JP2010241198A - 車両状態制御装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両状態制御装置は、車輪を転舵させる運転者の運転操作に応じてロール方向に車体を傾動させる車体傾動部20と、車輪を転舵させる運転者の運転操作量に対する車輪の転舵角を調整する舵角調整部44と、車輪の転舵角を検出する操舵角検出部43と、操舵角検出部43が検出した車輪の転舵角の増加に基づいて、車体の傾動の可変範囲の最大値を小さくする制御部2と、を備える。
【選択図】図1
Description
そのため、転舵輪の転舵角(ハンドルの操舵角)が大きくなり旋回半径が小さくなったときに、車両の傾動量が必要以上に多くなる恐れがある。
例えば、道幅が狭い路地を走行したり、車庫入れする場合に、転舵輪の転舵角が大きくなると、傾動した車体が路地や車庫の側壁に干渉する等の不具合も生じてしまう恐れがある。
本発明の課題は、転舵輪の転舵角と車体の傾動量とを適切に協調させることである。
図1及び図2は、本発明を適用した車両状態制御装置の構成を示す。図1は、車両への車両状態制御装置の搭載状態を示す。図2は、車両上方からみた車両状態制御装置を示す。
図1及び図2に示すように、車両状態制御装置は、車両状態検出部1、制御部2及び車体傾動部20を有する。この車両は、通常の車両と同様に、車体3に対して車輪4、操舵部40及び懸架部50を有する。
操舵角検出部43は、ステアリングホイール41の操舵角を検出する。例えば、操舵角検出部43は舵角センサである。操舵角検出部43は、検出した操舵角を制御部2に出力する。車両状態検出部1は、この操舵角検出部43を含んでいる。
伝達連結部材47は、操舵用軸部材46の直線運動を車輪(転舵輪)4に伝達するように構成されている。例えば、伝達連結部材47は、タイロッド及びナックルアームである。
懸架部50は、サスペンション、コイルばね及びショックアブソーバ(減衰部)を有する。本実施形態では、サスペンションは、ダブルウイッシュボーン式サスペンションである。
車体傾動部20は、車両幅方向で車体を揺動可能に支持し、車体3を傾動させる。
駆動部31は、回転モータ31a、カプラ31b及び減速機31cを有する。また、回転角検出部32は、例えば回転角センサである。車両状態検出部1は、この回転角検出部32を含んでいる。
前記図3では、アーム部材21aの一方の端部にのみショックアブソーバ53を取り付けた構成になっている。しかし、実際には、図2に示すように、アーム部材21aの両端に、左右輪それぞれのショックアブソーバ53を取り付けている。
制御部2は、車両状態検出部1、回転角検出部32及び操舵角検出部43の検出結果を基に、車体傾動部20及び舵角調整部44を制御する。制御部2は、車体傾動部20(具体的には駆動部31)に制御信号を出力して、回転モータ31aを駆動して車体3を所望の角度に傾動させる。また、制御部2は、舵角調整部44を制御して、ステアリングホイール41による操舵量を調整する。
また、例えば、制御部2は、車両状態検出部1の検出結果から、車速が大きい状態(中速〜高速程度)で、横加速度が大きく、かつ転舵角が大きいとき(大舵角操舵時)、その舵角方向への車体の傾動角を大きくする。また、制御部2は、車両状態検出部1の検出結果から、車速が小さい状態(低速)で、かつ転舵角が小さいとき(小舵角操舵時)、その舵角方向への車体の傾動角を小さくする。
例えば、車輪舵角基準の場合において、車輪舵角がα1(>Q点の車輪舵角)のときには、最大車体傾動角は、角度規制線Rにより規制されてβ1になる。β1は、Q点の車輪舵角よりも小さい車輪舵角のときの最大車体傾動角よりも小さい値となる。ここで、車輪舵角基準とは、車輪舵角を規制の基準とすること、すなわち、車輪舵角に応じて車体傾動角を規制する場合をいう。
このマップによれば、車輪舵角がある程度大きくなると(>Q点の車輪舵角)、最大車体傾動角が小さくなる。また、車体傾動角がある程度大きくなると(>P点の車体傾動角)、最大車輪舵角が小さくなる。
車両状態制御装置は、車両状態検出部1、回転角検出部32及び操舵角検出部43の検出結果を基に、車体傾動部20及び舵角調整部44を制御する。具体的には、車両状態制御装置は、車体傾動部20(具体的には駆動部31)に制御信号を出力して、車体3を所望の角度に傾動させる。また、車両状態制御装置は、舵角調整部44を制御して、ステアリングホイール41による操舵量を調整する。
このとき、車両状態制御装置は、車輪舵角がある程度大きくなると、最大車体傾動角を小さくする。また、車両状態制御装置は、車体傾動角がある程度大きくなると、最大車輪舵角を小さくする。
例えば、傾動動作は、主として旋回等により横加速度が発生するような場合、すなわち、主に中速〜高速走行・小舵角操舵時に、その効果を発揮する。
ここで、前記特許文献1では、ハンドル操舵側の構成となる操舵装置と車体を傾動する構成となる車体傾動装置とを機械的に連結している。そのため、ハンドル操舵の量に応じて一義的に車体が旋回方向に傾斜してしまう。よって、前記特許文献1の技術では、低速走行・大舵角操舵時に車体を傾斜させない方が良い場合でも、その傾動動作により車体を傾けてしまう。
これにより、車輪舵角が大きいときには車体傾動角の最大値(最大車体傾動角)が小さくなるため、低速走行・大舵角操舵時のように車体を傾斜させない方が良い場合に、車体の傾動量を抑制できる。この結果、傾斜した車体が路地や車庫の側壁に干渉してしまうのを防止できる。
(1)本実施形態では、サスペンション形式がダブルウイッシュボーン式となっている。しかし、懸架手段はダブルウイッシュボーン式に限定されるものではない。
(2)本実施形態では、前輪側に車体傾動部20を設けている。しかし、後輪側又は前後共に車体傾動部を設けることもできる。
(3)舵角調整部44は、車体の傾動量を基に、ステアリングホイール41による操舵量を調整することもできる。この場合、舵角調整部44は、回転角検出部32の検出値等から車体の傾動量を検出する。例えば、車体の傾動量が多くなるほど、ステアリングホイール41の操舵量の変化量に対する転舵輪の転舵角の変化量を少なくする。
なお、本実施形態では、車輪を転舵させる運転者の運転操作に応じてロール方向に車体を傾動させる車両状態制御方法において、前記車輪の転舵角の増加に基づいて、前記車体の傾動の可変範囲の最大値を小さくする車両状態制御方法を実現する。
また、本実施形態では、車体傾動部20が車体傾動手段及び傾動連結部に対応し、舵角調整部44が転舵角調整手段に対応し、操舵角検出部43が車輪転舵角検出手段に対応し、制御部2が最大値制限手段に対応し、回転角検出部32が傾動量検出手段に対応し、操舵量変換部45が操舵量変換部に対応し、伝達連結部材47が伝達連結部材に対応する。
(1)車体傾動手段は、車輪を転舵させる運転者の運転操作に応じてロール方向に車体を傾動させる。
また、転舵角調整手段は、車輪を転舵させる運転者の運転操作量に対する車輪の転舵角を調整する。
また、車輪転舵角検出手段は、車輪の転舵角を検出する。
そして、最大値制限手段は、前記車輪転舵角検出手段が検出した車輪の転舵角の増加に基づいて、前記車体の傾動の可変範囲の最大値を小さくする。
このように、車両状態制御装置は、運転者による車輪の転舵に応じてロール方向に車体を傾動させる際に、車輪の転舵角の増加に基づいて、車体の傾動の可変範囲の最大値を小さくする。
これにより、車輪の転舵角が大きいときに、不用意に車体の傾動量が大きくなることを防止できる。
この結果、転舵輪の転舵角と車両の傾動量とを適切に協調させることができる。
これにより、確実かつ正確に車輪の転舵角を検出できる。
(3)車両状態制御装置は、車体の傾動量を検出する傾動量検出手段を備える。
そして、最大値制限手段は、前記傾動量検出手段が検出した車体の傾動量の増加に基づいて、前記車輪の転舵角の可変範囲の最大値を小さくする。
これにより、車体の傾動量が大きいときに、不用意に車輪の転舵角が大きくなることを防止できる。
この結果、転舵輪の転舵角と車両の傾動量とを適切に協調させることができる。
これにより、確実かつ正確に車体の傾動量を検出できる。
(5)車台は、車輪と懸架手段を介して連結する。
また、傾動連結部材は、前記車体を前記車台に対して傾動可能に連結する。
さらに、操舵量変換部は、前記車体に固定され、前記運転者の車輪を転舵させる運転操作量を、車幅方向の変位に変換する。
そして、伝達連結部材は、前記変換された車幅方向変位を車輪に伝達して該車輪を転舵する。
ここで、回動部材の前記回転中心から径方向に延びる端部には、車輪のショックアブソーバ(ショックアブソーバ53)の一端が取り付けてある。
そして、車体傾動手段は、回転モータを回転させて回動部材を回動させることで回動部材の端部からショックアブソーバの一端に力を伝えて、車体を傾動させる。
これにより、車体を確実に傾動させることができる。
Claims (7)
- 車輪を転舵させる運転者の運転操作に応じてロール方向に車体を傾動させる車体傾動手段と、
車輪を転舵させる運転者の運転操作量に対する車輪の転舵角を調整する転舵角調整手段と、
前記車輪の転舵角を検出する車輪転舵角検出手段と、
前記車輪転舵角検出手段が検出した車輪の転舵角の増加に基づいて、前記車体の傾動の可変範囲の最大値を小さくする最大値制限手段と、
を備えることを特徴とする車両状態制御装置。 - 前記車輪転舵角検出手段は、運転者が車輪を転舵させるために操作する操作手段の操作量、又は前記転舵角調整手段を駆動する転舵角制御信号を基に、前記車輪の転舵角を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両状態制御装置。
- 車体の傾動量を検出する傾動量検出手段を備え、
前記最大値制限手段は、前記傾動量検出手段が検出した車体の傾動量の増加に基づいて、前記車輪の転舵角の可変範囲の最大値を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両状態制御装置。 - 前記傾動量検出手段は、車体の傾き角、前記車体傾動手段の構成部材の動作、又は前記車体傾動手段を駆動する傾動角制御信号を基に、前記車体の傾動量を検出することを特徴とする請求項3に記載の車両状態制御装置。
- 車輪と懸架手段を介して連結する車台と、
前記車体を前記車台に対して傾動可能に連結する傾動連結部材と、
前記車体に固定され、前記運転者の車輪を転舵させる運転操作量を、車幅方向の変位に変換する操舵量変換部と、
前記変換された車幅方向変位を車輪に伝達して概車輪を転舵する伝達連結部材と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の車両状態制御装置。 - 前記車体傾動手段は、車輪を転舵させる運転者の運転操作を基に制御される回転モータと、前記回転モータにより駆動されて、車両前後方向に平行な軸を回転中心として回動する回動部材と、を備え、
前記回動部材の前記回転中心から径方向に延びる端部には、車輪のショックアブソーバの一端が取り付けてあり、
前記車体傾動手段は、前記回転モータを回転させて回動部材を回動させることで、車体を傾動させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両状態制御装置。 - 車輪を転舵させる運転者の運転操作に応じてロール方向に車体を傾動させる車両状態制御方法において、
前記車輪の転舵角の増加に基づいて、前記車体の傾動の可変範囲の最大値を小さくすること、
を特徴とする車両状態制御方法。
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