JP2010242654A - エンジンの燃料噴射システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多気筒エンジンの各吸気ポート6に設けられた吸気ポートインジェクタ40と、これら各吸気ポート6の上流側のサージタンク12に設けられた集合部インジェクタ20と、集合部インジェクタを保温する保温手段とを備え、保温手段は、集合部インジェクタ20の周りに配された蓄熱材22と、エンジンの冷却水を蓄熱材22へと導く冷却水通路28とを有する。
【選択図】 図1
Description
102は吸気管噴射型のエンジンであり、エンジン102は一又は複数の気筒106を有している。気筒106に繋がる吸気ポートには、インジェクタ120が設けられている。インジェクタ120は燃料タンク108に蓄えられフィードポンプ110によって送られた液体の燃料を気筒106内に噴射するものである。
なお、吸気ポートの上流側の集合部に設ける集合部インジェクタは1つである必要はなく2つ以上設けることもできるが、製造コスト低減、設備の大型化抑制の観点からはより少ない方が好ましい。
これにより、集合部インジェクタがエンジンからの熱が伝わりにくい位置にあっても、冷却水の熱を蓄熱材に伝えて蓄熱することができる。さらに、エンジンの熱を受けて昇温した冷却水の熱を蓄熱材で効率よく蓄熱することができる。
これにより、蓄熱材が相変化する温度で蓄熱することができるため、蓄熱温度の管理が容易となる。
ここで、相変化を伴う潜熱蓄熱材としては、相変化する温度(融点)が50〜70℃程度のものを使用することができ、例えばNaCH3COO・3H2O(融点58℃)、ステアリン酸(融点71℃)、セチルアルコール(融点51℃)などを使用することができる。
これにより、エンジンの始動時には集合部インジェクタを用いることで、噴射燃料の気化を促進し、HCの排出を低減することができる。さらに所定時間経過後には集合部インジェクタの作動を停止し、吸気ポートインジェクタに切り替えることで、吸気ポートごとに適切量の燃料噴射が可能となる。
さらにまた、前記蓄熱材の周りに断熱材が配されたことを特徴とする。
冷却水通路の周りに断熱材を配することで、冷却水の熱が冷却水通路を通過している間にも保温される。したがって、冷却水の熱を集合部インジェクタの保温により効果的に使用することができる。
さらに、蓄熱材の周りに断熱材を配することで、蓄熱材に蓄えられた熱が冷却水通路側に伝達されにくくなる。そのため、蓄熱材に蓄えられた熱を効率的に集合部インジェクタに伝達することができる。
ここで、断熱材としては、カットした長繊維をウール状に解繊した後にニードリング加工を施しフェルト状にしたニードルマットやガラス繊維などを使用することができる。
図1に基づき集合部インジェクタ及びエンジンの給気系統の構成について説明する。
2は吸気管噴射型のエンジンであり、エンジン2は複数の気筒6(図1には1つのみ図示)を有している。複数の気筒6はそれぞれ独立して吸気ポート5を介して集合部であるサージタンク12に接続されている。複数の吸気ポート5にはそれぞれ吸気ポート内に燃料を噴射する吸気ポートインジェクタ40が設けられている。また、サージタンク12には集合部インジェクタ20が設けられている。
集合部インジェクタ20は、燃料タンク(不図示)に蓄えられフィードポンプ(不図示)によって送られた液体の燃料をサージタンク12内に噴射するものであり、吸気ポートインジェクタ40は同様の燃料を各吸気ポート5内に噴射するものである。
図2は、キーオフ時の集合部インジェクタへの冷却水供給制御のフローチャートである。
図2を用いてキーオフ時における集合部インジェクタへの冷却水供給制御について説明する。
エンジン停止のためにキーオフが行われると、ステップS11に進む。
ステップS11では、キーオフ水温が所定値以上であるか否か判断する。ここでキーオフ水温とは、キーオフ時にバルブV1を開放した場合に蓄熱材22の外周の冷却水通路28に流入してくる冷却水温のことをいう。前記所定水温は、蓄熱材22の相変化温度以上である必要があり、蓄熱材22の相変化温度よりも10℃程度高い温度とすることが好ましい。
ステップS12では、温度センサ26で検知した集合部インジェクタ20の蓄熱材22に覆われた部分の温度を制御器32に取り込む。
ステップS13では、ステップS12で取り込んだインジェクタ20の温度が蓄熱材22の相変化温度に対応した所定温度(相変化温度+α)よりも低いか否かを判断する。ここでαとは0℃以上の温度をいい、10℃程度であることが好ましい。
ステップS14では、制御器32はバルブV1を閉止し、蓄熱材22の外周の冷却水通路28への冷却水の流通を停止する。これは、蓄熱材22に充分の熱が蓄熱されているためである。
ステップS14が終了すると、ステップS11に戻る。
ステップS15では、制御器32はバルブV1を開放し、蓄熱材22の外周の冷却水通路28へエンジン2を冷却した後の暖められた冷却水を流通する。これにより、冷却水通路28内を流通する冷却水の熱が、蓄熱材22に蓄熱される。
ステップS15が終了すると、ステップS11に戻る。
図3は、冷態状態でのエンジン始動時における保温インジェクタの動作の作動の判断をするフローチャートである。
エンジン2が始動すると、ステップS1に進む。
ステップS1では、制御装置40でエンジン2の始動から所定時間内であるかどうか判断する。
ここで、前記所定期間としては、エンジン2の始動後、吸気ポートインジェクタ40から噴射される燃料が充分に気化される温度まで、吸気ポートインジェクタ40が温まったと判断できる期間を設定することができる。
このようにして、冷態状態でのエンジン始動時には、蓄熱材22に蓄熱された熱で保温された集合部インジェクタ20から燃料が噴射されるため噴射燃料の気化が促進される。また、所定時間経過し吸気ポートインジェクタ40から噴射される燃料が充分に気化される温度まで、吸気ポートインジェクタ40が温まってからは蓄熱材22で保温されていない吸気ポート40から燃料を噴射しても噴射燃料は充分に気化される。
5 吸気ポート
6 気筒
12 サージタンク
20 集合部インジェクタ
22 蓄熱材
24 断熱材
26 温度センサ
28 冷却水通路
40 吸気ポートインジェクタ
V1 バルブ
Claims (7)
- 多気筒エンジンの各吸気ポートに設けられた吸気ポートインジェクタと、
これら各吸気ポートの上流側の集合部に設けられた集合部インジェクタと、
該集合部インジェクタを保温する保温手段と、
を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射システム。 - 前記保温手段は、
前記集合部インジェクタの周りに配された蓄熱材と、
前記エンジンの冷却水を前記蓄熱材へと導く冷却水通路と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料噴射システム。 - 前記蓄熱材は、相変化時の熱を蓄熱する潜熱蓄熱材であることを特徴とする請求項2記載のエンジンの燃料噴射システム。
- 前記集合部インジェクタ又は前記潜熱蓄熱材の温度を検出する温度検出手段と、
前記冷却水通路内の冷却水の流通を制御する冷却水流制御手段と、
を備え、
前記冷却水流制御手段は、
前記温度検出手段の検出温度が前記潜熱蓄熱材の相変化温度に対応した所定温度よりも低い場合は、前記冷却水通路内の冷却水の流通を停止させ、
前記温度検出手段の検出温度が前記所定温度以上である場合は、前記冷却水通路内に冷却水を流通させるよう制御することを特徴とする請求項3記載のエンジンの燃料噴射システム。 - 前記エンジンの始動時からの経過期間を検出する期間検出手段を備え、
前記集合部インジェクタは、前記期間検出手段により検出される経過期間が所定期間内にあるときに作動することを特徴とする請求項4記載のエンジンの燃料噴射システム。 - 前記冷却水通路の周りに断熱材が配されたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射システム。
- 前記蓄熱材の周りに断熱材が配されたことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射システム。
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