JP4941722B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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本発明は、車両用操舵装置に関する。
自動車等の車両に用いられるステアリング装置には、ラックアンドピニオン機構等の舵取り機構が備えられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、舵取り機構に電動モータの操舵補助力を付与して、運転者の操舵を補助するようになっている。
特開2006−8055号公報
例えば、舵取り機構は、ピニオンの回転によって車両の左右方向に移動するラック軸と、ラック軸にタイロッドを介して連結されるナックルアームとを含んでおり、ラック軸を車両の左右方向に移動させてナックルアームを回動することにより、転舵輪を転舵する。特許文献1では、転舵の際、車体のうち転舵の内側の車高をアクティブサスペンションによって下げている(段落番号[0045])。これにより、転舵の際に左右の転舵輪の接地圧に偏りが生じないようにして、左右の転舵輪の接地圧が高くなり過ぎることを防止している。左右の転舵輪の転舵に必要な操舵力を小さくして、電動モータの小型化を図っている。
このように、転舵に必要な力を低減できるようにすることが要請されている。本発明は、この目的を達成することのできる車両用操舵装置を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明は、操舵部材(2)に連なる駆動部材(11)と、駆動部材(11)と連動回転可能に連なる従動部材(12)と、左転舵輪(18L)の転舵に連動して回転する左回転部材(19L)および右転舵輪(18R)の転舵に連動して回転する右回転部材(19R)と、従動部材(12)に連結されたケース(13)を含み、左回転部材(19L)および右回転部材(19R)の差動回転を許容する差動機構(8)と、左転舵輪(18L)および右転舵輪(18R)の接地荷重(WL,WR)を調整するための接地荷重調整機構(33L,33R)と、車速(V)が所定の値(V1)以下(ゼロを含む)であるという所定の条件が満たされた状態で操舵されるときに、転舵内側の転舵輪の接地荷重を転舵外側の転舵輪の接地荷重と比べて小さくするように接地荷重調整機構(33L,33R)を制御する制御部(42)と、上記所定の条件が満たされていないときに、左回転部材(19L)および右回転部材(19R)の差動回転を制限する差動制限機構(10)とを備えることを特徴とする車両用操舵装置(1)を提供するものである(請求項1)。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、車速が所定の値以下(ゼロを含む)であるという所定の条件下での転舵時に、転舵内側の転舵輪の接地荷重が相対的に小さくされて、対応する回転部材の回転抵抗が低減する。操舵部材の操舵力は、差動機構を介して、主に回転抵抗が低減された回転部材を回転し、対応する転舵輪の転舵量が多くなる。回転抵抗の低い転舵内側の転舵輪側の回転部材を主に回転させて転舵を行うので、転舵に必要な力(トルク)を少なくできる。また、この場合、据え切りや低速走行時の操舵等、一般的に操舵に大きな力が必要とされるときに、回転抵抗の少ない回転部材を主に回転させて操舵を達成でき、操舵に必要な力が少なくて済む。一方、左回転部材および右回転部材の差動回転を望まないときに、例えば、車速が高いときに、左右の回転部材の回転量を同じにでき、その結果、左右の転舵輪の転舵量を同じにできる。
また、本発明において、上記接地荷重調整機構(33L,33R)は、各上記転舵輪(18L,18R)に対する車体(31)の高さ(HL,HR)を調整する車高調整機構(33L,33R)を含み、上記制御部(42)は、上記所定の条件が満たされた状態で操舵されるときに、車高調整機構(33L,33R)によって、上記転舵内側の転舵輪に対する車体の高さを上記転舵外側の転舵輪に対する車体の高さと比べて高くするようにしてあることが好ましい(請求項2)。この場合、転舵内側の転舵輪の接地荷重を確実に少なくすることができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる車両用操舵装置1を車両前方側から見たときの概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、車両用操舵装置1は、自動車等の車両に備えられるものであり、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2に連なる操舵軸3と、操舵軸3に自在継手4を介して連結される中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連なる回転伝達機構7と、回転伝達機構7に連なる差動機構8と、差動機構8に連なる左舵取り機構9Lおよび右舵取り機構9Rと、差動制限機構10と、を備えている。
回転伝達機構7は、かさ歯車機構を含んでおり、中間軸5や操舵部材2に連なる小歯車としての駆動歯車11(駆動部材)と、駆動歯車11に噛み合う大歯車としての従動歯車12(従動部材)とを含んでいる。
差動機構8は、左舵取り機構9Lおよび右舵取り機構9Rの後述する左回転部材19Lおよび右回転部材19Rの互いの差動回転を許容するものであり、回転伝達機構7の従動歯車12と一体回転可能に連結されたケース13を含んでいる。
ケース13内には、一対のピニオン14,15および一対のサイドギヤ16,17が収容されている。一対のピニオン14,15は、それぞれ、ケース13に回転(自転)自在に支持されており、ケース13の軸線24回りにケース13と一体回転する。各ピニオン14,15は、それぞれ、各サイドギヤ16,17と噛み合っている。
左舵取り機構9Lは、左転舵輪18Lを操向するものであり、左回転部材19Lと、左回転部材19Lに形成されたねじ軸20Lに螺合するナット部材21Lと、ナット部材21Lとタイロッド22Lを介して連結されるナックルアーム23Lとを含んでいる。
左回転部材19Lは、細長い棒状に形成された軸部材であり、一端が一方のサイドギヤ16に一体回転可能に連結されている。左回転部材19Lの他端側に上記ねじ軸20Lが形成されている。左回転部材19Lは、図示しない軸受によって回転自在に且つ軸方向移動を規制されて支持されている。
ナット部材21Lは、左回転部材19Lの回転に伴い左回転部材19Lの軸方向に相対移動する。ナット部材21Lおよびねじ軸20Lによって、ねじ機構が形成されている。なお、ナット部材21Lとねじ軸20Lとの間に複数の玉等からなる転動体を介装してボールねじ機構を形成してもよい。ナックルアーム23Lは、左転舵輪18Lに連結されている。上記の構成により、左転舵輪18Lの転舵に連動して左回転部材19Lが回転する。
右舵取り機構9Rは、右転舵輪18Rを操向するものであり、右回転部材19Rと、右回転部材19Rに形成されたねじ軸20Rに螺合するナット部材21Rと、ナット部材21Rとタイロッド22Rを介して連結されるナックルアーム23Rとを含んでいる。
右回転部材19Rは、細長い棒状に形成された軸部材であり、一端が他方のサイドギヤ17に一体回転可能に連結されている。右回転部材19Rの他端側に上記ねじ軸20Rが形成されている。右回転部材19Rは、図示しない軸受によって回転自在に且つ軸方向移動を規制されて支持されている。
ナット部材21Rは、右回転部材19Rの回転に伴い右回転部材19Rの軸方向に相対移動する。ナット部材21Rおよびねじ軸20Rによって、ねじ機構が形成されている。なお、ナット部材21Rとねじ軸20Rとの間に複数の玉等からなる転動体を介装してボールねじ機構を形成してもよい。ナックルアーム23Rは、右転舵輪18Rに連結されている。上記の構成により、右転舵輪18Rの転舵に連動して、右回転部材19Rが回転する。
左回転部材19Lの軸線および右回転部材19Rの軸線は、それぞれ、ケース13の軸線24と一致している。ねじ軸20Lのねじれ方向とねじ軸20Rのねじれ方向は、互いに同じ(例えば、左ねじれ)にされている。
上記の構成により、運転者から操舵部材2に付与された操舵トルクは、操舵軸3等を介して差動機構8のケース13に伝達され、このケース13が軸線24回りに回転する。ケース13が軸線24回りに回転すると、左回転部材19Lおよび右回転部材19Rが連動して回転し、対応するナット部材21L,21Rが軸方向に移動する。上記対応するナット部材21L,21Rの移動に伴い、対応するナックルアーム23L,23Rの回動が引き起こされ、対応する転舵輪18L,18Rがそれぞれ転舵する。
差動制限機構10は、右回転部材19Rと左回転部材19Lとの互いの差動回転を規制するものであり、例えば油圧クラッチ機構を含んでいる。なお、本実施の形態では、差動制限機構として油圧クラッチ機構を用いた例を説明するが、電磁クラッチ機構等、他の機構を用いてもよい。
差動制限機構10は、左回転部材19Lと一体回転可能に連結された第1のクラッチ板25と、第1のクラッチ板25に近接して配置され、ケース13に一体回転可能に連結された第2のクラッチ板26と、右回転部材19Rと一体回転可能に連結された第3のクラッチ板27と、第3のクラッチ板27に近接して配置され、ケース13に一体回転可能に連結された第4のクラッチ板28と、を含んでいる。
差動制限機構10がオフにされているとき、第1および第2のクラッチ板25,26が互いに離隔しており、且つ、第3および第4のクラッチ板27,28が互いに離隔している。このとき、左回転部材19L、右回転部材19Rおよび差動機構8のケース13は互いに差動回転(相対回転)可能である。
一方、差動制限機構10がオンにされているとき、図示しない油圧ポンプが駆動されて油圧が発生し、この油圧で、図2に示すように、第1および第2のクラッチ板25,26を互いに摩擦接触させるとともに、第3および第4のクラッチ板27,28を互いに摩擦接触させる。これにより、左回転部材19L、右回転部材19Rおよび差動機構8のケース13が一体回転可能となる。
再び図1を参照して、各ナックルアーム23L,23Rには、緩衝部材としてのコイルばね29L,29Rの一端および減衰器としての油圧ダンパー30L,30Rの一端がそれぞれ接続されている。各コイルばね29L,29Rの他端および各油圧ダンパー30L,30Rの他端は、それぞれ、車体31の対応する左端部32Lおよび右端部32Rに連結されている。
車両用操舵装置1は、左転舵輪18Lおよび右転舵輪18Rの接地荷重WL,WRを調整するための接地荷重調整機構としての左車高調整機構33Lおよび右車高調整機構33Rを含んでいる。各車高調整機構33L,33Rは、例えば、油圧シリンダを含んでいる。
なお、本実施の形態では、車高調整機構として油圧シリンダを用いた例を説明するが、空気圧、ガス圧等の流体圧を用いた機構や、他の動力源を用いた機構を採用してもよい。
左車高調整機構33Lは、左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLを調整するものであり、筒状のシリンダ本体34Lと、シリンダ本体34L内を2つに仕切って第1および第2の油室を区画するピストン35Lと、ピストン35Lに固定されたロッド36Lとを含んでいる。
左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLとは、例えば、地面Sに垂直な方向に関する、左転舵輪18Lと車体31の左端部32Lとの間の距離をいう。
シリンダ本体34Lは、ベース部材37Lに固定されている。ベース部材37Lは、ナックルアーム23Lに固定されている。
シリンダ本体34L内の第1および第2の油室には、圧油が供給されて差圧が生じるようになっており、この差圧でピストン35Lを駆動する。
ロッド36Lの先端には、受け部材38Lが設けられている。受け部材38Lは、コイルばね29Lの一端および油圧ダンパー30Lの一端を互いに連結する連結部材39Lを受けており、受け部材38Lと連結部材39Lとは左転舵輪18Lの転舵に伴い相対摺動可能である。ロッド36Lが上下に移動することに伴い、コイルばね29Lの一端および油圧ダンパー30Lの一端がそれぞれ上下に移動する。
右車高調整機構33Rは、右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRを調整するものであり、筒状のシリンダ本体34Rと、シリンダ本体34R内を2つに仕切って第1および第2の油室を区画するピストン35Rと、ピストン35Rに固定されたロッド36Rとを含んでいる。
右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRとは、例えば、地面Sに垂直な方向に関する、右転舵輪18Rと車体31の右端部32Rとの間の距離をいう。
シリンダ本体34Rは、ベース部材37Rに固定されている。ベース部材37Rは、ナックルアーム23Rに固定されている。
シリンダ本体34R内の第1および第2の油室には、圧油が供給されて差圧が生じるようになっており、この差圧でピストン35Rを駆動する。
ロッド36Rの先端には、受け部材38Rが設けられている。受け部材38Rは、コイルばね29Rの一端および油圧ダンパー30Rの一端を互いに連結する連結部材39Rを受けており、受け部材38Rと連結部材39Rとは、右転舵輪18Rの転舵に伴い相対摺動可能である。ロッド36Rが上下に移動することに伴い、コイルばね29Rの一端および油圧ダンパー30Rの一端がそれぞれ上下に移動する。
連結部材39Lと連結部材39Rとは、接続部材40を介して互いに連結されている。接続部材40は、左右方向に延びており、一端が球面継手等の継手41Lを介して連結部材39Lに連結され、他端が球面継手等の継手41Rを介して連結部材39Rに連結されている。
左車高調整機構33L、右車高調整機構33Rおよび差動制限機構10は、CPU,RAMおよびROMを含む制御部42によって駆動制御される。
制御部42は、左車高調整機構33L、右車高調整機構33Rおよび差動制限機構10にそれぞれ接続されており、左車高調整機構33Lのロッド36Lの位置、右車高調整機構33Rのロッド36Rの位置、および差動制限機構10のオン/オフをそれぞれ制御する。
制御部42には、操舵部材2の操舵中立位置からの操作量としての操舵角θwを検出する操舵角センサ43と、車両の速度(車速V)を検出する車速センサ44とがそれぞれ接続されている。操舵角センサ43からは、操舵角θwに応じた信号が制御部42に入力され、車速センサ44からは、車速Vに応じた信号が制御部42に入力される。
車両用操舵装置1は、電動パワーステアリング装置でもあり、操舵補助用の電動モータ45を用いて操舵軸3に操舵補助力が付与されるようになっている。具体的には、操舵軸3が2つに分割されて間にトーションバー46が介装されており、操舵部材2に付与された操舵トルクに応じてトーションバー46が所定の範囲内で捩れるようになっている。この捩れによる、操舵軸3の一方と他方との相対回転量はトルクセンサ47で検出される。
トルクセンサ47から制御部42に、検出した操舵トルクに関する信号が出力される。制御部42は、検出された操舵トルクおよび車速V等に基づいて、電動モータ45を駆動する。電動モータ45の出力は、減速機構48を介して操舵軸3に付与され、運転者の操舵が補助される。
本実施の形態の特徴の1つは、所定の条件が満たされた状態で転舵されるときに、車高調整機構33L,33Rによって、一方の転舵輪としての転舵内側の転舵輪の接地荷重を、他方の転舵輪としての転舵外側の転舵輪の接地荷重と比べて小さくする点にある。
所定の条件とは、車両が停止している状態または所定の車速V1以下で走行する状態をいい、例えば、車速Vが所定の速度V1としての10km/h以下(ゼロを含む)である状態をいう。
なお、以下では、車両用操舵装置1による操舵動作について説明するが、各転舵輪18L,18Rを右側に転舵する右転舵についてのみ説明する。各転舵輪18L,18Rを左側に転舵する左転舵については、右転舵と同様であるので、説明を省略する。
車両の電源(図示せず)がオンにされている間、制御部42は、車速センサ44で検出された車速Vに関する信号、および操舵角センサ43で検出された操舵角θwに関する信号を読み込んでいる。
車速Vが上記所定の車速V1よりも高く(V>V1)上記所定の条件が満たされていない場合、制御部42は、差動制限機構10をオンにする。このとき、制御部42は、左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLと、右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRとが相等しくなるように左車高調整機構33Lおよび右車高調整機構33Rを駆動する。
差動制限機構10がオンにされると、第1および第2のクラッチ板25,26が互いに摩擦係合するとともに、第3および第4のクラッチ板27,28が互いに摩擦係合する。これにより、左回転部材19L、右回転部材19Rおよび差動機構8のケース13が軸線24回りに一体回転可能となり、互いの差動回転が制限される。
この状態で、図2に示すように、運転者によって操舵部材2が操作されると、操舵部材2に付与された操舵トルクが、操舵軸3や回転伝達機構7等を介してケース13に伝達され、ケース13、左回転部材19Lおよび右回転部材19Rが一体回転する。
これにより、各回転部材19L,19Rに対して、各ナット部材21L,21Rが、各回転部材19L,19Rの回転量CL,CRに応じて、同じ方向に同じだけ軸方向移動する。これにより、各ナックルアーム23L,23Rは、互いに同じ方向に同じ量だけ回動し、左右の転舵輪18L,18Rが同じ回転方向に同じ量だけ回動する。各転舵輪18L,18Rの転舵角θL,θRは互いに等しく、且つ接地荷重WL,WRは互いに等しい。
各転舵輪18L,18Rを操舵中立状態に戻すときも、操舵部材2の回転操作により、各回転部材19L,19Rを同じ回転方向に同じ量だけ回転して、各ナット部材21L,21Rを同じ方向に同じ量だけ移動させる。
図1を参照して、一方、車速Vが上記所定の車速V1以下(V≦V1。ゼロを含む。)のとき、制御部42は、差動制限機構10をオフにする。これにより、左回転部材19L、右回転部材19Rおよび差動機構8のケース13は、互いに差動回転可能となる。
図1に示すように、各転舵輪18L,18Rの転舵角θL,θRが共にゼロ(操舵中立状態)であるとき、制御部42は、左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLと、右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRとが相等しくなるように左車高調整機構33Lおよび右車高調整機構33Rを駆動する。
車両を操向するために、運転者が操舵部材2を右回転(右転舵)し、操舵角θwがゼロ以外の値になると、図3に示すように、制御部42が、右車高調整機構33Rを駆動してロッド36Rを上昇させ、連結部材39Rおよびコイルばね29Rを介して車体31の右端部32Rを上昇させる。これにより、転舵内側の転舵輪としての右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRを、転舵外側の転舵輪としての左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLと比べて高く(HR>HL)する。
これにより、車体31の重心は左右方向に関する車体31の左端部32L寄りとなり、左転舵輪18Lの接地荷重WLが相対的に大きくなり、右転舵輪18Rの接地荷重WRが相対的に小さく(WL>WR)なる。
操舵部材2からの操舵トルクは、回転伝達機構7等を介してケース13に伝達され、ケース13を回転させるが、ケース13の回転に伴う各回転部材19L,19Rの回転量CL,CRは、回転抵抗の小さい右回転部材19Rが相対的に多く、回転抵抗の大きい左回転部材19Lが相対的に小さい。
回転量CRの相対的に大きい右回転部材19Rによって、ナット部材21Rは右側に相対的に大きく移動し、右転舵輪18Rの転舵角θRが相対的に大きい。回転量CLの相対的に小さい左回転部材19Lによって、ナット部材21Lは右側に相対的に小さく移動し、左転舵輪18Lの転舵角θLが相対的に小さい。
各転舵輪18L,18Rを操舵中立状態に戻すときも、右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRを相対的に高くするとともに、左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLを相対的に低くした状態を維持しておき、操舵部材2の回転操作により、右回転部材19Rを相対的に多く回転させ、左回転部材19Lを相対的に少なく回転させる。
本実施の形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、車速Vが所定の値V1以下での転舵時に、転舵の内側の右転舵輪18Rの接地荷重WRが相対的に小さくされて、対応する右回転部材19Rの回転抵抗が低減する。操舵部材2の操舵力は、差動機構8を介して、主に回転抵抗が低減された右回転部材19Rを回転し、対応する右転舵輪18Rの転舵量が多くなる。回転抵抗の低い転舵内側の右回転部材19Rを主に回転させて転舵を行うので、転舵に必要な力(トルク)を少なくできる。しかも、転舵量の多い側である右転舵輪18Rの接地荷重WRを小さくしているので、この右転舵輪18Rの摩耗を少なくでき、右転舵輪18Rの実用上の寿命をより長くできる。
また、右転舵輪18Rに対する車体31の高さHRを、左転舵輪18Lに対する車体31の高さHLと比べて高くすることで、右転舵輪18Rの接地荷重WRを小さくしている。これにより、転舵内側の右転舵輪18Rの接地荷重WRを確実に少なくできる。
さらに、車速Vが所定の値V1より大きいときに、差動制限機構10によって左回転部材19Lおよび右回転部材19Rの差動回転を制限している。これにより、左回転部材19Lおよび右回転部材19Rの差動回転を望まない高速走行時に、各回転部材19L,19Rの回転量を同じにでき、その結果、各転舵輪18L,18Rの転舵量を同じにできる。高速走行時であれば、操舵に必要な力は少なくて済み、転舵の内側の右転舵輪18Rの接地荷重WRが大きくても、大きな操舵トルクは必要ない。
また、各転舵輪18L,18Rの接地荷重WL,WRを車高調整機構33L,33Rで相異ならせるときの条件として、車速Vが所定の値V1以下(ゼロを含む)であることと
しているので、据え切りや低速走行時の操舵等、一般的に操舵に大きな力が必要とされるときに、回転抵抗の少ない右回転部材19Rを主に回転させて操舵を達成でき、操舵に必要な力が少なくて済む。
操舵に必要な力が少なくて済むことにより、電動モータ45の定格出力を小さくでき、電動モータ45製造コストの低減、省電力化および小型化を達成できる。
また、車高調整機構33L,33Rと電動モータ45のそれぞれの出力を適正な値に設定することで、これら車高調整機構33L,33Rおよび電動モータ45の出力の総和を低減でき、更なる省エネ化を達成できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、回転伝達機構7の駆動歯車11を大歯車とし、従動歯車12を小歯車とし、回転伝達機構7で中間軸5の回転を増速してもよい。
また、回転伝達機構7に代えて、中間軸5に連なる駆動プーリと、ケース13に連なる従動プーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられたベルトとで回転伝達機構を構成してもよい。
また、転舵の外側の転舵輪に対する車体の高さを下げることにより、転舵の外側の転舵輪の接地荷重を大きくして、転舵の内側の転舵輪の接地荷重を小さくしてもよい。
さらに、転舵外側の転舵輪の接地荷重を、転舵内側の転舵輪の接地荷重と比べて小さくするようにしてもよい。この場合、車高調整機構33L,33Rによって、転舵外側の転舵輪に対する車体31の高さが、転舵内側の転舵輪に対する車体31の高さと比べて高くなるようにされる。
また、本発明を、電動モータ等の操舵補助力付与機構を持たないマニュアルステアリング装置に適用してもよい
本発明の一実施の形態にかかる車両用操舵装置を車両前方側から見たときの概略構成を示す模式図である。 車速が所定の値より大きいときの転舵の状態を示す図である。 車速が所定の値以下であるときの転舵の状態を示す図である。
符号の説明
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、8…差動機構、10…差動制限機構、11…駆動歯車(駆動部材)、12…従動歯車(従動部材)、13…ケース、18L…左転舵輪、18R…右転舵輪、19L…左回転部材、19R…右回転部材、31…車体、33L,33R…車高調整機構(接地荷重調整機構)、42…制御部、HL,HR…車体の高さ、V…車速、V1…所定の値、WL,WR…接地荷重。

Claims (2)

  1. 操舵部材に連なる駆動部材と、
    駆動部材と連動回転可能に連なる従動部材と、
    左転舵輪の転舵に連動して回転する左回転部材および右転舵輪の転舵に連動して回転する右回転部材と、
    従動部材に連結されたケースを含み、左回転部材および右回転部材の差動回転を許容する差動機構と、
    左転舵輪および右転舵輪の接地荷重を調整するための接地荷重調整機構と、
    車速が所定の値以下(ゼロを含む)であるという所定の条件が満たされた状態で操舵されるときに、転舵内側の転舵輪の接地荷重を転舵外側の転舵輪の接地荷重と比べて小さくするように接地荷重調整機構を制御する制御部と
    上記所定の条件が満たされていないときに、左回転部材および右回転部材の差動回転を制限する差動制限機構とを備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1において、上記接地荷重調整機構は、各上記転舵輪に対する車体の高さを調整する車高調整機構を含み、上記制御部は、上記所定の条件が満たされた状態で操舵されるときに、車高調整機構によって、上記転舵内側の転舵輪に対する車体の高さを上記転舵外側の転舵輪に対する車体の高さと比べて高くするようにしてある車両用操舵装置。
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