JP2007069561A - 2層フレキシブル基板とその製造方法 - Google Patents

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純一 永田
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Abstract

【課題】芳香族ポリアミドフィルムを使用したフレキシブル配線板の製造において、(1)初期密着力、(2)150℃大気中に168時間放置した後の耐熱密着力、(3)121℃、湿度95%、2気圧の環境下に100時間放置するPCT試験(Pressure Cooker Test)後のPCT密着力の各々が、すべて400N/m以上となる総厚の薄い2層フレキシブル基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の2層フレキシブル基板は、芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、次いで該下地金属層上に銅被膜層を形成し、前記下地金属層が接する側の前記芳香族ポリアミドフィルムの表面には、乾式表面処理法により膜厚2〜15nmの改質層が設けられていることを特徴とする。また、改質した該フィルムの表面上に、ニッケル−クロム−モリブデン合金を含有する下地金属層を形成することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、2層フレキシブル基板とその製造方法に係り、より具体的には、芳香族ポリアミドフィルム表面に、乾式表面処理法により膜厚2〜15nmの改質層を形成し、該フィルムの表面上に乾式めっき法で下地金属層を形成し、次いで、該下地金属層上に銅被膜層を形成した、密着性が高く、かつフィルム厚さも含めた総厚の薄い、2層フレキシブル基板及びその製造方法に関するものである。
一般に、フレキシブル配線板を作製するために用いられる基板は、絶縁体フィルム上に接着剤を用いて導体層となる銅箔を貼り合わせた3層フレキシブル基板(例えば、特許文献1参照)と、該絶縁体フィルム上に接着剤を用いることなしに乾式めっき法または湿式めっき法により導体層となる銅被膜層を直接形成した2層フレキシブル基板とに大別される。
ここで、3層フレキシブル基板を用いる場合には、サブトラクティブ法によって基板上に所望の配線パターンを形成することにより3層フレキシブル配線板を製造することができ、また、2層フレキシブル基板を用いる場合には、サブトラクティブ法またはアディティブ法によって基板上に所望の配線パターンを形成することにより2層フレキシブル配線板を製造することができるが、従来においては、製造方法が簡単で、低コストで製造することができる3層フレキシブル基板の使用が主流を占めていた。
ところで、近年の電子機器の高密度化に伴い、配線幅も狭ピッチ化した配線板が求められるようになってきている。
しかし、3層フレキシブル基板の製造に際しては、基板である絶縁体フィルム上に形成した銅被膜層に所望の配線パターンに従ってエッチングして配線部の形成を行って配線板を製造する場合に、配線部の側面がエッチングされるといういわゆるサイドエッチングが生ずるために配線部の断面形状が裾広がりの台形になり易いという問題があった。
従って、配線部間の電気的絶縁性を確保するまでエッチングを行うと配線ピッチ幅が広くなり過ぎてしまうために、従来一般的に使用されている35μm厚さの銅箔を接着剤で絶縁体フィルムと貼り合わせた3層フレキシブル基板を用いる限り、配線板における配線部の狭ピッチ化を行うには限界があった。
また、接着剤層の厚さも20〜40μmと厚いことから、フレキシブル基板全体の厚みがかなり厚くなってしまうという問題もあった。
そこで、接着剤を施すことなく直接絶縁体フィルム上に銅被覆層を形成することができる2層フレキシブル基板を用いた2層フレキシブル配線板が注目されるに至った。
かかる2層フレキシブル基板は接着剤なしで直接絶縁体フィルム上に銅導体層を形成するものであり、従って基板自体の厚さを薄くすることができる上に、被着させる銅導体被膜の厚さも任意の厚さに調整することができるという利点を有している。
しかし、2層フレキシブル基板は、初期密着力こそ実用レベルにあるものの、耐熱環境における密着力や高温高湿環境における密着力など、信頼性に関わる密着性について従来の3層フレキシブル基板と比較して低く、不安が持たれていた。
即ち、市場からは、耐熱環境における密着力や高温高湿環境における密着力についても、3層フレキシブル基板の初期密着力と同等の密着力(400N/m程度)の確保が求められていた。
ところで、2層フレキシブル基板や3層フレキシブル基板に使用される絶縁体フィルムとしては、優れた耐熱性を有し、また、機械的、電気的および化学的特性において他のプラスティック材料に比べ遜色のないことから、ポリイミドフィルムが多用されている。
しかし、例えば特許文献2にあるように、ポリイミドフィルムは耐熱性には優れるものの、該ポリマの性質及び製法等から薄いフィルムの製造が困難で、高コスト化による経済性の問題、及び弾性率が低いことによる腰の弱さが問題となっていた。
このため、従来のポリイミドフィルムに代えて、ポリイミドに次ぐ耐熱性を備え、また高い機械的強度を有している、芳香族ポリアミドフィルムに接着剤を施すことなく直接導体層を形成する2層フレキシブル基板が提案されている。
例えば特許文献3には、パラ配向性芳香族ポリアミドフィルムを絶縁基板とし、そのフィルムの少なくとも片面に0.5〜15μmの厚みの導電性金属薄膜が接着剤を介することなく実質的に直接に付着されてなるフレキシブルプリント配線基板が提案されている。
より具体的には、特許文献3には、密着力に関しては、金属薄膜を、およその目安として1μm以内とする場合には、該金属密着力の高いものが得られるイオンプレーティング法、またはスパッタリング法が好ましく、更に目安として1μmよりも厚い金属薄膜を形成させる場合には、前記したイオンプレーティング法、またはスパッタリング法により形成した金属薄膜上に、更に、上記各種蒸着法または上記各種メッキ法により同種又は異種の金属薄膜を形成させて膜厚みを高めることが好ましく、該金属密着力を更に高める手法として、その活性度により極めて密着力が高い金属種であるチタン、クロム、モリブデン等の単体又は混合物を、予め該フィルムに数百Å程度に上記のような公知の付着法のいずれかにより積層させて後、その上に目的とする導電性金属を上記手法により積層させることも有効であり、また、イオンシャワー等で積層界面のクリーニングをすることも該密着力向上に有効であることが記載されている。
しかし、特許文献3記載の芳香族ポリアミドフィルムへの金属薄膜形成方法であっても、耐熱環境における密着力や高温高湿環境における密着力等に関しては何ら示唆されておらず、依然として、このような過酷な環境下における密着性の改善は得られていなかった。
また、例えば特許文献4には、表面粗化処理が施されることによりその表面のRa値が2〜10nmとされているアラミドフィルムと、前記アラミドフィルムの表面に、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上が成膜されてなりその平均厚さが0.1〜5nmである中間層と、この中間層上に形成された平均厚さ10nm以上の金属層とを具備することを特徴とする金属化アラミドフィルムが提案されている。
しかし、中間層は0.1〜5nmという薄さであるから、孔のない緻密な膜にはなっていないと考えられ、例えば多数の孔が形成された多孔膜状、または島状に成膜材料が点在する状態と記載されており、これでは金属層が銅である場合には、信頼性に関わる密着性が得られるというまでには至っていなかった。
特開平6−132628号公報 特許第2795265号公報 特許第2706707号公報 特開2003−112387号公報 特開2003−337091号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、(1)初期密着力、(2)150℃大気中に168時間放置した後の耐熱密着力、(3)121℃、湿度95%、2気圧の環境下に100時間放置するPCT試験(Pressure Cooker Test)後のPCT密着力の各々が、すべて400N/m以上となり、かつフィルム厚さも含めた総厚の薄い2層フレキシブル基板とその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、2層フレキシブル基板に使用される芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、乾式表面処理法により形成された、厚みが2〜15nmの改質層を設けることにより、密着性が高く、かつフィルム厚さも含めた総厚の薄い2層フレキシブル基板を得ることができ、狭幅、狭ピッチの配線部を持った、総厚の薄いフレキシブル配線板にも適用できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、次いで該下地金属層上に銅被膜層を形成する2層フレキシブル基板において、前記下地金属層が接する側の前記芳香族ポリアミドフィルムの表面には、乾式表面処理法により膜厚2〜15nmの改質層が設けられていることを特徴とする2層フレキシブル基板を提供する。
本発明の第2の発明は、前記芳香族ポリアミドフィルムの厚さは、3〜30μmであることを特徴とする第1の発明記載の2層フレキシブル基板を提供する。
本発明の第3の発明は、前記下地金属層は、少なくともクロムを3重量%含有し、クロムとモリブデンの合計が7〜60重量%で、残部がニッケルのニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する膜厚3〜50nmの下地金属層からなることを特徴とする第1の発明記載の2層フレキシブル基板を提供する。
本発明の第4の発明は、前記銅被膜層の膜厚は、10nm〜18μmであることを特徴とする第1の発明記載の2層フレキシブル基板を提供する。
本発明の第5の発明は、芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、次いで該下地金属層上に銅被膜層を形成する2層フレキシブル基板の製造方法において、前記下地金属層が接する側の前記芳香族ポリアミドフィルムの表面に、乾式表面処理法により膜厚2〜15nmの改質層を形成し、該フィルムの表面上に、少なくともクロムを3重量%含有し、クロムとモリブデンの合計が7〜60重量%で、残部がニッケルのニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する膜厚3〜50nmの下地金属層を乾式めっき法により形成し、次いで、該下地金属層上に銅被膜層を形成することを特徴とする2層フレキシブル基板の製造方法を提供する。
本発明の第6の発明は、前記乾式表面処理法は、紫外線照射処理および/またはプラズマ処理であることを特徴とする第5の発明記載の2層フレキシブル基板の製造方法を提供する。
本発明の第7の発明は、前記乾式めっき法は、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかであることを特徴とする第5の発明記載の2層フレキシブル基板の製造方法を提供する。
本発明の第8の発明は、前記銅被膜層を乾式めっき法により形成した後、更に、該銅被膜層の上に湿式めっき法により銅被膜層を形成することを特徴とする第5の発明記載の2層フレキシブル基板の製造方法を提供する。
本発明に係る2層フレキシブル基板及びその製造方法によれば、(1)初期密着力、(2)150℃大気中に168時間放置した後の耐熱密着力、(3)121℃、湿度95%、2気圧の環境下に100時間放置するPCT試験(Pressure Cooker Test)後のPCT密着力の各々が、すべて400N/m以上となり、かつフィルム厚さも含めた総厚の薄い2層フレキシブル基板を効率よく得ることができるので、その効果は極めて大きい。
1)2層フレキシブル基板
本発明の2層フレキシブル基板は、芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に所望の厚さの銅導体層を形成する2層フレキシブル基板であって、下地金属層が接する側の芳香族ポリアミドフィルム表面に、乾式表面処理法により、硝酸銀染色法による評価で2〜15nmの改質層と、該フィルム上に乾式めっき法により形成した下地金属層と、該下地金属層上に銅被膜層を形成したことを特徴としている。
上記構成を採用することによって、信頼性に関わる密着性の高い銅被膜層を形成した、フィルム厚さも含めた総厚の薄い2層フレキシブル基板を得ることができるのである。
a)改質層
一般的に、ポリイミドフィルム表面にプラズマ処理やコロナ放電、あるいは湿式の処理を行うと、表面のウィークバウンダリ(脆弱層)が取り除かれると同時に、カルボキシル基や水酸基などの親水性官能基が導入され、金属との密着性が高くなることが知られている。
しかし、ポリイミドフィルムと同等の表面処理を、芳香族ポリアミドフィルムに行って作製した2層フレキシブル基板は、耐熱試験あるいはPCT試験後で密着力が低下してしまうことを発明者らは見出した。これは、上記2層フレキシブル基板の密着強度測定後の剥離界面を詳細に分析した結果、表面処理で生成した改質層が過剰であるため、芳香族ポリアミドフィルム表面の分子鎖が切断され、フィルムとしての強度が低下することが密着力低下の原因となっていることが明らかになった。
そこで、初期密着および耐熱密着、さらにはPCT密着を全てバランス良く確保するためには、芳香族ポリアミドフィルムと下地金属界面における芳香族ポリアミド改質層の構造を制御する必要があることに着目して検討を重ねた。
検討を進めるにあたり、改質層を定量的に評価する必要性を重要視し、本出願人は先に出願した特許文献5に記載された硝酸銀水溶液によって染色して透過電子顕微鏡(TEM)で断面を観察する方法を利用した。
この方法では、表面を改質処理した芳香族ポリアミドフィルムに下地金属層、銅被膜層を形成後、湿式エッチングにより除去し、該試料を樹脂に包埋しミクロトームで断面切削する。そして、その切片を10%〜20%程度の濃度の硝酸銀水溶液に1時間以内の時間浸漬して改質層を染色した後、TEMで断面を観察する。改質層と結合した下地金属層成分に銀が置換析出することで、はっきりとしたコントラストでTEM観察が可能となり、改質層厚さを定量的に評価できるようになった。
本発明において、上記方法で改質層厚みの検討を行った結果、乾式表面処理法で得られた下地金属層が接する側の芳香族ポリアミドフィルム表面に存在する改質層厚みは、硝酸銀染色法による評価で2〜15nmの範囲にあることが必要であることを見出した。
乾式表面処理が無い場合、もしくは、乾式表面処理があまりに弱すぎるなどの理由で、改質層厚みが2nmよりも薄いと、芳香族ポリアミドフィルム表面へのカルボキシル基や水酸基などの親水性官能基が充分に導入されないことから、配線部との密着強度が不足するなどの問題が発生するため、好ましくない。
また、ポリイミドフィルムと同等の前処理、例えば、ポリイミドフィルム表面のウィークバウンダリ(脆弱層)を取り除くような強い処理を行うなどを理由として該膜厚が15nmよりも厚くなると、芳香族ポリアミドフィルム表面にはウィークバウンダリ(脆弱層)が元々ほとんど存在しないことから、芳香族ポリアミドフィルム表面の分子鎖を切断してしまうこととなり、密着強度低下の原因となるので、好ましくない。
b)芳香族ポリアミドフィルム
本発明の2層フレキシブル基板においては、芳香族ポリアミドフィルムとしては、次の一般式(I)および/または一般式(II)で表わされる繰り返し単位により構成される。
一般式(I)
Figure 2007069561
一般式(II)
Figure 2007069561
ここで、Ar、Ar、Arは少なくとも1個の芳香環を含み、同一でも異なっていてもよく、例えば、
Figure 2007069561
などを選択することでき、Xは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S−等を選択することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、フッ素や塩素、臭素などのハロゲン基、ニトロ基、メチル基やエチル基、プロピル基などのアルキル基、メトキシ基やエトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含む。
特性面からは上記の芳香環がパラ配向位で結合されたものが、80モル%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性も良好となるため好ましい。ここでいうパラ配向位とは結合位が直線(同軸または平行位)となるものである。
本発明に用いる芳香族ポリアミドは、フィルムおよびフレキシブル基板としての物性を損ねない範囲で、他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされていても差し支えない。
本発明に用いる芳香族ポリアミドフィルムとして、具体的には、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)フィルムを用いることが好ましい。
上記芳香族ポリアミドフィルムの厚さは、3〜30μmの範囲が好ましい。該厚みが3μmよりも薄いと、フィルムとしての腰が弱くなるので、ハンドリング性が低下することがあり好ましくない。該厚みが30μmよりも厚くなると、基板としての総厚が厚くなってしまうので、好ましくない。
尚、該芳香族ポリアミドフィルムには、補強などを目的として、ガラス繊維等の無機質材料を適宜添加することもできる。
c)下地金属層
本発明の2層フレキシブル基板においては、前記乾式めっき法で得られたニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する下地金属層の膜厚は、3〜50nmの範囲が好ましい。該膜厚が3nmよりも薄いと、配線加工を行う時のエッチング液が染み込み配線部が浮いてしまう等により配線ピール強度が著しく低下するなどの問題が発生するため、好ましくない。また、該膜厚が50nmよりも厚くなると、エッチングを行うことが難しくなるため、好ましくない。
該下地金属層の組成は、少なくともクロムを3重量%含有し、クロムとモリブデンの合計が7〜60重量%で、残部がニッケルであることが好ましい。先ず、クロムの割合が3重量%よりも低下すると、耐熱ピール強度が熱劣化で著しく低下することを防止できなくなるため好ましくない。また、クロムとモリブデンの合計が7重量%よりも低下すると、添加効果が現れず、耐食性、絶縁信頼性の向上が見られないため好ましくない。また、クロムとモリブデンの合計が60重量%を超えると、エッチングが難しくなってくるので好ましくない。このため、クロムとモリブデンの合計で、より好ましいのは、10〜40重量%であり、特に好ましいのは15〜30重量%である。
上記組成の下地金属層と、上記芳香族ポリアミドフィルムとを組み合わせることにより、
従来のポリイミドフィルムとを組み合わせた場合と比べ、大きな密着性が得ることができ、信頼性に関わる密着性を得ることが可能となる。
尚、該ニッケル−クロム−モリブデン合金に耐熱性や耐食性を向上する目的で遷移金属元素を目的特性に合わせて適宜添加することが可能である。特に、バナジウム、コバルト、タングステンが好ましい。
ここで、通常ニッケル基の合金ターゲットを用いてスパッタリング法で金属下地層を形成する場合、ニッケルの割合が93重量%より多いとスパッタリングターゲット自体が強磁性体となってしまい、マグネトロンスパッタリングで成膜する場合には、成膜スピードが低下してしまうため好ましくない。本構成のターゲット組成では、ニッケル量は93重量%以下となるため、マグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した場合でも良好な成膜レートを得ることができる。
一方、ターゲット組成でニッケルの割合が40重量%より少ないと、ニッケル−クロム−モリブデン合金としては塑性加工が困難となるため、スパッタリングターゲットなど蒸発源の作製が困難となる。本発明の組成の金属下地層を形成するためのターゲット組成では、ニッケル量は40重量%以上となるため、加工性に問題無く良好なスパッタリングターゲットが製造可能である。
また、該下地金属層には、該ニッケル−クロム−モリブデン合金以外に、ターゲット作製時に取り込まれるなどして含まれる1重量%以下の不可避不純物が存在していても良い。このため、後記する表2では、1重量%以下の不可避不純物を含めたニッケル量として、残部(=bal. (balance))と表記した。
d)銅被膜層
本発明の2層フレキシブル基板においては、該下地金属層上に形成された、乾式めっき法で形成された銅被膜層と、該銅被膜層の上に湿式めっき法で積層形成された銅被膜層を合わせた銅被膜層の膜厚は、10nm〜18μmであることが好ましい。10nmよりも薄い場合、乾式めっき法で形成される銅被膜層が薄くなるためその後の湿式めっき工程で給電がし辛くなるため好ましくない。また、18μmよりも厚くなると、生産性が低下するばかりでなく、基板としての総厚も厚くなってしまうので、好ましくない。
銅被膜層の形成に用いられる乾式めっき法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかを用いることができる。
一方、該乾式めっき法で銅被膜層を形成した後、該銅被膜層の上に、さらに湿式めっき法で銅被膜層を積層形成することは、比較的厚い膜を形成することに適している。
2)2層フレキシブル基板の製造方法
本発明においては、上記したように、芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面で、下地金属層が接する側の芳香族ポリアミドフィルムの表面に、乾式表面処理法により、硝酸銀染色法による評価で2〜15nmの改質層を形成し、該フィルム上に接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、次いで、該下地金属層上に所望の厚さの銅導体層を形成する。
a)脱水処理
芳香族ポリアミドフィルムは、通常、水分を含んでおり、乾式めっき法によりニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する下地金属層を形成する前に、大気中あるいは/および真空中で加熱を行い、該フィルム中に存在する水分を取り去っておくことが好ましい。これが不充分であると、下地金属層との密着性が悪くなってしまう。ただし、ポリイミドほどの耐熱性は備えていないので、ポリイミドフィルムよりも弱い条件、例えば、低いヒーター温度、短い処理時間で加熱することが好ましい。
b)改質層の形成
乾式表面処理法により、下地金属層が接する側の芳香族ポリアミドフィルムの表面に改質層を形成することが必要である。芳香族ポリアミドフィルム表面に好ましい改質層を形成するためには、芳香族ポリアミドフィルムがポリイミドフィルムほどの耐熱性は備えていないので、ポリイミドフィルムよりも弱い条件で、なおかつ本発明の改質層厚みである、硝酸銀染色法による評価で2〜15nmとなるよう処理できる方法でなくてはならない。
上記乾式表面処理法としては、紫外線照射処理、プラズマ処理のいずれか、もしくはそれら両方を用いることが好ましい。これらの処理の前にコロナ放電を行うことも好ましい。
上記方法を用い、例えば、ポリイミドフィルムの場合よりも低い電力密度、短い処理時間等で処理することにより、改質層を形成する。
上記したように、乾式表面処理が無い場合、もしくは、乾式表面処理があまりに弱すぎるなどの理由で、改質層厚みが2nmよりも薄いと、芳香族ポリアミドフィルム表面へのカルボキシル基や水酸基などの親水性官能基が充分に導入されないことから、配線部との密着強度が不足するなどの問題が発生するため、好ましくない。また、ポリイミドフィルムと同等の前処理、例えば、ポリイミドフィルム表面のウィークバウンダリ(脆弱層)を取り除くような強い処理を行うなどを理由として該膜厚が15nmよりも厚くなると、芳香族ポリアミドフィルム表面の分子鎖を切断してしまい、密着強度低下の原因となるので、好ましくない。
上記乾式表面処理法としては、紫外線照射処理、プラズマ処理のいずれか、もしくはそれら両方を用いることが好ましい。これらの処理の前にコロナ放電を行うことも好ましい。例えば、紫外線照射処理で改質層を形成する場合には、低圧水銀ランプかエキシマランプを用い、酸素雰囲気中で処理することにより、本発明の改質層厚みを形成する。また、例えば、プラズマ処理で改質層を形成する場合には、直流方式、交流方式、高周波方式のいずれでもよい。
プラズマ処理を施す装置としては、電極の形状には特に制限はなく、平板状、リング状、棒状等各種の形状の電極が使用できる。ロール状の芳香族ポリアミドフィルムを、プラズマ処理装置内部に設置した巻出機から巻出し、放電電極間を通過させて巻取機に巻き取りながら、放電プラズマ処理を行う方法が効果的であり好ましい。
このような乾式表面処理法によって、所望の改質層が、下地金属層が接する側の芳香族ポリアミドフィルムの表面上に形成される。
c)下地金属層の形成
本発明においては、乾式めっき法によりニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する下地金属層を形成する。例えば、フィルム巻取式スパッタリング装置を用い上記芳香族ポリアミドフィルムの表面上に下地金属層を形成する場合には、所望の下地金属層の組成と同様の組成を有する合金ターゲットをスパッタリング用カソードとして用いる。
具体的には、上記の脱水処理を施された芳香族ポリアミドフィルムをセットしたスパッタリング装置内を真空排気後、Arガスを導入して、装置内を1.3Pa程度に保持し、さらに装置内の巻取巻出ロールに装着した芳香族ポリアミドフィルムを毎分1〜5m程度の速さで搬送しながら、カソードに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給しスパッタリング放電を開始し、該フィルム上にニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する金属層を連続成膜する。この成膜によって、所望の膜厚の、ニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する下地金属層がフィルム上に形成される。
d)銅被覆層の形成
次に、同様に、銅ターゲットをスパッタリング用カソードに装着したスパッタリング装置を用い、乾式めっき法により銅被膜層を成膜することができる。この時、下地金属層と銅被膜層は同一真空室内で連続して形成することが好ましい。
また、該銅被膜層の上に更に湿式めっき法により銅被膜層を形成する場合には、電気銅めっき処理のみで行う場合と、一次めっきとして無電解銅めっき処理、二次めっきとして電解銅めっき処理等の湿式めっき法を組み合わせて行う場合がある。湿式銅めっき処理は、常法による湿式銅めっき法における諸条件を採用すればよい。
このようにして下地金属層上に形成された銅被膜層によれば、導体層の密着度の高い2層フレキシブル基板を得ることが可能となる。
また、このようにして下地金属層上に形成された乾式・湿式めっき法による銅被膜層の合計厚さは、厚くとも18μm以下にする必要がある。
e)配線パターンの形成
上記のような本発明に係る2層フレキシブル基板を用いて、該2層フレキシブル基板の少なくとも片面に、配線パターンを個別に形成する。また、所定の位置に層間接続のためのヴィアホールを形成して、各種用途に用いることもできる。
より具体的には、(1)高密度配線パターンをフレキシブルシートの少なくとも片面に個別に形成する。(2)該配線層が形成されたフレキシブルシートに、該配線層とフレキシブルシートとを貫通するヴィアホールを形成する。(3)場合によっては、該ヴィアホール内に、導電性物質を充填してホール内を導電化する。
前記配線パターンの形成方法としては、フォトエッチング等の従来公知の方法が使用でき、例えば、少なくとも片面に銅被膜層形成された2層フレキシブル基板を準備して、該銅上にスクリーン印刷あるいはドライフィルムをラミネートして感光性レジスト膜を形成後、露光現像してパターニングする。次いで、塩化第2鉄溶液などのエッチング液で該金属箔を選択的にエッチング除去した後、レジストを除去して所定の配線パターンを形成する。
配線をより高密度化するためには、両面に銅被膜層が形成された2層フレキシブル基板を準備し、両面をパターン加工して基板両面に配線パターンを形成することが好ましい。全配線パターンを幾つの配線領域に分割するかどうかは該配線パターンの配線密度の分布等によるが、例えば、配線パターンを配線幅と配線間隔がそれぞれ50μm以下の高密度配線領域とその他の配線領域に分け、プリント基板との熱膨張差や取扱い上の都合等を考慮し、分割する配線基板のサイズを10〜65mm程度に設定して適宜分割すればよい。
前記ヴィアホールの形成方法としては、従来公知の方法が使用でき、例えば、レーザー加工などにより、前記配線パターンの所定の位置に、該配線パターンとフレキシブルシートを貫通するヴィアホールを形成する。ヴィアホールの直径は、ホール内の導電化に支障がない範囲内で小さくすることが好ましく、通常100μm以下、好ましくは50μm以下にする。
該ヴィアホール内には、めっき、蒸着、スパッタリング等により銅等の導電性金属を充填、あるいは所定の開孔パターンを持つマスクを使用して導電性ペーストを圧入、乾燥し、ホール内を導電化して層間の電気的接続を行う。前記導電性金属としては、銅、金、ニッケル等が挙げられる。
次に、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本発明の内容は、この実施例によって何ら限定されるものではない。
芳香族ポリアミドフィルムと膜の密着力として、IPC−TM−650、NUMBER2.4.9に準拠した方法で、ピール強度を測定した。ただし、リード幅は1mmとし、ピールの角度は90°とした。リードはサブトラクティブ法あるいはセミアディティブ法で形成した。なお、ピール強度は銅厚が厚くなるほど高い値を示す傾向にあるが、本発明での密着力の測定は、現在汎用されている銅厚8μmでの測定を基準として実施した。
また、耐熱環境における密着力としては、1mmのリードを形成したフィルム基材を、150℃のオーブンに168時間放置し、取り出したあと室温になるまで放置したのち、90°ピール強度を評価することで行った。
さらに、高温高湿環境における密着力としては、1mmのリードを形成したフィルム基材を、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置し、取り出したあと室温になるまで放置したのち、90°ピール強度を評価することで行った。
厚さ12μmの芳香族ポリアミドフィルム(帝人アドバンストフィルム(株)製、製品名「アラミカ120R」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、真空容器内で加熱後、その片面をプラズマ中に十数秒間さらした。上記フィルムに、下地金属層の第1層として6重量%Cr−20重量%Mo−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により、6重量%Cr−20重量%Mo−Ni合金下地金属層を20nmの厚さに成膜した。さらにその上に第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、直流スパッタリング法により銅被膜層を200nmの厚さに成膜し、電気めっきで8μmまで形成して、評価用の原料基材とした。
この基材を塩化第2鉄溶液で該金属箔をエッチングして除去した後、樹脂に包埋し、ミクロトームで断面切削した。その切片を20%の濃度の硝酸銀水溶液に3分間浸漬し、その後水洗したものを透過電子顕微鏡(TEM:日立製作所(株)製)を用いて改質層の厚さを測定したところ2nmであった。
また、別途同条件で成膜した一部にドライフィルムをラミネートして感光性レジスト膜を形成後、露光現像し、塩化第2鉄溶液で該金属箔をエッチングして除去した後、レジストを除去してピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は492N/mであった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は403N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は411N/mと大きな変化がなく、良好であった。
プラズマ条件以外は実施例1と同様にして、評価用の原料基材を得た。実施例1と同様に改質層の厚さを測定したところ15nmであった。
別途同条件で成膜した一部から実施例1と同様にして、ピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は539N/mであった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は415N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は445N/mと大きな変化がなく、良好であった。
プラズマ条件を変え、下地金属層の第1層として3重量%Cr−4重量%Mo−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により、3重量%Cr−4重量%Mo−Ni合金下地金属層を3nmの厚さに成膜した以外は実施例1と同様にして、評価用の原料基材を得た。実施例1と同様に改質層の厚さを測定したところ10nmであった。
別途同条件で成膜した一部から実施例1と同様にして、ピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は504N/mであった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は408N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は418N/mと大きな変化がなく、良好であった。
下地金属層の第1層として3重量%Cr−57重量%Mo−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により、3重量%Cr−57重量%Mo−Ni合金下地金属層を50nmの厚さに成膜した以外は実施例3と同様にして、評価用の原料基材を得た。実施例1と同様に改質層の厚さを測定したところ10nmであった。
別途同条件で成膜した一部から実施例1と同様にして、ピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は539N/mであった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は412N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は434N/mと大きな変化がなく、良好であった。
[比較例1]
プラズマ処理を施さず、コロナ放電のみを施した、厚さ12μmの芳香族ポリアミドフィルム(帝人アドバンストフィルム(株)製、製品名「アラミカ120R」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、評価用の原料基材を得た。実施例1と同様に改質層の厚さを測定したところ1nmであった。
別途同条件で成膜した一部から実施例1と同様にして、ピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は167N/mと低かった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は155N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は144N/mと、いずれも低かった。
[比較例2]
プラズマ処理をポリイミドフィルムと同等の条件で行ったこと以外は実施例1と同様にして、評価用の原料基材を得た。実施例1と同様に改質層の厚さを測定したところ16nmであった。
別途同条件で成膜した一部から実施例1と同様にして、ピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は490N/mであった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は230N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は304N/mと、いずれも大きな低下が見られた。
[比較例3]
下地金属層の第1層として2重量%Cr−58重量%Mo−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により、2重量%Cr−58重量%Mo−Ni合金下地金属層を50nmの厚さに成膜した以外は実施例3と同様にして、評価用の原料基材を得た。実施例1と同様に改質層の厚さを測定したところ10nmであった。
別途同条件で成膜した一部から実施例1と同様にして、ピール強度評価用の1mmのリードを形成した。得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は458N/mであった。150℃のオーブンに168時間放置後の耐熱ピール強度は207N/mであり、また、121℃、湿度95%、2気圧のオーブンに100時間放置後のPCTピール強度は301N/mと、いずれも大きな低下が見られた。
[比較例4]
下地金属層の第1層として3重量%Cr−58重量%Mo−Ni合金ターゲットを作製しようとしたが、3重量%Cr−58重量%Mo−Ni合金インゴットの熱間鍛造中に亀裂が生じ、ターゲットを作製することができなかった。
上記、実施例および比較例の結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007069561
Figure 2007069561
以上述べた通り、本発明の2層フレキシブル基板の製造方法によれば、芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に所望の厚さの銅被膜層を形成する2層フレキシブル基板において、前記、厚みが3〜30μmの芳香族ポリアミドフィルムの、下地金属層が接する側の該フィルム表面に、乾式表面処理法により、硝酸銀染色法による評価で2〜15nmの改質層を形成し、該フィルム上に下地金属層を乾式めっき法により形成された、少なくともクロムを3重量%含有し、クロムとモリブデンの合計が7〜60重量%で、残部がニッケルのニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する膜厚3〜50nmの下地金属層と、該下地金属層上に膜厚10nm〜18μmの銅被膜層を形成したことを特徴とする2層フレキシブル基板を得ることができ、そして、本発明の2層フレキシブル基板によれば、下地金属層が接する側の芳香族ポリアミドフィルム表面に、硝酸銀染色法による評価で2〜15nmの改質層が存在することから、信頼性に関わる密着性を向上することができるため、該2層フレキシブル基板を用いることによって、密着性が高い狭幅、狭ピッチの配線部を有する、フィルム厚さも含めた総厚の薄いフレキシブル配線板を効率よく得ることができるので、その効果は極めて大きい。

Claims (8)

  1. 芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、次いで該下地金属層上に銅被膜層を形成する2層フレキシブル基板において、
    前記下地金属層が接する側の前記芳香族ポリアミドフィルムの表面には、乾式表面処理法により膜厚2〜15nmの改質層が設けられていることを特徴とする2層フレキシブル基板。
  2. 前記芳香族ポリアミドフィルムの厚さは、3〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の2層フレキシブル基板。
  3. 前記下地金属層は、少なくともクロムを3重量%含有し、クロムとモリブデンの合計が7〜60重量%で、残部がニッケルのニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する膜厚3〜50nmの下地金属層からなることを特徴とする請求項1記載の2層フレキシブル基板。
  4. 前記銅被膜層の膜厚は、10nm〜18μmであることを特徴とする請求項1記載の2層フレキシブル基板。
  5. 芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、次いで該下地金属層上に銅被膜層を形成する2層フレキシブル基板の製造方法において、前記下地金属層が接する側の前記芳香族ポリアミドフィルムの表面に、乾式表面処理法により膜厚2〜15nmの改質層を形成し、該フィルムの表面上に、少なくともクロムを3重量%含有し、クロムとモリブデンの合計が7〜60重量%で、残部がニッケルのニッケル−クロム−モリブデン合金を主として含有する膜厚3〜50nmの下地金属層を乾式めっき法により形成し、次いで、該下地金属層上に銅被膜層を形成することを特徴とする2層フレキシブル基板の製造方法。
  6. 前記乾式表面処理法は、紫外線照射処理および/またはプラズマ処理であることを特徴とする請求項5記載の2層フレキシブル基板の製造方法。
  7. 前記乾式めっき法は、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の2層フレキシブル基板の製造方法。
  8. 前記銅被膜層を乾式めっき法により形成した後、更に、該銅被膜層の上に湿式めっき法により銅被膜層を形成することを特徴とする請求項5記載の2層フレキシブル基板の製造方法。

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