JP2010247417A - 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置 - Google Patents

金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010247417A
JP2010247417A JP2009098818A JP2009098818A JP2010247417A JP 2010247417 A JP2010247417 A JP 2010247417A JP 2009098818 A JP2009098818 A JP 2009098818A JP 2009098818 A JP2009098818 A JP 2009098818A JP 2010247417 A JP2010247417 A JP 2010247417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistant resin
film
resin film
heat
base layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009098818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5071428B2 (ja
Inventor
Hideharu Ogami
秀晴 大上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2009098818A priority Critical patent/JP5071428B2/ja
Publication of JP2010247417A publication Critical patent/JP2010247417A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5071428B2 publication Critical patent/JP5071428B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Transportation (AREA)

Abstract

【課題】めっき法により金属膜が金属ベース層上に形成され、フレキシブル配線基板に利用される金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造法等を提供する。
【解決手段】ロール・トゥ・ロール方式により搬送される耐熱性樹脂フィルム8の両面に原子層堆積(ALD)法により金属シード層(Cu)を成膜する工程と、スパッタリングウェブコータにより各金属シード層上に金属ベース層(Cu)をそれぞれ成膜する工程と、各金属シード層上に金属ベース層が成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取る巻き取り工程を具備し、かつ、これ等の工程を連続して行なうことを特徴とする。この方法によれば、ALD法により成膜されたピンホールのない金属シード層上に金属ベース層を形成しているため、金属ベース層の膜厚を薄く設定してもピンホールが生じ難く金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造効率の向上が図れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキシブル配線基板に適用される金属膜付耐熱性樹脂フィルム並びにこの金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造に利用される金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムに係り、特に、金属ベース層の密着力に優れかつピンホールのない金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造できる方法と、上記金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを用いた金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置に関するものである。
液晶パネル、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話等には、耐熱性樹脂フィルム上に金属膜を被覆して得られる多種類のフレキシブル配線基板が用いられ、このフレキシブル配線基板には、耐熱性樹脂フィルムの片面若しくは両面に金属膜を成膜した金属膜付耐熱性樹脂フィルムが用いられている。また、金属膜付耐熱性樹脂フィルムは折り曲げて使用されることがあるため、耐熱性樹脂フィルムに対する金属膜の密着力が高いことが必要となり、更に、配線パターンの繊細化、高密度化に伴い、金属膜にピンホールが存在すると断線の原因になり易いためピンホールが無いことも求められている。
そして、この種の金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法として、従来、金属箔を接着剤により耐熱性樹脂フィルムに貼り付けて製造する方法、金属箔に耐熱性樹脂溶液をコーティングしかつ乾燥させて製造する方法、および、耐熱性樹脂フィルムに真空成膜法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等)若しくは湿式めっき法により金属膜を成膜して製造する方法等が知られている。
また、真空成膜法若しくは湿式めっき法を用いる三番目の製造方法として、特許文献1では、成膜速度は遅いが密着力に優れる金属膜を形成できるスパッタリング法を用いて金属膜付耐熱性樹脂フィルムを製造する方法が開示され、また、特許文献2では、成膜速度は遅いが密着力に優れる金属膜を形成できるスパッタリング法を用いて薄膜の金属ベース層をまず成膜し、次いで成膜速度の速い湿式めっき法を用いて上記金属ベース層上に厚膜の金属膜を形成し、金属膜付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造する方法が開示されている。また、特許文献1では、金属膜の密着力を更に高めるため、2種類のスパッタリングターゲットを用いた方法も開示されている。すなわち、モネルメタル等をスパッタリングターゲットとして薄膜の金属シード層をまず成膜し、次いで銅等をスパッタリングターゲットとして上記金属シード層上に厚膜の金属膜を成膜する方法が提案されている。
そして、成膜速度の速い湿式めっき法と成膜速度の遅いスパッタリング法を併用する特許文献2の製造方法は、スパッタリング法のみを用いる特許文献1の方法と比較して効率に優れるため、特許文献2に記載された製造方法が広く利用されている。
ところで、成膜速度の遅いスパッタリング法を用いて金属ベース層をまず成膜し、次いで成膜速度の速い湿式めっき法を用いて上記金属ベース層上に金属膜を形成する特許文献2の方法を採用することにより、金属膜の密着力に優れた金属膜付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造することは可能となるが、この方法を実施するに際しては、スパッタリング法による金属ベース層と、湿式めっき法による金属膜の膜厚比の設定が重要となる。すなわち、スパッタリング法により形成される金属ベース層の膜厚は、ピンホールの発生を抑制しかつ良好な密着力を得るために200nm以上必要とされている。これは、スパッタリング法により形成される金属ベース層の膜厚が200nm以上となれば、例え小さなピンホールが存在したとしても、金属ベース層の成長と共に10μm以下のピンホールは塞がってしまうからである。但し、スパッタリング法による金属ベース層の成膜速度は、湿式めっき法の成膜速度より1桁程度遅いため、スパッタリング法により200nm以上の金属ベース層を形成しなければならない分、金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造効率を悪化させることになる。従って、製造効率の観点から、膜厚が200nmより薄くてもピンホールのない金属ベース層を形成できる新たな方法が望まれていた。
特許第3447070号 特許第3570802号
Journal of applied physics 97,121301 (2005)
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、金属ベース層の密着力に優れかつピンホールのない金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造できる方法を提供し、併せて、この金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを用いた金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法と上記金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため、本発明者は、非特許文献1に記載された原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法に注目し、その採用を試みた。
すなわち、ALD法は、分子層(原子層)を構成する元素が含まれる原料ガスを真空装置内に交互に導入し、被成膜体の最表面に吸着された分子と次に導入される原料ガスとの反応により分子層を形成する方法(これをボトムアップ成膜と呼ぶ場合がある)で、上述したスパッタリング法に較べて成膜速度は遅いが、スパッタリング法のようにターゲットからはじき出された微粒子やクラスターを被成膜体上に被着させて積み重ねる方法でないためピンホールのない薄膜を形成でき、しかも被成膜体表面の凹凸に影響されずに微細な隙間へも薄膜を形成できる。
従って、金属ベース層をスパッタリング法により成膜する以前に、ALD法によりピンホールのない金属シード層を耐熱性樹脂フィルム(被成膜体)両面にまず形成し、次いでスパッタリング法により金属シード層上に金属ベース層を成膜することで、200nmより薄い膜厚でもピンホールのない金属ベース層を形成できることを見出すに至った。本発明はこのような技術的発見により完成されたものである。
すなわち、請求項1に係る発明は、
長尺の耐熱性樹脂フィルムの両面にスパッタリング法により成膜された金属ベース層を有し、各金属ベース層上に湿式めっき法により金属膜が形成される金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、
巻き出しロールから巻き出された長尺の耐熱性樹脂フィルムをロール・トゥ・ロール方式により搬送して巻き取りロールに巻き取ると共に、巻き出しロールと巻き取りロール間の搬送路上において原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法により上記耐熱性樹脂フィルムの両面に金属シード層をそれぞれ成膜する第一成膜工程と、
上記搬送路上において耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有する第一スパッタリングウェブコータにより一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二成膜工程と、
上記搬送路上において上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有する第二スパッタリングウェブコータにより他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第三成膜工程と、
各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取る巻き取り工程、
を具備し、かつ、上記第一成膜工程、第二成膜工程および第三成膜工程を連続して行なうことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、
上記第一成膜工程が、耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室を交互に少なくとも1組以上配置した金属シード層の成膜手段を用いて行なうことを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、
上記金属シード層が、Ni、Ni系合金、Cu、Cu系合金から選ばれる1種で構成され、かつ、上記金属ベース層が、CuまたはCu系合金から選ばれる1種で構成されることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、
上記長尺の耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミドフィルムまたはアラミドフィルムから選ばれる1種で構成されることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、
金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの各金属ベース層上に、湿式めっき法により金属ベース層と同種の金属膜をそれぞれ形成することを特徴とする。
次に、請求項6に係る発明は、
長尺の耐熱性樹脂フィルムの両面に原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法によりそれぞれ成膜された金属シード層と、各金属シード層上にスパッタリング法によりそれぞれ成膜された金属ベース層とを有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置において、
第一減圧室と、隔壁を介し上記第一減圧室に隣接して設けられた第二減圧室を具備し、
上記第一減圧室内には、長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き出す巻き出しロールと、巻き出された耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室が交互に少なくとも1組以上配置された金属シード層の成膜手段が設けられ、かつ、
上記第二減圧室内には、隔壁の開口部を介し搬入されてくる耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有しかつ上記耐熱性樹脂フィルムの一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第一スパッタリングウェブコータと、上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有しかつ上記耐熱性樹脂フィルムの他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二スパッタリングウェブコータ、および、各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールが設けられていると共に、
ロール・トゥ・ロール方式の搬送手段を構成する複数のロール群が耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り上記第一減圧室と第二減圧室にそれぞれ設けられていることを特徴とし、
請求項7に係る発明は、
請求項6に記載の発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置において、
上記金属シード層の成膜手段により形成される金属シード層が、Ni、Ni系合金、Cu、Cu系合金から選ばれる1種で構成され、かつ、第一スパッタリングウェブコータと第二スパッタリングウェブコータにより形成される金属ベース層が、CuまたはCu系合金から選ばれる1種で構成されることを特徴し、
また、請求項8に係る発明は、
請求項6または7に記載の発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置において、
上記長尺の耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミドフィルムまたはアラミドフィルムから選ばれる1種で構成されることを特徴とする。
請求項1〜4に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法は、
巻き出しロールから巻き出された長尺の耐熱性樹脂フィルムをロール・トゥ・ロール方式により搬送して巻き取りロールに巻き取ると共に、巻き出しロールと巻き取りロール間の搬送路上において原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法により上記耐熱性樹脂フィルムの両面に金属シード層をそれぞれ成膜する第一成膜工程と、
上記搬送路上において耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有する第一スパッタリングウェブコータにより一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二成膜工程と、
上記搬送路上において上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有する第二スパッタリングウェブコータにより他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第三成膜工程と、
各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取る巻き取り工程、
を具備し、かつ、上記第一成膜工程、第二成膜工程および第三成膜工程を連続して行なうことを特徴としている。
そして、第一成膜工程において原子層堆積(ALD)法により耐熱性樹脂フィルムの両面にピンホールのない金属シード層を形成できるため、第二成膜工程と第三成膜工程においてスパッタリング法により各金属シード層上に成膜される金属ベース層の膜厚については従来法のようにピンホールを塞ぐ大きさまで設定する必要がない。
従って、各金属ベース層の膜厚を従来法より薄く設定できる分、金属ベース層の密着力に優れかつピンホールのない金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造することが可能となる。
また、請求項5に係る金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法は、
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの各金属ベース層上に、湿式めっき法により金属ベース層と同種の金属膜をそれぞれ形成しているため、上記金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムが効率よく製造できる分、金属膜付耐熱性樹脂フィルムも効率よく製造することが可能となる。
次に、請求項6〜8に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置は、
第一減圧室と、隔壁を介し上記第一減圧室に隣接して設けられた第二減圧室を具備し、
上記第一減圧室内には、長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き出す巻き出しロールと、巻き出された耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室が交互に少なくとも1組以上配置された金属シード層の成膜手段が設けられ、かつ、
上記第二減圧室内には、隔壁の開口部を介し搬入されてくる耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有しかつ上記耐熱性樹脂フィルムの一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第一スパッタリングウェブコータと、上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有しかつ上記耐熱性樹脂フィルムの他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二スパッタリングウェブコータ、および、各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールが設けられていると共に、
ロール・トゥ・ロール方式の搬送手段を構成する複数のロール群が耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り上記第一減圧室と第二減圧室にそれぞれ設けられていることから、この製造装置を用いて金属ベース層の密着力に優れかつピンホールのない金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを効率よく確実に製造することが可能となる。
本発明に係る金属膜付耐熱性樹脂フィルムの概略構成を示す断面図。 本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置の概略構成を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る金属膜付耐熱性樹脂フィルムは、図1に示すように耐熱性樹脂フィルム1と、耐熱性樹脂フィルム1の両面に原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法により成膜された金属シード層2と、各金属シード層2上にスパッタリング法により成膜された金属ベース層3と、各金属ベース層3上に湿式めっき法により形成された金属膜4とで構成されている。
また、金属膜4が形成される前の前駆体、すなわち、耐熱性樹脂フィルム1と、耐熱性樹脂フィルム1の両面に原子層堆積(ALD)法により成膜された金属シード層2と、各金属シード層2上にスパッタリング法により成膜された金属ベース層3とで構成される前駆体が、本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムである。
尚、原子層堆積(ALD)法により成膜された金属シード層2はその表面活性が高いため、金属シード層2が両面に成膜された耐熱性樹脂フィルム1をそのまま巻き取ってしまうと、接触する耐熱性樹脂フィルム1面に金属シード層2が張り付いてしまう。このため、本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法においては、耐熱性樹脂フィルム両面に金属シード層を成膜する第一成膜工程と、一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二成膜工程と、他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第三成膜工程とを連続して行なうことを要する。
また、第一成膜工程の原子層堆積(ALD)法による成膜では耐熱性樹脂フィルム1両面への同時成膜が可能である。これは、ALD法が単原子(単分子)層ずつ堆積する方法だからである。また、単原子(単分子)層ずつ堆積する方法であることから、上述したように、耐熱性樹脂フィルム1(被成膜体)表面の凹凸に影響されずに微細な隙間へもピンホールのない薄膜を形成することができる。
また、本発明の耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルムまたは液晶ポリマー系フィルムから選ばれる樹脂フィルムが、金属膜付フレキシブル基板としての柔軟性、実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性を有する点から好ましい。
1.ALD法
原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法は、分子層(原子層)を構成する元素が含まれる原料ガスを真空装置内に交互に導入し、真空装置内に配置された被成膜体の最表面に吸着された分子と、次に導入される原料ガスとの反応により単原子(単分子)層ずつ堆積させる方法で、層の膜厚を原子層レベルで制御できる方法である。
そして、ALD法は、被成膜体側から単原子(単分子)層ずつ堆積しながら成膜が始まる方法のため、上述したように耐熱性樹脂フィルム(被成膜体)に対してピンホールのない金属膜(金属シード層)を形成することが可能である。このALD法は、上述した真空成膜法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等)において、金属クラスターが被成膜体上に飛来し、被成膜体表面に付着かつ上記クラスターが結合して膜を形成していくため、潜在的に該クラスター間にピンホールを作ってしまう可能性を有する真空成膜法と大きく異なっている。また、直進性が高いスパッタリング法や真空蒸着法では成膜が困難な凹凸を有する被成膜体面上にも、ALD法では均一な成膜が可能であり、耐熱性樹脂フィルムに含まれ一部表面に現われている場合があるフィラー粒子の陰にも、あるいは、耐熱性樹脂フィルム表面に存在する傷上にも膜が均一に形成される。更に、ALD法においては原料がガスであるため、スパッタリング法や真空蒸着法で多発するスプラッシュ(膜原料が固まりのまま被成膜体に飛来すること)の発生もない。従って、スプラッシュが成膜中の膜に付着し、それが脱落してピンホールになるような現象もない。また、ALD法で用いられる真空装置においては、PVD法やCVD法で用いられる真空装置に必要であった高価な電源ユニット等が不要であり、従来の成膜方法と比較して成膜コストの低減も図れる。
そして、ALD法では、分子層を構成する元素のそれぞれが含まれる第1反応ガス(原料ガス)と第2反応ガス(原料ガス)を、真空装置(反応室)内に交互に導入する下記のA〜I工程で1サイクルを構成し、このサイクル数により膜厚の調整が行なわれる。
A.真空装置に第1反応ガス(原料ガス)を導入
B.被成膜体の最表面に第1反応ガスが化学吸着
C.被成膜体の最表面が第1反応ガスで飽和
D.真空装置から過剰な第1反応ガスおよび副生成物を排気
E.真空装置に第2反応ガス(原料ガス)を導入
F.被成膜体の最表面に吸着していた第1反応ガスと第2反応ガスが反応
G.被成膜体の最表面が第2反応ガスで飽和
I.真空装置から過剰な第2反応ガスおよび副生成物を排気
そして、ALD法では、SiO、Al、ZrO、HfO、Ta、TiO等の酸化物膜、AlN、TaN、TiN、TaSiN、TiSiN等の窒化物膜、Cu、Ru、Ir、Ni、Pt等の金属膜、CaF、SrF、MgF等のフッ化物膜、GaAs、InP、GaP等の化合物膜の成膜が可能である。
例えば、ALD法でもっとも多く成膜が行われているAlの単原子(単分子)層を形成する場合、下記4工程で1サイクルが完成する。
(1)第1反応ガスである水分子を導入して被成膜体の最表面にOH基を吸着させる。
(1層目以降の反応)
2HO+:O−Al(CH → :Al−O−Al(OH)+2CH
(2)過剰水分子をパージ排気する。
(3)Al膜の第2反応ガス(原料ガス)であるTMA[Trimethyl Aluminum:Al(CH]ガスを導入する。TMA分子がOH基と反応してCHガスが発生する。
(1層目の反応)
Al(CH+:O−H → :O−Al(CH+CH
(1層目以降の反応)
Al(CH+:Al−O−H → :Al−O−Al(CH+CH
(4)過剰なTMAガスとCHガスをパージ排気する。
この4工程で約0.1nmのAl膜が形成されるので、要求する膜厚に到達するまで上記4工程を繰り返して膜厚を増加させる。
ALD法においては反応を促進させるため、被成膜体を加熱(100〜300℃)するか、あるいはプラズマ照射を行うことが好ましい。
本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、金属シード層としてCuをALD法により成膜するには、CuCl、Cu(acac)、Cu(thd)、Cu(hfac)を反応ガスに使用することが好ましい。その中でもCu(thd)を用いることが好ましい。また、Cu(thd)を用いる場合、一方の反応ガスにはHを組み合わせる。
また、本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、金属シード層としてNiをALD法により成膜するには、Ni(acac)を反応ガスに用いることが好ましい。Ni(acac)を反応ガスに用いる場合、一方の反応ガスにはHを組み合わせる。
ここで、上記(acac)、(thd)および(hfac)は以下を意味している。
(acac)=2,4−pentanedionate
(thd)=2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionate
(hfac)=1,1,1,5,5,5−hexafluoro―2,4−pentanedionate
2.スパッタリングウェブコータ
本発明の金属膜付耐熱性樹脂フィルムは、図1に示したように耐熱性樹脂フィルム1と、耐熱性樹脂フィルム1の両面に原子層堆積(ALD)法により成膜された金属シード層2と、各金属シード層2上にスパッタリング法により成膜された金属ベース層3と、各金属ベース層3上に湿式めっき法により形成された金属膜4とで構成されている。
そして、本発明の製造方法においては、金属ベース層3を成膜する手段として、長尺状フィルム面に効率よく金属膜を成膜できるスパッタリングウェブコータが適用される。
上記スパッタリングウェブコータは、耐熱性樹脂フィルムの巻き出しロールと巻き取りロール間の搬送路上に配置されかつ水冷温調されたキャンロールと、キャンロールの外周面近傍に配置されたスパッタカソードを有しており、金属シード層が形成された耐熱性樹脂フィルムをキャンロールに巻き付けた状態でスパッタリング成膜が行なわれるため、成膜中のプラズマに起因した耐熱性樹脂フィルムの熱的ダメージを低減できる。
また、巻き出しロールと巻き取りロールはパウダークラッチ等により耐熱性樹脂フィルムの張力バランスが保たれており、キャンロールの回転により巻き出しロールから長尺の耐熱性樹脂フィルムが巻き出されて巻き取りロールに巻き取られる。また、金属ベース層3のスパッタリング成膜には板状のターゲットを使用することが好ましいが、板状ターゲットを用いた場合、ターゲット上にノジュール(異物の成長)が発生することがある。このため、ノジュール(異物の成長)の発生がなく、ターゲットの使用効率も高い円筒形のロータリーターゲットを使用することもできる。
3.金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
長尺の耐熱性樹脂フィルム両面に原子層堆積(ALD)法によりそれぞれ成膜された金属シード層と、各金属シード層上にスパッタリング法によりそれぞれ成膜された金属ベース層とを有する本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置は、第一減圧室と、隔壁を介し上記第一減圧室に隣接して設けられた第二減圧室を具備し、上記第一減圧室内には、長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き出す巻き出しロールと、巻き出された耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室が交互に少なくとも1組以上配置された金属シード層の成膜手段が設けられ、かつ、上記第二減圧室内には、隔壁の開口部を介し搬入されてくる耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有し耐熱性樹脂フィルムの一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第一スパッタリングウェブコータと、上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有し上記耐熱性樹脂フィルムの他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二スパッタリングウェブコータ、および、各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールが設けられていると共に、ロール・トゥ・ロール方式の搬送手段を構成する複数のロール群が耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り上記第一減圧室と第二減圧室にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
ここで、ALD法は、本来、静止した被成膜体に対し反応ガスを入れ換えながら成膜を行う方法である。そこで、連続搬送される長尺の耐熱性樹脂フィルムにALD法による金属シード層の成膜を行うため、本発明に係る製造装置においては、上述した第一減圧室内に耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室を交互に少なくとも1組以上配置する構成を採っている。そして、本発明に係る製造装置においては、第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室が交互に少なくとも1組以上配置されている第一減圧室の領域を耐熱性樹脂フィルムが通過することにより、上述したALD法の各反応を各プラズマ反応室で行いながら金属シード層が形成される。
また、本発明に係る製造装置において、ALD法による金属シード層の成膜が行なわれる第一減圧室とスパッタリング法による金属ベース層の成膜が行なわれる第二減圧室とでは成膜に適したガス圧が異なるため、各減圧室を上記隔壁で区画し、差動排気によりそれぞれの成膜に適したガス圧を保つ必要がある。また、ALD法においては、反応を促進させるため上述したように被成膜体を加熱しあるいはプラズマ照射を行なうことが望ましい。しかし、連続搬送されている耐熱性樹脂フィルムを均一に加熱することを考慮した場合、プラズマ照射を行なう方がより好ましい。
次に、本発明に係る製造装置の一実施態様を図2に示す。
すなわち、本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置5は、図2に示すように、ALD法による金属シード層の成膜が行なわれる第一減圧室7と、開口部42を有する隔壁41を介し、隣接して設けられたスパッタリング法による金属ベース層の成膜が行なわれる第二減圧室6とを備えている。また、ALD法による金属シード層の成膜が行なわれる第一減圧室7と、スパッタリング法による金属ベース層の成膜が行なわれる第二減圧室6とでは成膜に適したガス圧が異なるため、開口部42を有する上記隔壁41により各領域が区画されて差動排気されている。また、上記隔壁41の開口部42部分において耐熱性樹脂フィルム8を2本のロールで挟んで気密性を高めることも可能である。
また、上記第一減圧室7内には、長尺の耐熱性樹脂フィルム8を巻き出す巻き出しロール9と、巻き出された耐熱性樹脂フィルム8の搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室が交互に3組(すなわち、第1プラズマ反応室14、16、18と、第2プラズマ反応室15、17、19)配置されており、また、上記第二減圧室6内には、隔壁41の開口部42を介し搬入されてくる耐熱性樹脂フィルム8が巻き付けられると共に水冷温調されたキャンロール11と4台のマグネトロンスパッタカソード20、21、22、23を有し耐熱性樹脂フィルム8の一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第一スパッタリングウェブコータと、上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられると共に水冷温調されたキャンロール12と4台のマグネトロンスパッタカソード24、25、26、27を有し上記耐熱性樹脂フィルム8の他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二スパッタリングウェブコータ、および、各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルム8を巻き取る巻き取りロール10が設けられており、更に、ロール・トゥ・ロール方式の搬送手段を構成する複数のフリーロール28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40が耐熱性樹脂フィルム8の搬送方向に亘り上記第一減圧室7と第二減圧室6にそれぞれ設けられている。
そして、上記長尺の耐熱性樹脂フィルム8は、巻き出しロール9から巻き出されて巻き取りロール10により巻き取られる。巻き出しロール9と巻き取りロール10はパウダークラッチ等により張力バランスが保たれており、水冷温調されたキャンロール11、12の回転により耐熱性樹脂フィルム8が搬送される。また、上記巻き出しロール9と巻き取りロール10間には、駆動部を持たない上述のフリーロール28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40が設けられており、張力によりキャンロール11、12に耐熱性樹脂フィルム8を密着させる制御を行う場合には、上記フリーロール31、32、37、38に張力センサが取り付けられることもある。また、差速によりキャンロール11、12に耐熱性樹脂フィルム8密着させる制御を行う場合にはフリーロール31、32、37、38が駆動ロールとなることもある。
また、上記第一減圧室7内のALD法で成膜を行う前段の位置に、アルゴンガス、酸素ガス等を導入したプラズマ処理あるいはイオンビーム処理を行なう表面処理ユニット13を配置することも可能である。このような表面処理ユニット13を配置することにより、耐熱性樹脂フィルム8の両面をクリーニングおよび活性化処理することができる。
そして、表面処理ユニット13によりその両面をクリーニングおよび活性化処理された耐熱性樹脂フィルム8は、第1反応ガスが導入された第1プラズマ反応室14、第2反応ガスが導入された第2プラズマ反応室15、第1反応ガスが導入された第1プラズマ反応室16、第2反応ガスが導入された第2プラズマ反応室17、第1反応ガスが導入された第1プラズマ反応室18、および、第2反応ガスが導入された第2プラズマ反応室19を通過することで、上述したALD法による反応が起こって3原子(分子)層の金属シード層が両面に成膜される。尚、金属シード層の原子層を増やしたい場合は、第1反応ガスが導入された第1プラズマ室と第2反応ガスが導入された第2プラズマ室を増設すればよい。また、反応ガスを選定することにより、3原子層ともCuあるいはNi単独の金属シード層にすることも可能であるし、第1層目だけNiの金属シード層にして第2層目と第3層目をCuの金属シード層にすることもできる。
次に、両面に金属シード層が形成された耐熱性樹脂フィルム8は、第一減圧室7から上記隔壁41の開口部42を通って第二減圧室6内に搬入され、水冷温調されたキャンロールと4台のマグネトロンスパッタカソードをそれぞれ有する第一スパッタリングウェブコータと第二スパッタリングウェブコータの成膜領域に搬送される。スパッタリングウェブコータの成膜領域では、金属ベース層形成用の金属ターゲットが取り付けられた4台のマグネトロンスパッタカソード20、21、22、23を用いて水冷温調されたキャンロール11上に巻き付けられた耐熱性樹脂フィルム8の第1成膜面(一方の金属シード層上)に金属ベース層が成膜され、更に、金属ベース層形成用の金属ターゲットが取り付けられた4台のマグネトロンスパッタカソード24、25、26、27を用いて水冷温調されたキャンロール12上に巻き付けられた耐熱性樹脂フィルム8の第2成膜面(他方の金属シード層上)に金属ベース層が成膜された後、各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された耐熱性樹脂フィルム8は巻き取りロール10に巻き取られて本発明に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムが得られる。
得られた金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの金属ベース層上に湿式めっき法を用いて金属膜を形成する場合、電気めっき処理のみで行う場合と、一次めっきとして無電解めっき処理を行い、二次めっきとして電解めっき処理等の湿式めっき法を組み合わせて行う場合がある。湿式めっき処理は、常法による湿式めっき法の諸条件を採用すればよい。
そして、薄い膜厚でもピンホールが存在しない上記金属シード層に形成された金属ベース層の上に、湿式めっき法により金属膜を更に形成することにより、密着力と製造コストの両方のメリットを満足した金属膜付耐熱性樹脂フィルムを得ることが可能となる。尚、このようにして上記金属シード層上にそれぞれ形成される乾式(スパッタリング法)・湿式めっき法による金属層(上記金属ベース層と金属膜)の合計厚さは、厚くとも18μm以下にすることが好ましい。
このようにして得られた金属膜付耐熱性樹脂フィルムを用いて、この金属膜付耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に配線パターンを個別に形成する。また、所定の位置に層間接続のためのヴィアホールを形成して各種用途に用いることもできる。より具体的に説明すると、(1)高密度配線パターンをフレキシブルシートの少なくとも片面に個別に形成して利用する。(2)配線層が形成されたフレキシブルシートに該配線層とフレキシブルシートとを貫通するヴィアホールを形成して利用する。(3)場合によっては、該ヴィアホール内に導電性物質を充填してホール内を導電化して利用する。
上記配線パターンの形成方法としては、フォトエッチング等の従来公知の方法が利用でき、例えば、金属膜付耐熱性樹脂フィルムを準備し、該金属膜上にスクリーン印刷あるいはドライフィルムをラミネートして感光性レジスト膜を形成した後、露光現像してパターニングする。次いで、塩化第2鉄溶液等のエッチング液で該金属膜を選択的にエッチング除去した後、上記レジスト膜を除去して所定の配線パターンを形成する。両面をパターン加工してフレキシブルシートの両面に配線パターンを形成することが好ましい。全ての配線パターンを幾つかの配線領域に分割するかどうかは、配線パターンの配線密度の分布等による。例えば、配線パターンを、配線幅と配線間隔がそれぞれ50μm以下の高密度配線領域とその他の配線領域に分け、プリント基板との熱膨張差や取扱い上の都合等を考慮して分割する配線基板のサイズを10〜65mm程度に設定して適宜分割すればよい。
また、上記ヴィアホールの形成方法としては、従来公知の方法が利用でき、例えば、レーザー加工等により、配線パターンの所定の位置に該配線パターンとフレキシブルシートを貫通するヴィアホールを形成する。ヴィアホールの直径は、ホール内の導電化に支障を来たさない範囲内で小さくすることが好ましく、通常100μm以下、好ましくは50μm以下にする。ヴィアホール内には、めっき、蒸着、スパッタリング等により銅等の導電性金属を充填あるいは所定の開孔パターンを持つマスクを使用して導電性ペーストを圧入、乾燥し、ホール内を導電化して層間の電気的接続を行う。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
図2に示す金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置5を用い、上記長尺の耐熱性樹脂フィルム8には、幅500mm、長さ200m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックスS(登録商標)」を使用した。
また、第一減圧室7内の表面処理ユニット13には、酸素ガス導入によるイオンビーム照射を採用し、イオンビーム電圧3kVを印加した。
また、ALD法による金属シード層は、3原子層ともCuとし、第1反応ガスには水素ガスを導入し、第2反応ガスにはCu(thd)を導入した。各プラズマ反応室14、15、16、17、18、19には、アルゴンガスの導入による1kWのRFプラズマを発生させ、反応ガスを連続的に第一減圧室7の正面から導入しながら、第一減圧室7の背面に向かってそれぞれ独立したドライポンプで排気した。
また、金属ベース層はCu膜とし、各マグネトロンスパッタターゲットにはCuを用い、アルゴンガスを300sccmで導入し、各カソード電力10kWで成膜を行った。また、巻き出しロール9と巻き取りロール10の張力は80Nとした。
そして、第一減圧室7の巻き出しロール9に上記耐熱性ポリイミドフィルム(耐熱性樹脂フィルム)8をセットし、かつ、表面処理ユニット13、各プラズマ反応室14〜19、キャンロール11、キャンロール12を経由して上記耐熱性ポリイミドフィルム8の先端部を巻き取りロール10に取り付けた。
上記製造装置5におけるスパッタリング法の成膜を行なう第二減圧室6とALD法の成膜を行なう第一減圧室7のそれぞれについて、大型ドライポンプにより5Paまで排気した後、更に、スパッタリング法の成膜を行なう上記第二減圧室6はターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて5×10-3Paまで排気した。また、各キャンロール11、12における水冷温調の設定値は20℃とした。
そして、上記フィルム(耐熱性ポリイミドフィルム)8の搬送速度を2m/分にした後、表面処理ユニット13のイオンビーム、各プラズマ反応室14〜19のプラズマと各マグネトロンスパッタカソード20、21、22、23、24、25、26、27にも酸素ガスあるいはアルゴンガスを導入し、イオンビーム、各プラズマ反応室のプラズマと各マグネトロンスパッタカソードに電力を印加して成膜処理を開始した。
そして、上記フィルム8の長さ190m分が通過して時点で、イオンビーム、各プラズマ反応室のプラズマと各マグネトロンスパッタカソードへの電力を停止し、それぞれのガス導入も停止した。
最後に、フィルム8の搬送を停止し、かつ、各ポンプを停止してから第二減圧室6と第一減圧室7をベント(大気開放)し、巻き出しロール9の耐熱性ポリイミドフィルム8の終端部を外し、全てのフィルム8を巻き取りロール10に巻き取ってから取り外した。
そして、得られた金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの一部を切り出し、その第1成膜面(上記フィルムの一方の面に形成されたCuの金属シード層と金属ベース層)および第2成膜面(上記フィルムの他方の面に形成されたCuの金属シード層と金属ベース層)を部分的にエッチングし、かつ、それぞれの面に形成されたCuの膜厚を蛍光X線膜厚計により測定した結果、上記第1成膜面と第2成膜面とも約100nmであった。
その後、金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの金属ベース層上に、電解めっき法によりCu全体の膜厚が5μmになるまで金属膜を成膜して実施例に係る金属膜付耐熱性樹脂フィルムを得た。
[比較例]
実施例と同様に、長尺の耐熱性樹脂フィルム8には、幅500mm、長さ200m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックスS(登録商標)」を使用した。
また、比較例では、第一減圧室7のALD法による金属シード層の成膜は行なわず、第二減圧室6において、耐熱性ポリイミドフィルム面へ直接スパッタリングによる金属ベース層の成膜を行った。また、第一減圧室7内の表面処理ユニット13には、酸素ガス導入によるイオンビーム照射を採用し、イオンビーム電圧3kVを印加した。
また、各キャンロールにおける水冷温調の設定値は20℃とした。また、各マグネトロンスパッタターゲットにはCuを用い、アルゴンガスを300sccm導入し、各カソード電力10kWで成膜を行った。また、巻き出しロール9と巻き取りロール10の張力は80Nとした。
そして、第一減圧室7の巻き出しロール9に上記耐熱性ポリイミドフィルム8をセットし、かつ、表面処理ユニット13、各プラズマ反応室14〜19、キャンロール11、キャンロール12を経由して上記耐熱性ポリイミドフィルム8の先端部を巻き取りロール10に取り付けた。
上記製造装置5における第二減圧室6と第一減圧室7のそれぞれについて、大型ドライポンプにより5Paまで排気した後、更に、スパッタリング法の成膜を行なう上記第二減圧室6はターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて5×10-3Paまで排気した。
そして、上記フィルムの搬送速度を2m/分にした後、表面処理ユニット13のイオンビームと各マグネトロンスパッタカソード20、21、22、23、24、25、26、27にも酸素ガスあるいはアルゴンガスを導入し、イオンビームと各マグネトロンスパッタカソードに電力を印加して成膜処理を開始し、かつ、上記フィルム8の長さ190m分が通過して時点で、イオンビームと各マグネトロンスパッタカソードへの電力を停止し、それぞれのガス導入も停止した。
最後に、フィルム8の搬送を停止し、かつ、各ポンプを停止してから第二減圧室6と第一減圧室7をベント(大気開放)し、巻き出しロール9の耐熱性ポリイミドフィルム8の終端部を外し、全てのフィルム8を巻き取りロール10に巻き取ってから取り外した。
そして、得られた比較例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの一部を切り出し、その第1成膜面(上記フィルムの一方の面に直接形成されたCuの金属ベース層)および第2成膜面(上記フィルムの他方の面に直接形成されたCuの金属ベース層)を部分的にエッチングし、かつ、それぞれの面に形成されたCuの膜厚を蛍光X線膜厚計により測定した結果、上記第1成膜面と第2成膜面とも約100nmであった。
その後、比較例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの金属ベース層上に、電解めっき法によりCu全体の膜厚が5μmになるまで金属膜を成膜して比較例に係る金属膜付耐熱性樹脂フィルムを得た。
「評 価」
耐熱性樹脂フィルム上にALD法による金属シード層(Cu)を成膜しかつこの金属シード層(Cu)上にスパッタリング法により金属ベース層(Cu)を成膜して製造された実施例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと、上記ALD法による金属シード層(Cu)を形成せずに耐熱性樹脂フィルムの面上に直接スパッタリング法により金属ベース層(Cu)を成膜して製造された比較例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムについて、各金属ベース層内に存在するピンホールの数を計測した。
すなわち、実施例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと比較例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムから、それぞれ100mm角のサンプルを切り出し、各サンプル両面に形成された金属ベース層内の直径10μm以上のピンホールの数を顕微鏡観察により計測した。
この結果、ALD法による金属シード層(Cu)の上に金属ベース層(Cu)が成膜された実施例に係る上記金属ベース層(Cu)にはピンホールが両面とも存在しなかったのに対し、ALD法による金属シード層(Cu)を形成せずに耐熱性樹脂フィルムの面上に直接スパッタリング成膜された比較例に係る金属ベース層(Cu)にはピンホールが存在し、一方の第1成膜面の金属ベース層(Cu)にはピンホールが26個計測され、また、他方の第2成膜面の金属ベース層(Cu)にはピンホールが36個計測された。
そして、このような差異が生ずる理由として本発明者は以下のように考えている。
まず、実施例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムにおいては、ALD法により耐熱性樹脂フィルムの両面にピンホールのない金属シード層(Cu)が耐熱性樹脂フィルム表面に沿って表面上での化学反応により一様かつ均一に形成されているため、金属面である金属シード層(Cu)上にスパッタリング法により成膜される金属ベース層(Cu)にピンホールが形成され難いと考えられる。
他方、比較例に係る金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムにおいては、ALD法による金属シード層(Cu)が形成されず、耐熱性樹脂フィルムの表面に、直接スパッタリング法により金属ベース層(Cu)が成膜されている(すなわち、ターゲットからスパッタリング現象により飛来してくる粒子が耐熱性樹脂フィルム上に堆積して形成されている)ため、耐熱性樹脂フィルム表面に存在する傷等に影響されて、耐熱性樹脂フィルムと金属ベース層(Cu)界面にピンホールが発生し易く、膜厚100nm程度の金属ベース層(Cu)の厚さでは上記ピンホールを塞ぐことができないためと考えられる。
そして、本発明に係る製造方法によれば、ALD法により耐熱性樹脂フィルムの両面に成膜される金属シード層にピンホールが存在しないことから、この金属シード層の上にスパッタリング法により成膜される金属ベース層にもピンホールが生じ難いため、ピンホールを塞ぐ必要がなくなる分、金属ベース層の膜厚を薄く設定することができる。
従って、金属ベース層の膜厚を従来法より薄く設定できる分、金属ベース層の密着力に優れかつピンホールのない金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造できることが確認される。
本発明に係る製造方法によれば、金属ベース層の密着力に優れかつピンホールのない金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムを効率よく製造できるため、この金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムから得られる金属膜付耐熱性樹脂フィルムを液晶テレビ、携帯電話等のフレキシブル配線に適用できる産業上の利用可能性を有している。
1 耐熱性樹脂フィルム
2 ALD法による金属シード層
3 スパッタリング法による金属ベース層
4 湿式めっき法による金属膜
5 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
6 第二減圧室
7 第一減圧室
8 耐熱性樹脂フィルム(耐熱性ポリイミドフィルム)
9 巻き出しロール
10 巻き取りロール
11 キャンロール
12 キャンロール
13 表面処理ユニット
14 第1プラズマ反応室
15 第2プラズマ反応室
16 第1プラズマ反応室
17 第2プラズマ反応室
18 第1プラズマ反応室
19 第2プラズマ反応室
20 マグネトロンスパッタカソード
21 マグネトロンスパッタカソード
22 マグネトロンスパッタカソード
23 マグネトロンスパッタカソード
24 マグネトロンスパッタカソード
25 マグネトロンスパッタカソード
26 マグネトロンスパッタカソード
27 マグネトロンスパッタカソード
28 フリーロール
29 フリーロール
30 フリーロール
31 フリーロール若しくは駆動ロール
32 フリーロール若しくは駆動ロール
33 フリーロール
34 フリーロール
35 フリーロール
36 フリーロール
37 フリーロール若しくは駆動ロール
38 フリーロール若しくは駆動ロール
39 フリーロール
40 フリーロール
41 隔壁
42 開口部

Claims (8)

  1. 長尺の耐熱性樹脂フィルムの両面にスパッタリング法により成膜された金属ベース層を有し、各金属ベース層上に湿式めっき法により金属膜が形成される金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法において、
    巻き出しロールから巻き出された長尺の耐熱性樹脂フィルムをロール・トゥ・ロール方式により搬送して巻き取りロールに巻き取ると共に、巻き出しロールと巻き取りロール間の搬送路上において原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法により上記耐熱性樹脂フィルムの両面に金属シード層をそれぞれ成膜する第一成膜工程と、
    上記搬送路上において耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有する第一スパッタリングウェブコータにより一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二成膜工程と、
    上記搬送路上において上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有する第二スパッタリングウェブコータにより他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第三成膜工程と、
    各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取る巻き取り工程、
    を具備し、かつ、上記第一成膜工程、第二成膜工程および第三成膜工程を連続して行なうことを特徴とする金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 上記第一成膜工程が、耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室を交互に少なくとも1組以上配置した金属シード層の成膜手段を用いて行なうことを特徴とする請求項1に記載の金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 上記金属シード層が、Ni、Ni系合金、Cu、Cu系合金から選ばれる1種で構成され、かつ、上記金属ベース層が、CuまたはCu系合金から選ばれる1種で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 上記長尺の耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミドフィルムまたはアラミドフィルムから選ばれる1種で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの各金属ベース層上に、湿式めっき法により金属ベース層と同種の金属膜をそれぞれ形成することを特徴とする金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 長尺の耐熱性樹脂フィルムの両面に原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法によりそれぞれ成膜された金属シード層と、各金属シード層上にスパッタリング法によりそれぞれ成膜された金属ベース層とを有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置において、
    第一減圧室と、隔壁を介し上記第一減圧室に隣接して設けられた第二減圧室を具備し、
    上記第一減圧室内には、長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き出す巻き出しロールと、巻き出された耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り第1反応ガスを導入する第1プラズマ反応室と第2反応ガスを導入する第2プラズマ反応室が交互に少なくとも1組以上配置された金属シード層の成膜手段が設けられ、かつ、
    上記第二減圧室内には、隔壁の開口部を介し搬入されてくる耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有しかつ上記耐熱性樹脂フィルムの一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第一スパッタリングウェブコータと、上記一方の金属シード層上に金属ベース層を成膜した耐熱性樹脂フィルムが巻き付けられるキャンロールとスパッタカソードを有しかつ上記耐熱性樹脂フィルムの他方の金属シード層上に金属ベース層を成膜する第二スパッタリングウェブコータ、および、各金属シード層上に金属ベース層がそれぞれ成膜された長尺の耐熱性樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールが設けられていると共に、
    ロール・トゥ・ロール方式の搬送手段を構成する複数のロール群が耐熱性樹脂フィルムの搬送方向に亘り上記第一減圧室と第二減圧室にそれぞれ設けられていることを特徴とする金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置。
  7. 上記金属シード層の成膜手段により形成される金属シード層が、Ni、Ni系合金、Cu、Cu系合金から選ばれる1種で構成され、かつ、第一スパッタリングウェブコータと第二スパッタリングウェブコータにより形成される金属ベース層が、CuまたはCu系合金から選ばれる1種で構成されることを特徴とする請求項6に記載の金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置。
  8. 上記長尺の耐熱性樹脂フィルムが、ポリイミドフィルムまたはアラミドフィルムから選ばれる1種で構成されることを特徴とする請求項6または7に記載の金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置。
JP2009098818A 2009-04-15 2009-04-15 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置 Active JP5071428B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009098818A JP5071428B2 (ja) 2009-04-15 2009-04-15 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009098818A JP5071428B2 (ja) 2009-04-15 2009-04-15 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010247417A true JP2010247417A (ja) 2010-11-04
JP5071428B2 JP5071428B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=43310331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009098818A Active JP5071428B2 (ja) 2009-04-15 2009-04-15 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5071428B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011255611A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 誘電体膜を有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの各製造方法および誘電体膜を有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
WO2012020771A1 (ja) * 2010-08-13 2012-02-16 旭硝子株式会社 積層体および積層体の製造方法
JP2013223968A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 長尺樹脂フィルムの処理装置及び処理方法
CN104244585A (zh) * 2013-07-04 2014-12-24 漳州市福世通电子有限公司 一种卷式fpc线路基材与片式覆盖膜贴合的工艺方法
JP2015014028A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 住友金属鉱山株式会社 樹脂フィルムの表面処理方法及びこれを含んだ銅張積層板の製造方法
JP2015040324A (ja) * 2013-08-21 2015-03-02 住友金属鉱山株式会社 樹脂フィルムの表面処理方法及びこれを含んだ銅張積層板の製造方法
JP2015081373A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 住友金属鉱山株式会社 両面成膜方法と両面成膜装置および金属ベース層付樹脂フィルムの製造方法
WO2016098237A1 (ja) * 2014-12-18 2016-06-23 ギガフォトン株式会社 グレーティング、グレーティングの製造方法及びグレーティングの再生方法
JP2018069578A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 住友金属鉱山株式会社 両面めっき積層体、両面めっき積層体の製造方法
CN109142384A (zh) * 2018-09-06 2019-01-04 郑芸芸 一种电解铜箔渗透点与针孔检测用雾化系统及其应用
US10252940B2 (en) 2013-07-16 2019-04-09 3M Innovative Properties Company Roll processing of film
CN112930421A (zh) * 2018-10-23 2021-06-08 住友金属矿山株式会社 带金属膜的树脂膜的制造装置和制造方法
CN115547606A (zh) * 2022-10-25 2022-12-30 广东省科学院新材料研究所 一种聚酰亚胺包覆的金属磁粉芯及其制备方法
CN115851152A (zh) * 2022-09-08 2023-03-28 墨光新能科技(苏州)有限公司 一种手机透明制冷膜及其制备方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04209742A (ja) * 1990-12-03 1992-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd マイクロ波用誘電体セラミックスの混合・粉砕方法
JP2002172734A (ja) * 2000-12-07 2002-06-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリイミド/金属積層体、およびそれを用いたフレキシブルプリント配線板
JP2004154946A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 銅被覆プラスチック基板
JP2007069561A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 2層フレキシブル基板とその製造方法
JP2007090803A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Fujifilm Corp ガスバリアフィルム、並びに、これを用いた画像表示素子および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2008016596A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 耐折曲げ性を有する銅被覆ポリイミド基板
JP2008078276A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板
JP2008130585A (ja) * 2006-11-16 2008-06-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 銅被覆ポリイミド基板とその製造方法
JP2008162245A (ja) * 2007-01-05 2008-07-17 Toray Advanced Film Co Ltd メッキ法2層銅ポリイミド積層フィルムおよびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04209742A (ja) * 1990-12-03 1992-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd マイクロ波用誘電体セラミックスの混合・粉砕方法
JP2002172734A (ja) * 2000-12-07 2002-06-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリイミド/金属積層体、およびそれを用いたフレキシブルプリント配線板
JP2004154946A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 銅被覆プラスチック基板
JP2007069561A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 2層フレキシブル基板とその製造方法
JP2007090803A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Fujifilm Corp ガスバリアフィルム、並びに、これを用いた画像表示素子および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2008016596A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 耐折曲げ性を有する銅被覆ポリイミド基板
JP2008078276A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板
JP2008130585A (ja) * 2006-11-16 2008-06-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 銅被覆ポリイミド基板とその製造方法
JP2008162245A (ja) * 2007-01-05 2008-07-17 Toray Advanced Film Co Ltd メッキ法2層銅ポリイミド積層フィルムおよびその製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011255611A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 誘電体膜を有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの各製造方法および誘電体膜を有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
WO2012020771A1 (ja) * 2010-08-13 2012-02-16 旭硝子株式会社 積層体および積層体の製造方法
JP2013223968A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 長尺樹脂フィルムの処理装置及び処理方法
CN104244585A (zh) * 2013-07-04 2014-12-24 漳州市福世通电子有限公司 一种卷式fpc线路基材与片式覆盖膜贴合的工艺方法
JP2015014028A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 住友金属鉱山株式会社 樹脂フィルムの表面処理方法及びこれを含んだ銅張積層板の製造方法
US10252940B2 (en) 2013-07-16 2019-04-09 3M Innovative Properties Company Roll processing of film
JP2015040324A (ja) * 2013-08-21 2015-03-02 住友金属鉱山株式会社 樹脂フィルムの表面処理方法及びこれを含んだ銅張積層板の製造方法
JP2015081373A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 住友金属鉱山株式会社 両面成膜方法と両面成膜装置および金属ベース層付樹脂フィルムの製造方法
JPWO2016098237A1 (ja) * 2014-12-18 2017-09-28 ギガフォトン株式会社 グレーティング、グレーティングの製造方法及びグレーティングの再生方法
WO2016098237A1 (ja) * 2014-12-18 2016-06-23 ギガフォトン株式会社 グレーティング、グレーティングの製造方法及びグレーティングの再生方法
US10466414B2 (en) 2014-12-18 2019-11-05 Gigaphoton Inc. Grating, method for manufacturing grating, and method for recycling grating
JP2018069578A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 住友金属鉱山株式会社 両面めっき積層体、両面めっき積層体の製造方法
CN109142384A (zh) * 2018-09-06 2019-01-04 郑芸芸 一种电解铜箔渗透点与针孔检测用雾化系统及其应用
CN112930421A (zh) * 2018-10-23 2021-06-08 住友金属矿山株式会社 带金属膜的树脂膜的制造装置和制造方法
CN115851152A (zh) * 2022-09-08 2023-03-28 墨光新能科技(苏州)有限公司 一种手机透明制冷膜及其制备方法
CN115851152B (zh) * 2022-09-08 2024-04-12 墨光新能科技(苏州)有限公司 一种手机透明制冷膜及其制备方法
CN115547606A (zh) * 2022-10-25 2022-12-30 广东省科学院新材料研究所 一种聚酰亚胺包覆的金属磁粉芯及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5071428B2 (ja) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5071428B2 (ja) 金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法および金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
JP6028711B2 (ja) 両面成膜方法と金属ベース層付樹脂フィルムの製造方法
EP0840676B1 (en) Adhesiveless flexible laminate and process for making adhesiveless flexible laminate
JP5659807B2 (ja) ロール・トゥ・ロール方式真空両面成膜装置および両面金属ベース層付樹脂フィルム製造装置
JP6477150B2 (ja) スパッタリング成膜方法およびそれを用いた金属化樹脂フィルムの製造方法ならびにスパッタリング成膜装置
JP5304733B2 (ja) 誘電体膜を有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムと金属膜付耐熱性樹脂フィルムの各製造方法および誘電体膜を有する金属ベース層付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
JP2015040324A (ja) 樹脂フィルムの表面処理方法及びこれを含んだ銅張積層板の製造方法
JP5769030B2 (ja) 金属化樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2007120777A (ja) 2層フレキシブル基板用樹脂フィルムの乾燥保管方法及び加熱乾燥装置
TWI389618B (zh) 2層薄膜,2層薄膜之製造方法及印刷基板之製造方法
US20180066362A1 (en) Apparatus for Processing Long Base Material by Roll-to-Roll Method and Film Forming Apparatus Using the Same
JP2012026025A (ja) 成膜方法、金属ベース層付樹脂フィルムの製造方法及びスパッタリング装置
JP2012077330A (ja) スパッタリング装置、スパッタリング方法及び金属ベース層付樹脂フィルムの製造方法
JP5310486B2 (ja) 長尺耐熱性樹脂フィルムの成膜方法と金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造装置
WO2020084974A1 (ja) 金属膜付き樹脂フィルムの製造装置と製造方法
JP6447459B2 (ja) 成膜方法及びその装置並びに成膜体製造装置
TWI686292B (zh) 積層體基板、導電性基板、積層體基板之製造方法、導電性基板之製造方法
WO2017073411A1 (ja) 長尺基板の巻取方法及び巻取装置、並びに該巻取装置を備えた長尺基板の表面処理装置
TWI740970B (zh) 積層體基板、導電性基板、積層體基板的製造方法、導電性基板的製造方法
JP2015014028A (ja) 樹脂フィルムの表面処理方法及びこれを含んだ銅張積層板の製造方法
JP2014101532A (ja) 真空成膜装置と真空成膜方法
JP2018053340A (ja) 被成膜物の成膜方法および成膜装置ならびに該成膜方法を用いた金属化樹脂フィルムの製造方法
JPH05299820A (ja) フレキシブルプリント配線板
JP5835670B2 (ja) プリント配線基板およびその製造方法
JP5668677B2 (ja) 長尺帯状体の搬送制御方法と長尺帯状体の表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120724

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120806

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5071428

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3