JP2010236836A - 蒸発器用内面溝付伝熱管 - Google Patents

蒸発器用内面溝付伝熱管 Download PDF

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Abstract

【課題】大径化しても十分なCO蒸発伝熱性能を保ちつつ、加工性が良好な内面溝付伝熱管を提供する。
【解決手段】管外径Dが7mmを超え13mm以下、フィンの高さHが0.1乃至0.4mm、フィンのリード角βが0乃至35°、フィン高さHと管外径Dとの比H/Dが0.01乃至0.05、溝の数Nが40乃至100個、溝の斜面がなす頂角θが10乃至40°である。管材料の引張強さをσB[N/mm]、フィンの根元半径をR[mm]、底肉厚をt[mm]としたとき、α=(H/D)×tが0.04以下、γ=(H/R)×tが0.5乃至4.0、tがt≧25.5×D/[2×(0.8×σB+25.5)]である。
【選択図】図1

Description

本発明はフィンアンドチューブ式熱交換器の蒸発器用内面溝付管に関し、特に、冷凍機油としてポリアルキレングリコール系油等を0.1乃至10%含有する二酸化炭素冷媒を使用する蒸発器用内面溝付伝熱管に関する。
従来、空調機、カーエアコン、冷蔵庫、冷凍機、給湯器及び自動販売機等に設けられている熱交換器には、フロン系の冷媒が使用されていたが、近時フロン系冷媒は地球温暖化に影響を与える物質として排出が規制されており、毒性及び可燃性が小さく安全で、安価で、さらに環境への負荷が小さい自然冷媒が注目されている。
このような自然冷媒の一種である二酸化炭素は、熱特性に大きく影響を与える液定圧比熱及び液熱伝達率が高く、熱交換効率が高いため、フロン系冷媒よりも伝熱性能が優れている。また、二酸化炭素は、表面張力が小さいため、フロン系冷媒よりも気泡が発生しやすく、核沸騰が促進されるため、冷媒として二酸化炭素を使用すると、フロン系冷媒を使用したときよりも伝熱性能が向上する。更に、二酸化炭素はフロン系冷媒よりも液粘性率及び密度が小さいため、二酸化炭素を冷媒として熱交換器に使用すると、冷媒の通流速度を大きくしても圧力損失を小さく抑えることが可能であり、高い熱伝導率が得られる。更にまた、二酸化炭素は蒸気密度及び潜熱が大きく、単位排除容積あたりの冷凍効果がフロン系冷媒より大きいため、二酸化炭素を冷媒とする熱交換器はコンパクト化に有利である。
一方、二酸化炭素は臨界温度が低く、二酸化炭素を冷媒とするエアコンの高圧側では放熱を伴った凝縮が行われず、更に蒸発器入り口での乾き度が高くなるため、冷房及び暖房の単純サイクルにおける理論性能が低いという問題点がある。このため二酸化炭素を冷媒として使用する場合は、冷媒が通過する伝熱管に高い伝熱性能が求められる。
そこで、CO冷媒を使用した熱交換器においては、銅又は銅合金製の伝熱管の内面に溝を形成した内面溝付管が使用されており、この内面溝により伝熱管と冷媒との接触面積を増大し、伝熱性能を向上させている。
例えば、特許文献1には、内面溝付伝熱管の管外径と底肉厚との関係、溝深さと単位溝当たりの溝断面積との関係、及び溝条数と管最大内径との関係を最適化することにより、十分な耐圧強度を保ちながら、管内熱伝達率を向上させたクロスフィンチューブ式熱交換器用内面溝付伝熱管が開示されている。
ここで、冷凍機油は冷凍空調機における圧縮機の潤滑、摩耗低減及び内部シールを目的として用いられる。冷凍機油には、析出物を発生させにくく、冷媒がよく溶解し、低温環境下における高い流動性があることが求められる。即ち、油の劣化、低温環境下での析出物の生成、又は溶媒の溶解量が少ない低温環境下における冷凍機油の凝固が発生してはならない。例えば、ポリアルキレングリコール系油は圧縮性及び熱伝導性及び流動性に優れており、鉄や銅と反応して析出物を生じることがないため、冷凍機油として好適に使用される。
この冷凍機油を含む二酸化炭素を冷媒とする熱交換器では、CO冷媒は蒸発器において液体から気体になるが、蒸発器入り口において、液体のCOと潤滑剤(冷凍機油)の液体とは混合せず二層分離して供給される。特許文献1に記載の伝熱管には、管外径と底肉厚の組み合わせによって、前記二層分離した冷凍機油が管表面に付着してCO液の蒸発を阻害する場合がある。
また、特許文献2には、外径が3乃至7mmの内面溝付伝熱管において、溝深さ及び管軸と内面溝とがなすリード角を最適化することにより、冷凍機油を含む二酸化炭素冷媒を使用する場合でも、圧力損失が増加せず、蒸発伝熱性能が優れた蒸発器用内面溝付伝熱管が提案されている。
しかしながら、特許文献2に開示された小径の蒸発器用内面溝付管を使用する場合、管内に溝を形成することによって溝間にフィンが形成され、管の流路断面積が減少して冷媒の流速が増加し、圧力損失が増大する。また、特許文献2に開示された内面溝付管においても、二酸化炭素冷媒に含まれる冷凍機油が滞留して、管内面が冷凍機油膜で覆われやすくなり、その結果、管壁の熱抵抗が増大し、蒸発性能を低下させてしまう。
本願発明者等は、特許文献3において、小径の内面溝付管においても管内面に冷凍機油膜が形成されることを最小限に抑制し、油膜による伝熱性能の低下を防止する蒸発器用内面溝付管を提案した。これらの特許文献2及び3に提案された内面溝付管は、管外径が小さいためコンパクト化に有利である。
エアコン、熱交換器等に使用されるフィンアンドチューブ式熱交換器は、アルミニウム又はステンレス等の板(これを熱交換器フィンという)を複数枚適長間隔をおいて平行に配置し、これらの熱交換器フィンに共通の貫通孔を設け、これらの貫通孔に伝熱管を通した後、伝熱管内に押し広げ工具(以下、ビュレット)を挿通し、ビュレットにより管内面を機械的に拡管して伝熱管と熱交換器フィンとを密着させることにより、製造したものである。伝熱管外部に熱交換器フィンを設けることで伝熱管と管外部流体との接触面積は増大し、伝熱管内部を通流させる流体と管外部熱交換器フィン側に通流させる流体との間の交換熱量が増大するが、この伝熱管に前述の内面溝付管を用いることで、伝熱性能は更に向上する。
このような製造方法によって製造されるフィンアンドチューブ式熱交換器に内面溝付管を使用する場合、管内面に形成されたフィンが十分な強度を有していないと、ビュレットによる機械拡管時にフィン潰れ及びフィン倒れが発生する。特に、底肉厚が増大した伝熱管を機械拡管する際にはフィン潰れ及びフィン倒れが発生しやすく、フィンアンドチューブ式熱交換器を組立てたときに伝熱性能が低下してしまうという問題点がある。
一方、業務用のエアコン、冷蔵庫等は機器の熱容量が大きく、これらの熱交換器に使用される管内には、多量の冷媒を通流する必要がある。しかしながら、上述の特許文献2及び3に開示された内面溝付管は、外径が7mm以下と小径である。そして、これらの小径の内面溝付管内部に多量の冷媒を通流させた場合、管内面を流れる冷媒の流速が増大し、管内面に形成されたフィンが抵抗として作用して圧力損失が増大し、却って蒸発性能が低下してしまうという問題点がある。
また、内面溝付管が熱容量の大きな機器に組み込まれる場合、一定の性能を確保するためには、管外表面積に対する管内表面積比をある程度大きく設定することが必要である。そして、内面溝付管の外径を大きくした場合、底肉厚を増大させざるを得ない。その結果、管内面にフィンを転造加工する際の加工性が低下したり、内面溝付管にヘアピン曲げ等の2次加工を施す際の加工性が低下するという問題点がある。
即ち、熱容量の大きな機器に使用される内面溝付管は、管内に通流される冷媒の量が多く、管が小径であると、圧力損失の増大によって蒸発性能が低下する。そして、蒸発性能を確保するために管外径を大きくすると、底肉厚の増大によって機械拡管時にフィン潰れ及びフィン倒れが発生し、更に、管の2次加工性が低下する。上述の特許文献1乃至3は、径が大きくなった管に固有の課題を解決するためのものではない。
特開2006−162100号公報 特開2006−64311号公報 特開2006−20166号公報
本願発明者等は、熱交換器製造の際の機械拡管工程において発生するフィン潰れ及びフィン倒れを防止するために、特願2008−072266号において、冷凍機油が滞留しにくく、十分なCO蒸発伝熱性能を保ちながら、フィン潰れ及びフィン倒れが発生しにくい内面溝付伝熱管を提案した。
しかしながら、特許文献2及び3と同様に、この先行出願の発明も小径管に関するものであり、冷媒流量が大きな業務用エアコン等に使用される場合の圧力損失の増大、蒸発性能の低下という大径管に固有の課題を解決するものではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、大径化しても十分なCO蒸発伝熱性能を保ちつつ、加工性が良好な内面溝付伝熱管を提供することを目的とする。
本発明に係る蒸発器用内面溝付伝熱管は、二酸化炭素を冷媒として使用するフィンアンドチューブ式熱交換器の蒸発器用内面溝付伝熱管において、管内面に管軸と平行又は傾斜する方向に伸びる複数個の溝が形成され、これらの溝間に複数個のフィンが形成されており、管外径Dが7mmを超え13mm以下、前記フィンの高さHが0.1乃至0.4mm、前記フィンのリード角βが0乃至35°、前記フィン高さHと管外径Dとの比H/Dが0.01乃至0.05、前記溝の数Nが40乃至100個、前記溝の斜面がなす頂角θが10乃至40°であり、管材料の引張強さをσB[N/mm]、フィンの根元半径をR[mm]、管の溝底部における肉厚である底肉厚をt[mm]としたとき、前記H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータα=(H/D)×tが0.04以下、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比に底肉厚tを乗じたパラメータγ=(H/R)×tが0.5乃至4.0、底肉厚tがt≧25.5×D/[2×(0.8×σB+25.5)]であることを特徴とする。
本発明の蒸発器用内面溝付伝熱管によれば、管外径D、フィン高さH、リード角β、溝数N、及び山頂角θを最適化することにより、外径が7mmを超える内面溝付管においても十分なCO蒸発伝熱性能を得ることができる。また、本発明の蒸発器用内面溝付伝熱管は、フィン高さH、管外径D、フィン根元半径R、及び底肉厚tを相互に連関させてこれらの最適値を規定することにより、内面溝付管に加工する際だけでなく、2次加工においても加工性が良好である。そして、フィン根元のR値を規定することによって伝熱管を機械拡管する際に発生するフィン潰れ及びフィン倒れが防止されるため、本発明の蒸発器用内面溝付き伝熱管は、フィンアンドチューブ式熱交換器に組み込まれた場合においても、優れた蒸発伝熱性能を得ることができる。
(a)は、本発明の実施形態に係る内面溝付伝熱管における管軸を含む縦断面図、(b)は管軸直交断面における内面溝付伝熱管の一部を示す断面図である。 フィン根元のR部を示す図である。 熱伝達率及び圧力損失の測定に使用した装置の構成を示す図である。 図3に示す蒸発器の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態に係る内面溝付伝熱管における管軸を含む縦断面図、図1(b)は管軸直交断面における内面溝付伝熱管の一部を示す断面図、図2は図1(b)の一部拡大断面図である。
内面溝付伝熱管21は、管内面に複数の溝22が螺旋状に形成されており、この螺旋溝22間の突起として螺旋状に伸びるフィン23が形成されている。溝22及びフィン23が形成されていることによって伝熱管内面と冷媒との接触面積が増え、伝熱性能が向上する。
次に、本発明の内面溝付伝熱管の形状について説明する。図1(a)に示すように、溝22の管軸方向に対するリード角をβとし、図1(b)に示すように、管21の外径をD、管軸直交断面においてフィン23の高さをH、底肉厚をt、フィン23の頂角をθとし、図2に示すように、フィン23の根元半径をRとする。このとき、本発明においては、管21の外径Dは7mmを超え13mm以下であり、フィン23の高さHは0.1乃至0.4mm、溝22が管軸に対して有するリード角βは0乃至35°である。また、フィン高さHと管外径Dとの比H/Dが0.01乃至0.05であり、管内に形成される溝22の数Nが40乃至100個、溝22の斜面がなす頂角θが10乃至40°である。更に、前記H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータα=(H/D)×tが0.04以下であり、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比に底肉厚tを乗じたパラメータγ=(H/R)×tが0.5乃至4.0である。
更にまた、管材料の引張強さをσB[N/mm]として底肉厚tはt≧25.5×D/[2×(0.8×σB+25.5)]を満足する。ここで、管材料としてりん脱酸銅が使用される場合、管材料の引張強さσBは、冷凍保安規則関係例示基準より240.5[N/mm]である。
以下、上記数値限定の理由について説明する。
「管外径D:7mmを超え13mm以下」
伝熱管を内面溝付管とすることにより管内の伝熱面積が増大し、更に、管内に形成されたフィンによりCO冷媒が撹拌されるため、伝熱性能が向上する。内面溝付管は後述するように、縮径された管に対し、管内に縮径プラグと回転自在に連結されて配置された溝付プラグの位置にて、管外面を転造ボール又は転造ロールによって押圧することによって、管内面に溝形状を転写する転造加工により製造される。この溝形状が転写された内面溝付管に縮径加工を施すことによって、所定の径の内面溝付管が製造される。内面溝付管は管断面における管肉部の断面積が小さい程伝熱性能が高くなるため、管外径が小さい方が伝熱性能の点では有利である。しかしながら、本発明は業務用エアコン等、比較的容量の大きい熱交換器に使用される蒸発器用内面溝付管を対象とする。従って、内面溝付管の外径は7mmを超えていることを前提とする。内面溝付管の管内を通流する冷媒の使用圧力を一定とするとき、伝熱管が冷媒の使用圧力で破壊しないようにするため、その肉厚は外径に比例して大きくする必要がある。管外径が13mmを超えるとコンパクト化に不利であるとともに、管の耐圧強度を確保するために肉厚を大きく確保する必要があるため、内面溝付管を組み込む蒸発器の質量が増大し、軽量化に不利となる。また、管の肉厚が増大すると、管内面への溝加工及び管の縮径加工時に工具負荷が大きくなって、内面溝付管の生産性が悪くなる。よって、管外径Dは7mmを超え13mm以下である。
「フィン高さH:0.1乃至0.4mm」
フィン高さを高くすれば伝熱管と冷媒との接触面積が増えて伝熱性能が向上する。しかしながら、フィン高さが0.4mmを超えると、フィンが管内の冷媒の流れを妨げる抵抗となって圧力損失を増やしてしまうため、結果として蒸発伝熱性能は低下する。一方、フィン高さが0.1mm未満の場合、伝熱管と冷媒との接触面積は増大するが、フィンが冷媒を攪拌する効果が小さくなり、熱伝達率の向上につながらない。従って、フィン高さHは0.1乃至0.4mmである。更に、圧力損失の低減を重視するなら、フィン高さHは0.30mm以下であることが好ましい。
「リード角β:0乃至35°」
内面溝付管の蒸発伝熱性能は、管内面に形成される溝が管軸に対してなすリード角による影響が大きく、伝熱管のフィンが管軸に対してリード角βを有することで、管内を流れる冷媒のフィンに対して垂直な速度成分が生じるため、伝熱面積が増大し、伝熱性能が向上する。しかし、リード角が35°を超えるとフィン自身が管内の冷媒の流れを妨げる抵抗として働き、蒸発伝熱性能の向上よりも圧力損失増加の方が大きくなる。従って、リード角βは0乃至35°である。
「フィン高さHと外径Dとの比H/D:0.01乃至0.05」
管外径Dに対するフィン高さHの比が0.01未満であると、熱伝達率は向上せず、平滑管と同等の蒸発伝熱性能しか得られない。一方、管外径Dに対するフィン高さHの比が0.05を超えると、伝熱面積が増大して伝熱性能は向上するが、管外径に対するフィン高さの割合が高くなり、機械拡管時のフィン潰れ、フィン倒れが発生しやすくなる。従って、フィン高さHと外径Dとの比H/Dは0.01乃至0.05である。
「管内面の溝数N:40乃至100個」
管内面に存在する溝の数が多いほど、管内面の内表面積が大きくなり伝熱量が大きくなる。しかし、溝数が100を超えると、フィンが管内の冷媒の流れを妨げる抵抗となり、伝熱面積の増大による熱伝達率の向上よりも圧力損失の増加の方が顕著となり、蒸発伝熱性能が低下する。一方、溝数が40未満であると、伝熱面積の増大が熱伝達率の向上につながらず、平滑管と同等の蒸発伝熱性能しか得られない。従って、管内面の溝数Nは40乃至100個である。
「フィンの頂角θ:10乃至40°」
フィンの頂角が小さいほど溝底幅が広くなり、溝部に保持しうる冷媒の量が増え、更に伝熱面積も増えるため熱伝達率が向上し、更に、管内の冷媒の流れに直交するフィンの断面積が減り圧力損失が減少するため、蒸発伝熱性能が高くなる。しかし、山頂角が10°未満になるとフィン幅が小さくなるため、熱交換器フィンと内面溝付管とを密着させる機械拡管の際、フィン潰れ、フィン倒れが発生し、伝熱面積が減少して蒸発伝熱性能は低下してしまう。一方、山頂角が40°を超えると溝底幅が小さくなるため、隣接する溝間を流れる冷媒の量が減り、蒸発伝熱性能が低下する。更に、管内の冷媒の流れに直交するフィンの断面積が増えて圧力損失が増大するため、蒸発伝熱性能は低下する。従って、フィンの頂角θは10乃至40°である。
「フィン高さHと外径Dとの比H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータα=(H/D)×t:0.04以下」
内面溝付管と熱交換器フィンとを密着させる際に行う機械拡管工程において、底肉厚tが大きくなる程拡管に要する力が大きくなり、フィン高さHが高くなる程拡管時にフィンに負荷される力が大きくなるため、フィン潰れ及びフィン倒れが発生しやすくなる。本発明においては、適正な底肉厚及びフィン高さを規定するためにフィン高さと外径との比H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータαを用いることとする。即ち、底肉厚が大きい程拡管に必要な力が大きくなるため、フィン高さを小さくする必要があり、フィン高さが高い程フィン根元にかかる力が大きくなるため、管の外径を大きくする必要がある。αが0.04を上回ると、機械拡管時のフィン潰れ、倒れが生じ、蒸発伝熱性能が急激に低下する。従って、フィン高さHと外径Dとの比H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータα=(H/D)×tは0.04以下である。
「フィン高さHとフィン根元半径Rとの比H/Rに底肉厚tを乗じたパラメータγ=(H/R)×t:0.5乃至4.0」
内面溝付管と熱交換器フィンとを密着させる際に行う機械拡管工程において、底肉厚tが大きくなる程拡管に要する力が大きくなり、フィン高さHが高くなる程拡管時にフィンに負荷される力が大きくなるため、フィン潰れ及びフィン倒れが発生しやすくなる。そこで、フィン斜面と溝底部とを滑らかな弧で結ぶことにより、フィンの潰れ及びフィン倒れに対する抗力を高める。本発明においては、適正なR値を規定するために、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比H/Rに底肉厚tを乗じたパラメータγ=(H/R)×tを用いることとする。つまり、機械拡管に必要な力が大きい程、又はフィン高さが高くなる程、フィン根元半径Rを大きくする必要があるため、フィン根元半径Rは底肉厚t及びフィン高さHに比例する値であると規定する。γが0.5未満である場合、底肉厚及びフィン高さに比してフィン根元半径Rが大きくなるため、管の内表面積が減少し、伝熱量が低下する。一方、γが4.0より大きいと、底肉厚及びフィン高さに比してフィン根元半径Rが小さくなって、フィン潰れ及びフィン倒れが発生し、蒸発伝熱性能が急激に低下する。従って、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比H/Rに底肉厚tを乗じたパラメータγ=(H/R)×tは0.5乃至4.0である。
次に、この管の製造方法について説明する。製造装置は縮径部、転造部、整径部からなる。銅又は銅合金からなる素管は、まず縮径部に挿入され、テーパ状に内径が減少する縮径ダイス及び管内に挿入される縮径プラグによって縮径される。縮径された素管は転造部に入り、管内面に配置された溝付プラグの位置において管外面に転接しながら遊星回転する転造ボール又は転造ロールによって縮径及び溝加工が施される。このとき、溝付プラグは縮径プラグと回転可能に連結され、素管の引き抜き力に抗してフローティング状態でその位置に保持されており、管外面を転造ボール又は転造ロールによって押圧することにより、溝付プラグの外面に形成された螺旋状の溝内に素管内面の管肉が侵入して管内面に溝が形成される。そして、溝加工を施された管は、整径部で縮径され、所定の外径の内面溝付管となる。素管の外径、肉厚、縮径部における縮径率、転造部における縮径率、及び整径部における縮径率を適当に組合わせることにより、所定の外径、肉厚の内面溝付管を製造することができる。
以下、本発明の実施例の効果について比較例と対比して説明する。下記表1乃至表3は、実施例及び比較例の形状条件を示す。実施例及び比較例の内面溝付管の製造には、引張強さσBが240.5[N/mm]のりん脱酸銅又は267.0[N/mm](実施例8)の銅合金を使用し、縮径部における縮径率、転造加工時に管内に挿入する溝付プラグの種類、整形部における縮径率を変化させることによって、種々の形状の実施例及び比較例の内面溝付管を得た。また、管内面に溝を転造加工した後、溝の成形性を調査した。管内に形成された溝(フィン)の形状が良好であったものを○、良好ではなかったものを×として表1乃至表3に示す。
性能比の評価は、同一の径及び底肉厚の平滑管と比較したときの熱伝達率によって行った。熱伝達率測定は図3に示される装置を使用して行った。図4はその蒸発器の構成を示す。図3に示されるように、本実施例で使用した測定装置には、CO冷媒を圧縮する事により高温にする圧縮機2と、凝縮器であるガス冷却器4と、CO冷媒を膨張させて低温にする膨張弁7と、試験部である蒸発器1が設けられている。また、圧縮機2の出口には、冷媒中の冷凍機油を分離するオイルセパレータ3aが設けられており、更に、圧縮機2の入口及びガス冷却器4の出口には夫々冷媒の脈動をなくすアキュームレータ5a及び5bが設けられている。
本実施例においては、圧縮機用の冷凍機油としてポリアルキレングリコール系油を使用し、蒸発器1の出口に設けたオイルセパレータ3bによってCO冷媒中の冷凍機油を分離し、この分離した冷凍機油をオイル冷却器10で冷却した後、オイルポンプ11及び流量計12を経由して再度CO冷媒中に添加することにより、蒸発器1の直前の部分における冷凍機油含有量を0.1質量%に調節した。なお、CO冷媒中の冷凍機油含有量は、予熱器8の直前のサンプリングポート14においてCO冷媒を採取し、精密化学天秤によりその質量を測定することにより求めた。本実施例において、CO冷媒中の冷凍機油含有量の好ましい範囲は0.2質量%以下である。
また、図4に示されるように蒸発器1に実施例又は比較例の内面溝付管を内部に配置した二重管3本を直列に接続し、実施例又は比較例の内面溝付管の内部にCOを通流させ、これらの伝熱管と外管の間には冷却水を通流させた。その際、CO冷媒の通流方向は冷却水の通流方向と逆になるようにし、この冷却水の入側と出側の温度を測定する事により交換熱量を測定した。この交換熱量を用いて、管の熱伝達率を測定した。
性能比を内面溝付管の熱伝達率/平滑管の熱伝達率とする。
拡管性の評価は、実施例又は比較例の内面溝付管とアルミニウム製熱交換器フィンとを機械拡管することにより密着させ、拡管後の管の内面形状を調査し、フィン潰れ、倒れの有無を確認することによって行った。
Figure 2010236836
Figure 2010236836
Figure 2010236836
これらの表1乃至表3に示すように、実施例1乃至8は管外径Dが本発明の範囲を満足するので、本発明の範囲を満足しない比較例1及び2に比して対平滑管の性能比が高い。比較例8は管外径Dが本発明の範囲を超え、溝成形性及び拡管性が低下した。また、実施例1乃至8はフィン高さHが本発明の範囲を満足するので、フィン高さHが本発明の範囲を下回る比較例14に比して性能が優れており、フィン高さHが本発明の範囲を超える比較例10に比して溝成形性が優れている。比較例17は、リード角βが本発明の範囲を超え、溝成形性及び拡管性が低下した。実施例1乃至8は、溝数Nが本発明の範囲を満足するので、本発明の範囲を満足しない比較例3及び4に比して性能が高い。比較例9は、山頂角θが本発明の範囲を超え、性能が低下した。一方、比較例6は、山頂角θが本発明の範囲を下回り、管内に溝を成形する際に成形不良となり、拡管性の評価及び性能比の評価を実施することができなかった。
実施例1乃至8は、フィン高さHと外径Dとの比H/Dが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を下回る比較例15に比して性能が高く、本発明の範囲を超える比較例11に比して拡管性が優れている。また、比較例12は、フィン高さHと外径Dとの比H/Dが本発明の範囲を満足するものの、H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータαが本発明の範囲を超え、溝成形性及び拡管性が低下した。実施例1乃至8は、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比に底肉厚tを乗じたパラメータγが本発明の範囲を満足するので、本発明の範囲を下回る比較例16に比して性能が高い。一方、比較例7及び13は、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比に底肉厚tを乗じたパラメータγが本発明の範囲を超えるので、溝成形性及び拡管性が低下した。このうち、比較例7については、管内に溝を成形する際に成形不良となり、拡管性の評価及び性能比の評価を実施することができなかった。比較例5及び8は、フィン高さHが本発明の範囲を超えることによって、他のパラメータが大きくなり、溝成形性及び拡管性が低下した。
1;蒸発器、2;圧縮機、3a、3b;オイルセパレータ、4;ガス冷却器、5a、5b;アキュームレータ、6、12;流量計、7;膨張弁、8;予熱器、9;過熱器、10;オイル冷却器、11;オイルポンプ、13;熱源、14;サンプリングポート、15a〜15c;二重管、16a〜16f;熱源水混合室、17a〜17d;差圧変換器、18a〜18e;冷媒混合室、19a〜19e;熱電対、20a〜20e;圧力変換器、21:内面溝付伝熱管、22:溝、23:フィン、β:リード角、D:管内径、H:フィン高さ、t:底肉厚、θ:山頂角、R:フィン根元半径

Claims (1)

  1. 二酸化炭素を冷媒として使用するフィンアンドチューブ式熱交換器の蒸発器用内面溝付伝熱管において、管内面に管軸と平行又は傾斜する方向に伸びる複数個の溝が形成され、これらの溝間に複数個のフィンが形成されており、管外径Dが7mmを超え13mm以下、前記フィンの高さHが0.1乃至0.4mm、前記フィンのリード角βが0乃至35°、前記フィン高さHと管外径Dとの比H/Dが0.01乃至0.05、前記溝の数Nが40乃至100個、前記溝の斜面がなす頂角θが10乃至40°であり、管材料の引張強さをσB[N/mm]、フィンの根元半径をR[mm]、管の溝底部における肉厚である底肉厚をt[mm]としたとき、前記H/Dに底肉厚tを乗じたパラメータα=(H/D)×tが0.04以下、フィン高さHとフィン根元半径Rとの比に底肉厚tを乗じたパラメータγ=(H/R)×tが0.5乃至4.0、底肉厚tがt≧25.5×D/[2×(0.8×σB+25.5)]であることを特徴とする蒸発器用内面溝付伝熱管。
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