JP2009243722A - 内面溝付管 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械拡管によるフィン潰れ・倒れが発生し難く、冷凍機油を含む二酸化炭素冷媒を使用する場合においても、蒸発伝熱性能が優れたフィンアンドチューブ式熱交換器用内面溝付管を提供する。
【解決手段】1.5質量%以下の冷凍機油を含む二酸化炭素冷媒を使用するフィンアンドチューブ式熱交換器用の銅又は銅合金製の内面溝付管21において、外径Dが3乃至8mm、S=3、α=0.8であり、冷媒の圧力をP’[MPa]、管材料の管軸方向の引張り強さをσB[N/mm2]としたとき、底肉厚tが下記数式を満足するような寸法とする。
Figure 2009243722

【選択図】図1

Description

本発明はフィンアンドチューブ式熱交換器の銅又は銅合金製内面溝付管に関し、特に、冷凍機油としてポリアルキレングリコール系油等を含有する二酸化炭素冷媒を使用する内面溝付管に関する。
従来、空調機、カーエアコン、冷蔵庫、冷凍機、給湯器及び自動販売機等に設けられている熱交換器には、フロン系の冷媒が使用されていたが、近時フロン系冷媒は地球温暖化に影響を与える物質として排出が規制されており、毒性及び可燃性が小さく安全で、安価で、さらに環境への付加が小さい自然冷媒が注目されている。
このような自然冷媒の一種である二酸化炭素は、熱特性に大きく影響を与える液定圧比熱及び液熱伝達率が高く、熱交換効率が高いため、フロン系冷媒よりも伝熱性能が優れている。また、二酸化炭素は、表面張力が小さいため、フロン系冷媒よりも気泡が発生しやすく、核沸騰が促進されるため、冷媒として二酸化炭素を使用すると、フロン系冷媒を使用したときよりも伝熱性能が向上する。更に、二酸化炭素はフロン系冷媒よりも液粘性率及び密度が小さいため、二酸化炭素を冷媒として熱交換器に使用すると、冷媒の通流速度を大きくしても圧力損失を小さく抑えることが可能であるため、高い熱伝導率が得られる。更にまた、二酸化炭素は蒸気密度及び潜熱が大きく、単位排除容積あたりの冷凍効果がフロン系冷媒より大きいため、二酸化炭素を冷媒とする熱交換器はコンパクト化に有利である。
一方、二酸化炭素は臨界温度が低く、二酸化炭素を冷媒とするエアコンの高圧側では放熱を伴った凝縮が行われず、更に蒸発器入り口での乾き度が高くなるため、冷房及び暖房の単純サイクルにおける理論性能が低いという問題点がある。このため二酸化炭素を冷媒として使用する場合は、冷媒が通過する伝熱管に高い伝熱性能が求められる。
そこで、二酸化炭素を冷媒として使用した熱交換器においては、銅又は銅合金製の伝熱管の内面に溝を形成した内面溝付管が使用されており、この内面溝により伝熱管と冷媒との接触面積を増大し、伝熱性能を向上させている。
フィンアンドチューブ式熱交換器は、アルミニウム又はステンレス等の板(これを熱交換器フィンという)を複数枚適長間隔をおいて平行に配置し、これらの熱交換器フィンに共通の貫通孔を設け、この貫通孔に伝熱管を通したのち伝熱管内に拡管玉を挿通し、拡管玉により管内面を機械的に拡管して伝熱管と熱交換器フィンとを密着させることにより、製造したものである。伝熱管外部に熱交換器フィンを設けることで伝熱管と管外部流体との接触面積は増大し、伝熱管内部を通流させる流体と管外部熱交換器フィン側に通流させる流体との間の交換熱量が増大するが、この伝熱管に前述の内面溝付管を用いることで伝熱性能はさらに向上する。
しかし、伝熱管と管外部熱交換器フィンとを密着させる機械拡管においては、管内面に形成されているフィンに応力が印加され、管内面のフィン先端が潰れたり倒れたりしやすい。そうすると、伝熱面積が減少して、伝熱管として内面溝付管を使用する効果が得られなくなることがある。更に、伝熱性能を向上させるために管内面に形成されるフィンの高さを高くしたりフィン幅を薄くすると、このフィン潰れ及びフィン倒れはより一層発生しやすくなる。
この機械拡管時に発生する管内面のフィン潰れ及びフィン倒れを防止するために、管内面に形成する溝形状又はフィン形状を調整し、更に、この溝及びフィンを管軸に対して捻ることで冷媒と管内面との接触面積を増やして、伝熱性能を向上させた内面溝付管が提案されている。
例えば、特許文献1には、内面溝付管の溝部肉厚と管外径の関係及び管内面に形成される溝部の管軸直交断面における断面積とフィン高さの関係及び溝数と管最大内径の関係を最適化し、十分な耐圧強度を保ちながら伝熱性能を向上させたクロスフィンチューブ式熱交換器用内面溝付管が提案されている。
また、特許文献2には、内面溝付管の管内面に形成されるフィンの高さを2種類とし、夫々のフィン高さ、フィンの頂角、フィン頂部の曲率半径とフィン高さとの比、管の肉厚、及び管の肉厚と管外径との比を適正にすることで、機械拡管時の管内面フィン倒れが生じず、且つ重量増加を抑制した内面溝付管が提案されている。
また、特許文献3には、内面に螺旋状に連続して延びる複数の第1の溝が形成された管を、放熱用の熱交換器フィンの組付け孔に挿通し、この第1の溝に対して交差する溝を外面に備えた拡管プラグを挿通することで、溝付管を放熱用の熱交換器フィンに密着させるとともに、管内面に第2の溝が形成されるようにして、機械拡管によって蒸発性能及び凝縮性能が低下を防止した熱交換器用クロスフィンチューブの製造方法が開示されている。
冷媒である二酸化炭素には、冷凍空調機における圧縮機の潤滑及び摩耗低減及び内部シールを目的として冷凍機油が添加されるが、この冷凍機油には、析出物を発生させにくく、冷媒がよく溶解し、低温で高い流動性があることが求められる。即ち、油の劣化又は低温で析出物を生じたり、溶媒の溶解量が少ない低温下で冷凍機油が固まったりしてはならない。例えば、ポリアルキレングリコール系油は圧縮性及び熱伝導性及び流動性に優れており、鉄又は銅と反応して析出物を生じることがないため、冷凍機油としてよく使用される。
特開2006−162100号公報 特開2005−257160号公報 特開2004−190968号公報
しかしながら、前述の従来技術には以下のような問題点がある。特許文献1に記載の内面溝付管は、管内面に形成されるフィンの高さが管外径に対して小さいため、高い伝熱性能が得られず、熱交換器に組み込む内面溝付管を長くする必要があり、熱交換器の大型化及び質量の増大を招きやすい。
また、前述のように冷媒である二酸化炭素に冷凍機油を添加すると、液体の冷凍機油が管内面に付着して二酸化炭素冷媒と管内面との熱交換を阻害し、十分な蒸発伝熱性能が得られない場合がある。特許文献2に記載の内面溝付管は、規定されているフィン頂部の曲率半径が大きく、冷凍機油を含む二酸化炭素を冷媒として使用する熱交換器においては、フィン頂部付近で二酸化炭素冷媒が厚い液膜を生じやすく、熱抵抗が増大して十分な蒸発伝熱性能が得られない場合がある。
また、特許文献3に記載の熱交換器用クロスフィンチューブの製造方法は、管内に第2の溝を成形するとともに、管を放熱用の熱交換器フィンに密着させるため、拡管玉の挿通による機械拡管を行う場合においては適用できないものである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、機械拡管によるフィン潰れ及びフィン倒れが発生し難く、冷凍機油を含む二酸化炭素冷媒を使用する場合においても管内の二酸化炭素冷媒に対する蒸発伝熱性能が優れたフィンアンドチューブ式熱交換器用内面溝付管を提供することを目的とする。
本発明に係る内面溝付管は、銅又は銅合金からなり、1.5質量%以下の冷凍機油を含有する二酸化炭素を冷媒として使用するフィンアンドチューブ式熱交換器用内面溝付管において、管外径Dが3乃至8mmであり、管内を流れる二酸化炭素冷媒の圧力をP’[MPa]、管材料の管軸方向の引張り強さをσB[N/mm]、安全率をS、管材料の円周方向引張り強さに対する管軸方向引張り強さの補正係数をαとしたとき、S=3、α=0.8であり、底肉厚tが下記数式1を満足し、管内面に管軸と平行又は傾斜する方向に伸びる複数個の溝が形成され、各溝間に形成されたフィンは、フィンの高さHが0.10乃至0.25mm、前記フィンのリード角βが5乃至30°、前記フィンの頂角θが10乃至60°であり、管軸直交断面における前記フィンの根元部の幅をW、前記溝の底幅をW、前記フィン先端の曲率半径をrとし、前記フィンの側面と前記溝の底面との間が曲率半径rの湾曲面で繋がるとき、フィン底幅Wと前記溝底幅Wとの比W/Wが1.0乃至3.5、前記フィン先端曲率半径rとフィン高さHとの比r/Hが0.15乃至0.50、前記フィン根元曲率半径rとフィン高さHとの比r/Hが0.10乃至0.55であることを特徴とする。このとき、本発明におけるフィンの頂角θは、管軸直交断面においてフィンの両斜面がなす角度であり、フィン底幅Wは、管軸直交断面においてフィンの両斜面と溝底面の交点がなす間隔であり、溝底幅Wは管軸直交断面において隣接するフィンの斜面と溝底面との交点がなす間隔である。
Figure 2009243722
本発明の内面溝付管によれば、フィン高さ、リード角、フィン頂角、溝底幅とフィン底幅との関係、並びにフィン先端及びフィン根元の曲率半径とフィン高さとの関係を最適化することにより、機械拡管時のフィン潰れ及びフィン倒れを抑制することができ、更に、冷凍機油を含む二酸化炭素冷媒を通流する熱交換器に使用される場合においても蒸発伝熱性能に優れている。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(a)は本発明の実施形態に係る内面溝付管において、管軸を含む断面を示す断面図、図1(b)は管軸直交断面での内面溝付管の一部を示す拡大断面図、図2は管軸直交断面における内面溝付管の一部を示す断面図である。また、図5(a)はリード角とフィン成形性の関係を示す図、図5(b)はリード角と管内冷媒の圧力損失の関係を示す図、図6はフィン頂角と機械拡管時のフィン頂部の潰れ代の関係を示す図、図7はフィン頂部曲率半径のフィン高さに対する比と機械拡管時のフィン頂部の潰れ代の関係を示す図、図8はフィン底部曲率半径のフィン高さに対する比とフィン成形性の関係を示す図、図9は本発明の内面溝付管の製造装置を示す図である。
図1(a)に示すように内面溝付管21は、管内面に複数の溝22が螺旋状に形成されており、この螺旋溝22間の突起として螺旋状に伸びるフィン23が形成されている。溝22及びフィン23が形成されていることによって伝熱管内面と冷媒との接触面積が増え、伝熱性能が向上する。
次に、本発明の内面溝付管の形状について説明する。図1(a)に示すように、溝22の管軸方向に対するリード角をβとし、図1(b)に示すように、管軸直交断面におけるフィン高さをH、フィンの頂角をθ、フィン底幅をW、溝底幅をW、フィン先端の曲率半径をr、フィンの側面と溝の底面との間が曲率半径rの湾曲面で繋がり、図2に示すように管外径をD、溝底部における底肉厚をtとする。このとき、本発明においては、外形Dは3乃至8mmである。また、底肉厚tは、管内を流れる二酸化炭素冷媒の圧力をP’[Pa]、管材料の管軸方向の引張り強さをσB[N/mm]、安全率をS(=3)、管材料の円周方向引張り強さに対する管軸方向引張り強さの補正係数をα(=0.8)としたとき、下記数式1を満足する。また、フィン高さHは0.10乃至0.25mm、フィンのリード角βが5乃至30°、フィンの頂角θが10乃至60°である。更に、フィン底幅Wと溝底幅Wとの比W/Wが1.0乃至3.5、フィン先端曲率半径rとフィン高さHとの比r/Hが0.15乃至0.50、フィン根元曲率半径rとフィン高さHとの比r/Hが0.10乃至0.55である。
Figure 2009243722
上記底肉厚tは以下のように導出される。内圧を受ける薄肉円筒の内面に発生する円周方向の引張り応力σは、下記数式2で求められる。
Figure 2009243722
ここで、上記数式2におけるPは管の内圧、rは管の内径であり、管の内圧Pを上げると、円周方向の引張り応力σも上昇し、内圧P’においてσが円筒の引張り強さσtを超えると円筒が破壊する。しかし円筒の外径が小さいときは、円筒の円周方向の引張り強さσtを求めることが難しい。一方、円筒の軸方向の引張り強さは容易に求められるため、管材料の円周方向の引張り強さと管軸方向の引張り強さとの関係を下記数式3で定義する。
Figure 2009243722
ここで、上記数式3におけるαは、管材料の円周方向の引張り強さに対する管軸方向の引張り強さの補正係数である。本実施形態の内面溝付管に使用されている銅管について、種々の外径及び肉厚を試料とした破壊試験が行われた結果、この補正係数αは0.8であることが判明している。また、薄肉円筒の内圧に対して、必要な肉厚を見積もる際、安全率Sを乗じた内圧に対して肉厚を計算する。ここで、上記数式1、数式2、並びに管外径D、管内径r、及び底肉厚tの関係より下記数式4が得られる。
Figure 2009243722
そして、上記数式4を底肉厚tについて整理すると、本実施形態の内面溝付管において、内圧P’、安全率Sでの底肉厚tの最小値が見積もられ、下記数式5が得られる。
Figure 2009243722
フィンアンドチューブ型熱交換器において、冷暖房時に管内を流れる冷媒の運転圧力は、二酸化炭素を冷媒として使用すると、フロン系冷媒を使用するときよりも大きな値となる。例えば、フロン系冷媒のR410冷媒は4MPa程度の高い運転圧力で使用されるのに対し、二酸化炭素冷媒の運転圧力は蒸発器に使用される場合に4乃至9MPa、ガスクーラーに使用される場合には超臨界状態で10乃至15MPaにも達する。二酸化炭素冷媒を通流する内面溝付管として、りん脱酸銅が多く使用されているが、このりん脱酸銅は引張強さが小さいため、底肉厚tを大きくする必要がある。しかし、内面溝付管の底肉厚tが大きくなると、この管を使用する熱交換器の質量が大きくなるだけでなく、コストアップにもつながってしまう。この底肉厚tを減らすためには、りん脱酸銅の引張強さを大きくすればよく、Sn、Co、Ni、Zn等を含有させ、例えばSn:0.65質量%、P:0.025質量%と残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金管を用いればよい。
以下、上記各数値限定の理由について説明する。
「CO冷媒に含まれる冷凍機油の含有量:1.5質量%以下」
CO冷媒は、冷媒自体が潤滑性を持つフロンに比して潤滑性に乏しいため、COを冷媒として使用する熱交換器においては、圧縮機の磨耗を防止するためにポリアルキレングリコール(PGA)等の冷凍機油を添加して熱交換器を運転する。PGAは粘性がCO冷媒より低く、CO冷媒と相溶性がないため、CO冷媒と分離した状態で内面溝付管の管内面を膜状に這うように流れやすく、形成される冷凍機油の膜によってCO冷媒と管内面との熱交換が阻害される。PGAの含有量が1.5質量%を超えると、管内面がPGAに覆われやすくなり、内面溝付管を伝熱管として用いる効果が発揮できなくなる。従って、CO冷媒に対するPGAの含有量は1.5質量%以下である。更に、CO冷媒に対するPGAの含有量は0.5質量%であることが好ましい。
「管外径D:3乃至8mm」
伝熱管を内面溝付管とすることにより管内の伝熱面積が増大し、更に、管内に形成されたフィンによりCO冷媒が撹拌されるため、伝熱性能が向上する。内面溝付管は素管内面に溝付プラグにより溝を転造し、その後縮径を施して製造されるが、外径が3mm未満だと縮径加工時の縮径率が大きくなり素管の引き抜き量が大きくなるため、管内面に成形される溝のリード角が小さくなったり、管内面に成形されるフィンが途中で分断されてしまったりする。そして、管内面に形成されるフィンが途中で分断されると、熱交換器フィンと内面溝付管とを密着させる機械拡管加工の際、管内面にフィン倒れ及びフィン潰れが発生しやすくなり、伝熱面積が減少するため伝熱性能が低下する。外径が8mmを超えると、熱交換器が大型化する。また、冷媒の使用圧力を一定とするとき、伝熱管の肉厚は管外径に比例して大きくする必要がある。つまり、同じ肉厚でも外径大きくすると伝熱管の耐えうる圧力が小さくなってしまう。また、管の肉厚が大きくなると、熱抵抗が大きくなって冷媒の熱流束が小さくなるため伝熱性能が低下する。従って、管外径Dは3乃至8mmであり、望ましくは3乃至7mmである。
「フィン高さH:0.10乃至0.25mm」
フィン高さを高くすると伝熱管と冷媒との接触面積が増えて伝熱性能が向上する。しかし、フィン高さが0.25mmを超えると、フィンが管内の冷媒の流れを妨げる抵抗となって圧力損失を増やしてしまうため結果として蒸発性能は低下する。また、フィン高さを高くすると熱交換器フィンと内面溝付管とを密着させる機械拡管加工の際、管内面にフィン倒れ及びフィン潰れが発生しやすくなり、熱交換器に組み込んだ際、良好な伝熱性能を得ることができない。一方、フィン高さが0.10mm未満の場合、管内面に溝を成形したことで伝熱管と冷媒との接触面積は増大するが、フィン先端までCO冷媒の液膜に覆われやすくなり、熱抵抗が大きくなるため伝熱性能が低下する。また、管内面に形成されるフィンの溝付プラグの溝形状に対する成形性が低下するため、フィン潰れ及びフィン倒れが発生しやすくなる。従って、フィン高さHは0.10乃至0.25mmである。なお、伝熱性能及び拡管性及び製造のしやすさの観点から、フィン高さHは管外径Dに対して次の範囲が好ましい。管外径D=3mm:0.1乃至0.13mm、管外径D=4mm:0.1乃至0.18mm、管外径D=5mm:0.1乃至0.2mm、管外径D=6mm:0.1乃至0.25mm、管外径D=7乃至8mm:0.13乃至0.25mm。
「リード角β:5乃至30°」
内面溝付管の蒸発伝熱性能は管内面に形成される溝の管軸に対するリード角による影響が大きい。すなわち、伝熱管のフィンが管軸に対してリード角βを有することで、管内を流れる冷媒のフィンに対して垂直な速度成分が生じるためCO冷媒の撹拌が起きやすく、リード角が大きいほど単位長さあたりの伝熱面積も増大するため伝熱性能は向上する。しかし、リード角が大きくなりすぎると、フィン自身が管内のCO冷媒の流れを妨げる抵抗として働き、図5(b)に示すように圧力損失増加が大きくなる。また、Hを溝付プラグの溝深さとすると、図5(a)に示すように、リード角βが大きくなるに従って溝付プラグの溝深さに対応して成形されるフィン高さHが低くなり、フィン成形性が悪い領域bに近付くため、フィン潰れ又はフィン倒れが発生しやすくなる。一方、リード角が小さいと、拡管玉による機械拡管の際、管内面に形成されるフィンが拡管玉の挿通方向に対して平行に近づくため、フィン潰れが発生しやすくなる。リード角が5°未満であると、伝熱性能の向上につながらず、更にフィン潰れが発生しやすい。リード角が30°を超えると、圧力損失が増大するのに加え、フィン潰れ又はフィン倒れが発生しやすくなる。従って、リード角βは5乃至30°である。
「フィンの頂角θ:10乃至60°」
管内面に形成されるフィンの頂角θが小さいほど溝底幅が広くなるため、溝部に保持しうるCO冷媒の量が増え、更に、伝熱面積が増えるため、蒸発伝熱性能が向上する。しかし、頂角θが小さくなると、図6のaの領域に示すように熱交換器フィンと内面溝付管とを密着させる機械拡管加工の際、フィン頂部の潰れ代(機械拡管時のフィン高さの差異)が大きくなって、フィン倒れ及びフィン潰れが発生しやすくなり、フィンアンドチューブ型熱交換器として良好な伝熱性能を発揮させることができない。ここで、図6のΔHは機械拡管時のフィン頂部の潰れ代を示す。一方、フィンの頂角θが大きくなると、図6のbの領域に示すように、機械拡管時の潰れ代は収束していくため、単純に管の単位長さ当たりの重量が増加して内面溝付管を組み込む熱交換器の質量が増大してしまうばかりか、コストアップにもつながる。また、溝部におけるCO冷媒の液膜厚さが厚くなって熱抵抗が増加するため、CO冷媒と管内面との熱交換を阻害し、更に、溝底幅が小さくなって溝部に保持しうる冷媒の量が少なくなるため、伝熱性能が低下する。フィンの頂角θが10°未満では機械拡管によるフィンの潰れ及びフィン倒れが発生しやすくなる。フィンの頂角θが60°を超えると、内面溝付管の単位長さあたりの重量及び製造コストが増加するのに加え、伝熱性能が低下する。従って、フィンの頂角θは10乃至60°である。更に、フィンの頂角θは13乃至35°であることが好ましい。
「フィン底幅と溝底幅との比W/W:1.0乃至3.5」
管内面に形成されるフィンの底幅を溝底幅以上となるように構成する。CO冷媒の粘性はフロン系冷媒より小さく、溝底幅を小さくしてもCO冷媒は滞留することなく流れていくので、良好な伝熱性能を保つことが可能となる。また、フィン底幅を溝底幅より大きい値とすることで、機械拡管によるフィン潰れ及びフィン倒れが発生しにくくなる。フィン底幅と溝底幅との比W/Wが1.0未満だと、フィン高さが大きい場合に、熱交換器フィンと内面溝付管とを密着させる機械拡管の際、フィン潰れ及びフィン倒れが発生しやすくなる。一方、フィン底幅と溝底幅との比W/Wが3.5を超えると、フィンが管内のCO冷媒の流れを妨げる抵抗として働いて圧力損失が増大し、更に、溝部に保持しうる冷媒の量が少なくなるため、伝熱性能が低下する。また、フィン底幅が増大して内面溝付管の単位長さあたりの質量が増加するため、内面溝付管を組み込む熱交換器の質量が増大してしまう。従って、フィン底幅と溝底幅との比W/Wは1.0乃至3.5である。更に、フィン底幅と溝底幅との比W/Wは1.0乃至2.0であることが好ましい。
「フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/H:0.15乃至0.50」
フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hが小さくなると、図7のaの領域に示すように、機械拡管時のフィン頂部の潰れ代が大きくなってフィン潰れが発生しやすくなり、フィンアンドチューブ型熱交換器として良好な伝熱性能を発揮させることができない。一方、フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hが大きくなると、図7のbの領域に示すように、機械拡管時の潰れ代は収束していくため、単純に管の単位長さ当たりの重量が増加して内面溝付管を組み込む熱交換器の質量が増大してしまうばかりか、コストアップにもつながる。また、フィン先端におけるCO冷媒の液膜厚さが厚くなりやすく、CO冷媒と管内面との熱交換が阻害されて蒸発熱伝達率が低下する。フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hが0.15未満であると、機械拡管によるフィン潰れ及びフィン倒れが発生しやすくなる。また、r/Hが0.50を超えると、内面溝付管の単位長さあたりの重量及び製造コストが増加するのに加え、伝熱性能が低下する。従って、フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hは0.15乃至0.50である。更に、フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hは0.17乃至0.25であることが好ましい。
「フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/H:0.10乃至0.55」
フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hが小さくなるに従って、図8のaに示す領域に近付き、溝付プラグの溝深さに対応して成形されるフィン高さHが低くなり、フィン成形性が悪くなる。更に、フィンの根元が鋭角に近付くため、機械拡管時のフィン倒れが発生しやすくなる。一方、フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hが大きくなると、図8のbの領域に示すように溝付プラグの溝深さに対して安定した高さのフィンが形成されるように収束していき、管の単位長さ当たりの重量が増加して内面溝付管を組み込む熱交換器の質量が増大してしまうばかりか、コストアップにもつながる。また、フィン根元部近傍のCO冷媒の液膜厚さが厚くなりやすく、CO冷媒と管内面との熱交換が阻害されて蒸発熱伝達率が低下する。フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hが0.10未満であると、フィン成形性が悪くなり、更に機械拡管によるフィン倒れが発生しやすくなる。フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hが0.55を超えると、内面溝付管の単位長さあたりの重量及び製造コストが増加するのに加え、伝熱性能が低下する。従って、フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hは0.10乃至0.55である。更に、フィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hは0.2乃至0.45であることが好ましい。
次に、この管の製造方法について説明する。まず、銅素管29に、縮径プラグ24と螺旋状の溝が表面に形成された溝付プラグ26が連結した状態で挿入され、図9に示すように、縮径プラグ24の位置において銅素管29外面に接する縮径ダイス25が設けられる。そして、銅素管29を引き抜くと、この銅素管29は縮径ダイス25により縮径加工されると共に、縮径プラグ24は素管29を介して素管29の引抜力に抗してその位置に保持され、溝付プラグ26は連結軸30を介してフローティング状態で保持される。溝付プラグ26は縮径プラグ24と回転可能に連結されており、溝付プラグ26の位置において、管外面に遊星回転するように複数個の転造ボール又は1対の転造ロール27を配置し、この転造ボール又は転造ロール27により銅素管29の外面を若干押圧すると、銅素管29内面の管肉が溝付プラグ26の溝内に侵入して、銅素管29の内面に溝付プラグ26の溝に対応するフィンが形成される。また、溝付プラグ26のフィンの部分が銅素管29内面において溝22となり、溝付プラグ26の外面の溝形状が、銅素管29の内面に転写されてフィン23となる。溝形状を施された銅素管29は、更に縮径ダイス28によって縮径されて仕上げられる。更に、必要に応じてこの管に空引きによる縮径加工を施して、所望の外径を有する内面溝付管を得る。
以下、本発明の実施例の効果について比較例と対比して説明する。下記表2乃至表4は、実施例及び比較例の形状条件を示す。なお、本実施例及び比較例においては、実施例及び比較例の底肉厚の最小値を、安全率Sを3、管材料の円周方向の引張り強さに対する管軸方向の引張り強さの補正係数αを0.8として前述の数式5によって計算し、表1に示す値以上とした。なお、二酸化炭素冷媒の運転圧力は8MPaであるとして底肉厚を計算した。また、表1に示すDHP(リン脱酸銅)は、JIS C1220のP:0.015乃至0.040質量%と、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する材質であり、KHRT(銅合金)は、P:0.030質量%、Sn:0.65質量%、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する材質である。
Figure 2009243722
熱伝達率及び圧力損失測定は図3に示される装置を使用して行った。図4はその蒸発器の構成を示す。図3に示されるように、本実施例で使用した測定装置には、CO冷媒を圧縮する事により高温にする圧縮機2と、凝縮器であるガス冷却器4と、CO冷媒を膨張させて低温にする膨張弁7と、試験部である蒸発器1が設けられている。この蒸発器1の出入口には、夫々、CO冷媒を加熱する余熱器8及び過熱器9が設けられている。また、圧縮機2の出口には、冷媒中の冷凍機油を分離するオイルセパレータ3aが設けられており、更に、圧縮機2の入口及びガス冷却器4の出口には夫々冷媒の脈動をなくすアキュムレータ5a及び5bが設けられている。
本実施例においては圧縮機2用の冷凍機油としてポリアルキレングリコール系油を使用し、蒸発器1の出口に設けたオイルセパレータ3bによってCO冷媒中の冷凍機油を分離し、この分離した冷凍機油をオイル冷却器10で冷却した後、オイルポンプ11及び流量計12を経由して再度CO冷媒中に添加することにより、蒸発器1の直前の部分における冷凍機油含有量を調節した。なお、CO冷媒中の冷凍機油含有量は、予熱器8の直前のサンプリングポート14においてCO冷媒を採取し、精密化学天秤によりその質量を測定することにより求めた。
本実施例においては、ガス冷却器4と膨張弁7との間に、精度が±0.4%のマイクロモーション型質量流量計6を設け、この流量計6により冷媒の流量を測定した。また、蒸発器1と加熱器9との間、オイルセパレータ3bと圧縮機2との間、圧縮機2とガス冷却器4との間、ガス冷却器4とアキュムレータ5bとの間、流量計6と膨張弁7との間には、夫々冷媒混合室18a乃至18eが設けられている。そして、冷媒の温度及び圧力は、夫々、冷媒混合室18a乃至18e内に備えられた直径が0.5mmのクロメルーアルメル被覆熱電対19a乃至19e及び精度が±0.02MPaの圧力変換器20a乃至20eにより測定した。その際、熱電対19a乃至19eは、予め誤差が±0.05K以内になるように校正した。
また、図4に示されるように、蒸発器1には直径が18mmで、内径が12mmの外管の内部に実施例又は比較例の内面溝付管を配置した3本の二重管15a乃至15cが直列に接続されている。なお、これらの二重管15a乃至15cは、長さが0.68mであり、有効熱伝達長さが0.5mである。そして、実施例又は比較例の伝熱管内部には、COを通流させ、これらの伝熱管と外管の間には冷却水を流通させた。その際、CO冷媒の通流方向は冷却水の流通方向と逆になるようにした。
蒸発器1には、熱源13が設けられており、冷却水の流量は、この熱源13内に設けられた精度が±0.5%のギア式流量計により測定した。また、二重管15a乃至15cの両端部には夫々熱源水混合室16a乃至16fが設けられており、冷却水の温度は、この熱源水混合室16a乃至16fに設置された外径が2.0mmの抵抗温度計により測定した。その際、各抵抗温度計は、誤差が±0.02K以内になるように校正した。更に、二重管15a乃至15c間の圧力差は、精度が±0.25%の差圧変換器17a乃至17dにより測定した。更にまた、各伝熱管の外壁の温度は、外径が0.1mmの銅銭及びコンスタンタン線により構成されている銅ーコンスタンタン熱電対を、伝熱管の外面の上下左右に配置して測定した。その際、これらの熱電対は、誤差が±0.05K以内になるように構成した。更にまた、蒸発器1の冷媒出口付近には冷媒混合室18aが設けられており、この冷媒混合室18aに設けられた熱電対19a及び圧力変換器20aにより、冷媒の温度及び圧力を測定した。
各伝熱管の内壁の温度Twiは、下記数式6から求めた。
Figure 2009243722
なお、上記数式6におけるTwoは伝熱管の外壁の温度であり、λは伝熱管の熱伝導率であり、dwi及びdwoは夫々伝熱管の内径及び外径であり、Qは二重管15a乃至15c内部に配置された内面溝付管内を流れる冷媒の二重管区間における交換熱量であり、Δzは二重管15a乃至15cの有効熱伝達長さである。
また、全熱収支、即ち、冷却水による熱量の増加と冷媒による熱量の損失との比は5%未満とし、二酸化炭素の熱力学的性質及び移送性能は、REFPROP Ver.7.0(M. O. McLinden、外2名, 2002, Peskin AP, NIST thermodynamic properties of refrigerants and refrigerant mixtures database (REFPROP), Ver. 7.0)を使用して計算した。
更に、伝熱管の局所熱伝導率αcyは、下記数式6から求めた。
Figure 2009243722
ここで、上記数式7におけるTは二重管15a乃至15cにおける標準圧力時のCO冷媒の温度である。また、qは二重管15a乃至15cにおける熱流束であり、下記数式8によって求められる。
Figure 2009243722
なお、上記数式7により求められる局所熱伝達率αcyの不確実性は10%未満であり、上記数式8により求められる熱流束qの不確実性は6%未満である。
そして、上述した方法により、冷凍機油含有量を1.0質量%、冷媒圧力を4MPa、冷媒流速を360kg/msとして測定した各内面溝付管の熱伝達率及び圧力損失から、下記数式9により定義される性能比を求めた。この性能比は、平滑管の蒸発性能に対して内面溝付管の蒸発性能を定義したものであり、内面溝付管の熱伝達率と平滑管の熱伝達率が同じ値で、且つ内面溝付管の圧力損失と平滑管の圧力損失が同じ値である場合、即ち、内面溝付管の蒸発性能と平滑管の蒸発性能とが同じである場合、性能比の値は1となる。その際、平滑管の熱伝達率及び圧力損失は、内面に溝を形成していない外径が7mmの平滑管を使用し、前述の実施例及び比較例の内面溝付伝熱管と同様の方法及び条件により測定した値を使用した。以上の結果を下記表2乃至4にまとめて示す。なお、下記表4には、従来例として平滑管の性能比も併せて示す。
Figure 2009243722
更に、実施例及び比較例の内面溝付管を拡管率5%で機械拡管し、潰れ代(機械拡管前後のフィン高さの差異)を確認し、潰れ代が0.04mm以上である場合をフィン潰れ有りと判定した。
また、機械拡管前の実施例及び比較例の管について、管軸直交断面において連続する5個のフィンをトレッシングペーパーに写しておき、機械拡管後にフィンと透かし合わせて確認した。そして、溝底に対するフィンの角度変化が3個以上ある場合をフィン倒れ有りと判定した。
フィン潰れ又はフィン倒れの有無の判定を下記表2乃至4に併せて示す。
Figure 2009243722
Figure 2009243722
Figure 2009243722
この表1乃至3に示すように、実施例1乃至8はフィン高さHが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例1に比してフィン成形性がよいため、フィン潰れ又はフィン倒れが発生しにいのに加え、蒸発伝熱性能に優れている。また、実施例1乃至8はフィン高さH及びフィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例2に比してフィン成形性がよく、フィン潰れ又はフィン倒れが発生しにくいのに加え、蒸発伝熱性能に優れている。更に、実施例1乃至8はリード角βが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例3及び4に比してフィン潰れ又はフィン倒れが発生しにくいのに加え、圧力損失が少なく、蒸発伝熱性能に優れている。更にまた、実施例1乃至8はフィン頂角θが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例5に比してフィン潰れ又はフィン倒れが発生しにくいのに加え、圧力損失が少なく、蒸発伝熱性能に優れている。
比較例6はフィン底幅と溝底幅との比W/Wが本発明の範囲を満足していないが、本発明の範囲を満足しない程度にフィン頂角θが大きくなったことにより、フィン潰れ又はフィン倒れが発生しなかった例である。
実施例1乃至8はフィン底幅と溝底幅との比W/Wが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例7に比して圧力損失が少なく、蒸発伝熱性能に優れている。更に、実施例1乃至8はフィン底幅と溝底幅との比W/Wが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例8に比してフィン潰れが発生しにくいのに加え、圧力損失が少なく、蒸発伝熱性能に優れている。更にまた、実施例1乃至8はフィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例9に比してフィン潰れ又はフィン倒れが発生しにくいのに加え、圧力損失が少なく、蒸発伝熱性能に優れている。
比較例10はフィン底幅と溝底幅との比W/Wが本発明の範囲を満足しないが、フィン先端曲率半径とフィン高さとの比r/Hが大きくなったことでフィン倒れ又はフィン潰れが発生しなかった例である。
実施例1乃至8はフィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hが本発明の範囲を満足し、本発明の範囲を満足しない比較例11に比してフィン潰れ又はフィン倒れが発生しにくいのに加え、圧力損失が少なく、蒸発伝熱性能に優れている。更に、比較例12はフィン根元曲率半径とフィン高さとの比r/Hが本発明の範囲を満足せず、圧力損失及び蒸発伝熱性能が平滑管同等の性能となった例である。
(a)は本実施形態の内面溝付管における管軸を含む断面を示す断面図、(b)は管軸直交断面での内面溝付管の一部を示す拡大断面図である。 管軸直交断面における内面溝付管の一部を示す断面図である。 熱伝達率及び圧力損失の測定に使用した装置の構成を示す図である。 図3に示す蒸発器の構成を示す図である。 (a)はリード角とフィン成形性の関係を示す図、(b)はリード角と管内冷媒の圧力損失の関係を示す図である。 フィン頂角と機械拡管時のフィン頂部の潰れ代の関係を示す図である。 フィン頂部曲率半径のフィン高さに対する比と機械拡管時のフィン頂部の潰れ代の関係を示す図である。 フィン底部曲率半径のフィン高さに対する比とフィン成形性の関係を示す図である。 本発明の内面溝付管の製造装置を示す図である。
符号の説明
1:蒸発器、2:圧縮機、3a、3b:オイルセパレータ、4:ガス冷却器、5a、5b:アキュムレータ、6、12:流量計、7:膨張弁、8:予熱器、9:過熱器、10:オイル冷却器、11:オイルポンプ、13:熱源、14:サンプリングポート、15a〜15c:二重管、16a〜16f:熱源水混合室、17a〜17d:差圧変換器、18a〜18e:冷媒混合室、19a〜19e:熱電対、20a〜20e:圧力変換器、21:内面溝付管、22:溝、23:フィン、24:縮径プラグ、25:縮径ダイス、26:溝付プラグ、27:転動ロール、28:縮径ダイス、29:銅素管、30:連結軸、D:管内径、t:底肉厚、H:フィン高さ、θ:フィン頂角、β:リード角、W:フィン底幅、W:溝底幅、r:フィン先端曲率半径、r:フィン根元曲率半径

Claims (1)

  1. 銅又は銅合金からなり、1.5質量%以下の冷凍機油を含有する二酸化炭素を冷媒として使用するフィンアンドチューブ式熱交換器用内面溝付管において、管外径Dが3乃至8mmであり、管内を流れる二酸化炭素冷媒の圧力をP’[MPa]、管材料の管軸方向の引張り強さをσB[N/mm]、安全率をS、管材料の円周方向引張り強さに対する管軸方向引張り強さの補正係数をαとしたとき、S=3、α=0.8であり、底肉厚tが下記数式1を満足し、管内面に管軸と平行又は傾斜する方向に伸びる複数個の溝が形成され、各溝間に形成されたフィンは、フィンの高さHが0.10乃至0.25mm、前記フィンのリード角βが5乃至30°、前記フィンの頂角θが10乃至60°であり、管軸直交断面における前記フィンの根元部の幅をW、前記溝の底幅をW、前記フィン先端の曲率半径をrとし、前記フィンの側面と前記溝の底面との間が曲率半径rの湾曲面で繋がるとき、フィン底幅Wと前記溝底幅Wとの比W/Wが1.0乃至3.5、前記フィン先端曲率半径rとフィン高さHとの比r/Hが0.15乃至0.50、前記フィン根元曲率半径rとフィン高さHとの比r/Hが0.10乃至0.55であることを特徴とする内面溝付管。

    Figure 2009243722
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