JPH0979779A - 内面溝付伝熱管及び熱交換器 - Google Patents

内面溝付伝熱管及び熱交換器

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JPH0979779A
JPH0979779A JP7234014A JP23401495A JPH0979779A JP H0979779 A JPH0979779 A JP H0979779A JP 7234014 A JP7234014 A JP 7234014A JP 23401495 A JP23401495 A JP 23401495A JP H0979779 A JPH0979779 A JP H0979779A
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groove
heat transfer
transfer tube
groove width
refrigerant
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JP7234014A
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English (en)
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Masaaki Ito
正昭 伊藤
Mari Uchida
麻理 内田
Naoki Shikazono
直毅 鹿園
Toshihiko Fukushima
敏彦 福島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
    • F28F1/40Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only inside the tubular element

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷媒の凝縮性能及び蒸発性能を向上可能とす
る。 【構成】 冷凍サイクルに用いる冷媒4が気液二相流状
態で流れ、冷媒4を凝縮又は蒸発させる複数のらせん状
の内面フィン2と、それぞれの内面フィン2の間の内面
溝3とを内設した内面溝付伝熱管であって、それぞれの
内面溝3a,3bは、冷媒4を凝縮し易くする溝幅W1
と蒸発し易くする溝幅W2との少なくとも2種類の溝幅
に形成される構成とし、内面溝3a,3bの溝幅を大溝
幅W1及び小溝幅W2の2種類以上に変化させ、一方の
大溝幅W1と他方の小溝幅W2とを交互に配置した。 【効果】 大溝幅には、液が溜り難く、凝縮性能が向上
し、小溝幅には、液が溜り易く、蒸発性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒を作動流体とする
冷凍機及び空調機に係り、特に、凝縮器及び蒸発器に用
いられる内面溝付伝熱管及び熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のHCFC−22を始めとする単一
冷媒及びR−407Cを始めとする混合冷媒等のフロン
系冷媒を、作動流体として用いる従来の冷凍機及び空調
機の熱交換器用の内面溝付伝熱管においては、平滑管の
ほかに、らせん状の内面溝の溝幅が一種類の内面らせん
溝付き管が用いられていた。図18に示すように、冷凍
サイクルに用いる冷媒4が内面らせん溝付き管21内に
気液二相流状態で流れ、冷媒4を凝縮又は蒸発させる複
数のらせん状の内面フィン22と、それぞれの内面フィ
ン22の間の内面溝23とを内設した構造である。
【0003】内面溝付伝熱管の内面フィンが1種類でな
い従来例としては、特開昭63−290395号公報及
び特開平5−203382号公報等が挙げられるが、い
ずれも拡管時の変形防止を目的としたものであって、溝
幅を計画的に伝熱性能を向上する目的で変化させたもの
は見当たらない。
【0004】また、2種類の溝が交差するクロス溝付き
管としては、単一冷媒を対象として、特開平6−221
788号公報等が提案されているが、1次溝の溝幅は1
種類である。1種類の溝幅を有する内面溝付伝熱管を平
滑管に比較すると、数倍の優れた伝熱性能を示す。しか
し、図18に示すように、すべての溝幅Wが同一の形状
であるため、すべての内面溝23が一斉に凝縮液(冷媒
液)4に埋まり、あるいは、すべての内面フィン22が
一斉に沸騰液(冷媒液)4より露出するという欠点があ
った。すなわち、凝縮の場合には、液が多くなるとすべ
ての内面フィンが一斉に凝縮液に埋まってしまい、急激
に性能が低下するという欠点があった。また、蒸発の場
合には、流速の小さい場合に、冷媒液が管頂部まで上が
らず、上部の内面フィンが乾いてしまい、伝熱性能が急
激に低下するという欠点があった。性能が低下すると、
その部分での凝縮や蒸発はなかなか進行せず、そのため
に、長い伝熱管が必要となり、熱交換器が大きくなると
いう欠点があった。この傾向は、HCFC−22等の単
一冷媒でも認められるが、R−407Cを始めとする混
合冷媒では一層顕著になる。これを解決するには、極端
に性能の悪い部分を改良し、全体として均一に近い性能
を有する伝熱管を開発することが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の内面溝付伝熱管
にあっては、すべての内面溝が同一の形状であるため、
すべての内面溝が一斉に凝縮液に埋まる、又はすべての
内面フィンが一斉に沸騰液より露出し、伝熱性能が急激
に低下するという問題点があった。
【0006】本発明の目的は、冷媒のどのような流動状
態に対しても、極端に低い伝熱性能を示さない、全体的
に高性能を発揮することのできる内面溝付伝熱管及び熱
交換器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る内面溝付伝熱管は、冷凍サイクルに用
いる冷媒が気液二相流状態で流れ、冷媒を凝縮又は蒸発
させる複数のらせん状の内面フィンと、それぞれの内面
フィンの間の内面溝とを内設した内面溝付伝熱管におい
て、それぞれの内面溝は、冷媒を凝縮し易くする溝幅と
蒸発し易くする溝幅との少なくとも2種類の溝幅に形成
される構成とする。
【0008】そしてそれぞれの内面フィンは、高さがほ
ぼ同一に形成されるとともに、それぞれの内面溝は、少
なくとも2種類の溝幅に形成される構成でもよい。
【0009】また2種類の溝幅は、凝縮時に冷媒液の満
たし難い複数の大溝幅と、蒸発時に冷媒液の満たし易い
複数の小溝幅とよりなる構成でもよい。
【0010】さらに2種類の溝幅は、一方の大溝幅と他
方の小溝幅とが交互に配置される構成でもよい。
【0011】そしてそれぞれの内面フィンは、肉厚が少
なくとも2種類に形成される構成でもよい。
【0012】またそれぞれの内面フィンは、フィン頂角
が少なくとも2種類に形成される構成でもよい。
【0013】さらにそれぞれの内面フィンは、フィン立
ち上げ角度が少なくとも2種類に形成される構成でもよ
い。
【0014】そしてそれぞれの内面溝は、一方の大溝幅
の溝底がそれぞれの内面フィンの側面と接する半円弧状
に、かつ他方の小溝幅の溝底が台形に少なくとも2種類
の溝底に形成される構成でもよい。
【0015】またそれぞれの内面フィンは、それぞれの
内面溝と交差するように複数のクロス溝が形成される構
成でもよい。
【0016】さらに熱交換器においては、前記いずれか
一つの内面溝付伝熱管を用いてなる構成とする。
【0017】そして熱交換器においては、前記いずれか
一つの内面溝付伝熱管を、フィンに挿通した後、機械拡
管又は液圧拡管により固定してなる構成でもよい。
【0018】また冷凍機においては、前記いずれか一つ
の熱交換器を用いてなる構成とする。
【0019】さらに空調機においては、前記いずれか一
つの熱交換器を用いてなる構成とする。
【0020】
【作用】本発明によれば、水平に置かれた内面溝付伝熱
管の中を冷媒が気液二相流状態で流れ、速度が小さい範
囲では、重い液が内面溝付伝熱管の底部を、軽い蒸気が
内面溝付伝熱管の上部を分離して流れる。このような層
状流の液面よりある高さにある管壁の濡れ具合は、管壁
のらせん状の内面溝の中を、冷媒液が毛細管現象によ
り、小溝幅の内面溝では冷媒液が高く引き上げられ、大
溝幅の内面溝では冷媒液が低い位置までしか引き上げら
れない。そこで溝幅を2種類以上にしたため、大溝幅の
内面溝は冷媒液が溜りにくく満たし難いため凝縮性能に
優れ、小溝幅の内面溝は冷媒液で満たされ易く蒸発性能
に優れ、その結果、凝縮にも蒸発にも優れた性能が発揮
される。
【0021】そして、溝幅を2種類以上にしただけでな
く、内面フィンの肉厚、内面フィンの頂角、フィン立ち
上げ角度及び溝底の形状をも2種類以上としたため、冷
媒液の溜り方の不均一が促進され、さらに性能が向上さ
れる。
【0022】また、溝幅を2種類以上とする内面フィン
を形成し、次にこの内面フィンに内面溝と交差するクロ
ス溝を設けたので、冷媒液の溜り方の不均一が促進さ
れ、さらに性能が向上される。
【0023】さらに、前記いずれか一つの内面溝付伝熱
管を用いることにより、高い冷媒側熱伝達率を有する熱
交換器が実現される。
【0024】そして、この熱交換器を用いることによ
り、効率の高い、コンパクトな冷凍機及び空調機が実現
される。
【0025】
【実施例】本発明の一実施例を図1及び図2を参照しな
がら説明する。図1及び図2に示すように、冷凍サイク
ルに用いる冷媒4の液が管の底部にかつ蒸気が管の上部
に気液二相流状態で流れ、冷媒4を凝縮又は蒸発させる
複数のらせん状の内面フィン2と、それぞれの内面フィ
ン2の間の内面溝3とを内設した内面溝付伝熱管であっ
て、それぞれの内面溝3a,3bは、冷媒4を凝縮し易
くする溝幅W1と蒸発し易くする溝幅W2との少なくと
も2種類の溝幅W1,W2に形成される構成とする。
【0026】すなわち伝熱管の管壁1の内面には、凝縮
あるいは蒸発を促進するため、細かいらせん状の内面溝
3a,3bが設けられている。この管を内面溝付伝熱管
と呼んでいる。図1は管軸に垂直な横断面を示し、管壁
1と、ほぼ同一高さの内面フィン2と、内面溝3a,3
bとよりなり、本実施例の特徴は、このらせん状の内面
溝3a,3bの溝幅を大溝幅W1及び小溝幅W2の2種
類以上に変化させ、一方の大溝幅W1と他方の小溝幅W
2とを交互に配置したことである。
【0027】図2は管軸に平行な断面図で、図1のA・
A線断面図である。管壁1に設けられた細かい内面溝3
a及び3bの中を冷媒液4が上っていく。溝幅W1は大
きいので、毛細管現象で上昇する液面の高さは小さく、
溝幅W2は小さいので、毛細管現象で上昇する液面の高
さは大きい。図3に、液面Hよりある高さの管壁1の拡
大断面図を示す。図中に斜線を施した部分は、冷媒液4
の溜っている部分を示す。冷媒液4は表面張力によりそ
の表面が曲率半径rの円弧状になっている。この曲率半
径rに限界値があり、ある値以上に大きくなることがで
きない。今、その限界値を半径rとして、図3中に冷媒
液4の溜る部分を作図する。接触角θを30°に仮定する
と、小溝幅W2の内面溝3bには冷媒液4が満たし易く
多量に溜り、大溝幅W1の内面溝3aには、冷媒液4が
満たし難く少量しか溜らない。このため、凝縮時には大
溝幅W1の内面溝3aが有効に働き、蒸発時には小溝幅
W2の内面溝3bが有効に働く。
【0028】次に本実施例の動作を説明する。水平に置
かれた内面溝付伝熱管の中を冷媒が気液二相流状態で流
れ、速度が小さい範囲では、重い液が内面溝付伝熱管の
底部を、軽い蒸気が内面溝付伝熱管の上部を分離して流
れる。このような層状流の液面よりある高さにある管壁
1の濡れ具合は、図2に示すように、管壁1のらせん状
の内面溝3bの中を冷媒液4が毛細管現象によって、液
面高さHより上に引き上げられている。毛細管現象の原
理により、小溝幅W2の内面溝3bでは、冷媒液4が高
く引き上げられ、大溝幅W1の内面溝3aでは、冷媒液
4が低い位置までしか引き上げられない。
【0029】従来の内面溝付伝熱管では、内面溝の溝幅
Wはどこでも均一なので、冷媒液の溜り方もどこでも同
じである。液面からの高さが一定ならば、冷媒液の溜る
量は一定である。したがって、液面より同一の高さにあ
る内面溝の中の冷媒液は、図18に示すように、どこに
おいても同じように溜る。その結果、凝縮の場合には、
凝縮が進行して冷媒液の割合が多くなると、すべての内
面溝が、一斉に冷媒液で埋まり、急激に性能が低下する
という欠点があった。蒸発の場合には、蒸発の始めの領
域で、蒸気流速が小さいために、掻き上げ効果が期待で
きないので、毛細管現象だけで冷媒液が管頂部まで上る
ことができず、管頂部が乾いてしまい、そのため性能が
低下するという欠点があった。
【0030】本実施例では、図3に示すように、溝幅を
2種類以上(ここではW1>W2)にしたため、小溝幅
W2の内面溝3bは冷媒液4が満たされ易く、大溝幅W
1の内面溝3aは冷媒液4が溜りにくく、その結果、凝
縮にも蒸発にも優れた性能を示す。冷媒液4が内面溝3
a,3bの中にどの程度溜るかは、冷媒液4の表面の曲
率半径rと接触角θとを一定の値とし、冷媒液4がどこ
まで存在し得るかを、内面フィン2の図面上に作図する
ことによって予測することができるため、フィン全体の
伝熱面積を減らすことなく、最適な大溝幅W1及び小溝
幅W2を決定できる。なお、計算によれば、従来の内面
溝付伝熱管の溝幅Wと比べた時、W1>W,W2≦Wと
なるようにW1及びW2を選ぶことが望ましいことがわ
かる。
【0031】次に、図4及び図5を参照しながら伝熱性
能について説明する。図4は、発明伝熱管aと従来伝熱
管bとの凝縮性能の比較を示す。横軸は、蒸気の割合を
示す乾き度であり、左から右へ凝縮が進行していくこと
を示している。従来伝熱管bでは、液面よりある高さに
あるすべての内面溝が一斉に冷媒液に埋もれてしまうた
め、性能の低下が直線的である。これに対し、発明伝熱
管aでは、小溝幅の内面溝は早くより冷媒液に埋まる
が、大溝幅の内面溝は、後まで冷媒液に埋まることな
く、所定の凝縮性能を維持することができる。その結
果、凝縮の最終過程(乾き度が0に近いところ)で、発
明伝熱管は、優れた性能を示し、伝熱管全体の長さを短
縮することができる。
【0032】図5は、発明伝熱管cと従来伝熱管dの蒸
発性能の比較を示す。横軸は、蒸気の割合を示す乾き度
であり、左から右へ蒸発が進行していくことを示してい
る。従来伝熱管dでは、蒸気流速の小さな蒸発初期の段
階で、毛細管現象による冷媒液の上昇が管頂部まで到達
せず、性能が低下している。これに対し発明伝熱管で
は、小溝幅の内面溝の中を冷媒液が液面より上り易く、
蒸発初期の段階より所定の性能を得ることができる。そ
の結果、伝熱管全体の長さを短縮することが可能とな
る。
【0033】図6は、本発明の第2の実施例を示し、溝
幅のほかに内面フィンの肉厚をt1,t2の2種類以上
に変化させたものである。大溝幅の内面溝に接する内面
フィンの肉厚をt1に減じたので大溝幅がさらに広くな
って冷媒液に埋もれ難くなり、乾いた面が露出している
ため、すぐれた凝縮性能を示す。
【0034】図7は、本発明の第3の実施例を示し、溝
幅のほかに内面フィンの頂角をγ1,γ2の2種類以上
に変化させたものである。頂角を小さくすることによ
り、大溝幅がさらに広がって、液が溜り難くなり、すぐ
れた凝縮性能を示す。
【0035】図8は、本発明の第4の実施例を示し、溝
幅のほかに内面フィンの立ち上げ角度をβ1,β2の2
種類以上に変化させたものである。従来の内面フィンの
立ち上げ角度は、すべて90°であったが本実施例で
は、β1<90°及びβ2>90°としたので、小溝幅
がさらに狭くなり、大溝幅がさらに広くなって、蒸発に
も凝縮にもすぐれた性能を示す。
【0036】図9は、本発明の第5の実施例を示し、溝
幅のほかに溝底の形状を2種類以上に変化させたもので
ある。小溝幅の内面溝3bの溝底は従来と同様に台形で
あるが、大溝幅の内面溝3aの溝底は、内面フィン2の
側面に接する半径rの半円弧状になっている。溝底の形
状が、冷媒液の表面形状と一致しているため、液膜の厚
さは最も薄くなり、凝縮性能が著しく向上する。
【0037】この他にも、溝幅の変化をベ−スにして、
内面フィンの肉厚、内面フィンの頂角、フィン立ち上げ
角度及び溝底の形状のうち、2種類あるいは3種類以上
を変化させる組合せは、幾通りも考えられる。
【0038】図10及び図11は、本発明の第6の実施
例を示し、1次フィン(内面フィン)12に、内面溝3
a,3bと交差する複数の2次溝(クロス溝)13を設
けることにより、撹拌効果による伝熱促進を図ったもの
である。1次フィン12は、本発明の第1の実施例より
第5の実施例までのいずれかを用いている。1次フィン
12に、内面溝3a,3bと交差するように2次溝13
を設けるが、この2次溝13は、従来の2次溝と同様に
均一溝幅でもよいし、本発明の1次溝(内面溝)のよう
に不均一溝幅としてもよい。このようなクロス溝付の内
面溝付伝熱管は、非共沸混合冷媒に対して、特に効果的
である。
【0039】以上のように、本発明の内面溝付伝熱管
は、フロン系冷媒の凝縮及び蒸発の広い範囲に対して高
い伝熱性能を示すという優れた性質を持っている。図1
2及び図13は、本発明の内面溝付伝熱管の寸法仕様の
一例である。内面溝付伝熱管の製造方法は、図14に示
すように、固定ダイス150とフローティングプラグ1
60との間で原管190を縮径加工したのち、フローテ
ィングプラグ160の後部に軸111を介して連結され
た回動自在な溝付プラグ122と、回転する圧迫機構1
80の先端の突起123とによって原管190を圧迫
し、その内面に溝付プラグ122の溝121を溝加工す
ることにより製造される。
【0040】次に、本発明の第7の実施例として熱交換
器について説明する。図15に示すように、一例として
フィン・チュ−ブ熱交換器は、多数の一定間隔で平行に
置かれたフィン7に多数の穴が開けられており、その穴
に多数の本発明の内面溝付伝熱管8が挿入されて拡管固
定されフィン7と密着されている。フィン7の表面に
は、空気側熱伝達率を向上させるために、ル−バ9が設
けられることが多い。内面溝付伝熱管8の中をフロン系
冷媒が流れ、空気6が矢印方向より流入してフィン7間
を流れ、ル−バ9よりフィン7を経て内面溝付伝熱管8
へ伝熱し冷媒を凝縮又は蒸発する。本発明の内面溝付伝
熱管は、このようなフィン・チュ−ブ熱交換器用として
好適であるが、本発明が対象とするのは、フィン・チュ
−ブ熱交換器に限定されるものではなく、円形伝熱管を
用いるすべての熱交換器に適用可能である。
【0041】また、本発明の内面溝付伝熱管を、図15
に示すようなフィン・チュ−ブ熱交換器に組み立てる場
合、フィンに貫通した内面溝付伝熱管とフィンとを密着
させる必要があるが、従来は、内面溝付伝熱管にマンド
レルを挿通して内面を機械拡管しフィンと密着すること
が多かった。しかし、本発明の内面溝付伝熱管は、内面
が複雑な形状をしているので、機械拡管によって変形
し、性能が大幅に低下することが懸念される。そこで、
本発明の内面溝付伝熱管を拡管するためには、液圧拡管
を用いることが望ましい。また、フィンと内面溝付伝熱
管の外面とを直接ろう付けしても、内面形状の変形を避
けることができる。しかし、変形が少なければ性能低下
もわずかなので機械拡管も可能である。大溝幅と小溝幅
との配置については多くの可能性を有しているが、図1
に示す実施例のように、大溝幅と小溝幅とを交互に配置
することにより、拡管した後の内面溝付伝熱管の形状が
ほぼ真円に維持される効果がある。
【0042】次に、本発明の第8の実施例として熱交換
器を、フロン系冷媒を用いた空調機に適用した実施例に
ついて説明する。図16は、フロン系冷媒を用いたヒ−
トポンプ式冷凍サイクルである。冷房時は、実線矢印で
示すように、圧縮機13で昇圧された冷媒は、四方弁1
4を経て室外熱交換器15で空気により凝縮され、膨張
弁16で膨張されたのち室内熱交換器17で周囲の空気
を冷却して蒸発され、圧縮機13に戻る。暖房時は、破
線矢印で示すように、圧縮機13で昇圧された冷媒は、
室内熱交換器17で周囲の空気に熱を与えて凝縮され、
膨張弁16を経て室外熱交換器15で蒸発され、四方弁
14を経て圧縮機13に戻る。つまり室内熱交換器17
は、冷房時には蒸発器として働き、暖房時には凝縮器と
して働く。また室外熱交換器は、冷房時には凝縮器とし
て働き、暖房時には蒸発器として働く。
【0043】室内熱交換器及び室外熱交換器の両方に、
従来伝熱管あるいは発明伝熱管を用いた場合の性能の比
較を図17に示す。動作係数(COP)とは、冷房能力
あるいは暖房能力を、全電気入力で割った値で定義され
る。縦軸の動作係数の比とは、従来熱交換器にHCFC
−22の冷媒を用いた時の動作係数の値を基準として、
三種混合冷媒(HFC−32,HFC−125,HFC
−134aを30,10,60wt%ずつ混ぜ合わせた
もの)に入れ替えた時の動作係数の比(%)で表した。
従来熱交換器をそのまま用いると、従来熱交換器使用時
18のように性能は低下してしまうが、発明熱交換器を
用いることにより、発明熱交換器使用時19のように性
能は低下しないことがわかる。
【0044】本発明によれば、内面溝の溝幅を2種類以
上にしたことにより、冷媒液に満たされる部分と、冷媒
液の溜りにくい部分とを設けることができ、その結果、
蒸発性能にも凝縮性能にも優れた高性能な内面溝付伝熱
管を提供することができる。
【0045】そして内面溝の溝幅を2種類以上にしただ
けでなく、内面フィンの肉厚、内面フィンの頂角、フィ
ン立ち上げ角度、溝底の形状をも2種類以上としたの
で、液の溜り方の不均一が促進され、さらに性能を向上
させることが可能である。また大溝幅と小溝幅とが交互
に配置されるため、フィンに拡管固定する際、変形が抑
制されてほぼ真円が保持される効果がある。
【0046】そして溝幅を2種類以上とする1次フィン
(内面フィン)を形成し、次にこの1次フィンに交差す
る2次溝(クロス溝)を設けたので、液の溜り方の不均
一が促進され、さらに性能を向上させることが可能であ
る。
【0047】また前記いずれか一つの内面溝付伝熱管を
用いることにより、高い冷媒側熱伝達率を有する熱交換
器を実現することができる。
【0048】さらにこの熱交換器を用いることにより、
動作係数(COP)の高い、コンパクトな冷凍機及び空
調機を実現することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、内面溝の溝幅を2種類
以上にしたことにより、冷媒液の満たし難い大溝幅と、
冷媒液の満たし易い小溝幅とを設けることができ、蒸発
性能にも凝縮性能にも優れた高性能な内面溝付伝熱管を
提供することができる。そして大溝幅と小溝幅とを交互
に配置することにより、フィンに拡管固定してもほぼ真
円を維持できる効果がある。
【0050】また、内面溝の溝幅を2種類以上にすると
ともに、内面フィンの肉厚、内面フィンの頂角、フィン
立ち上げ角度及び溝底の形状のいずれかを2種類以上に
変化させたため、さらに高い伝熱性能を有する内面溝付
伝熱管を提供することができる。
【0051】さらに、内面溝付伝熱管を用いて冷媒側熱
伝達率を高く維持することができるため、高い伝熱性能
を有する熱交換器を実現でき、かつこの熱交換器を用い
て動作係数の高い冷凍機及び空調機を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す横断面図である。
【図2】図1のA・A線断面図である。
【図3】図1の内面溝を拡大した断面図である。
【図4】発明伝熱管と従来伝熱管との凝縮性能の比較を
示すグラフである。
【図5】発明伝熱管と従来伝熱管との蒸発性能の比較を
示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施例を示す内面溝を拡大した
断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す内面溝を拡大した
断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す内面溝を拡大した
断面図である。
【図9】本発明の第5の実施例を示す内面溝を拡大した
断面図である。
【図10】前記いずれか一つの実施例の縦断面図であ
る。
【図11】本発明の第6の実施例を示す内面溝を拡大し
た斜視図である。
【図12】内面溝付伝熱管の記号を示す図である。
【図13】内面溝付伝熱管の寸法の一例を示す図であ
る。
【図14】内面溝付伝熱管の製造方法を説明する断面図
である。
【図15】フィン・チュ−ブ熱交換器の斜視図である。
【図16】ヒ−トポンプ式冷凍サイクルの系統図であ
る。
【図17】従来空調機と発明空調機との性能比較を示す
図である。
【図18】従来技術の内面溝を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 管壁 2 内面フィン 3 内面溝 3a 大溝幅W1の内面溝 3b 小溝幅W2の内面溝 4 冷媒液 6 空気 7 フィン 8 内面溝付伝熱管 9 ル−バ 13 圧縮機 14 四方弁 15 室外熱交換器 16 膨張弁 17 室内熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 敏彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷凍サイクルに用いる冷媒が気液二相流状
    態で流れ、該冷媒を凝縮又は蒸発させる複数のらせん状
    の内面フィンと、それぞれの内面フィンの間の内面溝と
    を内設した内面溝付伝熱管において、それぞれの内面溝
    は、前記冷媒を凝縮し易くする溝幅と蒸発し易くする溝
    幅との少なくとも2種類の溝幅に形成されることを特徴
    とする内面溝付伝熱管。
  2. 【請求項2】冷凍サイクルに用いる冷媒を凝縮又は蒸発
    させる複数のらせん状の内面フィンと、それぞれの内面
    フィンの間の内面溝とを内設した内面溝付伝熱管におい
    て、それぞれの内面フィンは、高さがほぼ同一に形成さ
    れるとともに、それぞれの内面溝は、少なくとも2種類
    の溝幅に形成されることを特徴とする内面溝付伝熱管。
  3. 【請求項3】2種類の溝幅は、凝縮時に冷媒液の満たし
    難い複数の大溝幅と、蒸発時に冷媒液の満たし易い複数
    の小溝幅とよりなることを特徴とする請求項1又は2記
    載の内面溝付伝熱管。
  4. 【請求項4】2種類の溝幅は、一方の大溝幅と他方の小
    溝幅とが交互に配置されることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の内面溝付伝熱管。
  5. 【請求項5】それぞれの内面フィンは、肉厚が少なくと
    も2種類に形成されることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項記載の内面溝付伝熱管。
  6. 【請求項6】それぞれの内面フィンは、フィン頂角が少
    なくとも2種類に形成されることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項記載の内面溝付伝熱管。
  7. 【請求項7】それぞれの内面フィンは、フィン立ち上げ
    角度が少なくとも2種類に形成されることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1項記載の内面溝付伝熱管。
  8. 【請求項8】それぞれの内面溝は、一方の大溝幅の溝底
    がそれぞれの内面フィンの側面と接する半円弧状に、か
    つ他方の小溝幅の溝底が台形に、少なくとも2種類の溝
    底に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1項記載内面溝付伝熱管。
  9. 【請求項9】 それぞれの内面フィンは、それぞれの内
    面溝と交差するように複数のクロス溝が形成されること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の内面溝
    付伝熱管。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の内
    面溝付伝熱管を用いてなることを特徴とする熱交換器。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項記載の内
    面溝付伝熱管を、フィンに挿通しかつ機械拡管又は液圧
    拡管により固定してなることを特徴とする熱交換器。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載の熱交換器を
    用いてなることを特徴とする冷凍機。
  13. 【請求項13】 請求項10又は11記載の熱交換器を
    用いてなることを特徴とする空調機。
JP7234014A 1995-09-12 1995-09-12 内面溝付伝熱管及び熱交換器 Pending JPH0979779A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010249484A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器および冷凍サイクル装置

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JP2010249484A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器および冷凍サイクル装置

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