JP2010249882A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アルカリ水溶液によりパターン形成が可能な感光性樹脂組成物に係り、エンジニアリングプラスチックを用いなくても、高い耐熱性を有するコーティング膜を得ることができる感光性樹脂組成物に関するものである。
従来、感光性を有する耐熱性樹脂組成物として、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸に対して、アクリル基又はメタクリル基を有する第三級アミン化合物をイオン結合で導入したもの(例えば、特許文献1参照。)や、アクリル基又はメタクリル基を有する化合物をエステル結合で導入したもの(例えば、特許文献2参照。)等が知られていた。これらはいずれもネガ型のパターン形成能を有しており、半導体素子を中心とした電子デバイスの製造時に保護膜として利用されてきた。
しかし、これらの感光性樹脂組成物では、パターン形成時に極性の高い有機溶剤を用いることが必要であり、産業廃棄物、環境問題の点から好ましくなかった。さらにこれらの樹脂は、有機溶剤に対する膨潤性が高いため、微細なパターンを形成することが困難であった。
このような問題に対してポリイミド樹脂と同等の耐熱性を有するポリベンゾオキサゾール樹脂に感光剤としてジアゾナフトキノン化合物を添加したポジ型感光性樹脂が使用されるようになってきた(例えば、特許文献3参照。)。
このポジ型感光性樹脂は、アルカリ水溶液によりパターン形成が可能であるため、有機溶剤を使用する必要がなく、さらに、アルカリ水溶液に対する膨潤性が低いため、微細なパターン形状が得られることが知られている。
しかし、上記のポジ型感光性樹脂は、構造上、樹脂骨格中にフッ素原子を含んでおり、高い製品信頼性が求められる半導体デバイスにおいて金属配線又は金属電極近傍にコーティングした場合、樹脂中より溶出するフッ素イオンにより金属コロージョンを引き起こし、半導体デバイスの電気特性を著しく低下させる原因となっていた。
ところで、従来、半導体素子上にコーティングされる保護膜は上記したポリイミド樹脂やポリベンゾオキサゾール樹脂のような超高耐熱なエンジニアリングプラスチックが一般的であったが、これらの原材料は非常に高価であり、かつ、合成方法が複雑な上、高度な精製技術が必要とされていた。
これらの樹脂は、その使用が半導体製品の価格競争力を低下させる原因となっているため、代替材料の開発が急務となっており、アルカリ水溶液でパターン形成することが可能で、かつ、安価なポジ型感光性樹脂組成物の開発が強く望まれている。さらに、金属コロージョンを引き起こさないように、樹脂中にフッ素原子を含有しない樹脂組成物が求められていた。
本発明の目的は、従来の感光性樹脂組成物が有していた、上記の欠点を解消し、アルカリ水溶液にてパターン形成が可能で、かつ、ポジ型の感光性を有する耐熱性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、後述する特定の感光性樹脂組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、その硬化物が、アルカリ水溶液でパターン形成が可能であって、耐熱性が高く、かつ、パターン形成した際には、解像性の高いパターンが得られるため、半導体素子の保護膜として有用である。さらに、この感光性樹脂は、合成が容易で、精製をしなくても感光性樹脂として使用することができるため、従来に無い安価な材料として提供することができる。
本発明に用いられる(A)感光性樹脂は、次の一般式(I)で表わされる感光性樹脂
(但し、式中、R1は水素原子又は酸により分解可能な有機基であり、R2〜R5はそれぞれ水素原子、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれた同一又は異なる1価の原子又は基であり、m及びnは1以上の整数を表す)である。
ここで、R1における酸により分解可能な有機基としては、この有機基が酸により分解することで、アルカリ水溶液に対して感光性樹脂を不溶性から溶解性に変質させることができるものであればよく、例えば、次に示すような一価の有機基が挙げられる。
この置換基R1は、繰り返し単位中で上記1種類が用いられていても、複数種が混在して用いられていてもよく、t−ブトキシカルボニル基であることが好ましい。
また、置換基R2〜R5はそれぞれ水素原子、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれた同一又は異なる1価の原子又は基が用いられるが、これらについても、繰り返し単位中で1種類が単独で用いられていても、複数種が混在して用いられていてもよい。例えば、感光性樹脂の置換基R2〜R5の全てが水素原子である繰り返し単位(a)と、感光性樹脂の置換基R2〜R5の少なくとも1つが水酸基又はカルボキシル基であり、その他が水素原子である繰り返し単位(b)と、が混在していることが好ましく、このとき、これらの繰り返し単位の割合a/a+bが、0.3〜0.6の範囲であることがより好ましい。
この(A)感光性樹脂は、一般にラジカル重合法により合成することができ、例えば、次の一般式(II)で示されるスチレン誘導体と、次の一般式(III)で示されるN−フェニルマレイミド誘導体と、を共重合させて得ることができる。
(但し、式中、R1は水素原子又は酸により分解可能な有機基であり、R2〜R5はそれぞれ水素原子、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選ばれた同一又は異なる1価の原子又は基である)
特に、コーティングを目的とした場合には溶液重合による均一反応が適している。この(A)感光性樹脂の製造における熱重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、具体的には、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ化合物;等が挙げられる。これら熱重合開始剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このとき、重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。重合開始剤が少なすぎると、重合させるのに時間がかかったり、充分な重合が起こりにくかったりするため、充分な強度が得られなくなる場合がある。一方、重合開始剤について上記範囲を超えて配合すると、不経済になるほか、塗膜が着色してしまったり、強度が低下してしまったりする虞がある。
重合中は酸素による反応の阻害を極力抑制するため、不活性な雰囲気で反応を進める必要がある。不活性ガスとしては、一般的に使用されるものであれば構わないが、窒素又はアルゴン気流化で反応させることが好ましい。また、反応活性な酸素を遮断する目的で減圧、真空下で反応を進めることも可能である。
また、反応温度としては用いる重合開始剤の分解温度前後とすることが望ましい。例えば、2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)を用いた場合の反応温度は50〜90℃、より好ましくは60〜80℃が望ましい。反応温度が高い場合、重合する樹脂の分子量が低くなるばかりでなく、得られるコーティング膜の強度が低下してしまう。
反応時間としては反応温度との関係があるが、一般的に、3〜10時間程度が必要である。上記した2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)を用いた場合、反応温度70℃で反応時間としては6〜10時間であることが好ましい。
このような重合反応により得られる本発明の(A)感光性樹脂において、その重合度m及びnはそれぞれの成分が等量反応して得られるものであるから等しく、(A)感光性樹脂成分の質量平均分子量は10000〜100000であることが好ましい。
また、(B)活性光線により酸性化合物に変化する光酸発生剤は、紫外線等の活性光線が照射されることにより酸性化合物へと変化するものであり、この酸性化合物が触媒となって、樹脂組成物の露光部と非露光部との現像液に対する溶解度を変化させる反応が生じる。
このような光酸発生剤としては、例えば、従来公知の以下の化合物が挙げられる。
これらの化合物は、本発明において好ましいものであるが、活性光線の照射によって分解し、効率よく酸を発生するものであれば上記構造に限定されずに、他の化合物を用いることもできる。
また、これら化合物は、単独又は混合して使用することが可能であり、その添加量は、(A)感光性樹脂 100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。0.1質量部未満では紫外線に対する感度が低く、20質量部を超えると得られるコーティング膜の特性が低下してしまう。
次に、(C)有機溶剤としては、(A)感光性樹脂を溶解することができるものであればよく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N´−ジメチルアセトアミド、N,N´−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸、THF等が使用でき、単独又は混合して使用することができる。
これらの有機溶剤は、樹脂合成時の重合反応における溶剤を兼ね、ラジカル重合が十分に進行し、かつ、生成する樹脂を容易に溶解することができるものであれば上記した溶剤に限定されるものではない。
また、(A)感光性樹脂と(C)有機溶剤の混合比率は、最終的に提供する感光性樹脂組成物の適用粘度に合わせて調整することが可能であるが、例えば、(C)有機溶剤 100質量部に対して(A)感光性樹脂を5〜50質量部の範囲で調整することが好ましい。5質量部以下の場合には粘度が低く、ピンホールやハジキの原因となる場合があり、また、50質量部を超える場合には粘度が高く適正な膜厚をコーティングすることが困難となる場合がある。
これらの溶剤の添加量は、本発明の樹脂組成物における他の構成成分をシリコンウェハーに塗布するのに適した粘度に溶解することができるものであればよく、その配合量も適宜決定すればよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記した(A)〜(C)成分を混合し、均一に撹拌して得られるものであるが、これらの成分の他、必要に応じてレベリング剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤、粘度調整剤等の各種添加剤を配合することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物の使用方法について説明する。例えば、半導体デバイスへの適用を考えた場合、まずこの感光性樹脂組成物を、対象とする基材(例えばウェハー)上にスピンコーターなどを用いてコーティングする。次に80〜140℃程度、望ましくは100〜130℃にて塗膜を乾燥させる。塗膜を乾燥させる方法としては、例えばホットプレートやオーブン等を用いる方式が挙げられる。
得られた塗膜上にパターンが描画されているマスクを介して、i線(365nm)、g線(436nm)などの活性光線を照射する。次いで、80〜140℃、望ましくは100〜130℃で加熱処理を行い、さらに、現像液を供給して紫外線の照射部だけを溶解して現像する。
現像方式としてはスプレー、パドル、浸漬、超音波等の公知の方式を使用することができ、このとき、現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド等の4級アンモニウム塩類や、エチルアミン、n−プロピルアミン、コリン等のアミン系のアルカリ水溶液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ類等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を混合した溶液を用いてもよい。現像した後は、純水を用いてリンス洗浄を行い、スピンドライにて乾燥させる。
これらの処理によって対象ウェハー上には所望するポジ型パターンを得ることができ、さらに、塗膜を150〜350℃で加熱処理する事によって熱硬化反応を行い、耐熱性、耐薬品性に優れた塗膜を形成することができる。
この後は、露出した金属箔をエッチングして回路パターンを形成し、塗膜を除去し、封止操作等を行う等の通常の半導体製造工程を行って半導体チップを製造し、得られた半導体チップを適用して半導体デバイスを製造する。
(A)感光性樹脂の合成
原料として、下記に示した化学式で表わされる(a)〜(f)の化合物を用いて(A)感光性樹脂を、以下に説明する手順により合成した。
原料として、下記に示した化学式で表わされる(a)〜(f)の化合物を用いて(A)感光性樹脂を、以下に説明する手順により合成した。
(合成例1)
窒素導入管を備えたガラスフラスコに上記化学式で表わされる(a)、(d)及び(e)の化合物を、モル比で1:0.5:0.5、かつ、(a)、(d)及び(e)の合計質量が40gとなるように仕込み、次いで、60gのγ−ブチロラクトンを仕込んだ。窒素流量を100mL/minに調節した後、(a)、(d)、(e)が完全に溶解するまで室温で撹拌した。溶解液をマントルヒーターで70℃に加熱した後、0.5gの2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)を10gのγ−ブチロラクトンに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。
窒素導入管を備えたガラスフラスコに上記化学式で表わされる(a)、(d)及び(e)の化合物を、モル比で1:0.5:0.5、かつ、(a)、(d)及び(e)の合計質量が40gとなるように仕込み、次いで、60gのγ−ブチロラクトンを仕込んだ。窒素流量を100mL/minに調節した後、(a)、(d)、(e)が完全に溶解するまで室温で撹拌した。溶解液をマントルヒーターで70℃に加熱した後、0.5gの2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)を10gのγ−ブチロラクトンに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。
その後、反応液を70℃のまま3時間、80℃に昇温して3時間、撹拌を続け粘調な液体を得た。得られた粘調液体の一部を、大量のメタノールに入れ、激しく撹拌し、白色の固形樹脂〔感光性樹脂(A)〕を得た。この固形樹脂の分子量はGPC(スチレン換算)で測定したところ質量平均分子量が55000であり反応が十分に進行していることが確認された。
(合成例2〜6)
以下、化合物(a)〜(f)を表1に示した樹脂原料の組合せで使用し、合成例1と同様の合成操作により感光性樹脂(B)〜(F)を合成した。
以下、化合物(a)〜(f)を表1に示した樹脂原料の組合せで使用し、合成例1と同様の合成操作により感光性樹脂(B)〜(F)を合成した。
(実施例1)
次に、感光性樹脂組成物の製造操作について説明するが、その際に、光酸発生剤としては、下記に示した化学式で表わされる光酸発生剤(a)及び(b)を使用した。
次に、感光性樹脂組成物の製造操作について説明するが、その際に、光酸発生剤としては、下記に示した化学式で表わされる光酸発生剤(a)及び(b)を使用した。
合成例1で得られた感光性樹脂(A)を含有する粘調液体50gに光酸発生剤(a)を0.5g加えて良く撹拌して完全に溶解したことを確認した。この感光性組成物を用いて、6インチのシリコンウェハー上をスピンコーターによりコーティングし、次いでホットプレート上において100℃で、3分間の加熱乾燥を行った。なお、スピンコーターの回転数は乾燥後の膜厚で8μmとなるように予め調整を行った。
得られたコーティング膜上にステップタブレットマスクを介して365nmの波長を最大で1000mJ/cm2の露光量となるように照射した。露光後の膜付きウェハーを120℃、3分間で加熱処理を行い、さらに、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間の静止パドル現像と純水でリンス洗浄することで樹脂パターンを形成した。
得られたパターン付きウェハーを顕微鏡で観察したところ、最少開口露光量は400mJ/cm2であり、かつ、非常にシャープな樹脂パターンであることが判った。露光時のマスクを解像度が評価できるテストマスクに変えたのみで同様の操作を行い、最少解像度を評価したところ3μmのスペースパターンが開口出来ていることが観察できた。
得られた樹脂パターン付きウェハーを酸素濃度が20ppmで管理された硬化オーブンで150℃から350℃に昇温しながら1時間、350℃で1時間、硬化処理を行った。硬化膜はウェハーに強固に接着しており、また膜表面にクラック等の異常は観察されなかった。硬化後の膜厚を測定したところ6.6μmの厚さが残っており、乾燥後の膜厚と硬化後の膜厚比率が83%であり高い残率であった。さらに、この硬化膜をカッターで削り取り熱分解装置(SII社製;TG/DTA)で分解温度を測定したところ、空気中での分解温度は405℃であり、十分な耐熱性を有していることが判った。これらの結果を表2に示した。
(実施例2〜12)
実施例1と同様の操作により、合成例1〜6で得られた感光性樹脂並びに光酸発生剤(a)及び(b)を組み合わせて用いた感光性樹脂組成物を製造した。このとき得られたサンプルを評価した結果を表2にまとめて示した。
実施例1と同様の操作により、合成例1〜6で得られた感光性樹脂並びに光酸発生剤(a)及び(b)を組み合わせて用いた感光性樹脂組成物を製造した。このとき得られたサンプルを評価した結果を表2にまとめて示した。
○:剥離無し、×:剥離有り
(比較例)
窒素導入管を備えたガラスフラスコにp−ヒドロキシスチレン、t−ブトキシ化−p−ヒドロキシスチレン及びスチレンをモル比で1:0.5:0.5、かつ合計質量が40gとなるように仕込み、次いで60gのγ−ブチロラクトンを仕込んだ。窒素流量を100mL/minに調節した後、固体原料が完全に溶解するまで室温で撹拌した。溶解液をマントルヒーターで70℃に加熱した後、0.5gの2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)を10gのγ−ブチロラクトンに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。
窒素導入管を備えたガラスフラスコにp−ヒドロキシスチレン、t−ブトキシ化−p−ヒドロキシスチレン及びスチレンをモル比で1:0.5:0.5、かつ合計質量が40gとなるように仕込み、次いで60gのγ−ブチロラクトンを仕込んだ。窒素流量を100mL/minに調節した後、固体原料が完全に溶解するまで室温で撹拌した。溶解液をマントルヒーターで70℃に加熱した後、0.5gの2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)を10gのγ−ブチロラクトンに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。
その後、反応液を70℃のまま3時間、80℃に昇温して3時間、撹拌を続けて粘調な液体を得た。得られた粘調液体の一部を、大量のメタノールに入れ、激しく撹拌し、白色の固形樹脂を得た。この固形樹脂の分子量はGPC(スチレン換算)で測定したところ質量平均分子量が35000であり反応が十分に進行していることが確認された。
ここで得られた粘調液体50gに、光酸発生剤(a)を0.5g加えて、良く撹拌して完全に溶解したことを確認した。この感光性樹脂組成物を6インチのシリコンウェハーにスピンコーターを使用してコーティングし、次いで、ホットプレート上で100℃、3分間の加熱乾燥を行った。なお、スピンコーターの回転数は乾燥後の膜厚で8μmとなるように予め調整を行った。
得られたコーティング膜上にステップタブレットマスクを介して365nmの波長を最大で1000mJ/cm2の露光量となるように照射した。露光後の膜付きウェハーを120℃、3分間の加熱処理を行い、さらに2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間の静止パドル現像と純水でリンス洗浄することで樹脂パターンを形成した。
得られたパターン付きウェハーを顕微鏡で観察したところ、最少開口露光量は400mJ/cm2であり、かつ、非常にシャープな樹脂パターンであることが判った。露光時のマスクを解像度が評価できるテストマスクに変えたのみで同様の操作を行い、最少解像度を評価したところ3μmのスペースパターンが開口出来ていることが観察できた。
得られた樹脂パターン付きウェハーを酸素濃度が20ppmで管理された硬化オーブンで150℃から350℃に昇温しながら1時間、350℃で1時間、硬化処理を行った。
ところが、この硬化膜はウェハーから剥れており、接着性に乏しいことが判った。剥れた硬化膜の一部をカッターで削り取り熱分解装置(セイコーインスツル株式会社製、TG/DTA)で分解温度を測定したところ、空気中での分解温度は275℃であり、本発明の実施例と比較して耐熱性が低いものであった。
以上のように、本発明の感光性樹脂組成物は、接着性に優れ、分解温度も高いため耐熱性にも優れ、かつ、残膜率も充分に使用に耐えるものであり、半導体製造に適用するのに適した感光性樹脂組成物であることがわかった。
Claims (4)
- 前記(A)感光性樹脂の置換基R2〜R5の全てが水素原子である繰り返し単位と、前記(A)感光性樹脂の置換基R2〜R5の少なくとも1つが水酸基又はカルボキシル基であり、その他が水素原子である繰り返し単位と、が混在していることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)感光性樹脂の置換基R2〜R5の全てが水素原子である繰り返し単位(a)及び前記(A)感光性樹脂の置換基R2〜R5の少なくとも1つが水酸基又はカルボキシル基で、その他が水素原子である繰り返し単位(b)の存在割合(a/a+b)が0.3〜0.6であることを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)感光性樹脂の質量平均分子量が10000〜100000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014133048A1 (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-04 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び重合体 |
JP2017037300A (ja) * | 2015-08-06 | 2017-02-16 | 東京応化工業株式会社 | 感光性組成物 |
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JP2017044874A (ja) * | 2015-08-26 | 2017-03-02 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 |
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2009
- 2009-04-10 JP JP2009096289A patent/JP2010249882A/ja not_active Withdrawn
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