JP2010247513A - 表面保護フィルム - Google Patents

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Yosuke Nakao
洋祐 中尾
Yuichiro Fukumoto
雄一郎 福本
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Abstract

【課題】本発明は、フィッシュアイが生じにくく、耐ブロッキング性に優れ、巻回体にする際に空気抜けし易く、かつ経時による接着昂進が抑制されている表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】表面粗さが、0.10〜0.30の範囲内である最表層、中間層、および表面粗さが0.1以下である粘着層からなる表面保護フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面保護フィルム、具体的には被保護物の被保護表面に貼り付けて、その表面を傷、埃、汚れ等から保護することを目的とした表面保護フィルムに関するものである。
従来、各種ディスプレイにおいて、光源から放射された光を均一に拡散させることによりディスプレイの視認性を高める目的で用いられる光拡散フィルム等の光学フィルムが用いられている。このような光学フィルムには、その表面の汚れ、傷、埃等を保護する目的で、従来から、ポリエチレン基材等の片面に粘着層が形成された表面保護フィルムが用いられている。また、保護すべき表面を傷つける可能性のあるフィッシュアイが生じにくい表面保護フィルムが求められている。
このような表面保護フィルムとしては、例えば、特許文献1に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂よりなるフィルムまたはシート状物の一方の面に感圧性接着剤層を設けてなることを特徴とする表面保護接着フィルムまたはシートが開示されている。
しかしながら、このような従来の表面保護フィルムを巻回体とした際に、展開性が悪くなってしまう、空気を巻き込み製品の美観を損ねる場合がある、という問題が生じる場合があった。
これらの問題を解決する手段として、基材層の表面粗さを粗くする方法がある。
しかし、基材層の表面粗さを粗くした場合、経時による接着昂進が生じ、保護フィルムを被着体から剥がしにくくなるという、新たな問題が生じていた。
特開昭62−201985号公報
本発明は、フィッシュアイが少なく耐ブロッキング性に優れ、巻回体にする際に空気抜けし易く、かつ経時による接着昂進が抑制されている表面保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、表面粗さが0.10〜0.30の範囲内である最表層、中間層、および表面粗さが0.1以下である粘着層からなる表面保護フィルムによって、上記の課題を解決できることを見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]に記載の表面保護フィルム等に関する。
[1]
表面粗さが0.10〜0.30の範囲内である最表層、
中間層、および
表面粗さが0.1以下である粘着層からなる表面保護フィルム。
[2]
上記最表層が、
ブロックポリプロピレン(A)、および
ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(B)
からなることを特徴とする上記[1]に記載の表面保護フィルム。
[3]
上記ブロックポリプロピレン(A)と上記ポリマー(B)の重量比が、100:0〜10:90の範囲内であること
を特徴とする上記[2]に記載の表面保護フィルム。
[4]
上記中間層が、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(C)
から主としてなること
を特徴とする上記[1]〜上記[3]のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
[5]
上記中間層が、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(C)、および直鎖状低密度ポリエチレン(D)
から主としてなること
を特徴とする上記[1]〜上記[3]のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
[6]
上記粘着層が、1.5以下のスウェル値を有すること
を特徴とする上記[1]〜上記[5]のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
[7]
上記粘着層が、直鎖状低密度ポリエチレン、およびエチレン−酢酸ビニル共重合から選択される1種以上のポリマーから主としてなること
を特徴とする上記[1]〜上記[6]のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
[8]
上記最表層、上記中間層、および上記粘着層が、
上記ブロックポリプロピレン(A)および上記ポリマー(B)からなる溶融混練物(P)、
溶融混練物(Q)、および
溶融混練物(R)
からそれぞれ形成され、
上記溶融混練物(P)と上記溶融混練物(Q)との、周波数1〜10rad/secにおける粘度の傾きの差の絶対値が、0〜150の範囲内であり、かつ
上記溶融混練物(Q)と上記溶融混練物(R)との、周波数1〜10rad/secにおける粘度の傾きの差の絶対値が、0〜150の範囲内であること
を特徴とする上記[1]〜上記[7]のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
本発明によれば、耐ブロッキング性に優れ、巻回体にする際に空気抜けし易く、かつ経時による接着昂進が抑制されている表面保護フィルムが提供される。
図1は、本発明の表面保護フィルムの一態様を示す断面図である。
[定義]
本明細書中、「範囲内」とは、上限の値と下限の値を含むことを意図して用いられる。
本明細書中、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に規定されている、「算術平均高さ」である。「表面粗さRa」は、市販の表面粗さ測定器によって測定することができる。
本明細書中、「メルトインデックス(MI)」は、JIS K6922−2に準拠する方法で測定される値である。
本明細書中、「スウェル値」は、メルトインデクサーを使ったメルトインデックスの測定方法において、溶融した樹脂をノズルから吐出させ、冷却固化後の吐出物の径をノギスで測定し、予め判っているノズル径との比により算出される値である。メルトインデクサーとしては、ユニテスト社製メルトプラストメータMP600を用いることができる。
本明細書中、「粘度」は、動的粘弾性測定装置(例、アントンパール社製、Physica MCR)を用いて、以下の条件によって測定された値である。
[測定条件]
上記溶融混練物(P)の温度:230℃
上記溶融混練物(Q)の温度:230℃
上記溶融混練物(R)の温度:170℃
周波数:0.5〜500rad/sec
振幅ひずみ量:5%
[表面保護フィルム]
本発明の表面保護フィルムは、最表層と中間層とが積層された基材層と、該基材層の中間層側の面に形成された粘着層とから構成される。すなわち、本発明の表面保護フィルムは、図1に示すように、粘着層、中間層および最表層がこの順番に積層された構造を有する。
本発明の表面保護フィルムは、表面粗さが0.10〜0.30の範囲内である最表層、中間層、および表面粗さが0.1以下である粘着層からなる。
[基材層]
上述のように、本発明の表面保護フィルムを構成する層のうち、最表層、および中間層は、基材層を構成する。
[最表層]
本発明の表面保護フィルムにおける最表層は、0.10〜0.30の表面粗さを有する。当該表面粗さが0.10未満であると、ブロッキングが生じやすくなり、および巻回体にする際に空気抜けしにくい恐れがある。一方、当該表面粗さが0.30を超えると、下記の粘着層の表面粗さが当該最表層の表面粗さに影響を受けて高くなる恐れがある。当該表面粗さは、好ましくは0.10〜0.20、より好ましくは、0.10〜0.15である。当該最表層は、適当な表面粗さの観点から好ましくは、ブロックポリプロピレン(A)と、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(B)とからなる。
当該ブロックポリプロピレン(A)と当該ポリマー(B)との重量比は、適当な表面粗さの観点から好ましくは、100:0〜10:90、より好ましくは、30:70〜10:90の範囲内である。
本発明で用いられるブロックポリプロピレンは、好ましくは、例えば、マトリックス−ドメイン構造を有する、ポリプロピレンとエチレンとの共重合体である。このようなブロックポリプロピレンとしては、市販されているものを用いることができ、その例としては、PM580X(サンアロマー社製、MFR:5.0)が挙げられる。当該ブロックポリプロピレンにおけるプロピレンの含有率は、好ましくは80〜97重量%である。
本発明で用いられるランダムポリプロピレンは、好ましくは、例えば、マトリックス−ドメイン構造を有しない、ポリプロピレンとエチレンとの共重合体である。このようなランダムポリプロピレンとしては、市販されているものを用いることができ、その例としては、PF724S(サンアロマー社製、MFR:9.5)が挙げられる。当該ランダムポリプロピレンにおけるプロピレンの含有率は、好ましくは90〜97重量%である。
ホモポリプロピレンは、市販されているものを用いることができ、その例としては、J105G(プライムポリマー社製、MFR:9.0)が挙げられる。
当該最表層は、必要に応じて、層(フィルム)の形成および本発明の効果を妨げない量の、酸化防止剤、帯電防止剤、および防汚付与剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
当該最表層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは4〜15μmの範囲内である。4μm未満であると、被保護物の被保護表面から保護フィルムが剥がれてしまう恐れがあり、15μmを超えると、接着昂進が大きくなり、被保護物の使用時に、その被保護表面から保護フィルムを取り除けなくなる恐れがある。
上記最表層の厚さは、より好ましくは、4〜12μmの範囲内である。
[中間層]
本発明の表面保護フィルムにおける中間層は、表面粗さを低くする観点から好ましくは、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(C)から主としてなる。これにより、当該中間層の表面粗さを低くすることができ、粘着層の表面粗さが中間層の表面粗さに影響を受けて高くなることが抑制される。
ここで、「から主としてなる」とは、中間層における上記ポリマー(C)の含有率が、好ましくは90重量%以上であることを意味する。ただし、フィッシュアイをより少なくできるので、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンを含有しない方が好ましい。
本発明の表面保護フィルムにおける中間層は、上記の表面粗さを低くする観点に加えて、粘着層との高い層間強度を得る観点から好ましくは、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(C)、および直鎖状低密度ポリエチレン(D)から主としてなる。
ここで、「から主としてなる」とは、中間層における上記ポリマー(C)と上記直鎖状低密度ポリエチレン(D)の含有率の合計が、好ましくは90重量%以上であることを意味する。
本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレンとしては、特に限定されないが、JIS K6922−2の方法に従って測定した密度が、870kg/m3〜925kg/m3の範囲内のものが好ましい。このような直鎖状低密度ポリエチレンとしては、市販されているものを用いることができ、その例としては、LLDPE「ウルトゼックス1030L」(プライムポリマー社製、密度:0.909g/cm3、MI:3.8g/cm3、引張弾性率:110MPa)が挙げられる。
上記中間層における上記ポリマー(C)と上記直鎖状低密度ポリエチレン(D)の重量比は、好ましくは95:5〜5:95、より好ましくは90:10〜50:50、更に好ましくは85:15〜75:25である。
本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレンとしては、特に限定されないが、JIS K6922−2の方法に従って測定した密度が、870kg/m3〜925kg/m3の範囲内のものが好ましい。このような直鎖状低密度ポリエチレンとしては、市販されているものを用いることができ、その例としては、LLDPE「ウルトゼックス1030L」(プライムポリマー社製、密度:0.909g/cm3、MI:3.8g/cm3、引張弾性率:110MPa)が挙げられる。
また、中間層は、これらの樹脂に加えて、下記で説明する粘着層または本発明の表面保護シートに類似した表面保護シートの粘着層の成分を含有していてもよい。このような中間層は、本発明のプリズムシート用表面保護シートの回収品(例、使用されなかった本発明の表面保護シートの端の部分)、または本発明以外の表面保護シートの回収品(例、一度使用した本発明以外の表面保護シート)を用いて製造することができるので、環境への負担の観点から、好ましい。
また、中間層は、必要に応じて、層(フィルム)の形成および本発明の効果を妨げない量の、酸化防止剤、帯電防止剤、および防汚付与剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記中間層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10〜40μmの範囲内である。10μm未満であると、下記の粘着層の表面粗さが上記最表層の表面粗さに影響を受けて高くなる恐れ、およびフィルムの機械強度が低下してしまい剥離作業が困難になる恐れがあり、一方、40μmを超えると、打ち抜き加工時にフィルムが打ち抜けない恐れがある。上記中間層の厚さは、より好ましくは、10〜36μmの範囲内である。
なお、上記最表層の厚さと上記中間層の厚さの比率は、特に限定されないが、好ましくは50:50〜10:90の範囲内である。当該比率が50:50未満であると、中間層に求められる弾性特性が得られない恐れがあり、一方、10:90を超えると、最表層を均一に製膜できない恐れがある。
[粘着層]
本発明の表面保護フィルムにおける粘着層は、0.1以下の表面粗さを有する。このことによって、本発明の表面保護フィルムは、経時による接着昂進が抑制される。当該表面粗さは、特に好ましくは0.07以下である。
本発明の表面保護フィルムにおける粘着層は、その表面粗さを0.1以下にする観点から好ましくは、1.5以下のスウェル値を有する。
当該粘着層は、直鎖状低密度ポリエチレン、およびエチレン−酢酸ビニル共重合から選択される1種以上のポリマーから主としてなる。
ここで、「から主としてなる」とは、粘着層における上記ポリマーの含有率が、好ましくは90重量%以上であることを意味する。ただし、フィッシュアイを少なくできるので、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンを含有させない方が好ましい。
本発明の粘着層に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体における、酢酸ビニル含有量の下限は3重量%、上限は10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは下限が4重量%であり、上限が6重量%である。エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル含量が3重量%未満であると、本発明の表面保護フィルムを被保護物に貼り付ける際の初期粘着力が低すぎて、被保護物へ貼り付けた後に剥れてしまい表面保護フィルムとしての機能を果たさなくなる恐れがあり、10重量%を超えると、本発明の表面保護フィルムの被保護物表面からの剥離に要する力が大きく上昇する傾向にある。
上記粘着層は、必要に応じて、層(フィルム)の形成および本発明の効果を妨げない量の、軟化剤、粘着性付与剤、および酸化防止剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記粘着層における上記ポリマーの含有量は、粘着層全体に対して、通常、70重量%以上である。
粘着層を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、酢酸ビニル含有量が上記範囲を満たすものであれば特に限定されず、市販されているポリマーを用いることができる。市販されている上記エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、例えば、LV266(酢酸ビニル含有量:6重量%、日本ポリエチレン社製)等が挙げられる。
粘着層の厚さとしては、本発明の表面保護フィルムの用途により適宜決定され、特に限定されないが、好ましくは4〜30μmの範囲内である。厚さが4μm未満であると、本発明の表面保護フィルムを被保護物に対して充分な粘着性で貼り付けることができないことがあり、一方、30μmは、粘着性の観点からは充分な厚さであり、これを超える厚さはコスト的に不利となる。より好ましい下限は5μm、より好ましい上限は20μmである。
[製造方法]
本発明の表面保護フィルムにおける上記最表層、上記中間層、および上記粘着層は、好ましくは、上記ブロックポリプロピレン(A)および上記ポリマー(B)からなる溶融混練物(P)、
溶融混練物(Q)、および
溶融混練物(R)
からそれぞれ形成される。
ここで、上記溶融混練物(P)と溶融混練物(Q)との、周波数1〜10rad/secにおける粘度の傾きの差の絶対値は、好ましくは0〜150、より好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜25、特に好ましくは5〜25の範囲内である。
この粘度の傾きの差の絶対値が、このような範囲内であることによって、(好ましくは、上述した、他の好ましい条件との組み合わせにおいて)、最表層の表面粗さが0.10〜0.30の範囲内に制御される。
当該粘度の傾きの差の絶対値は、最表面における上記ブロックポリプロピレン(A)と上記ポリマー(B)との重量比を調整すること、および中間層における上記ポリマー(C)と上記直鎖状低密度ポリエチレン(D)の重量比を調整することによって、調整することができる。
粘度の傾きを大きくするには、粘度の大きな樹脂の含有率を高くすればよく、一方、小さくするには、粘度の小さな樹脂の含有率を高くすればよい。例えば最表面の場合、粘度の傾きを大きくするには、上記ブロックポリプロピレン(A)の含有率を高くすればよく、一方、小さくするには、上記ポリマー(B)の含有率を高くすればよい。また、この際、適当な粘度を有する樹脂を選択して用いることが好ましい。
上記溶融混練物(Q)と溶融混練物(R)との、周波数1〜10rad/secにおける粘度の傾きの差の絶対値は、好ましくは0〜150、より好ましくは0〜50の範囲内である。
この粘度の傾きの差の絶対値が、このような範囲内であることによって、(好ましくは、上述した、他の好ましい条件との組み合わせにおいて)、粘着層の表面粗さが0.1以下に制御される。
当該粘度の傾きの差の絶対値は、中間層における上記ポリマー(C)と上記直鎖状低密度ポリエチレン(D)の重量比を調整することによって、調整することができる。
当該粘度(溶融粘度)は、動的粘弾性測定装置(例、アントンパール社製、Physica MCR)を用いて、以下の条件によって測定される。
[測定条件]
上記溶融混練物(P)の温度:230℃
上記溶融混練物(Q)の温度:230℃
上記溶融混練物(R)の温度:170℃
周波数:0.5〜500rad/sec
振幅ひずみ量:5%
好ましくは、本発明の表面保護フィルムにおける上記最表層、上記中間層、および上記粘着層は、共押出しによって、上記溶融混練物(P)、上記溶融混練物(Q)、および上記溶融混練物(R)からそれぞれ形成される。
上記溶融混練物(P)、上記溶融混練物(Q)、および上記溶融混練物(R)は、それぞれ、上記で説明した成分を、上記で説明した比率で混合し、単軸押出機もしくは2軸押出機等の装置を用いて溶融混練することによって、調製することができる。
共押出は、上記溶融混練物(P)、上記溶融混練物(Q)、および上記溶融混練物(R)を、Tダイもしくはサーキュラーダイを用いて三層の共押出法で実施すればよい。
実施例で用いた物性測定法等は以下の通りである。
[物性測定法]
(1)メルトインデックス(MI):JIS K 6922−2に準拠して測定した。
(2)スウェル値は:メルトインデクサーを使ったメルトインデックスの測定方法において、溶融した樹脂をノズルから吐出させ、冷却固化後の吐出物の径をノギスで測定し、予め判っているノズル径との比により算出される値である。
メルトインデクサーとしては、ユニテスト社製メルトプラストメータMP600を用いることができる。
(3)最表層の表面粗さRa測定:表面保護フィルムを厚さ1mmのポリカーボネート板(PC板)に23℃、50%RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付けた。MITSUTOYO社製SurftestSJ−301を用いて、測定長さ7.2mm、測定速度0.5mm/sの条件で測定した(単位:μm)
(4)粘着層の表面粗さRa測定:表面保護フィルムを厚さ1mmのポリカーボネート板(PC板)に粘着面を上にしておき、ずれないように4方向をテープで1mmPC板に固定させた後、MITSUTOYO社製SurftestSJ−301を用いて、測定長さ7.2mm、測定速度0.5mm/sの条件で測定した(単位:μm)
(5)ポリカーボネート板(PC板)剥離強度(初期):表面保護フィルムを厚さ1mmのPC板に23℃、50%RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅100mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度300mm/分で剥離した際の初期粘着力を測定した(単位:N/100mm)。
(6)ポリカーボネート板(PC板)フィルム剥離強度(経時(加速試験)):表面保護フィルムを厚さ1mmのPC板に23℃、50%RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、70℃で30分放置後、剥離幅100mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度300mm/分で剥離した際の経時粘着力を測定した(単位:N/100mm)。
(7)接着昂進性:上記(5)の初期粘着力から上記(6)の経時粘着力を引いた値Rで判定する。
接着昂進性の判定基準
○(良):Rが−0.1を超える
△(可):Rが−2.0を超え、−0.1以下
×(不可):Rが−5.0を超え、−2.0以下
××(悪):Rが−5.0以下
(8)耐ブロッキング性:表面保護フィルムを事前に1mmPC板に貼り付けた表面保護フィルムの基材面に23℃、50%RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅100mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度300mm/分で剥離した際の初期粘着力を測定した(単位:N/100mm)。
(9)空気抜け性:生産機で巾1000〜1300mm×長さ1000mで巻き取ったロールを巻き戻し機(スリッター)を用いて巻き返した。気泡巻き込みによるしわが確認できた時点で、スリッターを止め、その都度シワの個数とミリメートル単位で直径を計測した。
判定を下記の基準で評価し、判定を行った。
(シワの判定基準)
◎(優良):シワが発生していない
○(良):直径5〜10mmのものが1個以下
△(可):直径5〜10mmのものが5個/ロール以下、かつ10mmを越えるものがない
×(不可):直径10〜30mmのものが5個/ロール以内
××(悪):直径30mmを超えるものが5個/ロール以上
(10)粘度(溶融粘度)の測定
動的粘弾性測定装置(例、アントンパール社製、Physica MCR)を用いて、最表層を形成する溶融混練物(P)、中間層を形成する溶融混練物(Q)、および粘着層を形成する溶融混練物(R)の粘度(溶融粘度)を測定した。
溶融混練物(P)、溶融混練物(Q)および溶融混練物(R)の周波数1から10rad/secまでの粘度を線形近似することにより、周波数1から10rad/secまでのそれぞれの粘度の傾きを算出した。
「粘度の傾きの差PとQ」は、溶融混練物(P)の粘度の傾きから溶融混練物(Q)の粘度の傾きを差し引いて算出した。「粘度の傾きの差QとR」は、溶融混練物(Q)の粘度の傾きから溶融混練物(R)の粘度の傾きを差し引いて算出した。
[測定条件]
上記溶融混練物(P)の温度:230℃
上記溶融混練物(Q)の温度:230℃
上記溶融混練物(R)の温度:170℃
周波数:0.5〜500rad/sec
振幅ひずみ量:5%
(11)フィルム外観
巻き取られた表面保護フィルムから1mの大きさの試験サンプルを3枚切り出し、試験
サンプルを目視で観察してフィッシュアイの個数を調べた。表面保護フィルムの巻き取り方向のフィッシュアイの長さはルーペ(東海産業社製 PEAK×10)を用いて測定した。
表面保護フィルムの巻き取り方向の長さが150μm以上のフィッシュアイの個数を基準としてフィルム外観を評価した。
(評価基準)
○(良):150μm以上のFEが2個/m以下
△(可):150μm以上のFEが3個〜20個/m以下
×(不可):150μm以上のFEが21個/m以上
下記において、b−PPはブロックポリプロピレンを、r−PPはランダムポリプロピレンを、h−PPはホモポリプロピレンを表す。
下記の実施例および比較例において、
b−PPとしては、PM580X(商品名、サンアロマー社、MI:5.0、密度:0.90)を、
r−PPとしては、PF724S(商品名、サンアロマー社、MI:9.5、密度:0.90g/cm3)を、
h−PPとしては、J105G(商品名、プライムポリマー社、MI:9.0、密度:0.90g/cm3)を、
LLDPEとしては、ウルトゼックス1030(商品名、プライムポリマー社、MI:3.8、密度:0.91g/cm3、スウェル値:1.1)を、
EVA(エチレンビニルアセテート)としては、ウルトラセン541(商品名、東ソー社、MI:9.0、酢酸ビニル含有量:10%、スウェル値:1.0)を、
LDPEとしては、CE4009(商品名、住友化学社、MI:7.0、密度:0.92g/cm3
を用いた。
実施例1〜4
表1に示す組成で、Tダイ共押出し成形法により、厚さ50μm(最外層10μm、中間層30μm、及び、粘着層10μm)の表面保護フィルムを製造した。得られた表面保護フィルムの評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
表1に示す組成で、Tダイ共押出し成型法により、厚さ50μm(最表層8μm、中間層36μm、及び、粘着層6μm)の表面保護フィルムを製造した。得られた表面保護フィルムの評価を行った結果を表1に示す。
比較例1〜4
表1に示す組成で、実施例と同じTダイ共押出し成形法により、厚さ50μm(最外層10μm、中間層30μm、及び、粘着層10μm)の表面保護フィルムを製造した。得られた表面保護フィルムの評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010247513
本発明の表面保護フィルムは光学フィルム等の表面保護に使用することができる。
1 最表層
2 中間層
3 粘着層
4 基材層

Claims (8)

  1. 表面粗さ(Ra)が0.10〜0.30の範囲内である最表層、
    中間層、および
    表面粗さ(Ra)が0.1以下である粘着層からなる表面保護フィルム。
  2. 上記最表層が、
    ブロックポリプロピレン(A)、および
    ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(B)
    からなること
    を特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
  3. 上記ブロックポリプロピレン(A)と上記ポリマー(B)の重量比が、100:0〜10:90の範囲内であること
    を特徴とする請求項2に記載の表面保護フィルム。
  4. 上記中間層が、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(C)
    から主としてなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
  5. 上記中間層が、ランダムポリプロピレン、およびホモポリプロピレンから選択される1種以上のポリマー(C)、および直鎖状低密度ポリエチレン(D)
    から主としてなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
  6. 上記粘着層が、1.5以下のスウェル値を有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
  7. 上記粘着層が、直鎖状低密度ポリエチレン、およびエチレン−酢酸ビニル共重合から選択される1種以上のポリマーから主としてなること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
  8. 上記最表層、上記中間層、および上記粘着層が、
    上記ブロックポリプロピレン(A)および上記ポリマー(B)からなる溶融混練物(P)、
    溶融混練物(Q)、および
    溶融混練物(R)
    からそれぞれ形成され、
    上記溶融混練物(P)と上記溶融混練物(Q)との、周波数1〜10rad/secにおける粘度の傾きの差の絶対値が、0〜150の範囲内であり、かつ
    上記溶融混練物(Q)と上記溶融混練物(R)との、周波数1〜10rad/secにおける粘度の傾きの差の絶対値が、0〜150の範囲内であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
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