JP2009283872A - プリント配線基板およびプリント配線基板の製造方法 - Google Patents

プリント配線基板およびプリント配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導体配線の形成時における高いエッチング性、具体的には塩化第2鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第2銅水溶液でエッチングした際に導体配線間に残留する下地金属層成分のエッチング残渣が少なく、導体配線間に高電圧を印加した場合に高い絶縁信頼性及び耐食性を兼ね備えたプリント配線基板およびその製造方法の提供。
【解決手段】絶縁樹脂フィルムAの少なくとも一方の表面に接着剤を介さずに順に積層される、ニッケル、又はニッケルを70mass%以上、クロムを15mass%未満含むニッケル−クロム合金からなる金属層B、ニッケルを含み、クロムを15mass%以上含有する合金からなる金属層C、膜厚10nm〜35μmの銅被膜層Dからなる金属膜の不要部分を化学エッチング処理により選択的に除去して導体配線が形成されたプリント配線基板。
【選択図】 図1

Description

本発明はプリント配線基板およびその製造方法に関し、より具体的には、絶縁樹脂フィルムと銅被膜層の間に、乾式めっき法によりエッチング性の良い金属層と耐食性の高い金属層を順次に形成し、高い絶縁信頼性を有したプリント配線基板およびその製造方法に関するものである。
フレキシブルなプリント配線基板は、絶縁樹脂フィルム上に接着剤を用いて導体層となる銅箔を貼り合わせた3層絶縁樹脂フィルム金属積層基板(例えば、特許文献1参照)と、絶縁樹脂フィルム上に接着剤を用いることなしに乾式めっき法または湿式めっき法により導体層となる銅被膜層を直接形成した2層絶縁樹脂フィルム金属積層基板とに大別される。
ところで、近年の電子機器の高密度化に伴い、狭ピッチ化した配線幅の配線基板が求められるようになり、上記3層絶縁樹脂フィルム金属積層基板の製造では、絶縁樹脂フィルム上に形成した銅被膜層を、所望の配線パターンに従い、エッチングすることにより導体配線部が形成されるが、その導体配線部の側面が過剰にエッチングされるという所謂サイドエッチングが生じ、その結果配線部の断面形状が裾広がりの台形になり易いという問題点が生じている。
このため、かかる問題を解決するために、従来の貼り合わせ銅箔(3層絶縁樹脂フィルム金属積層基板)に代えて、2層絶縁樹脂フィルム金属積層基板が現在主流になりつつある。
この2層絶縁樹脂フィルム金属積層基板は、絶縁樹脂フィルム上に均一な厚みの銅被覆層が形成されるが、その手段としては、通常電気めっき法が採用される。そして、電気めっきを行うために、電気めっきの形成前に絶縁樹脂フィルム上に薄い金属層を形成して表面全面に導電性を付与し、その上に電気めっきを行うのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。尚、絶縁樹脂フィルム上に形成される薄い金属層は、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式めっき法を用いて形成される。
こうした中で、絶縁樹脂フィルムと銅被覆層との密着性は、その界面にCuOやCuO等の脆弱層が形成されると非常に弱くなることから、プリント配線板に要求される銅被膜層との密着強度を維持するため、絶縁樹脂フィルムと銅被覆層との間に下地金属層として、ニッケル−クロム合金層を設けることが行われている(特許文献3参照)。以後、下地金属層と銅被膜層からなる積層体を金属膜とする。
2層絶縁樹脂フィルム金属積層基板の配線パターンは、サブトラクティブ法により形成される。このサブトラクティブ法とは、絶縁樹脂フィルム金属積層体基板の金属膜の不要部分を化学エッチング処理により除去してプリント配線基板を製造する製造方法である。
この化学エッチング処理は、化学エッチング液により不要となる金属膜の侵食と、化学エッチング液の除去のための水洗により構成され、化学エッチング処理では、化学エッチング液や水をシャワーなどで噴射したり、化学エッチング液などに浸漬して行うことが一般的である。
銅被膜層のエッチングに対応した化学エッチング液には、例えば、塩化第2鉄(FeCl・2HO)水溶液や、塩酸酸性の塩化第2銅(CuCl・2HO)水溶液があり、これらを使用した化学エッチング処理が行われて導体配線が形成される。
これらの化学エッチング液を用いた化学エッチング法では、下地金属層として耐食性の観点からクロム含有量の高いニッケル−クロム合金が用いられると、化学エッチングが十分になされず、導体配線の縁や導体配線間に下地金属層が溶け残り、エッチング残渣である金属残渣を発生させ、充分なエッチング成果が得られない場合があった。
更に、絶縁信頼性の面での問題点として、絶縁信頼性の指標には恒温恒湿バイアス試験(以後、HHBT試験ということがある。 High Temperature High Humidity Bias Test)等が実施されている。上述のエッチング残渣が生じる基板や、クロム含有量が低い下地金属層を用いたフレキシブルプリント配線基板に、HHBT試験における絶縁信頼性が充分でないことが明らかとなっている。
即ち、クロム含有量の高い下地金属層を有する2層樹脂フィルム金属積層基板を上述の化学エッチング処理を行った際に、ニッケル−クロム合金等の下地金属層がエッチング不足で溶け残っている場合、HHBT試験を行うと、隣接する導体配線が配線間に溶け残り残留している下地金属層成分からなる金属残渣により短絡してしまう問題が生じる。
一方、クロム含有量の低い下地金属層を有する2層樹脂フィルム金属積層基板ではエッチング残渣の発生は無いが、下地金属層の耐食性が確保できないのでHHBT試験における絶縁信頼性の確保ができない。従って、下地金属層にはエッチング性と耐食性の相反した特性が求められている。
そこで、絶縁信頼性を実現するための手段の一つとして、先に述べた導体配線間に残留するエッチング残渣を除去する必要があり、係る弊害を是正するものとして、例えば特許文献4には、銅被膜に対応した化学エッチング液である塩化第2鉄溶液又は塩酸酸性塩化第2銅溶液でエッチング処理後、塩酸を含む酸性エッチング液、過マンガン酸カリウム溶液等のアルカリ性エッチング液の1種又は2種以上を併用して処理することにより、配線間のエッチング残渣を溶解することが提案されている。
更には特許文献5には、配線間のエッチング残渣を塩酸と硫酸を含有する溶液で化学エッチングし、さらに過マンガン酸カリウムと水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの混合液に浸漬処理することが提案されている。
更には特許文献6には、配線間のエッチング残渣を、塩酸を含む酸性化学エッチング液で溶解し、さらにフェリシアン化カリウム又は過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液により処理することが提案されている。フェリシアン化カリウム又は過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液を用いる場合、銅配線のサイドエッチングの少ない方法で配線間に溶け残ったニッケルクロム合金あるいはニッケルクロムモリブデン合金を除去することが可能である。
特開平6−132628号公報 特開平8−139448号公報 特開平6−120630号公報 特開2005−23340号公報 特許第3888587号 特開2008−28150号公報
しかしながら、最近のフレキシブルプリント配線基板は、配線パターンの更なる高密度化に伴う、配線の狭ピッチ化が進み、又、高機能化に伴い高電圧での使用が要求されるようになってきて、その結果、使用されるプリント配線基板の絶縁信頼性が重要になっており、高電圧に耐えるため下地金属層にはより高い耐食性が求められている。
そこで、耐食性の観点からニッケル−クロム合金のクロム含有量が高い下地層を設ける傾向が見られるが、結果的に化学エッチング処理で導体配線間に下地金属層の成分が溶け残るエッチング残渣の発生が高まる傾向となっている。
又、従来、2層絶縁樹脂フィルム金属積層基板をサブトラクティブ法を用いて導体配線パターンを形成する場合、塩化第2鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第2銅水溶液の1種類の化学エッチング液でエッチング処理を行ってきたため、エッチング残渣の除去に新たにエッチング処理工程が増加することは、設備を新規に導入する必要があり設備コストや液管理コストが増大するという問題と工程増加による生産効率の低下を招いてしまう恐れがある。
本発明は、このような諸問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは乾式めっき法および電気めっき法を使用したフレキシブルプリント配線基板の製造における、絶縁樹脂フィルムの少なくとも片面上に下地金属層を形成し、この下地金属層に銅被膜層を形成するに際し、導体配線の形成時における高いエッチング性、具体的には塩化第2鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第2銅水溶液でエッチングした際に導体配線間に残留する下地金属層成分のエッチング残渣が少なく、導体配線間に高電圧を印加した場合に高い絶縁信頼性及び耐食性を兼ね備えたプリント配線基板およびその製造方法を提供することにある。
このような状況に鑑み、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、絶縁樹脂フィルムの片面または両面に、接着剤を介さずに、金属層B、金属層C、銅被膜層Dを積層させることで、絶縁信頼性の確保と、耐食性を兼ね備えたプリント配線基板を実現できることを見出したものである。
本発明の第1の発明は、絶縁樹脂フィルムAの少なくとも一方の表面に接着剤を介さずに金属膜を積層した樹脂フィルム金属膜積層基板の前記金属膜の不要部分を化学エッチング処理により選択的に除去して導体配線が形成されたプリント配線基板であって、前記導体配線を構成する金属膜が、前記絶縁樹脂フィルムAの表面に積層された、ニッケル、又はニッケルを70mass%以上、クロムを15mass%未満含むニッケル−クロム合金からなる金属層Bと、前記金属層Bの表面に積層された、ニッケルを含み、クロムを15mass%以上含有する合金からなる金属層Cと、前記金属層Cの表面に積層された、膜厚10nm〜35μmの銅被膜層Dとからなり、前記銅被膜層Dをエッチングする化学エッチング液のみを用いて、前記金属膜の不要部分を選択的に除去したことを特徴とするプリント配線基板である。
本発明の第2の発明は、前記金属層B、金属層Cおよび銅被膜層Dを順に積層した前記金属膜からなる導体配線を、塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液で化学エッチング処理した後の前記絶縁樹脂フィルムA上に残留する金属の残渣量が、前記絶縁樹脂フィルムAの単位面積当たり、0.13μg/cm以下であることを特徴とする第1の発明に記載のプリント配線基板である。
第3の発明は、前記金属層Bが、バナジウムを13mass%以下、チタンを8mass%以下、モリブデンを20mass%以下含み、残部ニッケル又はニッケルを70mass%以上、且つクロムを15mass%未満含むニッケル−クロム合金と1mass%以下の不可避不純物とからなり、膜厚が3〜20nmであることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載のプリント配線基板である。
第4の発明は、前記金属層Cが、クロムを15mass%以上、ニッケルを0.01〜85mass%を含み、1mass%以下の不可避不純物からなる合金、或いはクロムを15mass%以上、ニッケルを0.01〜85mass%、モリブデンを0.01〜40mass%以下含み、1mass%以下の不可避不純物からなる合金であり、膜厚5〜37nm、又は膜厚は5nm以上且つ金属層Bとの合計が40nm以下であることを特徴とする第1の発明から第3の発明のいずれかに記載のプリント配線基板である。
第5の発明は、前記化学エッチング液が、マンガン及びシアン化合物を含まないことを特徴とする第1の発明から第3の発明のいずれかに記載のプリント配線基板である。
第6の発明は、前記化学エッチング液が、塩化第2鉄水溶液又は酸性塩化第二銅水溶液であることを特徴とする第1の発明から第3の発明のいずれかに記載のプリント配線基板である。
第7の発明は、前記絶縁体フィルムAが、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた少なくとも1種以上の樹脂フィルムであることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載のプリント配線基板である。
第8の発明は、絶縁樹脂フィルムAの少なくとも一方の表面に接着剤を介さずに金属膜が積層された樹脂フィルム金属膜積層基板の前記金属膜を化学エッチングにより前記金属膜の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成したプリント配線基板の製造方法であって、前記樹脂フィルム金属膜積層基板が、前記絶縁樹脂フィルムAの表面にニッケル又はニッケルを主成分とする金属層Bを乾式めっき法により形成し、次いで、前記金属層Bの表面に15mass%以上のクロムとニッケルからなる合金、或いは15mass%以上のクロム、ニッケル及びモリブデンからなる合金で構成される金属層Cを乾式めっき法により形成した後、前記金属層Cの表面に、膜厚10nm〜35μmの銅被膜層Dを積層した金属膜を形成し、前記金属膜を一種類のエッチング液で選択的に除去して導体配線を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法である。
第9の発明は、前記化学エッチング液が、マンガン及びシアン化合物を含まないことを特徴とする第8の発明に記載のプリント配線基板の製造方法である。
第10の発明は、前記化学エッチング液が、塩化第2鉄水溶液又は酸性塩化第二銅水溶液であることを特徴とする第8の発明に記載のプリント配線基板の製造方法である。
第11の発明は、前記銅被膜層Dが、乾式めっき法で形成した銅層の表面に電気めっき法で銅層を形成することを特徴とする第8の発明に記載のプリント配線基板の製造方法である。
第12の発明は、前記乾式めっき法が、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかであることを特徴とする第8の発明又は第11の発明に記載のプリント配線基板の製造方法である。
本発明のプリント配線基板は、絶縁樹脂フィルムAと銅被膜層Dの間にクロムを15mass%以上含む金属層Cが配されることから優れた耐食性を備えるともに、絶縁樹脂フィルムAと金属層C間に、クロム含有量が15mass%未満の合金からなる金属層Bが配されることで、金属膜を1種類の化学エッチング液で残渣無く除去することを可能とし、プリント配線基板の絶縁信頼性を大きく確保するもので、その工業的利用価値は極めて高いものである。
本発明のプリント配線基板は、2層樹脂フィルム金属膜積層体基板(以降、樹脂フィルム金属膜積層体基板という。)にサブトラクティブ法又はセミアディティブ法による加工を施して製造される。
・ 樹脂フィルム金属膜積層体基板
本発明のプリント配線基板に用いる樹脂フィルム金属膜積層体は、絶縁樹脂フィルムAの少なくとも一方の面に、接着剤を介さずに金属層B、金属層C、銅被膜層Dの順に積層した金属膜が形成されている。
図1に本発明のプリント配線基板に用いる樹脂フィルム金属膜積層体の断面を示す。金属層B及び金属層Cは、2層樹脂フィルム金属積層基板の下地金属層に該当する。又、この樹脂フィルム金属膜積層体は、絶縁樹脂フィルムAと各金属層が積層されてなり、接着剤層が存在しないことから、2層樹脂フィルム金属積層基板に該当する。
本発明の樹脂フィルム金属膜積層体基板の各構成要素について詳細する。
(金属層B)
金属層Bは、樹脂フィルムAの表面に接着剤を介さずに積層されるもので、ニッケル、又はニッケルを70mass%以上含み、クロムが15mass%未満含まれる合金からなる。この金属層Bのクロム含有量は、望ましくは14.5mass%以下であり、さらに望ましくは14mass%以下である。クロムの含有量が15mass%以上となると、塩化第2鉄水溶液または塩酸酸性塩化第2銅水溶液による化学エッチングで金属層Bを取り除くことができず絶縁信頼性を維持することができない。
又、金属層Bにはバナジウムを13mass%以下、チタンを8mass%以下、モリブデンを20mass%以下含有することができる。
これらバナジウム、チタン、モリブデンの含有は、その選ばれた1種類の元素を金属層Bに加えても良いし、複数の元素を加えても良い。即ち、金属層Bは、ニッケルとバナジウム、チタン、モリブデン選ばれた1種類の元素からなる合金としても良く、ニッケルとバナジウム、チタン、モリブデンの中から選ばれた2種類以上の元素からなる合金でも良い。更には、ニッケル及びクロム、並びにバナジウム、チタン、モリブデンの中から選ばれた1種類の元素からなる合金でも良く、ニッケル、クロム、並びにバナジウム、チタン、モリブデンの中から選ばれた2種類以上の元素からなる合金であっても良い。
バナジウム、チタン、モリブデンの各元素は、金属層Bの耐食性を向上させ、バナジウムでは13mass%以下、チタンでは8mass%以下、モリブデンでは20mass%以下の含有量であると、塩化第2鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第2銅水溶液によるエッチング工程において、金属層Bの残渣を発生させない。尚、金属層Bの添加元素をチタンのみで構成した場合は塩化第2鉄水溶液または塩酸酸性塩化第2銅水溶液によるエッチング工程で金属層Bの残渣が生じてしまう。
このように、金属層Bには耐熱性や耐食性を向上する目的で遷移金属元素を目的特性に合わせて適宜添加することが可能である。尚、金属層Bには、これらの合金以外に、ターゲット作製時に取り込まれるなどして含まれる1mass%以下の不可避不純物が存在していても良い。
金属層Bの形成方法は、公知の蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を用いることができるが、特にスパッタリング法は、望ましい成分組成の合金を組成変動を起こさずに形成できるので望ましい。
金属層Bの膜厚が、3nmより薄い場合は、導体配線加工時の塩化第2鉄水溶液或いは塩酸酸性塩化銅水溶液による化学エッチングおいて金属層Cが金属層Bとともに溶解せず導体配線間に溶け残ってしまう。この理由として金属層Bは完全な膜として形成されていないため局所的に絶縁樹脂フィルムA上に直接金属層Cが形成されていることや、金属層Cが金属層Bとともに溶解する現象が発生しづらくなっているためであると考えられるが、導体配線加工後の耐食性を考えると、金属層Bはできるだけ薄い方がよい。膜厚が20nmより大きくなると導体配線に電圧が印加される際に徐々に金属層Bの成分が溶出しショート不良の原因になりやすい。
尚、金属層Bの膜厚は、形成条件から推定されるもので、例えば、スパッタリング法を用いる場合、スパッタリングカソードへの投入電力や、スパッタリンング時間など形成条件により、その膜厚は直線的に変化することが知られており、条件から金属層Bの膜厚を求めることができる。
(金属層C)
金属層Cは、絶縁樹脂フィルムA上の金属層Bの表面に接着剤を介さずに形成されるものである。
金属層Cは、ニッケルとクロムを主成分とする合金であるが、そのクロム含有量が15mass%未満では、配線加工後の耐食性が十分に保たれず、金属層C或いは銅の溶出により絶縁信頼性が低下する。一方、クロム含有量が70%を超えると、クロムが粒界に析出してくる可能性があり好ましくなく、更に金属層CをCrのみで構成すると、塩酸で溶解するため、耐酸性が低下するのでエッチング工程やめっき工程を経ると、絶縁信頼性の低下につながるため、15から70mass%が望ましい。
更に金属層Cのニッケル含有量は、クロムの含有量を確保した上で0.01〜85mass%以下が良い。
又、金属層Cには、モリブデンを0.01〜40mass%以下まで含むこともできる。その場合、ニッケル、クロム及び不可避不純物の含有量と合わせて、100mass%に調整されているのは言うまでもない。
モリブデンも、耐食性を高める効果を有し、モリブデンの含有量が40mass%を超えると、耐熱ピール強度が極端に低下する傾向にあるため好ましくない。
金属層Cの膜厚は、5nm未満では、銅に対するバリア性が確保できず絶縁信頼性が低下する。又、金属層B及び金属層Cの合計の膜厚が40nmを超えると膜の応力が高くなり、ヘアークラックや反りが発生し密着強度が低下する可能性があり、金属層B及び金属層Cの合計膜厚を40nm以下にすることが望ましい。
なお、金属層Cの膜厚は、形成条件から求められ、例えば、スパッタリング法を用いる場合には、スパッタリングカソードへの投入電力、スパッタリング時間などの条件により膜厚が、直線的に変化することが知られており、その条件から膜厚が求められる。
(銅被膜層D)
次に、銅被膜層Dは、比較的薄く銅被膜層を形成する場合には乾式めっき法を用いて形成する。一方、乾式めっき法で薄い銅被膜層を形成した後に、その薄い銅被膜層の上に湿式めっき法を用いてより厚みのある銅被膜層を積層して形成しても良い。
この銅被膜層の膜厚は10nm〜35μmの厚みが望ましく、膜厚が、10nm未満であると、配線部の電気導電性に問題が発生し易くなったり、強度上の問題が現れたりする可能性がある。一方、膜厚が35μmを超えて厚くなると、ヘヤークラックや反りなどを生じて密着強度が低下する場合があり好ましくない。
乾式めっき法で銅被膜層を形成した後、この銅被膜層の上に湿式めっき法でより厚みのある銅被膜層を積層して形成する場合には、乾式めっき法で膜厚10nm〜1μm程度の銅被膜層を形成してから、湿式めっき法で所望の膜厚の銅被膜層又は導体配線となるまで積層すればよい。
(絶縁樹脂フィルム)
絶縁樹脂フィルムは、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンテレナフタレート(PEN)等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、もしくは液晶ポリマー系フィルムから選ばれた絶縁樹脂フィルムを耐熱性、誘電体特性、電気絶縁性やプリント配線基板の製造工程や次工程での耐薬品性等を考慮し用途に応じて適宜選択できる。
例えば、ポリイミド系フィルムでは、東レ・デュポン(株)製のカプトン(登録商標)、宇部興産(株)製のユーピレックス(登録商標)、鐘淵化学工業(株)製のアピカル(登録商標)、東洋紡(株)製のXENO(登録商標)などがある。また、芳香族ポリアミド系フィルムであるアラミド系フィルムでは、東レ(株)製のミクトロン(登録商標)、帝人アドバンストフィルム(株)製のアラミカ(登録商標)などがある。
なお、本発明のプリント配線基板は、絶縁樹脂フィルムAの片面に導体配線が形成されたプリント配線基板の他、絶縁樹脂フィルムAの両面に導体配線が形成されたプリント配線基板にも用いることができる。更に、本発明のプリント配線基板を複数積層し、多層プリント配線基板として用いることもできる。
(金属の残渣量)
次に、絶縁樹脂フィルムA上に残留する金属残渣量について説明する。
配線間に金属原子からなる層が残留すれば、HHBT試験では、経時的に配線間の短絡につながり絶縁信頼性を大きく低下させる原因となる。局所的に偏って残留する部分もあるが、絶縁樹脂フィルムの表面全面が金属原子1層で覆われた場合の金属残渣量は約0.15μg/cmに相当することが知られている。
そこで、ニッケル−クロム合金露のクロム含有量と絶縁樹脂フィルム上の残渣量との関係を知るために、予め水分を乾燥除去した絶縁樹脂フィルム(ポリイミドフィルム)上にスパッタリングによりニッケル−クロム合金(金属層B又は金属層Cに相当)を形成し、続いてスパッタおよび電気めっきにより銅被膜層を形成した基板を塩化第2鉄溶液でエッチングし、その時のニッケル−クロム合金中のクロム濃度とポリイミドフィルム上に残留するニッケル−クロム合金層の成分の合計、即ちエッチング残渣量の合計との関係を求めた。その結果を図2に示す。
図2において、クロム含有量を15mass%とすると、絶縁樹脂フィルムへのエッチング残渣量の多い場合では、絶縁樹脂フィルムの1cmあたり0.15μg/cmであり、この値は、前述したように絶縁樹脂フィルムの表面全面が1層からなる金属原子で覆われる量に相当するもので、実際には、局所的に偏って残留している部分もあるが、配線間に金属原子からなる層が残留すれば、HHBT試験において、経時的に配線間の短絡につながり絶縁信頼性を大きく低下させるものとなる。
特に、数10μmピッチの高精細な配線を形成するためには、不要部分の金属膜をエッチングして除去することが求められるが、絶縁樹脂フィルムの表面に耐食性の高いクロム含有量が15mass%以上の金属膜を形成した樹脂フィルム金属膜積層体基板を、塩化第二鉄水溶液で化学エッチング処理し、プリント配線基板へと加工すると、不要な金属膜が除去されて絶縁樹脂フィルムAの表面が目視上は露出しているが、配線間に金属の原子層が1層分以上残留することから、十分な絶縁信頼性が得られなくなる。
これに対して絶縁樹脂フィルムの表面上にクロム含有量が15mass%未満の金属層を設け、この金属層上にクロム含有量の多い金属層を設ける場合には、銅をエッチングする化学エッチング液である塩化第二鉄水溶液や塩酸酸性塩化第二銅水溶液のみを用いても、不要部分のクロム含有量の多い金属層を化学エッチング処理で除去できる。逆に絶縁樹脂フィルム上にクロム含有量が15mass%以上である金属層を設け、その金属層上にクロム含有量の少ない金属層を設けた場合では、塩化第二鉄水溶液や塩酸酸性塩化第二銅水溶液のみでは不要部分のクロム含有量が15mass%以上である金属層を除去することはできず、過マンガン酸カリウムやフェリシアン化カリウムなどのマンガン或いはシアンを含む化学エッチング液を用いないと除去が困難となる。
そのため、本発明のプリント配線基板では、金属層B、金属層Cおよび銅被膜層Dの積層からなる導体配線を塩化第二鉄水溶液でエッチングした後の絶縁樹脂フィルムAに残留する金属残渣量は、絶縁樹脂フィルムAの単位面積あたり0.13μg/cm以下、より望ましくは、0.10μg/cm以下とする。
又、金属層B、金属層C、銅被膜層Dが積層された導体配線を除去すると、絶縁樹脂フィルムAの表面が露出すると共にエッチングによる金属残渣も絶縁樹脂フィルムAの表面に現れる。この表面が露出した絶縁樹脂フィルムAに残留する金属量を測定することで、エッチング後の金属残渣量が求められ、従って、絶縁信頼性が推定される。
絶縁樹脂フィルムAに残留する金属残渣量は、次の手順により測定する。
プリント配線基板の導体配線を塩化第二鉄水溶液または塩酸酸性塩化第二銅水溶液で化学エッチング処理して不要部分を除去し、絶縁樹脂フィルムAの表面を露出させ、必要に応じて洗浄ないし後処理を行う。次に、導体配線が除去されたプリント配線基板の表層部、即ち露出した絶縁樹脂フィルムAの表層部に残留している金属成分を溶解して、残留金属成分の溶解液を得る。
この残留金属成分の溶解には酸を用いるが、金属成分の定量分析において検出スペクトルを妨害する成分を含むものは使用できない。例えば、Ni、Cu、Mo、Ta、Ti、V、Cr、Fe、Co等の残留金属を容易に溶解するためには塩酸が有効であるが、塩酸はClの検出スペクトルが上記金属成分の微小な検出スペクトルを妨害する可能性があるため好ましくない。また、硝酸は上記検出スペクトルを妨害しないが、硝酸での溶解後に絶縁フィルム側に金属成分の溶け残りが発生しやすく、溶解液としては不適切である。
そこで、本発明では、エッチング後の絶縁樹脂フィルムの表層部に残留した金属成分の溶解には、硝酸70〜90%と過酸化水素10〜30%からなる溶液を使用して、マイクロウェーブ分解装置を用いて溶解処理する。この方法によって、定量分析時に検出スペクトルを妨害することがなく、しかも絶縁フィルム上に残留した全ての金属成分を完全に溶解することができる。
また、このマイクロウェーブ分解装置を用いることによって、ホットプレート等で間接加熱する場合と異なり、密閉容器内部の酸をマイクロ波で直接加熱するため、外部に逃げる熱が少なく、また外部からの汚染も少なくなる。従って、残留金属成分を短時間に少量の酸で分解することができるため、試料の分解及び測定時間が5〜6時間程度と極めて迅速な評価が可能となる。
このようにして得られた溶解液の金属成分を定量分析する。分析方法としては、特に限定されるものではないが、微量な金属成分を定量することが可能な誘導結合プラズマイオン源質量分析装置(以下ICP-MSと記す場合がある。)を用いることが好ましい。
(化学エッチング液)
本発明で用いる化学エッチング液は、銅被膜層をエッチングする化学エッチング液であり、塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液のいずれかの化学エッチング液が望ましい。塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液は、銅を酸化しエッチングすると共に、本発明の金属膜の積層構造において、金属層Bおよび金属層Cを除去するものである。
一般に、耐食性の観点から絶縁樹脂フィルムの表面にクロム含有量の高いニッケル−クロム合金の下地金属層(本発明における金属層C)を設けた樹脂フィルム金属膜積層体を、銅被膜層をエッチングする塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液で化学エッチング処理をしてプリント配線基板を作製した場合、下地金属層の不要部分が完全にはエッチングで除去されずに残留して、エッチングによる金属残渣となることがある。
特に、下地金属層のクロム含有量が15mass%以上の場合では、顕著にエッチングによる金属残渣の発生が見られ、絶縁樹脂フィルム表面から0.1〜数nmの厚みで下地金属層成分が残留することがあり、その除去には、その金属残渣を溶解するフェリシアン化カリウム水溶液又はアルカリ性過マンガン酸塩水溶液などによる溶解処理が必要とされている。又、下地金属層は、塩化第二鉄水溶液で不動態化することもあり、このような下地金属層の不動態はエッチングにおける金属残渣となり、絶縁信頼性低下の原因ともなってくる。
一方、本発明のプリント配線基板では、絶縁樹脂フィルムAの表面に金属層B、金属層C、銅被膜層Dの順に設けた積層構造であり、クロムを15mass%以上含有する金属層Cを絶縁樹脂フィルムAと銅被膜層Dの間に設けても、金属層Cと絶縁樹脂フィルムAとの間には、銅被膜層Dをエッチングする化学エッチング液でエッチングされるクロムを15mass%未満含有する金属層Bが介されているために、銅被膜層Dに対応する化学エッチング液(例えば塩化第二鉄水溶液や塩酸酸性塩化第二銅水溶液)のみで化学エッチング処理しても金属層Cを含めた金属膜の不要部分が除去できる。
この絶縁樹脂フィルムAの表面に設ける金属膜が、金属層B、金属層C、銅被膜層Dの順に設けた積層構造であることで、フェリシアン化カリウム水溶液やアルカリ性過マンガン酸塩水溶液で化学エッチング処理しなくても金属層B、金属層C、銅被膜層Dを除去できる理由は不明であるが、絶縁樹脂フィルムAの表面に積層する順番を、金属層C、金属層B、銅被膜層Dのように変えた場合には、塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液で化学エッチング処理をすると、金属層C成分の金属残渣が生じてしまう。
(2)プリント配線基板の製造方法
次に、本発明に係るプリント配線基板の製造方法について詳細する。
樹脂フィルム金属膜積層基板をサブトラクティブ法またはセミアディティブ法を用いた加工によりプリント配線基板を製造する。即ち、この樹脂フィルム金属膜積層基板表面の銅被膜層D、金属層C及び金属層Bからなる金属膜が、その不要部分を化学エッチングなどによる除去されて導体配線となるものである。
以下に、本発明のプリント配線基板をサブトラクティブ法で製造する場合について説明する。サブトラクティブ法とは、樹脂フィルム金属積層体基板の金属膜の不要部分を化学エッチング処理することで除去してプリント配線基板を製造する製造方法である。
本発明のプリント配線基板は、樹脂フィルム金属膜積層基板の金属膜のうち導体配線として残したい箇所の表面にレジストを配する。即ち、レジストが配線パターンの形状となっている。その後、銅被膜層に対応する化学エッチング液による化学エッチング処理、水洗を経て、金属膜の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成する。
この選択的な除去は、銅被膜層をエッチングする化学エッチング液のみの1種類の化学エッチング液で金属膜への化学エッチング処理が可能なので、新たにエッチング処理工程が増加することがなく、設備を新規に導入する必要があり設備コストや液管理コストや工数の増加がない。
尚、レジストは、公知のレジストを用いれば良く、化学エッチング液に対する耐性を備え、配線を形成した後、除去できれば良い。レジストは、銅被膜層Dの表面にスクリーン印刷で形成したり、紫外線などの照射で硬化する感光性のレジストであれば所定形状に硬化するなどして配される。
本発明では、銅被膜層をエッチングする塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液のいずれかの化学エッチング液のみの1種類で金属膜のエッチングを行い、不要部分の除去を行なう。塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液は、銅を酸化しエッチングすると共に、本発明の金属膜の積層構造において、金属層B及び金属層Cをも除去する働きを持つものである。
このように化学エッチング液に、過マンガン酸カリウム水溶液などの過マンガン酸塩の水溶液や、フェリシアン化カリウムなどのシアン化合物を用いないので、エッチング工程後にマンガンの除去も不要であり、化学エッチング液にマンガンやシアン化合物が含まれないので、金めっき工程前のプリント配線基板にはマンガンやシアン化合物が含まれず、金めっきまで施されたプリント配線基板でもマンガンを含むことはない。
尚、マンガンやシアン化合物が含まれないとは不可避不純物としてのマンガンやシアン化合物は除外するものである。
又、本発明のプリント配線基板は、金属層Cのエッチングに対応した化学エッチング液で化学エッチング処理を行わない。金属層Cに対応した化学エッチング液のうち、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液は、絶縁樹脂フィルムAの表層を除去してしまうが、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液を用いないため、金属層Cが除去されても、絶縁樹脂フィルムの表面は除去されない。即ち、金属層B、金属層Cおよび銅被膜層Dからなる導体配線を塩化第二鉄水溶液で除去し、露出された絶縁樹脂フィルムAの表面の凹凸をオプティカルプロファイラーで測定すると、測定限界以下で平滑であることが分る。これは、露出された絶縁樹脂フィルムAの表面は化学エッチング液で溶解されていないことを意味している。
導体配線を形成した後の導体配線表面に生成した酸化物膜の除去は、公知のマイクロエッチングを用いても良く、又、プリント配線基板の導体配線を形成した後に、銅被膜に対応する化学エッチング液以外の化学エッチング液を用いるのは、次工程以降により適宜選択して良い。
次に、本発明のプリント配線基板をセミアディティブ法で製造する場合について説明する。
セミアディティブ法とは、絶縁樹脂フィルム金属膜積層基板の金属膜の表面に、配線を形成したい箇所に金属膜を付着させて、配線としての膜厚を確保した後に、絶縁樹脂フィルムの表面の不要となる金属膜を除去してプリント配線基板を製造する方法である。
詳細すると、絶縁樹脂フィルム金属膜積層基板の金属膜の表面で配線の形成を望まない箇所にレジスト膜を形成し、露出した金属膜表面に銅配線を電気めっき等で形成し、銅配線の形成後に、レジストを除去して露出した前記金属膜を化学エッチング処理で除去して配線を形成して、プリント配線基板を製造するものである。
ここで用いるレジストは、銅のめっき液に耐えればよく公知のレジストを用いることができる。又、不要な金属膜の除去は、表面が銅被膜層であるので、銅に対応する化学エッチング液で除去しているサブトラクティブ法と同じ方法で行なわれる。
尚、これまでフレキシブルな絶縁樹脂フィルムを用いたフレキシブルなプリント配線基板について本発明を説明してきたが、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、テフロン(登録商標)などの材料を用いたリジットなプリント配線基板においても本発明を実施可能であることは勿論である。
以下に実施例を用いて本発明を説明する。
絶縁樹脂フィルムAに膜厚38μmのポリイミドフィルム(東レ・デユポン社製、製品名「カプトン150EN」)を用い、金属層B、金属層C、銅被膜層Dを順に積層して樹脂フィルム金属膜積層体基板を作製した。得られた樹脂フィルム金属膜積層体基板について初期ピール強度、耐熱ピール強度、エッチング性、エッチング後の金属残渣量、絶縁信頼性を評価した。各特性に供する試料は特に定めない限りは、以下の(a)、(b)、(c)に述べる試料を用いている。
(a)ピール強度測定
初期ピール強度は、IPC−TM−650、NUMBER2.4.9に準拠した測定方法で行った。その測定条件は、ピールの角度を90°としている。試料は、リード幅は1mmとし、樹脂フィルム金属膜積層体基板の銅被膜層Dの表面に感光性レジスト(東京応化(株)製 PMER P−RH30 PM)を塗布し巾1mmのパターンを形成するよう露光し、濃度0.3mass%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、塩化第2鉄溶液(比重40°ボーメ、温度43℃)に2分間浸漬後、水洗し、乾燥するサブトラクティブ法で形成した。レジストの剥離は濃度4mass%の水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
又、耐熱ピール強度は、初期ピール強度と同じ形状の試料を150℃で168時間保持後、取り出し、室温になるまで冷却した後、初期ピール強度と同じく、ピールの角度を90°として、そのピール強度を測定した
初期ピール強度で、600N/m以上、耐熱試験後のピール強度(耐熱ピール強度)で400N/m以上あれば良好と判断した。
(b)エッチング性及び金属残渣量
エッチング性の評価は、樹脂フィルム金属膜積層体基板を3cm×3cmに切り出し、化学エッチング液に2分間浸漬後、水洗し、乾燥した。絶縁樹脂フィルム上に金属層が溶け残っているかどうかを目視確認し、明らかに残っている場合は前記化学エッチング液のみでの配線加工は不可と判断した。一方、目視確認での判断が困難な場合および溶け残りが確認できない場合は、エッチング後の金属残渣量を測定するため、金属層を除去し表面が露出させられた絶縁樹脂フィルムAをマイクロウェーブ分解装置にて硝酸5mlと過酸化水素1mlからなる溶液で溶解し、得られた溶液中の金属成分をICP−MS(高周波誘導プラズマ発光分光/質量分析)で定量分析し、金属残渣量(金属層Bおよび金属層Cの合計量)を測定した。
(c)絶縁信頼性
絶縁信頼性の評価は、JPCA-ET04規格に準じた。
測定試料は、樹脂フィルム金属膜積層体基板について図3に示す40μmピッチ(ライン幅20μm、スペース幅20μm)の櫛型配線をピール強度測定と同様にサブトラクティブ法で形成した。櫛型配線は櫛歯状導体の重ね代(10)の長さが20mm、櫛歯状導体の先端とショートバーの間隙(11a、11b)が5mmとした。配線間に電位差DC60Vを印可し、温度85℃、相対湿度 85%に時間放置し絶縁抵抗値をマイグレーションテスター(IMV社製、商品名:MIG−87)で測定した。抵抗値が10Ω以下になった時点をショート不良と判断し、1000時間経過後も10Ω以上あれば合格と判断した。
厚さ38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)をスパッタリング装置に設置し、1×10−1Paまで真空排気した後、赤外線ヒーターを用いてポリイミドフィルムを加熱し、フィルム中の水分を除去した後、1×10−4Paまで真空排気した。続いて、Arガスを導入し装置内の圧力を0.3Paに保持し、ポリイミドフィルムの片面にスパッタリングにより膜厚10nmのNi-7mass%Cr層、膜厚10nmのNi−18mass%Cr−10mass%Mo層、膜厚0.1μmの銅被膜層を順次に形成した後、スパッタリング装置より取り出した。続いて銅被膜層に電気めっき法により銅層を膜厚8μm形成して絶縁樹脂フィルム金属膜積層体1を得た。
得られた樹脂フィルム金属膜積層体基板1からピール強度測定試料および絶縁信頼性測定試料を作製し、各試験に供した。
初期ピール強度は、654N/m、耐熱ピール強度は576N/mと良好であった。又、絶縁信頼性試験を3試料について試験したが、何れも1000時間経過後においても10Ω以上の抵抗を保持し良好であった。
エッチング性の評価は、樹脂フィルム金属膜積層体基板1を3cm×3cmに切り出し、化学エッチング液として塩化第2鉄溶液(比重40°ボーメ、温度43℃)で2分間エッチングしたところ目視観察では絶縁樹脂フィルム上の金属層はすべて溶解していた。更に絶縁樹脂フィルム表層部にわずかに残留している金属成分をマイクロウェーブ分解装置を用いて硝酸5mlと過酸化水素1mlからなる溶液で溶解し、得られた溶液中の金属成分をICP−MSで定量分析したところ0.034μg/cmと少なく良好であった。
その結果をまとめて表1に示す。
金属層Bに膜厚3nmのNi−7mass%Crとしたこと、金属層Cに膜厚10nmのNi−20mass%Crを用い、金属膜を形成して得た絶縁樹脂フィルム金属積層体基板2を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を行なった。結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚5nmのNiとし、金属層Cに膜厚20nmのNi−20mass%Crを用いた金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板3を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を行い、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚20nmのNi−7mass%Crとし、金属層Cに膜厚10nmのNi−18mass%Cr−10mass%Moを用いた金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基盤4を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を行い、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚15nmのNi−7mass%Crとし、金属層Cに膜厚5nmのNi−18mass%Cr−10mass%Moを用いた金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板5を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚5nmのNi−14mass%Crとし、金属層Cに膜厚20nmのNi−20mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板6を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚15nmのNi−7mass%Crとし、金属層Cに膜厚25nmのNi−40mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板7を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚10nmのNi−7mass%Crとし、金属層Cに膜厚5nmのNi−70mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板8を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚10nmのNi−5.6mass%Cr−20mass%Moとし、金属層Cに膜厚10nmのNi−20mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板9を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚10nmのNi−13mass%Vとし、金属層Cに膜厚10nmのNi−20mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板10を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
金属層Bを膜厚10nmのNi−7.5mass%Tiとし、金属層Cに膜厚10nmのNi−20mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板11を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
絶縁樹脂フィルム金属積層体基板1のエッチング性の評価を行う化学エッチング液を、塩酸酸性塩化第二銅水溶液(HCl濃度:1mol/l、CuCl2:比重1.3、ORP:580mV、温度:40℃)を用いた以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
金属層Bを膜厚10nmのNi−18mass%Cr−10mass%Moとし、金属層Cに膜厚10nmのNi−7mass%Crを用いて形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板13を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
金属層Bを膜厚20nmのNi−18mass%Cr−10mass%Moとし、金属層Cを設けずに銅被膜層Dを形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板14を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(比較例3)
金属層Bを膜厚20nmのNi−20mass%Crとし、金属層Cを設けずに銅被膜層Dを形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板15を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(比較例4)
金属層Bを膜厚10nmのNi−7mass%Crとし、金属層Cを設けずに銅被膜層Dを形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板16を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(比較例5)
金属層Bを膜厚2nmのNi−7mass%Crとし、金属層Cに膜厚15nmのNi−20mass%Crを用いて金属膜を形成して得られた絶縁樹脂フィルム金属積層体基板17を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(比較例6)
金属層Bを膜厚10nmのNi−7mass%Cr合金とし、金属層Cに膜厚3nmのNi−18mass%Cr−10mass%Moを用いて金属膜を形成して得た絶縁樹脂フィルム金属積層体基板18を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製し各試験を実施し、その結果を表1に示す。
(参考例)
金属層Bを膜厚5nmのNi−7mass%Cr合金とし、金属層Cに膜厚100nmのNi−20mass%Crを用いて金属膜を形成して得た絶縁樹脂フィルム金属積層体基板19を用いること以外は実施例1と同様に試料を作製しエッチング性の試験を実施し、その結果を表1に示す。
Figure 2009283872
表1から明らかなように、実施例1から12で作製した本発明例1から12では、絶縁樹脂フィルムAの表面にクロム含有量15mass%未満の金属層Bを、金属層Bの表面にクロム含有量15mass%以上の金属層Cを、金属層Cの表面に銅被膜層を積層したプリント配線基板で、良好なピール強度を持つ、エッチング後の金属残渣も少なく、高い絶縁信頼性を得られているのがわかる。
一方、比較例1は、金属層Bのクロム含有量が15mass%を超え、金属層Cのクロム含有量が15mass%未満である。金属層Bのクロム含有量が15mass%を超えるためエッチング後の金属残渣が目視で観察でき、絶縁信頼性が確保できていないことがわかる。
比較例2は、クロム含有量が15mass%を超える金属層Bのみの下地金属層であるため、比較例1と同様にエッチング後の金属残渣が目視で観察でき、絶縁信頼性が確保できないことがわかる。又比較例3は、比較例2と同様に金属層Bのみで下地金属層を形成したもので、エッチング性の目視観察では、ポリイミドフィルムの表面が露出しているのが観察されるが、金属残渣量を測定すると0.15μg/cmを超えており、絶縁信頼性が確保できないことがわかる。
比較例4は、金属層Bのクロム含有量が7mass%で、エッチング性や金属残渣量は良好であるが、下地金属層を金属層Bのみで構成したため、絶縁信頼性が確保できないことがわかる。
比較例5は、金属層Bおよび金属層Cのクロム含有量は、本発明の請求範囲内であるが、金属層Bの膜厚が2nmであるため、目視のエッチング性では満足できても金属残渣量が0.15μg/cmあり、絶縁信頼性を確保できず、比較例6は、金属層Bおよび金属層Cのクロム含有量は本発明の請求範囲内であるが、金属層Cの膜厚が3nmであるため、絶縁信頼性を確保できていないことがわかる。
参考例では、金属層Bおよび金属層Cのクロム含有量は、本発明の請求範囲内であり、金属層Cの厚さのみが100nmと通常よりは大幅に厚いものであるが、目視のエッチング性は良好であり、金属残渣量も0.035μg/cmと少なく良好であることがわかる。
本発明のプリント配線基板に用いる樹脂フィルム金属膜積層体の断面図である。 ニッケル−クロム合金のクロム量とエッチング残渣量の関係を示す図である。 絶縁信頼性評価に用いた櫛歯状配線の概略図である。
符号の説明
A 絶縁樹脂フィルムA
B 金属層B
C 金属層C
D 銅被膜層D
1a、1b ショートバー
2a、2b 櫛歯状導体
10a、10b 櫛型配線

Claims (12)

  1. 絶縁樹脂フィルムAの少なくとも一方の表面に接着剤を介さずに金属膜を積層した樹脂フィルム金属膜積層基板の前記金属膜の不要部分を化学エッチング処理により選択的に除去して導体配線が形成されたプリント配線基板であって、
    前記導体配線を構成する金属膜が、前記絶縁樹脂フィルムAの表面に積層された、ニッケル、又はニッケルを70mass%以上、クロムを15mass%未満含むニッケル−クロム合金からなる金属層Bと、
    前記金属層Bの表面に積層された、ニッケルを含み、クロムを15mass%以上含有する合金からなる金属層Cと、
    前記金属層Cの表面に積層された、膜厚10nm〜35μmの銅被膜層Dとからなり、
    前記銅被膜層Dをエッチングする化学エッチング液のみを用いて、前記金属膜の不要部分を選択的に除去したことを特徴とするプリント配線基板。
  2. 前記金属層B、金属層Cおよび銅被膜層Dを順に積層した前記金属膜からなる導体配線を、塩化第二鉄水溶液又は塩酸酸性塩化第二銅水溶液で化学エッチング処理した後の前記絶縁樹脂フィルムA上に残留する金属の残渣量が、前記絶縁樹脂フィルムAの単位面積当たり、0.13μg/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板。
  3. 前記金属層Bが、バナジウムを13mass%以下、チタンを8mass%以下、モリブデンを20mass%以下含み、残部ニッケル又はニッケルを70mass%以上、且つクロムを15mass%未満含むニッケル−クロム合金と1mass%以下の不可避不純物とからなり、膜厚が3〜20nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線基板。
  4. 前記金属層Cが、クロムを15mass%以上、ニッケルを0.01〜85mass%を含み、1mass%以下の不可避不純物からなる合金、或いはクロムを15mass%以上、ニッケルを0.01〜85mass%、モリブデンを0.01〜40mass%以下含み、1mass%以下の不可避不純物からなる合金であり、膜厚5〜37nm、又は膜厚は5nm以上且つ金属層Bとの合計が40nm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリント配線基板。
  5. 前記化学エッチング液が、マンガン及びシアン化合物を含まないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリント配線基板。
  6. 前記化学エッチング液が、塩化第2鉄水溶液又は酸性塩化第二銅水溶液であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリント配線基板。
  7. 前記絶縁体フィルムAが、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた少なくとも1種以上の樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線基板。
  8. 絶縁樹脂フィルムAの少なくとも一方の表面に接着剤を介さずに金属膜が積層された樹脂フィルム金属膜積層基板の前記金属膜を化学エッチングにより前記金属膜の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成したプリント配線基板の製造方法であって、
    前記樹脂フィルム金属膜積層基板が、前記絶縁樹脂フィルムAの表面にニッケル又はニッケルを主成分とする金属層Bを乾式めっき法により形成し、次いで、前記金属層Bの表面に15mass%以上のクロムとニッケルからなる合金、或いは15mass%以上のクロム、ニッケル及びモリブデンからなる合金で構成される金属層Cを乾式めっき法により形成した後、前記金属層Cの表面に、膜厚10nm〜35μmの銅被膜層Dを積層した金属膜を形成し、前記金属膜を一種類のエッチング液で選択的に除去して導体配線を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  9. 前記化学エッチング液が、マンガン及びシアン化合物を含まないことを特徴とする請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法。
  10. 前記化学エッチング液が、塩化第2鉄水溶液又は酸性塩化第二銅水溶液であることを特徴とする請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法。
  11. 前記銅被膜層Dが、乾式めっき法で形成した銅層の表面に電気めっき法で銅層を形成することを特徴とする請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法。
  12. 前記乾式めっき法が、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかであることを特徴とする請求項8又は11に記載のプリント配線基板の製造方法。
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