JP2011149333A - ポート噴射型多気筒内燃機関 - Google Patents

ポート噴射型多気筒内燃機関 Download PDF

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衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
Fumito Chiba
史人 千葉
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Abstract

【課題】少ない熱エネルギーの投入で噴射燃料の気化促進に高い効果を得ることのできるポート噴射型多気筒内燃機関を提供する。
【解決手段】直列に並んだ一対の気筒間で互いに隣り合う吸気ポート16のそれぞれの下方に温水流路4を設ける。吸気ポート16に備えるインジェクタ101は、燃料の噴射方向をポート底壁に向けて取り付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポート噴射型多気筒内燃機関、詳しくは、直列4気筒やV型6気筒のように少なくとも2つの気筒が直列に配置されていて、各気筒には複数の吸気ポートが設けられているポート噴射型多気筒内燃機関に関する。
始動時の噴射燃料の気化を促進することは、自動車用の内燃機関における重要な課題の1つとして認知されている。この課題に関してはかねてより様々な提案がなされている。実開平5−73255号公報に開示されている噴射燃料加熱装置はそのような提案の一つである。この公報に開示されている噴射燃料加熱装置とは、吸気ポートの底壁の裏面に取り付けられたPCTヒータである。このPCTヒータが取り付けられている箇所に向けてインジェクタより燃料を噴射することで、噴射燃料はPCTヒータから発せられる熱によって加熱されて気化を促される。
実開平5−73255号公報 特開平6−33841号公報 特開平6−10805号公報 特開2007−292058号公報 特開2008−291686号公報
ところで、吸気ポートの壁面に付着した燃料が気化する際、その気化熱によって吸気ポート壁面からは熱が奪われる。内燃機関の暖機が完了した後は、ウオータジャケットからの熱が吸気ポートの壁面に伝えられるため、燃料の気化によって熱が奪われるとしても吸気ポートの壁面が冷えてしまうことは無い筈である。
しかしながら、吸気ポート底壁の裏面にPCTヒータが取り付けられていると、このPCTヒータが障壁となってウオータジャケットから吸気ポート底壁への熱の伝達は阻害される。このため、吸気ポート底壁は噴射燃料の気化熱によって冷やされてしまい、暖機が完了しているにも関わらず壁面付着燃料量の増加が起きてしまう。
この場合、暖機完了後もPCTヒータに通電するならば、それが発生する熱によって吸気ポート底壁の冷却を防ぐことができる。しかし、そこで投入される熱エネルギーは本来なら投入の必要のなかったエネルギーであるため、燃費の悪化という新たな問題が起きてしまう。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、少ない熱エネルギーの投入で噴射燃料の気化促進に高い効果を得ることのできるポート噴射型多気筒内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的のために、第1の発明のポート噴射型多気筒内燃機関は、少なくとも2つの気筒が直列に配置され、各気筒には複数の吸気ポートが設けられているポート噴射型多気筒内燃機関において、
直列に並んだ一対の気筒間で互いに隣り合う吸気ポート(以下、特定吸気ポート)のそれぞれの下方に設けられた温水流路と、
前記特定吸気ポートに設けられたインジェクタであって、燃料の噴射方向をポート底壁に向けて取り付けられている第1インジェクタと、
を備えることを特徴としている。
第2の発明のポート噴射型多気筒内燃機関は、第1の発明のポート噴射型多気筒内燃機関において、
前記内燃機関の暖機が完了するまでは前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行い、前記内燃機関の暖機の完了後は前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行う第1インジェクタ制御手段、
をさらに備えることを特徴としている。
第3の発明のポート噴射型多気筒内燃機関は、第2の発明のポート噴射型多気筒内燃機関において、
前記第1インジェクタ制御手段は、前記内燃機関の暖機の完了後は、前記内燃機関の負荷が高いほど、また、回転数が高いほど前記第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを進角することを特徴としている。
第4の発明のポート噴射型多気筒内燃機関は、第1の発明のポート噴射型多気筒内燃機関において、
前記特定吸気ポート以外の吸気ポートに設けられたインジェクタであって、燃料の噴射方向を吸気口に向けて取り付けられている第2インジェクタ、
をさらに備えることを特徴としている。
第5の発明のポート噴射型多気筒内燃機関は、第4の発明のポート噴射型多気筒内燃機関において、
前記内燃機関の暖機が完了するまでは前記第2インジェクタによる燃料噴射を停止し、前記内燃機関の暖機の完了後は前記第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行う第2インジェクタ制御手段と、
前記内燃機関の暖機が完了するまでは前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行い、前記内燃機関の暖機の完了後は前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行う第1インジェクタ制御手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第6の発明のポート噴射型多気筒内燃機関は、第4の発明のポート噴射型多気筒内燃機関において、
前記内燃機関の負荷が所定の高負荷基準より低い場合には前記第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行い、前記内燃機関の負荷が前記高負荷基準を超える場合には前記第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行う第2インジェクタ制御手段と、
前記内燃機関の負荷が前記高負荷基準より低い場合には前記第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを吸気行程内において負荷が高いほど、また、回転数が高いほど進角し、前記内燃機関の負荷が前記高負荷基準を超える場合には前記第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを吸気行程後半に設定する第1インジェクタ制御手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第1の発明のポート噴射型多気筒内燃機関によれば、吸気ポートの下方に温水流路が設けられているので、温水流路からの熱によって吸気ポート底壁を暖めることができる。そして、暖められた吸気ポートの底壁に向けて燃料が噴射されるので、吸気ポート底壁からの付着燃料の気化を促進することができる。暖機の完了後は、内燃機関が発生する熱によって温水流路内の温水は高温に保たれるので、吸気ポート底壁が噴射燃料の気化熱によって冷やされるような事態は自ずと防止される。さらに、温水流路が設けられている特定吸気ポートは直列に並んだ一対の気筒間で互いに隣り合う吸気ポートであるから、温水の集中的な投入によって熱エネルギーの外部への漏れを少なくすることができる。すなわち、少ない熱エネルギーの投入で噴射燃料の気化促進に高い効果を得ることができる。
第2の発明のポート噴射型多気筒内燃機関によれば、暖機が完了するまでは第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行うことで、第1インジェクタからの噴射燃料を吸気ポート底壁に積極的に噴き付け、温水流路から吸気ポート底壁に供給される熱によって噴射燃料の気化を促進することができる。暖機の完了後は第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行うことで、噴射燃料は吸入空気の気流に乗って筒内に吸入されていき、噴射燃料の吸気ポート底壁への付着は抑えられる。
第3の発明のポート噴射型多気筒内燃機関によれば、第1インジェクタによる噴射燃料が必ず吸気口に向かうように、筒内に向かう吸入空気の流速に応じて第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを変えることができる。
第4の発明のポート噴射型多気筒内燃機関によれば、燃料の噴射方向の異なる2種類のインジェクタを適宜使い分けることによって状況に応じた運転方法を採ることが容易になる。
第5の発明のポート噴射型多気筒内燃機関によれば、暖機が完了するまでは第2インジェクタによる燃料噴射は停止し、第1インジェクタによる燃料噴射は吸気行程より前に行うことで、噴射燃料の吸気ポート壁面への付着を抑えて噴射燃料を効率的に気化させることができる。暖機の完了後は第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行うことで、吸気ポート内での噴射燃料の気化時間を十分に確保することができる。また、第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行うことで、噴射燃料の吸気ポート底壁への過度の付着を抑えることができる。つまり、両噴射弁による噴射燃料の気化状況を最適な状況に揃えることができる。
第6の発明のポート噴射型多気筒内燃機関によれば、低・中負荷状態のときには第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行いつつ、第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを高負荷・高回転側ほど進角することによって、両インジェクタによる噴射燃料の気化状況を最適な状況に揃えることができる。高負荷状態のときには第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行いつつ、第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを吸気行程後半に設定することで、噴射燃料を燃焼室内で気化させることができ、それにより筒内温度を低下させて体積効率を高めることができる。
本発明の実施の形態1のポート噴射型多気筒内燃機関のシリンダヘッドを示す図である。 図1のA−A断面の詳細を示す図である。 図1のB−B断面の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態1の噴射時期制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の下向きインジェクタ(第1インジェクタ)の制御方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態2の噴射時期制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2の噴射時期制御で用いられる負荷から吸気弁向きインジェクタ(第2インジェクタ)による噴射時期を決定するためのマップのイメージを示す図である。 本発明の実施の形態2の噴射時期制御で用いられる負荷と回転数とから下向きインジェクタ(第1インジェクタ)による噴射時期を決定するためのマップのイメージを示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図1乃至図5の各図を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のポート噴射型多気筒内燃機関のシリンダヘッドをシリンダブロックの側から見た図である。このシリンダヘッド2の形状から分かるように、本実施の形態の内燃機関は4つの気筒10,20,30,40が直列に配置された直列4気筒内燃機関である。また、図から明らかなように、各気筒にはそれぞれ2つの吸気口と2つの排気口が形成されている。例えば、第1気筒10には吸気口11,12と排気口13,14が形成され、第2気筒20には吸気口21,22と排気口23,24が形成されている。シリンダヘッド2には吸気口に接続される吸気ポートが各気筒に2つずつ形成され、排気口に接続される排気ポートが各気筒に2つずつ形成されている。
本実施の形態の内燃機関の一つの特徴は、シリンダヘッド2に温水供給管8が接続されていることである。温水供給管8はシリンダヘッド2と図示しない蓄熱システムとを接続し、内燃機関の始動時に蓄熱システムからシリンダヘッド2へ温水を供給する。図1において一点鎖線で囲まれた2つの領域5,6がシリンダヘッド2内の温水の供給領域である。温水供給領域5は第1気筒10と第2気筒20との間の領域、詳しくは、第1気筒10の第2気筒20側の吸気ポート(吸気口12に接続される吸気ポート)の下方と、第2気筒20の第1気筒10側の吸気ポート(吸気口21に接続される吸気ポート)の下方である。温水供給領域6は第3気筒30と第4気筒40との間の領域、詳しくは、第3気筒30の第4気筒40側の吸気ポートの下方と、第4気筒40の第3気筒30側の吸気ポートの下方である。
図2は図1のA−A断面の詳細を示す図である。この図には吸気口12に接続される吸気ポート16と、排気口14に接続される排気ポート18とが示されている。前述のように、吸気ポート16は隣接する第2気筒20の吸気ポートと隣り合っていて、その下方には温水が供給されるようになっている。この温水の供給を受けるため、吸気ポート16の底壁の裏側には温水流路4が形成されている。温水供給管8はこの温水流路4に接続されている。吸気ポート16には、その内部に燃料を噴射するインジェクタ101が設けられている。このインジェクタ101は、図2にその噴射形態が示されるように、燃料の噴射方向を通常よりも下向きに、詳しくは、吸気ポート16の底壁に向けて取り付けられている。以下、このインジェクタ101を下向きインジェクタと称する。
図3は図1のB−B断面の詳細を示す図である。この図には吸気口11に接続される吸気ポート15と、排気口13に接続される排気ポート17とが示されている。吸気ポート16の場合とは異なり、吸気ポート15の底壁の裏側には温水流路は形成されていない。つまり、吸気ポート15へは温水の供給は行われない。また、本実施の形態の内燃機関は、吸気ポート15の内部に燃料を噴射するインジェクタ102を備えている。このインジェクタ102は、図3にその噴射形態が示されるように、燃料の噴射方向を通常の方向、すなわち、吸気口11に向けて(図示しない吸気弁の傘部の裏面に向けて)取り付けられている。以下、このインジェクタ102を吸気弁向きインジェクタと称する。
本実施の形態の内燃機関によれば、2つの吸気ポート15,16のうち一方の吸気ポート16の下方には温水流路4が設けられているので、温水流路4からの熱によって吸気ポート16の底壁を暖めることができる。そして、下向きインジェクタ101からは暖められた吸気ポート16の底壁に向けて燃料が噴射されるので、吸気ポート16の底壁からの付着燃料の気化を促進することができる。暖機の完了後は、内燃機関が発生する熱によって温水流路4内の温水は高温に保たれるので、吸気ポート16の底壁が噴射燃料の気化熱によって冷やされるような事態は自ずと防止される。さらに、温水流路4が設けられている吸気ポート16は図1に示すように直列に並んだ一対の気筒間で互いに隣り合う吸気ポートであるから、温水の集中的な投入によって熱エネルギーの外部への漏れを少なくすることができる。すなわち、本実施の形態の内燃機関によれば、少ない熱エネルギーの投入で噴射燃料の気化促進に高い効果を得ることができる。
なお、本実施の形態の内燃機関による効果を最大限に引き出すには、下向きインジェクタ101は吸気弁向きインジェクタ102よりも小型のインジェクタであることが好ましい。小型のインジェクタによれば燃料の霧化が向上するので、温水流路4から吸気ポート16の底壁に供給される熱による噴射燃料の気化の促進効果を高めることができる。
また、本実施の形態の内燃機関によれば、各吸気ポート15,16に燃料の噴射方向を互いに異ならせて配備されている2つのインジェクタ101,102を適宜使い分けることによって、以下に説明するような噴射時期制御を実施することが可能である。
図4は、本実施の形態で採られる噴射時期制御の手順を示すフローチャートである。噴射時期制御は、詳しくは、各インジェクタ101,102による燃料噴射時期の制御であって、内燃機関に備えられる図示しない制御装置によって行われる。
本実施の形態の噴射時期制御の最初のステップS101では、内燃機関の暖機が完了したかどうか、例えば水温を基準にして判定される。未だ暖機が完了していない場合、つまり、低温始動時には、温水の供給の無い吸気ポート15への吸気弁向きインジェクタ(IN弁向きINJ)102による燃料噴射は禁止され(ステップ104)、温水が供給されている吸気ポート16への下向きインジェクタ(下向きINJ)101による吸気非同期噴射が行われる(ステップS105)。吸気非同期噴射とは吸気弁が開く前、すなわち、吸気行程より前に燃料噴射を実施することを意味する。これによれば、下向きインジェクタ101からの噴射燃料を吸気ポート16の底壁に積極的に噴きつけ、温水流路4から吸気ポート16の底壁に供給される熱によって噴射燃料の気化を促進することができる。
暖機が完了した場合には、吸気弁向きインジェクタ102による吸気非同期噴射が開始される(ステップ102)。吸気非同期噴射によれば、吸気ポート15内での噴射燃料の気化時間を十分に確保することができる。そして、下向きインジェクタ101による燃料噴射は、暖機の完了後、吸気非同期噴射から吸気同期噴射へ切り替えられる(ステップS103)。吸気同期噴射とは吸気弁が開いている間、すなわち、吸気行程中に燃料噴射を実施することを意味する。図5には、吸気非同期噴射から吸気同期噴射へ切り替えることで生じる吸気ポート16内での燃料噴霧の変化を示している。吸気非同期噴射の場合は、下向きインジェクタ101の噴射方向である吸気ポート16の底壁に向かう燃料噴霧が形成される。ところが、吸気同期噴射の場合は、下向きインジェクタ101から噴射された燃料は筒内へ吸入される空気によって流され、吸気口12に向かう燃料噴霧が形成される。これにより、噴射燃料の吸気ポート16の底壁への過度の付着は抑えられ、両インジェクタ101,102による噴射燃料の気化状況は最適な状況に揃えられる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図6乃至図8の各図を参照して説明する。
本実施の形態のポート噴射型多気筒内燃機関は、実施の形態1と同様に図1、図2及び図3によって特定される構造を有している。本実施の形態と実施の形態1との違いは、内燃機関の制御装置によって行われる噴射時期制御、すなわち、インジェクタ101,102による燃料噴射時期の制御にある。
図6は、本実施の形態で採られる噴射時期制御の手順を示すフローチャートである。この噴射時期制御の特徴は、暖機が完了しているかどうかによって各インジェクタ101,102の制御方法を変えるだけでなく、内燃機関が高負荷状態にあるかどうかによっても各インジェクタ101,102の制御方法を変えることにある。図7は、本実施の形態の噴射時期制御で用いられる負荷から吸気弁向きインジェクタ102による噴射時期を決定するためのマップのイメージを示す図である。図8は、本実施の形態の噴射時期制御で用いられる負荷と回転数とから下向きインジェクタ101による噴射時期を決定するためのマップのイメージを示す図である。
本実施の形態の噴射時期制御の最初のステップS201では、内燃機関の負荷が所定の高負荷基準より低いかどうか、すなわち、高負荷状態でないかどうか判定される。判定の結果、高負荷状態でない場合には、図7のマップに示すように、吸気弁向きインジェクタ(IN弁向きINJ)102による燃料噴射の形態は吸気非同期噴射(具体的には60°BTDCでの燃料噴射)とされる(ステップS202)。吸気非同期噴射によれば、吸気ポート15内での噴射燃料の気化時間を十分に確保することができる。一方、高負荷状態の場合には、吸気弁向きインジェクタ102による燃料噴射の形態は吸気同期噴射(具体的には120°ATDCでの燃料噴射)とされる(ステップS209)。吸気同期噴射、しかも、吸気行程後半の吸気同期噴射によれば、噴射燃料を燃焼室内で気化させることができ、それにより筒内温度を低下させて体積効率を高めることが可能となる。
ステップS201の判定の結果に基づいて吸気弁向きインジェクタ102の制御方法が決定されると、次に、ステップS203,S204の判定の結果に基づいて下向きインジェクタ101の制御方法が決定される。まず、ステップS203では、内燃機関の暖機が完了したかどうか判定される。未だ暖機が完了していない場合、つまり、低温始動時には、下向きインジェクタ(下向きINJ)101による吸気非同期噴射(具体的には60°BTDCでの燃料噴射)が行われる(ステップS211)。
暖機が完了している場合には、次のステップS204の判定が行われる。ステップS204では、内燃機関が高負荷状態でないかどうか判定される。判定の結果、高負荷状態でない場合には、まず、ステップS205にてエンジン回転数NEとエンジン負荷klが求められる。そして、次のステップS206では、図8に示すマップを参照してエンジン回転数NEとエンジン負荷klとから下向きインジェクタ101による噴射時期が求められる。ステップS207では吸気弁向きインジェクタ102による燃料噴射が中止される。続くステップS208では、ステップS206で求められた噴射時期に従って下向きインジェクタ101による吸気同期噴射が行われる。この場合の噴射時期は、図8に示すように、エンジン負荷が高いほど、また、エンジン回転数が高いほど進角されるようになっている。このような設定によれば、筒内に向かう吸入空気の流速が速いほど燃料噴射のタイミングが早められるので、下向きインジェクタ101による噴射燃料が必ず吸気口12に向かうように仕向けることができる。これにより、噴射燃料の吸気ポート16の壁面への過度の付着は抑えられ、両インジェクタ101,102による噴射燃料の気化状況は最適な状況に揃えられる。
ステップS204の判定の結果、内燃機関が高負荷状態の場合には、下向きインジェクタ101による燃料噴射の形態は吸気同期噴射とされるが、その噴射時期は吸気行程の後半(具体的には150°ATDC)に固定される(ステップS210)。吸気同期噴射、しかも、吸気行程後半の吸気同期噴射によれば、噴射燃料を燃焼室内で気化させることができ、それにより筒内温度を低下させて体積効率を高めることが可能となる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施の形態では本発明を直列4気筒内燃機関に適用しているが、本発明は少なくとも2つの気筒が直列に配置されている気筒であれば適用可能である。したがって、例えば、V型6気筒内燃機関や水平対向4気筒内燃機関にも適用可能である。
2 シリンダヘッド
4 温水流路
5,6 温水供給領域
8 温水供給管
11,12 吸気口
13,14 排気口
15,16 吸気ポート
17,18 排気ポート
10,20,30,40 気筒
101 下向きインジェクタ(第1インジェクタ)
102 吸気弁向きインジェクタ(第2インジェクタ)

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの気筒が直列に配置され、各気筒には複数の吸気ポートが設けられているポート噴射型多気筒内燃機関において、
    直列に並んだ一対の気筒間で互いに隣り合う吸気ポート(以下、特定吸気ポート)のそれぞれの下方に設けられた温水流路と、
    前記特定吸気ポートに設けられたインジェクタであって、燃料の噴射方向をポート底壁に向けて取り付けられている第1インジェクタと、
    を備えることを特徴とするポート噴射型多気筒内燃機関。
  2. 前記内燃機関の暖機が完了するまでは前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行い、前記内燃機関の暖機の完了後は前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行う第1インジェクタ制御手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のポート噴射型多気筒内燃機関。
  3. 前記第1インジェクタ制御手段は、前記内燃機関の暖機の完了後は、前記内燃機関の負荷が高いほど、また、回転数が高いほど前記第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを進角することを特徴とする請求項2に記載のポート噴射型多気筒内燃機関。
  4. 前記特定吸気ポート以外の吸気ポートに設けられたインジェクタであって、燃料の噴射方向を吸気口に向けて取り付けられている第2インジェクタ、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のポート噴射型多気筒内燃機関。
  5. 前記内燃機関の暖機が完了するまでは前記第2インジェクタによる燃料噴射を停止し、前記内燃機関の暖機の完了後は前記第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行う第2インジェクタ制御手段と、
    前記内燃機関の暖機が完了するまでは前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行い、前記内燃機関の暖機の完了後は前記第1インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行う第1インジェクタ制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のポート噴射型多気筒内燃機関。
  6. 前記内燃機関の負荷が所定の高負荷基準より低い場合には前記第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程より前に行い、前記内燃機関の負荷が前記高負荷基準を超える場合には前記第2インジェクタによる燃料噴射を吸気行程中に行う第2インジェクタ制御手段と、
    前記内燃機関の負荷が前記高負荷基準より低い場合には前記第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを吸気行程内において負荷が高いほど、また、回転数が高いほど進角し、前記内燃機関の負荷が前記高負荷基準を超える場合には前記第1インジェクタによる燃料噴射のタイミングを吸気行程後半に設定する第1インジェクタ制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のポート噴射型多気筒内燃機関。
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