JP5255249B2 - 内面フィン付伝熱管 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、冷凍機や空調機などの熱交換器に使用される内面フィン付伝熱管に関する。
従来から、家庭用空調機(エアコン)、業務用空調機(パッケージエアコン)、冷蔵庫、冷凍機、自動販売機、又は給湯機等に、フロン系冷媒を圧縮機によって複数の熱交換器を循環させるヒートポンプ式の熱サイクル機器が多く用いられてきた。しかし、フロン系冷媒は、オゾン層破壊や地球温暖化の要因となるため、最近では自然冷媒と呼ばれる、例えば二酸化炭素や炭化水素系の冷媒について研究開発が進められている。特に二酸化炭素は、ヒートポンプ給湯機として実用化が進んでいる。
そのような状況において、ヒートポンプ式熱サイクル機器において冷媒を蒸発させる蒸発器について熱伝達率を高めるための提案がされている(特許文献1参照)。この蒸発器は、内面に突起部(内面フィン)を備えたチューブ(管)を備え、チューブの平均内直径と通路長さの関係を所定範囲内とすることで冷媒とチューブとの熱伝達率を向上、すなわち伝熱性能を向上させている。
しかし、冷媒として二酸化炭素を用い、二酸化炭素冷媒に圧縮機等の冷凍機油が混入した場合、この冷凍機油によって二酸化炭素冷媒の圧力損失が増加して、二酸化炭素冷媒の蒸発性能が低下する。したがって、十分な伝熱性能を得ることができないという問題があった。そこで特許文献2の内面溝付伝熱管は二酸化炭素冷媒に含有する冷凍機油含有量に応じた内面フィン形状を設定している。
これにより、冷凍機油が二酸化炭素冷媒に混入した場合であっても伝熱性能の低下を抑制することができる。しかし、一旦、内面溝付管を設置すると、二酸化炭素冷媒に含有する冷凍機油の含有量に応じて内面フィン形状を変化させることはできず、満足できるものではなかった。
特開2003−343942号公報 特開2006−64311号公報
この発明は、冷媒中に冷凍機油が混入した場合であっても、伝熱性能の低下を抑制する内面フィン付伝熱管を提供することを目的とする。
この発明は、管内面に複数の内面フィンを有し、管内部に、冷凍機油が混入した二酸化炭素冷媒の通過を許容する内面フィン付伝熱管であって、前記内面フィンを、第1内面フィンと、該第1内面フィンより頂角を小さく形成した第2内面フィンとで構成し、前記第1内面フィンの間に少なくとも1つの前記第2内面フィンを形成し、前記第1内面フィンの頂角を18〜40度の範囲に設定するとともに、前記第2内面フィンの頂角を8〜30度の範囲に設定し、前記第1内面フィンの頂角と前記第2内面フィンの頂角との角度差を10〜32度の範囲に設定し、前記第1内面フィンの高さを、前記第2内面フィンの高さより高く形成し、前記第1内面フィンの高さを、0.15〜0.30mmの範囲に設定するとともに、前記第2内面フィンの高さを、0.10〜0.20mmの範囲に設定し、前記内面フィンの底部と管内面との隅角部を所定の曲率半径の断面円弧形状で構成し、前記第1内面フィンの前記曲率半径を、前記第2内面フィンの前記曲率半径より0.01〜0.1mmの範囲で大きく形成した内面フィン付伝熱管であることを特徴とする
の発明の内面フィン付伝熱管のように、管内面に備えた複数の内面フィンを、第1内面フィンと、該第1内面フィンより頂角を小さく形成した第2内面フィンとで構成し、前記第1内面フィンの頂角と前記第2内面フィンの頂角との角度差を10〜32度の範囲に設定したことにより、冷媒中に混在する冷凍機油が頂角が小さい第2内面フィンの隅角部を流れ易くすることができる。
詳しくは、頂角を小さく形成した第2内面フィンの底部と管内面とで構成する隅角部の角度は頂角を大きく形成した第1内面フィンの隅角部の角度より小さくなる。これにより、例えば、二酸化炭素等の冷媒よりも表面張力の大きな冷凍機油が優先的に、第2内面フィンの隅角部を流れることとなる。
そのため、頂角の大きな第1内面フィン、特にその頂部は、冷凍機油に覆われることなく、冷媒である二酸化炭素と接触熱交換することができる。したがって、全ての内面フィンの頂角を同じ大きさ形成した内面フィン付伝熱管と比較して伝熱性能を向上することができる。
また、前記第1内面フィンの頂角と前記第2内面フィンの頂角との角度差を10〜32度の範囲に設定したことにより、上述したような2種類の内面フィンの形状差による伝熱性能の効果を得ることができる。詳しくは、内面フィン頂角の差が10度未満では2種類の内面フィンの形状差による伝熱性能への効果が認められず、32度以上であれば第1内面フィンの頂角が大きくなりすぎ、1つあたりの内面フィンのサイズが大きくなり、内面積を拡大するための内面フィンを多数形成できず、伝熱性能が低下することとなる。
この発明の内面フィン付伝熱管のように、前記第1内面フィンの頂角を18〜40度の範囲に設定し、前記第2内面フィンの頂角を8〜30度の範囲に設定することによって、第1内面フィンの頂角が大きくなりすぎることを防止し、多数の内面フィンを形成して、内面フィン付伝熱管の伝熱性能が向上することができる。また、1つあたりの内面フィンのサイズが大きくなることにより、材料の使用量が増加し、内面フィン付伝熱管の重量及びコストの増加を防止することができる。
また、頂角が8度未満の内面フィンを加工することは加工技術的に困難であり、第2内面フィンの頂角を8度以上に設定することで確実な内面フィンの形状を形成することができる。
この発明の内面フィン付伝熱管のように、前記第1内面フィンの高さを、前記第2内面フィンの高さより高く形成したことにより、内面フィン付伝熱管の伝熱性能を確実に向上するとともに、冷媒の流れに対する圧力損失の増加を抑制し、冷媒を流すための圧縮機の負荷の増大を抑制することができる。
この発明の内面フィン付伝熱管のように、第1内面フィン21の高さH1を0.15以上に設定することにより、伝熱性能を十分に向上することができ、第1内面フィン21の高さH1を0.30mm以下に設定することにより、CO2冷媒の流れに対して圧力損失と呼ばれる抵抗が増えず、CO2冷媒を流すための圧縮機の負荷が増大することを防ぐことができる。
また、第2内面フィン22の高さH2を0.10mm以上に設定することにより、第2内面フィン22全体が冷凍機油50に覆われることにより、伝熱性能が低下することを防ぐことができる。
また、この発明の内面フィン付伝熱管のように、前記内面フィンの底部と管内面との隅角部を曲面形状で構成したことにより、冷凍機油の大きな表面張力によって、より優先的に冷凍機油を第2内面フィンの隅角部に流すことができる。したがって、第1内面フィン、特にその頂部は、冷凍機油に覆われることなく、冷媒と接触熱交換することができ、伝熱性能をさらに向上することができる。
特に、前記隅角部を所定の曲率半径の断面円弧形状で構成し、前記第1内面フィンの前記曲率半径を、前記第2内面フィンの前記曲率半径より0.01〜0.1mmの範囲で大きく形成することによって、さらに優先的に冷凍機油を第2内面フィンの隅角部に流すことができる。
したがって、第1内面フィンは冷媒である二酸化炭素と接触熱交換することができ、伝熱性能をさらに向上することができる。
上記内面フィン付伝熱管は、内面に後述する螺旋状の内面フィンを備えた銅製の伝熱管であることを含む。
上記内面フィンは、管内面において螺旋状に形成され、管の軸中心に向かって突出し、頂部が曲線形状で形成された断面略三角形状或いは略台形状の螺旋帯状凸部であることを含む。
上記冷媒は、二酸化炭素、炭化水素又はフロン等の冷媒であることを含む。
上記頂角は、内面フィンの形成方向に直角な断面で得られる角度であり、内面フィンの一方の側面と他方の側面とで構成する内面フィンの頂部における角度である。
上記隅角部の曲率半径は、上記頂角と同様に、内面フィンの形成方向に直角な断面で得られる曲率半径である。
上記内面フィンの高さは、管中心から管内面の溝部分までの距離と、管中心から内面フィン頂部の先端までの距離の差であることを示す。
上記曲線形状は、断面円弧形状、緩和曲線形状、或いはクロソイド曲線形状であることを含む。
この発明によれば、冷媒中に冷凍機油が混入した場合であっても、伝熱性能の低下を抑制する内面フィン付伝熱管を提供することができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本発明の内面フィン付伝熱管1は、管の中心軸を通る面における断面図である図1、管軸方向Lに直角な断面における断面図である図2(a)に示すように、管内部11に二酸化炭素冷媒(以下において「CO2冷媒」という)の通過を許容し、管内面10に複数の内面フィン20(21,22)を備えている。
内面フィン20に直交する面における断面の部分概要図によって内面フィン20について説明する図3に示すように、内面フィン20を、第1内面フィン21と、第1内面フィン21の頂角θ1より頂角θ2を小さく形成した第2内面フィン22とで構成し、頂角θ1と頂角θ2との角度差を10〜32度の範囲内である10度に設定している。
なお、頂角θは、図1に示す内面フィン20の形成方向に対して直角方向の断面で得られる値であり、第1内面フィン21の頂角θ1は18〜40度の範囲内である25度に設定し、第2内面フィン22の頂角θ2を8〜30度の範囲内である15度に設定している。
また、第1内面フィン21の高さ(H1)を、第2内面フィン22の高さ(H2)0.15mmより高い0.22mmに形成している。
さらに、前記内面フィン20(21,22)の底部20a(21a,22a)と管内面10との隅角部31,32をともに曲率半径rが0.03mmの円弧形の曲線形状で構成している。
さらに詳述すると、内面フィン付伝熱管1はりん脱酸銅管で形成され、螺旋状の内面フィン20を管内面10に備えた伝熱管であり、管外径Dを7mm、肉厚tを0.45mm、管軸方向Lに対する内面フィン20の捩れ角度βを20度に設定している。
また、管内面10の全周にわたって第1内面フィン21を8本(内面フィン数:N1)均等に配置し、隣合う第1内面フィン21同士の間に均等に第2内面フィン22を5本ずつ、すなわち管内面10全周で40本(内面フィン数:N2)配置している。なお、この配置において、第1内面フィン21と第2内面フィン22の内面フィン数の比N1/N2は0.2となる。
なお、内面フィン付伝熱管1は、上述したように、りん脱酸銅管を、図4に示す加工装置100におけるフローティングプラグ101によって管内面10に溝付き加工、すなわち内面フィン20の形成加工を施すとともに、所望の管外径Dにダイス102にて抽伸を行って製作している。なお、本実施例においてりん脱酸銅管で内面フィン付伝熱管1を構成しているが、その他銅合金、金属材料で構成してもよい。
このように構成された内面フィン付伝熱管1は、ヒートポンプ給湯機の熱交換器に設置される。詳しくは、図5に示すように、軸方向に所定間隔に配置したアルミフィン300の貫通装着孔301に内面フィン付伝熱管1を貫通させ、拡管プラグ200によって内面フィン付伝熱管1の外径を管内部11から押し広げ、内面フィン付伝熱管1外面と貫通装着孔301内面とを密着して熱交換器を形成する。この加工によって、第1内面フィン21はわずかに傾いたり、わずかに押しつぶされる可能性がある。
また、管径が細い場合など拡管プラグ200による拡管が困難な場合には、管内部11に水を充填し、高圧をかけることにより拡管してアルミフィン300に密着させて接着することもできる。
こうして熱交換器に設置された内面フィン付伝熱管1の管内部11にはCO2冷媒が通過する。なお、内面フィン付伝熱管1の外側、すなわちアルミフィン300は液状のCO2冷媒より温度の高い外気と接触しており、この外気とアルミフィン300との接触により、CO2冷媒は外気温度を吸収して、すなわち熱交換して蒸発する。このようにして、ヒートポンプ給湯器は外気の熱を効率よく熱伝達することができる。
しかし、CO2冷媒中にコンプレッサ等の冷凍機油50が混入した場合、この冷凍機油50によって二酸化炭素冷媒の圧力損失が増加して、CO2冷媒の蒸発性能が低下し、十分な伝熱性能を得ることができなくなる。
これに対し、本実施例の内面フィン付伝熱管1は管内面10に複数の内面フィン20を備え、該内面フィン20を、頂角θの角度差を10度に設定した該第1内面フィン21と、頂角θ1より頂角θ2を小さく形成した第2内面フィン22とで構成したことにより、さらには、第1内面フィン21の頂角θ1を25度に設定し、第2内面フィン22の頂角θ2を15度に設定するとともに、第1内面フィン21の高さ(H1)を、第2内面フィン22の高さ(H2)0.15mmより高い0.22mmに形成したことにより、図3に示すように、第内面フィン2の底部22aと管内面10とで構成された隅角部32を冷凍機油50が流れることとなる。
詳述すると、内面フィン付伝熱管1の内面フィン部分の拡大断面図である図2(b)に示すように、第2内面フィン22の頂角θ2は第1内面フィン21の頂角θ1より小さく形成しているため、隅角部32の角度ξ2が隅角部31の角度ξ1より小さくなり、CO2冷媒よりも表面張力の大きな冷凍機油50が優先的に、その隅角部32を流れる。
これにより、頂角θ1を大きく形成した第1内面フィン21、殊に第1内面フィン21の頂部は、冷凍機油に覆われることなく、CO2冷媒と接触して効率よく熱交換することができる。したがって、内面フィン付伝熱管1は、CO2冷媒に冷凍機油50が混入した場合であっても、伝熱性能の低下を防止することができる。
続いて、上記構成で構成した内面フィン付伝熱管1について実施した性能比較試験について説明する。なお、本試験において、内面フィン20の内面フィン数N、フィン高さH、頂角θ、隅角部の曲率半径rをパラメータとして、以下の表1に示す実施例1〜10までの10種類の内面フィン付伝熱管1を作製するとともに、比較対照として比較例1〜3までの3種類の内面フィン付伝熱管を作製した。なお、比較例1は、図9に示すように、従来の内面フィン付伝熱管60である。
Figure 0005255249
本試験は、概略図である図6に示す伝熱性能評価装置400により性能評価を行った。この伝熱性能評価装置400におけるテストセクションは伝熱有効長さ4mの2重管構造となっており、外管側に冷媒よりも高温の水を流し、熱交換させて冷媒を蒸発させた結果を測定する。
なお、本試験において、冷媒には99.99%以上の二酸化炭素(R744)を、冷凍機油50にはポリアルキレングリコール(PAG)を使用している。また、本試験における測定条件を以下の表2に示す。
Figure 0005255249
また、試験結果であり、伝熱性能を示す管内熱伝達率αiは、以下の式により求める。
Figure 0005255249
ここで、Qは熱交換量、Gは管外を流れる水の質量流量、Δhwは測定区間の水入口/出口エンタルピ差を示す。
Figure 0005255249
ここで、Kは熱通過率、doは伝熱管外径、ΔTLは測定区間の対数平均温度差、Lは測定長を示す。
Figure 0005255249
ここで、αは管外熱伝達率、λwは測定区間の水の熱伝導率、Deは水流路の相当直径、Diは二重管外管内径、Reは測定区間の水のレイノルズ数、Prは測定区間の水のプラントル数を示す。
Figure 0005255249
ここで、αは比較対照となる管内熱伝達率、diは伝熱管最大内径を示す。
まず、最初に、内面フィン付伝熱管1の実施例1と比較例1において、CO2冷媒に含有する冷凍機油50の濃度による伝熱性能の低下についての管内熱伝達率比を比較した。
なお、冷媒の循環サイクル内で冷媒をサンプリングし、冷媒中の冷凍機油質量濃度を測定したところ、オイルセパレーターを通過させた場合は0.1wt.%以下であり、オイルセパレーターを通過させない場合は2.7wt.%であったため、本試験においては、上記2種類の冷凍機油質量濃度のCO2冷媒について比較した。
その結果、以下の表3に示すように、冷凍機油濃度0.1wt.%のときの、比較例1の管内熱伝達率αiを100として比較した場合、本試験による測定結果のグラフを示す図7からわかるように、従来の内面フィン付伝熱管60である比較例1について、冷凍機油質量濃度が2.7wt.%の管内熱伝達率αiは同0.1wt.%以下の時に比べて約50%に低下したが、内面フィン付伝熱管1の実施例1の伝熱管の管内熱伝達率αiは、冷凍機油質量濃度2.7wt.%でも同0.1wt.%以下の時に比べて20〜30%しか低下しないことが確認できた。
Figure 0005255249
このことから、内面フィン付伝熱管60の内面フィン部分の拡大断面図である図9(b)に示すように、1種類の内面フィンが内面に等間隔で配置された従来の内面フィン付伝熱管60と比べ、頂角θ及び高さHが異なる2種類の内面フィン20を有する内面フィン付伝熱管1を使用することによって、二酸化炭素を冷媒とする熱交換器で、CO2冷媒中に冷凍機油50が混入しても、高い伝熱性能を維持できる。その結果、ヒートポンプ給湯機の小型化、高性能化、あるいはその他の熱サイクル機器に使用する小型化、高性能化に寄与することが確認できた。
続く試験において、上記表1に示す実施例1〜10までの10種類の内面フィン付伝熱管1と比較例2,3を比較し、内面フィン数N、フィン高さH、頂角θ、隅角部31,32の曲率半径rによる影響を確認した。
なお、後述する上記試験結果は、冷凍機油濃度2.7wt.%のときの、実施例1の内面フィン付伝熱管1の管内熱伝達率αiを100として比較している。
以下の表4に示すように、比較例2,3並びに内面フィン付伝熱管1の実施例1〜3の比較では、頂角の差「θ1−θ2」について検討した。その結果、頂角の差「θ1−θ2」を10〜30度の範囲内に設定した内面フィン付伝熱管1の実施例1〜3の管内熱伝達率比が比較例2,3より高く、有効であることが確認できた。
Figure 0005255249
以下の表5に示すように、内面フィン付伝熱管1の実施例3,4,9の比較では、内面フィンの比「N1/N2」について検討した。実施例9は、管内熱伝達率αiは高い値を示したが、熱交換器の製作試験を行ったところ、拡管プラグ200(図5)による拡管ではアルミフィン300とうまく接着できなかった。しかし、上述したような液圧による拡管では問題なく拡管し、アルミフィン300と密着させて、接着することできた。一方、N1/N2が1.0より大きい場合は管の重量が大きくなる。これらの結果からN1/N2は0.2〜1.0が望ましいことが分かった。
Figure 0005255249
以下の表6に示すように、内面フィン付伝熱管1の実施例4,5,10の比較では、高さの差「H1−H2」について検討した。その結果、第1内面フィン21と第2内面フィン22の高さの差を小さく形成した実施例10は管内熱伝達率αiは低下することを確認した。その結果からH1−H2を0.05mm以上確保することがより望ましいことが分かった。
Figure 0005255249
以下の表7に示すように、隅角部31の曲率半径r1を隅角部32の曲率半径r2より大きく形成した内面フィン付伝熱管1の実施例6〜8の比較では、隅角部31,32の曲率半径rの影響について検討した。その結果、曲率半径rに差をつけるほうが、管内熱伝達率αiがより向上することが確認できた。
Figure 0005255249
上記試験結果を纏めると、第1内面フィン21の頂角θ1と第2内面フィン22の頂角θ2の差(θ1−θ2)が10〜30度の範囲に設定することが適していることがわかった。なぜならば、内面フィン20の頂角θの差(θ1−θ2)が10度未満では2種類の第1内面フィン21と第2内面フィン22の形状差による伝熱性能への効果が認められず、また、30度より大きく形成すると管内熱伝達率αiが低下する。
これは頂角θ1が余り大きくなりすぎ、すなわち第1内面フィン21のサイズが大きくなり、内面フィン付伝熱管1の内面積を拡大するための内面フィン20を多数形成できず、伝熱性能が低下するためである。また、第1内面フィン21のサイズが大きくなることによって、材料を多く使用し、内面フィン付伝熱管1のコストおよび重量が増加することとなる。
したがって、第1内面フィン21の頂角θ1を18〜40度の範囲内に設定し、第2内面フィン22の頂角θ2を8〜30度の範囲内に設定することがより望ましい。なお、頂角θが8度未満の内面フィン20を図4に示す拡管プラグ200で加工することは技術的に困難である。
また、第1内面フィン21の内面フィン数N1と、第2内面フィン22の内面フィン数N2との比がN1/N2=0.2〜1.0の範囲に設定することがより望ましい。第1内面フィン21の内面フィン数N1が少なすぎると、上記試験における実施例9のように、図5に示す熱交換器製作工程において、拡管プラグ200(図5)による拡管ではアルミフィン300とうまく接着できず、液圧による拡管等の異なる工程が必要となるためである。
また、内面フィン付伝熱管1の内面フィン数N1が多すぎると、2種類の形状を形成したことによる伝熱性能向上の効果が小さくなるとともに、内面フィン20を形成のための材料を多く使用し、内面フィン付伝熱管1のコストおよび重量が増加することとなる。
なお、同じ形状の内面フィン20(21,22)は周方向に均等に配置されることがより望ましい。これにより、図5に示す熱交換器製作工程において、内面フィン付伝熱管1をアルミフィン300に均等且つ確実に密着させることができる。
また、第1内面フィン21の高さH1と、第2内面フィン22の高さH2の差H1−H2を0.05mm以上に設定することがより望ましい。H1とH2の差H1−H2が0.05mm未満であると2種類の形状を形成したことによる伝熱性能向上の効果が低減されるからである。
なお、上述したように内面フィン付伝熱管1は、図5に示すように、拡管プラグ200によってアルミフィン300に密着して熱交換器を形成する際に、第1内面フィン21が傾いたり、押しつぶされる可能性があるが、H1とH2の差H1−H2を0.05mm以上に設定することにより、2種類の形状を形成したことによる伝熱性能向上の効果を、熱交換器の製作後の伝熱性能においても維持することができる。
また、第1内面フィン21の高さH1を0.15〜0.30mmの範囲内に設定し、第2内面フィン22の高さH2を0.10〜0.20mmの範囲内に設定することがより望ましい。
第1内面フィン21の高さH1が0.15mm未満の場合、伝熱性能が十分に向上されず、高さH1が0.30mmより大きくなると、CO2冷媒の流れに対して圧力損失と呼ばれる抵抗が増して、CO2冷媒を流すための圧縮機の負荷が増大するからである。また、第2内面フィン22の高さH2が0.01mm未満の場合、第2内面フィン22全体が冷凍機油50に覆われ、伝熱性能が低下するためである。
また、隅角部31の曲率半径r1と隅角部32の曲率半径r2との差r1−r2を0.01〜0.10mm以上の範囲内に設定することがより望ましい。これは、高さH2が低く、頂角θ2を小さく形成した第2内面フィン22の円弧形状の隅角部32を冷凍機油50が流れ、第1内面フィン21、殊に、第1内面フィン21の頂部は冷凍機油に覆われることなく、CO2冷媒と接触熱交換することによる伝熱性能の向上において、同じ曲率半径rの隅角部を形成するよりも、0.01mmの差をつけた曲率半径rの隅角部を形成することによって、さらに伝熱性能を向上することができる。
さらに、隅角部31の曲率半径r1と隅角部32の曲率半径r2との差r1−r2の上限を0.1mm以下に設定したことによって、頂角θ1の上限を40度に設定したことと同じ理由により、すなわち、1つあたりの第1内面フィン21のサイズが大きくなり、内面積を拡大するための内面フィンを多数形成できなくなることによって、性能が低下することを防止することができる。
なお、隅角部を曲率半径rの円弧形状で形成せずとも、図8(a)に示すように、隅角部をテーパ形状で形成してもよく、テーパ部33(33a,33b)の大きさに差を付けることにより、曲率半径rに差をつける効果と同じ効果を得ることができる。また、図8(b)に示すように、隅角部を緩和曲線形状で形成してもよい。この場合も緩和曲線部34(34a,34b)の曲率に差を付けることにより、曲率半径rに差をつける効果と同じ効果を得ることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の冷媒は、CO2冷媒に対応し、
以下同様に、
第1内面フィンの頂角は、θ1に対応し、
第2内面フィンの頂角は、θ2に対応し、
第1内面フィンの高さは、H1に対応し、
第2内面フィンの高さは、H2に対応し、
第1内面フィンの隅角部の曲率半径は、r1に対応し、
第2内面フィンの隅角部の曲率半径は、r2に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
管の中心軸を通る面における断面図。 内面フィン付伝熱管についての説明図。 内面フィンについて説明する説明図。 加工装置の概略図。 熱交換器の形成方法について説明する説明図。 伝熱性能評価装置の概略図。 本試験による測定結果のグラフ。 隅角部の他の実施形態を説明する説明図。 従来の内面フィン付伝熱管について説明する説明図。
1…内面フィン付伝熱管
10…管内面
11…管内部
20…内面フィン
20a,21a,22a…底部
21…第1内面フィン
22…第2内面フィン
31,32…隅角部
H1…第1内面フィンの高さ
H2…第2内面フィンの高さ
θ1…第1内面フィンの頂角
θ2…第2内面フィンの頂角
r1…第1内面フィンの隅角部の曲率半径
r2…第2内面フィンの隅角部の曲率半径

Claims (1)

  1. 管内面に複数の内面フィンを有し、管内部に、冷凍機油が混入した二酸化炭素冷媒の通過を許容する内面フィン付伝熱管であって、
    前記内面フィンを、
    第1内面フィンと、該第1内面フィンより頂角を小さく形成した第2内面フィンとで構成し、
    前記第1内面フィンの間に少なくとも1つの前記第2内面フィンを形成し、
    前記第1内面フィンの頂角を18〜40度の範囲に設定するとともに、
    前記第2内面フィンの頂角を8〜30度の範囲に設定し、
    前記第1内面フィンの頂角と前記第2内面フィンの頂角との角度差を10〜32度の範囲に設定し
    前記第1内面フィンの高さを、前記第2内面フィンの高さより高く形成し、
    前記第1内面フィンの高さを、0.15〜0.30mmの範囲に設定するとともに、
    前記第2内面フィンの高さを、0.10〜0.20mmの範囲に設定し、
    前記内面フィンの底部と管内面との隅角部を所定の曲率半径の断面円弧形状で構成し、
    前記第1内面フィンの前記曲率半径を、
    前記第2内面フィンの前記曲率半径より0.01〜0.1mmの範囲で大きく形成した
    内面フィン付伝熱管。
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