JP2008298321A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

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洋司 藤田
Yasuhiro Yoshida
育弘 吉田
Toshiaki Yoshikawa
利彰 吉川
Reiji Morioka
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Abstract

【課題】フィンプレートの清掃が清掃装置により行われても、熱交換効率が劣化したり、清掃装置に損傷を負わせたりすることのない熱交換器およびその製造方法を得ることを目的とする。
【解決手段】互いに平行に配列された多数枚のフィンプレート12Aと、フィンプレート12Aと一体に配設された冷媒配管と、を有し、多数枚のフィンプレート12Aの間を空気が貫流し、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺縁部に接触しつつフィンプレート12Aの配列方向に移動する清掃装置によりフィンプレート12Aの空気入口側の一辺縁部が清掃される空気調和機の熱交換器であって、フィンプレート12Aのそれぞれは、空気入口側の縁部にフィンプレート12Aの配列方向の一側に突出するバリ・かえり12bを有し、曲げ部12aがフィンプレート12Aの空気入口側の一辺側をフィンプレートの配列方向の一側に折り曲げて形成されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、熱交換器の清掃装置を備えた空気調和機等に搭載される熱交換器およびその製造方法に関するものである。
従来の熱交換器の清掃装置は、微少間隔を隔てて配列された多数のフィンプレートの間隙を流過する気体と多数のフィンプレートに固着されたチューブ内を流過する流体とを熱交換させる熱交換器に対し、外周面に汚れを吸着する粘着剤の被膜を有する粘着ロールテープと、この粘着ロールテープをフィンプレートの気体入口側先端に接触させながら転動させる駆動機構と、を設けて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、駆動機構は、空気調和機の累積運転時間が設定時間に達する毎に周期的に粘着ロールテープを転動させるように制御されている。これにより、フィンプレートの気体入口側に付着した塵埃が粘着ロールテープの粘着剤に吸着されて熱交換器から取り除かれていた。
特開平10−339600号公報
一般的な熱交換器は、厚み0.1mm程度の金属板をプレスにより打ち抜いて形成された多数のフィンプレートが微小間隔を隔てて配列されて構成されている。つまり、フィンプレートの厚さが薄いので、フィンプレートの外縁は鋭利に尖っており、また、量産効率の観点からフィンプレートが打ち抜きにより形成される場合、フィンプレートの外縁にはバリ・かえり等の凹凸が形成されている。
従って、このような熱交換器に対して従来の熱交換器の清掃装置を用いて清掃を行うと、粘着ロールテープは、フィンプレートの気体入口側の外縁(先端)に接触しながら転動するので、粘着ロールテープに傷がついてしまう問題がある。また、粘着ロールテープの強度をフィンプレート以上に高めて上記問題に対応した場合、フィンプレートの気体入口側の外縁が変形されたり、磨耗されたりして熱交換効率が劣化するという問題がある。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、フィンプレートの清掃が清掃装置により行われても、熱交換効率が劣化したり、清掃装置に損傷を負わせたりすることのない熱交換器およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明は、所定のピッチで互いに平行に配列された多数枚のフィンプレートと、多数枚のフィンプレートを貫通してフィンプレートと一体に配設された冷媒配管と、を有し、多数枚のフィンプレートの間を空気が貫流し、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部に接触しつつフィンプレートの配列方向に移動する清掃装置によりフィンプレートの空気入口側の一辺縁部が清掃される空気調和機の熱交換器において、フィンプレートのそれぞれは、空気入口側の縁部に該フィンプレートの配列方向の一側に突出する突起部を有し、曲げ部がフィンプレートの空気入口側の一辺側をフィンプレートの配列方向の一側に折り曲げて形成されている。
この発明の熱交換器によれば、清掃装置の粘着ロールテープが、空気入口側の一辺側に加圧状態に接触しながら転動しても、鋭利に尖ったバリ・かえりの先端に当接することが回避され、熱交換器の空気入口側の一辺を清掃したときに、粘着ロールテープに荒れ、損耗を負わせることを抑制することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る室内熱交換器を備える空気調和機において冷媒の流れを説明するための模式図、図2はこの発明の実施の形態1に係る室内熱交換器を備える空気調和機の要部を示す一部破断斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る室内熱交換器の空気入口側の横断面図である。
図1において、空気調和機1は、室外機2と室内機8、および室外機2と室内機8を結合する冷媒配管11を備えている。
そして、室外機2は、室外熱交換器3、圧縮機4、室外ファン5、四方弁6、および膨張弁7などを備え、室内機8は、熱交換器としての室内熱交換器9A、および室内ファン10などを備えている。
四方弁6は4つの接続口を有し、そのうちの2つの接続口が圧縮機4の冷媒流入口と冷媒排出口に接続され、残りの2つが室外熱交換器3または室内熱交換器9Aに冷媒配管11を介して接続されている。そして、冷媒配管11が、四方弁6、室外熱交換器3、膨張弁7、室内熱交換器9Aを通過する循環路を形成するように、室内機8及び室外機2の各構成機器間に接続され、冷媒が冷媒配管11中を循環移動するようになっている。そして、四方弁6を切り替えることで、圧縮機4に出入りする冷媒の向きはそのままで、冷媒の循環方向を空気調和機1の冷房運転時と暖房運転時とで逆にすることが可能になっている。
次いで、空気調和機1の冷房運転時と暖房運転時の冷媒の流れについてそれぞれ説明する。なお、図1中、冷房運転時の冷媒の循環方向が実線の矢印で示され、暖房運転時の冷媒の循環方向が点線の矢印で示されている。
空気調和機1の冷房運転時には、四方弁6は実線で示されるように、圧縮機4の冷媒排出側を室外熱交換器3に接続し、圧縮機4の冷媒流入側を室内熱交換器9Aに接続している。そして、冷媒は低温低圧の気体の状態で圧縮機4に吸入されて圧縮され、高温高圧となって、室外熱交換器3へ送られ、室外熱交換器3で冷却されて液体化する。
次に、液体化した冷媒は膨張弁7に送られ、膨張弁7で気化しやすいように減圧されて、膨張弁7と室内機8とを接続する冷媒配管11を通って、室内熱交換器9Aに送られる。液体化した冷媒は、室内熱交換器9Aの内部を通過する冷媒配管11の内部で室温によって温められて気化され、室内の熱を奪い、室内熱交換器9Aと圧縮機4を接続する冷媒配管11を通って四方弁6を介して再び圧縮機4へと戻るように循環する。また、室外ファン5および室内ファン10のそれぞれが、空気調和機1の運転中、室外熱交換器3および室内熱交換器9Aに気流を絶えず貫流させており、室外熱交換器3と室外の空気または室内熱交換器9Aと室内の空気との熱交換が効率よく行われている。
また、空気調和機1の暖房運転時には、四方弁6は点線で示されるように、圧縮機4の冷媒排出側を室内熱交換器9Aに接続し、圧縮機4の冷媒流入側を室内熱交換器9Aに接続するように切り替えられており、冷媒は冷房運転時とは逆方向に循環している。即ち、冷媒は低温低圧の気体の状態で圧縮機4に吸入されて圧縮され、高温高圧の状態で四方弁6と室内熱交換器9Aとを連結する冷媒配管を通って室内熱交換器9Aに送られる。そして、冷媒は室内熱交換器9Aの内部を通過する際に、室内に熱を放出するとともに液化し、室内熱交換器9Aと室外機2とを接続する冷媒配管11を介して膨張弁7に送られる。そして、冷媒は気化しやすいように膨張弁7で減圧されて、室外熱交換器3に送られる。そして、冷媒は室外熱交換器3で気化するときに外気の熱を吸収し、四方弁6を介して再び圧縮機4に戻るように循環する。
次に、室内熱交換器9Aの構成および室内熱交換器9Aの清掃装置15について図2を参照しつつ説明する。
なお、室内熱交換器9Aを備える空気調和機の構成は、室内熱交換器9Aのフィンプレート(後述)の構造を除いて、特開平10−339600号公報の空気調和機と同様に構成されているので、ここでは、清掃装置によるフィンプレートの清掃に関する部分に特化して説明する。
室内熱交換器9Aは、冷媒配管11、および多数枚のフィンプレート12Aで構成されている。
フィンプレート12Aは、厚さ0.1mm、外形が長方形のアルミニウム平板により構成されている。
そして、多数枚のフィンプレート12Aは、例えば、約2mm程度の微小なピッチで、主面が互いに平行になるように板厚方向に配列されている。このとき、1本の冷媒配管11が、配列されたフィンプレート12A群を複数回貫通するように蛇行し、フィンプレート12Aのそれぞれが冷媒配管11に固着されている。
そして、前述した室内ファン(図示せず)が、図中の白抜き矢印に示されるように、フィンプレート12Aのそれぞれの長辺の一辺(空気入口側の一辺)から長辺の他辺(空気出口側の一辺)に向かうように、室内熱交換器9Aに室内の空気を貫流させている。これにより、熱交換が、室内熱交換器9Aの表面とその近傍を通過する空気との間で効率よく行われる。
また、清掃装置15は、粘着ロールテープ16、回転軸17、歯車18、ラック19、モータ20、ガイドレール22、およびガイドローラ23等を有している。
粘着ロールテープ16は、粘着剤の被膜により外周面が覆われている。そして、粘着ロールテープ16が、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺縁部に外周面が接触するように配設されている。この粘着ロールテープ16を同軸に貫通する回転軸17の上端はモータ20の出力軸に連結されている。
また、ガイドレール22及びラック19のそれぞれは、室内熱交換器9Aの空気入口側の上端及び下端側のそれぞれに、フィンプレート12Aの配列方向に沿ってフィンプレート12Aのそれぞれから所定の隙間をあけてそれぞれ配置されている。なお、ガイドレール22は、室内熱交換器9Aの下方に配設されたドレンパン(図示せず)に固定され、ラック19は空気調和機のケース本体24に固定されている。
また、歯車18が、粘着ロールテープ16とモータ20との間で、回転軸17に同軸に固定され、さらに、歯車18はラック19と噛合されている。
また、ガイドローラ23が、粘着ロールテープ16を貫通する回転軸17の下端に、回転軸17に同軸に固定され、さらに、ガイドレール22内に、ガイドレール22に沿って転動するように嵌装されている。
そして、モータ20が駆動して回転軸17が回転されると、回転軸17の軸周りに粘着ロールテープ16、歯車18、およびガイドローラ23が回転する。このとき、歯車18は、ラック19と噛合されているので、ラック19の延設方向に沿って移動し、ガイドローラ23がガイドレール22に嵌装されているので、粘着ロールテープ16はガイドレール22に案内されて、フィンプレート12Aの配列方向に移動する。このとき、粘着ロールテープ16がフィンプレート12Aの空気入口側の一辺縁部(端部)に接触しながら移動する。これにより、フィンプレート12Aの空気入口側に付着した塵埃は、粘着ロールテープ16の外周面に形成された被膜の粘性により粘着ロールテープ16側に粘着してフィンプレート12Aから除去されるようになっている。即ち、室内熱交換器9Aの空気入口側の一辺縁部が清掃される。
次いで、室内熱交換器9Aのフィンプレート12Aの構造について詳細に説明する。
図3において、室内熱交換器9Aのフィンプレート12Aは、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺側をフィンプレート12Aの配列方向の一側に曲げられて形成された曲げ部12aを有している。また、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺縁部、即ち、曲げ部12aの先端部には、フィンプレート12Aの配列方向の一側に突出する突起部としてのバリ・かえり12bが形成されている。このとき、各フィンプレート12Aのバリ・かえり12bは、曲げ部12aの壁面に対して略垂直に、かつ同じ方向に突出されている。なお、バリ・かえり12bはアルミニウムの薄板を打ち抜いてフィンプレート12Aを長方形に成形したことに起因して形成されるものである。また、主面コーティング層13が、親水性のコーティング剤によりアルミニウムの薄板の表裏両面に形成されている。
なお、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺側が、突起側に30度以上曲げられると、室内熱交換器9Aの圧損が顕在化するので、突起側への曲げ角度は30度未満であるのが望ましい。
また、バリ・かえり12bが曲げ部12aの壁面に対して略垂直な方向に形成されるとした。実際には、プレスによる打ち抜きにより形成されるバリ・かえり12bの先端は、フィンプレート12Aの材料であるアルミニウムが有する塑性により、打ち抜き方向よりフィンプレート12Aの外方に向かう場合がある。つまり、バリ・かえり12bの先端は、曲げ部12aの壁面に垂直な方向より、フィンプレート12Aの外方に向かう場合がある。この場合、バリ・かえり12bの先端が、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺縁部に粘着ロールテープ16の外周面が接触する際、粘着ロールテープ16の外周面と対峙する方向に向けられる。従って、曲げ部12aは、フィンプレート12Aの主面に対してバリ・かえり12bの形成側に、ある程度余裕を持った角度で曲げられているのが好ましく、具体的には曲げ部12aは、フィンプレート12Aの主面に対して10度以上の角度で曲げられているのが好ましい。
この実施の形態1の室内熱交換器9Aでは、フィンプレート12Aのそれぞれが、外形縁部にフィンプレート12Aの配列方向の一側にフィンプレート12Aの主面から略垂直に突出するバリ・かえり12bを有している。また、曲げ部12aが、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺側をフィンプレート12Aの配列方向の一側に、即ち、バリ・かえり12bが突出する方向に折り曲げて形成されている。従って、曲げ部12aを形成したことにより、バリ・かえり12bの先端が、室内熱交換器9Aの空気入口側の一辺側に接触する粘着ロールテープ16の外周面から離反される。これにより、粘着ロールテープ16が、空気入口側の一辺側に加圧状態に接触しながら転動しても、鋭利に尖ったバリ・かえり12bの先端に当接することが回避され、室内熱交換器9Aの空気入口側の一辺を清掃したときに、粘着ロールテープ16に荒れ、損耗を負わせることが抑制される。
なお、上記説明では、主面コーティング層13をフィンプレート12Aの表裏両面に形成するものとして説明したが、主面コーティング層13はフィンプレート12Aの表裏両面に形成されていないものでもよい。但しフィンプレート12Aの表裏両面に親水性の主面コーティング層13が形成された場合は、フィンプレート12Aに結露した多量の水分が水滴となって、フィンプレート12A間にブリッジを形成することがなくなる。即ち、フィンプレート12Aに結露した水分は、スムーズにフィンプレート12Aの表裏両面に濡れ広がってドレンパンに滴下されるので、長時間水分が留まることによるフィンプレート12Aの腐食を抑制する効果がある。
次いで、室内熱交換器9Aの製造方法について述べる。
まず、後述の工程で打ち抜かれるアルミニウム製の薄板の部位の表面全域に、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びアミド系樹脂などの親水性の樹脂をコーティング剤として用いて主面コーティング層13を形成する。そして、アルミニウムの薄板をプレスにより打ち抜いて、フィンプレート12Aを所望の形状に成形する。また、プレスの押圧力を利用して、フィンプレート12Aのうち、フィンプレート12Aの空気入口側の一辺側をフィンプレート12Aの主面に対して所定の角度に曲げて曲げ部12aを形成している。このとき、同時にバリ・かえり12bも曲げ部12aの壁面に対して略垂直な方向に突出するように形成されている。
所望の枚数のフィンプレート12Aが用意された後、各フィンプレート12Aを空気入口側の一辺側を同じ側に向け、かつ、プレスの打ち抜き方向を揃えて(バリ・かえり12bの突出方向を揃えて)、フィンプレート12Aの表裏両面が互いに平行になるように所定ピッチで配列する。そして、冷媒配管11とフィンプレート12Aとを一体化させることにより室内熱交換器9Aが得られる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る室内熱交換器の空気入口側の横断面図である。
図4において、室内熱交換器9Bのフィンプレート12Bの空気入口側の一辺側には、縁部コーティング層14が当該一辺縁部を覆うように形成されている。このとき、縁部コーティング層14から露出するフィンプレート12Bの表面には全面に親水性の主面コーティング層13が施されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されているが、曲げ部12aは形成されていなくてもよい。
また、フィンプレート12Bの材料であるアルミニウムに比べて熱伝導性の低い縁部コーティング層14の領域を大きくし過ぎると、室内熱交換器9Bの熱交換効率を低下させる。従って、室内熱交換器9Bの熱交換効率の低下を抑制するために、縁部コーティング層14は、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺縁部から10mm以下の幅の領域に形成されているのが好ましく、さらに好ましくは、5mm以下の幅の領域である。なお、幅方向は、フィンプレート12Bの短辺の長さ方向とする。
縁部コーティング層14の形成に用いるコーティング剤は特に限定されるものではなく、撥水性または親水性のどちらでもよい。なお、撥水性と親水性とは明確に定義されるものではないが、ここでは、フィンプレート12Bにコーティングを施したときに、フィンプレート12B表面の水の接触角が80度以上であるものを撥水性であるものとする。
親水性のコーティング剤としては、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、及びアミド系樹脂等を用いることができる。また、撥水性のコーティング剤としては各種フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン(PP)樹脂、四フッ化エチレン樹脂(PTFE樹脂)、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。なお、コーティング剤には、各種架橋剤、界面活性剤、抗菌剤、および抗カビ剤等を含有させてもよい。
なお、上記説明では、各種コーティング剤を親水性と撥水性とにわけて列記したが、上記コーティング剤が一般的な使われ方で用いられた場合について分別したものであり、コーティング剤の親水性および撥水性は、コーティング剤に用いる樹脂の重合度や、コーティング剤に添加された架橋剤などの添加物の種類により変化する。即ち、上記列記したような各種コーティング剤でフィンプレート12Bをコーティングした場合、添加物の種類などにより、コーティングされたフィンプレート12Bの表面における水の接触角は変位する。つまり、同種のコーティング剤を用いても、フィンプレート12Bの親水性と撥水性が入れ替わることもある。
この実施の形態2の室内熱交換器9Bでは、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺縁部を覆うように縁部コーティング層14が形成されている。従って、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺縁部に急峻な凹凸形状がなくなり、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺縁部に接触しながら粘着ロールテープ16が転動されても、粘着ロールテープ16に荒れ、損耗を負わせることが抑制される。
また、空気中の塵埃のほとんどは、親水性のセルロースからなるものであるので、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺側に、撥水性の縁部コーティング層14を形成した場合には、セルロースとの親和性が低くなり、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺における塵埃付着抑制効果を高める効果が得られる。
次いで、室内熱交換器9Bにおいて、フィンプレート12Bの空気入口側の塵埃の付着抑制効果が高められることによる効果を述べる。室内熱交換器9Bの空気入口側では、フィンプレート12Bのピッチをまたぐような塵埃が、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺縁部に付着すると、気流と共に移動されなくなる。このとき、フィンプレート12Bの空気入口側で塵埃の付着抑制効果が高められていない場合、フィンプレート12Bの空気入口側に付着したままとなった塵埃に、後から空気入口側に流入される小さな塵埃が漸次付着し、塵埃はフィンプレート12Bにも付着して空気出口側に漸次連なる。しかし、フィンプレート12Bの空気入口側の先端の塵埃の付着抑制効果が高められると、フィンプレート12Bの空気入口側の先端に付着した塵埃が空気出口側に向かって連なることが抑制される。
次いで、室内熱交換器9Bの製造方法について述べる。
まず、後述の工程で打ち抜かれるアルミニウム製の薄板の部位の表面全域に、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びアミド系樹脂などの親水性の樹脂をコーティング剤として用いて主面コーティング層13を形成する。そして、アルミニウムの薄板をプレスにより打ち抜いて、フィンプレート12Bを所定の形状に成形する。また、プレスの押圧力を利用して、フィンプレート12Bのうち、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺側をフィンプレート12Bの主面に対して所定の角度に曲げて曲げ部12aを形成している。このとき、同時にバリ・かえり12bも曲げ部12aの壁面に対して略垂直な方向に突出するように形成されている。
所望の枚数のフィンプレート12Bが用意された後、各フィンプレート12Bを空気入口側の一辺側を同じ側に向け、かつ、フィンプレート12Bを成形した際のプレスの打ち抜き方向を揃えて、フィンプレート12Bの表裏両面が互いに平行になるように所定ピッチで配列する。そして、冷媒配管11とフィンプレート12Bとを一体化させる。
次いで、フィンプレート12Bのうち、空気入口側の一辺側の縁部を覆うように縁部コーティング層14を形成することにより、室内熱交換器9Bが得られる。このとき、縁部コーティング層14は、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺縁部から所定の幅の領域に形成されている。
縁部コーティング層14の形成方法は、特に限定されるものではないが、上記各種コーティング剤のいずれかを溶質として各種溶媒に溶かした溶液や、コーティング剤を溶媒に分散させた分散液(以降、コーティング液と記載する)をローラや刷毛等でフィンプレート12Bに塗布した後乾燥させる方法、また、コーディング液を孔版、凹版、平板、凸版等などを用いてフィンプレート12Bに印刷した後乾燥させる方法、インクジェットやスプレー等でコーティング粒子をフィンプレート12Bに付着させた後乾燥させる方法、熱可塑性のフィルム状のコーティング剤をフィンプレート12Bに固着して加熱したり、熱可塑性の接着剤をフィンプレート12Bに塗布した後加熱したりして融着させる方法等がある。
ローラ等でコーティング液を塗布する方法や各種印刷法は、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺側の端部のみに縁部コーティング層14を形成するのに適している。熱可塑性のフィルム状のコーティング剤を端部に固着して加熱することで融着させる方法は、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺の端面に対して厚膜の縁部コーティング層14を形成するのに適している。インクジェットやスプレー等のコーティング粒子を付着させる方法は、フィンプレート12Bの外周端部だけでなく、空気入口側の空気入口側の一辺から空気出口側に入り込むように縁部コーティング層14を形成するのに適している。
なお、上記室内熱交換器9Bの製造方法では、フィンプレート12Bの成形時に同時に曲げ部12aを形成するものとして説明したが、曲げ部12aは形成しなくてもよい。
この実施の形態2の室内熱交換器9Bの製造方法では、フィンプレート12Bのそれぞれが、表裏両面が互いに平行に、かつ所定ピッチで配列した状態で冷媒配管11と一体化させた状態にしてから縁部コーティング層14を形成している。従って、多数枚のフィンプレート12Bの空気入口側の一辺の縁部コーティング層14の形成が一度に行えるので、冷媒配管11と一体化させる前のフィンプレート12Bの一枚一枚に対して個別に縁部コーティング層14を形成するのに比べて、コーティングに係る作業効率を向上させることができる。
また、撥水性の縁部コーティング層14を形成する前に、フィンプレート12Bの主面に親水性の主面コーティング層13が形成されているので、縁部コーティング層14を形成するためのコーティング液がフィンプレート12Bの主面に沿って拡張することを抑制する効果が得られ、フィンプレート12Bの空気入口側の一辺側のみに撥水性の縁部コーティング層14を形成したい場合に有益である。
なお、この実施の形態2では、縁部コーティング層14はフィンプレート12Bの空気入口側の一辺を覆うように形成するものとして説明したが、縁部コーティング層14はフィンプレート12Bの空気入口側の一辺を覆うように形成するものに限定されない。フィンプレート12Bを成形する際、アルミニウムの薄板に主面コーティング層13が形成されている場合、バリ・かえり12bが形成されたフィンプレート12Bの外縁部の端面にはコーティングはされておらず、また、バリ・かえり12bが形成された部分の主面コーティング層13がはがれることもある。主面コーティング層13のないフィンプレート12Bの縁部端面や、主面コーティング層13が、はがれた部位の腐食を防止したりしたい場合には、必要に応じてフィンプレート12Bの外縁のすべてに縁部コーティング層14を形成してもよい。
なお、上記各実施の形態では、室内機8に配設された清掃装置15により清掃される室内熱交換器9A,9Bに対して曲げ部12aや縁部コーティング層14を形成させるものとして説明したが、室外機2に室外熱交換器3を清掃する清掃装置が配設されている場合には、室外熱交換器3に対しても本発明を適用できる。
また、清掃装置の粘着ロールテープ16が室内熱交換器9A,9Bのフィンプレート12A,12Bにおける空気入口側の一辺に接触しつつ移動されて、フィンプレート12A,12Bにおける空気入口側の一辺に付着した塵埃が除去されるものとして説明した。しかしながら、フィンプレート12A,12Bにおける空気入口側の一辺に付着した塵埃を除去するための手段は粘着ロールテープ16に限定されず、ブラシなどでもよい。この場合、ブラシがバリ・かえり12bの先端により損耗される。
本発明の効果を実験により確認したので、以下にその内容を具体的に説明する。
図5は比較例1の室内熱交換器の空気入口側の横断面図である。
なお、以下の実施例1〜実施例3の室内熱交換器は、上記実施の形態1に記載した室内熱交換器の製造方法により製造し、実施例4〜実施例10の室内熱交換器は上記実施の形態2に記載した室内熱交換器の製造方法により製造した。
また、以下の実施例1〜実施例10及び比較例1および比較例2の室内熱交換器に用いられているフィンプレートは、すべて主面コーティング層が形成されているものを用いている。また、実施例1〜実施例6、および比較例2におけるフィンプレートの空気入口側の一辺側の曲げ部は、フィンプレートにおける空気入口側の一辺縁部から空気出口側に1cmの部位を折り曲げて形成されている。
実施例1.
フィンプレートとして、曲げ部がフィンプレートの主面に対して15度の角度を有するように、バリ・かえりが形成された側(以降、突起側と記載する)にフィンプレートの空気入口側の一辺側を折り曲げて形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。
実施例2.
フィンプレートとして、曲げ部がフィンプレートの主面に対して20度の角度を有するように、フィンプレートの空気入口側の一辺側を突起側に折り曲げて形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。
実施例3.
フィンプレートとして、曲げ部がフィンプレートの主面に対して30度の角度を有するように、フィンプレートの空気入口側の一辺側を突起側に折り曲げて形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。
実施例4.
フィンプレートとして、曲げ部がフィンプレートの主面に対して20度の角度を有するように、フィンプレートの空気入口側の一辺側を突起側に折り曲げて形成され、さらに、空気入口側の一辺縁部から空気出口側に5mmの幅の領域に、縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。なお、縁部コーティング層の形成に用いられたコーティング剤は撥水性のPTFE(四フッ化エチレン樹脂)である。
実施例5.
フィンプレートとして、曲げ部がフィンプレートの主面に対して20度の角度を有するように、フィンプレートの空気入口側の一辺側を突起側に折り曲げて形成され、さらに、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から5mmの幅の領域に、縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。なお、縁部コーティング層の形成に用いられたコーティング剤は撥水性のシリコーン樹脂である。
実施例6.
フィンプレートとして、曲げ部が主面に対して20度の角度を有するように、フィンプレートの空気入口側の一辺側が突起側に折り曲げて形成され、さらに、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から5mmの幅の領域に、縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。なお、縁部コーティング層の形成に用いられたコーティング剤は、撥水性のPP樹脂(ポリプロピレン樹脂)である。
実施例7.
フィンプレートとして、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から3mmの幅の領域に、撥水性のポリスチレンを溶質、トルエンを溶媒とした質量パーセント濃度30%の溶液をローラにより塗布した後、乾燥させることにより縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。
実施例8.
フィンプレートとして、フィンプレートの空気入口側の一辺から空気出口側の一辺縁部から1mmの幅の領域に、撥水性樹脂からなるホットメルト接着剤(倉敷紡績株式会社:型名 クラベンダー1510)を熱風で溶融させ冷却することにより縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。
実施例9.
フィンプレートとして、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から11mmの幅の領域に、撥水性のポリスチレンを溶質、トルエンを溶媒とした質量パーセント濃度30%の溶液をローラにより塗布した後、乾燥させることにより縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。
実施例10.
フィンプレートとして、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から5mmの幅の領域に縁部コーティング層が形成されたものを用いて室内熱交換器を得た。なお、縁部コーティング層の形成に用いられたコーティング剤は、撥水性のポリオレフィン系樹脂である。
比較例1.
フィンプレートの空気入口側の一辺の曲げ部の形成を行わない点を除き、実施の形態1と同様の室内熱交換器の製造方法で、図5に示される比較例1の室内熱交換器25を得た。即ち、比較例1の室内熱交換器25のフィンプレート26には、空気入口側の一辺側は、曲げ部および縁部コーティング層が形成されておらず、親水性の主面コーティング層のみが形成されている。また、ばり、かえり26aが、フィンプレート26の主面に対して略垂直な方向に形成される。
比較例2.
フィンプレートとして、その空気入口側の一辺を突起側と反対側に折り曲げられて、曲げ部が主面に対して5度の角度で形成される点を除いて実施の形態1と同様の室内熱交換器の製造方法で室内熱交換器を得た。
次に、実施例1〜実施例10、比較例1及び比較例2の各室内熱交換器に対して以下の試験を行った。
まず、イソプロピレンゴム製の擬似ローラを用意した。この擬似ローラは、前述の粘着ロールテープ16と同等程度の強度を有するものであり、粘着ロールテープ16の代替品として用いた。そして、実施例1〜実施例10、比較例1及び比較例2の室内熱交換器に対し、空気入口側の一辺側の縁部に、一定の荷重を印加しつつ擬似ローラを100往復させ、擬似ローラの表面の荒れ、損耗程度を観測した。試験結果を表1に示す。
Figure 2008298321
表1には、実施例1〜10、比較例1及び比較例2に対し、フィンプレートの空気入口側の一辺側の曲げ加工の有無(曲げ部の有無)、曲げ部が有る場合には、その曲げ方向とフィンプレートの主面に対する曲げ角度(角度と記載)、縁部コーティング層の形成の有無、縁部コーティング層が形成されている場合には、フィンプレートの空気入口側の一辺からの縁部コーティング層の幅(コーティング領域の幅)、およびコーティング剤の種類を記載している。そして、擬似ローラの表面の荒れ、損耗程度が、比較例1に対して極端に少ない場合を◎(優判定)、比較例1に対して若干少ない場合を○(良判定)、比較例1と同程度である場合を△(可判定)、比較例1に対して多い場合には×(不可判定)と記している。
表1に示されるように、フィンプレートの空気入口側の一辺側に突起側に曲げられた曲げ部および縁部コーティング層の少なくとも一方が形成されている実施例1〜10のいずれの場合でも、擬似ローラの荒れ、損耗程度が、比較例1に比べて軽減され、中でも、フィンプレートの空気入口側の一辺側に曲げ部と縁部コーティング層の両方が形成された実施例4〜実施例6では、擬似ローラの荒れ、損耗程度が比較例1に対して特に軽減されていた。一方、フィンプレートの空気入口側の一辺側が突起側とは反対方向に曲げられた比較例2では、擬似ローラの荒れ、損耗程度が比較例1に対してさらに増大していた。
次いで、上記試験結果について検討する。
フィンプレートの空気入口側の一辺側が突起側に曲げられた実施例1〜実施例3では、図3に示されるようにバリ・かえりがフィンプレートの曲げ部に対して略垂直な方向に形成されている。即ち、バリ・かえりの先端が、擬似ローラのフィンプレートへの接触面から離反されている。一方、比較例1は、曲げ部が形成されていないので、バリ・かえりの先端が擬似ローラの外周面に接触されたままとなる。
従って、曲げ部が形成されていない比較例1では、擬似ローラが一方の方向に向かうときに尖ったバリ・かえりの先端が擬似ローラに圧力を与えるように接触するので、擬似ローラの荒れ、損耗程度が増大するものと判断される。これに対し、実施例1〜実施例3の室内熱交換器では、曲げ部が、バリ・かえりの先端を擬似ローラのフィンプレートへの接触面から離反させる方向に形成されているので、擬似ローラを往復移動させたときに、尖ったバリ・かえりの先端が擬似ローラに接触することが防止されて、擬似ローラの荒れ、損耗程度が小さくなるものと判断される。
また、フィンプレートの空気入口側の一辺側に縁部コーティング層が形成された実施例7〜実施例10では、フィンプレートを打ち抜きにより形成したことによる尖った先端を有するバリ・かえりを含むフィンプレートの空気入り口側の一辺側が、縁部コーティング層により覆われているので、フィンプレートの空気入り口側の一辺側の凹凸形状が滑らかにされている。
また、比較例2では、突起側とは反対側に曲げられて曲げ部が形成されているので、バリ・かえりの先端面が、擬似ローラが当該バリ・かえりの形成部分を通過するときに擬似ローラの接触面と対峙され、擬似ローラの外周面は、バリ・かえりの先端から比較例1以上に圧力が負荷される。
従って、実施例7〜実施例10の室内熱交換器では、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部に接触しつつ移動しても、バリ・かえりを含むフィンプレートの空気入口側の一辺縁部の凹凸が縁部コーティング層に覆われて滑らかにされているので、急峻な凹凸形状を有するフィンプレートの空気入口側の一辺縁部に直接接触しながら擬似ローラが移動される比較例1に比べて擬似ローラの荒れ、損耗程度が小さくなるものと判断される。さらに、比較例2の室内熱交換器では、バリ・かえりの先端が、擬似ローラの外周面に対してさらに圧力を負荷する状態で接触しながら移動されるので、比較例1よりさらに擬似ローラの荒れ、損耗程度が増大されたものと判断される。
また、フィンプレートの空気入口側の一辺側に突起側に曲げられた曲げ部および縁部コーティング層が形成された実施例4〜実施例6の室内熱交換器では、曲げ部を突起側に曲げること及び縁部コーティング層を形成することにより得られる上記した擬似ローラの荒れ、損耗を低減させる効果が同時に発揮されるので、比較例1に対して著しく擬似ローラの荒れ、損耗が低減されたものと判断できる。
次いで、擬似ローラを各室内熱交換器から離し、単体の各室内熱交換器に対して風速1m/秒の気流を室内熱交換器の空気入口側から吹出側に気流を流した。このとき、気流は空気調和機の冷房運転時における条件と同等の条件で室内熱交換器を貫流するように流し、また、気流にはセルロースとの一種である綿布を裁断して作製した塵埃を室内熱交換器の空気入口側に流入させた。そして、気流を1時間流した後、塵埃の付着量、及びフィンプレートに水滴が形成されたか否かを観測した。なお、塵埃の大半は、親水性のセルロースからなるものであるので、今回の観測にもセルロースの一種である綿布を用いた。この結果、フィンプレートの空気入口側の一辺側に撥水性の縁部コーティング層が形成された実施例4〜実施例9の室内熱交換器では、縁部コーティング層が形成されていない、または親水性の縁部コーティング層が形成された実施例1〜実施例3、実施例10、及び比較例1,2に対して、塵埃の付着量が少なくなった。
また、フィンプレートの空気入口側の一辺側に撥水性のコーティング剤を用いて縁部コーティング層を形成した実施例4〜実施例9のうち、実施例4〜実施例7、及び実施例9では縁部コーティング層の形成領域に水滴が確認された。また、実施例9では、フィンプレートのピッチ間で水分が連なるブリッジが、縁部コーティング層の一部に観測された。なお、実施例8では水滴は認められなかった。また、実施例4〜実施例7、及び実施例9のフィンプレートの表面における水の接触角はいずれも90度以上であった。また、親水性の縁部コーティング層が形成された実施例10の室内熱交換器のフィンプレートにおける水の接触角は70度であった。
上記観測結果を検討する。
上述したように、空気中の塵埃のほとんどは、親水性のセルロースからなるものである。実施例4〜実施例9の室内熱交換器は、フィンフィンプレートの空気入口側の一辺に撥水性の縁部コーティング層が形成されているので、セルロースとの親和性が低くなり、縁部コーティング層が形成されていない実施例1〜実施例3、比較例1および比較例2及び親水性の縁部コーティング層が形成された実施例10に比べて塵埃の付着しづらくなるものと判断される。即ち、フィンプレートの空気入口側の一辺側に対する塵埃の付着抑制効果が高められたことが確認できた。
但し、撥水性のコーティングがフィンプレートに施された実施例4〜実施例9は、上述のようにフィンプレートの空気入口側の一辺への塵埃の付着抑制効果が高められるが、実施例8を除いて縁部コーティング層の形成領域に水滴が認められた。そして、縁部コーティング層が、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から11mmの幅の領域に形成された実施例9では、縁部コーティング層で結露する水分の量が多すぎて、フィンプレート間で水分が連なってブリッジが形成されたものと判断される。従って、縁部コーティング層の形成領域は、フィンプレートからの水飛び防止のために、フィンプレートの空気入口側の一辺縁部から10mm以下の幅の領域に制限されているのが好ましい。なお、実施例8では、撥水性の縁部コーティング層のコーティング領域が狭すぎて、水滴が形成されなかったものと判断される。
この発明の実施の形態1に係る室内熱交換器を備える空気調和機において冷媒の流れを説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1に係る室内熱交換器を備える空気調和機の要部を示す一部破断斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る室内熱交換器の空気入口側の横断面図である。 この発明の実施の形態2に係る室内熱交換器の空気入口側の横断面図である。 比較例1の熱交換器の空気入口側の横断面図である。
符号の説明
1 空気調和機、9A,9B 室内熱交換器(熱交換器)、11 冷媒配管、12A,12B フィンプレート、12a 曲げ部、12b バリ・かえり(突起部)、13 主面コーティング層、14 縁部コーティング層、15 清掃装置。

Claims (8)

  1. 所定のピッチで互いに平行に配列された多数枚のフィンプレートと、多数枚の上記フィンプレートを貫通して上記フィンプレートと一体に配設された冷媒配管と、を有し、上記多数枚のフィンプレートの間を空気が貫流し、上記フィンプレートの空気入口側の一辺縁部に接触しつつ上記フィンプレートの配列方向に移動する清掃装置により上記フィンプレートの空気入口側の一辺縁部が清掃される空気調和機の熱交換器であって、
    上記フィンプレートのそれぞれは、空気入口側の縁部に該フィンプレートの配列方向の一側に突出する突起部を有し、曲げ部が上記フィンプレートの空気入口側の一辺側を上記フィンプレートの配列方向の一側に折り曲げて形成されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 上記曲げ部の上記フィンプレートの主面に対する曲げ角度が10度以上30度未満であることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 所定のピッチで互いに平行に配列された多数枚のフィンプレートと、多数枚の上記フィンプレートを貫通して上記フィンプレートと一体に配設された冷媒配管と、を有し、上記多数枚のフィンプレートの間を空気が貫流し、上記フィンプレートの空気入口側の一辺縁部に接触しつつ上記フィンプレートの配列方向に移動する清掃装置により上記フィンプレートの空気入口側の一辺縁部が清掃される空気調和機の熱交換器であって、
    縁部コーティング層が、上記フィンプレートの空気入口側の一辺縁部を覆うように形成されていることを特徴とする熱交換器。
  4. 上記縁部コーティング層は撥水性を有することを特徴とする請求項3記載の熱交換器。
  5. 親水性の主面コーティング層が、上記縁部コーティング層から露出する上記フィンプレートの表面の全面に形成されていることを特徴とする請求項4記載の熱交換器。
  6. 上記フィンプレートのそれぞれは、空気入口側の縁部に該フィンプレートの配列方向の一側に突出する突起部を有し、曲げ部が上記フィンプレートの空気入口側の一辺側を上記フィンプレートの配列方向の一側に折り曲げて形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法であって、
    上記フィンプレートのそれぞれを、上記冷媒配管と一体化させた後に、上記フィンプレートの空気入口側の縁部に上記縁部コーティング層を形成する工程を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  8. 請求項7に記載の熱交換器の製造方法であって、
    撥水性の上記縁部コーティング層を形成する工程に先立って、上記親水性の主面コーティング層を上記フィンプレートの上記主面に形成する工程を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
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