JP2010241882A - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形物 Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工時の流動性に優れ、且つ、表面外観の優れた成形物が得られる熱可塑性樹脂組成物及びその成形物を提供する。
【解決手段】芳香族ビニル単量体50〜99質量%及びフェニル(メタ)アクリレート1〜50質量%を含有する単量体混合物(a)を重合して得られる重合体(A)、α−メチルスチレン5〜50質量%、スチレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート及びメチルメタクリレートから選ばれる1種以上の単量体50〜95質量%を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる重合体(B)及びポリカーボネート樹脂(C)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、重合体(A)と重合体(B)の合計5〜30質量%及びポリカーボネート樹脂(C)70〜95質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形加工時の流動性に優れ、表面外観の優れた成形物が得られる熱可塑性樹脂組成物及び表面外観の優れた成形物に関する。
ポリカーボネート樹脂又はポリカーボネート樹脂にABS樹脂等のスチレン系樹脂をブレンドしたポリマーアロイは、電気・電子部品、複写機、プリンター、ファクシミリ、パーソナルコンピューター等のOA機器等に広く使用されている。
近年、これらの用途では製品の小型化、軽量化の要請が高まっており、使用される樹脂には薄肉成形性や精密成形性が要求されてきている。薄肉成形性や精密成形性の要求を満たすには、成形加工時の流動性の向上が必要である。
ポリカーボネート樹脂の成形加工時の流動性を向上させる方法として、流動性向上剤を添加することが提案されている(特許文献1)。特許文献1で提案された方法では、成形加工時の流動性は向上するものの、得られる成形物の表面には凹凸やフローマークを生じるため、成形物の表面外観は充分ではなかった。
国際公開第2005/030819号パンフレット
本発明の目的は、成形加工時の流動性に優れ、且つ、表面外観の優れた成形物が得られる熱可塑性樹脂組成物及びその成形物を提供することである。
本発明は、芳香族ビニル単量体(a1)50〜99質量%及びフェニル(メタ)アクリレート(a2)1〜50質量%を含有する単量体混合物(a)を重合して得られる重合体(A)、α−メチルスチレン(b1)5〜50質量%、スチレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート及びメチルメタクリレートから選ばれる1種以上の単量体(b2)50〜95質量%を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる重合体(B)及びポリカーボネート樹脂(C)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、重合体(A)と重合体(B)の合計5〜30質量%及びポリカーボネート樹脂(C)70〜95質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物である。
また、本発明は、前記の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形物である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工時の流動性に優れることから、薄肉成形性や精密成形性に優れる。
本発明の成形物は、表面外観に優れ、凹凸やフローマークを生じることがない。
本発明の重合体(A)は、芳香族ビニル単量体(a1)50〜99質量%及びフェニル(メタ)アクリレート(a2)1〜50質量%を含有する単量体混合物(a)を重合して得られる。
芳香族ビニル単量体(a1)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
これらの中では、得られる成形物の耐熱性を低下させないことから、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
本発明でいうフェニル(メタ)アクリレート(a2)とは、フェニル基に置換基を持たないフェニル(メタ)アクリレート又はフェニル基に置換基を持つフェニル(メタ)アクリレートのいずれでもよい。
フェニル(メタ)アクリレート(a2)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
これらの中では、得られる成形物の表層剥離を低減することから、フェニルメタクリレートが好ましい。
尚、本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
単量体混合物(a)(100質量%)中の(a1)の含有率は50〜99質量%、(a2)の含有率は1〜50質量%である。
単量体混合物(a)中の(a1)の含有率が50質量%以上であれば、成形加工時の流動性の向上効果が充分に発現し、99質量%以下であれば、得られる成形物は機械的強度に優れ、表層剥離が低減する。単量体混合物(a)中の(a2)の含有率が1質量%以上であれば、得られる成形物は機械的強度に優れ、表層剥離が低減し、50質量%以下であれば、成形加工時の流動性の向上効果が充分に発現する。
単量体混合物(a)(100質量%)中の(a1)の含有率は、75〜90質量%が好ましく、(a2)の含有率は10〜25質量%が好ましい。
単量体混合物(a)は、必要に応じて、(a1)及び(a2)以外の、その他の単量体(a3)を含有してもよい。
その他の単量体(a3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
単量体混合物(a)(100質量%)中の(a3)の含有率は、0〜30質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましい。
単量体混合物(a)中の(a3)の含有率が30質量%以下であれば、得られる成形物の表面外観が良好となる。
単量体混合物(a)の重合方法としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法が挙げられる。これらの中では、芳香族ビニル単量体の重合性が良好となることから、乳化重合法が好ましい。
乳化重合で用いる乳化剤としては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の、公知の乳化剤を用いることができる。
乳化重合で用いる重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム等の、公知の重合開始剤を用いることができる。
乳化重合法で重合体(A)を得た場合、重合体(A)の粉体をラテックスから回収する方法としては、例えば、塩又は酸による凝析、噴霧乾燥、凍結乾燥が挙げられる。
重合体(A)の質量平均分子量は、流動性及び耐熱性が良好となることから、5,000〜200,000が好ましい。
本発明の重合体(B)は、α−メチルスチレン(b1)5〜50質量%、スチレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート及びメチルメタクリレートから選ばれる1種以上の単量体(b2)50〜95質量%を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる。
単量体(b2)は、スチレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート及びメチルメタクリレートから選ばれる1種以上であり、フェニル(メタ)アクリレートとしては、(a2)の例示と同様のものが挙げられる。
単量体(b2)の中では、得られる成形物の表層剥離を低減することから、フェニルメタクリレートが好ましい。
単量体混合物(b)(100質量%)中の(b1)の含有率は5〜50質量%、(b2)の含有率は50〜95質量%である。
単量体混合物(b)中の(b1)と(b2)の含有率がこの範囲内であれば、得られる成形物の表面外観が良好となり、フローマークの発生を抑制することができる。
単量体混合物(b)(100質量%)中の(b1)の含有率は、15〜35質量%が好ましく、(b2)の含有率は65〜85質量%が好ましい。
単量体混合物(b)は、必要に応じて、(b1)及び(b2)以外の、その他の単量体(b3)を含有してもよい。
その他の単量体(b3)としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
単量体混合物(b)(100質量%)中の(b3)の含有率は、0〜30質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましい。
単量体混合物(b)中の(b3)の含有率が30質量%以下であれば、得られる成形物の表面外観が良好となる。
単量体混合物(b)は、単量体混合物(a)と同様の方法で重合することができる。
重合体(B)の質量平均分子量は、流動性及び耐熱性が良好となることから、5,000〜200,000が好ましい。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(C)は、公知のホスゲン法又は溶融法により作られる芳香族ポリカーボネートであり、そのようなポリカーボネート樹脂は、例えば特開昭63−215763号公報及び特開平2−124934号公報に記載されている。
ポリカーボネート樹脂の原料として用いるジフェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」という。)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下、「ビスフェノールTMC」という。)が挙げられる。
また、カーボネート構造を導入するための前駆物質としては、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネートが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の中では、高耐熱型であることから、ビスフェノールAとビスフェノールTMCの共重合体である、アペック1800(バイエル(株)製)が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(100質量%)は、重合体(A)と重合体(B)の合計5〜30質量%及びポリカーボネート樹脂(C)70〜95質量%を含有する。
熱可塑性樹脂組成物中の、(A)と(B)の合計が5質量%以上であれば、成形加工時の流動性の向上効果が充分に発現し、30質量%以下であれば、得られる成形物は機械的強度に優れ、表層剥離が低減する。熱可塑性樹脂組成物中の(C)の含有率が70質量%以上であれば、得られる成形物は機械的強度に優れ、表層剥離が低減し、95質量%以下であれば、成形加工時の流動性の向上効果が充分に発現する。
熱可塑性樹脂組成物(100質量%)中の(A)と(B)の合計の含有率は、5〜20質量%が好ましく、(C)の含有率は80〜95質量%が好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(100質量%)中の、重合体(A)と重合体(B)の含有率については、重合体(A)7〜20質量%、重合体(B)0.5〜4質量%が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、ポリカーボネート樹脂(C)以外の、他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体)、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアミド、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタールが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、公知の安定剤、強化剤、無機充填剤、耐衝撃性改質剤、難燃剤等の添加剤を配合してもよい。
例えば、成形物の強度、剛性、更には難燃性を向上させるために、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等を配合することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、重合体(A)、重合体(B)、ポリカーボネート樹脂(C)、及び必要に応じて、他の樹脂、添加剤を混合することによって調製することができる。
混合には、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、2本ロール、ニーダー、ブラベンダー等を用いることができる。
本発明の成形物は、上記の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られるものである。成形方法としては、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法等が挙げられるが、射出成形法が好ましい。
本発明の成形物は、ポリカーボネート樹脂の優れた特性を有し、表面外観に優れることから、電気・電子部品、複写機、プリンター、ファクシミリ、パーソナルコンピューター等のOA機器等の部材として有用である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
また、実施例における重合率、質量平均分子量は以下のようにして測定した。
<重合率の測定>
以下の手順により、重合体の重合率を測定した。
(1)アルミ皿を精密天秤に載せ、その質量(x)を0.1mgの単位まで測定した。
(2)アルミ皿に重合体ラテックスを約1g取り、重合体ラテックスの入ったアルミ皿の質量(y)を0.1mgの単位まで測定した。
(3)重合体ラテックスの入ったアルミ皿を180℃の乾燥機に入れ、45分間加熱した。
(4)アルミ皿を乾燥機から取出し、デシケーターに移して室温まで冷却し、その質量(z)を0.1mgの単位まで測定した。
(5)以下の式にて、重合体ラテックスの固形分を算出した。
固形分[%]={(z−x)/(y−x)}×100
(6)算出した固形分を、仕込み時の固形分で割り、重合体の重合率を算出した。
<質量平均分子量(Mw)の測定>
ゲル浸透クロマトグラフィーを用い、下記装置及び測定条件にて、標準ポリスチレンによる検量線を用いて重合体のMwを測定した。
カラム :TSK−GEL SUPER HZM−N(東ソー(株)製)
測定温度 :40℃
溶離液 :クロロホルム
溶離液速度:0.6ml/分
検出器 :RI
<製造例1> 重合体(A1)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、下記の乳化剤混合物を投入して攪拌し、窒素雰囲気下で、内温を60℃まで加熱した。
乳化剤混合物:
ペレックスSS−L
(花王(株)製 アニオン系乳化剤) 2.4部
イオン交換水 295.0部
次いで、下記の還元剤混合物を投入した。
還元剤混合物:
硫酸第一鉄 0.0001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.0003部
ロンガリット 0.3部
イオン交換水 4.17部
下記の単量体混合物を180分かけて滴下し、60分間攪拌して重合を終了し、重合体(A1)ラテックスを得た。
単量体混合物:
スチレン(a1) 87.5部
フェニルメタクリレート(a2) 12.5部
n−オクチルメルカプタン 0.5部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.2部
酢酸カルシウムを5部溶解した水溶液625部を91℃に加温し攪拌した。この中に、得られた重合体(A1)ラテックスを徐々に滴下し、95℃に加温して5分間保持し、凝固を行なった。
凝固物を分離洗浄後、75℃で24時間乾燥し、重合体(A1)を得た。重合体(A11)の重合率は94%、Mwは50,000であった。
<製造例2> 重合体(A2)の製造
単量体混合物を下記のように変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体(A2)を得た。
単量体混合物:
スチレン(a1) 60.0部
α―メチルスチレン(a1) 20.0部
フェニルメタクリレート(a2) 20.0部
n−オクチルメルカプタン 0.5部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.2部
重合体(A2)の重合率は94%、Mwは50,000であった。
<製造例3> 重合体(B1)の製造
単量体混合物を下記のように変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体(B1)を得た。
単量体混合物:
α―メチルスチレン(b1) 25.0部
スチレン(b2) 5.0部
フェニルメタクリレート(b2) 70.0部
n−オクチルメルカプタン 0.5部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 1.0部
重合体(B1)の重合率は94%、Mwは30,000であった。
<実施例1〜3、比較例1〜2>
重合体(A)、重合体(B)、ポリカーボネート樹脂(C)を、表1に示す割合で混合し、2軸押出機(TEM−35:東芝機械(株)製)に供給し、PC1の組成物は280℃、PC2の組成物は320℃で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を得た。
PC1:タフロンFN−1500(出光興産(株)製)
カーボンブラック(高級グレード#980、三菱化学(株)製)10ppmを配合
PC2:APEC1800(バイエル(株)製)
カーボンブラック(高級グレード#980、三菱化学(株)製)10ppmを配合
熱安定剤:アデカスタブPEP−36(アデカ(株)製)
<比較例3〜4>
重合体(A)及び(B)を配合しなかった。
得られた熱可塑性樹脂組成物を用い、以下の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
<溶融流動性>
熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性を、射出成形機(IS−100:東芝機械(株)製)を用いて、スパイラルフロー長さ(SPL)で評価した。
SPLは、成形温度320℃、金型温度80℃、射出圧力50MPa、成形物の厚さ2mm、幅15mmの条件で評価した。
<荷重たわみ温度>
成形物の耐熱性を、荷重たわみ温度(HDT)により評価した。
射出成形機(IS−100:東芝機械(株)製)を用いて樹脂組成物を成形し、長さ×幅×厚さ=80×10×4mmの成形物を得た。PC1の組成物は120℃×2時間、PC2の組成物は150℃×2時間でアニール処理を行ない、評価に用いた。
HDTは、ISO75−2に準じて測定した。荷重は1.82MPaとした。
<表面外観>
射出成形機(IS−100:東芝機械(株)製)を用いて樹脂組成物を成形し、長さ×幅×厚さ=100×50×2mmの成形物を得た。
成形物を目視観察して、フローマーク(成形体のゲートから同心円状に現れる模様)、表面の凹凸の有無を、以下に示す基準で評価した。
○:フローマーク及び表面の凹凸が見られなかった。
△:フローマーク及び表面凹凸が僅かに見られた。
×:フローマーク及び表面凹凸が見られた。
Figure 2010241882
表1から明らかなように、ポリカーボネート樹脂(C)に、重合体(A)及び(B)を配合することで、成形加工時の流動性と、得られた成形物の耐熱性を維持しつつ、成形物の表面外観を改良することが確認された。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工時の流動性に優れることから、薄肉成形性や精密成形性に優れる。よって、得られる成形物は、小型化及び軽量化の要請に応えるものであり有用である。また、本発明の成形物は、フローマークや凹凸がなく、表面外観に優れるものであり、OA機器等の部材として有用である。

Claims (2)

  1. 芳香族ビニル単量体(a1)50〜99質量%及びフェニル(メタ)アクリレート(a2)1〜50質量%を含有する単量体混合物(a)を重合して得られる重合体(A)、
    α−メチルスチレン(b1)5〜50質量%、スチレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート及びメチルメタクリレートから選ばれる1種以上の単量体(b2)50〜95質量%を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる重合体(B)及びポリカーボネート樹脂(C)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
    重合体(A)と重合体(B)の合計5〜30質量%及びポリカーボネート樹脂(C)70〜95質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012207164A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Teijin Chem Ltd ウエルド外観および表面硬度に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2015168745A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 三菱レイヨン株式会社 ポリカーボネート系樹脂組成物、及びこれを用いた成形品

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