JP2010250644A - 路車間通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の路車間通信システムは、アップリンク領域を車両進行方向で分割してなる複数の分割領域に対応してアップリンク光を受光可能となるように、投受光器に設けられた複数の受光部と、所定の閾値に基づいて受光部それぞれがアップリンク光を受光しているかいな否かを判定する判定部と、判定部の判定結果に基づいて、車載機のアップリンク光の送信位置を特定する位置特定部とを備えている。前記閾値は、複数の受光部ごとに設定されるとともに、前記閾値の値は、当該閾値の設定される受光部に対応する分割領域の位置が投受光器の位置から遠ざかるにしたがって小さい値に設定されている。
【選択図】図6
Description
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図9に示すように、光ビーコン104のビーコンヘッド(投受光器)108は、通常、その直下よりも上流側よりに通信領域Aが設定されている。光ビーコン(光学式車両感知器)104の「近赤外線式インタフェース規格」によれば、アップリンク情報を受光可能な領域として設定されるアップリンク領域UAは、ダウンリンク情報を送信する領域として設定されるダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分(図9の右側部分)と重複し、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端は互いに一致するものとされている。
このダウンリンク領域DAに車両が進入することで、その車両に搭載された車載機102の投受光器(車載ヘッド)が第1のダウンリンク情報を受信すると、当該車載機102は、自己の車両IDを格納した車線通知情報を含むアップリンク情報の送信を開始する。
現在、実際に運用されている光ビーコン104の通信領域A、特にアップリンク領域UAは、車載機102からのアップリンク情報をより確実に受信するため、例えば図9に仮想線で示すように、前記規格で規定された正式な領域よりもかなり広い領域(例えば、△db′c′で示す領域)になっていることが多い。同様に、ダウンリンク領域DAについても前記規格の領域よりも広く設定されている場合が多い。
このため、この距離情報を利用した安全運転支援の精度も同じように低下することになり、例えば、安全運転支援機能によって、停止線40の手前に停止させるように車両を制動したにも関わらず、停止線40をオーバーして車両が停止するといった事態が起こりうる。
これにより、「距離情報」の始点と実際の車両(車載機)の位置がそれほど大きくずれることがなくなるので、車両の位置を特定する上での精度を高めることができ、ドライバに対する安全運転支援を精度よく行うことができる。
特に、光は、光源から離れるにしたがって発散しその強度が低下するため、受光部に到達したときのアップリンク光の光強度は、当該アップリンク光が送信された分割領域の位置が光ビーコンから遠ければ遠いほど低くなり、受光部の受光レベルも相対的に低くなる。
このように、受光部ごとにPDの受光レベルが相対的に異なると、各受光部の中からアップリンク情報を主に受信した受光部を特定することが困難となり、車両の位置を特定する際の精度の低下を招くおそれがあった。
この結果、複数の受光部の内のいずれの受光部がアップリンク光を受光したかを精度よく特定することができ、アップリンク領域内における車両(車載機)のアップリンク光の送信位置に関する特定精度の低下を抑制することができる。
この結果、複数の受光部の内のいずれの受光部がアップリンク光を受光したかを精度よく特定することができ、アップリンク領域内における車両(車載機)の位置に関する特定精度の低下を抑制することができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の第一の実施形態に係る路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、この路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する各車両Cに搭載された車載機2とを備えて構成されている。
交通管制システム1は、管制室に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4とを有している。光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で双方向通信を行う。
光ビーコン4は、電話回線等の通信回線5を介して中央装置3と接続された通信インタフェースである通信部6と、この通信部6が接続されたビーコン制御機7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図例では4つ)のビーコンヘッド(投受光器)8とを備えている。
各ビーコンヘッド8は、発光ダイオード(LED)により構成される投光部10と、フォトダイオード(PD)により構成される複数の受光部9とを筐体の内部に収納している(図3参照)。
また、複数の受光部9は、車載機2からの近赤外線よりなるアップリンク光UO(アップリンク情報35を構成する光信号)を受光するものであり、それぞれ、後述するアップリンク領域UAの各分割領域UA1〜UA4に対応して設けられている。
なお、このビーコン制御機7による路車間通信の内容については後述する。
なお、上記判定部50、及び位置特定部51の処理内容についても後述する。
各ビーコンヘッド8の投光部10は、各車線R1〜R4の直下よりも車両進行方向の上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該ヘッド8の上流側に設定されている。
図3は、光ビーコン4の通信領域Aを示す側面図である。
図3に示すように、光ビーコン4の通信領域Aは、車載機2の投受光器である車載ヘッド27がダウンリンク情報を受信することができるダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、光ビーコン4のビーコンヘッド8が車載ヘッド27からのアップリンク情報を受信することができるアップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
従って、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端cは互いに一致し、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分(図3の右側部分)と重複している。また、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは通信領域A全体の同方向長さと一致している。
また、アップリンク領域UAの下流端bから同領域UAの上流端cまでの距離は1.6mと規定されている。従って、正式な通信領域Aの車両進行方向の全長(ac間の長さ)は3.7mとなる。
このようにアップリンク領域UA及びダウンリンク領域DAが広くなると、車載機2と光ビーコン4との間のアップリンク情報35及びダウンリンク情報34,36の送受信の確実性が増すことになる。
ビーコンヘッド8に設けられた4つの受光部9(図1参照)は、それぞれアップリンク領域UAの各分割領域UA1〜UA4を受光領域としている。従って、例えば、最も上流側に位置する分割領域UA1内で車載ヘッド27から送信されたアップリンク光UOは、この分割領域UA1に対応する受光部9によって受光される。
図4は、光ビーコン4と路車間通信する前記車載機2と、この車載機2が搭載された車両Cの概略構成図である。
図4に示すように、この車両Cは、ドライバの搭乗席(図示せず)を有する車体21と、この車体21に搭載された前記車載機2と、車両Cの各部を統合制御する電子制御装置(ECU)22と、車体21を駆動するエンジン23と、車体21を制動するブレーキ装置24と、車両Cの現時の速度を常時検出している速度検出器25とを備えている。
車載機2は、車載コンピュータ26と、このコンピュータ26のセンサ用インタフェースに接続された車載ヘッド(投受光器)27と、搭乗席のドライバに対するヒューマンインタフェースとしてのディスプレイ28及びスピーカ装置29とを備えている。
車載コンピュータ26は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するプログラマブルなマイコンよりなり、車載ヘッド27による光ビーコン4との路車間通信の制御処理を行う。
図5は、受光部とビーコン制御機の回路構成の一例を示すブロック図である。図5において、4つの受光部9は、それぞれが互いに独立して機能するフォトダイオードを並べてビーコンヘッド8に配置することによって構成されており、各分割領域UA1〜UA4に対応している。4つの受光部9(以下、フォトダイオードPD1〜PD4ともいう)の内、フォトダイオードPD1は、最上流側の分割領域UA1に対応しており、フォトダイオードPD2〜PD4は、それぞれ、上流側から2番目、3番目、及び4番目の分割領域UA2〜UA4に対応している。
なお、フォトダイオードPD1〜PD4は、独立した基板からなるフォトダイオードを複数並べて配置することもできるし、単一の基板上に、互いに独立して機能するフォトダイオードを複数並べて配置されたものを用いることもできる。
各増幅回路42の出力側は単一の加算器43に接続され、この加算器43の出力側にはコンパレータ44が接続されている。
各増幅回路42からの出力電圧は、加算器43で1つのアナログ信号に重畳される。さらに、加算器43から出力される前記アナログ信号は、コンパレータ44によってデジタル信号に変換されてビーコン制御機7の処理プロセッサ45に送られる。処理プロセッサ45は、コンパレータ44から送られるデジタル信号からアップリンク情報35に含まれるデータ信号や通信制御信号を抽出する。
処理プロセッサ45は、A/Dコンバータ47のデジタル信号からフォトダイオードPD1〜PD4それぞれの受光レベルを取得し、これら受光レベルを所定の閾値と比較することで、アップリンク光UOを受光しているか否かをフォトダイオードPD1〜PD4それぞれについて判定する。
さらに処理プロセッサ45は、その判定結果に基づいて、フォトダイオードPD1〜PD4の内のいずれか一つのフォトダイオードをアップリンク光UOを受光した受光フォトダイオードとして特定し、アップリンク光UOを送信したときの車載機2の送信位置を特定する。
記憶装置48は、上記各機能に関するコンピュータプログラムを備えるとともに、フォトダイオードがアップリンク光UOを受光しているか否かを判定するための上記閾値を記憶している。
次に、ビーコン制御機7の判定部50及び位置特定部51が行う処理内容について説明する。図6は、車載機2がアップリンク光UOを送信したときの送信位置と、そのアップリンク光UOを受光したときの各受光部9(フォトダイオードPD1〜PD4)の受光レベルとの関係を示したグラフである。
また、各線図V1〜V4は、それぞれ、車載機2によるアップリンク光の送信位置と、そのときのフォトダイオードPD1〜PD4の受光レベルとの関係を測定した結果の一例を示している。
また、フォトダイオードの受光レベルは、アップリンク光UOを受光する受光面積に応じて変化する。
このため、各フォトダイオードPD1〜PD4の受光レベルを示す線図V1〜V4は、図6に示すように、車載機2が上流側から下流側に向かって進行するにしたがって増加して最大値に達し、最大値を越えると車載機2の進行にしたがって減少する山形に現れている。
また、各フォトダイオードPD1〜PD4は、並べて配置されているので、互いに隣接配置されているフォトダイオード同士の境界付近では、両者ともアップリンク光UOを受光するので、それら両者とも受光レベルのレベルも互いに隣接配置されている関係にあるフォトダイオードの同士の線図は互いに重なるように現れている。
すなわち、一般に、光はその光源から離れるにしたがって発散しその強度が低下するため、フォトダイオードに到達したときのアップリンク光UOの光強度は、当該アップリンク光UOが送信されたときに車載機2が位置する分割領域がビーコンヘッド8から遠ければ遠いほど低くなる。加えて、フォトダイオードは、受光する光の強度が高ければその受光レベルも高まるため、図6のように、最上流側に位置することで、最もビーコンヘッド8から遠い位置に設定される分割領域UA4に対応するフォトダイオードPD4の受光レベルの最大値は、他のものと比較して最も小さく現れており、対応する分割領域が順次ビーコンヘッド8に近づくにしたがって受光レベルの最大値が大きくなり、最もビーコンヘッド8に近い位置に設定される分割領域UA1に対応するフォトダイオードPD1の受光レベルの最大値は、他のものと比較して最も大きく現れている。
つまり、フォトダイオードPD1〜PD4それぞれの受光レベルを踏まえ、本実施形態においては、フォトダイオードがアップリンク光UOを受光しているか否かを判定するための閾値について、フォトダイオードPD1〜PD4ごとに設定し、道路R上の分割領域UA1〜UA4を画定している。
処理プロセッサ45は、フォトダイオードPD1〜PD4ごとに、アップリンク光UOを受光しているか否かを判定することで、受光したアップリンク光UOが分割領域UA1〜UA4の内、いずれの分割領域から送信されたものであるかを認識することができ、この結果、アップリンク光UOを送信したときの車載機2の送信位置を特定することができる。
また、これら閾値vth1〜vth4の内、閾値vth4が最も大きい値に設定されており、以下、閾値vth32〜vth1の順で、順次小さくなるように設定されている。すなわち、閾値vth1〜vth4の各値は、各閾値vth1〜vth4のそれぞれ設定されるフォトダイオードPD1〜PD4に対応する分割領域UA1〜UA4の位置がビーコンヘッド8の位置からより遠い位置であるものから順に小さい値となるように設定されている。これら閾値vth1〜vth4は、記憶装置48に記憶格納されており、処理プロセッサ45は必要に応じて参照することができる。
ビーコンヘッド8に近づいてくる車載機2が、図6中、距離g0の位置よりも遠い位置にあるときは、いずれのフォトダイオードもアップリンク光UOを受光しないので、各フォトダイオードPD1〜PD4の受光レベルは、全て「0」である。このため、処理プロセッサ45は、いずれのフォトダイオードPD1〜PD4においても、アップリンク光UOを受光していると判定しない。
このため、距離g1と距離g2との間に車載機2が位置する場合には、処理プロセッサ45は、フォトダイオードPD1のみでアップリンク光UOを受光していると判定する。
従って、フォトダイオードPD1のみでアップリンク光UOを受光していると処理プロセッサ45が判定すれば、車載機2がフォトダイオードPD1に対応する分割領域UA1(距離g1と距離g2との間)に位置すると判断することができる。
この距離g2と距離g3との間の領域は、フォトダイオードPD1に対応する分割領域UA1と、フォトダイオードPD2に対応する分割領域UA2とが互いの境界において重複している重複領域であり、フォトダイオードPD1とPD2とがアップリンク光UOを受光していると処理プロセッサ45が判定した場合、車載機2が分割領域UA1と分割領域UA2とが重複する重複領域(距離g2と距離g3との間)に位置すると判断することができる。
さらに、分割領域UA1とUA2との間の重複領域においては、フォトダイオードPD1及びPD2それぞれの受光レベルを比較し、アップリンク光UOを送信した車載機2の位置が、重複領域内において、いずれの分割領域寄りであるかを処理プロセッサ45に特定させることもできる。
処理プロセッサ45は、フォトダイオードPD1〜PD4それぞれについて受光判定を行い、その判定結果から、受光したアップリンク光UOが分割領域UA1〜UA4の内、いずれの分割領域(又は重複領域)から送信されたものであるかを認識することができ、この結果、アップリンク光UOを送信したときの車載機2の送信位置を分割領域UA1〜UA4の単位、あるいはそれよりも細かい単位で特定することができる。
図7は、通信領域Aにおいて、ビーコンヘッド8と車載ヘッド27との間で行われる双方向での路車間通信の手順を示している。以下、図7を参照しつつ、本実施形態の路車間通信の内容を説明する。
なお、この段階では、車線通知情報には未だ車両IDは格納されていない。
この際、車載機2の車載コンピュータ26は、当該車両Cが実際の通信領域A内に存在していることを認識する。その後、車載コンピュータ26は、アップリンク情報35の送信を開始し(図7のF2)、このアップリンク情報35をビーコンヘッド8に対して所定の送信周期(アップリンク送信周期)で送信する(図7のF3)。
また、車載コンピュータ26は、光ビーコン4のビーコン制御機7がダウンリンクの切り替えを行ったことを認識するまで、当該アップリンク情報35を送信し続ける。
このため、異なる車線R1〜R4を走行する各車両Cの車載コンピュータ26は、その格納フィールド内のいずれに自車両の車両IDが含まれるかを判断することにより、自車両がどの車線R1〜R4を走行しているかを認識できる。
この支援情報には、光ビーコン4より下流側の信号機の灯色が変わるタイミング情報である信号情報の他、位置特定部51が特定した送信位置に基づく、アップリンク領域UAからその下流側の所定位置(例えば、停止線)までの距離に関する距離情報等が含まれている。
前記規格によれば、第2のダウンリンク情報36は、1〜80個の最小フレーム37で構成することができ、送信可能時間は250msに設定されている。また、このダウンリンク情報36は送信すべき情報量に対応した任意数の最小フレーム37で構成され、上記送信可能時間の範囲内で繰り返し送信される。
車載機2の車載コンピュータ26は、第2のダウンリンク情報36を受信した時点(図7のF7)で光ビーコン4でのダウンリンクの切り替えを認識し、この時点でアップリンク情報35の送信を停止する。
以下、前記した距離情報の内容と、これに基づいて車載機2が行う安全運転支援のための距離認識について説明する。
本実施形態のビーコン制御機7では、通信領域A内の各基準位置P1〜P4から、その下流側の所定位置P0までの距離L1〜L4(図3参照)の内のいずれかの数値よりなる距離情報が、予め記憶装置48に記憶されている。
図3に示すように、上記距離L1〜L4の下流端である所定位置P0は、光ビーコン4の下流側に設置された、例えば信号機手前の停止線40の位置に設定されている。
なお、各分割領域UA1〜UA4において、互いに隣接する分割領域の境界に位置する重複領域に対しても基準位置が設定されるが、図3では、その説明を省略している。
例えば、図3に示すように、ビーコンヘッド8が最上流側の分割領域UA4において車載機2が送信したアップリンク光UO(図3の実線矢印)を受光した場合、ビーコン制御機7は、アップリンク光UOを受光した受光フォトダイオードがフォトダイオードPD4であると特定するとともに、当該アップリンク光UOからアップリンク情報35を取得する。さらに、ビーコン制御機7は、その分割領域UA4に対応する距離L4を距離情報として選択し、ダウンリンクの切り換えを行った上で、その距離情報を、投光部10を介して車載機2に送信する。
このように、ビーコン制御機7は、受光フォトダイオードとして特定されたフォトダイオード(又はアップリンク光UOを送信したときの車載機2の送信位置として特定された分割領域)に応じて距離情報を特定し、この距離情報をダウンリンク情報36に含めてダウンリンクの切り替えを行う制御部としての機能も併有している。
図4に示すように、上記距離情報を含む第2のダウンリンク情報36を車載ヘッド27が受信すると、車載コンピュータ26の距離認識部30は、そのダウンリンク情報36のフレームに含まれている距離情報(距離L1〜L4)を、停止線40までの距離として認識する。車載コンピュータ26の支援制御部32は、距離認識部30が認識した距離情報を利用してドライバに対する安全運転支援を行う。
ECU22は、当該減速度となるようにブレーキ装置24を作動させ、これにより、車両Cを停止線40の手前で自動停止させることができる。
例えば、支援制御部32により、停止線40までの補正済み距離Lをディスプレイ28に表示させてもよい。また、現時の車両Cの走行速度が速すぎる場合には、支援制御部32により、停車や減速を促す注意喚起をディスプレイ28に表示させたり、その注意喚起をスピーカ装置29から音声出力させたりしてもよい。
ここで、信号情報とは、交通信号機が表示する現在又は将来の信号灯色に関する情報を指し、各信号灯色の表示継続予定期間や表示する順序等に関する情報(表示予定情報)等を含む。例えば、「現在灯色が青信号で継続予定時間が5秒であり、次の灯色が黄信号で継続予定時間が8秒であり、その次の灯色が右折青矢印灯で継続予定時間10秒である」といった情報である。
そして、例えば、現在の信号灯色は青信号であるが、停止線40に到着する時点で信号灯色が赤信号と予測されるような場合には、安全に停止線40の手前で停止することができるように、車両Cを制動するための制御を行う。逆に、減速しなければ安全に交差点を通過できると判断できるような場合には、車両Cの速度を維持するための制御を行うことができる。
また、支援制御部32では単に制動や速度維持に関する情報を生成し、その情報をECU22に通知することによってECU22でブレーキ装置24やアクセルを制御するものであってもよい。すなわち、支援制御部32は、間接的な制御を行うものであってもよい。また、支援制御部32は、車載装置の主導による制御のみならず、ブレーキアシストなど、ドライバの運転動作を補助する動作をしても良い。
安全運転の支援については、不適切なタイミングや内容でドライバに情報を通知することのないようなヒューマンインタフェースとするため、例えば低速走行時には音声や画像表示による報知を行わないようにすることができる。
また、信号情報は、光ビーコンから取得するものであってもよいし、光ビーコン以外のインフラ装置等から取得するものであってもよい。
この結果、フォトダイオードPD1〜PD4の内のいずれのフォトダイオードがアップリンク光UOを受光したかを精度よく特定することができ、アップリンク領域UA内における車載機2の送信位置に関する特定精度の低下を抑制することができる。
このため、車載機2の送信位置に基づいて選択される距離情報をダウンリンク光DOに含めて車両に送信するといったことにより、車載機2の位置に関して高い精度の情報を提供することができる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る路車間通信システムにおいて、車載機がアップリンク光を送信したときの送信位置と、そのアップリンク光を受光したときの各受光部の受光レベルとの関係を示したグラフである。
なお、図8中、太線で示した線図V5〜V8は、本実施形態における各フォトダイオードPD1〜PD4の受光レベルを示したもの、細線で示した線図は、各線図に対応する第1の実施形態における受光レベルを示したものである。
一方、本実施形態では、図8の太線で示した線図V5〜V8に示すように、各フォトダイオードPD1〜PD4の受光レベルの最大値がほぼ一定となるように、各増幅回路42の増幅率がフォトダイオードPD1〜PD4ごとに個別に設定されている。
つまり、各フォトダイオードPD1〜PD4に接続された増幅回路42それぞれの増幅率は、当該増幅率の設定されるフォトダイオードPD1〜PD4に対応する分割領域の位置がビーコンヘッド8から遠ざかるにしたがって大きい値に設定されている。
これに伴い、アップリンク光UOを受光しているか否かを判定に際して、各フォトダイオードPD1〜PD4に対して、同一の閾値vth5が設定されている。
処理プロセッサ45は、フォトダイオードPD1〜PD4それぞれについて受光判定を行い、その判定結果から、受光したアップリンク光UOが分割領域UA1〜UA4の内、いずれの分割領域(又は重複領域)から送信されたものであるかを認識することができ、この結果、アップリンク光UOを送信したときの車載機2の送信位置を分割領域UA1〜UA4の単位、あるいはそれよりも細かい単位で特定することができる。
この結果、フォトダイオードPD1〜PD4の内のいずれのフォトダイオードがアップリンク光UOを受光したかを精度よく特定することができ、アップリンク領域UA内における車載機2の送信位置に関する特定精度の低下を抑制することができる。
このため、車載機2の送信位置に基づいて選択される距離情報をダウンリンク光DOに含めて車両に送信するといったことにより、車載機2の位置に関して、高い精度の情報を提供することができる。
更に、距離情報を構成する距離L1〜L4の下流端については、停止線40のほか、信号機の設置位置や車両感知器の位置としてもよい。
また、本実施形態における距離情報は、所定位置P0までの距離の値を直接格納する形式に限られず、所定位置P0までの距離を一意に決定しうる情報であれば、どのような形式であってもよい。
例えば、始点となるアップリンク領域UA内の所定位置(例えばアップリンク領域UAの上流端c)からその直近のノードまでの距離、各ノード間の距離、及び、所定位置P0直近のノードから所定位置P0までの距離によって距離情報を構成することができる。この場合、この距離情報を受信した車載コンピュータ26は、各距離の合計値を求めることで、所定位置P0までの距離を認識することができる。
例えば、距離情報は、アップリンク領域UA内の基準位置P1〜P4に関する位置情報と、所定位置P0の位置情報と、位置特定部50が求めたアップリンク光UOの送信位置とで構成し、これらの絶対位置に基づいて、車載機2の距離認識部30が自身で距離を算出してもよい。
また、所定位置P0の地点を含む道路の形状を示す道路形状情報や詳細な地図情報と、当該道路上又は地図上であって、本発明によって得られるアップリンク領域UA内の位置に対応する位置情報とを光ビーコン4が送信し、この情報をもとに車載機2が所定位置P0までの距離を取得する方法を用いてもよい。
更に、車載コンピュータ26の各機能部30,32は、車両Cの電子制御装置(ECU)に組み込むこともできる。
上記各実施形態では、通信領域A(特に、アップリンク領域UA)が、光ビーコンの「近赤外線式インタフェース規格」よりも広いものとして説明しているが、通信領域Aは、当該規格に準じた寸法に設定されていてもよい。
2 車載機
4 光ビーコン
7 ビーコン制御機
8 ビーコンヘッド(投受光器)
9 受光部
10 投光部
34 第1のダウンリンク情報
35 アップリンク情報
36 第2のダウンリンク情報
42 増幅回路
45 処理プロセッサ
48 記憶部
50 判定部
51 位置特定部
A 通信領域
C 車両
R 道路
UA アップリンク領域
UA1〜UA4 分割領域
UO アップリンク光
Claims (6)
- 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲に通信領域が設定された投受光器を有する光ビーコンとを備え、前記通信領域において前記車載機と前記光ビーコンの投受光器との間で光信号による双方向通信を行う路車間通信システムであって、
前記通信領域に含まれるアップリンク領域を車両進行方向に分割してなる複数の分割領域に対応してアップリンク光を受光可能となるように、前記投受光器に設けられた複数の受光部と、
前記複数の受光部それぞれの受光レベルを取得し、前記アップリンク光を受光しているか否かを判定するための閾値よりも前記受光レベルが大きい受光部について、アップリンク光を受光していると判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、アップリンク領域内における前記車載機のアップリンク光の送信位置を特定する位置特定部と、を備え、
前記閾値は、前記複数の受光部ごとに設定されるとともに、前記閾値の値は、当該閾値の設定される受光部に対応する分割領域の位置が前記光ビーコンの位置から遠ざかるにしたがって小さい値に設定されていることを特徴とする路車間通信システム。 - 前記光ビーコンが、アップリンク光を受光した後に所定のダウンリンク情報を前記投受光器に送信させる通信制御部を有し、
前記所定のダウンリンク情報が、前記位置特定部により特定される前記送信位置からその下流側の所定位置までの距離に関する距離情報を含んでいる請求項1に記載の路車間通信システム。 - 前記位置特定部は、互いに隣接する2つの分割領域に対応する2つの受光部によって前記アップリンク光が同時に受光されたとき、前記車載機のアップリンク光の送信位置を、前記2つの分割領域の境界部と特定する請求項1又は2に記載の路車間通信システム。
- 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲に通信領域が設定された投受光器を有する光ビーコンとを備え、前記通信領域において前記車載機と前記光ビーコンの投受光器との間で光信号による双方向通信を行う路車間通信システムであって、
前記通信領域に含まれるアップリンク領域を車両進行方向に分割してなる複数の分割領域に対応してアップリンク光を受光可能となるように、前記投受光器に設けられた複数の受光部と、
前記複数の受光部それぞれの受光レベルを増幅して出力する増幅部と、
前記複数の受光部それぞれの増幅された受光レベルに基づいて、前記複数の受光部それぞれがアップリンク光を受光しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、アップリンク領域内における前記車載機のアップリンク光の送信位置を特定する位置特定部と、を備え、
前記増幅部は、前記複数の受光部それぞれの受光レベルを、当該複数の受光部ごとに設定された増幅率で増幅するものであり、
前記増幅率は、当該増幅率の設定される受光部に対応する分割領域の位置が前記光ビーコンの位置から遠ざかるにしたがって大きい値に設定されていることを特徴とする路車間通信システム。 - 前記光ビーコンが、アップリンク光を受光した後に所定のダウンリンク情報を前記投受光器に送信させる通信制御部を有し、
前記所定のダウンリンク情報が、前記位置特定部により特定される前記送信位置からその下流側の所定位置までの距離に関する距離情報を含んでいる請求項4に記載の路車間通信システム。 - 前記位置特定部は、互いに隣接する2つの分割領域に対応する2つの受光部によって前記アップリンク光が同時に受光されたとき、前記車載機のアップリンク光の送信位置を、前記2つの分割領域の境界部と特定する請求項4又は5に記載の路車間通信システム。
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