触れるおそれがなくなり、自転車用幼児座席に座った幼児が誤って背凭れ操作具25に触れて背凭れ体4が不測に前後揺動するのを確実に防止できる。また、座席本体2の座部1と背凭れ体4の底壁16とが前後移動自在に重合されているので、座席本体2と背凭れ体4とを互いにガタ付かないように前後移動自在に安定に組付けることができる。
また、座席本体2の左右一対の本体側壁11の後部と背凭れ体4の左右一対の背凭れ側壁17の前部とが左右に重合され、左右一対の背凭れ側壁17の前上部側が本体側壁11の後上部側に支軸20廻りに揺動自在に支持されているので、本体側壁11と背凭れ側壁17との重合によって、背凭れ体4を支軸20廻りに移動調整する際に背凭れ体4が座席本体2に対して左右にガタ付くのを防止できるし、移動調整した後にも、背凭れ体4が座席本体2に対して左右にガタ付かないように背凭れ体4を座席本体2に対して安定に取り付けておくことができる。
また、座席本体2の座部1と背凭れ体4の底壁16とが支軸20を支点とする円弧状に湾曲した重合面で互いに前後移動自在に重合されているので、背凭れ体4を前後移動調整する際に、背凭れ体4の底壁16が座席本体2の座部1に対して上下方向にガタ付くのを防いで、背凭れ体4を支軸20廻りに容易かつスムーズに前後調整することができる。また、前後調整後にも背凭れ体4の底壁16が座席本体2の座部1に対して上下方向にガタ付かないように安定に固定しておくことができる。
また、背凭れ係合機構23は、底壁16の重合面に支軸20廻りの円弧方向に並んで設けられた複数の嵌合凹部27と、座部1に嵌合凹部27に向けて出退移動自在に保持された嵌合凸部28とを有し、嵌合凸部28は底壁16を座部1に対して前後移動調整自在に係合すべく複数の嵌合凹部27に選択的に嵌合するように構成されているので、嵌合凸部28の嵌合凹部27への嵌合により、背凭れ体4を座席本体2に対して前後左右にガタ付かないようにより確実かつ安定に固定することができるし、背凭れロック機構24によって嵌合凸部28が嵌合凹部27に嵌合した状態を確実に保持することができる。
また、支持ブロック32を嵌合凹部27に向けて付勢するバネ部材35が設けられているので、バネ部材35の付勢力によっても嵌合凸部28の嵌合凹部27への嵌合を保持することができ、背凭れ体4の背凭れ部3を座席本体2の座部1に対して不測に前後移動したりするのを防ぐことができ、背凭れ体4の座席本体2への固定状態をより強固に維持することができる。
また、背凭れ操作具25でロック部材38をロック位置X1に回動したときに、ロック部材38が係止凹部37に係合することにより、嵌合凸部28が嵌合凹部27に嵌合した状態で支持ブロック32が下方移動不能にロックされ、背凭れ操作具25でロック部材38をロック解除位置Y1に回動したときに、ロック部材38が係止凹部37から外れることにより、支持ブロック32が上下移動自在になって嵌合凸部28が嵌合凹部27から収納部29内に後退可能とされているので、背凭れ操作具25によるロック部材38の回動操作によって、背凭れロック機構24をロック状態とロック解除状態に簡単かつ確実に切り換えることができる。また、同一の背凭れ操作具25を引っ張ることによって、簡単に嵌合凸部28を嵌合凹部27から外すことができ、背凭れ体4の底壁16を座席本体2の座部1に対して支軸20廻りに楽に前後調整することができる。
上記実施形態によれば、2本のシートベルト51を繰り出す場合、ラチェット操作具67を回動操作してロック部材74をロック位置X2からロック解除位置Y2に回動した後、2本のシートベルト51を前側に引っ張ればよく、2本のシートベルト51をベルト巻取具52から簡単に繰り出すことができる。2本のシートベルト51を巻き取る場合、ロック部材74をロック解除位置Y2に回動した後にラチェット操作具67を上方に引っ張ればよく、巻取用回転体59を巻取バネ62の付勢により巻き取り方向に自動的に回転させて、2本のシートベルト51をベルト巻取具52に簡単に巻き取ることができる。また、シートベルト51を幼児に装着する場合は、幼児が幼児座席に座った後にベルト巻取具52からシートベルト51を繰り出して連結ベルト53と連結すればよく、シートベルト51を幼児に簡単に装着することができる。そして、その後、ラチェット操作具67を回動操作してロック部材74をロック解除位置Y2からロック位置X2に回動しておけば、ロック部材74が係止部73に係合することにより、ラチェット爪69がラチェット用歯車68に係合した状態で爪構成部材70がラチェット用歯車68側にロックされ、シートベルト51は繰り出し不能になる。
また、上記実施の形態の場合、2本のシートベルト51を座部1の前側のベルト巻取具52に巻き取っておくことができるため、幼児が幼児座席に座る際に従来のようにシートベルト51が邪魔になることがなくなる。また、シートベルト51を幼児に装着する場合は、幼児が幼児座席に座った後にベルト巻取具52からシートベルト51を繰り出して連結ベルト53と連結すればよく、幼児座席に座った幼児に簡単に装着することができる。
また、ラチェット爪69をラチェット用歯車68に係合した状態にロックして巻取用回転体59の回転を不能にする回転ロック機構66が設けられているので、幼児座席に座った幼児にシートベルト51を装着した後に、巻取用回転体59をロックすることにより、幼児座席に座った幼児がいたずら等でベルト巻取具52からシートベルト51を必要以上に繰り出すようなことができなくなり、幼児座席に座った幼児に対してシートベルト51の良好な装着状態を保持することができる。また、巻取用回転体59を巻取バネ62の付勢によりシートベルト51の巻き取り方向に回転させるように、ラチェット爪69をラチェット用歯車68から離間させるラチェット操作具67が設けられているで、幼児に装着したシートベルト51を取り外す際には、回転ロック機構66で2本のシートベルト51が繰り出し不能にロックされた状態から、ラチェット操作具67を操作することによって、繰り出された2本のシートベルト51を巻取バネ62の付勢によって自動的に巻き取ることができ、便利である。
また、座部1の前方に足下げ用開口12が設けられ、座部1の左右方向中央部から前方に突出して足下げ用開口12を左右に分離する仕切り壁13が設けられ、仕切り壁13に下方に没入した収納凹部56が設けられ、この収納凹部56に前記ベルト巻取具52が収納保持されているので、幼児座席に座った幼児の股の前方にベルト巻取具52を配置してここから2本のシートベルト51を繰り出すことができ、この点からも、幼児座席に座った幼児にシートベルト51を簡単かつ良好に装着することができる。
また、背凭れ体4にヘッドレスト5が上下調整自在に保持され、ヘッドレスト5の左右両側に一対の連結ベルト53が連結されているので、幼児座席に座る幼児の大きさに合わせてヘッドレスト5と共に連結ベルト53の高さ位置を調整することができ、幼児座席に座った幼児の大きさに合わせてシートベルト51を良好に装着することができる。
また、ベルト巻取具52は巻取ケース58を有しているので、ベルト巻取具52を巻取ケース58内に巻取用回転体59、爪構成部材70、ラチェット用バネ71、回転ロック機構66をコンパクトに収納した状態で、ベルト巻取具52を座部1の前側に簡単に配置することができるし、また、ラチェット操作具67の回動操作によってシートベルト51を繰り出し可能な状態と繰り出し不能な状態とに簡単に切り替えできるようになり、便利である。
上記実施形態によれば、ハンドル85を左右一対の座席側壁21に対して前後に移動調整する場合、回動操作体94を操作して嵌合体87を固定位置Aから固定解除位置Bとに回動にした後、ハンドル85を前後に押圧し又は引っ張ればよく、左右一対の嵌合体87がそれぞれ上下一対の挟持レール86を前後移動する。また、ハンドル85を前後移動させた後は回動操作体94を操作して嵌合体87を固定解除位置Bから固定位置Aに回動すればよく、左右一対の嵌合体87がそれぞれ上下一対の挟持レール86を前後移動不能に固定される。従って、回動操作体94の回動操作によってハンドル85を簡単に前後方向に調整することができる。
しかも、左右一対の座席側壁21に、上下一対の挟持レール86がそれぞれ前後方向に設けられ、嵌合体87が一対の挟持レール86間に前後移動自在に保持されているので、回動操作体94の回動操作によってハンドル85を前後方向に大きな範囲でかつ細かく移動調整することが可能となる。従って、幼児座席に座る幼児の成長に合わせて、ハンドル85を好適な前後位置に簡単に設定できるようになり、幼児座席に座る幼児が小さいときから長期間に亘ってハンドル85を良好に握ることができる。
また、嵌合体87の径方向に対応する外周部に径方向内方に弾性変形可能な変形部93が設けられ、上下一対の挟持レール86は、前後方向に向かう従い互いに離間と接近を繰り返すように波形に形成されているので、嵌合体87を固定解除位置Bに回転したときに嵌合体87の変形部93の弾性変形をうまく利用して嵌合体87を上下一対の挟持レール86間に嵌合保持した状態でスムーズに前後移動させることができるし、また、嵌合体87を固定位置Aに回動したときに、嵌合体87の変形部93が一対の挟持レール86から外れることと、上下一対の挟持レール86の波形形状であることを利用して、一対の挟持レール86間に嵌合体87を前後移動不能に強固に固定することができる。
図14、図15の鎖線及び図20は他の実施形態を示し、十字座金96がロック部材74の第1支持筒77の角筒部77bに外嵌固定されて、ラチェット操作具67の下面側の没入凹部97に収納保持され、巻取ケース58上壁の上面に円弧状の係止凹部98が支持筒77,78廻りに等間隔に複数(図例では4つ)形成され、十字座金96の下面に係止凹部98に係脱自在に係合する円弧状の係合凸部99が設けられ、これにより、ラチェット操作具67乃至ロック部材74をロック位置X2とロック解除位置Y2とに位置決めするようになっている。その他の点は前記図1〜図25の実施形態と同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。
図21〜図23は他の実施形態を示し、ラチェット操作具67の中央部に支持筒101が突設され、支持筒101は基部側の角筒部101aと先端側の円筒部101bとを有し、支持筒101は巻取ケース58の上壁に挿通孔80を介して軸心廻りに回動自在に挿通され、支持筒101の角筒部101aに、円板状の座金103が支持筒101の角筒部101aに軸心廻りに回動不能でかつ軸心方向に移動自在に外嵌されると共にロック部材74が支持筒101の円筒部101bに軸心廻りに回動不能に外嵌されている。座金103とロック部材74とは巻取ケース58内に配置されていて、座金103とロック部材74との間にラチェット用バネ71が支持筒101に外嵌した状態で設けられており、ラチェット用バネ71は座金103を巻取ケース58の上壁下面に当接するように座金103を上方に付勢すると共に、巻取ケース58に対してラチェット操作具67、ロック部材74及び爪構成部材70をラチェット用歯車68(下方)に向けて付勢している。巻取ケース58の上壁下面に係止凹部105が支持筒101廻りに等間隔に複数(図例では4つ)形成され、座金103の上面に係止凹部105に係脱自在に係合する係合凸部106が設けられ、これにより、ラチェット操作具67乃至ロック部材74をロック位置X2とロック解除位置Y2とに位置決めするようになっている。その他の点は前記図1〜図19の実施形態と同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。
図24〜図26は他の実施形態を示し、巻取用回転体59の左右方向に一方側にラチェット用歯車68が設けられ、ラチェット用歯車68の外周を取り囲むようにリング状の爪構成部材70が設けられ、爪構成部材70は一端(上端)が開口したリング状に形成されている。爪構成部材70の一対の開口端部に径方向外方に突出した一対の被操作片109が設けられ、爪構成部材70の内面側であって一対の被操作片109の近傍に前後一対のラチェット爪69が設けられている。
巻取ケース58の上壁の上面側に、ラチェット操作具67が左右方向に移動自在に保持されている。ラチェット操作具67の下面側に、図26に示すように、一対の被操作片109を左右に大きく離間させた状態に保持する左右一対の第1係止溝111と、一対の被操作片109を接離移動可能に保持する左右一対の第2係止溝112と、一対の被操作片109を互いに重合接当させた状態に保持する1つの第3係止溝113とを左右方向に連続状に有している。
而して、ラチェット操作具67を右側(ロック位置X2)に移動操作したとき、図26(ハ)に示すように、第3係止溝113に一対の被操作片109が係合して一対の被操作片109が互いに重合接当させた状態に保持されて、リング状の爪構成部材70が縮小されることにより、ラチェット爪69がラチェット用歯車68に係合した状態で爪構成部材70がラチェット用歯車68側にロックされ、これにより、回転ロック機構66はラチェット爪69をラチェット用歯車68に係合した状態にロックして巻取用回転体59の回転を不能にする。従って、本実施の形態の場合、回転ロック機構66が第3係止溝113と一対の被操作片109とで構成されている。
ラチェット操作具67を左右方向中央部(ロック解除位置Y2)に移動操作したとき、図26(ロ)に示すように、左右一対の第2係止溝112に一対の被操作片109が係合して一対の被操作片109が左右に接離移動自在に保持されて、リング状の爪構成部材70が拡縮可能になることにより、ラチェット爪69がラチェット用歯車68に対して係脱するように爪構成部材70がラチェット用歯車68側から後退可能とされ、これにより、回転ロック機構66によるロックが解除可能になり、2本のシートベルト51が巻取バネ62の付勢に抗してベルト巻取具52から繰り出し可能になる。
ラチェット操作具67を左側(ラチェット解除位置Z2)に移動操作したとき、図26(イ)に示すように、左右一対の第1係止溝111に一対の被操作片109が係合して一対の被操作片109が左右に大きく離間した状態に保持されて、リング状の爪構成部材70が径方向に広がることにより、ラチェット爪69がラチェット用歯車68から離間して、巻取用回転体59を巻取バネ62の付勢により巻き取り方向に回転させる。
その他の点は前記実施の形態の場合と同様の構成であり、前記実施の形態の場合と同様に、2本のシートベルト51をベルト巻取具52に巻き取っておくことができるため、幼児が幼児座席に座る際に従来のようにシートベルト51が邪魔になることがなくなる。また、シートベルト51を幼児に装着する場合は、幼児が幼児座席に座った後にベルト巻取具52からシートベルト51を繰り出して連結ベルト53と連結すればよく、幼児座席に座った幼児に簡単に装着することができる。また、幼児座席に座った幼児にシートベルト51を装着した後に、巻取用回転体59をロックすることにより、幼児座席に座った幼児がいたずら等でベルト巻取具52からシートベルト51を必要以上に繰り出すようなことができなくなり、幼児座席に座った幼児に対してシートベルト51の良好な装着状態を保持することができる。また、幼児に装着したシートベルト51を取り外す際には、回転ロック機構66で2本のシートベルト51が繰り出し不能にロックされた状態から、ラチェット操作具67を操作することによって、繰り出された2本のシートベルト51を巻取バネ62の付勢によって自動的に巻き取ることができる。
なお、前記実施の形態では、座部1を有する座席本体2と背凭れ部3を有する背凭れ体4とを別体に備え、背凭れ部3をリクライニングできるように構成しているが、これに代え、座席本体2側と背凭れ体4側と一体に構成して、座席本体2が互いに固着された座部1と背凭れ部3と左右一対の座席側壁21等を一体に有するように構成してもよい。
また、前記実施の形態では、背凭れ部3にヘッドレスト5が上下調整自在に保持され、ヘッドレスト5の左右両側に一対の連結ベルト53が連結されているが、本願発明が適用される自転車用幼児座席はヘッドレスト5がないものであってもよく、また、ヘッドレスト5の有無に拘わらず、一対の連結ベルト53をヘッドレスト5に代えて背凭れ部3の左右両側に連結するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、座部1の前側に、2本のシートベルト51を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具52が設けられ、背凭れ部3側に左右一対の連結ベルト53が連結されているが、これに代え、座部1の前側に、1本のシートベルト51を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具52を設け、1本のシートベルト51を左右一対の左右一対の連結ベルト53にY字状に連結するようにしてもよい。また、背凭れ部3側に1本の連結ベルト53を連結し、1本の連結ベルト53に2本のシートベルト51をY字状に連結するようにしてもよい。さらに、座部1の前側に、3本以上のシートベルト51を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具52を設け、3本以上のシートベルト51を1本又は複数本の連結ベルト53に連結するようにしてもよいし、背凭れ部3側に3本以上の連結ベルト53を連結し、この3本以上の連結ベルト53を1本又は複数本のシートベルト51に連結するようにしてもよい。また、座部1の前側に、シートベルト51を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具52を複数設けるようにしてもよい。
1 座部
2 座席本体
3 背凭れ部
4 背凭れ体
5 ヘッドレスト
11 本体側壁
12 足下げ用開口
13 仕切り壁
16 底壁
17 背凭れ側壁
20 支軸
21 座席側壁
23 背凭れ係合機構
24 背凭れロック機構
25 背凭れ操作具
27 嵌合凹部
28 嵌合凸部
29 収納部
32 支持ブロック
35 バネ部材
37 係止凹部
38 ロック部材
51 シートベルト
52 ベルト巻取具
53 連結ベルト
54 雄部材
55 雌部材
56 収納凹部
58 巻取ケース
59 巻取用回転体
62 巻取バネ
65 ラチェット機構
66 回転ロック機構
67 ラチェット操作具
68 ラチェット用歯車
69 ラチェット爪
70 爪構成部材
71 ラチェット用バネ
74 ロック部材
85 ハンドル
86 挟持レール
87 嵌合体
88 挿通孔
89 支持筒体
90 支持軸体
93 変形部
94 回動操作体

Claims (6)

  1. 座部(1)と背凭れ部(3)とを有する自転車用幼児座席であって、座部(1)の前側に、シートベルト(51)を繰り出し自在に巻き取るベルト巻取具(52)が設けられ、背凭れ部(3)側に連結ベルト(53)が連結され、互いに着脱自在に連結される雄部材(54)と雌部材(55)とが、前記シートベルト(51)の先端部と連結ベルト(53)の先端部とに振り分けて設けられ、前記ベルト巻取具(52)はシートベルト(51)を巻き取る巻取用回転体(59)を有し、巻取用回転体(59)は巻取バネ(62)によりシートベルト(51)の巻き取り方向に回転自在に付勢され、巻取用回転体(59)の繰り出し方向への回転のみを許して巻き取り方向への回転を不能にするラチェット機構(65)が設けられ、ラチェット機構(65)は巻取用回転体(59)に設けたラチェット用歯車(68)と巻取用回転体(59)の巻き取り方向の回転を不能にすべくラチェット用歯車(68)に係脱自在に係合するラチェット爪(69)を有し、ラチェット爪(69)をラチェット用歯車(68)に係合した状態にロックして巻取用回転体(59)の回転を不能にする回転ロック機構(66)が設けられ、巻取用回転体(59)を巻取バネ(62)の付勢により巻き取り方向に回転させるように、ラチェット爪(69)をラチェット用歯車(68)から離間させるラチェット操作具(67)が設けられていることを特徴とする自転車用幼児座席。
  2. 前記回転ロック機構(66)をロック状態とロック解除状態とに切り換え操作するための切り換え操作具が前記ラチェット操作具(67)で兼用されていることを特徴とする請求項1に記載の自転車用幼児座席。
  3. 座部(1)の前方に足下げ用開口(12)が設けられ、座部(1)の左右方向中央部から前方に突出して足下げ用開口(12)を左右に分離する仕切り壁(13)が設けられ、仕切り壁(13)に下方に没入した収納凹部(56)が設けられ、この収納凹部(56)に前記ベルト巻取具(52)が収納保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用幼児座席。
  4. 背凭れ部(3)に、ヘッドレスト(5)が上下調整自在に保持され、ヘッドレスト(5)の左右両側に前記一対の連結ベルト(53)が連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自転車用幼児座席。
  5. 前記ベルト巻取具(52)は巻取ケース(58)を有し、巻取ケース(58)内に巻取用回転体(59)が回転自在に収納されると共に、前記ラチェット爪(69)を有する爪構成部材(70)がラチェット用歯車(68)に向けて移動自在に保持され、爪構成部材(70)をラチェット用歯車(68)に向けて付勢するラチェット用バネ(71)が設けられ、前記回転ロック機構(66)は、巻取ケース(58)内に設けた係止部(73)と、ラチェット操作具(67)でロック位置(X2)とロック解除位置(Y2)とに回動操作可能なロック部材(38)とを備え、ラチェット操作具(67)でロック部材(38)をロック位置(X2)に回転したときに、ロック部材(38)が係止部(73)に係合することにより、ラチェット爪(69)がラチェット用歯車(68)に係合した状態で爪構成部材(70)がラチェット用歯車(68)側にロックされ、ラチェット操作具(67)でロック部材(38)をロック解除位置(Y2)に回動したときに、ロック部材(38)が係止部(73)から外れることにより、ラチェット爪(69)がラチェット用歯車(68)から外れるように爪構成部材(70)がラチェット用歯車(68)側から後退可能とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自転車用幼児座席。
  6. ラチェット操作具(67)は巻取ケース(58)の外面側に配置され、ラチェット操作具(67)とロック部材(74)とが互いに連結固定されて爪構成部材(70)に対して支持軸廻りに回動可能に連結され、ラチェット操作具(67)を支持軸廻りに回動することにより、ロック部材(38)がラチェット操作具(67)に連動して支持軸廻りにロック位置(X2)とロック解除位置(Y2)に回動し、ロック部材(74)がロック解除位置(Y2)に回動した状態でラチェット操作具(67)を支持軸方向に移動させることにより爪構成部材(70)がロック部材(74)と共にラチェット用歯車(68)から離間してラチェット爪(69)がラチェット用歯車(68)から外れるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の自転車用幼児座席。
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