JP2010237609A - レジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板との密着性に優れた100nm以下の微細なレジストパターンを形成し得るレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】(i)基板上に特定の構造を有する表面処理剤を塗布し、前記基板を表面処理する工程、(ii)前記表面処理された基板上に、フェノール系樹脂を含む感光性組成物を塗布した後、加熱処理し、レジスト層を形成する工程、及び(iii)前記レジスト層を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、を含むレジストパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC、LSI、超LSI等の高密度集積回路の微細加工に用いられるレジストパターン形成方法に関する。
IC、LSI、超LSI等の半導体集積回路の原版であるフォトマスクは、合成石英基板に成膜したクロムなどの金属薄膜上にレジストを塗布し、電子線露光によりパターンを描画した後、加熱および現像により得られたレジストパターンをエッチングすることにより製造される。
上記リソグラフィー工程で得られるレジストパターンは、近年の半導体集積回路の高性能化、高集積化に伴い、100nm以下の非常に微細なパターンが要求される傾向にある。
微細パターンを形成するために用いられるレジスト材料としては、化学増幅型レジストが挙げられる。
化学増幅型レジストにはネガ型とポジ型があり、ネガ型レジストはアルカリ可溶性樹脂、酸発生剤、塩基性化合物、架橋剤等からなり、ポジ型レジストはアルカリ不溶性樹脂、酸発生剤、塩基性化合物等からなる。
ネガ型レジストの場合、電子線照射により酸発生剤から発生した酸は、加熱によりアルカリ可溶性樹脂と架橋剤の架橋反応を触媒し、その結果、アルカリ現像液に不溶なレジストパターンを形成することができる。
一方、ポジ型レジストの場合、電子線照射により酸発生剤から発生した酸は、加熱によりアルカリ不溶性樹脂をアルカリ可溶性樹脂に変化させる反応を触媒し、その結果、アルカリ現像液に可溶なレジストパターンを形成することができる。
このようにして形成されたレジストパターンは、基板上の金属膜とレジストとの密着性が不足している場合には、アルカリ現像工程中に、当該レジストが当該金属膜から剥がれてしまうことがある。また、現像工程中に剥がれなくても、その後のエッチング工程において当該レジストが当該金属膜から剥がれてしまい、金属のパターンが形成できないことがある。
このため、従来はレジストと金属膜との密着性を向上させるための方法として、ヘキサメチルジシラザンを用いた処理(OAP処理)が行われている。
しかしながら、ヘキサメチルジシラザンは、シリコン化合物のような金属基板とレジストの密着性を改善するのには非常に有効であるが、クロムなどの金属に対してはほとんど効果が見られないことが知られている。これは、クロムなどの金属の場合には、ヘキサメチルジシラザンとの反応に必要な水酸基の数が十分存在せず、更に、ヘキサメチルジシラザン自身がモノマーであるため、当該金属表面にある水酸基1個あたりの効果が薄くなるためである。
そこで、クロムとレジストの密着性改善手法としては、以下のような種々の方法が報告されている。
特許文献1には、遠紫外光(DUV光)をクロム膜表面に照射する方法が記載されており、DUV光によりクロム膜表面に付着した有機物やパーティクルを除去することで、レジストとクロム膜との密着性を高めるものである。
しかしながら、この方法では有機物やパーティクルが除去されることでクロム膜表面が親水化し、当該クロム膜と疎水性を示すレジストとの密着性が低下する場合がある。特に、微細なレジストパターンを形成する場合には、微細であるが故に、現像やエッチングなどの後工程において、レジストパターンがクロム膜から剥がれてしまうことがある。
特許文献2には、クロム基板表面をフッ素原子を含有する表面処理剤で処理する方法が記載されている。基板表面を表面処理剤で処理することにより、基板表面に対する純水の接触角をレジスト膜表面に対する純水の接触角に近づけることで、基板とレジストパターンとの密着性を改善する方法である。
しかしながら、特許文献2には、この方法では、レジストパターンの端部から100nmまでエッチング液が浸み込むことが記載されており、100nm以下の線幅のレジストパターンに対しては適用できないという課題があった。
更に、特許文献3には、化学増幅型レジストパターン用の表面処理剤としてシラン化合物を用いた方法が記載されている。
しかしながら、この方法における、フェノール系樹脂を用いたレジストに対する効果は明記されておらず、また、レジストを構成する樹脂の分子量についても明記されていない。従って、上記方法が、フェノール系樹脂、特に、低分子量のフェノール系樹脂を用いたレジストに対して効果を有するかは不明である。また、特許文献3では、最小線幅100nmまでしか評価しておらず、100nm以下の微細なレジストパターンに対する上記方法の有効性についても不明である。
特開平5−100406号公報 特開平9−171951号公報 特許第3871029号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、基板との密着性に優れた100nm以下の微細なレジストパターンを形成し得るレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基板表面を、特定の構造を有する表面処理剤で表面処理することにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るレジストパターン形成方法は、
(i)基板上に下記化学式(1)で表わされるモノマー、及び下記化学式(2)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーのいずれかから選択される少なくとも1種の表面処理剤を塗布し、前記基板を表面処理する工程、
(ii)前記表面処理された基板上に、フェノール系樹脂を含む感光性組成物を塗布した後、加熱処理し、レジスト層を形成する工程、及び
(iii)前記レジスト層を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、を含むことを特徴とする。
Figure 2010237609
[化学式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。フェニル基は、置換基を有していても良い。nは0〜10の整数を表し、y1及びy2は1〜3の整数を表す。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。]
Figure 2010237609
[化学式(2)中、Rは−(CHY基であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、グリシドキシ基又はメルカプト基を表す。Yにおいて、フェニル基は置換基を有していても良い。zは0〜10の整数である。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。y1は0〜3、y2は1〜4の整数を表す。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。]
本発明によれば、基板表面を上記特定の構造を有する表面処理剤で表面処理することにより、当該基板の表面処理面と前記フェノール系樹脂を含む感光性組成物からなるレジスト層との密着性を高めることができ、形状が良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明のレジストパターン形成方法においては、前記化学式(1)で表わされるモノマー及び前記化学式(2)で表わされるシラン化合物が、非ハロゲン系シラン化合物であることが、環境の点から好ましい。
本発明のレジストパターン形成方法においては、前記基板が、基板の少なくとも一面側に金属を成膜した金属薄膜を有する基板であり、当該金属薄膜側の表面に前記表面処理剤を塗布する、当該基板の一般的なフォトマスクの形態に好適に用いることができる。
本発明のレジストパターン形成方法においては、前記金属薄膜が、クロム、酸化クロム、窒化クロム及び酸化窒化クロムから選ばれる少なくとも1種類のクロム系化合物からなることが、当該クロム系化合物に効果のある密着性改善手法が数少ないため好ましい。
本発明のレジストパターン形成方法においては、前記フェノール系樹脂の分子量が50000以下であることが、微細パターン形成の点から好ましい。
本発明のレジストパターン形成方法においては、前記フェノール系樹脂が、下記化学式(3)で表される化合物であることが、高感度、且つ、高解像力で形状が良好なレジストパターンを形成する点から好ましい。
Figure 2010237609
[化学式(3)中、Rは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(4)に示す基からなる群より選ばれる基である。
Figure 2010237609
(化学式(4)中、Qは、アリール基又はシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは、各々独立に、水素原子又は有機基であり、複数あるRのうち少なくとも2つは水素原子である。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。n1は1〜3の整数、n2は0〜2の整数を表す。但し、n1+n2≦4となる組み合わせをn1及びn2の数値範囲から選択するものとする。x1は3〜12の整数を表す。R及びRにおいて、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。Qは置換基を有していても良い。また、化学式(3)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
本発明によれば、基板表面を特定の構造を有する表面処理剤で表面処理することにより、当該基板の表面処理面とフェノール系樹脂を含む感光性組成物からなるレジスト層との密着性を高めることができ、形状が良好なレジストパターンを形成することができる。
以下において本発明を詳しく説明する。
尚、本発明において単に「基板」と称するときは、レジスト層が形成される支持体を意味し、「レジスト基板」と称するときは、微細パターンを形成したい下地となる基板上に、レジスト層が形成された積層体を意味する。
本発明に係るレジストパターン形成方法は、
(i)基板上に下記化学式(1)で表わされるモノマー、及び下記化学式(2)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーのいずれかから選択される少なくとも1種の表面処理剤を塗布し、前記基板を表面処理する工程、
(ii)前記表面処理された基板上に、フェノール系樹脂を含む感光性組成物を塗布した後、加熱処理し、レジスト層を形成する工程、及び
(iii)前記レジスト層を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、を含むことを特徴とする。
Figure 2010237609
[化学式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。フェニル基は、置換基を有していても良い。nは0〜10の整数を表し、y1及びy2は1〜3の整数を表す。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。]
Figure 2010237609
[化学式(2)中、Rは−(CHY基であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、グリシドキシ基又はメルカプト基を表す。Yにおいて、フェニル基は置換基を有していても良い。zは0〜10の整数である。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。y1は0〜3、y2は1〜4の整数を表す。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。]
本発明によれば、基板表面を上記特定の構造を有する表面処理剤で表面処理することにより、当該基板の表面処理面と前記フェノール系樹脂を含む感光性組成物からなるレジスト層との密着性を高めることができ、形状が良好なレジストパターンを形成することができる。
基板表面を、上記特定の構造を有する表面処理剤で表面処理することにより、基板の表面処理面とフェノール系樹脂を含む感光性組成物からなるレジスト層との密着性が向上するのは、次のような理由によるものと考えられる。
上記化学式(1)で表わされるモノマーは、フェニル基を有し、当該フェニル基が感光性組成物中に含まれるフェノール系樹脂の芳香環とπ−π相互作用することにより、基板とレジスト層との密着性を向上させることができると推測される。また、上記化学式(2)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーにおいて、R中のYがフェニル基の場合、上記と同様の理由により、基板とレジスト層との密着性を向上させることができると推測される。
また、R中のYがグリシドキシ基、及びメルカプト基の場合には、フェノール系樹脂の水酸基との反応によりレジスト層との密着性が向上すると推測され、上記化学式(2)のようなオリゴマーの際には、特に反応確率が高くなるためだと推測される。
以下、各工程についてそれぞれ説明する。
(i)基板上に上記化学式(1)で表わされるモノマー、及び上記化学式(2)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーのいずれかから選択される少なくとも1種の表面処理剤を塗布し、前記基板を表面処理する工程、
本工程においては、先ず、上記特定の構造を有する表面処理剤を準備する。
上記化学式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
上記Rの炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基であることが好ましく、特に、メチル基であることが好ましい。これは、メチル基の場合にORが比較的加水分解しやすいためである。
上記化学式(1)中のフェニル基は置換基を有していても良く、当該置換基としては、例えば、炭素数1〜5の直鎖状、分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アシル基、-CH=CH基、-CH-CH=CH基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。また、これらの置換基の置換位置、及び置換基数は特に限定されない。
また、nは0〜10の整数、好ましくは0〜5の整数である。y1は1〜3の整数、好ましくは1であり、y2は1〜3の整数、好ましくは3である。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。
上記化学式(1)で表わされるモノマーは、非ハロゲン系シラン化合物であることが、環境の点から好ましい。
また、上記化学式(1)で表わされるモノマーとしては、下記化学式(5)で表わされる化合物が、基板とレジスト層との密着性を向上させる観点から好ましい。
Figure 2010237609
上記化学式(2)中、Rは−(CHY基であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、グリシドキシ基又はメルカプト基を示す。zは0〜10の整数、好ましくは0〜5の整数である。
上記Yとしての炭素数1〜4のアルキル基は、前記のRで示したとおりである。
上記Yとしてのフェニル基は置換基を有していても良く、当該置換基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アシル基、-CH=CH基、-CH-CH=CH基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。また、これらの置換基の置換位置、及び置換基数は特に限定されない。
の炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基であることが好ましく、特に、メチル基であることが好ましい。これは、メチル基の場合にORが比較的加水分解しやすいためである。
y1は0〜3の整数、好ましくは1であり、y2は1〜4の整数、好ましくは3である。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。
上記化学式(2)で表わされるシラン化合物は、非ハロゲン系シラン化合物であることが、環境の点から好ましい。
また、上記化学式(2)で表わされるシラン化合物としては、下記化学式(6)〜(10)で表わされる化合物が、基板とレジスト層との密着性を向上させる観点から好ましい。
Figure 2010237609
Figure 2010237609
Figure 2010237609
Figure 2010237609
Figure 2010237609
本発明で用いられるオリゴマーは、上記化学式(2)で表わされるシラン化合物の1種又は2種以上を加水分解させることによって得られる。
加水分解は常法によって行うことができ、具体的には上記化学式(2)で表わされるシラン化合物を溶剤に希釈した後、水を加え、必要に応じて、酸又はアルカリ触媒を添加し、温度5〜100℃で1〜24時間、加熱加水分解後、重合することにより得ることができる。
このようにして得られたオリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、基板とレジスト層との密着性を向上させる観点から、100〜4000であることが好ましく、更に200〜3000であることが好ましい。
尚、上記オリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算分子量で求めたものである。例えば装置として、東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」を用い、分離カラムとして、東ソー株式会社製「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結し、溶離剤としてテトラヒドロフランを用い、溶離剤流量:1.0ml/分、カラム温度:40℃、検出方法:示差屈折率(RI)として測定することができる。
その他の測定方法として、末端基定量法、VPO法、粘度法、光散乱法などが挙げられる。
上記溶剤としては、上記特定の構造を有する表面処理剤に対して、十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン系溶剤が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の表面処理剤は、上記化学式(1)で表わされるモノマー及び/又は上記化学式(2)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーを上記溶剤に溶解させて溶液として用いることができる。この場合、当該溶液の濃度は、0.01〜10重量%とすることが好ましく、更に0.03〜5重量%とすることが好ましく、特に0.05〜1重量%とすることが好ましい。当該濃度が0.01重量%未満の場合、十分な密着性が得られず、10重量%超過の場合、基板上にシラン化合物が分子状に何重にも積層し、当該シラン化合物において同一分子が基板とレジストの両方と化学結合できず、十分な密着性が得られない可能性がある。
次に、基板上に、必要に応じて溶剤に溶解させた上記特定の構造を有する表面処理剤を塗布し、当該基板を表面処理する。
本発明で用いられる基板としては、特に限定されず、シリコンウエハー等の金属基板、及びガラス、合成石英、或いはこれら基板の少なくとも一面側に、金属を1層以上成膜した金属薄膜を有する基板等が挙げられる。また、金属薄膜の材料としては、例えば、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系化合物、MoSi、MoSixNyOz(x、y、zは正の整数)などのMoSi化合物、SiOxNy(x、yは正の整数)などのSi化合物等が挙げられる。中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム及び酸化窒化クロムから選ばれる少なくとも1種類のクロム系化合物であることが、クロム系化合物に効果のある密着性改善手法が数少ないため好ましい。
基板の少なくとも一面側に金属を成膜する方法としては、蒸着、スパッタ等が挙げられる。
また、基板の厚みは、通常0.3〜7mm程度、好ましくは0.4〜6.5mmである。基板の少なくとも一面側に金属を成膜する場合、金属薄膜1層あたりの厚みは、通常35〜200nm程度、好ましくは35〜150nmである。
表面処理剤の塗布方法としては、スプレー法、ロールコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。中でも、密着性を向上させる点から回転塗布法が好ましい。
また、上記特定の構造を有する表面処理剤の塗布厚みは、通常5nm以下とすることができる。
基板として、基板の少なくとも一面側にクロム系化合物を成膜したクロム膜を有する基板を用いる場合、当該クロム膜上に上記特定の構造を有する表面処理剤を塗布した後、室温下で15分前後放置した後、150℃程度の高温で5分以上、好ましくは5〜30分加熱する。これにより、当該表面処理剤が加水分解および脱水縮合し、更に、クロム膜と脱水縮合することで、当該クロム膜との化学結合を形成する。
尚、上記の室温とは、23℃前後であり、湿度が45%RH前後の環境を指す。
(ii)前記表面処理された基板上に、フェノール系樹脂を含む感光性組成物を塗布した後、加熱処理し、レジスト層を形成する工程
本工程においては、まず、前記工程において表面処理された基板上に、上記の感光性組成物を塗布する。
本発明で用いられる感光性組成物は、フェノール系樹脂を含むものであれば特に限定されない。好ましくはアルカリ現像性を有する。当該フェノール系樹脂が、アルカリ現像性を有しない場合、感光性組成物がアルカリ現像性を有する他の樹脂を含み、当該感光性組成物全体でアルカリ現像性を有すれば良い。
本発明で用いられる感光性組成物は、レジスト層の感度を高めるために化学増幅型レジスト組成物であることが好ましい。化学増幅型レジスト組成物としては、ポジ型、ネガ型のいずれも用いることができる。
化学増幅型のポジ型レジスト組成物としては、フェノール系樹脂(以下、フェノール系樹脂(A)ともいう)の他に、例えば、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)、有機塩基性化合物(C)を含むレジスト組成物を挙げることができる。また、化学増幅型のネガ型レジスト組成物としては、フェノール系樹脂(A)の他に、例えば、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)、有機塩基性化合物(C)、架橋剤(D)を含むレジスト組成物を挙げることができる。また、これらネガ型レジスト及びポジ型レジストはアルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(E)をさらに含有してもよい。
以下、本発明で用いられる化学増幅型レジスト組成物(感光性組成物)の各組成について説明する。
<フェノール系樹脂(A)>
本発明で用いられるフェノール系樹脂(A)は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂等の分子量50000以下の高分子の他に、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有するオリゴマー及びモノマーを含む。
従来、基板上に、低分子量のフェノール系樹脂を含む感光性組成物からなるレジスト層を設けたレジスト基板を用いて、レジストパターンを形成した場合、当該レジストパターン自体が脆いため、基板から当該レジストパターンが剥がれるといった問題があった。
これに対して、本発明では、基板表面を、前記特定の構造を有する表面処理剤で表面処理することにより、当該基板の表面処理面とフェノール系樹脂を含む感光性組成物からなるレジスト層との密着性を向上させることができる。
従って、本発明においては、分子量が5000以下の低分子量のフェノール系樹脂を含む感光性組成物を用いた場合でも、当該感光性組成物からなるレジスト層と基板との密着性を高めることができる。
本発明においては、上記フェノール系樹脂(A)の分子量は、好ましくは50000以下、更に好ましくは30000以下、特に好ましくは10000以下である。また、100nm以下の微細パターン形成の場合には、当該フェノール系樹脂(A)の分子量は、5000以下であることが好ましい。このように低分子量のフェノール系樹脂を用いることにより、レジストパターンの高解像力化が図れる。
また、上記フェノール系樹脂(A)としては、下記化学式(3)で表される化合物であることが、高感度、且つ、高解像力で形状が良好なレジストパターンを形成する点から好ましい。
Figure 2010237609
[化学式(3)中、Rは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(4)に示す基からなる群より選ばれる基である。
Figure 2010237609
(化学式(4)中、Qは、アリール基又はシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは、各々独立に、水素原子又は有機基であり、複数あるRのうち少なくとも2つは水素原子である。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。n1は1〜3の整数、n2は0〜2の整数を表す。但し、n1+n2≦4となる組み合わせをn1及びn2の数値範囲から選択するものとする。x1は3〜12の整数を表す。R及びRにおいて、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。Qは置換基を有していても良い。また、化学式(3)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
上記化学式(3)で表される化合物において、Rのアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖でも、分岐状でも良い。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。また、二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していても良い。
アルキル基が有していても良い置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲノアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のハロゲノアルキル基が好ましく、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基等が挙げられる。
のシクロアルキル基としては、特に制限はなく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していてもよく、単環性、多環性のどちらでもよい。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。
シクロアルキル基が有していても良い置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシアルキル基が好ましく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。
シクロアルキル基が有していても良い置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子、及びハロゲノアルキル基は、上記Rのアルキル基で示したとおりである。
のアリール基としては、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜14、更に好ましくは炭素数6〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
また、アリール基が有していても良い置換基としては、シクロアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
アリール基が有していても良い置換基としてのシクロアルキル基は、上記のシクロアルキル基と同様のものが挙げられる。また、当該シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アリール基が有していても良い置換基としての炭素数1〜5のアルキル基、及びアルコキシアルキル基は、上記Rのシクロアルキル基で示したとおりである。また、アリール基が有していても良い置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子、及びハロゲノアルキル基は、上記Rのアルキル基で示したとおりである。
上記化学式(4)中のQのアリール基としては、上記Rとしてのアリール基と同様のものが挙げられる。Qのアリール基が有していても良い置換基は、上記アリール基が有する置換基と同様のものが挙げられる。また、上記化学式(4)中のQのシクロアルキル基としては、上記Rとしてのシクロアルキル基と同様のものが挙げられる。Qのシクロアルキル基が有していても良い置換基は、上記シクロアルキル基が有する置換基と同様のものが挙げられる。
の有機基は、本発明で用いられる上記化学式(3)で表わされる化合物をネガ型レジスト組成物に用いる際には、非酸分解性の有機基を表し、当該化合物をポジ型レジスト組成物に用いる際には、酸分解性又は非酸分解性の有機基を表す。
非酸分解性の有機基とは、酸の作用により分解することのない有機基(非酸分解性基)である。
本発明において、上記化学式(3)で表わされる化合物をネガ型レジスト組成物に用いる場合には、非酸分解性基を1分子中に3〜36個含有することが好ましい。より好ましくは
4〜36個、更に好ましくは4〜24個である。
非酸分解性基としては、例えば、置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基が挙げられる。
アルキル基、及びアルキル基が有していても良い置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。
シクロアルキル基、及びシクロアルキル基が有していても良い置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。
アリール基、及びアリール基が有していても良い置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。
酸分解性の有機基とは、酸の作用により分解しアルカリ可溶性基を生じる有機基(酸分解性基)である。酸分解性基は、上記化学式(3)で表わされる化合物をポジ型レジスト組成物に用いる際に、アルカリ現像液に対する溶解性を抑制する働きをする。この酸分解性基は、ArFエキシマレーザー、EUV(Extreme Ultra Violet)、EB(Electron Beam)、X線等を使用した露光により、後述の酸発生剤(B)から発生した酸によって脱離する。
上記化学式(3)で表わされる化合物をポジ型レジスト組成物に用いる場合には、酸分解性基を1分子中に3〜36個含有することが好ましい。より好ましく4〜36個、更に好ましくは4〜24個である。
酸分解性基としては、例えば、−CG、−COO−CG、−CG−COO−CG等が挙げられる。
ここで、Gは、それぞれ独立に、R2’又はR2’’である。
ここで、R2’は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R2’同士は互いに結合して環を形成しても良い。
2’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
2’及びR2’’のアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
2’及びR2’’のシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等が挙げられる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
2’及びR2’’のアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
2’及びR2’’のアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
2’及びR2’’のアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等が挙げられる。
2’及びR2’’が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
以下に、酸分解性基の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010237609
のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
のアルキル基としては、上記Rと同様のものが挙げられる。
としてのアルキル基が有していても良い置換基としては、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
のシクロアルキル基、及びシクロアルキル基が有していても良い置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。Rのアリール基、及びアリール基が有していても良い置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。
また、Rのアルコキシ基としては、上記Rと同様のものが挙げられる。
のアシル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
x1は3〜12の整数、好ましくは4〜12の整数、より好ましくは4〜8の整数である。
前記化学式(3)で表される化合物は、フェノール性水酸基を2つ以上有すれば、各繰り返し単位の同一符号で示される置換基はそれぞれ、同じであっても異なっていても良い。各繰り返し単位におけるOR及びRの位置が同じであっても異なっていても良い。また、各繰り返し単位におけるn1及n2の数がそれぞれ、同じであっても異なっていても良い。例えば、化学式(3)で表される化合物において、x1が4の場合、下記化学式(11)のように全ての繰り返し単位が同じであっても良いし、下記化学式(12)のように全ての繰り返し単位が異なっていても良い。
Figure 2010237609
Figure 2010237609
上記化学式(3)で表わされる化合物は、1分子中のフェノール性水酸基が2個以上存在すれば、多価フェノール化合物等の母核となる化合物(母核化合物)のフェノール性水酸基を非酸分解性基で保護しても良い。
以下に上記化学式(3)で表わされる化合物の母核化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010237609
上記化学式(3)で表される化合物の母核化合物は、例えば本州化学工業(株)などから市販されており、これを用いることができる。また、各種フェノール化合物と各種アルデヒド、ケトンの縮合により合成することもできる。
本発明の感光性組成物において、上記化学式(3)で表される化合物は、上述した化合物のうち、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。例えば、前記化学式(9)で表される化合物のように全ての繰り返し単位が同じ化合物と、前記化学式(10)で表される化合物のように全ての繰り返し単位が異なる化合物とを合わせて用いても良い。
前記フェノール系樹脂(A)が前記化学式(3)で表される化合物である場合、当該フェノール系樹脂(A)の含有量は、全固形分に対して、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは60〜85重量%である。
なお、本発明において、固形分とは、感光性組成物中に含まれる成分のうち有機溶剤以外のものを意味する。
<波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)>
本発明で用いられる波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
上記酸発生剤(B)としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート等が挙げられる。
その他の例としては、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート等が挙げられる。
また、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド等が挙げられる。
また、例えば、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン等が挙げられる。
また、例えば、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリル等が挙げられる。
また、例えば、モノクロロイソシアヌール酸、モノブロモイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、トリブロモイソシアヌール酸等が挙げられる。
更に、例えば、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン等のハロゲン含有トリアジン誘導体が挙げられる。
これらの酸発生剤(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記フェノール系樹脂(A)100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができず、多くなると、均一な溶液とならず、保存安定性が低下する。
<有機塩基性化合物(C)>
本発明において用いられる有機塩基性化合物(C)は、レジストパタ−ン形状、保管状態での経時安定性などを向上させるために、公知の有機塩基性化合物の中から任意のものを選択して使用することができる。
上記有機塩基性化合物(C)としては、含窒素有機化合物が挙げられ、例えば、窒素原子を有する含窒素化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び含窒素複素環式化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、2−メチルアニリン、トリベンジルアミン等の芳香族アミン類;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環式化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のピリジン類;及び、ピラジン、ピラゾール、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。
これらの有機塩基性化合物(C)は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機塩基性化合物(C)の配合量は、前記フェノール系樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部未満ではその添加の効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や未露光部の現像性が悪化する傾向がある。
<架橋剤(D)>
本発明において用いられる架橋剤(D)は、特に限定されず、従来の化学増幅型のネガ型レジスト組成物において使用されている公知の架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。例えば、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)]フェノール(MBHP)、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(メトキシメチル)]フェノール(MBMP)、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン等のヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素等のアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が挙げられる。これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。
メラミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシブチルメラミン等が挙げられる。
尿素系架橋剤としては、例えば、ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等が挙げられる。
アルキレン尿素系架橋剤としては、例えば、モノ及び/又はジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化エチレン尿素等のエチレン尿素系架橋剤;モノ及び/又はジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化プロピレン尿素等のプロピレン尿素系架橋剤;1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
グリコールウリル系架橋剤としては、例えば、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラブトキシメチル化グリコールウリル等が挙げられる。
これらの架橋剤(D)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記フェノール系樹脂(A)100重量部に対し、3〜40重量部、好ましくは3〜30重量部である。架橋剤(D)の配合量が、3重量部未満では架橋形成が十分に進行せず、良好なレジストパターンが得られない。また、40重量部を超えると、レジスト塗布液の保存安定性が低下し、感度が経時的に劣化するおそれがある。
<アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(E)>
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、更に、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(E)(以下、アルカリ可溶性樹脂(E)ともいう)を含んでいても良い。当該アルカリ可溶性樹脂(E)は、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的に必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し単位を含有することができる。
このような繰り返し単位としては、例えば、アクリル酸及びエステル類、メタクリル酸及びエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その他にも、上記繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。また、共重合させる単量体は、更に置換基を有していてもよい。
<その他の成分>
本発明の感光性組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
<化学増幅型レジスト組成物の調製>
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、通常、有機溶剤(F)に前記各成分を均一に混合することにより調製される。
有機溶剤(F)としては、化学増幅型レジストの溶剤として一般に用いられているものが使用できる。例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用することができる。さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒が含有されていても構わない。
レジスト組成分中の溶剤量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、溶剤は、レジスト組成物の固形分濃度が好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%の範囲内となる様に用いられる。
塗布方法は、基板表面に上記レジスト組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。
次に、当該基板上に塗布した上記レジスト組成物にプリベーク(PAB)を行い、有機溶剤(F)を除去して、レジスト層を形成する。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤(F)の種類等により適宜決めればよく、通常、50〜160℃、好ましくは60〜150℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜15分程度である。
(iii)前記レジスト層を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程
本工程においては、まず、前記レジスト層を、例えば、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターン形状を有するマスクを介した露光、又は当該マスクを介さない電子線の直接照射による描画等により、選択的に露光を行う。
露光光源は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、EUV(Extreme Ultraviolet:極紫外線)、電子線、X線等を用いて行うことができる。
次いで露光後に、露光後加熱(Post Exposure Bake、PEB)を行う。PEB処理の条件は、通常、50〜160℃の温度で、0.1〜15分程度の時間である。
次に、上記でPEB処理されたレジスト基板をアルカリ現像液を用いて現像処理し、露光光の未照射部分を除去する。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺同浸漬法等が挙げられる。
また、本発明のレジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n‐プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらのアルカリ現像液の中で、好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンの水溶液である。
また、アルカリ現像液としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いる場合、当該TMAH水溶液の濃度は、0.1%〜5%であることが好ましく、更に好ましくは0.5%〜3%であり、特に好ましくは1.19%〜2.38%である。2.38%濃度のTMAH水溶液は、一般に半導体産業において最も入手しやすい。また、当該TMAH水溶液の濃度が0.1%より薄い場合、空気中の二酸化炭素により現像液が中和されてしまい、感度が変動して安定的に製品を得る事が困難となる。
現像処理した後、リンス処理を行い、レジスト基板上のアルカリ現像液及び当該アルカリ現像液によって溶解した感光性組成物を洗い流し、乾燥させて、レジストパターンを得る。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
<カリックスレゾルシンアレン誘導体(1)の製造>
窒素雰囲気下、300mL三口フラスコ中、3−メトキシフェノール12.4g(0.1mol)をエタノール200mLに溶解した。これを氷浴下で冷却しながら2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド14.8g(0.1mol)を加え、次いで、濃塩酸25mLをゆっくりと滴下し、70℃で12時間反応させた。反応終了後、反応溶液を蒸留水500mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(黄色固体)をろ過した後、中性になるまで蒸留水で洗浄、乾燥した。精製は、高速液体クロマトグラフィーにより行い、下記化学式(13)で表わされる淡黄色の化合物、カリックスレゾルシンアレン誘導体(1)を得た。尚、構造確認は、Electrospray Ionization Mass Spectrometry(ESI−MS)、及びH‐NMRスペクトルにより行った。
Figure 2010237609
<実施例1>
UV/O処理、純水超音波による洗浄と高速回転乾燥、続いて180℃前後での高温加熱乾燥した厚さ0.7mmの酸化クロム成膜合成石英基板を用意した。次いで、上記化学式(5)で表わされるモノマー(KBM−103:商品名、信越化学工業(株)製)を1−メトキシ−2−プロパノールを用いて1重量%濃度に希釈した。この溶液を上記基板のクロム膜を成膜した面上に、高速回転塗布した後、室温約23℃、湿度約45%RHの部屋で15分間放置し、更に150℃で5分間加熱し、表面処理を行った。
次に、下記に示す組成のネガ型レジスト組成物を調製した。次いで、当該基板の表面処理をした面上に、当該ネガ型レジスト組成物を高速回転により塗布し、100℃で1分間加熱して、膜厚110nmのレジスト膜を形成し、レジスト基板を作製した。
<ネガ型レジスト組成物>
・カリックスレゾルシンアレン誘導体(1):1.95重量部
・酸発生剤(B)トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート:0.19重量部
・有機塩基性化合物(C)トリ−n−オクチルアミン:0.02重量部
・架橋剤(D)4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)]フェノール:0.29重量部
・溶剤(F)プロピレングリコールモノメチルエーテル:97.55重量部
<実施例2>
前記実施例1において、上記化学式(5)で表わされるモノマーの代わりに、上記化学式(6)及び化学式(9)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマー(KR−213:商品名、信越化学工業(株)製)を用い、1−メトキシ−2−プロパノールを用いて濃度0.1重量%に希釈した以外は、前記実施例1と同様にしてレジスト基板を作製した。
<実施例3>
前記実施例1において、上記化学式(5)で表わされるモノマーの代わりに、上記化学式(6)及び化学式(9)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマー(KR−213:商品名、信越化学工業(株)製)を用い、1−メトキシ−2−プロパノールを用いて濃度0.05重量%に希釈した以外は、前記実施例1と同様にしてレジスト基板を作製した。
<実施例4>
前記実施例1において、上記化学式(5)で表わされるモノマーの代わりに、上記化学式(6)及び化学式(9)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマー(KR−213:商品名、信越化学工業(株)製)を用い、1−メトキシ−2−プロパノールを用いて濃度1.00重量%に希釈した以外は、前記実施例1と同様にしてレジスト基板を作製した。
<実施例5>
前記実施例1において、上記化学式(5)で表わされるモノマーの代わりに、上記化学式(7)及び化学式(10)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマー(X−41−1053:商品名、信越化学工業(株)製)を用い、1−メトキシ−2−プロパノールを用いて濃度0.1重量%に希釈した以外は、前記実施例1と同様にしてレジスト基板を作製した。
<実施例6>
前記実施例1において、上記化学式(5)で表わされるモノマーの代わりに、上記化学式(8)及び化学式(10)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマー(X−41−1805:商品名、信越化学工業(株)製)を用い、1−メトキシ−2−プロパノールを用いて濃度0.1重量%に希釈した以外は、前記実施例1と同様にしてレジスト基板を作製した。
<比較例1>
前記実施例1において、酸化クロム成膜合成石英基板の表面を表面処理しなかった以外は、前記実施例1と同様にしてレジスト基板を作製した。
<比較例2>
UV/O処理、純水超音波による洗浄と高速回転乾燥、続いて180℃前後での高温加熱乾燥したクロム成膜合成石英基板を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)雰囲気下で80℃、10秒間加熱処理した後、当該基板上に、上記組成のネガ型レジスト組成物を高速回転により塗布し、100℃で1分間加熱し、レジスト基板を作製した。
(評価方法)
上記実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた各レジスト基板を、室温程度に冷ましてから、電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて、ライン線幅100nm以下の1:1のライン・アンド・スペース(1:1L/S)および1本の孤立ライン(isoL)を描画した。描画終了後、レジスト基板を100℃で1分間加熱した後、当該レジスト基板を23℃まで冷ましてから、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、レジストパターンを形成した。
当該レジスト基板は、SEMを用いて、100nm以下のどのサイズまでレジストパターンが剥がれることなく形成できているかを観察した。
尚、結果を表1に示す。
Figure 2010237609
<結果のまとめ>
上記表1に示す結果から、実施例1〜6では、100nm以下の微細なレジストパターンが剥がれることなく形成でき、クロム膜とレジストパターンの密着性を改善することができた。
グリシジル基を有するシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーでは、1:1L/Sが70nm、1本の孤立ライン(isoL)が40nmまで剥がれることなくレジストパターンを形成することができ(実施例5)、メルカプト基を有するシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーでは、1:1L/Sが70nm、isoLが50nmまで剥がれることなくレジストパターンを形成することができた(実施例6)。更に、ベンジル基を有するシラン化合物とメチル基を有するシラン化合物の2種類を加水分解させることによって得られるオリゴマーでは、isoLで更なる効果が見られ、35nmまで剥がれることなくレジストパターンを形成することができた(実施例2)。
尚、ここで言う剥がれとは、基板上でレジストパターンが垂直に立っていないことを指し、L/Sの隣り合うラインが折り重なるように倒れている場合やisoLが横倒しになっている状態も含む。
また、無置換のフェニル基を有するモノマーでは、1:1L/Sが60nm、isoLが40nmまで剥がれることなくレジストパターンを形成することができ、オリゴマーとの差もなく良好な結果が得られた(実施例1)。
これに対して、本発明の表面処理剤(シラン化合物)を用いない比較例1では、1:1L/S及びisoLともにレジストパターンが全て剥がれていた。また、HMDS処理した比較例2においても、1:1L/S及びisoLともにレジストパターンが全て剥がれていた。

Claims (6)

  1. (i)基板上に下記化学式(1)で表わされるモノマー、及び下記化学式(2)で表わされるシラン化合物を加水分解させることによって得られるオリゴマーのいずれかから選択される少なくとも1種の表面処理剤を塗布し、前記基板を表面処理する工程、
    (ii)前記表面処理された基板上に、フェノール系樹脂を含む感光性組成物を塗布した後、加熱処理し、レジスト層を形成する工程、及び
    (iii)前記レジスト層を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、を含むレジストパターン形成方法。
    Figure 2010237609
    [化学式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。フェニル基は、置換基を有していても良い。nは0〜10の整数を表し、y1及びy2は1〜3の整数を表す。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。]
    Figure 2010237609
    [化学式(2)中、Rは−(CHY基であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、グリシドキシ基又はメルカプト基を表す。Yにおいて、フェニル基は置換基を有していても良い。zは0〜10の整数である。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。y1は0〜3、y2は1〜4の整数を表す。但し、y1、y2は、y1+y2=4を満たすようにそれぞれの数値範囲から選択するものとする。]
  2. 前記化学式(1)で表わされるモノマー及び前記化学式(2)で表わされるシラン化合物が、非ハロゲン系シラン化合物である、請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
  3. 前記基板が、基板の少なくとも一面側に金属を成膜した金属薄膜を有する基板であり、当該金属薄膜側の表面に前記表面処理剤を塗布する、請求項1又は2に記載のレジストパターン形成方法。
  4. 前記金属薄膜が、クロム、酸化クロム、窒化クロム及び酸化窒化クロムから選ばれる少なくとも1種類のクロム系化合物からなる、請求項3に記載のレジストパターン形成方法。
  5. 前記フェノール系樹脂の分子量が50000以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
  6. 前記フェノール系樹脂が、下記化学式(3)で表される化合物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
    Figure 2010237609
    [化学式(3)中、Rは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(4)に示す基からなる群より選ばれる基である。
    Figure 2010237609
    (化学式(4)中、Qは、アリール基又はシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは、各々独立に、水素原子又は有機基であり、複数あるRのうち少なくとも2つは水素原子である。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。n1は1〜3の整数、n2は0〜2の整数を表す。但し、n1+n2≦4となる組み合わせをn1及びn2の数値範囲から選択するものとする。x1は3〜12の整数を表す。R及びRにおいて、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。Qは置換基を有していても良い。また、化学式(3)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
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