JP2010249484A - 熱交換器および冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非共沸混合冷媒に対して伝熱性能が改善される伝熱管を用いた熱交換器、この熱交換器を用いた冷凍サイクル装置等を提供する。
【解決手段】熱交換器1はフィン10と、フィン10を貫通する伝熱管20とから形成され、伝熱管20の内面には、管軸方向に沿って螺旋状に複数の溝が形成されている。かかる内面は、内側に突出する所定高さの高山22Aと高山22Aより高さの低い低山22Bとの2種類の凸部によって構成される山部22と、溝21と、を有している。ここで、低山22Bの高さは、高山22Aの高さよりも0.1mmから0.15mm低い。
【選択図】図2
【解決手段】熱交換器1はフィン10と、フィン10を貫通する伝熱管20とから形成され、伝熱管20の内面には、管軸方向に沿って螺旋状に複数の溝が形成されている。かかる内面は、内側に突出する所定高さの高山22Aと高山22Aより高さの低い低山22Bとの2種類の凸部によって構成される山部22と、溝21と、を有している。ここで、低山22Bの高さは、高山22Aの高さよりも0.1mmから0.15mm低い。
【選択図】図2
Description
この発明は熱交換器および冷凍サイクル装置および空気調和機、特に、非共沸混合冷媒との熱交換に好適な伝熱管、該伝熱管を用いた熱交換器、該熱交換器を用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
従来、冷凍装置、空気調和装置、ヒートポンプ等に用いられる熱交換器は、一般に、所定の間隔で複数並べたフィン(薄板)と、該フィンを貫通する伝熱管とから形成されている。伝熱管は、冷凍サイクル装置における冷媒回路の一部となり、管内部を流れる冷媒(流体)から冷熱または温熱をフィンに伝達する。また、フィンは伝達された冷熱または温熱をフィン間を流れる流体(たとえば、空気)に放出する(流体から温熱または冷熱を受け取るに同じ)。
このとき、伝熱管の伝熱性能を高めるため、内面に管軸方向の溝が形成されている。管内面の溝は、管軸方向と溝が延びる方向とが一定の角度をなすように加工されている。
以下、隣り合う溝の側壁によってできる凸部分(肉厚が厚い部分)を「山部」と、山部に挟まれた凹部の空間を「溝部」と称す。すなわち、溝部の中央が最も肉厚が薄いことになる。
以下、隣り合う溝の側壁によってできる凸部分(肉厚が厚い部分)を「山部」と、山部に挟まれた凹部の空間を「溝部」と称す。すなわち、溝部の中央が最も肉厚が薄いことになる。
そして、このような伝熱管を流れる冷媒は、伝熱管の外側を流れる流体(空気等)との熱交換により相変化(凝縮又は蒸発)する。そこで、この相変化を効率よく行うために、内面の表面積の増加、溝部による流体の攪拌効果の助長、溝部の毛細管作用による溝部間の液膜保持効果の助長等により、伝熱管の伝熱性能の改善をはかっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された伝熱管は、HC単一冷媒、R32、R410A、R407Cに対しては優れた伝熱性能を示すが、非共沸混合冷媒に対しては伝熱性能の改善が得られないという問題があった。なお、非共沸混合冷媒とは、HC単一冷媒、R32、R410A、R407Cの代替冷媒として有力視されているHFC32とテトラフルオロプロペンHFO1234yf(例えば2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)の混合冷媒、HFC32とHFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒、HFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒の沸点の異なる冷媒を混合したものを指している。
非共沸混合冷媒では、平衡状態での気相と液相の組成が異なっている。このため、凝縮時には、高沸点成分が低沸点成分よりも多く凝縮する。従って、気液界面の気相側には低沸点成分の濃度の厚い層と、液相側には低沸点成分の濃度の薄い層とが形成される(以下、これらを「濃度境界層」と称す。図18参照)。
そうすると、かかる濃度境界層が伝熱を妨害する抵抗となって、管内熱伝達率が低下する。また、この傾向は、凝縮の場合には溝部に形成される薄い液膜により、伝熱が促進される割合が比較的に大きくなる高乾き度域において顕著に見られる。
そうすると、かかる濃度境界層が伝熱を妨害する抵抗となって、管内熱伝達率が低下する。また、この傾向は、凝縮の場合には溝部に形成される薄い液膜により、伝熱が促進される割合が比較的に大きくなる高乾き度域において顕著に見られる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、非共沸混合冷媒に対して伝熱性能が改善される伝熱管を用いた熱交換器、この熱交換器を用いた冷凍サイクル装置等を提供することを目的とする。
本発明に係る熱交換器は、非共沸混合冷媒が流通する伝熱管と、
所定の間隔を空けて平行に配置され、前記伝熱管が貫通する複数のフィンと、を有し、
前記伝熱管の内面には、管軸方向に平行または管軸方向に沿って螺旋状に溝が形成され、
前記溝が、管中心側に所定の高さ突出する複数の高山と、前記高山よりも少ない高さだけ突出する複数の低山と、から形成されることを特徴とする。
所定の間隔を空けて平行に配置され、前記伝熱管が貫通する複数のフィンと、を有し、
前記伝熱管の内面には、管軸方向に平行または管軸方向に沿って螺旋状に溝が形成され、
前記溝が、管中心側に所定の高さ突出する複数の高山と、前記高山よりも少ない高さだけ突出する複数の低山と、から形成されることを特徴とする。
本発明に係る熱交換器は、所定の高さに形成された高山と、前記高山よりも高さが低く(たとえば、0.1mm〜0.15mm)形成された低山と、を管内面に備えるものであるから、高山部は気液界面の濃度境界層の濃度勾配を破壊し、従来の伝熱管に比べて、圧力損失を増加させずに、管内伝熱性能を高めることができる。
[実施の形態1]
(熱交換器)
図1は本発明の実施の形態1に係る熱交換器を説明するものであって、(a)は模式的に表す斜視図、(b)は一部を模式的に示す正面視の断面図である。図1において、熱交換器1は、冷凍装置、空気調和装置等の蒸発器、凝縮器として広く利用されているフィンチューブ式の熱交換器である。
熱交換器1は、複数の熱交換器用のフィン10と、伝熱管20と、で構成されている。所定の間隔で複数並べたフィン10に対して、各フィン10に設けた貫通穴を貫通するように、伝熱管20が設けられている。
伝熱管20は冷凍サイクル装置における冷媒回路の一部となり、管内部を冷媒が流れる。伝熱管20の内部を流れる冷媒と外部を流れる空気との間で、フィン10を介して熱交換をしている。すなわち、フィン10によって空気との接触面となる伝熱面積が拡がるから、冷媒と空気との間の熱交換の効率がよくなっている。
そして、伝熱管20の内面には軸方向に直線状または螺旋状の複数の溝(これについては別途詳細に説明する)が形成されている。
(熱交換器)
図1は本発明の実施の形態1に係る熱交換器を説明するものであって、(a)は模式的に表す斜視図、(b)は一部を模式的に示す正面視の断面図である。図1において、熱交換器1は、冷凍装置、空気調和装置等の蒸発器、凝縮器として広く利用されているフィンチューブ式の熱交換器である。
熱交換器1は、複数の熱交換器用のフィン10と、伝熱管20と、で構成されている。所定の間隔で複数並べたフィン10に対して、各フィン10に設けた貫通穴を貫通するように、伝熱管20が設けられている。
伝熱管20は冷凍サイクル装置における冷媒回路の一部となり、管内部を冷媒が流れる。伝熱管20の内部を流れる冷媒と外部を流れる空気との間で、フィン10を介して熱交換をしている。すなわち、フィン10によって空気との接触面となる伝熱面積が拡がるから、冷媒と空気との間の熱交換の効率がよくなっている。
そして、伝熱管20の内面には軸方向に直線状または螺旋状の複数の溝(これについては別途詳細に説明する)が形成されている。
(伝熱管その1)
図2は、図1に示す熱交換器における伝熱管を説明するものであって、(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図2において、伝熱管20aは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20aの管内面は溝形成により溝21と山部22とを有している。そして、山部22は、さらに高山22Aと低山22Bとの2種類の凸部により構成している。ここで、低山22Bの高さは、高山22Aの高さよりも0.1mmから0.15mm低いものとする。ただし、高山22Aと低山22Bとの差があり過ぎても(低山22Bが低過ぎても)管内の表面積の低下等、伝熱性能を低下させる可能性があるため、本実施の形態では、その差が0.1mm〜0.15mmに近くなるようにするものとする。
図2は、図1に示す熱交換器における伝熱管を説明するものであって、(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図2において、伝熱管20aは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20aの管内面は溝形成により溝21と山部22とを有している。そして、山部22は、さらに高山22Aと低山22Bとの2種類の凸部により構成している。ここで、低山22Bの高さは、高山22Aの高さよりも0.1mmから0.15mm低いものとする。ただし、高山22Aと低山22Bとの差があり過ぎても(低山22Bが低過ぎても)管内の表面積の低下等、伝熱性能を低下させる可能性があるため、本実施の形態では、その差が0.1mm〜0.15mmに近くなるようにするものとする。
(拡管状況)
図3は、図2に示す伝熱管の機械拡管方式による拡管の状況を模式的に表す側面視の断面図である。
図3において、熱交換器1は、貫通穴11が形成された複数枚のフィン(薄板)10を所定間隔に配置して、貫通穴11の周縁同士を接合部材12によって接合する。一方、伝熱管20aは、直線状の原管を長手方向の中央部で所定の曲げピッチ(曲率半径)でヘアピン状に曲げ加工し、ヘアピン管に成形されている。
そして、フィン10の貫通穴11(正確には、接合部材12の内側)に、ヘアピン管に成形された伝熱管20aの直管部を通過させた後、機械拡管方式により直管部を拡管して、フィン10と密着させ、接合している。
このとき、伝熱管20aの内径よりやや直径が大きく、外表面の平均表面粗さを0.05μm以下にした拡管玉30(ロッド31の先端に固定されている)を、伝熱管20の直管部に挿入し、伝熱管20の外径を拡げている。すなわち、機械拡管方式とは、かかる拡管によって、伝熱管20をフィン10の接合部材12に密着させる方法である。
図3は、図2に示す伝熱管の機械拡管方式による拡管の状況を模式的に表す側面視の断面図である。
図3において、熱交換器1は、貫通穴11が形成された複数枚のフィン(薄板)10を所定間隔に配置して、貫通穴11の周縁同士を接合部材12によって接合する。一方、伝熱管20aは、直線状の原管を長手方向の中央部で所定の曲げピッチ(曲率半径)でヘアピン状に曲げ加工し、ヘアピン管に成形されている。
そして、フィン10の貫通穴11(正確には、接合部材12の内側)に、ヘアピン管に成形された伝熱管20aの直管部を通過させた後、機械拡管方式により直管部を拡管して、フィン10と密着させ、接合している。
このとき、伝熱管20aの内径よりやや直径が大きく、外表面の平均表面粗さを0.05μm以下にした拡管玉30(ロッド31の先端に固定されている)を、伝熱管20の直管部に挿入し、伝熱管20の外径を拡げている。すなわち、機械拡管方式とは、かかる拡管によって、伝熱管20をフィン10の接合部材12に密着させる方法である。
このとき、機械拡管方式により拡管する際、拡管玉30が接触することで、高山22Aは山頂部分が潰されて、平坦となって山の高さが低くなる。一方、低山22Bは、潰される高さ0.1mm〜0.15mmよりも山頂部分が低いため、変形が無い。
そうすると、高山22Aは気液界面の濃度境界層の濃度勾配を破壊し、従来の伝熱管に比べて、管内伝熱性能を高めることができる。
そして、従来のように、管内のすべての山部に拡管玉30挿入の圧力が加わるのではなく、高山22Aの部分に圧力が加わって拡管を行うため、伝熱管20aの外面は多角形に加工されることになる。このため、伝熱管20aのスプリンバックが抑えられ、伝熱管20aとフィン10の接合部材12との密着性が改善する。
すなわち、伝熱管20aは、高山22Aの山の高さが低くなること、および密着性の改善によって、熱交換に係る効率(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を高めることができる。
そうすると、高山22Aは気液界面の濃度境界層の濃度勾配を破壊し、従来の伝熱管に比べて、管内伝熱性能を高めることができる。
そして、従来のように、管内のすべての山部に拡管玉30挿入の圧力が加わるのではなく、高山22Aの部分に圧力が加わって拡管を行うため、伝熱管20aの外面は多角形に加工されることになる。このため、伝熱管20aのスプリンバックが抑えられ、伝熱管20aとフィン10の接合部材12との密着性が改善する。
すなわち、伝熱管20aは、高山22Aの山の高さが低くなること、および密着性の改善によって、熱交換に係る効率(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を高めることができる。
(熱交換率)
図4は、図2に示す伝熱管の熱交換率を説明する特性相関図であって、縦軸は熱交換率、横軸は高山の条数である。
図4において、伝熱管20aの内面の一円周上(360°範囲)に、10条から20条の高山22Aを軸方向に螺旋状に連続的に形成するようにする。そして、さらに、高山22Aと高山22Aとの間に、2条から6条の低山22Bを形成する。なお、図2では、説明のために、高山22Aと低山22Bとを交互に示している。
図4は、図2に示す伝熱管の熱交換率を説明する特性相関図であって、縦軸は熱交換率、横軸は高山の条数である。
図4において、伝熱管20aの内面の一円周上(360°範囲)に、10条から20条の高山22Aを軸方向に螺旋状に連続的に形成するようにする。そして、さらに、高山22Aと高山22Aとの間に、2条から6条の低山22Bを形成する。なお、図2では、説明のために、高山22Aと低山22Bとを交互に示している。
このように、熱交換器1において、伝熱管20aの高山22Aを一円周上で10条〜20条の範囲に設定したのは、拡管する際、拡管玉30が高山22Aに接触し、山頂部分が0.04mm潰され、平坦となって山の高さを低くし、管内伝熱性能を高めるためである。
一方、伝熱管20aの高山22Aの条数を10より小さくすると、高山22Aにおける気液界面の濃度境界層の物質伝達促進効果が得られず、管内伝熱性能が低下する。
また、高山22Aの条数を20以上にすると、低山22Bの条数が減り、低山22Bにおける液膜の伝熱促進効果が得られず、管内伝熱性能が低下する。
一方、伝熱管20aの高山22Aの条数を10より小さくすると、高山22Aにおける気液界面の濃度境界層の物質伝達促進効果が得られず、管内伝熱性能が低下する。
また、高山22Aの条数を20以上にすると、低山22Bの条数が減り、低山22Bにおける液膜の伝熱促進効果が得られず、管内伝熱性能が低下する。
以上のように、実施の形態1の熱交換器1によれば、伝熱管20aの管内面の溝における山部22を、所定の高さを有する高山22Aと、高山22Aよりも0.1mm〜0.15mm低い低山22Bとの2種類の山により構成し、しかも、管内面において、10条〜20条となるように高山22Aを設け、隣接する高山22Aと高山22Aとの間に2条〜6条の低山22Bを設けるようにしたので、伝熱管20における物質伝達促進効果と伝熱促進効果が得られ、伝熱性能を向上させることができる。
また、拡管の際、拡管玉30が高山22Aのみに接触して伝熱管20aの外面が多角形に加工されるから、伝熱管のスプリンバックが抑えられ、伝熱管20aとフィン10(接合部材12)との密着性を改善することができる。このため、熱交換率(伝熱管通過前後の熱量の比率)を高くすることができ、省エネルギ化を図ることができる。また、冷媒回路内の冷媒の減量、高効率を維持しつつ、小型化等を図ることもできる。
また、拡管の際、拡管玉30が高山22Aのみに接触して伝熱管20aの外面が多角形に加工されるから、伝熱管のスプリンバックが抑えられ、伝熱管20aとフィン10(接合部材12)との密着性を改善することができる。このため、熱交換率(伝熱管通過前後の熱量の比率)を高くすることができ、省エネルギ化を図ることができる。また、冷媒回路内の冷媒の減量、高効率を維持しつつ、小型化等を図ることもできる。
[実施の形態2]
(伝熱管その2)
図5は本発明の実施の形態2に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図5において、伝熱管20bは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20bの管内面は、溝形成により平坦部(広い溝に相等する)21Bと凹凸のある山部22とを有している。
このとき、山部22は、高山22Aと低山22Bとの2種類の山部により構成されている。高山22Aは内面の一円周上に10条〜20条の高山として、軸方向に螺旋状に連続的に形成されている。また、低山22Bは高山22Aと高山22Aとの間に2条〜3条の範囲で山として形成され、低山22Bと低山22Bとの間あるいは低山22Bと高山22Aとの間に、谷部(狭い溝に同じ)21Aが形成されている。すなわち、平坦部21Bは、高山22Aと低山22Bとの間で、低山22Bや谷部21Aが形成されていない範囲ということができる。
(伝熱管その2)
図5は本発明の実施の形態2に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図5において、伝熱管20bは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20bの管内面は、溝形成により平坦部(広い溝に相等する)21Bと凹凸のある山部22とを有している。
このとき、山部22は、高山22Aと低山22Bとの2種類の山部により構成されている。高山22Aは内面の一円周上に10条〜20条の高山として、軸方向に螺旋状に連続的に形成されている。また、低山22Bは高山22Aと高山22Aとの間に2条〜3条の範囲で山として形成され、低山22Bと低山22Bとの間あるいは低山22Bと高山22Aとの間に、谷部(狭い溝に同じ)21Aが形成されている。すなわち、平坦部21Bは、高山22Aと低山22Bとの間で、低山22Bや谷部21Aが形成されていない範囲ということができる。
このように、伝熱管20bは、谷部21A(山部22に形成されている)と平坦部21B(低山22Bや谷部21Aが形成されていない)とを設けたのは、冷凍機油含有量が0.5質量%を超え5.0質量%以下である非共沸混合冷媒を使用する場合は、2条山以下と同等な溝部断面積になると、溝に冷凍機油が保持され低い山の上部まで冷凍機油に覆われてしまうため、伝熱性能が低下するからである。
[実施の形態3]
(伝熱管その3)
図6は本発明の実施の形態3に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図6において、伝熱管20cは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20c管内面は、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。
すなわち、機械拡管方式により拡管する際、拡管玉30が接触することで、高山22Aは山頂部分が倒れて山の高さが低くなる。一方、低山22Bは、倒れた高さ0.1mm〜0.15mmよりも山頂部分が低い。
それで、高山22Aは気液界面の濃度境界層の濃度勾配を破壊し、従来の伝熱管に比べて、圧力損失を増加させずに、管内伝熱性能を高めることができる。そして、従来のように、管内のすべての山部22に拡管玉30挿入の圧力が加わるのではなく、高山22Aの部分に圧力が加わって拡管が行なわれるため、伝熱管20cの外面は多角形に加工されることになる。そして、伝熱管20cのスプリンバックを抑えることができる。これにより、伝熱管20cとフィン10(接合部材12)との密着性が改善し、熱交換に係る効率(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を高めることができる。
(伝熱管その3)
図6は本発明の実施の形態3に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図6において、伝熱管20cは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20c管内面は、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。
すなわち、機械拡管方式により拡管する際、拡管玉30が接触することで、高山22Aは山頂部分が倒れて山の高さが低くなる。一方、低山22Bは、倒れた高さ0.1mm〜0.15mmよりも山頂部分が低い。
それで、高山22Aは気液界面の濃度境界層の濃度勾配を破壊し、従来の伝熱管に比べて、圧力損失を増加させずに、管内伝熱性能を高めることができる。そして、従来のように、管内のすべての山部22に拡管玉30挿入の圧力が加わるのではなく、高山22Aの部分に圧力が加わって拡管が行なわれるため、伝熱管20cの外面は多角形に加工されることになる。そして、伝熱管20cのスプリンバックを抑えることができる。これにより、伝熱管20cとフィン10(接合部材12)との密着性が改善し、熱交換に係る効率(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を高めることができる。
[実施の形態4]
(伝熱管その4)
図7および図8は本発明の実施の形態4に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図7の(a)は機械拡管方式による拡管の状況を模式的に表す側面視の断面図、図7の(b)は機械拡管方式に用いる拡管玉を示す断面図、図8の(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す一部の斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7および図8において、伝熱管20dは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20dの管内面は、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。そして、伝熱管20は、図7の(b)に示す伝熱管20dの内径よりやや外径の大きく外表面に突起31dを付けた拡管玉30dを用いて機械拡管方式による拡管される(図3参照)。
すなわち、機械拡管方式により拡管する際、拡管玉30dの表面に突起31dが設けられているから、突起31dが接触する高山22Aの山頂部分に横溝22Cが形成される。
そうすると、高山22Aの山頂部分により気液界面の濃度境界層の濃度勾配が破壊され、従来の伝熱管に比べて、圧力損失を増加させずに、管内伝熱性能を高めることができる。そして、従来のように、管内のすべての山部22に拡管玉30dの挿入圧力が加わるのではなく、高山22Aの部分に圧力が加わって(低山22Bの部分には圧力が加わらないで)拡管を行うため、伝熱管20dの外面は多角形に加工されることになる。そして、伝熱管20dのスプリンバックを抑えることができる。これにより、伝熱管20dとフィン10(接合部材12)との密着性が改善し、熱交換に係る効率(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を高めることができる。
(伝熱管その4)
図7および図8は本発明の実施の形態4に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図7の(a)は機械拡管方式による拡管の状況を模式的に表す側面視の断面図、図7の(b)は機械拡管方式に用いる拡管玉を示す断面図、図8の(a)は拡管前の状態を模式的に表す正面視の拡大断面図、(b)は拡管後の状態を模式的に表す一部の斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7および図8において、伝熱管20dは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20dの管内面は、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。そして、伝熱管20は、図7の(b)に示す伝熱管20dの内径よりやや外径の大きく外表面に突起31dを付けた拡管玉30dを用いて機械拡管方式による拡管される(図3参照)。
すなわち、機械拡管方式により拡管する際、拡管玉30dの表面に突起31dが設けられているから、突起31dが接触する高山22Aの山頂部分に横溝22Cが形成される。
そうすると、高山22Aの山頂部分により気液界面の濃度境界層の濃度勾配が破壊され、従来の伝熱管に比べて、圧力損失を増加させずに、管内伝熱性能を高めることができる。そして、従来のように、管内のすべての山部22に拡管玉30dの挿入圧力が加わるのではなく、高山22Aの部分に圧力が加わって(低山22Bの部分には圧力が加わらないで)拡管を行うため、伝熱管20dの外面は多角形に加工されることになる。そして、伝熱管20dのスプリンバックを抑えることができる。これにより、伝熱管20dとフィン10(接合部材12)との密着性が改善し、熱交換に係る効率(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を高めることができる。
[実施の形態5]
(伝熱管その5)
図9および図10は本発明の実施の形態5に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図9は正面視の形状を拡大して示す拡大断面図、図10は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸は溝深さ)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図9において、伝熱管20eは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20eは、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。以下、拡管後の溝21と山部22との差Hについて説明する。
(伝熱管その5)
図9および図10は本発明の実施の形態5に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図9は正面視の形状を拡大して示す拡大断面図、図10は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸は溝深さ)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図9において、伝熱管20eは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20eは、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。以下、拡管後の溝21と山部22との差Hについて説明する。
図10において、伝熱管20eは、拡管後の溝21と山部22との差Hが大きいほど、管内における表面積が増える等して熱伝達率も高くなる。しかしながら、溝21と山部22との差Hが0.26mmよりも大きくなると、熱伝達率の増加量よりも圧力損失の増加量の方が多くなるため、熱交換率が低下する。一方、溝21と山部22との差Hが0.1mm未満の場合は、熱伝達率は向上しない。
以上より、伝熱管20eにおいては、拡管後の溝21と山部22との差Hが0.25mm〜0.35mmとなるように高山22Aおよび低山22Bを形成する。
以上のように実施の形態5に示す伝熱管20eによれば、拡管後の溝21と山部22との差Hが0.25mm〜0.35mmとなるように高山22Aおよび低山22Bを形成するようにしたので、伝熱管20eにおける伝熱性能(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を向上させることができる。
以上より、伝熱管20eにおいては、拡管後の溝21と山部22との差Hが0.25mm〜0.35mmとなるように高山22Aおよび低山22Bを形成する。
以上のように実施の形態5に示す伝熱管20eによれば、拡管後の溝21と山部22との差Hが0.25mm〜0.35mmとなるように高山22Aおよび低山22Bを形成するようにしたので、伝熱管20eにおける伝熱性能(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を向上させることができる。
[実施の形態6]
(伝熱管その6)
図11および図12は本発明の実施の形態6に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図11は正面視の形状を拡大して示す拡大断面図、図12は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸は高山の先端幅)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図11において、伝熱管20fは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20fは、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。山部22は断面略矩形状の高山22Aおよび低山22Bを有している。
伝熱管20fは、拡管後において、高山22Aの山頂部分の先端幅W1を0.045〜0.065mmとし、低山22Bの先端幅W2を、0.03〜0.035mmの範囲としたものである。
(伝熱管その6)
図11および図12は本発明の実施の形態6に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図11は正面視の形状を拡大して示す拡大断面図、図12は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸は高山の先端幅)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図11において、伝熱管20fは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20fは、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。山部22は断面略矩形状の高山22Aおよび低山22Bを有している。
伝熱管20fは、拡管後において、高山22Aの山頂部分の先端幅W1を0.045〜0.065mmとし、低山22Bの先端幅W2を、0.03〜0.035mmの範囲としたものである。
図12に示す、拡管した後の高山22Aの先端幅W1と熱交換率との関係を示す相関図において、拡管した後の先端幅W1が0.045mm以下になるようにすると、拡管玉30を用いて拡管を行う際、山頂上部が潰れ、また、挿入による圧力が弱くなる。
そのため、伝熱管20fの拡管が不十分で、伝熱管20fとフィン10との密着性が悪化して、熱交換率の低下が顕著になる。
また、先端幅W1を0.065mm以上となるようにすると、溝21において断面積が減少するため、冷媒の液膜が厚くなり、熱伝達率が顕著に低下する。
そのため、伝熱管20fの拡管が不十分で、伝熱管20fとフィン10との密着性が悪化して、熱交換率の低下が顕著になる。
また、先端幅W1を0.065mm以上となるようにすると、溝21において断面積が減少するため、冷媒の液膜が厚くなり、熱伝達率が顕著に低下する。
一方、低山22Bの先端幅W2を0.03〜0.035mmとすることにより、山の裾幅も狭く形成することとなり、全体として細く形成することで、伝熱面積が高くなり、管内熱伝達率が増加する。
以上のように実施の形態6の伝熱管20fによれば、高山22Aの山頂部分の先端幅W1を0.045〜0.065mmとし、低山22Bの先端幅W2を、0.03〜0.035mmの範囲となるように、高山22Aおよび低山22Bを形成したので、伝熱管20fにおける伝熱性能(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を向上させることができる。
[実施の形態7]
(伝熱管その7)
図13および図14は本発明の実施の形態7に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図13は正面視の形状を拡大して示す拡大断面図、図14は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸は頂角)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図13において、伝熱管20gは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20gは、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。山部22は断面略矩形状の高山22Aおよび低山22Bを有している。
このとき、伝熱管20gの高山22Aの頂角α(一対の側面がなす角度に同じ)を15°〜50°とし、低山22Bの頂角βを5°〜15°としている。
(伝熱管その7)
図13および図14は本発明の実施の形態7に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図13は正面視の形状を拡大して示す拡大断面図、図14は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸は頂角)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図13において、伝熱管20gは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20gは、溝形成により溝21と凹凸のある山部22とを有している。山部22は断面略矩形状の高山22Aおよび低山22Bを有している。
このとき、伝熱管20gの高山22Aの頂角α(一対の側面がなす角度に同じ)を15°〜50°とし、低山22Bの頂角βを5°〜15°としている。
図14において、基本的には、山部22における頂角が小さい程、伝熱管20g全体として伝熱面積が増加するため、熱伝達率が増加する。しかしながら、高山22Aの頂角αが15°より小さくなると、熱交換器1を製造する際の加工性が著しく低下するため、最終的には熱交換器1の熱交換率が低下することになる。
一方、頂角αが50°よりも大きくなると、溝21の断面積が小さくなり、溝21から冷媒の液膜が溢れ、山頂部分まで液膜に覆われてしまうため、伝熱管20gの熱伝達率が低下することになる。
一方、頂角αが50°よりも大きくなると、溝21の断面積が小さくなり、溝21から冷媒の液膜が溢れ、山頂部分まで液膜に覆われてしまうため、伝熱管20gの熱伝達率が低下することになる。
一方、低山22Bの頂角βを5°〜15°とすることにより、山の裾幅も狭く形成することとなり、全体として細く形成することで、伝熱面積が高くなり、伝熱管20gの管内熱伝達率が増加する。
以上のように、実施の形態7の伝熱管20gによれば、高山22Aの頂角αを15°〜50°とし、低山22Bの頂角βを5°〜15°となるように高山22Aおよび低山22Bを形成したので、伝熱管20gにおける伝熱性能(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を向上させることができる。
[実施の形態8]
(伝熱管その8)
図15および図16は本発明の実施の形態8に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図15は側面視の形状を示す断面図、図16は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸はリード角)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図15において、伝熱管20hは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20hは、溝形成により軸方向に螺旋状の溝(溝21と山部22とを有す。以下「螺旋溝」と称す)23が形成されている。このとき、伝熱管20hの内面における管軸方向に平行な直線と螺旋溝23が延びる方向とがなすリード度Rが10°〜35°としている。
(伝熱管その8)
図15および図16は本発明の実施の形態8に係る熱交換器における伝熱管を説明するものであって、図15は側面視の形状を示す断面図、図16は熱交換率を説明する特性相関図(縦軸は熱交換率、横軸はリード角)である。なお、実施の形態1と同じ部分または相等する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図15において、伝熱管20hは図1に示す伝熱管20として熱交換器1に用いられるものであって、伝熱管20hは、溝形成により軸方向に螺旋状の溝(溝21と山部22とを有す。以下「螺旋溝」と称す)23が形成されている。このとき、伝熱管20hの内面における管軸方向に平行な直線と螺旋溝23が延びる方向とがなすリード度Rが10°〜35°としている。
図16において、伝熱管20の螺旋溝23のリード角R(溝21または山部22のリード角Rに同じ)と熱交換率との関係は、基本的には、伝熱管20hの螺旋溝23のリード角Rを10°〜35°の範囲に設定している。
これは、螺旋溝23のリード角Rの下限を10°以下にすると、熱交換率の低下が顕著になり、一方、螺旋溝23のリード角Rの上限を35°以上にすると、管内圧力損失が増加するからである。
これにより、溝部21を乗り越えて流れるような流れが発生し難くなり、管内圧力損失が増加せずに、熱交換率を向上させることができ、高効率の空気調和機が得られる。
これは、螺旋溝23のリード角Rの下限を10°以下にすると、熱交換率の低下が顕著になり、一方、螺旋溝23のリード角Rの上限を35°以上にすると、管内圧力損失が増加するからである。
これにより、溝部21を乗り越えて流れるような流れが発生し難くなり、管内圧力損失が増加せずに、熱交換率を向上させることができ、高効率の空気調和機が得られる。
以上のように、実施の形態8の伝熱管20hの螺旋溝23のリード角Rを10°〜35°となるように山を形成したので、伝熱管20hにおける伝熱性能(熱交換器1の熱交換性能に同じ)を向上させることができる。
なお、以上、実施の形態1〜8に説明した熱交換器1は伝熱管20a〜20hとフィン10とを具備するものであるが、フィン10をしないもの、すなわち、伝熱管20a〜20hの何れかのみであっても熱伝達(熱交換)機能を有するから、熱交換器1に均等である。
[実施の形態9]
(空気調和装置)
図17は本発明の実施の形態9に係る冷凍サイクル装置を説明する構成図である。
図17において、空気調和装置2は、熱源側ユニット(室外機)100と負荷側ユニット(室内機)200とを備え、これらが冷媒配管(ガス配管300および液配管400)によって連結され、冷媒回路を構成して冷媒を循環させている。
なお、冷媒配管は、負荷側ユニット200において冷熱を利用する(室内を冷房する)場合を基準に、便宜的に、気体の冷媒(ガス冷媒)が流れる配管をガス配管300とし、液体の冷媒(液冷媒。気液二相冷媒の場合もある)が流れる配管を液配管400としていいる。
ここで、冷媒として、例えば、非共沸混合冷媒として、HFC32とテトラフルオロプロペンHFO1234yf(例えば2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)の混合冷媒、HFC32とHFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒、HFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒等を用いるものとする。
(空気調和装置)
図17は本発明の実施の形態9に係る冷凍サイクル装置を説明する構成図である。
図17において、空気調和装置2は、熱源側ユニット(室外機)100と負荷側ユニット(室内機)200とを備え、これらが冷媒配管(ガス配管300および液配管400)によって連結され、冷媒回路を構成して冷媒を循環させている。
なお、冷媒配管は、負荷側ユニット200において冷熱を利用する(室内を冷房する)場合を基準に、便宜的に、気体の冷媒(ガス冷媒)が流れる配管をガス配管300とし、液体の冷媒(液冷媒。気液二相冷媒の場合もある)が流れる配管を液配管400としていいる。
ここで、冷媒として、例えば、非共沸混合冷媒として、HFC32とテトラフルオロプロペンHFO1234yf(例えば2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)の混合冷媒、HFC32とHFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒、HFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒等を用いるものとする。
(熱源側ユニット)
熱源側ユニット100は、圧縮機101、油分離器102、四方弁103、熱源側熱交換器104、熱源側ファン105、アキュムレータ106、熱源側絞り装置(膨張弁)107、冷媒間熱交換器108、バイパス絞り装置109および熱源側制御装置110の各装置(手段)で構成する。
熱源側ユニット100は、圧縮機101、油分離器102、四方弁103、熱源側熱交換器104、熱源側ファン105、アキュムレータ106、熱源側絞り装置(膨張弁)107、冷媒間熱交換器108、バイパス絞り装置109および熱源側制御装置110の各装置(手段)で構成する。
圧縮機101は、電動機を有し、冷媒を吸入して、その冷媒を圧縮して高温・高圧のガス状態にして冷媒配管に流す。圧縮機101の運転制御については、例えば、装備したマスター側インバータ回路やスレーブ側インバータ回路(図示しない)等によって運転周波数を任意に変化させることにより、圧縮機101の容量(単位時間あたりの冷媒を送り出す量)を細かく変化させることができるものとする。
また、油分離器102は、冷媒に混じって圧縮機101から吐出された潤滑油を分離させるものである。分離された潤滑油は圧縮機101に戻される。
四方弁103は、熱源側制御装置110からの指示に基づいて冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換える。
熱源側熱交換器104は、実施の形態1〜8において説明した熱交換器1を用いて構成し、冷媒と空気(室外の空気)との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては蒸発器として機能し、熱源側絞り装置107を介して流入した低圧の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させ、気化させる。一方、冷房運転時においては凝縮器として機能し、四方弁103側から流入した高圧高温の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させる。
熱源側熱交換器104には、冷媒と空気との熱交換を効率よく行うため、熱源側ファン105が設けられている。熱源側ファン105もインバータ回路(図示しない)を有し、ファンモータの運転周波数を任意に変化させてファンの回転速度を細かく変化させるようにしてもよい。
四方弁103は、熱源側制御装置110からの指示に基づいて冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換える。
熱源側熱交換器104は、実施の形態1〜8において説明した熱交換器1を用いて構成し、冷媒と空気(室外の空気)との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては蒸発器として機能し、熱源側絞り装置107を介して流入した低圧の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させ、気化させる。一方、冷房運転時においては凝縮器として機能し、四方弁103側から流入した高圧高温の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させる。
熱源側熱交換器104には、冷媒と空気との熱交換を効率よく行うため、熱源側ファン105が設けられている。熱源側ファン105もインバータ回路(図示しない)を有し、ファンモータの運転周波数を任意に変化させてファンの回転速度を細かく変化させるようにしてもよい。
冷媒間熱交換器108は、冷媒回路の主となる流路を流れる冷媒と、その流路から分岐してバイパス絞り装置109(膨張弁)により流量調整された冷媒との間で熱交換を行う。特に冷房運転時において冷媒を過冷却する必要がある場合に、冷媒を過冷却して負荷側ユニット200に供給するものである。冷媒間熱交換器108についても、実施の形態1〜8において説明した熱交換器1を用いて構成する。
バイパス絞り装置109を介して流れる冷媒は、バイパス配管111を介してアキュムレータ106に戻される。
アキュムレータ106は、例えば液体の余剰冷媒を溜めておく手段である。
熱源側制御装置110は、例えばマイクロコンピュータ等からなる。負荷側制御装置204と有線または無線通信することができ、例えば、空気調和装置2内の各種検知手段(センサ、図示しない)の検知に係るデータに基づいて、インバータ回路制御による圧縮機101の運転周波数制御等、空気調和装置2に係る各手段を制御して空気調和装置2全体の動作制御を行う。
アキュムレータ106は、例えば液体の余剰冷媒を溜めておく手段である。
熱源側制御装置110は、例えばマイクロコンピュータ等からなる。負荷側制御装置204と有線または無線通信することができ、例えば、空気調和装置2内の各種検知手段(センサ、図示しない)の検知に係るデータに基づいて、インバータ回路制御による圧縮機101の運転周波数制御等、空気調和装置2に係る各手段を制御して空気調和装置2全体の動作制御を行う。
(負荷側ユニット)
一方、負荷側ユニット200は、負荷側熱交換器201、負荷側絞り装置(膨張弁)202、負荷側ファン203および負荷側制御装置204で構成される。
負荷側熱交換器201についても、実施の形態1〜8において説明した熱交換器1を用いて構成し、冷媒と空気調和の対象となる空間の空気との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては凝縮器として機能し、ガス配管300から流入した冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化(または気液二相化)させ、液配管400側に流出させる。
一方、負荷側ユニット200は、負荷側熱交換器201、負荷側絞り装置(膨張弁)202、負荷側ファン203および負荷側制御装置204で構成される。
負荷側熱交換器201についても、実施の形態1〜8において説明した熱交換器1を用いて構成し、冷媒と空気調和の対象となる空間の空気との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては凝縮器として機能し、ガス配管300から流入した冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化(または気液二相化)させ、液配管400側に流出させる。
一方、冷房運転時においては蒸発器として機能し、負荷側絞り装置202により低圧状態にされた冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒は空気から温熱を受け取って(冷媒が保有していた冷熱が空気に奪われて)、蒸発(気化)し、ガス配管300側に流出させる。
また、負荷側ユニット200には、熱交換を行う空気の流れを調整するための負荷側ファン203が設けられている。この負荷側ファン203の運転速度は、例えば利用者の設定により決定される。負荷側絞り装置202は、開度を変化させることで、負荷側熱交換器201内における冷媒の圧力を調整するために設ける。
また、負荷側ユニット200には、熱交換を行う空気の流れを調整するための負荷側ファン203が設けられている。この負荷側ファン203の運転速度は、例えば利用者の設定により決定される。負荷側絞り装置202は、開度を変化させることで、負荷側熱交換器201内における冷媒の圧力を調整するために設ける。
また、負荷側制御装置204もマイクロコンピュータ等からなり、例えば、熱源側制御装置110と有線または無線通信することができる。熱源側制御装置110からの指示、居住者等からの指示に基づいて、例えば、室内が所定の温度となるように、負荷側ユニット200の各装置(手段)を制御する。また、負荷側ユニット200に設けられた検知手段(図示しない)の検知に係るデータを含む信号を送信する。
(動作:冷房運転時)
次に、空気調和装置2の動作について説明する。まず、冷房運転時の冷媒回路における基本的な冷媒循環について説明する。圧縮機101の駆動運転により、圧縮機101から吐出した高温、高圧ガス(気体)の冷媒は、四方弁103から熱源側熱交換器104内を通過することで凝縮し、液冷媒となって熱源側ユニット100を流出する。液配管400を通って負荷側ユニット200に流入した冷媒は、負荷側絞り装置202の開度調整により圧力調整された低温低圧の液冷媒が負荷側熱交換器201内を通過して蒸発して流出する。そして、ガス配管300を通って熱源側ユニット100に流入し、四方弁103、アキュムレータ106を介して圧縮機101に吸入され、再度加圧され吐出することで循環する。
次に、空気調和装置2の動作について説明する。まず、冷房運転時の冷媒回路における基本的な冷媒循環について説明する。圧縮機101の駆動運転により、圧縮機101から吐出した高温、高圧ガス(気体)の冷媒は、四方弁103から熱源側熱交換器104内を通過することで凝縮し、液冷媒となって熱源側ユニット100を流出する。液配管400を通って負荷側ユニット200に流入した冷媒は、負荷側絞り装置202の開度調整により圧力調整された低温低圧の液冷媒が負荷側熱交換器201内を通過して蒸発して流出する。そして、ガス配管300を通って熱源側ユニット100に流入し、四方弁103、アキュムレータ106を介して圧縮機101に吸入され、再度加圧され吐出することで循環する。
(動作:暖房運転時)
また、暖房運転時の冷媒回路における基本的な冷媒循環について説明する。圧縮機101の駆動運転により、圧縮機101から吐出した高温、高圧ガス(気体)の冷媒は、四方弁103からガス配管300を通って負荷側ユニット200に流入する。負荷側ユニット200においては、負荷側絞り装置202の開度調整により圧力調整され、負荷側熱交換器201内を通過することにより凝縮し、中間圧力の液体または気液二相状態の冷媒となって負荷側ユニット200を流出する。液配管400を通って熱源側ユニット100に流入した冷媒は、熱源側絞り装置107の開度調整により圧力調整され、熱源側熱交換器104内を通過することで蒸発し、ガスの冷媒となって四方弁103、アキュムレータ106を介して圧縮機101に吸入され、前述したように加圧され吐出することで循環する。
また、暖房運転時の冷媒回路における基本的な冷媒循環について説明する。圧縮機101の駆動運転により、圧縮機101から吐出した高温、高圧ガス(気体)の冷媒は、四方弁103からガス配管300を通って負荷側ユニット200に流入する。負荷側ユニット200においては、負荷側絞り装置202の開度調整により圧力調整され、負荷側熱交換器201内を通過することにより凝縮し、中間圧力の液体または気液二相状態の冷媒となって負荷側ユニット200を流出する。液配管400を通って熱源側ユニット100に流入した冷媒は、熱源側絞り装置107の開度調整により圧力調整され、熱源側熱交換器104内を通過することで蒸発し、ガスの冷媒となって四方弁103、アキュムレータ106を介して圧縮機101に吸入され、前述したように加圧され吐出することで循環する。
以上のように空気調和装置2によれば、熱源側ユニット100の熱源側熱交換器104、冷媒間熱交換器108、負荷側ユニット200の負荷側熱交換器201について、熱交換率の高い実施の形態1〜8に記載した熱交換器1(伝熱管20a〜20hを用いている)を蒸発器あるいは凝縮器として用いるようにしたので、COP(Coefficient of Performance :エネルギ消費効率、成績係数)等を向上させることができ、省エネルギ等を図ることができる。
[熱交換率の確認]
以下、本発明の熱交換器を形成する伝熱管である実施例1〜13と、本発明の範囲から外れる伝熱管である比較例1〜10とを製作して、それぞれの熱交換率を表1〜5に示すように比較した。実施例1〜13と比較例1〜10とは、何れも外径が7mm、溝21の底肉厚が0.25mm、リード角が30°である。
以下、本発明の熱交換器を形成する伝熱管である実施例1〜13と、本発明の範囲から外れる伝熱管である比較例1〜10とを製作して、それぞれの熱交換率を表1〜5に示すように比較した。実施例1〜13と比較例1〜10とは、何れも外径が7mm、溝21の底肉厚が0.25mm、リード角が30°である。
表1において、内面の一円周(360°)当たりの高山22Aの条数を変更している。すなわち、実施例1が10条、実施例2が20条であり、一方、比較例1は5条、比較例2は30条である。
表1から明らかなように、実施例1及び実施例2の熱交換器1は、いずれも比較例1〜比較例2の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
表1から明らかなように、実施例1及び実施例2の熱交換器1は、いずれも比較例1〜比較例2の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
次に、表2において、拡管後の溝深さを変更している。すなわち、実施例3が0.25mm、実施例4が0.35mmであり、一方、比較例3は0.20mm、比較例4は0.40mmである。
表2から明らかなように、実施例3及び実施例4の熱交換器1は、いずれも比較例3及び比較例4の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
表2から明らかなように、実施例3及び実施例4の熱交換器1は、いずれも比較例3及び比較例4の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
次に、表3において、高山22Aの山部の先端幅W1を変更している。すなわち、実施例5が0.045mm、実施例6が0.055mm、実施例7が0.065mmであり、一方、比較例5は0.025mm、比較例6は0.080mmである。
表3から明らかなように、実施例5、実施例6及び実施例7の熱交換器1は、いずれも比較例5及び比較例6の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
表3から明らかなように、実施例5、実施例6及び実施例7の熱交換器1は、いずれも比較例5及び比較例6の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
次に、表4において、高山22Aの頂角αを変更している。すなわち、実施例8が15°、実施例9が35°実施例10が50°であり、一方、比較例7は5°比較例8は65°である。
表4から明らかなように、実施例8及び実施例9の熱交換器1は、いずれも比較例7及び比較例8の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
表4から明らかなように、実施例8及び実施例9の熱交換器1は、いずれも比較例7及び比較例8の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
さらに、表5において、螺旋溝23のリード角Rを変更している。すなわち、実施例11が10°、実施例12が25°実施例13が35°であり、一方、比較例9は5°比較例10は45°である。
表5から明らかなように、実施例11、実施例12及び実施例13の熱交換器1は、いずれも比較例9及び比較例10の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
表5から明らかなように、実施例11、実施例12及び実施例13の熱交換器1は、いずれも比較例9及び比較例10の熱交換器と比べて熱交換率が高く、管内伝熱性能が向上している。
以上、実施の形態9では、冷凍サイクル装置の例として空気調和装置について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、たとえば、冷蔵庫、給湯器(冷水器)、冷凍装置、ヒートポンプ装置等、冷媒回路を構成し、蒸発器あるいは凝縮器となる熱交換器を有する各種冷凍サイクル装置にも適用することができる。
本発明によれば、非共沸混合冷媒に対して伝熱性能が改善される伝熱管を用いるから、各種熱交換器、およびこの熱交換器を用いた各種冷凍サイクル装置として広く利用することができる。
1:熱交換器、2:空気調和装置、10:フィン、11:貫通穴、12:接合部材、20:伝熱管、21:溝部、21A:谷部(狭い溝)、21B:平坦部(広い溝)、22:山部、22A:高山、22B:低山、22C:横溝、23:螺旋溝、30:拡管玉、31:ロッド、31d:突起、100:熱源側ユニット、101:圧縮機、102:油分離器、103:四方弁、104:熱源側熱交換器、105:熱源側ファン、106:アキュムレータ、107:熱源側絞り装置(膨張弁)、108:冷媒間熱交換器、109:バイパス絞り装置、110:熱源側制御装置、111:バイパス配管、200:負荷側ユニット、201:負荷側熱交換器、202:負荷側絞り装置(膨張弁)、203:負荷側ファン、204:負荷側制御装置、300:ガス配管、400:液配管、α:頂角、β:頂角、H:差、R:リード角、W1:先端幅、W2:先端幅。
Claims (15)
- 非共沸混合冷媒が流通する伝熱管と、
所定の間隔を空けて平行に配置され、前記伝熱管が貫通する複数のフィンと、を有し、
前記伝熱管の内面には、管軸方向に平行または管軸方向に沿って螺旋状に溝が形成され、
前記溝が、管中心側に所定の高さ突出する複数の高山と、前記高山よりも少ない高さだけ突出する複数の低山と、から形成されることを特徴とする熱交換器。 - 前記高山と前記低山との高さの差が0.1mm〜0.15mm範囲であることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
- 前記高山が10条〜20条であって、管軸に垂直な面に互いに所定の間隔を空けて配置され、
前記高山と前記高山とに挟まれた複数の範囲のうち一部の範囲は、2条〜6条の前記低山が配置された凹凸範囲であり、前記高山と前記高山とに挟まれた複数の範囲のうち前記凹凸範囲を除く範囲は、前記低山が配置されない平坦範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換器。 - 前記非共沸混合冷媒が、0.5質量%を超え5.0質量%以下の冷凍機油を含有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の熱交換器。
- 前記フィンに形成された貫通穴に挿入された前記伝熱管の一部を、内面側から加圧して拡管することによって、前記フィンと前記伝熱管とを接合することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の熱交換器。
- 前記拡管に際し、前記伝熱管の高山の頂上部が倒されることを特徴とする請求項5記載の熱交換器。
- 前記拡管に際し、前記伝熱管の高山の頂上部に、管軸方向に所定の間隔を空けて横溝が形成されることを特徴とする請求項5または6記載の熱交換器。
- 前記拡管後の前記高山の高さが0.25mm〜0.35mmであることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の熱交換器。
- 前記拡管後の前記高山の頂上部の幅が0.045mm〜0.065mmであり、前記低山の先端部分の幅が0.03mm〜0.035mmであることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の熱交換器。
- 前記拡管後の前記高山の両側面が形成する頂角が15°〜50°となり、
前記低山の両側面が形成する頂角が5°〜15°であることを特徴とする請求項5乃至9の何れかに記載の熱交換器。 - 前記溝が管軸方向に平行な直線に対して10°〜35°の角度で捩られた螺旋状であることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の熱交換器。
- 前記非共沸混合冷媒が、HFC32とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒、HFC32とHFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒、HFC125とテトラフルオロプロペンHFO1234yfの混合冷媒、の何れかであることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の熱交換器。
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を減圧させるための膨張手段と、減圧された前記冷媒を熱交換により蒸発させる蒸発器と、これらを接合して冷媒を循環させる冷媒回路を形成する配管と、を有し、
前記凝縮器または前記蒸発器の一方または両方が、請求項1乃至12の何れかに記載の熱交換器であることを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を減圧させるための膨張手段と、冷媒の流れ方向を変更する流路切換手段と、を具備する室外機と、
減圧された前記冷媒を熱交換により蒸発させる蒸発器を具備する室内機と、
前記室外機と前記室内機とを接合すると共に、冷媒が循環する冷媒回路を形成する配管と、を有し、
前記凝縮器または前記蒸発器の一方または両方が、請求項1乃至12の何れかに記載の熱交換器であることを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒の流れ方向を変更する流路切換手段と、を具備する室外機と、
凝縮された冷媒を減圧させるための膨張手段と、減圧された前記冷媒を熱交換により蒸発させる蒸発器を具備する室内機と、
前記室外機と前記室内機とを接合すると共に、冷媒が循環する冷媒回路を形成する配管と、を有し、
前記凝縮器または前記蒸発器の一方または両方が、請求項1乃至12の何れかに記載の熱交換器であることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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