JP2010243900A - レンズ駆動装置及びそれを有するレンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズ保持枠を光軸に方向にガタなく、高精度に移動することができるレンズ駆動装置が得られる。
【解決手段】 レンズを保持し、光軸方向に移動する可動レンズ保持部材と、該可動レンズ保持部材を光軸と平行方向に移動可能に案内支持するガイド部材と、該可動レンズ保持部材を駆動させるために、送りねじを設けた出力軸に駆動力を伝達する駆動手段と、該可動レンズ保持部材に回動自在に保持され、前記送りねじに噛合するラック本歯と、前記送りねじを該ラック本歯と対向挟持して押える歯形状の凸部を有する押え歯とを持つラック部材とを有し、前記ラック部材のラック本歯もしくは押え歯のうち、どちらか一方は、該送りねじの回転軸に対して直交し、他方は噛合う送りねじのリード角と平行もしくはリード角と同方向に傾く角度で噛合しており、該駆動手段により該ラック部材を介して該可動レンズ保持部材を駆動させること。
【選択図】 図4
【解決手段】 レンズを保持し、光軸方向に移動する可動レンズ保持部材と、該可動レンズ保持部材を光軸と平行方向に移動可能に案内支持するガイド部材と、該可動レンズ保持部材を駆動させるために、送りねじを設けた出力軸に駆動力を伝達する駆動手段と、該可動レンズ保持部材に回動自在に保持され、前記送りねじに噛合するラック本歯と、前記送りねじを該ラック本歯と対向挟持して押える歯形状の凸部を有する押え歯とを持つラック部材とを有し、前記ラック部材のラック本歯もしくは押え歯のうち、どちらか一方は、該送りねじの回転軸に対して直交し、他方は噛合う送りねじのリード角と平行もしくはリード角と同方向に傾く角度で噛合しており、該駆動手段により該ラック部材を介して該可動レンズ保持部材を駆動させること。
【選択図】 図4
Description
本発明はレンズ駆動装置及びそれを有するレンズ鏡筒に関し、例えばレンズ鏡筒に収納保持した光学系(レンズ)を光軸方向に精度良く移動させる際に好適なビデオカメラやデジタルカメラ等に好適なものである。
ビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮影装置に用いられるレンズ鏡筒には、変倍または合焦のためにレンズ保持枠を光軸方向に移動させるレンズ駆動装置が設けられている。レンズ保持枠を光軸方向にガタなく高精度に移動させるようにしたレンズ駆動装置が知られている(特許文献1〜3)。
特許文献1に記載されたレンズ駆動装置においては、ラック部材の送りねじに噛合する歯形状部(以下、ラック本歯)、押え部の凸形状部(以下、押え歯)が、製造の容易さから送りねじの回転軸と略直交する方向に形成されている。この場合、通常はレンズを保持する可動レンズ保持部材のガイド部材は光軸と略平行に配置され、送りねじも略平行もしくは平行に近い状態に配置されている。このため、ラック本歯と送りねじのねじ山は並行にあらず、相対角度を持っている。そのために、送りねじとラック本歯が噛合う際に、送りねじのリード角に沿ってラック本歯を噛合わせようとする力(以下、ねじり力と表記)が発生する。
特許文献2には、このねじり力による、駆動負荷を低減させるためガイド部材に対して送りねじを傾けたレンズ駆動装置が開示されている。レンズ鏡筒やそれを有する撮像装置においては、撮影中に連続的もしくは断続的な像ユレ現象が発生するのは好ましくない。
特許文献3では、像ユレ現象の原因となるレンズ保持部材とガイド部材との嵌合ガタの中で発生する、光軸と直行方向におけるレンズ保持部材の振幅運動を防止するために、レンズ保持部材に対して付勢手段を施した駆動装置を開示している。特許文献3では、レンズ保持部材のスリーブ嵌合穴の1つをレンズ重心近くに配置し、他方のスリーブ嵌合穴の近傍にラック部材を配置している。
この構成において、前記送りねじとラック部材によるねじり力が、レンズ自重による付勢方向と略逆方向に発生するような配置とすると、付勢効果すなわち像ユレ防止効果が低減されてしまう。そこで特許文献3では、レンズ自重による付勢力を相殺させない方向に、送りねじとラック部材によるねじり力が発生するように構成することでレンズ保持枠の付勢効果を高めた駆動装置を開示している。
近年、レンズ鏡筒やそれを有する撮像装置の小型化にともない、レンズ系が小径化され、レンズ系そのものの重量が軽くなってきている。このため、例えば特許文献3の構成において、レンズ駆動中の負荷状況の変化等により、スリーブ嵌合穴に自重とは略逆方向に力が発生したとする。このとき、発生する力に勝るような、レンズ自重による付勢力が必要十分に確保出来ない場合が生じてくる。このような場合には、レンズ保持枠に対する付勢に、送りねじとラック部材によるねじり力の占める割合が、大きくなっている。
特許文献1では、送りねじを加圧するラック部材の押え部に凸形状の押え歯を設けている。この構成では、それがラック本歯と同様に送りねじの回転軸と略直交方向に形成された際、送りねじと押え歯によるねじり力が、ラック本歯によるねじり力とは逆方向に発生する。故に、互いのねじり力が相殺関係となり、送りねじとラック部材とで発生する全体のねじり力が減少してくる。そうすると、効果的な付勢力を得るのが難しくなってきてレンズ保持枠を光軸方向にガタなく移動させるのが困難になってくる。
本発明は、レンズ保持枠を光軸に方向にガタなく、高精度に移動することができるレンズ駆動装置及びそれを有するレンズ鏡筒の提供を目的とする。
本発明のレンズ駆動装置は、レンズを保持し、光軸方向に移動する可動レンズ保持部材と、該可動レンズ保持部材を光軸と平行方向に移動可能に案内支持するガイド部材と、該可動レンズ保持部材を駆動させるために、送りねじを設けた出力軸に駆動力を伝達する駆動手段と、該可動レンズ保持部材に回動自在に保持され、前記送りねじに噛合するラック本歯と、前記送りねじを該ラック本歯と対向挟持して押える歯形状の凸部を有する押え歯とを持つラック部材とを有し、前記ラック部材のラック本歯もしくは押え歯のうち、どちらか一方は、該送りねじの回転軸に対して直交し、他方は噛合う送りねじのリード角と平行もしくはリード角と同方向に傾く角度で噛合しており、該駆動手段により該ラック部材を介して該可動レンズ保持部材を駆動させることを特徴としている。
本発明によれば、レンズ保持枠を光軸に方向にガタなく、高精度に移動することができるレンズ駆動装置が得られる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。本発明のレンズ駆動装置は、フォーカス用又はズーム用のレンズを保持し、光軸と平行方向にガイド部材で案内支持されて移動する可動レンズ保持部材を有する。又、可動レンズ保持部材を駆動させるために、送りねじを設けた出力軸に駆動力を伝達する駆動手段を有している。出力軸の送りねじに噛合するラック本歯と、送りねじをラック本歯と対向挟持して押える歯形状の凸部を有する押え歯とを持つラック部材が可動レンズ保持部材に回動自在に保持されている。又、可動レンズ保持部材には、ガイド部材に嵌挿する嵌合穴が両端に形成されたスリーブが設けられている。
駆動手段によりラック部材とスリーブを介して可動レンズ保持部材を駆動させている。ラック部材の一方のラック本歯は、送りねじの回転軸に対して直交し、他方の押え歯は噛合う送りねじのリード角と平行もしくはリード角と同方向に傾く角度で噛合している。ラック部材のラック本歯と送りねじの噛合により発生する力によるモーメントが、スリーブの嵌合穴の内面をガイド部材に常時接触させるように一定方向に作用して、可動レンズ保持部材を付勢している。
図1、図2は本発明の実施例1のレンズ駆動装置を有するレンズ鏡筒の基本構成を示す要部概略図である。図1はレンズ鏡筒の要部縦断面を、図2はレンズ鏡筒を分解した斜視図である。これらの図において、15はレンズ鏡筒に収納した光学系(ズームレンズ)の光軸である。L1は最も物体側の第1レンズユニット、L2は光軸方向に移動して変倍を行う変倍レンズ群を含む第2レンズユニットである。L3は固定の第3レンズユニットである。L4は光軸方向に移動することで変倍に伴う焦点面変動(像面変動)の補正と焦点合わせを行うレンズ群を含む第4レンズユニットである。
1は第1レンズユニットL1を保持する第1レンズ鏡筒であり、前端部に第1レンズユニットL1を保持する部分を有し、その後方には箱形状に形成された部分を有する。該箱形状に形成された部分は、光軸に直交する方向(図2における上方)に面する開口と後方に面する開口とが形成されている。第1レンズ鏡筒1の底面には、遮光線1aが形成されており、該底面に入射した光の反射を抑えてゴーストの発生を防止している。5は後部鏡筒であり、光軸直交方向(図2における下方)に面する開口と前方に面する開口とを有する半円筒形状の上蓋部を有する。上蓋部の天井面には、図1に示すように、遮光線5oが形成されており、該天井面に入射した光の反射を抑えてゴーストの発生を防止している。後部鏡筒5(上蓋部)の後端には、後端壁部5lが形成されている。
後端壁部5lには、ローパスフィルターを保持するフィルタ保持部5mと、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を保持する撮像素子保持部5nとが形成されている。5kはローパスフィルター及び撮像素子への不要光の入射を遮る遮光部である。6a、6bは光軸と平行に延びて、その両端を第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5により保持されるガイドバー(ガイド部材)である。
尚、本実施例にいう「光軸と平行」とは、完全に平行である場合だけでなく、許容誤差等の範囲で平行からずれているが平行とみなせる場合を含む。「光軸に直交する」も同様である。ガイドバー6aには、第2レンズユニットL2を保持する第2レンズ保持枠2に形成されたスリーブ部と第4レンズユニットL4を保持する第4レンズ保持枠4に形成されたU溝部とがそれぞれ移動可能に係合している。第2レンズ保持枠2と第4レンズ保持枠4は各々可動レンズ保持部材を構成している。
一方、ガイドバー6bには、第2レンズ保持枠2に形成されたU溝部と第4レンズ保持枠4に形成されたスリーブ部とがそれぞれ移動可能に係合している。第2レンズ保持枠2は、ガイドバー6aによって光軸方向にガイドされるとともに、ガイドバー6bとU溝部との係合によりガイドバー6aの回りでの回転が阻止されている。
第4レンズ保持枠4は、ガイドバー6bによって光軸方向にガイドされるとともに、ガイドバー6aとU溝部との係合によりガイドバー6b回りでの回転が阻止される。
第4レンズ保持枠4は、ガイドバー6bによって光軸方向にガイドされるとともに、ガイドバー6aとU溝部との係合によりガイドバー6b回りでの回転が阻止される。
第4レンズ保持枠4には、ラック(ラック部材)12が光軸直交面内で回動可能に取り付けられている。このラック12は、フォーカスモータ(駆動手段)7のスクリュウ軸(出力軸)7aの送りネジに噛合う。これにより、フォーカスモータ7が作動してスクリュウ軸7aが回転すると、第4レンズ保持枠4は光軸方向に駆動される。ラック12は、ラックバネ16によって、第4レンズ保持枠4の光軸方向端面に向けて付勢されているとともに、バネ部16a、16bによってスクリュウ軸7aに噛合う方向に付勢されている。
これにより、第4レンズ保持枠4、ラック12及びスクリュウ軸7a間でのガタが小さくなるようにしている。第4レンズ保持枠4(第4レンズユニットL4)の光軸15方向に対する傾き(倒れ)は、スリーブ部4aを光軸15方向で十分な長さでガイドバー6bに係合させることで防止される。一方、第2レンズ保持枠2にも、ラック12と同様なラック(不図示)が光軸直交面内で回動可能に取り付けられており、このラックは、ズームモータ8のスクリュウ軸8aに噛合う。これにより、ズームモータ8が作動してスクリュウ軸8aが回転すると、第2レンズ保持枠2は光軸方向に駆動される。ラックは、ラックバネ(不図示)によって、第2レンズ保持枠2の光軸方向端面に向けて付勢されているとともに、スクリュウ軸8aに噛合う方向に付勢されている。
これにより、第2レンズ保持枠2、ラック及びスクリュウ軸8a間でのガタが小さくなるようにしている。第2レンズ保持枠2(第2レンズユニットL2)の光軸方向に対する傾き(倒れ)は、スリーブ部を十分な長さでガイドバー6aに係合させることで防止されている。3は第3レンズユニットL3を保持する第3レンズ保持枠である。該第3レンズ保持枠3は、ガイドバー6aに係合する基準位置決め用穴部と、ガイドバー6bに係合する回転止め用の穴部(長穴部)とを有する。これらの穴部とガイドバー6a、6bとの係合により、第3レンズ保持枠3、つまりは第3レンズユニットL3の光軸位置合わせを行っている。
ここで、第3レンズ保持枠3は、第2レンズ保持枠2と第4レンズ保持枠4との間に配置されているため、第3レンズ保持枠3のガイドバー6aとの係合長を長くすることが難しい。このため本実施例では、第3レンズ保持枠3における周方向3個所に第1レンズ鏡筒1に係合する係止部を設けて該第3レンズ保持枠3(第3レンズユニットL3)の光軸方向に対する傾き(倒れ)を阻止している。
フォーカスモータ7及びズームモータ8はそれぞれ、ステッピングモータ等により構成されている。これらのモータ(駆動手段)7、8はそれぞれ、板金により製作されたモータ保持板7b、8bにより保持されて、例えばビス(不図示)により第1レンズ鏡筒1に固定されている。9は、ビス(不図示)により後部鏡筒5に固定される光量調整ユニットである。光量調節ユニット9は、絞り羽根9aを開閉して光が通過する開口の径を変化させることで撮像素子に入射する光量を調整する。
10、11はフォトインタラプタであり、それぞれ補強板13、14に接着されて該補強板13、14を介してビス(不図示)により第1レンズ鏡筒1に固定されている。第4及び第2レンズ保持枠4、2が光軸方向に移動すると、該第4、第2レンズ保持枠4、2に形成された遮光部がフォトインタラプタ10、11を構成する投光部と受光部との間に出入りする。
これにより遮光状態と受光状態とに切り換わる。フォトインタラプタ10、11は、この切り換わりを検出することにより、第4及び第2レンズ保持枠4、2がそれぞれ基準位置に位置しているか否かを検出している。2aは、その第2レンズ保持枠2に形成された遮光部である。第4レンズ保持枠4にも、同様な遮光部(不図示)が形成されている。前記フォーカスモータ7、ズームモータ8、光量調節ユニット9、フォトインタラプタ10、11には、フレキシブルプリント板FPC(不図示)が半田付けされている。このFPCを通じて撮像装置(カメラ本体)との電気信号の通信を行なっている。
次に、本実施例のレンズ鏡筒におけるレンズ駆動装置の構成に関して、可動レンズ保持枠として第4レンズ保持枠4を例にとり、その駆動装置の構成を説明する。図3はレンズ駆動装置の要部斜視図、図4はレンズ駆動装置の各部材を分解した斜視図である。図5はレンズ駆動装置を構成するラックと送りねじの噛合い状態を示した概略図である。6a、6bは前述の光軸15に平行又は略平行に配置されたガイドバーである。
第4レンズ保持枠4には、スリーブ部4aが形成されている。スリーブ4aには両端にガイドバー6bと係合するスリーブ穴(一端嵌合穴)4c、4dが形成されている。4bはガイドバー6aと係合する第4レンズ保持枠4に設けたU溝である。4e、4fは、ラック12と係合するスリーブ4a近傍に設けた支持穴である。ラック12は、スクリュー軸7aに設けた送りねじ7aaと噛合するラック本歯12aと、それに対向する押え歯12b及び対向歯12c、12dとを備えている。押え歯12bは、送りねじ7aaの谷の角度より大きい頂角を持つ歯形状の凸部を有している。
12e、12fは第4レンズ保持枠4のスリーブ4a近傍の支持穴4e、4fと係合するラック12に設けた軸である。ラック12はスリーブ4a近傍に第4レンズ保持枠4に光軸直交面内で回動可能に取り付けられる。対向歯12c、12dは、スクリュー軸7aの外径の外側に配置され、スクリュウ軸7aの送りねじ7aaには噛合っていない。送りねじ7aaと噛合しているラック本歯12aが、衝撃等で歯飛びを起こしそうになった際に、対向歯12c、12dが送りねじ7aaのねじ山の斜面に当たることでラック12の歯とびを防止する。
押え歯12bは、ラックバネ16に形成されたばね部16aにより、スクリュウ軸7aに噛合う方向に加圧され、ラックバネ16のばね部16bは、ラック12の部位(不図示)に引っ掛けられている。これにより、押え歯12bとラック本歯12aでスクリュウ軸7aを挟み込み、ラック本歯12a、押え歯12bが常時スクリュウ軸7aの送りねじ7aaと噛合う状態になっている。
押え歯12bは、図9に示すようにラック本歯12aに対して所定角度θ5を有して配置されている。押さえ歯12bはコイルバネ16のばね部16aにより加圧されている時の分力が、図9に示す方向F1に働くような設定としている。また、ラックバネ16は、ラック12を第4レンズ保持枠4の光軸15方向端面に向けた方向へも付勢して駆動の際に問題となるガタ付きを防止している。フォーカスモータ7の出力軸であるスクリュウ軸7aは、レンズ鏡筒に組み込まれた状態において、光軸15と略平行するように、もしくは平行に近い状態に配置されている。スクリュー軸7aに形成した送りねじ7aaによって、ズームモータ7が作動してスクリュウ軸7aが回転すると第4レンズ保持枠4は光軸方向に駆動される。
図6は、スクリュウ軸7aとラック本歯12aの噛合い状態を示した図である。押え歯12b、対向歯12c、12dは不図示となっている。図中θ1は、ラック本歯12aとスクリュウ軸7aの回転軸7abとのなす角、θ2は送りねじ7aaのリード角を示している。ラック本歯12aには、スクリュウ軸7aの回転軸7abと略直交する方向、すなわち図中角度θ1がほぼ90度となる方向に複数本(本実施例においては4本)の歯形状部(ラック本歯)12aが形成されている。
一方、スクリュウ軸7aの送りねじ7aaのねじ山は、リード角θ2傾いている。故に、正規の組み込み状態においては、ラック本歯12aとスクリュー軸7aの送りねじ7aaのねじ山はねじれた状態となっている。それらの当接面においては、スクリュー軸7aからラック本歯12aに対して、ねじれを補正しようとする方向、即ち、送りねじ7aaのリード角θ2に沿おうとする方向に力(以下、ねじり力)が働く。このねじり力により矢印M1の方向にモーメントM1が発生している。このモーメントM1を後述する第4レンズ保持枠4の付勢手段として活用している。
図7は本実施例におけるスクリュウ軸7aとラック12の押え歯12bの噛合い状態を示した説明図である。図8は従来例におけるスクリュウ軸87aと押え歯の噛合い状態を示した説明図である。図7、図8では共にラック本歯12aは不図示である。図中θ3、θ4は、押え歯の角度を示している。図8の従来例においては、押え歯87bはスクリュウ軸87aの回転軸87abと略直交する方向、すなわち図中角度θ4がほぼ90度となる方向に形成されている。それ故に、上記のラック本歯とスクリュウ軸87abの関係と同様にリード角に沿おうとする力が働き、矢印の方向にモーメントM2が発生する。
しかしながら、このモーメントM2は前記のラック本歯との噛合いで発生するモーメントM1とは逆方向であり、相殺関係にある。つまり、ラック82とスクリュウ軸87aの噛合いで発生する全体でのモーメントが減少し、レンズ保持枠の付勢力が軽減されてしまうことになる。そこで、図7に示す本実施例においては、ラック12の押え歯12bを図中角度θ3傾けた方向に形成している。角度θ3とスクリュウ軸7aのリード角θ2を同方向に向くように略一致させることで(略平行とさせることで)、スクリュウ軸7aの送りねじ7aaのねじ山とラック12の押え歯12bの噛合いでは、モーメントが発生しない。
したがって、従来例のようなラック本歯とスクリュウ軸の噛合いで発生するモーメントM2を発生させずに相殺させること無く、M1をレンズ保持枠4の付勢に利用すること出来る。また、角度θ3をリード角θ2以上に設定した場合には、発生するするモーメントが、ラック本歯12aとの噛合いによるモーメントM1と同方向に発生して加算されることになり、第4レンズ保持枠4に対する付勢力を増すことが出来る。角度θ3は、駆動負荷や必要とするモーメント(付勢力)に応じて、適宜設定すると良い。
図9は、図3に示すレンズ駆動装置の要部正面図である。第4レンズユニットL4の自重によるU溝4bへの付勢力が、方向F2に働いている。また、前述の通り、ラックバネ16のばね部16a、16bによる加圧にて、方向F1の分力が発生している。これによりガイドバー6b周りのモーメントが発生し、U溝4bに対して方向F2に付勢力が作用しており、第4レンズユニットL4の自重による付勢力に加算されている。
図10は、図3に示すレンズ駆動装置の要部側面図である。スリーブ穴(一端面嵌合穴)4cは、第4レンズユニットL4の自重による付勢力がより多く配分されるように、第4レンズユニットL4の重心を通る光軸直交面に近い側に設定されている。スリーブ4aの嵌合穴4c、4dの内面はガイド部材6bと常時接触している。スリーブ穴(嵌合穴)4cには、第4レンズユニットL4の自重による力が作用している。また、ラック12のラック本歯(歯形状部)12aおよび押え歯12bとスクリュウ軸7aの送りねじ7aaの噛合いによりモーメントM(=M1+M2)が発生する。本実施例では、M2≒0である。このとき発生するモーメントMによる力が、付勢力として自重による力に加算する方向であるF3に示す一定方向に働いている。
スリーブ4aの中央部からスリーブ穴(他端側嵌合穴)4dの間には、ラック12が設置されており、前述の図9に示す方向F1からの付勢力が、方向F4に働いている。このように本実施例においてスリーブ4aの一端側の嵌合穴4cは、自重により発生する力がより多く配分させるように、可動レンズ保持部材4自身の重心を通る光軸直交面に近い側に設けられる。そして、スリーブ4aの中央部からスリーブ4aの他端側の嵌合穴4dとの間にラック部材12が取り付けられている。可動レンズ保持部材4の自重により発生する力が多く配分される側のスリーブの嵌合穴4cにおいて、その自重による力に加算する方向に、モーメントMによる付勢力が作用している。
本実施例のような構成のレンズ駆動装置とすることで、スリーブ4aの嵌合穴4c、4dの内面は、ガイド部材6bに常時接触している。これによりスリーブ穴4b、4c、U溝4bに必要十分な付勢力を一方向に作用させることが出来る。そして、第4レンズ保持枠4の移動中にガイドバー6a、6bとの嵌合ガタで発生する揺れ動作を抑制し、像ユレ現象を防止することができる。また、嵌合ガタが原因となって作動中における反転時などに起きるヒステリシスも、上記付勢力の効果で防止、軽減することができる。
ここまで、第4レンズ保持枠4に関するレンズ駆動装置に関して説明してきたが、第2レンズユニットL2に関しても同様なレンズ駆動装置の構成としている。なお、本実施例においては、ラック本歯12aをスクリュウ軸7aの回転軸7abに直交方向に配置し、押え歯12bを送りねじ7aaのリード角θ2に略一致させるように傾けているが、これに限定されるものでは無い。同様な効果が得られれば、ラック本歯を送りねじのリード角に略一致するように傾け、押え歯をスクリュウ軸の回転軸に直交するような構成としてもよい。さらに、本実施例では第2レンズ保持枠2、第4レンズ保持枠4の双方に前述したレンズ駆動装置を適用しているが、例えば第2レンズ保持枠2のみにするなど、該レンズ駆動装置を適用するユニットは適宜選択すればよい。
以上のように本実施例によればラック部材のラック本歯と押え歯が、駆動手段の送りねじと噛合う場合において、送りねじとラック部材によるねじり力を可動レンズ保持部材の付勢力として有効に活用できるレンズ駆動装置が得られる。これによって、撮影中の像ユレ現象の発生を防止して、それによる光学性能の劣化のないレンズ鏡筒を実現することができる。
図11は、本実施例のレンズ鏡筒を用いて構成した撮像装置(ビデオカメラ)の要部ブロック図である。なお、この図中において、上述した実施例における構成要素と同じものには、同じ符号を付して説明に代える。221は後部鏡筒5により保持されるCCD等の撮像素子である。224は光量調整ユニット9に備えられている絞りアクチュエータであり、絞りばね9aを駆動する。225はズームエンコーダ、227はフォーカスエンコーダである。これらのエンコーダ225、227はそれぞれ、第2レンズユニットL2、第4レンズユニットL4の光軸方向の絶対位置を検出する。
本実施例のように、フォーカスモータ7及びズームモータ8としてステッピングモータを用いる場合には、移動するレンズ保持枠に一体的に遮光板を設け、前述したフォトインタラプタ10、11により基準位置を検出する。そして、その後ステッピングモータに与える駆動パルス数をカウントすることによりレンズユニットの絶対位置を検出している。
但し、フォーカスモータ7及びズームモータ8としては、ステッピングモータ以外のアクチュエータ、例えばDCモータやボイスコイルモータ、振動型モータ、振動型リニアアクチュエータを用いてもよい。DCモータを用いる場合には、エンコーダとして、ボリューム等の絶対位置エンコーダや磁気式エンコーダを用いることができる。226は絞りエンコーダであり、絞りアクチュエータ224の内部にホール素子を配置し、ローターとステータの回転位置関係を検出する方式のもの等を用いている。228はカメラ信号処理回路であり、撮像素子221からの出力信号に対して所定の増幅やガンマ補正などを施す。これらの所定の処理を受けた映像信号のコントラスト信号はAEゲート229、AFゲート230を通過する。
すなわち、撮影範囲のうち露出決定及びピント合わせのために最適な信号取り出し範囲がこれらのゲート229、230で設定される。これらのゲート229、230による信号取り出し範囲は可変としてもよいし、複数設けてもよい。231はAF信号処理回路であり、映像信号の高周波成分に関する1つ又は複数のAF評価値信号を生成する。233はズームスイッチであり、その操作に応じたズーム信号を出力する。234はズームトラッキングメモリであり、変倍に際して被写体距離と第2レンズユニットL2の位置に応じた第4レンズユニットL4の像面変動補正位置データを記憶している。なお、ズームトラッキングメモリ234を後述するCPU232内に設けてもよい。
232は、撮像装置全体の制御を司るコントローラ(制御手段)としてのCPUである。ズームスイッチ233が操作されてズーム信号がCPU232に入力されると、CPU232は、ズームモータ8を制御して第2レンズユニットL2を移動させる。これと同時に、ズームトラッキングメモリ234のデータに基づいて第4レンズユニットL4の像面変動補正位置を算出し、フォーカスモータ7を制御して第4レンズユニットL4をその像面変動補正位置に移動させる。また、オートフォーカス(AF)では、CPU232はAF信号処理回路231からのAF評価値信号がピークとなるようにフォーカスモータ7を制御して第4レンズユニットL4を移動させる。
さらに適正露出を得るためにCPU232は、AEゲート229を通過したY信号の出力の平均値が所定値となるように、絞りアクチュエータ224を制御して光量調整ユニット9の開口径をコントロールする。なお図11ではビデオカメラについて説明したが、本発明のレンズ駆動装置は、デジタルスチルカメラやフィルムカメラ、交換レンズ等、他の光学機器(撮像装置)にも同様に適用することができる。また、図1〜図10に示したレンズ鏡筒の構成は例にすぎず、各請求項の示す範囲において種々の変形や変更が可能である。
L1 第1レンズユニット、L2 第2レンズユニット、L3 第3レンズユニット、L4 第4レンズユニット、1 第1レンズ鏡筒、2 第2レンズ保持枠、3 第3レンズ保持枠、4 第4レンズ保持枠、5 後部鏡筒、6a、6b ガイドバー、7 フォーカスモータ、8 ズームモータ、9 光量調節ユニット、12 ラック、16 ラックバネ
Claims (6)
- レンズを保持し、光軸方向に移動する可動レンズ保持部材と、該可動レンズ保持部材を光軸と平行方向に移動可能に案内支持するガイド部材と、該可動レンズ保持部材を駆動させるために、送りねじを設けた出力軸に駆動力を伝達する駆動手段と、該可動レンズ保持部材に回動自在に保持され、前記送りねじに噛合するラック本歯と、前記送りねじを該ラック本歯と対向挟持して押える歯形状の凸部を有する押え歯とを持つラック部材とを有し、前記ラック部材のラック本歯もしくは押え歯のうち、どちらか一方は、該送りねじの回転軸に対して直交し、他方は噛合う送りねじのリード角と平行もしくはリード角と同方向に傾く角度で噛合しており、該駆動手段により該ラック部材を介して該可動レンズ保持部材を駆動させることを特徴とするレンズ駆動装置。
- 光軸と平行方向に配置したガイド部材を有し、前記可動レンズ保持部材には、該ガイド部材に嵌挿する嵌合穴が両端に形成されたスリーブが設けられており、前記ラック部材の前記出力軸の送りねじの回転軸と直交するラック本歯と、前記送りねじの噛合により発生する力によるモーメントが、該スリーブの嵌合穴の内面を前記ガイド部材に常時接触させるように一定方向に作用して、前記可動レンズ保持部材を付勢していることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
- 前記スリーブの一端側には、自重により発生する力がより多く配分させるように、該可動レンズ保持部材の重心を通る光軸直交面に近い側に嵌合穴を有し、前記スリーブの中央部から該スリーブの他端側の嵌合穴との間に前記ラック部材が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
- 前記可動レンズ保持部材の自重により発生する力が多く配分される側の前記スリーブの嵌合穴において、その自重による力に加算する方向に、前記モーメントによる付勢力が作用していることを特徴とする請求項2又は3に記載のレンズ駆動装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置を備えたことを特徴とするレンズ鏡筒。
- 請求項5に記載のレンズ鏡筒を備えたことを特徴とする撮像装置。
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