JP2010242615A - 船舶用制御装置、船舶用推進システムおよび船舶 - Google Patents

船舶用制御装置、船舶用推進システムおよび船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の制御器によって構成される始動システムにおいて、始動許可条件の判定を確実に行うことができ、これにより推進機の始動処理を適切に行うことができる船舶用制御装置を提供する。
【解決手段】船外機3は、エンジンユニット50および船外機ECU20を備えている。各船外機ECU20に対応してリモコンECU60が備えられている。リモコンECU60には、始動/停止スイッチ81からの信号が入力される。また、リモコンECU60は、通信線71を介して対応する船外機ECU20との間で通信を行うことができる。リモコンECU60は、始動/停止スイッチ81から始動指令が与えられたときに、所定の始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機し、当該情報が取得された後に始動許可条件が成立するか否かを判定する。リモコンECU60は、始動許可条件が成立することを条件に船外機ECU20にエンジン始動指令を与える。
【選択図】図4

Description

この発明は、エンジンを備えた推進機を制御する船舶用制御装置、ならびにそれを用いた船舶用推進システムおよび船舶に関する。
船舶用の推進機の一例は、船外機である。船外機は、たとえば、船体の後尾に取り付けられる。船外機は、エンジンの動力でプロペラを回転させて推進力を得る装置である。必要な推進力に応じて、複数の船外機が船体に取り付けられる場合もある。船外機には、エンジンの出力制御等のための船外機ECU(電子制御ユニット)が備えられている。
船舶の操船席には、ステアリング装置と、船外機の出力を調整するためのリモコン装置とが配置される。ステアリング装置は、たとえば、ステアリングハンドルを備えている。このステアリングハンドルの操作が、ケーブルによって船外機に伝達され、船外機の方向を変更できるようになっている。リモコン装置は、船外機のシフト位置選択およびエンジン出力調整のためのレバーを備えている。このレバーの操作位置に応じて船外機のシフト位置およびエンジン回転速度が制御される。より具体的には、レバーの操作位置がリモコンECUに入力され、それに応じて、リモコンECUから船外機ECUに対して目標シフト位置および目標エンジン回転速度が与えられる。
シフト位置とは、前進位置、中立位置および後退位置である。前進位置を選択すると、プロペラ回転方向が、船舶に前進方向の推進力を与える回転方向となる。後退位置を選択すると、プロペラ回転方向が、船舶に後退方向の推進力を与える回転方向となる。中立位置では、エンジンの出力がプロペラに伝達されない。
船舶内にはローカルエリアネットワーク(船内LAN)が構築されている。この船内LANに、リモコンECUおよび船外機ECUが接続されていて、これらの間のデータ通信が可能とされている。
各船外機について1個のバッテリが備えられるか、または複数の船外機に対して一つのバッテリからの電力が共通に供給される。このようなバッテリから、エンジンを始動するためのスタータモータと、船外機ECUと、リモコンECUとに電源が供給される。操船席にはバッテリから船外機への電源供給/遮断を切り換えるための電源スイッチが備えられる。複数の船外機が備えられる場合には、それに応じて、複数の電源スイッチが備えられる(特許文献1参照)。電源スイッチは、たとえば、キースイッチの形態を有し、エンジンを始動させるための始動スイッチを兼ねている。より具体的には、キースイッチをオフ位置からオン位置に操作すると、バッテリから船外機に電源が供給される。さらに、キースイッチをオン位置からスタート位置まで操作すると、スタータが作動し、クランキング動作が行われる。
特開2006−117163号公報
エンジンの始動に際しては、所定の始動許可条件が充足されているかどうかを判定することが好ましい。始動許可条件は、たとえば、リモコン装置において選択されているシフト位置(目標シフト位置)が中立位置であり、船外機における実際のシフト位置(実シフト位置)が中立位置であり、かつ、エンジンの回転が停止していることを含む。
始動許可条件に関する判定は、たとえば、リモコンECUにおいて実行される。リモコンECUにおける始動許可条件の判定は、始動スイッチから始動指令が入力されることに応答して実行されることになる。この場合、リモコンECUは、リモコンレバーが中立位置にあるかどうか(目標シフト位置が中立位置かどうか)を判定する。また、リモコンECUは、船外機ECUから船外機の実際のシフト位置情報をECU間通信によって取得し、実シフト位置が中立位置であるか否かを判定する。さらに、リモコンECUは、ECU間通信によって、船外機ECUからエンジン回転速度情報を取得し、その情報に基づいて、エンジンが停止しているか否かを判定する。
リモコンECUおよび船外機ECUに電源が投入されてから、ECU間通信が可能になるまでには、或る程度の時間が必要である。そのため、電源投入から、時間をおかずに始動指令が与えられた場合には、リモコンECUが実シフト位置に関する判定またはエンジン停止に関する判定を正確に行えない状況が生じ得る。リモコンECUが、船外機ECUから必要な情報を取得できない場合があり得るからである。たとえば、リモコンECUが従前に船外機ECUから取得していたシフト位置情報に基づいて始動許可条件の充足を判定しても、船外機における実際のシフト位置が中立位置でないおそれがある。このとき、エンジン始動時にプロペラが駆動されることになり、始動時の負荷が過大になる。そのため、エンジンを確実に始動できないおそれがある。その場合には、使用者は、始動操作を再度行わなければならない。
そこで、この発明の目的は、複数の制御器によって構成される始動システムにおいて、始動許可条件の判定を確実に行うことができ、これにより推進機の始動処理を適切に行うことができる船舶用制御装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、前記のような船舶用制御装置を備えた船舶用推進システムを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、前記のような船舶用制御装置を備えた船舶を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、エンジンおよび推進機制御ユニットを備えた推進機を制御する船舶用制御装置であって、前記エンジンを始動するために操作される始動スイッチと、前記始動スイッチから始動指令が入力され、前記推進機制御ユニットと通信することができる主制御ユニットとを含み、前記主制御ユニットが、前記始動スイッチから始動指令を受けたとき、所定の始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機する待機手段と、前記情報が取得された後に前記始動許可条件が成立するか否かを判定する判定手段と、前記始動許可条件が成立することを条件に前記推進機制御ユニットにエンジン始動指令を与えるエンジン始動指令手段とを含む、船舶用制御装置である。
この構成によれば、始動スイッチが操作されて始動指令が発行されると、この始動指令が主制御ユニットに入力される。主制御ユニットは、始動指令が入力されると、所定の始動許可条件を判定するために必要な情報が取得済みかどうかを判定し、未取得のときには、当該情報が取得されるまで待機する。そして、主制御ユニットは、始動許可条件判定に必要な情報が取得されると、当該始動許可条件が充足されているかどうかを判定する。始動許可条件が充足されていれば、主制御ユニットは、推進機制御ユニットにエンジン始動指令を与える。これを受けて、推進機制御ユニットは、推進機のエンジンを始動させる。
このように、始動許可条件判定に必要な情報が未取得のときには、その取得が待機されるから、始動許可条件の成立/不成立を正確に判定できる。したがって、始動許可条件判定に必要な情報が未取得の状況で始動スイッチが操作されたときでも、始動許可条件を確実に判定することができる。これにより、エンジンの始動が可能な状況では、確実にエンジンを始動させることができ、エンジンの始動が適切でない状況では、エンジン始動処理が確実に禁止される。こうして、推進機の始動処理を適切に行うことができる。
始動許可条件の判定のために必要な情報は、たとえば、主制御ユニットが推進機制御ユニットから通信によって取得する情報を含む。この場合、当該通信によって取得すべき情報が未取得のときには、始動条件の成立/不成立の判定が待機される。よって、通信による遅延のために始動許可条件判定ができなくなったり、始動許可条件判定が不正確になったりすることを抑制または防止できる。
たとえば、前記始動許可条件は、推進機のエンジンが停止していることを含んでいてもよい。この場合、推進機制御ユニットがエンジン回転速度に関する情報を有していて、主制御ユニットが当該エンジン回転速度情報を通信によって推進機制御ユニットから取得するようになっていてもよい。
また、前記推進機は、エンジンの駆動力を推進力発生部材(たとえばプロペラ)に伝達する接続状態と、当該駆動力の伝達経路を遮断する遮断状態とに切り換え可能なクラッチ機構を有していてもよい。この場合において、前記始動許可条件は、前記クラッチ機構が遮断状態であることを含んでいてもよい。
さらに、主制御ユニットは、使用者によって操作され、前記クラッチ機構を前記接続状態または遮断状態とするための指令信号を発生することができる操作手段からの前記指令信号が入力されるものであってもよい。この場合において、前記始動許可条件は、前記操作手段が前記クラッチ機構を前記遮断状態とするための指令信号を出力していることを含んでいてもよい。
請求項2記載の発明は、正当使用者を認証するための認証手段をさらに含み、前記待機手段が、前記認証手段による認証が成功し、かつ前記始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機する、請求項1記載の船舶用制御装置である。
この構成によれば、主制御ユニットは、認証が成功して正当使用者による使用であることが確認され、かつ、始動許可条件判定に必要な情報が取得されるまで待機し、その後に、始動許可条件の成立/不成立を判定する。したがって、認証処理が完了する以前に始動スイッチが操作されて始動指令が入力された場合であっても、この始動指令がただちには無効化されることがない。よって、エンジン始動のために始動スイッチの再操作が必要となる不具合を抑制できる。
請求項3記載の発明は、前記待機手段が、前記始動スイッチの操作から所定時間を限度に前記待機を行う、請求項1または2記載の船舶用制御装置である。
この構成によれば、始動許可条件判定用情報を取得するための待機時間に制限が設けられる。所定時間だけ待機しても始動許可条件判定に必要な情報の取得が完了しなければ、始動スイッチの操作によって発行された始動指令が破棄される。
使用者認証が行われる場合(請求項2の発明の場合)には、始動許可条件判定のための情報取得、および使用者認証完了までの待機時間に制限が設けられる。所定時間だけ待機しても、始動許可条件判定に必要な情報の取得が完了しないか、または使用者認証処理が完了しない場合には、始動スイッチの操作によって発行された始動指令が破棄される。
このようにして、始動許可条件判定に必要な情報の取得等が長時間にわたって完了しないときは、一旦、始動指令が破棄される。したがって、始動スイッチの操作のあと、極端に長時間が経過した後に使用者認証が完了した場合、エンジンが遅れて始動することを回避できる。これにより、エンジンが遅れて始動することに起因する違和感を軽減できる。
請求項4記載の発明は、前記船舶用制御装置は、複数の推進機を制御するものであり、全ての推進機に関して、正当使用者を認証するための認証処理を実行する認証手段をさらに含み、前記始動スイッチが、全ての推進機のエンジンを一括して始動させるための全機始動スイッチを含み、前記判定手段が、前記始動許可条件として、全ての推進機のエンジンを一括して始動するために充足すべき全機始動許可条件が成立するか否かを判定し、前記待機手段が、前記全機始動スイッチから全機始動指令を受けたとき、全ての推進機に関して前記認証手段による認証が成功し、かつ、前記全機始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機する、請求項1記載の船舶用制御装置である。
この構成によれば、主制御ユニットは、全ての推進機に関して認証が成功して正当使用者による使用であることが確認され、かつ、全機始動許可条件判定に必要な情報が取得されるまで待機し、その後に、全機始動許可条件の成立/不成立を判定する。したがって、認証処理が完了する以前に全機始動スイッチが操作されて全機始動指令が入力された場合であっても、この全機始動指令がただちには無効化されることがない。よって、全推進機のエンジン始動のために全機始動スイッチの再操作が必要となる不具合を抑制できる。
たとえば、前記全機始動許可条件は、全ての推進機のエンジンが停止していることを含んでいてもよい。この場合、推進機制御ユニットがエンジン回転速度に関する情報を有していて、主制御ユニットが当該エンジン回転速度情報を通信によって各推進機の推進機制御ユニットから取得するようになっていてもよい。
また、各推進機は、エンジンの駆動力を推進力発生部材(たとえばプロペラ)に伝達する接続状態と、当該駆動力の伝達経路を遮断する遮断状態とに切り換え可能なクラッチ機構を有していてもよい。この場合において、前記全機始動許可条件は、全ての推進機において前記クラッチ機構が遮断状態であることを含んでいてもよい。
さらに、主制御ユニットは、使用者によって操作され、前記クラッチ機構を前記接続状態または遮断状態とするための指令信号を発生することができる操作手段からの前記指令信号が入力されるものであってもよい。この場合において、前記始動許可条件は、前記操作手段が全ての推進機のクラッチ機構を前記遮断状態とするための指令信号を出力していることを含んでいてもよい。
請求項5記載の発明は、前記待機手段が、前記全機始動スイッチの操作から所定時間を限度に前記待機を行う、請求項4記載の船舶用制御装置である。
この構成によれば、全機始動許可条件判定のための情報取得、および全推進機についての使用者認証完了までの待機時間に制限が設けられる。所定時間だけ待機しても、全機始動許可条件判定に必要な情報の取得が完了しないか、または全推進機についての使用者認証処理が完了しない場合には、全機始動スイッチの操作によって発行された全機始動指令が破棄される。
このようにして、全機始動許可条件判定に必要な情報の取得等が長時間にわたって完了しないときは、一旦、全機始動指令が破棄される。したがって、全機始動スイッチの操作のあと、極端に長時間が経過した後に使用者認証が完了した場合、エンジンが遅れて始動することを回避できる。これにより、エンジンが遅れて始動することに起因する違和感を軽減できる。
請求項6記載の発明は、前記所定時間が経過するまでに、全ての推進機に関する前記認証が成功に至らないか、前記全機始動許可条件を判定するための情報が取得されないか、または前記全機始動許可条件が成立しない場合に、前記判定手段が、前記認証が成功した推進機に関して、前記始動許可条件として、当該推進機のエンジンを個別に始動するための所定の個別始動許可条件が成立するか否かを判定する、請求項5記載の船舶用制御装置である。
この構成によれば、全機始動スイッチの操作の後、所定時間内に一部の推進機についての認証が完了しないか、または全機始動許可条件が成立しない場合であっても、認証成功の推進機について、個別始動許可条件の成立を条件に、そのエンジンを始動できる。これにより、可能な限り多くの推進機のエンジンを始動することができるので、全機始動スイッチを操作した使用者の意図を最大限に反映した始動動作を実現できる。
請求項7記載の発明は、前記推進機が、エンジン始動を開始したのち、前記推進機制御ユニットの動作によらずに所定時間だけエンジン始動動作を継続するエンジン始動保持回路をさらに含み、前記推進機制御ユニットが、初期化直後に前記エンジン始動保持回路によるエンジン始動動作継続中である場合に、前記主制御ユニットからのエンジン始動指令によらずにエンジン始動処理を実行するコンピュータを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船舶用制御装置である。
エンジンの始動装置と推進機制御ユニットとが共通の電源(バッテリ)から電力供給を受けている場合には、始動装置の駆動により、推進機制御ユニットへの供給電圧が一時的に低下するおそれがある。推進機制御ユニットへの供給電圧が所定のリセット電圧を下回ると、推進機制御ユニットに備えられたコンピュータは動作停止し、電圧復帰後に所定の初期化処理が始まる。これにより、推進機制御ユニットの制御による始動処理が中断することになる。そこで、この発明では、エンジンの始動が始まると、推進機制御ユニットの動作によらずに、エンジン始動保持回路によって、所定時間だけエンジン始動動作が継続される。これにより、エンジンを確実に始動することができ、推進機の始動容易性を向上することができる。
一方、推進機制御ユニットのコンピュータは、初期化直後にエンジン始動保持回路の動作状態を調べ、エンジン始動動作継続中である場合には、主制御ユニットからのエンジン始動指令とは関係なく、エンジン始動処理を実行する。これにより、推進機制御ユニットがエンジン始動保持回路の動作に干渉することを回避できるから、エンジン始動動作が中断されることを回避できる。
前記エンジン始動処理は、前記始動許可条件の判定処理を含んでいてもよい。これにより、不適切なエンジン始動処理の継続を回避できる。
請求項8記載の発明は、エンジンおよび推進機制御ユニットを備えた推進機と、この推進機を制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載の船舶用制御装置とを含む、船舶用推進システムである。この構成により、始動スイッチの操作時点で始動許可条件判定に必要な情報が未取得であっても、始動許可条件を確実に判定することができる。これにより、推進機の始動処理を適切に行うことができる。
請求項9記載の発明は、船体と、この船体に装着され、エンジンおよび推進機制御ユニットを備えた推進機と、この推進機を制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載の船舶用制御装置とを含む、船舶である。この構成により、始動スイッチの操作時点で始動許可条件判定に必要な情報が未取得であっても、始動許可条件を確実に判定することができる。これにより、推進機の始動処理を適切に行うことができる。
前記推進機は、船外機(アウトボードモータ)、船内外機(スターンドライブ。インボードモータ・アウトボードドライブ)、船内機(インボードモータ)のいずれの形態であってもよい。船外機は、エンジンおよびプロペラを含む推進ユニットを船外に有し、さらに、推進ユニット全体を船体に対して水平方向に回動させる舵取り機構が付設されたものである。船内外機は、エンジンが船内に配置され、プロペラおよび舵取り機構を含むドライブユニットが船外に配置されたものである。船内機は、エンジンおよびドライブユニットがいずれも船体に内蔵され、ドライブユニットからプロペラシャフトが船外に延び出た形態を有する。
この発明の一実施形態に係る船舶の構成を説明するための斜視図である。 操作パネルの図解的な平面図である。 船外機の構成例を説明するための図である。 船舶の電気的構成を説明するための図である。 スタータモータに関連する電気的構成の具体例を示す電気回路図である。 リモコンECUによるエンジン始動に関する制御内容を説明するためのフローチャートである。 リモコンECUの状態遷移を説明するための図である。 エンジンの始動に関する船外機ECUの動作(初期処理)を説明するためのフローチャートである。 船外機ECUの状態遷移を説明するための図である。 この発明の第2の実施形態に係る船舶の電気的構成を説明するためのブロック図である。 全機始動/停止スイッチの操作と個別始動/停止スイッチの操作とを区別するための処理を説明するためのフローチャートである。 全機始動/停止スイッチの操作に応答してリモコンECUが実行する始動処理を説明するためのフローチャートである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る船舶の構成を説明するための斜視図である。船舶1は、船体2と、推進機としての船外機3とを備えている。船外機3は、複数個(この実施形態では3機)備えられている。これらの船外機3は、船体2の船尾に並べて取り付けられている。3機の船外機を区別するときには、右舷に配置されたものを「右舷船外機3S」、中央に配置されたものを「中央船外機3C」、左舷に配置されたものを「左舷船外機3P」ということにする。これらの船外機3は、それぞれエンジン(内燃機関)を備えており、このエンジンの駆動力によって回転されるプロペラ(スクリュー)によって推進力を発生する。
船体2の前方部(船首側)には、操船席5が設けられている。操船席5には、ハンドル装置6と、リモコン装置7と、操作パネル8と、ゲージ9とが備えられている。
ハンドル装置6は、操船者によって回転操作されるステアリングハンドル6aを備えている。このステアリングハンドル6aの操作が、ケーブル(図示せず)によって、船尾に設けられた舵取り機構(図示せず)に機械的に伝達されるようになっている。この舵取り機構は、3機の船外機3を連動させて、それらの方向を変化させる。これにより、推進力の方向が変化し、それに応じて船舶1の進行方向を変更できる。むろん、ステアリングハンドル6aの操舵角を検出するセンサと、このセンサによって検出される操舵角に応じて駆動されるアクチュエータとを備えたパワーステアリング装置が採用されてもよい。この場合、ステアリングハンドル6aと舵取り機構との間には機械的な結合はなく、ハンドル操作に応じた制御信号によってアクチュエータが駆動され、その駆動力によって船外機3が転舵されることになる。
リモコン装置7は、3機の船外機3に対応して3個備えられている。これらを区別するときには、右舷船外機3Sに対応するものを「右舷リモコン装置7S」といい、中央船外機3Cに対応するものを「中央リモコン装置7C」といい、左舷船外機3Pに対応するものを「左舷リモコン装置7P」という。リモコン装置7は、前後に傾倒可能なレバー7aを備え、このレバー7aの操作位置が検出されるようになっている。この検出された操作位置に応じて船外機3の動作が制御されるようになっている。レバー7aを所定の中立位置から所定量以上前方に傾倒させることによって、船外機3のシフト位置が前進位置となり、当該船外機3から前進方向の推進力が発生される。レバー7aを前記中立位置から所定量以上後方に傾倒させることによって、船外機3のシフト位置が後退位置となり、当該船外機3から後退方向の推進力が発生される。レバー7aが前記中立位置にあれば、船外機3のシフト位置が中立位置となり、船外機3は推進力を発生しない。また、レバー7aの傾倒量に応じて、船外機3の出力、すなわち、船外機3に備えられたエンジンの目標エンジン回転速度を変化させることができる。
目標エンジン回転速度は、前記所定量の傾倒位置(前進シフトイン位置)まではアイドル回転速度とされる。前進シフトイン位置を超えて前方にレバー7aを傾倒させると、レバー傾倒量が大きいほど大きくなるように目標エンジン回転速度が定められる。また、目標エンジン回転速度は、前記所定量の傾倒位置(後退シフトイン位置)まではアイドル回転速度とされる。後退シフトイン位置を超えて後方にレバー7aを傾倒させると、レバー傾倒量が大きいほど大きくなるように目標エンジン回転速度が定められる。
操作パネル8は、図2に拡大して示すように、3個の船外機3S,3C,3Pにそれぞれ対応した3個のキースイッチ4S,4C,4P(以下総称するときには「キースイッチ4」という。)を備えている。さらに、操作パネル8は、3個の船外機3S,3C,3Pにそれぞれ対応した3個の始動/停止スイッチ81S,81C,81P(以下総称するときには「始動/停止スイッチ81」という。)を備えている。また、操作パネル8は、始動/停止スイッチ81S,81C,81Pの各近傍に備えられた電源ランプ83S,83C,83Pを備えている。
キースイッチ4S,4C,4Pは、船外機3S,3C,3Pの電源をそれぞれ投入するために操作されるスイッチである。キースイッチ4S,4C,4Pは、それぞれに対応するキーをキーシリンダに挿入することによって、オフ位置(OFF)とオン位置(ON)との間で操作することができる。オフ位置は、対応する船外機3への電源供給を遮断するための操作位置である。オン位置は、対応する船外機3に電源を投入するための操作位置である。電源ランプ83S,83C,83Pは、たとえばLEDランプで構成されており、対応する船外機3の電源オン時に点灯し、電源オフ時に消灯するインジケータである。
始動/停止スイッチ81は、対応する船外機3のエンジンを個別始動/停止するために操作される個別始動/停止スイッチであり、この実施形態ではモーメンタリスイッチで構成されている。エンジン停止状態で始動/停止スイッチ81を操作すると、対応する船外機3のエンジンを始動するための始動指令を発生させることができる。また、エンジン運転中に始動/停止スイッチ81を操作すると、対応する船外機3のエンジンを停止させるための停止指令を発生させることができる。
再び図1を参照する。ゲージ9は、3機の船外機3に対応して3個備えられている。これらを区別するときには、右舷船外機3Sに対応するものを「右舷ゲージ9S」といい、中央船外機3Cに対応するものを「中央ゲージ9C」といい、左舷船外機3Pに対応するものを「左舷ゲージ9P」という。これらのゲージ9は、対応する船外機3の状態を表示する。より具体的には、対応する船外機3の電源のオン/オフ、エンジン回転速度その他必要な情報を表示する。
操船席5には、さらに、イモビライザ10(受信機)が備えられている。イモビライザ10は、船舶1の使用者によって携帯されるキーユニット11からの信号を受信し、正当使用者のみに船舶1の通常の使用を許容する装置である。キーユニット11は、ロックボタン12およびアンロックボタン13を備えている。ロックボタン12は、イモビライザ10をロック状態に設定するために操作されるボタンである。このロックボタン12の操作によって、ロック信号がキーユニット11から送出される。イモビライザ10がロック状態に設定されると、船舶1の通常の使用が禁止される状態となる。アンロックボタン13は、ロック状態を解除して、イモビライザ10をアンロック状態に設定し、船舶1の通常の使用を開始するために操作されるボタンである。このアンロックボタン13の操作によって、アンロック信号がキーユニット11から送出される。キーユニット11は、ロック信号およびアンロック信号とともに、使用者認証コードを送出する。
イモビライザ10は、キーユニット11からの使用者認証コードを受信して使用者認証処理を実行する。すなわち、イモビライザ10は、予め登録されている照合元データとの一致/不一致を確認する。使用者認証処理に成功すると、イモビライザ10は、キーユニット11からのロック信号およびアンロック信号を受け付ける。使用者認証処理に失敗すると、イモビライザ10は、当該キーユニット11からのロック信号およびアンロック信号に対して無応答となる。
図3は、3つの船外機3の共通の構成例を説明するための図である。船外機3は、推進ユニット30と、この推進ユニット30を船体2に取り付ける取り付け機構31とを有している。取り付け機構31は、船体2の後尾板に着脱自在に固定されるクランプブラケット32と、このクランプブラケット32に水平回動軸としてのチルト軸33を中心に回動自在に結合されたスイベルブラケット34とを備えている。推進ユニット30は、スイベルブラケット34に、操舵軸35まわりに回動自在に取り付けられている。これにより、推進ユニット30を操舵軸35まわりに回動させることによって、操舵角(船体2の中心線に対して推進力の方向がなす方位角)を変化させることができる。また、スイベルブラケット34をチルト軸33まわりに回動させることによって、推進ユニット30のトリム角を変化させることができる。トリム角は、船体2に対する船外機3の取り付け角に対応する。
推進ユニット30のハウジングは、トップカウリング36とアッパケース37とロアケース38とで構成されている。トップカウリング36内には、駆動源となるエンジン39がそのクランク軸の軸線が上下方向となるように設置されている。エンジン39のクランク軸下端に連結される動力伝達用のドライブシャフト41は、上下方向にアッパケース37内を通ってロアケース38内にまで延びている。
ロアケース38の下部後側には、推進力発生部材としてのプロペラ40が回転自在に装着されている。ロアケース38内には、プロペラ40の回転軸であるプロペラシャフト42が水平方向に通されている。このプロペラシャフト42には、ドライブシャフト41の回転が、クラッチ機構としてのシフト機構43を介して伝達されるようになっている。
シフト機構43は、ドライブシャフト41の下端に固定されたベベルギヤからなる駆動ギヤ43aと、プロペラシャフト42上に回動自在に配置されたベベルギヤからなる前進ギヤ43bと、同じくプロペラシャフト42上に回動自在に配置されたベベルギヤからなる後退ギヤ43cと、前進ギヤ43bおよび後退ギヤ43cの間に配置されたドッグクラッチ43dとを有している。
前進ギヤ43bは前方側から駆動ギヤ43aに噛合しており、後退ギヤ43cは後方側から駆動ギヤ43aに噛合している。そのため、前進ギヤ43bおよび後退ギヤ43cは互いに反対方向に回転されることになる。
一方、ドッグクラッチ43dは、プロペラシャフト42にスプライン結合されている。すなわち、ドッグクラッチ43dは、プロペラシャフト42に対してその軸方向に摺動自在であるけれども、プロペラシャフト42に対する相対回動はできず、このプロペラシャフト42とともに回転する。
ドッグクラッチ43dは、ドライブシャフト41と平行に上下方向に延びるシフトロッド44の軸周りの回動によって、プロペラシャフト42上で摺動される。これにより、ドッグクラッチ43dは、前進ギヤ43bと結合した前進位置と、後退ギヤ43cと結合した後退位置と、前進ギヤ43bおよび後退ギヤ43cのいずれとも結合されない中立位置(ニュートラル位置)とのいずれかのシフト位置に制御される。
ドッグクラッチ43dが前進位置にあるとき、前進ギヤ43bの回転がドッグクラッチ43dを介してプロペラシャフト42に伝達される。これにより、プロペラ40は、一方向(前進方向)に回転し、船体2を前進させる方向の推進力を発生する。一方、ドッグクラッチ43dが後退位置にあるとき、後退ギヤ43cの回転がドッグクラッチ43dを介してプロペラシャフト42に伝達される。後退ギヤ43cは、前進ギヤ43bとは反対方向に回転するため、プロペラ40は、反対方向(後進方向)に回転し、船体2を後退させる方向の推進力を発生する。ドッグクラッチ43dが中立位置にあるとき、ドライブシャフト41の回転はプロペラシャフト42に伝達されない。すなわち、エンジン39とプロペラ40との間の駆動力伝達経路が遮断されるので、いずれの方向の推進力も生じない。
エンジン39に関連して、このエンジン39を始動させるためのスタータモータ45が配置されている。スタータモータ45は、船外機ECU(電子制御ユニット)20によって制御される。また、エンジン39のスロットルバルブ46を作動させてスロットル開度を変化させ、エンジン39の吸入空気量を変化させるためのスロットルアクチュエータ51が備えられている。このスロットルアクチュエータ51は、電動モータからなっていてもよい。このスロットルアクチュエータ51の動作は、船外機ECU20によって制御される。エンジン39には、さらに、クランク軸の回転を検出することによってエンジン39の回転速度を検出するためのエンジン回転速度検出部48が備えられている。
また、シフトロッド44に関連して、ドッグクラッチ43dのシフト位置を変化させるためのシフトアクチュエータ52(クラッチ作動装置)が設けられている。このシフトアクチュエータ52は、たとえば、電動モータからなり、船外機ECU20によって動作制御される。シフトアクチュエータ52に関連して、シフト機構43のシフト位置を検出するシフト位置センサ49が設けられている。
さらに、推進ユニット30に固定された操舵ロッド47には、ハンドル装置6(図1参照)によって駆動される操舵機構53が結合されている。この操舵機構53によって、推進ユニット30が操舵軸35まわりに回動され、それによって舵取り操作を行うことができる。
また、クランプブラケット32とスイベルブラケット34との間には、たとえば液圧シリンダを含み、船外機ECU20によって制御されるトリムアクチュエータ(チルトトリムアクチュエータ)54が設けられている。このトリムアクチュエータ54は、チルト軸33まわりにスイベルブラケット34を回動させることにより、推進ユニット30をチルト軸33まわりに回動させる。
図4は、船舶1の電気的構成を説明するための図である。ただし、ゲージ9および電源ランプ83の図示は省略した。
右舷リモコン装置7S、中央リモコン装置7Cおよび左舷リモコン装置7Pにそれぞれ対応する右舷リモコンECU(電子制御ユニット)60S、中央リモコンECU60C、および左舷リモコンECU60P(以下総称するときには「リモコンECU60」という。)が備えられている。これらのリモコンECU60S,60C,60Pは、それぞれ、通信線71S,71C,71Pを介して、対応する船外機ECU20S,20C,20P(図3の船外機ECU20に相当)との間で、指令信号および必要な情報を授受することができるようになっている。また、リモコンECU60S,60C,60Pは、通信線72を介して、それらの間で相互に情報を授受することができるようになっている。これらの通信線71S,71C,71P,72は、船舶1内に構築されたLAN(ローカルエリアネットワーク)の形態を有していてもよい。
リモコンECU60S,60C,60Pには、通信線72を介して、イモビライザ10(受信機)が接続されている。イモビライザ10は、前述のとおり、キーユニット11との間で無線通信を行って使用者認証処理を行う。キーユニット11からアンロック信号を受信し、かつ、使用者認証処理が成功の場合には、イモビライザ10は、リモコンECU60S,60C,60Pに対して、アンロック指令を入力する。
リモコンECU60、船外機ECU20およびイモビライザ10には、電源としてのバッテリ15からの電力が供給されている。バッテリ15は、3機の船外機3のそれぞれに対応して3個備えられてもよいけれども、この実施形態では、一つのバッテリ15から3機の船外機3に対して共通に電力が供給されるようになっている。
一方、操作パネル8に備えられたキースイッチ4Sは、一方の端子がバッテリ15に接続されており、他方の端子は、右舷リモコンECU60Sおよび右舷船外機ECU20Sに接続されている。また、キースイッチ4Cは、一方の端子がバッテリ15に接続されており、他方の端子は、中央リモコンECU60Cおよび右舷船外機ECU20Cに接続されている。さらに、キースイッチ4Pは、一方の端子がバッテリ15に接続されており、他方の端子は、左舷リモコンECU60Pおよび左舷船外機ECU20Pに接続されている。
キースイッチ4がオン位置に操作されて導通すると、対応するリモコンECU60および船外機ECU20に内蔵された電源回路が作動し、それらのECU60,20に内蔵されたコンピュータが動作開始する。キースイッチ4がオフ位置に操作されて遮断されると、対応するリモコンECU60および船外機ECU20は、所定の終了処理を実行し、その後に前記電源回路への電力供給を遮断して動作停止する。
始動/停止スイッチ81S,81C,81Pの各一端は、対応する右舷船外機ECU20S、中央船外機ECU20Cおよび左舷船外機ECU20Pの入力ポート21S,21C,21P(以下総称するときには「入力ポート21」という。)に接続されている。また、始動/停止スイッチ81S,81C,81Pの各他端は、対応するキースイッチ4S,4C,4Pを介してバッテリ15に接続されている。始動/停止スイッチ81は、たとえば、押しボタンスイッチで構成されており、押し下げ操作中にのみ導通するモーメンタリスイッチである。したがって、始動/停止スイッチ81は、対応するキースイッチ4が導通しているときに操作されると、その操作中にのみ有意な信号を生成する。この信号が、対応する船外機3のエンジン39が停止しているときに発生されれば、リモコンECU60は、その信号を始動指令と解釈する。また、対応する船外機3のエンジン39が運転状態のときに始動/停止スイッチ81からの信号が入力されれば、リモコンECU60は、その信号を停止指令と解釈する。
右舷リモコン装置7S、中央リモコン装置7Cおよび左舷リモコン装置7Pは、それぞれ、レバー位置センサ16S,16C,16P(以下総称するときには「レバー位置センサ16」という。)を備えている。レバー位置センサ16S,16C,16Pは、リモコンレバー7aの操作位置を検出するセンサであり、たとえば、ポテンショメータで構成されている。これらのレバー位置センサ16S,16C,16Pの出力信号は、対応するリモコンECU60S,60C,60Pの入力ポート22S,22C,22P(以下総称するときには「入力ポート22」という。)にそれぞれ入力されている。リモコンECU60は、入力ポート22に入力されるレバー位置情報に基づいて、シフト機構43の目標シフト位置およびエンジン39の目標エンジン回転速度を設定し、通信線71を介して、対応する船外機ECU20に向けて送信する。
船外機ECU20は、スタータモータ45およびシフトアクチュエータ52等の動作を制御する。また、船外機ECU20には、エンジン回転速度検出部48によって検出されるエンジン回転速度、シフト位置センサ49によって検出されるシフト位置、その他の情報が入力されるようになっている。さらに、船外機ECU20は、インジェクタ55および点火コイル56を制御する。インジェクタ55は、エンジン39の吸気管内に燃料を噴射する装置である。船外機ECU20によるインジェクタ55の制御は、燃料噴射制御と呼ばれる。また、点火コイル56は、エンジン39の燃焼室内で放電して燃料と空気との混合気に点火する点火プラグに高電圧を印加する装置である。船外機ECU20による点火コイル56の制御は、点火制御と呼ばれる。スタータモータ45は、前述のとおり、エンジン39の始動の際に通電され、エンジン39のクランク軸を回転させるクランキングを行うものである。船外機ECU20によるスタータモータ45の制御は、始動制御と呼ばれる。また、スタータモータ45、インジェクタ55、点火コイル56、エンジン回転速度検出部48等は、エンジン39とともに、エンジンユニット50を形成している。
図5は、スタータモータ45に関連する電気的構成の具体例を示す電気回路図である。スタータモータ45には、バッテリ15からの電力がスタータリレー18を介して供給されるようになっている。スタータリレー18は、接触片18aと操作コイル18bとを有している。接触片18aは、バッテリ15とスタータモータ45との間の電力経路を開閉する。操作コイル18bは、バッテリ15と船外機ECU20との間に接続されており、船外機ECU20によって、励磁/消磁が制御される。操作コイル18bが励磁されると接触片18aは閉成し、操作コイル18bが消磁されているときには接触片18aは開成状態となる。
船外機ECU20は、電源回路24と、コンピュータ25と、エンジン始動保持回路26と、スタータリレー駆動回路27と、ORゲート28とを含む。
電源回路24は、バッテリ15からの電力供給を受けて、コンピュータ25に動作電圧(たとえば5V)を供給する。スタータリレー駆動回路27は、スイッチングトランジスタ27aを含む。船外機ECU20は、スイッチングトランジスタ27aを導通させることにより、操作コイル18bを励磁させる(始動制御)。これにより、スタータリレー18が導通し、スタータモータ45が駆動される。
エンジン始動保持回路26は、コンピュータ25が始動制御実行中にリセット状態となったとき、スイッチングトランジスタ27aを一定時間にわたって導通状態に保持する。これにより、コンピュータ25がリセットされ、したがって、始動制御が中断されたときでも、スタータリレー18の導通状態が保持され、スタータモータ45の継続動作が保証される。
すなわち、スタータモータ45の駆動により大電流が供給されると、給電線での顕著な電圧降下が生じ、コンピュータ25の動作電圧が確保されなくなるおそれがある。このような動作電圧の低下が生じると、コンピュータ25は、制御異常を回避するために、リセット状態となる。始動制御中にこのようなリセットが発生すると、始動制御が中断され、エンジン39を始動できなくなるおそれがある。そこで、エンジン始動保持回路26によって、スタータモータ45の継続動作を保証し、確実にエンジン39を始動できるようにしている。
エンジン始動保持回路26は、RS(セット・リセット)型フリップフロップ91と、タイマ92と、リレー93と、反転器94とを含む。リレー93は、常閉接点93a、常開接点93b、操作コイル93cおよび接触片93dを有している。フリップフロップ91のセット端子(S)とコンピュータ25のリセット端子(RST)との間は、常閉接点93aを介して接続されている。また、これとは並列に、リレー93の常開接点93bおよび反転器94を介して、コンピュータ25のリセット端子(RST)とフリップフロップ91のセット端子(S)との間が接続されている。
コンピュータ25のリセット端子(RST)は、コンピュータ25が通常の制御動作を行っているときにはローレベルの電位とされ、コンピュータ25がリセット状態のときにハイレベルの電位に固定されるようになっている。
タイマ92の入力端子には、コンピュータ25のリセット端子(RST)が接続されている。このタイマ92の出力端子は、フリップフロップ91のリセット端子(R)に接続されている。タイマ92は、コンピュータ25のリセット端子(RST)の電位がローレベルからハイレベルに立ち上がると、これに同期して計時動作を開始し、予め定める一定時間の計時の後に、ハイレベルの信号を出力する。タイマ92の出力がハイレベルとなると、リレー93の操作コイル93cが励磁されるようになっている。
フリップフロップ91の出力端子(Q)は、スイッチングトランジスタ27aの制御端子(ベース)にORゲート28を介して接続されている。したがって、フリップフロップ91の出力信号がハイレベルのとき、スイッチングトランジスタ27aが導通する。
コンピュータ25が通常の制御動作を行っているとき、コンピュータ25のリセット端子(RST)の電位はローレベルである。このとき、フリップフロップ91のセット端子(S)への入力はローレベルであり、したがって、その出力端子(Q)の出力は、ローレベルである。この状態では、コンピュータ25が、エンジン始動信号(ハイレベル)をORゲート28に入力した場合に、スイッチングトランジスタ27aが導通し、スタータモータ45が駆動されることになる。これによりクランキング動作が行われる。
クランキング中に船外機ECU20への供給電圧が低下し、電源回路24の発生の低下に伴ってコンピュータ25がリセット状態となると、そのリセット端子(RST)の出力信号がローレベルからハイレベルに反転する。これにより、フリップフロップ91の出力端子(Q)からハイレベルの信号が出力されるから、スイッチングトランジスタ27aは導通状態に保持される。すなわち、スタータモータ45は引き続き駆動状態に保持され、クランキング動作が継続される。
その一方で、タイマ92は、その入力信号がハイレベルに立ち上がるので、計時動作を開始する。そして、一定時間の計時の後に、タイマ92の出力がハイレベルとなると、フリップフロップ91がリセットされる。さらに、リレー93の操作コイル93cが励磁され、接触片93dが常開接点93b側に切り換わる。その結果、コンピュータ25のリセット端子に導出されたハイレベルの信号が反転器94でローレベルの信号に反転され、このローレベルの信号がフリップフロップ91のセット入力端子(S)に入力される。これにより、フリップフロップ91の出力信号がローレベルとなるから、スイッチングトランジスタ27aが遮断され、スタータモータ45が停止される。
こうして、クランキング中にコンピュータ25がリセットされても、その後一定時間にわたってクランキング動作が停止されることがなく、したがって、エンジン39を確実に始動できる。
図6は、各リモコンECU60に備えられたコンピュータによって所定の制御周期毎に繰り返し実行される処理を説明するためのフローチャートであり、対応する船外機3のエンジン39の始動に関する制御内容が示されている。リモコンECU60は、キースイッチ4(メインスイッチ)が導通されると(ステップS1)、始動/停止スイッチ81からの入力の有無を判定する(ステップS2)。始動/停止スイッチ81の操作が検出されると(ステップS2:YES)、リモコンECU60は、内部のタイマを起動し(ステップS3)、始動/停止スイッチ81の操作からの経過時間を計測する。そして、リモコンECU60は、その経過時間が一定時間(たとえば0.3秒)に達したかどうかを判断する(ステップS4)。経過時間が当該一定時間に達する以前であれば、リモコンECU60は、認証処理が完了しているかどうかを判断する(ステップS5)。
認証処理は、使用者認証処理、イモビライザ認証処理、およびリモコン認証処理を含む。使用者認証処理は、キーユニット11が生成する使用者認証コードをイモビライザ10が照合して認証する処理である。イモビライザ認証処理とは、イモビライザ10が生成するイモビライザ認証コードを、各リモコンECU60において登録済みの認証コードと照合して認証する処理である。リモコン認証処理とは、各リモコンECU60が生成するリモコン認証コードを、対応する船外機ECU20において登録済みの認証コードと照合して認証する処理である。使用者認証処理、イモビライザ認証処理およびリモコン認証処理が全て完了すると、認証完了となる。いずれかの認証結果が未了または失敗であれば、認証未完了となる。イモビライザ認証処理は、各リモコンECU60において行われる。
認証処理は、キーユニット11によってアンロック操作が行われることによって開始されるので、始動/停止スイッチ81の操作よりも前に認証処理が終了しているのが通常である。しかし、キーユニット11の操作から、キースイッチ4および始動/停止スイッチ81の操作までの時間差が極端に短い場合には、使用者が始動/停止スイッチ81を操作する時点で認証完了に至っていない場合もあり得る。
認証完了に至っていれば(ステップS5:YES)、リモコンECU60は、始動許可条件判定(個別始動許可条件)のために必要な情報が全て取得されているかどうかを判断する(ステップS6)。始動許可条件とは、たとえば、リモコンレバー7aの操作位置が中立位置にあり(目標シフト位置が中立位置)、シフト機構43のシフト位置(実シフト位置)が中立位置であり、かつ、エンジン39が停止状態であることである。リモコンレバー7aの操作位置はレバー位置センサ16からすみやかに取得できる。これに対して、シフト機構43の実シフト位置情報は、船外機ECU20との間のECU間通信を経て取得される情報である。同様に、エンジン回転速度もまた、船外機ECU20との間のECU間通信を経て取得される情報である。したがって、これらの情報の取得には、或る程度の時間が必要であり、キースイッチ4の操作によって電源が投入された直後の時点では、未取得の場合もあり得る。
始動許可条件判定のために必要な情報を全て取得済みであれば(ステップS6:YES)、リモコンECU60は、始動許可条件が充足されているかどうかを判断する(ステップS7)。始動許可条件が充足されていれば(ステップS7:YES)、リモコンECU60は、始動処理を行い(ステップS8)、前記タイマをリセットしてその計時動作を終了させる(ステップS9)。
始動処理とは、船外機ECU20に対して、通信線71を介して、エンジン始動指令を与えることである。このエンジン始動指令を受けた船外機ECU20は、スタータリレー駆動回路27を作動させて、スタータモータ45を駆動させる(始動制御)。これにより、クランキング動作が始まる。同時に、船外機ECU20は、点火制御および燃料噴射制御を実行する。これにより、エンジン39が始動される。
認証処理が未了の場合(ステップS5:NO)、始動許可判定に必要な情報が未取得の場合(ステップS6:NO)、および始動許可条件が充足されていない場合(ステップS7:NO)は、始動処理(ステップS8)を行うことなく、当該制御周期の処理を終える。
始動/停止スイッチ81の操作が検出されない場合(ステップS2:NO)、リモコンECU60は、待機状態かどうかを判断する(ステップS10)。待機状態とは、前記タイマの計時(ステップS3)が行われている状態である。待機状態のときは(ステップS10:YES)、ステップS4からの処理が実行される。待機状態でなければ(ステップS10:NO)、当該制御周期の処理を終える。
ステップS4において、タイマの計時時間が前記一定時間に達したと判断されると、当該タイマをリセットしてその計時動作を終了させ(ステップS9)、当該制御周期の処理を終える。
このような動作が行われることにより、始動/停止スイッチ81が操作されると、前記一定時間を限度に、認証処理の完了、および始動許可条件判定に必要な情報の取得が待機される。したがって、認証処理の開始やキースイッチ4のオン操作から時間をおかずに始動/停止スイッチ81が操作されて始動指令が与えられた場合でも、この始動指令が直ちに無効となるのではなく、一定時間だけ有効な状態で待機される。そして、認証処理の完了や始動許可条件判定用の情報取得を待って、エンジン39の始動に必要な処理が実行される。こうして、使用者の意図を反映した始動処理を行うことができる。また、待機時間に制限を加えているので、極端に長い待機時間の後にエンジン39の始動処理が開始されるといったことがないので、使用者に違和感を与えるおそれもない。
図7は、リモコンECU60の状態遷移を説明するための図である。スタートアップ状態100から内部のコンピュータが起動して、リモコンECU60の制御状態は、通常状態101となる。通常状態101のときに、キースイッチ4(メインSW)がオンで、かつ始動/停止スイッチ81(始動/停止SW)がオンになると、制御状態は、始動待ち状態102に遷移する。始動待ち状態102において、認証が完了しており、かつ始動条件判定に必要な情報(実シフト位置、レバー位置、エンジン回転速度)の取得を終えている場合には、制御状態は、始動判定状態103に遷移する。また、始動待ち状態102において、キースイッチ4(メインSW)がオフされるか、認証が失敗となるか、または始動/停止スイッチ81の操作から一定時間が経過すると、制御状態は、通常状態101に戻る。
始動判定状態103では、キースイッチ4(メインSW)がオフされるか、実シフト位置が中立位置でないか、レバー位置が中立位置でないか、またはエンジンが運転状態である場合には、制御状態は、通常状態101に遷移する。また、始動判定状態103において、キースイッチ4(メインSW)がオン状態で、実シフト位置が中立位置で、レバー位置が中立位置で、かつエンジンが停止状態であれば、制御状態は、始動制御状態104に遷移する。すなわち、船外機ECU20に対して、エンジン始動指令が与えられる。
始動制御状態104において、キースイッチ4(メインSW)がオフとなるか、実シフト位置が中立位置でなくなるか、レバー位置が中立位置でなくなるか、またはエンジン運転状態となると、制御状態は、通常状態101に遷移する。すなわち、始動制御を終了する。つまり、エンジン39とプロペラ40との間の動力伝達経路が接続されたり、リモコンレバー7aが操作されたりした場合には、クランキング動作が中止される。また、エンジン39が運転状態であれば、エンジン39の始動が完了したので、もはやクランキングは必要ないから、制御状態は、通常状態101に遷移する。
図8は、エンジンの始動に関する船外機ECU20の動作を説明するためのフローチャートであり、初期処理が示されている。初期処理とは、船外機ECU20のコンピュータ25の起動処理である。この初期処理は、電源投入時に行われるほか、リセット状態となった後の再起動時にも行われる。
船外機ECU20は、スタータリレー18がオン状態かどうかを判断する(ステップS21)。より具体的には、図5に示されているように、スイッチングトランジスタ27aのベースに入力される制御信号がライン95を介してコンピュータ25により監視されるようになっている。この制御信号がハイレベルなら、スタータリレー18がオン状態であると判断される。
起動時にスタータリレー18がオン状態であるのは、エンジン始動保持回路26の働きによって、スタータリレー18のオン状態が保持されている場合である。換言すれば、クランキング中に船外機ECU20がリセットされた場合である。この判断が肯定されると、船外機ECU20は、始動処理を実行する(ステップS22)。この場合、始動処理とは、スタータリレー駆動回路27のスイッチングトランジスタ27aを導通させる始動制御とともに、点火制御および燃料噴射制御を含む。
船外機ECU20は、さらに、始動許可条件が満たされているかどうかを判断する(ステップS23)。すなわち、実シフト位置が中立位置で、レバー位置が中立位置で、かつエンジン停止状態(この場合、エンジン回転速度が完爆回転速度に達していない状態)であるかどうかが判断される。始動許可条件が満たされていれば(ステップS23:YES)、引き続き、始動処理(ステップS22)を実行する。
始動許可条件が満たされなくなると(ステップS23:NO)、始動制御を終了する(ステップS24)。すなわち、エンジン39が始動すれば、スタータモータ45への通電を終了する。
この後は、通常の制御が実行されることになる。通常の制御とは、リモコンECU60からエンジン始動指令が与えられるとスタータリレー18を導通させ、リモコンECU60からエンジン停止指令が与えられると、点火制御および燃料噴射制御を中止して、エンジン39の運転を停止させる制御である。
このように、この実施形態では、クランキング動作中に船外機ECU20のコンピュータ25がリセット状態となっても、エンジン始動保持回路26の働きによって、スタータモータ45への通電が継続される。そのため、エンジン39を確実に始動することができる。そして、リセット後の初期処理においては、クランキング中にリセットが生じたかどうかが判断され、この判断が肯定の場合には、始動処理が継続される。これにより、エンジン39を確実に始動することができる。そして、エンジン39が始動した後には(ステップS23:NO)、すみやかにスタータモータ45への通電を停止することができる。
図9は、船外機ECU20の状態遷移を説明するための図である。船外機ECU20の制御状態は、スタートアップ状態110から、初期処理を経て、初期状態111となる。このとき、スタータリレー18が導通していれば、制御状態は、スタータ駆動状態112に遷移し、スタータリレー18を導通状態に保持するとともに、点火制御および燃料噴射制御を実行する。初期状態111において、スタータリレー18が導通していなければ、制御状態は、通常状態113となる。通常状態113において、エンジン始動指令がリモコンECU60から与えられると(スタータリレー駆動要求ON)、制御状態は、スタータ駆動状態112に遷移する。
スタータ駆動状態112において、始動許可条件が満たされなくなると、始動制御(スタータモータ45の駆動)が中止され、制御状態は、通常状態113に遷移する。
図10は、この発明の第2の実施形態に係る船舶の電気的構成を説明するためのブロック図である。この図10において、前述の図4に示された各部の対応部分には図4中と同一参照符号を付して示す。
この実施形態では、操作パネル8に、始動可能な全ての船外機3を一括して始動したり、運転中の全船外機3を一括して停止したりするための全機始動/停止スイッチ80が備えられている。全機始動/停止スイッチ80の一端は、全てのリモコンECU60の入力ポート21に共通に接続されている。また、全機始動/停止スイッチ80の他端は、キースイッチ4S,4C,4Pを介してバッテリ15に接続されている。より具体的には、全機始動/停止スイッチ80の前記一端は、ダイオード82Sを介して右舷リモコンECU60Sの入力ポート21Sに接続されている。また、全機始動/停止スイッチ80の前記一端は、ダイオード82Cを介して中央リモコンECU60Cの入力ポート21Cに接続されている。さらに、全機始動/停止スイッチ80の前記一端は、ダイオード82Pを介して左舷リモコンECU60SPの入力ポート21Pに接続されている。ダイオード82S,82C,82Pは、個別始動/停止スイッチ81S,81C,81Pが操作されたときに、該当するリモコンECU60以外のリモコンECUの入力ポート21に信号が回り込むことを防止する。また、全機始動/停止スイッチ80の前記他端は、ダイオード84Sを介してキースイッチ4Sに接続されている。また、全機始動/停止スイッチ80の前記他端は、ダイオード84Cを介してキースイッチ4Cに接続されている。さらに、全機始動/停止スイッチ80の前記他端は、ダイオード84Pを介してキースイッチ4Pに接続されている。ダイオード84S,84C,84Pは、キースイッチ4同士が短絡することを防止する。
全機始動/停止スイッチ80は、この実施形態では、押しボタンスイッチで構成されており、押し下げ操作中にのみ導通するモーメンタリスイッチである。したがって、全機始動/停止スイッチ80は、いずれかのキースイッチ4が導通しているときに操作されると、その操作中にのみ有意な信号を生成する。
各リモコンECU60は、通信線72を介するECU間通信によって、全機始動/停止スイッチ80と、個別の始動/停止スイッチ81とのいずれが操作されたのかを区別する。すなわち、リモコンECU60は、入力ポート21に対するスイッチ入力を受けたときに、他のリモコンECU60とのECU間通信により、当該他のリモコンECU60の入力ポート21へのスイッチ入力が同時に発生したかどうかを判断する。他のリモコンECU60の入力ポート21へのスイッチ入力が同時に発生していれば、全機始動/停止スイッチ80による入力と判断できる。さもなければ、個別の始動/停止スイッチ81による入力と判断できる。
図11は、各リモコンECU60に備えられたコンピュータによって所定の制御周期毎に繰り返し実行される処理を説明するためのフローチャートである。この図11は、入力ポート21からの入力信号が全機始動/停止スイッチ80の操作によるものか、または個別始動/停止スイッチ80の操作によるものかを判断するための処理内容を示している。
リモコンECU60は、入力ポート21を監視し、スイッチ入力があるかどうかを調べる(ステップS31)。スイッチ入力がなければ、今制御周期における当該処理は終了となる。
スイッチ入力があると(ステップS31:YES)、リモコンECU60は、他機に対応するリモコンECU60(つまり他のリモコンECU60)に対する入力ポート21への信号入力があったかどうかを判断する(ステップS32)。この判断は、通信線72を介するリモコンECU60間の通信によって、他のリモコンECU60の入力ポート21への信号入力の有無に関する情報を取得することによって行える。
他のリモコンECU60の入力ポート21への信号入力がなかった場合(ステップS32:NO)、すなわち、複数のリモコンECU60の入力ポート21への信号入力が同時に生じていない場合には、リモコンECU60は、個別の始動/停止スイッチ81が操作されたものと判断する(ステップS33)。対応する船外機3のエンジン39が停止している状態で、個別の始動/停止スイッチ81が操作されたものと判断されると、図6の始動処理(個別始動処理)が実行されることになる。
一方、他のリモコンECU60の入力ポート21への信号入力があった場合(ステップS32:YES)、すなわち、複数のリモコンECU60の入力ポート21への信号入力が同時に生じた場合には、リモコンECU60は、全機始動/停止スイッチ80が操作されたものと判断する(ステップS34)。対応する船外機3のエンジン39が停止している状態で、全機始動/停止スイッチ80が操作されたものと判断されると、次に説明する全機始動処理(図12参照)が実行されることになる。
図12は、各リモコンECU60によって所定の制御周期で繰り返し実行される処理を示すフローチャートであり、全機始動/停止スイッチ80の操作に対応する始動処理を示す。この図12中において、前述の図6に示された各ステップに対応するステップには、図6中と同一参照符号を付して示す。
リモコンECU60は、対応するキースイッチ4(メインスイッチ)が導通されていることを確認し(ステップS1)、全機始動/停止スイッチ80からの入力の有無を判定する(ステップS42)。この判定は、図11の処理結果から得られる。全機始動/停止スイッチ80の操作が検出されると(ステップS42:YES)、リモコンECU60は、内部のタイマを起動し(ステップS3)、始動/停止スイッチ81の操作からの経過時間を計測する。そして、リモコンECU60は、その経過時間が一定時間(たとえば0.3秒)に達したかどうかを判断する(ステップS4)。
経過時間が当該一定時間に達する以前であれば、リモコンECU60は、全船外機3に関して認証処理が完了しているかどうかを判断する(ステップS45)。前述のとおり、認証処理には或る程度の時間を要するので、全機始動/停止スイッチ80が操作された時点でいずれかの船外機3に関する認証処理が未完了であることもあり得る。
認証完了に至っていれば(ステップS45:YES)、リモコンECU60は、所定の全機始動許可条件判定のために必要な情報が全て取得されているかどうかを判断する(ステップS46)。全機始動許可条件とは、たとえば、自機および他機のリモコンレバー7aの操作位置がいずれも中立位置にあり(目標シフト位置が中立位置)、自機および他機のシフト機構43のシフト位置(実シフト位置)がいずれも中立位置であり、かつ、自機および他機のエンジン39(全ての船外機3のエンジン39)がいずれも停止状態であることである。リモコンECU60は、これらの情報を通信線71および72を介するECU間通信を経て取得する。したがって、これらの情報の取得には、或る程度の時間が必要であり、対応するキースイッチ4の操作によって電源が投入された直後の時点では、未取得の場合もあり得る。
全機始動許可条件判定のために必要な情報を全て取得済みであれば(ステップS46:YES)、リモコンECU60は、全機始動許可条件が充足されているかどうかを判断する(ステップS47)。全機始動許可条件が充足されていれば(ステップS47:YES)、リモコンECU60は、始動処理を行い(ステップS48)、前記タイマをリセットしてその計時動作を終了させる(ステップS9)。
認証処理が未了の場合(ステップS45:NO)、全機始動許可条件の判定に必要な情報が未取得の場合(ステップS46:NO)、および全機始動許可条件が充足されていない場合(ステップS47:NO)は、始動処理(ステップS48)を行うことなく、当該制御周期の処理を終える。
全機始動/停止スイッチ80の操作が検出されない場合(ステップS42:NO)、リモコンECU60は、待機状態かどうかを判断する(ステップS10)。待機状態とは、前記タイマの計時(ステップS3)が行われている状態である。待機状態のときは(ステップS10:YES)、ステップS4からの処理が実行される。待機状態でなければ(ステップS10:NO)、当該制御周期の処理を終える。
ステップS4において、タイマの計時時間が前記一定時間に達したと判断されると、当該リモコンECU60に対応する船外機3に関する認証処理が完了しているかどうかが判断される(ステップS5)。認証完了に至っていれば(ステップS5:YES)、リモコンECU60は、当該船外機3に関する始動許可条件(個別始動許可条件)の判定のために必要な情報が全て取得されているかどうかを判断する(ステップS6)。この場合の始動許可条件とは、たとえば、リモコンレバー7aの操作位置が中立位置にあり(目標シフト位置が中立位置)、シフト機構43のシフト位置(実シフト位置)が中立位置であり、かつ、エンジン39が停止状態であることである。
当該船外機3の始動許可条件判定のために必要な情報を全て取得済みであれば(ステップS6:YES)、リモコンECU60は、始動許可条件が充足されているかどうかを判断する(ステップS7)。始動許可条件が充足されていれば(ステップS7:YES)、リモコンECU60は、始動処理を行い(ステップS8)、前記タイマをリセットしてその計時動作を終了させる(ステップS9)。
認証処理が未了の場合(ステップS5:NO)、始動許可判定に必要な情報が未取得の場合(ステップS6:NO)、および始動許可条件が充足されていない場合(ステップS7:NO)は、始動処理(ステップS8)を行うことなく、タイマをリセットして(ステップS9)、当該制御周期の処理を終える。
このような動作が各リモコンECU60において行われることにより、全機始動/停止スイッチ80が操作されると、前記一定時間を限度に、全船外機3に関する認証処理の完了、全機始動許可条件判定に必要な情報の取得、および全機始動許可条件の成立が待機される。したがって、認証処理の開始やキースイッチ4のオン操作から時間をおかずに全機始動/停止スイッチ80が操作されて全機始動指令が与えられた場合でも、この全機始動指令が直ちに無効となるのではなく、一定時間だけ有効な状態で待機される。そして、全船外機3の認証処理の完了および全機始動許可条件の成立を待って、全船外機3のエンジン39の始動に必要な処理が実行される。こうして、全船外機3のエンジン39が一括始動される。
一方、前記一定時間の経過までに全船外機3において認証処理が完了しない場合、全機始動許可条件判定に必要な情報が取得できない場合、および全機始動許可条件が充足されない場合には、各船外機3のエンジンを個別始動するための処理が行われる。すなわち、各リモコンECU60において、対応する船外機3のエンジン39を個別に始動するための処理(ステップS5〜S8)が実行される。前記一定時間の待機によって、始動可能な船外機3に関しては、認証処理および始動許可条件判定用情報の取得がいずれも完了しているはずである。したがって、始動可能な船外機3については、個別にエンジン39を始動できることになる。たとえば、認証完了済みの船外機3についてはエンジン39が始動され、認証未了の船外機3についてはエンジン39は始動されない。
こうして、全機始動/停止スイッチ80の操作に応答して、使用者の意図を反映した始動処理を行うことができる。また、待機時間に制限を加えているので、極端に長い待機時間の後にエンジン39の始動処理が開始されるといったことがないので、使用者に違和感を与えるおそれもない。
なお、複数の船外機3のエンジン39を一括始動するときには、それらを一斉に(同時に)始動してもよいが、バッテリ15に対する負荷を時間的に分散するためには、時間間隔を開けてエンジン始動を順次行うことが好ましい。すなわち、複数の船外機3に対して、予め始動順序を定めておき、この始動順序に従って各船外機3のエンジン39を順次始動することが好ましい。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したけれども、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、複数のリモコン装置7にそれぞれ対応する複数のリモコンECU60が備えられた構成について説明したけれども、複数のリモコン装置7からの信号が共通に入力される一つのリモコンECUを備える構成としてもよい。この場合、当該一つのリモコンECUと複数の船外機ECU20との間でECU間通信が行われる。
また、前述の実施形態では、イモビライザ10が備えられた船舶用推進システムを例にとったけれども、イモビライザを備えないシステムにもこの発明を適用することができる。
また、前述の実施形態では、エンジンの始動および停止を共通のモーメンタリスイッチ80,81で指令する構成としているが、エンジンの始動および停止を個別に指令する複数のスイッチを設けてもよい。また、互いに異なる(たとえば電圧レベルが異なる)始動指令信号および停止指令信号を出力することができるスイッチを始動/停止スイッチとして用いてもよい。
さらに、前述の第1および第2の実施形態では、複数の船外機を備えた船舶を例に取ったけれども、第1の実施形態は、1機のみの船外機を備えた船舶にも適用できる。むろん、第1および第2の実施形態は、2機または4機以上の船外機を備えた船舶にも適用可能である。
また、前述の実施形態では、推進機として船外機(アウトボードモータ)を例にとったけれども、他の形態の推進機を備えた船舶用推進システムにもこの発明の適用が可能である。推進機の他の例としては、船内外機(スターンドライブ。インボードモータ・アウトボードドライブ)、船内機(インボードモータ)、ウォータージェットドライブを挙げることができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、特許請求の範囲に記載された構成要素と前述の実施形態における構成要素との対応関係を示す。
推進機:船外機3
推進機制御ユニット:船外機ECU20
始動スイッチ:始動/停止スイッチ81
主制御ユニット:リモコンECU60
待機手段:ステップS3〜S6,S55,S56(図6、図12)
判定手段:ステップS7,S57(図6、図12)
エンジン始動指令手段:ステップS8,S58(図6、図12)
認証手段:イモビライザ10、リモコンECU60、船外機ECU20
エンジン始動保持回路:エンジン始動保持回路26
コンピュータ:コンピュータ25
1 船舶
2 船体
3(3S,3C,3P) 船外機
4(4S,4C,4P) キースイッチ
5 操船席
6 ハンドル装置
6a ステアリングハンドル
7(7S,7C,7P) リモコン装置
7a リモコンレバー
8 操作パネル
80 全機始動/停止スイッチ
81(81S,81C,81P) 個別の始動/停止スイッチ
83(83S,83C,83P) 電源ランプ
10 イモビライザ
11 キーユニット
15 バッテリ
16(16S,16C,16P) レバー位置センサ
18 スタータリレー
20(20S,20C,20P) 船外機ECU
21(21S,21C,21P) 入力ポート
22(22S,22C,22P) 入力ポート
24 電源回路
25 コンピュータ
26 エンジン始動保持回路
27 スタータリレー駆動回路
27a スイッチングトランジスタ
28 ORゲート
39 エンジン
40 プロペラ
43 シフト機構
45 スタータモータ
46 スロットルバルブ
48 エンジン回転速度検出部
49 シフト位置センサ
50 エンジンユニット
51 スロットルアクチュエータ
52 シフトアクチュエータ
55 インジェクタ
56 点火コイル
71(71S,71C,71P) 通信線
72 通信線
91 フリップフロップ
92 タイマ
93 リレー
94 反転器
100 スタートアップ状態
101 通常状態
102 始動待ち状態
103 始動判定状態
104 始動制御状態
110 スタートアップ状態
111 初期状態
112 スタータ駆動状態
113 通常状態

Claims (9)

  1. エンジンおよび推進機制御ユニットを備えた推進機を制御する船舶用制御装置であって、
    前記エンジンを始動するために操作される始動スイッチと、
    前記始動スイッチから始動指令が入力され、前記推進機制御ユニットと通信することができる主制御ユニットとを含み、
    前記主制御ユニットが、前記始動スイッチから始動指令を受けたとき、所定の始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機する待機手段と、前記情報が取得された後に前記始動許可条件が成立するか否かを判定する判定手段と、前記始動許可条件が成立することを条件に前記推進機制御ユニットにエンジン始動指令を与えるエンジン始動指令手段とを含む、船舶用制御装置。
  2. 正当使用者を認証するための認証手段をさらに含み、
    前記待機手段が、前記認証手段による認証が成功し、かつ前記始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機する、請求項1記載の船舶用制御装置。
  3. 前記待機手段が、前記始動スイッチの操作から所定時間を限度に前記待機を行う、請求項1または2記載の船舶用制御装置。
  4. 前記船舶用制御装置は、複数の推進機を制御するものであり、全ての推進機に関して、正当使用者を認証するための認証処理を実行する認証手段をさらに含み、
    前記始動スイッチが、全ての推進機のエンジンを一括して始動させるための全機始動スイッチを含み、
    前記判定手段が、前記始動許可条件として、全ての推進機のエンジンを一括して始動するために充足すべき全機始動許可条件が成立するか否かを判定し、
    前記待機手段が、前記全機始動スイッチから全機始動指令を受けたとき、全ての推進機に関して前記認証手段による認証が成功し、かつ、前記全機始動許可条件を判定するための情報が取得されるまで待機する、請求項1記載の船舶用制御装置。
  5. 前記待機手段が、前記全機始動スイッチの操作から所定時間を限度に前記待機を行う、請求項4記載の船舶用制御装置。
  6. 前記所定時間が経過するまでに、全ての推進機に関する前記認証が成功に至らないか、前記全機始動許可条件を判定するための情報が取得されないか、または前記全機始動許可条件が成立しない場合に、前記判定手段が、前記認証が成功した推進機に関して、前記始動許可条件として、当該推進機のエンジンを個別に始動するための所定の個別始動許可条件が成立するか否かを判定する、請求項5記載の船舶用制御装置。
  7. 前記推進機が、エンジン始動を開始したのち、前記推進機制御ユニットの動作によらずに所定時間だけエンジン始動動作を継続するエンジン始動保持回路をさらに含み、
    前記推進機制御ユニットが、初期化直後に前記エンジン始動保持回路によるエンジン始動動作継続中である場合に、前記主制御ユニットからのエンジン始動指令によらずにエンジン始動処理を実行するコンピュータを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船舶用制御装置。
  8. エンジンおよび推進機制御ユニットを備えた推進機と、
    この推進機を制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載の船舶用制御装置とを含む、船舶用推進システム。
  9. 船体と、
    この船体に装着され、エンジンおよび推進機制御ユニットを備えた推進機と、
    この推進機を制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載の船舶用制御装置とを含む、船舶。
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