JP2010246290A - 駆動装置およびその異常判定方法並びに車両 - Google Patents

駆動装置およびその異常判定方法並びに車両 Download PDF

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Shintaro Tsujii
伸太郎 辻井
Katamasa Sakamoto
堅正 坂本
Katashige Yamada
堅滋 山田
Kazuhito Hayashi
和仁 林
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Abstract

【課題】インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなる異常をより適正に判定する。
【解決手段】モータが過変調制御モードで駆動されているときにモータのトルク指令Tm2*に基づく目標電流Iq*と実際に印加されている電流Iqとの差電流ΔIqの絶対値が所定電流Iref以上に至ったときに過変調制御モードから正弦波制御モードへ強制的に切り替え、この切り替えが所定時間tref内に所定回数Cref以上行なわれたときにインバータのオフ異常と判定する(S240〜S280)。これにより、モータを駆動するインバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常をより適正に判定することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、駆動装置およびその異常判定方法並びに車両に関する。
従来、この種の駆動装置としては、誘導電動機を駆動する例えば鉄道車両用のインバータを備え、複数のパルス幅変調(PWM)モードとして、出力電圧の基本波の一周期に一定個数の電圧パルスを含む同期PWMモード,電圧パルスを出力する周期が出力電圧の基本波の周期に依存しない非同期PWMモード,出力電圧の基本波半周期を一個の電圧パルスで構成する1パルスモードの3つのモードを切り替えて用いて誘導電動機を駆動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、上位制御系から与えられる出力電圧指令および基本波周波数指令と3つのモードのうちの1つとを対応づけるPWMモードマップを参照して得られるモードでインバータを制御している。
特開平9−261966号公報
ところで、上述の駆動装置では、インバータの一部のスイッチング素子がオフされたままで作動しなくなるいわゆる開異常が生じると、インバータからの相電流の一部が電動機に印加されないために、インバータに電力供給するバッテリからの電流の変動が大きくなる場合がある。特に、同期PWMモードに比して出力電圧指令に対する制御上の応答性が低い非同期PWMモードや1パルスモードでは、こうしたバッテリからの電流の変動が顕著に大きくなるため、インバータの開異常が生じた状態で電動機の駆動が継続されると、インバータの開異常に加えてバッテリの異常が生じる場合もある。このため、インバータの開異常を適正に判定できるようにすることが望まれる。
本発明の駆動装置およびその異常判定方法並びに車両は、インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなる異常をより適正に判定することを主目的とする。
本発明の駆動装置およびその異常判定方法並びに車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の駆動装置は、
動力を入出力可能な電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、前記インバータを介して前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備え、前記電動機の回転数と前記電動機を駆動すべきトルク指令とに基づいてパルス幅変調による正弦波電圧を用いて前記電動機を駆動する正弦波制御モードと前記正弦波電圧より変調率が高い過変調電圧を用いて前記電動機を駆動する過変調制御モードと矩形波電圧を用いて前記電動機を駆動する矩形波制御モードとのうちいずれかを用いて前記電動機を駆動制御する駆動装置であって、
前記電動機に印加される電流を検出する電流検出手段と、
前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードで前記電動機が駆動制御されているときに前記電動機のトルク指令に応じて得られる前記電動機に印加すべき目標電流と前記検出された電流との差電流が所定電流以上に至ったときには前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへ切り替える制御モード切替手段と、
前記制御モード切替手段による前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときに前記インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する異常判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、過変調制御モードまたは矩形波制御モードで電動機が駆動制御されているときに電動機のトルク指令に応じて得られる電動機に印加すべき目標電流と電動機に印加される電流との差電流が所定電流以上に至ったときには過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへ切り替え、過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときにインバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する。インバータのオフ異常が生じているときには差電流は大きくなりやすいが、差電流に応じて正弦波制御モードへの切り替えが行なわれたときに電動機の回転数とトルク指令とが切り替え前から変化していない場合には、電動機の回転数とトルク指令とに基づいて過変調制御モードまたは矩形波制御モードへの切り替えが行なわれる。即ち、インバータのオフ異常が生じているときには、正弦波制御モードへの切り替えが繰り返し行なわれやすくなる。したがって、過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときにインバータのオフ異常が生じていると判定するから、インバータのオフ異常をより適正に判定することができる。
本発明の車両は、
上述の本発明の駆動装置、即ち、動力を入出力可能な電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、前記インバータを介して前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備え、前記電動機の回転数と前記電動機を駆動すべきトルク指令とに基づいてパルス幅変調による正弦波電圧を用いて前記電動機を駆動する正弦波制御モードと前記正弦波電圧より変調率が高い過変調電圧を用いて前記電動機を駆動する過変調制御モードと矩形波電圧を用いて前記電動機を駆動する矩形波制御モードとのうちいずれかを用いて前記電動機を駆動制御する駆動装置であって、前記電動機に印加される電流を検出する電流検出手段と、前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードで前記電動機が駆動制御されているときに前記電動機のトルク指令に応じて得られる前記電動機に印加すべき目標電流と前記検出された電流との差電流が所定電流以上に至ったときには前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへ切り替える制御モード切替手段と、前記制御モード切替手段による前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときに前記インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備える駆動装置が搭載された車両であって、
前記電動機は、駆動輪に連結された駆動軸に接続されてなり、
前記異常判定手段は、前記駆動輪の空転によるスリップが判定されているときには前記制御モード切替手段による前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが前記所定時間内に前記所定回数以上行なわれたときでも前記オフ異常が生じているとは判定しない手段である、
ことを要旨とする。
この本発明の車両では、上述の本発明の駆動装置を搭載するから、本発明の駆動装置が奏する効果、例えばインバータのオフ異常をより適正に判定することができる効果などと同様の効果を奏することができる。また、駆動輪の空転によるスリップが判定されているときにはオフ異常とは判定しないため、駆動輪の空転によるスリップによる制御モードの切り替えをインバータのオフ異常と誤って判定するのが抑制されるから、インバータのオフ異常をより適正に判定することができる
また、本発明の車両では、内燃機関と、前記蓄電手段と電力のやり取りが可能で動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備えるものとすることもできる。ここで、「3軸式動力入出力手段」としては、シングルピニオン式またはダブルピニオン式の遊星歯車機構やデファレンシャルギヤなどが含まれる。
本発明の駆動装置の異常判定方法は、
動力を入出力可能な電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、前記インバータを介して前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備え、前記電動機の回転数と前記電動機を駆動すべきトルク指令とに基づいてパルス幅変調による正弦波電圧を用いて前記電動機を駆動する正弦波制御モードと前記正弦波電圧より変調率が高い過変調電圧を用いて前記電動機を駆動する過変調制御モードと矩形波電圧を用いて前記電動機を駆動する矩形波制御モードとのうちいずれかを用いて前記電動機を駆動制御する駆動装置の異常判定方法であって、
前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードで前記電動機が駆動制御されているときに前記電動機のトルク指令に応じて得られる前記電動機に印加すべき目標電流と前記電動機に印加される電流との差電流が所定電流以上に至ったときには前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへ切り替え、
前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときに前記インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する、
ことを要旨とする。
この本発明の駆動装置の異常判定方法では、過変調制御モードまたは矩形波制御モードで電動機が駆動制御されているときに電動機のトルク指令に応じて得られる電動機に印加すべき目標電流と電動機に印加される電流との差電流が所定電流以上に至ったときには過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへ切り替え、過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときにインバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する。インバータのオフ異常が生じているときには差電流は大きくなりやすいが、差電流に応じて正弦波制御モードへの切り替えが行なわれたときに電動機の回転数とトルク指令とが切り替え前から変化していない場合には、電動機の回転数とトルク指令とに基づいて過変調制御モードまたは矩形波制御モードへの切り替えが行なわれる。即ち、インバータのオフ異常が生じているときには、正弦波制御モードへの切り替えが繰り返し行なわれやすくなる。したがって、過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときにインバータのオフ異常が生じていると判定するから、インバータのオフ異常をより適正に判定することができる。
本発明の一実施例である駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 モータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。 モータMG2の制御モード設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のモータECU40により実行される制御モード切替ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のモータECU40により実行される異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 目標電流設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるスリップ判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 モータMG2の制御モードとU相の相電流Iu2とバッテリ50の充放電電流Ibと切替カウンタCnとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。 変形例のモータECU40により実行される異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のモータMG2の制御モードとU相の相電流Iu2とバッテリ50の充放電電流Ibと差電流ΔIqと異常判定の結果との時間変化の様子の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例の電気自動車220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2はモータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、直流電流を交流電流に変換してモータMG1,MG2に供給可能なインバータ41,42と、バッテリ50からの電力をその電圧を変換してインバータ41,42に供給可能な昇圧回路55と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。ここで、実施例の駆動装置としては、主としてモータMG2とインバータ42とバッテリ50と後述する電流センサ46U,46Vおよびモータ用電子制御ユニット40とが該当する。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、図2に示すように、いずれも永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されている。インバータ41,42は、6つのトランジスタT11〜T16,T21〜26と、トランジスタT11〜T16,T21〜T26に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16,D21〜D26とにより構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれインバータ41,42が電力ライン54として共用する正極母線54aと負極母線54bとに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、正極母線54aと負極母線54bとの間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。インバータ41,42は、正極母線54aと負極母線54bとを共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。正極母線54aと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ57が接続されている。
昇圧回路55は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとにより構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれインバータ41,42の正極母線54aと負極母線54bとに接続されており、その接続点にリアクトルLが接続されている。また、リアクトルLと負極母線54bとにはそれぞれバッテリ50の正極端子と負極端子とが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することによりバッテリ50の直流電力をその電圧を昇圧してインバータ41,42に供給したり正極母線54aと負極母線54bとに作用している直流電圧を降圧してバッテリ50を充電したりすることができる。リアクトルLと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ58が接続されている。以下、昇圧回路55より電力ライン54側を高電圧系といい、昇圧回路55よりバッテリ50側を低電圧系という。
インバータ41,42および昇圧回路55は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により制御され、これによりモータMG1,MG2が駆動制御される。モータECU40は、CPU40aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU40aの他に処理プログラムを記憶するROM40bと、データを一時的に記憶するRAM40cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号やモータ41,42の三相コイルのU相,V相に流れる相電流を検出する電流センサ45U,45V,46U,46Vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2,電圧センサ57aからのコンデンサ57の電圧(以下、高電圧系の電圧VHという),電圧センサ58aからのコンデンサ58の電圧などが入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26へのスイッチング制御信号や昇圧回路55のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2および電気角θe1,θe2も演算している。
バッテリ50は、リチウムイオン電池などの二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電流センサ51aからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51bからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸32に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。エンジン運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比で除して得られる回転数や、車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて得られる要求動力としての走行用パワーからバッテリ50が要求する充電用パワー(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22が効率よく運転されるよう目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定してエンジンECU24に送信し、エンジン22が目標回転数Ne*で回転するようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に要求トルクTr*により走行するようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイントでエンジン22が運転されるようエンジン22における吸入空気量調節制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。一方、モータ運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信し、これを受信したモータECU40は、トルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータECU40は、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2とトルク指令Tm1*,Tm2*とに基づいてそれぞれ複数の制御モードから1つの制御モードを選択してモータMG1,MG2が駆動されるようインバータ41,42をスイッチング制御する。図3に、モータMG2の制御モード設定用マップの一例を示す。図中、実線で示すように、回転数およびトルクが小さい領域から大きい領域への順に、三角波比較によるパルス幅変調(PWM)制御における三角波の振幅以下の振幅で正弦波状の出力電圧指令値を生成して変換した擬似的三相交流電圧としてのPWM信号でインバータをスイッチングする正弦波制御モード,三角波の振幅を超えた振幅で正弦波状の出力電圧指令値を生成して変換した過変調電圧としてのPWM信号でインバータをスイッチングする過変調制御モード,トルク指令に応じた電圧位相をもつ矩形波状の電圧でインバータをスイッチングする矩形波制御モードが選択されるよう予め定められている。したがって、低回転数低トルクの領域で正弦波制御モードを用いることにより、モータMG2を応答性よく駆動することができ、高回転数高トルクの領域で矩形波制御モードを用いることにより、インバータ42への入力電圧(高電圧系の電圧VH)に対する出力電圧(基本波成分の振幅)の割合である変調率(正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードの順で高くなる)を高くしてより大きいトルクを出力可能とすると共にインバータ42のスイッチング損失などを低減することができる。なお、モータMG1の制御モード設定用マップについても同様に定められている。また、モータECU40は、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2とトルク指令Tm1*,Tm2*とに基づいてモータMG1,MG2のトルク指令と回転数とからなる駆動点での駆動にそれぞれ要求される高電圧系の電圧を設定すると共に、設定したそれぞれの電圧のうち大きい方を高電圧系の目標電圧VH*として設定し、高電圧系の電圧VHが目標電圧VH*になるよう昇圧回路55をスイッチング制御することにより、バッテリ50の電圧を目標電圧VH*まで昇圧することができるようになっている。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にモータMG2を駆動するインバータ42の異常を判定する際の動作について説明する。図4はモータECU40により実行される制御モード切替ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図5はモータECU40により実行される異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。図4のルーチンはモータMG2を過変調制御モードで駆動しているときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行され、図5のルーチンは図4のルーチンで異常判定の実行が指示されたときに実行される。先に、制御モードの切り替えについて説明し、その後、インバータ42の異常判定について説明する。
図4の制御モード切替ルーチンが実行されると、モータECU40のCPU40aは、まず、モータMG2のトルク指令Tm2*や電流センサ46U,46Vからの相電流Iu2,Iv2,モータMG2の電気角θe2,異常判定中フラグF1など制御モードの切り替えに必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG2のトルク指令Tm2*は、ハイブリッド用電子制御ユニット70によりこのルーチンと並行して実行される図示しない駆動制御ルーチンにより設定されたものを通信により入力するものとした。また、電気角θe2は、回転位置検出センサ44により検出されたモータMG2のロータの回転位置に基づいて演算されたものを入力するものとした。さらに、異常判定中フラグF1は、インバータ42の異常判定を行なっている最中のときに値1が設定され、インバータ42の異常判定を行なっている最中でないときに及び初期値として値0が設定されるフラグであり、図5の異常判定ルーチンで設定されているものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、トルク指令Tm2*に基づいてモータMG2のd軸,q軸の目標電流Id*,Iq*を設定する(ステップS110)。ここで、d軸はモータMG2のロータに埋め込まれた永久磁石により形成される磁束の方向であり、q軸はd軸に対してモータMG2を正回転させる方向に電気角をπ/2だけ進角させた方向である。目標電流Id*,Iq*は、実施例では、モータMG2からトルク指令Tm2*に相当するトルクを出力できると共に目標電流Id*,Iq*の各二乗の和の平方根としての目標電流量Ire*を比較的小さくすることができる関係としてトルク指令Tm2*と目標電流Id*,Iq*との関係を予め定めて目標電流設定用マップとしてROM40bに記憶しておき、トルク指令Tm2*が与えられると記憶したマップから対応する目標電流Id*,Iq*を導出して設定するものとした。目標電流設定用マップの一例を図6に示す。図6の例では、トルクT3のトルク指令Tm2*に対応するd軸,q軸の目標電流Id*,Iq*を設定する際の様子を示している。また、図6には、トルク指令Tm2*や目標電流Id*,Iq*の他に、目標電流量Ire*と、三相コイルに通電される電流によってステータに形成される磁界の方向のq軸に対する角度としての目標電流角度θre*とについても示した。
続いて、モータMG2の三相コイルのU相,V相,W相に流れる相電流Iu2,Iv2,Iw2の総和を値0として電気角θe2を用いて相電流Iu2,Iv2をd軸,q軸の電流Id,Iqに次式(1)により座標変換(3相−2相変換)し(ステップS120)、計算したq軸の目標電流Iq*と電流Iqとの差を差電流ΔIqとして計算する(ステップS130)。ここで、差電流ΔIqは、トルク指令Tm2*に相当するトルクをモータMG2から出力するためにインバータ42からモータMG2に印加すべき電流に相当する目標電流Iq*と、トルク指令Tm2*でモータMG2を駆動したときにインバータ42からモータMG2に実際に印加されている電流に相当する電流Iqとの差により計算されたものであるが、正弦波制御モードに比して、制御上の応答性が低い過変調制御モードでは大きくなりやすい。
Figure 2010246290
こうして差電流ΔIqを計算すると、差電流ΔIqの絶対値と所定電流Irefとを比較し(ステップS140)、差電流ΔIqの絶対値が所定電流Iref以上のときには、モータMG2の制御モードを過変調制御モードから正弦波制御モードへ所定時間t1に亘って強制的に切り替え(ステップS150)、更に異常判定中フラグF1を調べ(ステップS160)、異常判定中フラグF1が値0のときにはインバータ42の異常判定の実行を指示して(ステップS170)、制御モード切替ルーチンを終了する。ここで、所定電流Irefは、過変調制御モードを制御上の応答性がより高い正弦波制御モードに切り替えてモータMG2の制御性を一時的に高めるべきか否かを判断するためのもであり、実施例では、過変調制御モードで定常的に生じる差電流ΔIqの上限値やこれより若干小さい電流値としてモータMG2やインバータ42の特性などに基づいて実験や解析により予め定められたものを用いるものとした。また、所定時間t1は、実施例では、過変調制御モードから正弦波制御モードへ切り替えてモータMG2を駆動したときに差電流ΔIqの絶対値を所定電流Iref未満とするのに必要な時間としてモータMG2やインバータ42の特性などに基づいて実験や解析などにより予め定められたもの(例えば、10msecや十数msecなど)を用いるものとした。こうして制御モードを強制的に切り替えることにより、モータMG2に印加すべき電流と実際に印加される電流との差が過大になるのを抑制することができる。
ステップS140で差電流ΔIqの絶対値が所定電流Iref未満のときには、制御モードを切り替えることなく、制御モード切替ルーチンを終了する。また、過変調制御モードから正弦波制御モードへ切り替えたときにステップS160で異常判定中フラグF1が値1のときには、インバータ42の異常判定の実行を指示することなく、制御モード切替ルーチンを終了する。以上、制御モードの切り替えについて説明した。
次に、インバータ42の異常の判定について説明する。図5の異常判定ルーチンが実行されると、モータECU40のCPU40aは、まず、スリップ判定フラグF2など判定に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。ここで、スリップ判定フラグF2は、初期値としては値0が設定され、駆動輪63a,63bの空転によるスリップが生じたときに値1が設定されると共に駆動輪63a,63bがグリップ状態になったときに値0が設定されるフラグであり、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される図7に例示するスリップ判定ルーチンにより設定されたものを通信により入力するものとした。以下、異常判定の説明を一旦中断し、スリップ判定について説明する。図7のスリップ判定ルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
図7のスリップ判定ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、回転位置検出センサ44からのモータMG2のロータの回転位置に基づいて演算されてモータECU40から通信により入力されるモータMG2の回転数Nm2や車速センサ88からの車速Vを入力し(ステップS300)、入力したモータMG2の回転数Nm2から前回このルーチンを実行したときに入力したモータMG2の回転数(前回Nm2)を減じることによりモータMG2の回転数変化量ΔNm2を計算すると共に(ステップS310)、モータMG2の回転数Nm2に駆動輪63a,63bの回転速度へ換算するための換算係数kwを乗じたものから車体速度としての車速Vを減じることにより駆動輪63a,63bのスリップ速度Vsを計算する(ステップS320)。続いて、スリップ判定フラグF2を調べ(ステップS330)、スリップ判定フラグF2が値0のときには、計算したモータMG2の回転数変化量ΔNm2と駆動輪63a,63bの空転によるスリップの発生を判定するために予め定められた閾値Nrefとを比較し(ステップS340)、回転数変化量ΔNm2が閾値Nref未満のときには、駆動輪63a,63bのスリップが生じていないと判断して、そのままスリップ判定ルーチンを終了し、回転数変化量ΔNm2が閾値Nref以上のときには、駆動輪63a,63bのスリップが生じたと判断し、スリップ判定フラグF2に値1を設定して(ステップS350)、スリップ判定ルーチンを終了する。また、スリップ判定フラグF2が値1のときには、駆動輪63a,63bのスリップが収束してグリップ状態になったのを判定するために予め定められた閾値Vrefと計算したスリップ速度Vsとを比較し(ステップS360)、スリップ速度Vsが閾値Vref以上のときには、駆動輪63a,63bのスリップは収束していないと判断して、そのままスリップ判定ルーチンを終了し、スリップ速度Vsが閾値Vref未満のときには、駆動輪63a,63bのスリップは収束したと判断し、スリップ判定フラグF2に値0を設定して(ステップS370)、スリップ判定ルーチンを終了する。以上、スリップ判定について説明した。
図5の異常判定ルーチンの説明に戻る。データを入力すると、入力したスリップ判定フラグF2を調べ(ステップS210)、スリップ判定フラグF2が値0のとき、即ち駆動輪63a,63bの空転によるスリップが生じていないときには、インバータ42の異常判定を行なうと判断して、異常判定時間tjの計時を値0から開始すると共に(ステップS220)、異常判定中フラグF1に値1を設定し(ステップS230)、異常判定時間tjと所定時間trefとを比較する(ステップS240)。ここで、所定時間trefは、インバータ42の異常判定を行なうのに必要な時間としてモータMG2やインバータ42の特性などに基づいて実験や解析などにより予め定められたもの(例えば、1秒や2秒など)を用いるものとした。いまは、異常判定時間tjの計時を開始したときを考えているから、異常判定時間tjは所定時間tref未満と判定され、図4のルーチンで過変調制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが行なわれたか否かを判定し(ステップS250)、この切り替えが判定されないときには、ステップS240の処理に戻る。その後、過変調制御モードから正弦波制御モードへの強制的な切り替えが再び行なわれることなく、ステップS240で異常判定時間tjが所定時間tref以上に至ったときには、異常判定中フラグF1に値0を設定して(ステップS290)、異常判定ルーチンを終了する。
過変調制御モードから正弦波制御モードへの強制的な切り替えが行なわれたときには、本ルーチンを実行したときに初期値として値1が設定される切替カウンタCnをインクリメントし(ステップS260)、切替カウンタCnが所定回数Crefに至ったか否かを判定し(ステップS270)、切替カウンタCnが所定回数Crefに至っていないときにはステップS240の処理に戻り、切替カウンタCnが所定回数Crefに至ったときにはインバータ42のトランジスタT7〜T12のうち一部のトランジスタがオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定して(ステップS280)、異常判定ルーチンを終了する。ここで、所定回数Crefは、インバータ42にオフ異常が生じているか否かを判定するためのものであり、モータMG2やインバータ42の特性などに基づいて前述の所定時間trefと共に実験や解析などにより予め定められたもの(例えば、50回や80回,100回など)を用いるものとした。したがって、切替カウンタCnが所定回数Crefに至ることなく、ステップS240で異常判定時間tjが所定時間tref以上に至ったときには、異常判定中フラグF1に値0を設定して(ステップS290)、異常判定ルーチンを終了する。また、ステップS210でスリップ判定フラグF2が値1のとき、即ち駆動輪63a,63bの空転によるスリップが生じているときには、そのまま、即ち異常判定中フラグF1に初期値としての値0が設定された状態を保持して、異常判定ルーチンを終了する。
ここで、こうしてインバータ42のオフ異常と判定することができる理由と、インバータ42のオフ異常を判定する理由と、スリップ時にはオフ異常の判定を行なわない理由と、について説明する。図8に、モータMG2の制御モードとモータMG2のU相の相電流Iu2とバッテリ50の充放電電流Ibと切替カウンタCnとの時間変化の様子の一例を示す。いま、モータMG2を正弦波制御モードで駆動している最中に、時刻t1でインバータ42のトランジスタT21のオフ異常が生じ、時刻t2でモータMG2の回転数Nm2とトルク指令Tm2*とに基づいて図3の制御モード設定用マップを用いて過変調制御モードがモータMG2の制御モードとして選択されたときを考える。図中、相電流Iu2の点線は、インバータ42のオフ異常が生じなかったときに本来流れるべきU相の相電流を参考のために示している。インバータ42のトランジスタT21のオフ異常が生じている状態で過変調制御モードが選択されると、過変調制御モードの制御上の応答性に起因する相電流の目標値からの乖離に加えてインバータ42のオフ異常に起因する相電流の目標値からの乖離が重畳し、図4のルーチンで過変調制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが行なわれやすくなる(時刻t3)。こうした切り替えが強制的に行なわれても、モータMG2の回転数Nm2とトルク指令Tm2*とが大きく変化していないと、モータMG2の制御モードは正弦波制御モードから再び過変調制御モードへ切替えられることになる(時刻t4)。インバータ42にオフ異常が生じているときには、ここで再び正弦波制御モードへ強制的に切り替えられることになるから(時刻t5)、過変調制御モードと正弦波制御モードとの間での切り替えが繰り返し行なわれることになる。この繰り返しを、所定時間tref内で切替カウンタCnが所定回数Crefに至ることで判定するから(時刻t6)、インバータ42のオフ異常と判定することができるのである。また、図示するように、インバータ42のオフ異常が生じると、バッテリ50の充放電電流Ibの変動が大きくなり、特に正弦波制御モードに比して過変調制御モード(更には矩形波制御モード)ではこの充放電電流Ibの変動がより大きくなり、こうして充放電電流Ibの変動が大きい状態が継続されると、バッテリ50の異常が生じる場合がある。したがって、インバータ42のオフ異常に加えてバッテリ50の異常が生じるのを抑制するためにも、インバータ42のオフ異常を判定するのが必要なのである。さらに、駆動輪63a,63bのスリップが生じているときには、図示しないブレーキ装置によるスリップ抑制制御により駆動輪63a,63bの急加速と急減速とが短時間で繰り返し発生するなどのため、こうした状態をインバータ42のオフ異常と誤って判定するのを回避するために、駆動輪63a,63bのスリップ時にはインバータ42のオフ異常の判定を行なわないのである。このように、インバータ42のオフ異常に加えてバッテリ50の異常が生じるのを抑制することができる手法をもってインバータ42のオフ異常を判定することができるから、インバータ42のオフ異常をより適正に判定することができる。また、駆動輪63a,63bのスリップ時に誤判定が抑制されるから、異常判定の結果が運転者に報知され無駄に点検や部品交換が行なわれるのを抑制することができる。
以上説明した実施例の駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20によれば、モータMG2が過変調制御モードで駆動されているときにモータMG2のトルク指令Tm2*に基づく目標電流Iq*と実際に印加されている電流Iqとの差電流ΔIqの絶対値が所定電流Iref以上に至ったときに過変調制御モードから正弦波制御モードへ強制的に切り替え、この切り替えが所定時間tref内に所定回数Cref以上行なわれたときにインバータ42のオフ異常と判定するから、インバータ42のオフ異常をより適正に判定することができる。また、駆動輪63a,63bの空転によるスリップが生じているときには、インバータ42のオフ異常の判定を行なわないから、インバータ42のオフ異常を更により適正に判定することができる。
実施例の駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20では、過変調制御モードのときに差電流ΔIqに基づいて正弦波制御モードへ強制的に切り替えるものとしたが、矩形波制御モードのときに差電流ΔIqに基づいて正弦波制御モードへ切り替えるものとしてもよい。この場合、矩形波制御モードから正弦波制御モードへの強制的な切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときにインバータ42のオフ異常と判定することができる。
実施例の駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20では、駆動輪63a,63bのスリップ時にはインバータ42の異常判定を行なわないものとしたが、駆動輪63a,63bのスリップ時でもインバータ42の異常判定を行なうが判定結果に拘わらずに異常でないと判定する(判定結果をマスクする)ものとしてもよい。また、例えばこうした駆動装置を車両でないものに搭載した場合など、駆動輪63a,63bのスリップ時であるか否かに拘わらずにインバータ42の異常判定を行なうものとしてもよい。
実施例の駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20では、モータMG2のトルク指令Tm2*に基づくq軸の目標電流Iq*と相電流Iu2,Iv2から得られる電流Iqとの差電流ΔIqに基づいて正弦波制御モードへ切り替えるものとしたが、モータMG2のトルク指令Tm2*に基づくd軸,q軸の目標電流Id*,Iq*の各二乗の和の平方根としての目標電流量Ire*と相電流Iu2,Iv2から得られる電流Id,Iqの各二乗の和の平方根としての電流量Ireとの電流差の絶対値に基づいて正弦波制御モードへ切り替えるものとしてもよいし、モータMG2のトルク指令Tm2*に基づく三相コイルの相電流の目標値である目標相電流Iu2*,Iv2*,Iw2*のうち大きさが最も大きい電流と相電流Iu2,Iv2および相電流Iu2,Iv2から得られるW相の相電流Iw2のうち大きさが最も大きい電流との電流差の絶対値に基づいて正弦波制御モードへ切り替えるなどとしてもよい。
実施例の駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20では、過変調制御モードから正弦波制御モードへの強制的な切り替えが所定時間tref内に所定回数Cref以上行なわれたときにインバータ42のオフ異常と判定するものとしたが、差電流ΔIqに対してなまし処理を施して得られる差電流なまし値ΔIqsの絶対値が所定時間tref2内に閾値Iref2以上に至ったときにインバータ42のオフ異常と判定するものとしてもよい。この場合、図5のルーチンに代えて、図9の異常判定ルーチンを実行すればよい。また、図10に、この変形例におけるモータMG2の制御モードとモータMG2のU相の相電流Iu2とバッテリ50の充放電電流Ibと差電流ΔIqと異常判定の結果との時間変化の様子の一例を示す。図10中、一点鎖線は差電流なまし値ΔIqsを示し、時刻t1〜時刻t5で生じる事象は実施例における図8で説明したものと同様であるものとし、時刻t7で差電流なまし値ΔIqsの絶対値が閾値Iref2に至っている。図9のルーチンは、このルーチンが実行されていないときに所定時間(例えば数msec毎)に繰り返し実行するものとし、図4のルーチンではステップS160,S170の処理は行なわないものとする。図9のルーチンでは、まず、スリップ判定フラグF2を入力し(ステップS400)、スリップ判定フラグF2が値1のときには、そのまま異常判定ルーチンを終了する。スリップ判定フラグF2が値0のときには、異常判定時間tjの計時を開始し(ステップS410)、異常判定時間tjが異常判定に必要な時間として予め定められた所定時間tref2(例えば、1秒や2秒など)以上に至ったか否かを判定し(ステップS420)、異常判定時間tjが所定時間tref2以上に至ったときには、異常判定ルーチンを終了する。異常判定時間tjが所定時間tref2以上に至っていないときには、図4の制御モード切替ルーチンにおけるステップS100〜S130の処理と同様に差電流ΔIqを計算し(ステップS440)、差電流ΔIqに対してなまし処理を施して差電流なまし値ΔIqsを計算する(ステップS450)。この計算は、例えば、現在から所定時間tref2前までの差電流ΔIqの平均値を計算したり、前回このルーチンを実行したときまでに計算された差電流なまし値(前回ΔIqs)に所定の時定数α(例えば値0.6や値0.8,値0.9など)を乗じたものと計算された差電流ΔIqに値(1−α)を乗じたものとの和として計算したりすることができる。なお、この変形例では、正弦波制御モードでは制御上の応答性が比較的高いため、差電流ΔIqを計算することなく差電流ΔIqは値0であるものとして差電流なまし値ΔIqsの計算を行なうものとした。そして、計算した差電流なまし値ΔIqsの絶対値がインバータ42のオフ異常と判定できる値として所定時間tref2と共に予め定められた閾値Iref2以上であるか否かを判定し(ステップS460)、差電流なまし値ΔIqsの絶対値が閾値Iref2未満のときには、ステップS410の処理に戻り、差電流なまし値ΔIqsの絶対値が閾値Iref2以上のときには、インバータ42のオフ異常と判定して(ステップS470)、異常判定ルーチンを終了する。なお、差電流ΔIqと差電流なまし値ΔIqsとに代えて、モータMG2のトルク指令Tm2*に基づくd軸,q軸の目標電流Id*,Iq*の各二乗の和の平方根としての目標電流量Ire*と相電流Iu2,Iv2から得られる電流Id,Iqの各二乗の和の平方根としての電流量Ireとの差電流と、この差電流になまし処理を施して得られる差電流なまし値を用いるものとしてもよいし、モータMG2のトルク指令Tm2*に基づく三相コイルの相電流の目標値である目標相電流Iu2*,Iv2*,Iw2*のうち大きさが最も大きい電流と相電流Iu2,Iv2,Iw2のうち大きさが最も大きい電流との差電流と、この差電流になまし処理を施して得られる差電流なまし値とを用いるものとしてもよい。こうした判定によっても、インバータ42のオフ異常を判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50からの電力を昇圧してインバータ41,42に供給する昇圧回路55を備えるものとしたが、こうした昇圧回路55を備えることなく、バッテリ50からの電力を昇圧せずにインバータ41,42に供給するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例では、エンジン22と二つのモータMG1,MG2とを備えるハイブリッド自動車20に適用して説明したが、図12に示すように、エンジンを備えずにバッテリ50からの電力をモータMGに供給すると共にモータMGからの動力により走行する電気自動車220に適用するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車や電気自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の列車などの車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される駆動装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた駆動装置の形態としても構わない。さらに、こうした駆動装置の異常判定方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG2が「電動機」に相当し、インバータ42が「インバータ」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、電流センサ46U,46Vと電流センサ46U,46Vからの相電流Iu2,Iv2および電気角θe2に基づいてq軸の電流Iqを計算する図4の制御モード切替ルーチンのステップS120の処理を実行するモータECU40とが「電流検出手段」に相当し、モータMG2の差電流ΔIqの絶対値が所定電流Iref以上に至ったときに過変調制御モードから正弦波制御モードへ切り替える図4の制御モード切替ルーチンのステップS140,S150の処理を実行するモータECU40が「制御モード切替手段」に相当し、異常判定時間tjが所定時間trefに至るまでに過変調制御モードから正弦波制御モードへの強制的な切り替えの回数を示すカウンタCnが所定回数Crefになったときにインバータ42のオフ異常と判定する図5の異常判定ルーチンを実行するモータECU40が「異常判定手段」に相当する。また、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。
ここで、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「インバータ」としては、インバータ42に限定されるものではなく、電動機を駆動するものであれば如何なるものとしても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、インバータを介して電動機と電力のやり取りが可能であれば如何なるものとしても構わない。「電流検出手段」としては、電流センサ46U,46VとモータECU40などの電子制御ユニットとの組み合わせに限定されるものではなく、電流センサのみによるものなど、電動機に印加される電流を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。
「制御モード切替手段」としては、モータECU40などの単一の電子制御ユニットにより構成されるものに限定されるものではなく、複数の電子制御ユニットの組み合わせによるものなどとしてもよい。また、「制御モード切替手段」としては、モータMG2の差電流ΔIqの絶対値が所定電流Iref以上に至ったときに過変調制御モードから正弦波制御モードへ切り替えるものに限定されるものではなく、矩形波制御モードから正弦波制御モードへ切り替えるものなど、過変調制御モードまたは矩形波制御モードで電動機が駆動制御されているときに電動機のトルク指令に応じて得られる電動機に印加すべき目標電流と検出された電流との差電流が所定電流以上に至ったときには過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへ切り替えるものであれば如何なるものとしても構わない。「異常判定手段」としては、モータECU40などの単一の電子制御ユニットにより構成されるものに限定されるものではなく、複数の電子制御ユニットの組み合わせによるものなどとしてもよい。また、「異常判定手段」としては、異常判定時間tjが所定時間trefに至るまでに過変調制御モードから正弦波制御モードへの強制的な切り替えの回数を示すカウンタCnが所定回数Crefになったときにインバータ42のオフ異常と判定するものに限定されるものではなく、制御モード切替手段による過変調制御モードまたは矩形波制御モードから正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときにインバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定するものであれば如何なるものとしても構わない。
また、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、蓄電手段と電力のやり取りが可能で動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機であっても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され、3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、駆動装置や車両の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、40a CPU、40b ROM、40c RAM、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45U,45V,46U,46V 電流センサ、50 バッテリ、51a 電流センサ、51b 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、54a 正極母線、54b 負極母線、55 昇圧回路、57,58 コンデンサ、57a,58a 電圧センサ、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、220 電気自動車、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32 ダイオード、T11〜T16,T21〜T26,T31,T32 トランジスタ、L リアクトル、MG1,MG2,MG モータ。

Claims (4)

  1. 動力を入出力可能な電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、前記インバータを介して前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備え、前記電動機の回転数と前記電動機を駆動すべきトルク指令とに基づいてパルス幅変調による正弦波電圧を用いて前記電動機を駆動する正弦波制御モードと前記正弦波電圧より変調率が高い過変調電圧を用いて前記電動機を駆動する過変調制御モードと矩形波電圧を用いて前記電動機を駆動する矩形波制御モードとのうちいずれかを用いて前記電動機を駆動制御する駆動装置であって、
    前記電動機に印加される電流を検出する電流検出手段と、
    前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードで前記電動機が駆動制御されているときに前記電動機のトルク指令に応じて得られる前記電動機に印加すべき目標電流と前記検出された電流との差電流が所定電流以上に至ったときには前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへ切り替える制御モード切替手段と、
    前記制御モード切替手段による前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときに前記インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する異常判定手段と、
    を備える駆動装置。
  2. 請求項1記載の駆動装置が搭載された車両であって、
    前記電動機は、駆動輪に連結された駆動軸に接続されてなり、
    前記異常判定手段は、前記駆動輪の空転によるスリップが判定されているときには前記制御モード切替手段による前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが前記所定時間内に前記所定回数以上行なわれたときでも前記オフ異常が生じているとは判定しない手段である、
    車両。
  3. 請求項2記載の車両であって、
    内燃機関と、
    前記蓄電手段と電力のやり取りが可能で動力を入出力可能な発電機と、
    前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    を備える、
    車両。
  4. 動力を入出力可能な電動機と、前記電動機を駆動するインバータと、前記インバータを介して前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備え、前記電動機の回転数と前記電動機を駆動すべきトルク指令とに基づいてパルス幅変調による正弦波電圧を用いて前記電動機を駆動する正弦波制御モードと前記正弦波電圧より変調率が高い過変調電圧を用いて前記電動機を駆動する過変調制御モードと矩形波電圧を用いて前記電動機を駆動する矩形波制御モードとのうちいずれかを用いて前記電動機を駆動制御する駆動装置の異常判定方法であって、
    前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードで前記電動機が駆動制御されているときに前記電動機のトルク指令に応じて得られる前記電動機に印加すべき目標電流と前記電動機に印加される電流との差電流が所定電流以上に至ったときには前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへ切り替え、
    前記過変調制御モードまたは前記矩形波制御モードから前記正弦波制御モードへの切り替えが所定時間内に所定回数以上行なわれたときに前記インバータの一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じていると判定する、
    駆動装置の異常判定方法。
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CN111316562A (zh) * 2017-11-16 2020-06-19 三菱电机株式会社 电机控制装置

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