JP2008267791A - 漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の漏洩検知管に比べて、生産性が優れ、安価であると共に、熱交換器に使用した際に伝熱性能が低下しない漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器を提供する。
【解決手段】内管3Aおよび内管3Aの外部に嵌合する外管2を有し、内管3Aの内側または外管2の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、内管3Aおよび外管2の間に形成される漏洩路4を介して検知する漏洩検知管1であって、漏洩路4が、少なくとも外管2と嵌合している内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角をなして伸びる少なくとも1個の凹部5aにより構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】内管3Aおよび内管3Aの外部に嵌合する外管2を有し、内管3Aの内側または外管2の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、内管3Aおよび外管2の間に形成される漏洩路4を介して検知する漏洩検知管1であって、漏洩路4が、少なくとも外管2と嵌合している内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角をなして伸びる少なくとも1個の凹部5aにより構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱媒体としての水または冷媒の漏洩を検知するために用いられる漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器に関する。
一般に、給湯器等に使用される、漏洩検知管を備えた熱交換器の構成としては、特許文献1、2において、以下のように記載されている。
図17に示すように、特許文献1の熱交換器101は、大径管102(文献では外管と記載されている)と、その大径管102の内部に配置された漏洩検知管103(文献では内管と記載されている)とを備える。また、漏洩検知管103が、その肉厚部に大気に通じる空間104を有している。さらに、漏洩検知管103の内部の空間106には水が流れ、大径管102と漏洩検知管103との間の空間105には冷媒が流れる。そして、漏洩検知管103の腐食によって漏洩した水または冷媒の漏洩検知は、空間104を介して行われていた。
図17に示すように、特許文献1の熱交換器101は、大径管102(文献では外管と記載されている)と、その大径管102の内部に配置された漏洩検知管103(文献では内管と記載されている)とを備える。また、漏洩検知管103が、その肉厚部に大気に通じる空間104を有している。さらに、漏洩検知管103の内部の空間106には水が流れ、大径管102と漏洩検知管103との間の空間105には冷媒が流れる。そして、漏洩検知管103の腐食によって漏洩した水または冷媒の漏洩検知は、空間104を介して行われていた。
図18に示すように、特許文献2の熱交換器111は、1本の大径管112(文献では外管と記載されている)と、その大径管112の内部に2本の漏洩検知管113(文献では内管と記載されている)とを備え、漏洩検知管113が外管114(文献では漏洩検知管と記載されている)と内管115(文献では冷媒管と記載されている)とからなる二重管で構成されている。また、外管114として、管内面に多数の溝が形成された内面溝付管を使用することによって、外管114と内管115との間に漏洩検知溝116が形成されている。さらに、内管115の内部に形成された流路118には冷媒が流れ、大径管112と漏洩検知管113(外管114)との間に形成された流路117には水が流れる。そして、漏洩検知管113の腐食によって漏洩した水または冷媒の漏洩検知は、漏洩検知溝116を介して行われていた。
実開昭57−121880号公報(第2図)
特開2005−69620号公報(図1、図2、図5)
従来の熱交換器101においては、漏洩検知のために、漏洩検知管103の肉厚部に空間104が形成されている。しかしながら、このような空間104の形成には複雑な加工が必要で、漏洩検知管103の生産性を高めることができなかった。その結果、漏洩検知管103または熱交換器101の製造コストが高いものになるという問題があった。
従来の熱交換器111においては、漏洩検知のために、漏洩検知管113の外管(内面溝付管)114の内面に多数の溝(漏洩検知溝116)が形成されている。しかしながら、このような漏洩検知溝116の形成にも複雑な加工が必要で、漏洩検知管113の生産性を高めることができなかった。その結果、漏洩検知管113または熱交換器111の製造コストが高いものになるという問題があった。
また、外管114の溝数または溝深さによっては、溝の間に形成される空間(漏洩検知溝116)が大きくなるため、外管114と内管115の接触面積が小さくなり、流路117の水と流路118の冷媒との熱伝達率が低下し、熱交換器111の伝熱性能が低下するという問題もあった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するために創案されたもので、その目的は、従来の漏洩検知管に比べて、生産性が優れ、安価であると共に、熱交換器に用いた際に伝熱性能が低下しない漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に係る漏洩検知管は、内管および内管の外部に嵌合する外管を有し、前記内管の内側または前記外管の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、前記内管および前記外管の間に形成される漏洩路を介して検知する漏洩検知管であって、前記漏洩路が、少なくとも前記外管と嵌合している前記内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる少なくとも1個の凹部により構成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、漏洩路が、少なくとも外管と嵌合している内管外面に伸びる少なくとも1個の凹部により構成されていることによって、水または冷媒の漏洩が検知される。また、凹部は簡易な製造設備で形成可能なため、漏洩検知管の生産性が向上する。さらに、内管外面の凹部と外管内面との間に形成される漏洩路以外の部分は外管内面と嵌合することによって接触しているため、熱交換器に用いた際に、水と冷媒との間の熱伝達率が低下することがない。そして、凹部が所定のらせん角αをなして伸びることによって、外管と内管との接触部分が一方向に偏ることがないため、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
請求項2に係る漏洩検知管は、前記凹部が、管軸直交断面においてU字状またはV字状の形状を有することを特徴とする。
前記構成によれば、凹部の形状をU字状またはV字状とすることで、凹部の形成がさらに簡易なものとなり、漏洩検知管の生産性がさらに向上する。
前記構成によれば、凹部の形状をU字状またはV字状とすることで、凹部の形成がさらに簡易なものとなり、漏洩検知管の生産性がさらに向上する。
請求項3に係る漏洩検知管は、前記凹部が、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満の深さを有することを特徴とする。
前記構成によれば、凹部の深さを所定範囲に規定することによって、漏洩検知能力が十分なものとなる。また、外管と内管との接触面積も十分なものとなり、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
前記構成によれば、凹部の深さを所定範囲に規定することによって、漏洩検知能力が十分なものとなる。また、外管と内管との接触面積も十分なものとなり、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
請求項4に係る漏洩検知管は、前記外管および前記内管の両管が、その全長の少なくとも一部の領域に管軸方向に沿って凹凸部を備えることを特徴とする。
前記構成によれば、外管および内管の両管が凹凸部を備えることによって、漏洩検知管の外側(外管の外側)を流通する水または冷媒の一方、および、漏洩検知管の内部を流通する水または冷媒の他方の両者が撹拌されると共に、漏洩検知管の管内外表面積が増加する。このため、漏洩検知管の熱伝達率が増大し、この漏洩検知管を使用する熱交換器の伝熱性能が一層向上する。
請求項5に係る漏洩検知管は、前記凹凸部が、管軸方向に沿って、らせん状に形成されたことを特徴とする。
前記構成によれば、凹凸部がらせん状に形成されたことによって、漏洩検知管の外側(外管の外側)を流通する水または冷媒の一方、および、漏洩検知管の内部を流通する水または冷媒の他方の両者がより一層撹拌されるため、漏洩検知管の熱伝達率がより一層増大し、この漏洩検知管の伝熱性能がより一層向上する。
請求項6に係る漏洩検知管は、内管および内管の外部に嵌合する外管を有し、前記内管の内側または前記外管の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、前記内管および前記外管の間に形成される漏洩路を介して検知する漏洩検知管であって、前記漏洩路が、少なくとも前記内管と嵌合している前記外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる少なくとも1個の突起部により構成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、漏洩路が、少なくとも内管と嵌合している外管内面に伸びる少なくとも1個の突起部により構成されることによって、水または冷媒の漏洩が検知される。また、突起部は簡易な製造設備で形成可能なため、漏洩検知管の生産性が向上する。さらに、外管内面の突起部と内管外面との間に形成される漏洩路以外の部分は内管外面と嵌合することによって接触しているため、熱交換器に用いた際に、水と冷媒との間の熱伝達率が低下することがない。そして、突起部が所定のらせん角βをなして伸びることによって、外管と内管との接触部分が一方向に偏ることがないため、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
請求項7に係る漏洩検知管は、前記突起部が、管軸直交断面においてU字状またはV字状の形状を有することを特徴とする。
前記構成によれば、突起部の形状をU字状またはV字状とすることで、突起部の形成がさらに簡易なものとなり、漏洩検知管の生産性がさらに向上する。
前記構成によれば、突起部の形状をU字状またはV字状とすることで、突起部の形成がさらに簡易なものとなり、漏洩検知管の生産性がさらに向上する。
請求項8に係る漏洩検知管は、前記突起部が、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満の高さを有することを特徴とする。
前記構成によれば、突起部の高さを所定範囲に規定することによって、漏洩検知能力が十分なものとなる。また、外管と内管との接触面積も十分なものとなり、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
前記構成によれば、突起部の高さを所定範囲に規定することによって、漏洩検知能力が十分なものとなる。また、外管と内管との接触面積も十分なものとなり、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
請求項9に係る漏洩検知管は、内管および内管の外部に嵌合する外管を有し、前記内管の内側または前記外管の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、前記内管および前記外管の間に形成される漏洩路を介して検知する漏洩検知管であって、前記漏洩路が、少なくとも前記外管と嵌合している前記内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる少なくとも1個の凹部、および、少なくとも前記内管と嵌合している前記外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる少なくとも1個の突起部により構成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、漏洩路が、少なくとも外管と嵌合している内管外面に伸びる少なくとも1個の凹部、および、少なくとも内管と嵌合している外管内面に伸びる少なくとも1個の突起部により構成されていることによって、水または冷媒の漏洩が検知される。また、凹部および突起部は簡易な製造設備で形成可能なため、漏洩検知管の生産性が向上する。さらに、凹部と外管内面との間に形成される漏洩路、突起部と内管外面との間に形成される漏洩路、凹部および突起部と内管外面との間に形成される漏洩路以外の部分は、外管と内管とが嵌合することによって接触しているため、熱交換器に用いた際に、水と冷媒との間の熱伝達率が低下することがない。そして、凹部および突起部の少なくとも一方が所定のらせん角α、βをなして伸びることによって、外管と内管との接触部分が一方向に偏ることがないため、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
請求項10に係る漏洩検知管は、前記凹部および前記突起部の少なくとも一方が、管軸直交断面においてU字状またはV字状の形状を有することを特徴とする。
前記構成によれば、凹部および突起部の少なくとも一方の形状をU字状またはV字状とすることで、凹部および突起部の形成がさらに簡易なものとなり、漏洩検知管の生産性がさらに向上する。
前記構成によれば、凹部および突起部の少なくとも一方の形状をU字状またはV字状とすることで、凹部および突起部の形成がさらに簡易なものとなり、漏洩検知管の生産性がさらに向上する。
請求項11に係る漏洩検知管は、前記凹部の深さ、および、前記突起部の高さの少なくとも一方が、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満であることを特徴とする。
前記構成によれば、凹部の深さ、および、突起部の高さの少なくとも一方を所定範囲に規定することによって、漏洩検知能力が十分なものとなる。また、外管と内管との接触面積も十分なものとなり、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
前記構成によれば、凹部の深さ、および、突起部の高さの少なくとも一方を所定範囲に規定することによって、漏洩検知能力が十分なものとなる。また、外管と内管との接触面積も十分なものとなり、水と冷媒との間の熱伝達率が向上する。
請求項12に係る漏洩検知管は、前記内管が、その内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角θをなして形成された溝を備えることを特徴とする。
前記構成によれば、内管の内面に溝を備えることによって、内管の内部を流通する水または冷媒が撹拌されると共に、管内表面積が増加する。このため、漏洩検知管の熱伝達率が向上する。
前記構成によれば、内管の内面に溝を備えることによって、内管の内部を流通する水または冷媒が撹拌されると共に、管内表面積が増加する。このため、漏洩検知管の熱伝達率が向上する。
請求項13に係る漏洩検知管は、前記内管が、その両端の少なくとも一方の管端部において、前記外管の管端部よりも突出していることを特徴とする。
前記構成によれば、内管の管端部が突出していることによって、漏洩検知管と他の部品、例えば、複数の漏洩検知管を連結するUベンド管、ヘッダー等との接続が容易となる。
請求項14に係る漏洩検知管は、前記漏洩検知管の少なくとも一方の管端部において、前記外管の管端面と前記内管の管端面とが同一平面上にあり、かつ、前記外管を貫通して外管外面および外管内面に開口する漏洩検知部を、前記外管の少なくとも一方の管端近傍に備えることを特徴とする。
前記構成によれば、外管の管端面と、内管の管端面とが同一平面上に管端がそろっていることによって、漏洩検知管を製造する際に、外管の管端面から内管を所定長さで突出させる必要がないため、外管への内管の挿入・嵌合作業を連続して行うことが可能となり、外管および内管の挿入位置調整作業も不要となる。また、外管および内管の伸び代の調整が容易となり、外管の皮むき、内管の後端部の切断も不要となるため、漏洩検知管の全長の調整が容易となる。また、漏洩検知部を外管の少なくとも一方の管端近傍に備えることによって、漏洩した水または冷媒は、外管と内管との間に形成される漏洩路を通って外管の漏洩検知部に漏洩する。
請求項15に係る漏洩検知管は、前記漏洩検知管における両端の少なくとも一方が拡管されていることを特徴とする。また、請求項16に係る漏洩検知管は、前記内管における両端の少なくとも一方の管端部の内側に接合された連結管を備えることを特徴とする。
前記構成によれば、漏洩検知管における両端の少なくとも一方が拡管されていること、または、連結管を備えることによって、漏洩検知管と他の部品、例えば、複数の漏洩検知管を連結するUベンド管、ヘッダー等との接続が容易となる。
前記構成によれば、漏洩検知管における両端の少なくとも一方が拡管されていること、または、連結管を備えることによって、漏洩検知管と他の部品、例えば、複数の漏洩検知管を連結するUベンド管、ヘッダー等との接続が容易となる。
請求項17に係る熱交換器は、水または冷媒を熱媒体として使用し、前記熱媒体間で熱交換を行う熱交換器であって、請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の漏洩検知管と、前記漏洩検知管の外径より大きい内径を有する大径管とを備え、前記大径管内に、少なくとも1本の前記漏洩検知管を配置し、前記大径管内には前記水または前記冷媒の一方を流通させ、前記漏洩管内には前記水または前記冷媒の他方を流通させることを特徴とする。
前記構成によれば、所定の構成からなる漏洩検知管と、管内に漏洩検知管が少なくとも1本配置される大径管とを備えることによって、熱交換器の生産性が向上すると共に、伝熱性能が低下することがない。
請求項18に係る熱交換器は、前記大径管が、その全長の少なくとも一部がらせん状の巻回部に形成されたことを特徴とする。また、請求項19に係る熱交換器は、前記大径管が、その全長の少なくとも一部が渦巻状の巻回部に形成されたことを特徴とする。
前記構成によれば、大径管の少なくとも一部がらせん状または渦巻状の巻回部に形成されたことによって、同一体積に収納可能な熱交換器(大径管)の全長が長くなり、伝熱面積が増大する。なお、熱交換器の全長が長くなっても、設置の際のスペースは小型化される。
請求項20に係る熱交換器は、前記巻回部が、その巻回軸に対して直交する断面形状が円形状であることを特徴とする。また、請求項21に係る熱交換器は、前記巻回部は、その巻回軸に対して直交する断面形状が直線路の両側に湾曲路を有する小判形状であることを特徴とする。
前記構成によれば、巻回部の断面形状が円形状または小判形状であることによって、熱交換器設置の際のスペースが小型化されると共に、設置安定性が向上する。
本発明に係る漏洩検知管によれば、漏洩路が、内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる少なくとも1個の凹部、または/および、外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる少なくとも1個の突起部により構成されていることによって、生産性が優れ、安価であると共に、熱交換器に使用した際に伝熱性能が低下しない。
また、凹部または/および突起部が所定の形状(U字状またはV字状)を有すること、凹部の深さまたは/および突起部の高さを所定範囲にすること、凹部または突起部が管軸方向と所定のらせん角α、βをなして伸びること、凹凸部を備え、その凹凸部がらせん状に形成されたこと、内管の内面に溝を備えること、内管の管端部が突出していること、外管および内管の管端面が同一平面にあって、外管の管端近傍に漏洩検知部を備えること、漏洩検知管の管端部が拡管されていること、または、連結管を備えることによって、生産性、漏洩検知能力、伝熱性能がさらに優れ、熱交換器の他の部品との接続がさらに容易になる。
本発明に係る熱交換器によれば、所定の構成からなる漏洩検知管を備えることによって、生産性が優れ、安価であると共に、伝熱性能が低下しない。
また、大径管の一部がらせん状または渦巻状の巻回部に形成されたこと、または、巻回部の断面形状が円形状または小判形状であることによって、伝熱性能がさらに優れると共に、設置スペースが小型化され、設置安定性が優れる。
本発明に係る漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
<漏洩検知管>
[第1の実施形態]
本発明に係る漏洩検知管の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は漏洩検知管の構成を示す管軸直交断面図、(b)は(a)の凹部を拡大して示す管軸直交断面図、(c)は(b)の他の実施形態を示す管軸直交断面図、図2は凹部の他の実施形態を示す管軸直交断面図、図3はらせん状の凹部を備える漏洩検知管の斜視図、図4(a)は内管の内面に溝が形成された漏洩検知管の管軸直交端面図、(b)は(a)の内管の管軸に沿った部分断面図、(c)は(a)の一部拡大端面図、図5は内管の管端部が突出した漏洩検知管の斜視図、図6(a)、(b)は漏洩検知部を備えた漏洩検知管の斜視図、図7(a)、(b)は端部が拡管され、連結管が接続された漏洩検知管の管軸に沿った部分断面図、図16(a)、(b)は凹凸部を備える漏洩検知管の管軸に沿った部分断面図である。
<漏洩検知管>
[第1の実施形態]
本発明に係る漏洩検知管の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は漏洩検知管の構成を示す管軸直交断面図、(b)は(a)の凹部を拡大して示す管軸直交断面図、(c)は(b)の他の実施形態を示す管軸直交断面図、図2は凹部の他の実施形態を示す管軸直交断面図、図3はらせん状の凹部を備える漏洩検知管の斜視図、図4(a)は内管の内面に溝が形成された漏洩検知管の管軸直交端面図、(b)は(a)の内管の管軸に沿った部分断面図、(c)は(a)の一部拡大端面図、図5は内管の管端部が突出した漏洩検知管の斜視図、図6(a)、(b)は漏洩検知部を備えた漏洩検知管の斜視図、図7(a)、(b)は端部が拡管され、連結管が接続された漏洩検知管の管軸に沿った部分断面図、図16(a)、(b)は凹凸部を備える漏洩検知管の管軸に沿った部分断面図である。
図1(a)に示すように、漏洩検知管1は、内管3Aおよび内管3Aの外部に嵌合する外管2を有し、内管3Aの内側または外管2の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、内管3Aおよび外管2の間に形成される漏洩路4を介して検知する。そして、漏洩路4が、内管外面に伸びる少なくとも1個の凹部5aにより構成されている。
(外管)
図12に示すように、外管2は、熱交換器20において、漏洩検知管1が配置される流路13に熱媒体(水または冷媒)が必要量流通し、後記する内管3Aの外部(外表面)に嵌合可能な寸法に形成されている。例えば、大径管11の内部に流路13を形成するように、大径管11の管軸方向に沿って設けられている。一例として、外径は3〜20mm、肉厚は0.2〜2.5mm、長さは1〜30mが好ましい。また、肉厚は、外管2の外側(流路13)に流通する熱媒体として水を使用する場合には、水による腐食代を考慮した肉厚とすることがさらに好ましい。外管2の寸法は、熱交換器20の伝熱性能、流路13内の熱媒体の圧力損失の点から、管軸直交断面における1本の漏洩検知管1の流路断面積と、大径管11と漏洩検知管1との間の流路13の断面積との比(外側流路/漏洩検知管)が10〜50の範囲内を満足するように設定することがより好ましい。
図12に示すように、外管2は、熱交換器20において、漏洩検知管1が配置される流路13に熱媒体(水または冷媒)が必要量流通し、後記する内管3Aの外部(外表面)に嵌合可能な寸法に形成されている。例えば、大径管11の内部に流路13を形成するように、大径管11の管軸方向に沿って設けられている。一例として、外径は3〜20mm、肉厚は0.2〜2.5mm、長さは1〜30mが好ましい。また、肉厚は、外管2の外側(流路13)に流通する熱媒体として水を使用する場合には、水による腐食代を考慮した肉厚とすることがさらに好ましい。外管2の寸法は、熱交換器20の伝熱性能、流路13内の熱媒体の圧力損失の点から、管軸直交断面における1本の漏洩検知管1の流路断面積と、大径管11と漏洩検知管1との間の流路13の断面積との比(外側流路/漏洩検知管)が10〜50の範囲内を満足するように設定することがより好ましい。
外管2の材質は、特に限定されず、漏洩検知管1(熱交換器20)に必要な強度、耐食性、ろう付け性、曲げ加工性を有するものを使用し、例えば、熱交換器20として広く用いられているJISH3300に規定する合金番号C1101の無酸素銅、合金番号C1201及びC1220のりん脱酸銅のいずれかが好ましい。また、前記の材質のみに限定する必要はなく、特に熱伝導性と耐圧強度が必要な場合は、JISH3300に規定された銅または銅合金や、例えば、CuにFe、P、Ni、Co、Mn、Sn、Si、Mg、Ag、Al等の元素より選択する1種または2種以上を総計で数%以下含有させたJISH3300に規定されていない銅合金を用いることも可能である。さらに、特に耐食性と耐圧強度が必要な場合には、JISH3300に規定された合金番号C7060、C7100、C7150などのCu−Ni系合金、TiまたはTi合金、ステンレス鋼などを用いることも可能である。また、軽量化が求められる場合には、耐食性、強度、加工性などの特性を考慮して、アルミニウム、アルミニウム合金の中から所定の特性を有するものを選択することも可能である。
外管2を構成する管は、その内部に設けられる内管3Aの内圧を高くして運転されることが多いため、管の外径に対する肉厚を大きくすることが多く、一般には、押出し素管を圧延、抽伸して製作される継目無し管を用いることが多い。管の肉厚は、熱交換器20の運転圧力に基づいて計算される耐圧強度から決定すればよい。耐圧強度が要求値を満たせば、溶接管を用いてもよい。
(内管)
図1(a)に示すように、内管3Aは、外管2の内表面に嵌合され、その内部に熱媒体(水または冷媒)の流路6を備えるものである。また、内管3Aは、外管2に嵌合し、流路6に熱媒体が必要量流通することが可能な寸法に形成されている。一例として、外径は1.5〜18mm、肉厚は0.2〜2mm、長さは1〜30mが好ましく、図12に示すように、管軸直交断面における1本の漏洩検知管1の流路断面積と、大径管11と漏洩検知管1との間の流路13の断面積との比(外側流路/漏洩検知管)が10〜50の範囲を満足するように設定することがより好ましい。また、内管3Aの材質は、特に限定されず、その内部(流路6)に流通する熱媒体の圧力に耐え得る材料強度を有するもの、熱伝導性および耐食性に優れるもの、および、凹部5aを容易に形成できるものを使用し、例えば、前記外管2で記載したものから、同一または異なるものを適宜選択する。さらに、内管3Aは、外管2と同様に、継目無し管を用いることが多いが、耐圧強度の要求値を満たせば、溶接管を用いてもよい。
図1(a)に示すように、内管3Aは、外管2の内表面に嵌合され、その内部に熱媒体(水または冷媒)の流路6を備えるものである。また、内管3Aは、外管2に嵌合し、流路6に熱媒体が必要量流通することが可能な寸法に形成されている。一例として、外径は1.5〜18mm、肉厚は0.2〜2mm、長さは1〜30mが好ましく、図12に示すように、管軸直交断面における1本の漏洩検知管1の流路断面積と、大径管11と漏洩検知管1との間の流路13の断面積との比(外側流路/漏洩検知管)が10〜50の範囲を満足するように設定することがより好ましい。また、内管3Aの材質は、特に限定されず、その内部(流路6)に流通する熱媒体の圧力に耐え得る材料強度を有するもの、熱伝導性および耐食性に優れるもの、および、凹部5aを容易に形成できるものを使用し、例えば、前記外管2で記載したものから、同一または異なるものを適宜選択する。さらに、内管3Aは、外管2と同様に、継目無し管を用いることが多いが、耐圧強度の要求値を満たせば、溶接管を用いてもよい。
図1(a)〜(c)に示すように、内管3Aは、少なくとも外管2と嵌合している内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる凹部5aを少なくとも1個有する。そして、腐食等によって外管2または内管3Aに腐食孔が形成され、外管2の外側の流路13(図12参照)を流通する熱媒体、または、内管3Aの内側の流路6を流通する熱媒体が漏洩した際、凹部5aが熱媒体の漏洩路4となり、熱媒体の漏洩が検知されると共に、流路13の熱媒体と流路6の熱媒体が混じることが防止される。また、熱媒体の漏洩検知は、流路13または流路6に供給される熱媒体の圧力減少として検知される。
凹部5aは、好ましくは5個以下である。凹部5aが5個を超えると、外管2と内管3Aとの接触面積が小さくなり、水と冷媒との間の熱伝達率が低下しやすく、伝熱性能が低下しやすくなる。なお、凹部5aは、管軸方向において、外管2と嵌合していない内管外面には形成しなくてもよい(図5参照)。
図1(b)では、凹部5aは、管外面を、管肉厚をほとんど減少させずに、管内側にV字状に変形させることによって形成されているが、図1(c)に示すように、管肉厚を切削等によって減少させることによって形成された凹部5aであってもよい。また、凹部5aの形状はV字状に限定されず、水または冷媒の漏洩路として機能できれば、特に限定されない。なお、凹部の形状は、凹部形成の容易性、すなわち、内管3Aの生産性が向上することから、V字状(凹部5a)またはU字状(凹部5b、図2参照)が好ましい。さらに、複数の凹部5aを有する場合、それらの形状は、V字状のみ、U字状のみ、および、V字状とU字状の組み合わせのいずれでもよい。
凹部5a、5bは、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満の深さD1を有することが好ましい。凹部5a、5bの深さD1が0.01mm未満の場合、熱媒体(水または冷媒)の漏洩検知の能力が不十分になりやすい。好ましくは0.03mm以上がよい。また、深さD1が0.2mm以上の場合、内管3Aと外管2の間に大きな空気層が生じ、接触面積が小さくなり、熱媒体間の熱伝達率が低下し、伝熱性能が低下しやすい。好ましくは0.1mm未満がよい。深さD1が0.1mm未満であると、熱交換器の製造の際、内管3Aの管端部を拡管せずに他の部品と接続することが可能となる。
図3に示すように、凹部5aは管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる。その際、凹部5aのらせん角αは45°以下が好ましい。なお、らせん角αが0°とは管軸方向に平行に伸びることを意味し、0°であってもよい。らせん角αが45°を超えると、凹部5aの形成が難しくなりやすい。また、らせん状の凹部5aのピッチP1は10〜1000mmが好ましい。ピッチP1が10mm未満では凹部5aの形成が難しくなりやすく、1000mmを超えると、伝熱性能の向上が見られず、平行な場合(らせん角α=0°)と同等となる。なお、凹部5a、5bが管軸方向にらせん状に伸びたものでもよい。
図4(a)〜(c)に示すように、内管3Bが、その内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角θをなして形成された溝8aを備えることが好ましい。すなわち、内管3Bとして内面溝付管を使用することが好ましい。そして、内管3Bを内面溝付管とすることにより、管内(流路6)の熱媒体(水または冷媒)が撹拌され、旋回流が与えられ、また、管内の伝熱面積が増加するため、熱伝達率(伝達性能)が向上する。特に、熱媒体(冷媒)として、冷凍機油を含む二酸化炭素を用いる場合は、圧力損失の増加を抑えながら、平滑管に比べて伝熱性能を向上させることができる。
また、溝形状として、管軸直交断面における溝8a間に形成されたフィン8bのフィン高さhが0.1〜0.3mm、管軸平行断面におけるフィン8b(溝8a)のらせん角θが0〜45°、管軸直交断面におけるフィン8bの山頂角δが10〜45°、溝数が30〜70であることがさらに好ましい。
管内の溝8aの間に形成されるフィン8bは、その高さhが高いほど、管内の伝熱面積が増大し、また、熱媒体(水または冷媒)の攪拌効果も大きくなり、その熱伝達率も高くなる。しかしながら、フィン8bの高さhが0.3mmを超えると、圧力損失の増加が大きくなりやすい。一方、フィン8bの高さhが0.1mm未満の場合、熱伝達率の向上効果が小さくなりやすい。したがって、フィン8bの高さhは0.1〜0.3mmがさらに好ましい。
管内の溝8aは、管軸方向に平行な溝またはらせん状の(管軸方向と所定のらせん角θをなす)溝である。らせん角θは、管内面における管軸方向に平行な直線と溝8a(フィン8b)が伸びる方向とがなす角度で定義され、平行な溝はらせん角θ=0°となる。また、らせん角θが大きいほうが、熱媒体(水または冷媒)の攪拌効果も大きくなり、また管内の伝熱面積が増大し、熱伝達率が大きくなるため、溝8aはらせん状の溝が最適である。らせん角θが45°を超えると、圧力損失が増加しやすい、また内面溝付管の加工が難しくなりやすい。したがって、らせん角θは0〜45°がさらに好ましく、5〜45°が最適である。
フィン8bの山頂角δは、管軸直交断面において、フィン8bの斜面が成す角度である。山頂角δが小さいほど、その熱伝達率も高くなる。しかしながら、山頂角δが10°未満の場合、内面溝付管を加工した場合に、フィン8bが先端まで十分に形成されなかったり、生産性が低下したりしやすい。一方、山頂角δが45°を超えると、管内の表面積が低下して伝熱性能が低下すると共に、管の質量が大きくなりやすい。したがって、山頂角δは10〜45°がさらに好ましい。
溝数が多いほど、その熱伝達率も高くなる。しかしながら、溝数が70を超えると熱伝達率の増加量よりも圧力損失の方が大きくなりやすい。溝数が30未満の場合、熱伝達率が向上しにくい。したがって、溝数は30〜70がさらに好ましい。
図16(a)、(b)に示すように、漏洩検知管1は、外管2および内管3Aの両管が、その全長の少なくとも一部の領域に管軸方向に沿って凹凸部2B、3Cを備えることが好ましい。なお、図16(a)は、内管3Aの管端部が突出した漏洩検知管1、図16(b)は、外管2の管端面と内管3Aの管端面とが同一平面上にあり、かつ、漏洩検知部9を備える漏洩検知管1である。外管2および内管3Aの両管が凹凸部2B、3Cを備えることによって、大径管11(図12参照)の内部を流通する熱媒体、および、漏洩検知管1の内部を流通す熱媒体の両者が撹拌されると共に、漏洩検知管1の管内外表面積が増加する。このため、熱媒体の熱伝達性能が向上する。
凹凸部2B(凹凸部3C)はコルゲート加工によって形成することが好ましい。また、凹凸部2B(凹凸部3C)は、熱交換器20(図12参照)の実際の運転において、熱媒体として二酸化炭素を使用する場合には、二酸化炭素の局所熱伝達率が極大となる許容温度範囲(20〜80℃)を満足する領域に形成することが好ましい。
(凹凸部)
前記した凹凸部2B(凹凸部3C)の形状は、以下のものが好ましい。また、凹凸部2B(凹凸部3C)は、管軸方向に沿って凹凸がらせん状に形成される構成が好ましい。
凹凸部2Bの凹部深さHC1は、外管2の管外径DC1(コルゲート加工等が施されない未加工部の管外径)との関係において、(凹部深さHC1/管外径DC1)≧0.02を満足することが好ましい。(凹部深さHC1/管外径DC1)が0.02未満であると、大径管11の内部を流通する熱媒体の撹拌効果が小さく、漏洩検知管1の管外表面積の増加も少ないため、熱媒体の熱伝達性能の向上が期待し難くなる。
前記した凹凸部2B(凹凸部3C)の形状は、以下のものが好ましい。また、凹凸部2B(凹凸部3C)は、管軸方向に沿って凹凸がらせん状に形成される構成が好ましい。
凹凸部2Bの凹部深さHC1は、外管2の管外径DC1(コルゲート加工等が施されない未加工部の管外径)との関係において、(凹部深さHC1/管外径DC1)≧0.02を満足することが好ましい。(凹部深さHC1/管外径DC1)が0.02未満であると、大径管11の内部を流通する熱媒体の撹拌効果が小さく、漏洩検知管1の管外表面積の増加も少ないため、熱媒体の熱伝達性能の向上が期待し難くなる。
凹凸部2Bの凹部と外管2の管軸とがなす角度(ねじれ角γ1)は40°以上が好ましい。ねじれ角γ1が40°未満であると、大径管11の内部を流通する熱媒体の撹拌効果が小さく、漏洩検知管1の外表面積の増加も少ないため、熱媒体の熱伝達性能の向上が期待し難くなる。
凹凸部3Cの凹部深さHC2は、内管3Aの管外径DC2(漏洩路4を形成する凹部5aが形成されず、かつ、コルゲート加工等が施されない未加工部の管外径)との関係において、(凹部深さHC2/管外径DC2)≧0.02を満足することが好ましい。(凹部深さHC2/管外径DC2)が0.02未満であると、漏洩検知管1(内管3A)の内部を流通する熱媒体の撹拌効果が小さく、漏洩検知管1の管内表面積の増加も少ないため、熱媒体の熱伝達性能の向上が期待し難くなる。
凹凸部3Cの凹部と内管3Aの管軸とがなす角度(ねじれ角γ2)は40°以上が好ましい。ねじれ角γ2が40°未満であると、漏洩検知管1(内管3A)の内部を流通する熱媒体の撹拌効果が小さく、漏洩検知管1の管内表面積の増加も少ないため、熱媒体の熱伝達性能の向上が期待し難くなる。
また、凹凸部2B(凹凸部3C)は、管軸方向に沿って、らせん状の条を形成する。図16(a)、(b)の漏洩検知管1においては、凹凸部2B(凹凸部3C)が1本の条を形成した例を記載したが、凹凸部2B(凹凸部3C)が複数本の条を形成したものであってもよい。そして、複数本の条を形成する場合は、前記したねじれ角γ1(γ2)が互いに異なる凹凸部2B(凹凸部3C)を形成、または、ねじれ角γ1(γ2)が同一で、位相が異なる凹凸部2B(凹凸部3C)を形成することができる。なお、複数の条を形成することによって、条間のピッチ(凹凸部2B(凹凸部3C)のピッチ)を小さくすることが可能となり、熱媒体の撹拌効果が大きくなると共に、伝熱面積(漏洩検知管1の管外表面積および管内表面積)も大きくなり、熱媒体の熱伝達性能が向上する。
さらに、本発明において、凹凸部2B(凹凸部3C)はらせん状に限定されず、前記ねじれ角γ1(ねじれ角γ2)が90°、すなわち、凹凸部2B(凹凸部3C)が管軸方向に沿って、らせん状の条を形成しないものも含むものとする。
なお、図示しないが、漏洩検知管1を使用した熱交換器20(図12参照)において、漏洩検知管1を管内部に配置した大径管11として、大径管11の全長の少なくとも一部の領域に管軸方向に沿って凹凸部を備えることによって、熱交換器20の熱伝達性能がより一層向上する。このような熱交換器20において、大径管11の凹凸部によって形成されるらせん状の条と、漏洩検知管1の凹凸部2B(凹凸部3C)によって形成されたらせん状の条とは、条のらせん方向が逆方向であることが、熱媒体の熱伝達性能の向上のために、好ましい。
図5に示すように、熱交換器20の製造の際に、漏洩検知管1と他の部品との接続を容易にするために、内管3Aは、その両端の少なくとも一方の管端部において、外管2の管端部よりも突出していてもよい。また、内管3Aの管端部の突出部の長さは、熱交換器20のサイズによって異なるが、例えば、10〜100mmが好ましい。
図6(a)、(b)に示すように、漏洩検知管1の少なくとも一方の管端部において、外管2の管端面2aと内管3Aの管端面3aとが同一平面上にあり、かつ、外管2を貫通して外管外面および外管内面に開口する漏洩検知部9を、外管2の少なくとも一方の管端近傍に備えることが好ましい。
管端面2aと管端面3aとが同一平面上にあることにより、漏洩検知管1の製造の際、外管2への内管3Aの挿入・嵌合作業を連続して行うことが容易となり、位置調整作業も不要となる。また、伸び代調整もさらに容易で、内管3Aの後端部の切断も不要となるため、漏洩検知管1の全長の調整がさらに容易となる。その結果、漏洩検知管1の生産性が優れたものとなる。なお、漏洩検知部9を設けた側の管端部において、管端面2aと管端面3aとが同一平面上にある構成としてもよい。
漏洩検知部9は、外管2の少なくとも一方の管端近傍に備えられ、外管2を貫通して外管の外表面および外管の内表面に開口するものである。漏洩検知部9の形状、大きさは、熱媒体(水または冷媒)の漏洩が検知できれば、特に限定されないが、穴形状、スリット形状が好ましい。一例として、外径0.1〜5mmの穴、幅0.1〜5mmおよび長さ3〜30mmのスリットがさらに好ましい。
ここで、管端近傍とは、キャップ12と外管2との接合位置よりも管端部側で、熱交換器20の大径管11の流路外の位置を意味する。キャップ12は、大径管11と、漏洩検知管1の外管2とに接合し、大径管11の管内部の流路に熱媒体(水または冷媒)を供給するものである。このような管端近傍に漏洩検知部9を備えることによって、漏洩検知管1で漏洩した熱媒体が、大径管11の管内部に供給される熱媒体に混じることが防止される。
図7(a)、(b)に示すように、熱交換器20の他の部品(図示せず)との接続のために、漏洩検知管1における両端の少なくとも一方、すなわち、外管2の管端部よりも突出した内管3Aの管端部、または、同一平面上の管端面を有する外管2および内管3Aの管端部が拡管されていることが好ましい。また、内管3Aの内側に接合された連結管10を備えることがさらに好ましい。そして、連結管10の長さは、接続される熱交換器の部品によって異なるが、例えば、20〜100mmが好ましい。なお、熱媒体の漏洩検知は、凹部5a(漏洩路4)の開口部(図7(a)参照)、または、漏洩検知部9(図7(b)参照)を介して行われる。
[第2の実施形態]
本発明に係る漏洩検知管の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図8(a)は漏洩検知管の他の実施形態の構成を示す管軸直交断面図、(b)は(a)の突起部を拡大して示す管軸直交断面図、図9は突起部の他の実施形態を示す管軸直交断面図、図10はらせん状の突起部を備える漏洩検知管の斜視図である。
本発明に係る漏洩検知管の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図8(a)は漏洩検知管の他の実施形態の構成を示す管軸直交断面図、(b)は(a)の突起部を拡大して示す管軸直交断面図、図9は突起部の他の実施形態を示す管軸直交断面図、図10はらせん状の突起部を備える漏洩検知管の斜視図である。
図8(a)に示すように、漏洩検知管1Aは、内管3および内管3の外部に嵌合する外管2Aを有し、内管3の内側または外管2Aの外側を流通する水または冷媒の漏洩を、内管3および外管2Aの間に形成される漏洩路4を介して検知する。そして、漏洩路4が、外管内面に伸びる少なくとも1個の突起部7により構成されている。
(外管)
外管2Aは、外管内面に突起部7を有すること以外は、前記第1の実施形態の漏洩検知管1に使用されている外管2(図1参照)と同様であるので、管寸法、管材質等の説明は省略する。なお、管材質は、突起部7を容易に形成できるものを使用することが好ましい。
外管2Aは、外管内面に突起部7を有すること以外は、前記第1の実施形態の漏洩検知管1に使用されている外管2(図1参照)と同様であるので、管寸法、管材質等の説明は省略する。なお、管材質は、突起部7を容易に形成できるものを使用することが好ましい。
図8(a)、(b)に示すように、外管2Aは、少なくとも内管3と嵌合している外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる突起部7を少なくとも1個有する。そして、腐食等によって外管2Aまたは内管3に腐食孔が形成され、外管2Aの外側の流路13(図12参照)を流通する熱媒体、または、内管3の内側の流路6を流通する熱媒体が漏洩した際、突起部7によって外管2Aと内管3との間に形成された隙間が熱媒体の漏洩路4となり、熱媒体の漏洩が検知されると共に、流路13(図12参照)の熱媒体と流路6の熱媒体が混じることが防止される。また、熱媒体の漏洩検知は、流路13または流路6に供給される熱媒体の圧力減少として検知される。
突起部7は、好ましくは5個以下である。突起部7が5個を超えると、外管2Aと内管3との接触面積が小さくなり、水と冷媒との間の熱伝達率が低下しやすく、伝熱性能が低下しやすくなる。なお、突起部7は、管軸方向において、内管3と嵌合していない外管内面には形成しなくてもよい。
突起部7は、外管2Aと内管3との間に、水または冷媒の漏洩路として機能する漏洩路4が形成できれば、図8(a)、(b)に示すV字状に限定されず、図9に示すU字状の突起部7aでもよい。なお、突起部の形状は、突起部形成の容易性、すなわち、外管2Aの生産性が向上することから、V字状またはU字状が好ましい。また、複数の突起部7を有する場合、それらの形状は、V字状のみ、U字状のみ、および、V字状とU字状の組み合わせのいずれでもよい。
突起部7、7aは、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満の高さD2を有することが好ましい。突起部7、7aの高さD2が0.01mm未満の場合、漏洩路4が狭すぎて、熱媒体(水または冷媒)の漏洩検知能力が不十分になりやすい。好ましくは0.03mm以上がよい。また、高さD2が0.2mm以上の場合、外管2Aと内管3との間に大きな空気層が生じ、接触面積が小さくなり、熱媒体間の熱伝達率が低下し、伝熱性能が低下しやすい。好ましくは0.1mm未満がよい。
図10に示すように、突起部7は管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる。その際、突起部7のらせん角βは45°以下が好ましい。なお、らせん角βが0°とは管軸方向に平行に伸びることを意味し、0°であってもよい。らせん角βが45°を超えると、突起部7の形成が難しくなりやすい。また、らせん状の突起部7のピッチP2は10〜1000mmが好ましい。ピッチP2が10mm未満では突起部7の形成が難しくなりやすく、1000mmを超えると、伝熱性能の向上が見られず、平行な場合(らせん角β=0°)と同等となる。
(内管)
内管3は、内管外面に凹部5aを有していないこと以外は、前記第1の実施形態の漏洩検知管1に使用されている内管3A(図1参照)と同様であるので、管寸法、管材質等の説明は省略する。
内管3は、内管外面に凹部5aを有していないこと以外は、前記第1の実施形態の漏洩検知管1に使用されている内管3A(図1参照)と同様であるので、管寸法、管材質等の説明は省略する。
漏洩検知管1Aは、図示しないが、内管3が、その内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角θをなして形成された溝を備えることが好ましい。そして、溝形状は、前記内管3B(図4(a)〜(c)参照)と同様である。また、内管3が、その両端の少なくとも一方の管端部において、外管2Aの管端部よりも突出していることが好ましい。
漏洩検知管1Aは、図示しないが、その少なくとも一方の管端部において、外管2Aの管端面と内管3の管端面とが同一平面上にあり、かつ、外管2Aを貫通して外管外面および外管内面に開口する漏洩検知部9を、外管2Aの少なくとも一方の管端近傍に備えることが好ましい。また、漏洩検知管1Aは、両端の少なくとも一方、すなわち、外管2Aの管端部よりも突出した内管3の管端部、または、同一平面上の管端面を有する外管2Aおよび内管3の管端部が拡管されていることが好ましく、その拡管された管端部(内管3)の内側に接合された連結管10を備えることがさらに好ましい(図7(a)、(b)参照)。
[第3の実施形態]
本発明に係る漏洩検知管の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図11(a)〜(c)は漏洩検知管の他の実施形態の構成を示す管軸直交断面図である。
漏洩検知管1Bは、内管3Aおよび内管3Aの外部に嵌合する外管2Aを有し、内管3Aの内側または外管2Aの外側を流通する水または冷媒の漏洩を、内管3Aおよび外管2Aの間に形成される漏洩路4を介して検知する。そして、漏洩路4が、少なくとも外管2Aと嵌合している内管外面に伸びる少なくとも1個の凹部5a、および、少なくとも内管3Aと嵌合している外管内面に伸びる少なくとも1個の突起部7により構成されている。
本発明に係る漏洩検知管の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図11(a)〜(c)は漏洩検知管の他の実施形態の構成を示す管軸直交断面図である。
漏洩検知管1Bは、内管3Aおよび内管3Aの外部に嵌合する外管2Aを有し、内管3Aの内側または外管2Aの外側を流通する水または冷媒の漏洩を、内管3Aおよび外管2Aの間に形成される漏洩路4を介して検知する。そして、漏洩路4が、少なくとも外管2Aと嵌合している内管外面に伸びる少なくとも1個の凹部5a、および、少なくとも内管3Aと嵌合している外管内面に伸びる少なくとも1個の突起部7により構成されている。
(外管、内管)
外管2Aおよび内管3Aは、前記した漏洩検知管1、1Aと同様であるので、管寸法、管材質等の説明を省略する。なお、凹部5aと突起部7の配置は、図11(a)では凹部5aと突起部7とを180°対向するように配置した例、図11(b)では凹部5aと突起部7とを同一位置に配置した例、図11(c)では図11(a)、図11(b)を組み合わせた例を記載したが、これらの配置に限定されず、水または冷媒の漏洩を検知でき、外管2Aと内管3Aとの接触面積が十分確保できる配置を適宜選択する。凹部5aおよび突起部7の形状は、図11(a)〜(c)ではV字状のみの場合を記載したが、U字状(図2、図9参照)のみ、または、U字状とV字状の組み合わせでもよい。また、凹部5aおよび突起部7は管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角α、βをなして伸びたものである。
外管2Aおよび内管3Aは、前記した漏洩検知管1、1Aと同様であるので、管寸法、管材質等の説明を省略する。なお、凹部5aと突起部7の配置は、図11(a)では凹部5aと突起部7とを180°対向するように配置した例、図11(b)では凹部5aと突起部7とを同一位置に配置した例、図11(c)では図11(a)、図11(b)を組み合わせた例を記載したが、これらの配置に限定されず、水または冷媒の漏洩を検知でき、外管2Aと内管3Aとの接触面積が十分確保できる配置を適宜選択する。凹部5aおよび突起部7の形状は、図11(a)〜(c)ではV字状のみの場合を記載したが、U字状(図2、図9参照)のみ、または、U字状とV字状の組み合わせでもよい。また、凹部5aおよび突起部7は管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角α、βをなして伸びたものである。
漏洩検知管1Bは、図示しないが、内管3Aが、その内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角θをなして形成された溝を備えることが好ましい。そして、溝形状は、前記内管3B(図4(a)〜(c)参照)と同様である。また、内管3Aが、その両端の少なくとも一方の管端部において、外管2Aの管端部よりも突出していることが好ましい。
漏洩検知管1Bは、図示しないが、その少なくとも一方の管端部において、外管2Aの管端面と内管3Aの管端面とが同一平面上にあり、かつ、外管2Aを貫通して外管外面および外管内面に開口する漏洩検知部9を、外管2Aの少なくとも一方の管端近傍に備えることが好ましい。また、漏洩検知管1Bは、両端の少なくとも一方、すなわち、外管2Aの管端部よりも突出した内管3Aの管端部、または、同一平面上の管端面を有する外管2Aおよび内管3Aの管端部が拡管されていることが好ましく、その拡管された管端部(内管3A)の内側に接合された連結管10を備えることがさらに好ましい(図7(a)、(b)参照)。
[漏洩検知管の製造方法]
漏洩検知管の製造方法について説明する。図1(a)に示す漏洩検知管1は、以下の手順で製造される。
(1)溶解・鋳造により作製された、例えば、銅及び銅合金のインゴットを所定長さに切断し、ビレットとする。
(2)このビレットを熱間押出により管状とし、冷間圧延の後、ダイスとプラグを用いた抽伸加工を所定寸法になるまで繰り返し、外管用素管および内管用素管とする。
(3)内管用素管を焼鈍して軟質化した後、内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びた凹部5aを形成して内管3Aとする。
(4)外管用素管を外管2として使用し、外管2の内部に凹部5aが形成された内管3Aを挿入し、ロール嵌合、抽伸嵌合等で嵌合して、漏洩検知管1とする。ここで、外管2と内管3Aとの間に漏洩路4が形成される。
漏洩検知管の製造方法について説明する。図1(a)に示す漏洩検知管1は、以下の手順で製造される。
(1)溶解・鋳造により作製された、例えば、銅及び銅合金のインゴットを所定長さに切断し、ビレットとする。
(2)このビレットを熱間押出により管状とし、冷間圧延の後、ダイスとプラグを用いた抽伸加工を所定寸法になるまで繰り返し、外管用素管および内管用素管とする。
(3)内管用素管を焼鈍して軟質化した後、内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びた凹部5aを形成して内管3Aとする。
(4)外管用素管を外管2として使用し、外管2の内部に凹部5aが形成された内管3Aを挿入し、ロール嵌合、抽伸嵌合等で嵌合して、漏洩検知管1とする。ここで、外管2と内管3Aとの間に漏洩路4が形成される。
凹部5aの形成方法は、例えば、以下の(a)〜(d)のいずれかの方法を使用する。
(a)所望の形状(凹部5aに対応した形状、例えば、U字状)の突起を有するダイスを使用し、軟質化された内管用素管を縮径加工しながら、内管外面に凹部5aを形成する。
(b)所望の形状の突起を有するロールを使用し、軟質化された内管用素管を縮径加工しながら、内管外面に凹部5aを形成する。
(c)ピンを使用し、軟質化された内管用素管の外側からピンを押し当て、内管外面に凹部5aを形成する。
(d)切削刃を使用し、軟質化された内管用素管の内管外面を切削することにより凹部5aを形成する。
(a)所望の形状(凹部5aに対応した形状、例えば、U字状)の突起を有するダイスを使用し、軟質化された内管用素管を縮径加工しながら、内管外面に凹部5aを形成する。
(b)所望の形状の突起を有するロールを使用し、軟質化された内管用素管を縮径加工しながら、内管外面に凹部5aを形成する。
(c)ピンを使用し、軟質化された内管用素管の外側からピンを押し当て、内管外面に凹部5aを形成する。
(d)切削刃を使用し、軟質化された内管用素管の内管外面を切削することにより凹部5aを形成する。
また、図3に示すように、凹部5aを管軸方向と所定のらせん角αをなして形成する場合には、前記(a)〜(d)において、素管自体を回転させながら凹部5aを形成する。または、ダイス、ロール、ピン、切削刃を素管周方向に回転させながら凹部5aを形成する。
また、図4(a)に示すように、内管3A(平滑管)の代わりに内管3B(内面溝付管)を使用する場合には、内管用素管(平滑管)の内部に、形成される溝形状に対応した溝付プラグを挿入し、管外周に回転する転造体(転造ボール、圧延ロール)を押し当て、溝を転造する。または、条材の表面に溝を圧延し、条の端部同士を溶接することによって、管内面に溝が形成された内面溝付管を製造する。
図16(a)、(b)に示される外管2および内管3Aの両管に凹凸部2B、3Cを備える漏洩検知管1の場合には、前記(4)のロール嵌合、抽伸嵌合等を行って、漏洩検知管1を製造した後、この漏洩検知管1にコルゲート加工を施す。漏洩検知管1のコルゲート加工は、コルゲート加工用の加工冶具を、漏洩検知管1(外管2)の外表面側から所定圧で押し当てながら、漏洩検知管1の管外周を移動させ、それと同時に、漏洩検知管1を所定速度で管軸方向に移動する。これにより、漏洩検知管の外管2にらせん状の凹凸部2B、内管3Aにらせん状の凹凸部3Cが形成される。ここで、両凹凸部2B、3Cの凹部深さ、ねじれ角は、ほぼ同一(HC1=HC2、γ1=γ2)となる。なお、漏洩路4は、ロール嵌合または抽伸嵌合の際に形成され、コルゲート加工を施しても、外管2と内管3Aとの間の漏洩路4は維持される。
また、図5に示す外管2(管端部)からの内管3A(管端部)の突出は、前記(4)のロール嵌合、抽伸嵌合等で行う。なお、抽伸嵌合では、抽伸の開始部(口付け部)を切断して外管2の皮むきをする必要がある。また、外管2からの内管3Aの突出は、前記(4)において、内管3Aの管端面と外管2の管端面とが同一平面上になるように切断した後、外管2の皮むき、内管3Aの端部の切断を行うことでも可能である。また、図6(a)、(b)に示すように、外管2の管端近傍に漏洩検知部9を備える場合には、ドリルまたは鋸等を用いて行う。さらに、図7に示すように、漏洩検知管1の端部を拡管させる場合には、フレアポンチ等のフレアツールを用いて行う。
図8(a)に示す漏洩検知管1Aは、前記(1)〜(4)と同様な手順で製造する。ただし、前記(3)では、外管用素管を焼鈍して軟質化した後、外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びた突起部7を形成して外管2Aとする。そして、前記(4)では、内管用素管を内管3として使用し、突起部7が形成された外管2Aの内部に内管3を挿入し、ロール嵌合、抽伸嵌合等で嵌合して、漏洩検知管1Aとする。
突起部7の形成方法は、例えば、以下の(e)〜(g)のいずれかの方法を使用する。
(e)所望の形状(突起部7に対応した形状、例えば、U字状)の突起を有するダイスを使用し、軟質化された外管用素管を縮径しながら、外管内面に突起部7を形成する。
(f)所望の形状の突起を有するロールを使用し、軟質化された外管用素管を縮径しながら、外管内面に突起部7を形成する。
(g)ピンを使用し、軟質化された外管用素管の外側からピンを押し当て、外管内面に突起部7を形成する。
(e)所望の形状(突起部7に対応した形状、例えば、U字状)の突起を有するダイスを使用し、軟質化された外管用素管を縮径しながら、外管内面に突起部7を形成する。
(f)所望の形状の突起を有するロールを使用し、軟質化された外管用素管を縮径しながら、外管内面に突起部7を形成する。
(g)ピンを使用し、軟質化された外管用素管の外側からピンを押し当て、外管内面に突起部7を形成する。
また、図10に示すように、突起部7を管軸方向と所定のらせん角βをなして形成する場合には、前記(e)〜(g)において、素管自体を回転させながら突起部7を形成する。または、ダイス、ロール、ピンを素管周方向に回転させながら突起部7を形成する。
図11(a)〜(c)に示す漏洩検知管1Bは、前記(1)〜(4)と同様な手順で製造する。ただし、前記(3)では、軟質化された外管用素管に突起部7を形成して外管2Aとし、軟質化された内管用素管に凹部5aを形成して内管3Aとする。そして、前記(4)では、外管2A、内管3Aを嵌合して漏洩検知管1Bとする。凹部5aおよび突起部7の形成方法は前記と同様である。また、図11(b)に示すように、凹部5aと突起部7が同一位置に配置された漏洩検知管1Bでは、外管用素管の内部に内管用素管を挿入し、突起部7の形成と同時に、凹部5aの形成および両管の嵌合を行ってもよい。
<熱交換器>
次に、本発明に係る熱交換器について、図面を参照して説明する。図12は熱交換器の構成を示す管軸直交断面図、図13(a)、(b)はらせん状の巻回部が形成された熱交換器の斜視図、図14(a)、(b)は渦巻状の巻回部が形成された熱交換器の斜視図である。
次に、本発明に係る熱交換器について、図面を参照して説明する。図12は熱交換器の構成を示す管軸直交断面図、図13(a)、(b)はらせん状の巻回部が形成された熱交換器の斜視図、図14(a)、(b)は渦巻状の巻回部が形成された熱交換器の斜視図である。
図12に示すように、熱交換器20は、水または冷媒を熱媒体として使用し、熱媒体間で熱交換を行うものであって、漏洩検知管1と、漏洩検知管1の外径より大きい内径を有する大径管11とを備え、大径管内に、少なくとも1本の漏洩検知管1を配置し、大径管内(流路13)には水または冷媒の一方を流通させ、漏洩検知管内(流路6)には水または冷媒の他方を流通させることを特徴とする。なお、熱交換器20は、流路13を流通する熱媒体と、流路6を流通する熱媒体とが同一である形態であってもよい。
熱媒体として冷媒は、フロンまたは代替フロン等の冷媒、二酸化炭素等の自然冷媒等が使用され、特に、給湯器用の熱交換器20には、環境面から二酸化炭素を使用することが好ましく、熱効率が優れる点で、二酸化炭素を超臨界状態で使用することがより好ましい。超臨界状態とは気相と液相の境界がなくなった状態であり、密度及び粘度が気相状態に近似した低い状態であるにもかかわらず、熱伝達率が気相状態の2倍以上の高い値を示す状態を言う。また、熱媒体として二酸化炭素を用いる場合、二酸化炭素そのものは潤滑作用を持たないため、熱交換システムのコンプレッサーを磨耗させてしまうことがある。このため、二酸化炭素に0.1〜6.0mass%の冷凍機油を含有させることが好ましい。冷凍機油には、通常ポリアルキレングリコール(PAG)等が用いられる。その含有量が、0.1mass%未満であると、潤滑効果が低く、熱交換システムのコンプレッサーを磨耗させやすい。また、その含有量が6.0mass%を超えると、二酸化炭素の伝熱性能が低下しやすい。
また、熱媒体としての代替フロンは、熱交換器20の成績効率(COP)を考慮すると、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒が好ましい。代表的なHFC系冷媒としては、R32とR125を混合した非共沸混合冷媒であるR410Aがある。さらに、HFC系冷媒もほぼ臨界状態で使用することがより好ましい。
(漏洩検知管)
漏洩検知管1については、前記に記載したため、説明を省略する。なお、漏洩検知管1A(図8参照)、1B(図11参照)を使用してもよい。
漏洩検知管1については、前記に記載したため、説明を省略する。なお、漏洩検知管1A(図8参照)、1B(図11参照)を使用してもよい。
(大径管)
大径管11は、漏洩検知管1との間に熱媒体(水または冷媒)の流路13を形成するものである。また、大径管11の内径は、漏洩検知管1の外径より大きく、且つ、流路13に熱媒体を流すのに十分な内径、及び耐圧強度を持てばよく、一例として、内径は8〜30mm、肉厚は0.2〜2.5mm、長さは1〜30mが好ましい。また、大径管11の寸法は、前記した漏洩検知管1の寸法との関係、熱交換器20が組み込まれる給湯器等の寸法、熱容量、加工性を考慮して決められ、熱交換器20の伝熱性能、圧力損失の点から、管軸直交断面における1本の漏洩検知管1の流路断面積と、大径管11と漏洩検知管1との間の流路13の断面積との比(外側流路/漏洩検知管)が10〜50の範囲内を満足するように設定することがより好ましい。
大径管11は、漏洩検知管1との間に熱媒体(水または冷媒)の流路13を形成するものである。また、大径管11の内径は、漏洩検知管1の外径より大きく、且つ、流路13に熱媒体を流すのに十分な内径、及び耐圧強度を持てばよく、一例として、内径は8〜30mm、肉厚は0.2〜2.5mm、長さは1〜30mが好ましい。また、大径管11の寸法は、前記した漏洩検知管1の寸法との関係、熱交換器20が組み込まれる給湯器等の寸法、熱容量、加工性を考慮して決められ、熱交換器20の伝熱性能、圧力損失の点から、管軸直交断面における1本の漏洩検知管1の流路断面積と、大径管11と漏洩検知管1との間の流路13の断面積との比(外側流路/漏洩検知管)が10〜50の範囲内を満足するように設定することがより好ましい。
また、熱交換器20の伝熱性能の向上を目的として、大径管11の内部を流れる熱媒体に撹拌または旋回流を与えて乱流を発生させたい(熱媒体の温度を均一化させたい)場合、あるいは管内の伝熱面積を増やしたい(熱媒体の流路長を増やしたい)場合等には、大径管11は、その全長の少なくとも一部の領域に管軸方向に沿って凹凸部を形成した形状としてもよい。凹凸部は、例えば、大径管11をコルゲート状に加工したものである。また、凹凸部は、熱交換器20の実際の運転において、熱媒体として二酸化炭素を使用する場合には、二酸化炭素の局所熱伝達率が極大となる許容温度範囲(20〜80℃)を満足する領域に形成することが好ましい。そして、凹凸部の形態は、流路13内の熱媒体に乱流が発生すると共に、圧力損失が大きくならなければ、前記コルゲート状に限定されず、例えば、大径管11の内表面の少なくとも一部に管軸方向に平行な溝およびフィン、または、らせん状の溝およびフィンを形成してもよい(大径管11として内面溝付管を使用する)。
大径管11の材質としては、特に限定されず、熱交換器20に必要な強度、耐食性、ろう付け性、曲げ加工性を有するものを使用し、例えば、前記した漏洩検知管1(外管2および内管3A)に使用されるものとして記載した材質から適宜選択する。なお、熱交換器20としては、JISH3300に規定する合金番号C1101の無酸素銅、合金番号C1201及びC1220のりん脱酸銅が広く用いられている。
大径管11を構成する管は、押出し素管を圧延、抽伸して製作される継目無し管、あるいは所定幅の板条の幅方向の端面を溶接して製作される溶接管を用いてもよい。通常、大径管11としては管内面が平滑である平滑管が用いられることが多いが、大径管11として内面溝付管を使用してもよい。
図13(a)、(b)に示すように、熱交換器20A、20Bの大径管11が、その全長の少なくとも一部がらせん状の巻回部14、15に形成されたことが好ましい。また、巻回部14、15の巻回軸Yに対して直交する断面形状が、円形状または小判形状が好ましい。ここで、小判形状とは、図13(b)に示すように、所定長の直線路15aと、この直線路15aの両側に形成した円形状の巻回部14を半分に割った湾曲路とからなる形状を言う。
巻回部14、15の巻きの最小内径IDは、大径管11および漏洩検知管1の管外径、肉厚、結晶粒径、機械的性質(引張り強さ、耐力、伸び、ばね限界値など)等に依存するが、例えば大径管11の管外径を定数「a」としたとき、巻回部14、15の最小内径IDはaの6倍程度まで小さくすることが可能である。また、巻回部14、15の高さHを小さくするために、所定本数の漏洩検知管1を大径管11の内部に設けた後、更に焼鈍を行ってもよい。
巻回部14、15の大径管11、11同士は、接触した状態としてもよいし、あるいは隙間を設けて接触しない状態としてもよい。巻回部14、15のコンパクト化のためには、大径管11、11同士を接触させるとよく、熱交換器20A、20Bの小型化に有効である。また、大径管11の管軸直交断面における外形形状を楕円あるいは扁平円形状(図示せず)とすると(左右径>上下径)、巻回部14、15の高さHを更に低減することが可能である。図13(a)、(b)においては、らせん状の巻回部14、15を一重巻きした例を示したが、巻回部14、15の熱交換容量を更に向上させるには、二重巻きあるいはそれ以上の巻数とした構成でもよい。
図14(a)、(b)に示すように、熱交換器20C、20Dの大径管11が、その全長の少なくとも一部が渦巻状の巻回部16、17に形成されたことが好ましい。また、巻回部16、17の巻回軸Yに対して直交する断面形状が、円形状または小判形状が好ましい。ここで、小判形状とは、図14(b)に示すように、所定長の直線路17aと、この直線路17aの両側に形成した円形状の巻回部16を半分に割った湾曲路とからなる形状を言う。
巻回部16、17の巻きの最大外径OD、最小内径IDは、大径管11および漏洩検知管1の管外径、肉厚、結晶粒径、機械的性質(引張り強さ、耐力、伸び、ばね限界値など)等に依存するが、例えば大径管11の管外径を定数「a」としたとき、巻回部16、17の最大外径ODはaの40倍程度まで大きくすることが可能であり、さらに、最小内径IDはaの6倍程度まで小さくすることが可能である。また、巻回部16、17の高さHを小さくするために、所定本数の漏洩検知管1を大径管11に設けた後、更に焼鈍を行ってもよい。
巻回部16、17の大径管11、11同士は、接触した状態としてもよいし、あるいは隙間を設けて接触しない状態としてもよい。巻回部16、17のコンパクト化のためには、大径管11、11同士を接触させるとよく、熱交換器20C、20Dの小型化に有効である。また、大径管11の管軸直交断面における外形形状を楕円あるいは扁平円形状(図示せず)とすると(左右径<上下径)、巻回部16、17の最大外径ODを更に低減することが可能である。
図14(a)、(b)においては、渦巻状の巻回部16、17を二つ形成し、二層に積層した例を示したが、巻回部16、17は一層(図示せず)でもよいし、巻回部16、17の熱交換容量を更に向上させるために三層以上(図示せず)で構成してもよい。また、二層以上の場合、各巻回部16、17に移行部16i、17iを設け、次の巻回部16、17を垂直方向に重ねるように連続して巻回される状態としてもよいし、図示しないが各巻回部16、17の端部を直接(ロウ付け等)または接続管等を用いて接合して、次の巻回部を同一平面状(垂直方向に積層)となるようにしてもよい。
[熱交換器の製造方法]
前記漏洩検知管の外径より大きい内径を有する大径管の内部に、所定本数の漏洩検知管を挿入、配置して熱交換器とする。また、漏洩検知管を挿入、配置した大径管に張力を負荷しながら、円筒型ドラムに巻き付け、その後、巻き付けられた大径管をドラムから抜き取ることによって、大径管の一部がらせん状の巻回部に形成される。また、円錐型ドラムに巻き付けることによって、大径管の一部が渦巻状の巻回部に形成される。さらに、円錐型ドラムを使用した場合には、巻き付けられた大径管をドラムから抜き取った後に、焼鈍を施すことによって、平面状の熱交換器が得られる。また、焼鈍の代わりに、簡易的にボルト等で固定してもよい。そして、円筒型ドラムまたは円錐型ドラムのドラム径を調整することによって、巻回部14〜17の最小内径ID、最大外径OD(図13、14参照)を決定する。なお、ヘッダー等の他の部品との接続のために、大径管から所定長さに突出して配置した漏洩検知管(図5、図6、図13、図14参照)の管端部を、フレアツールを用いて、拡管してもよい。
前記漏洩検知管の外径より大きい内径を有する大径管の内部に、所定本数の漏洩検知管を挿入、配置して熱交換器とする。また、漏洩検知管を挿入、配置した大径管に張力を負荷しながら、円筒型ドラムに巻き付け、その後、巻き付けられた大径管をドラムから抜き取ることによって、大径管の一部がらせん状の巻回部に形成される。また、円錐型ドラムに巻き付けることによって、大径管の一部が渦巻状の巻回部に形成される。さらに、円錐型ドラムを使用した場合には、巻き付けられた大径管をドラムから抜き取った後に、焼鈍を施すことによって、平面状の熱交換器が得られる。また、焼鈍の代わりに、簡易的にボルト等で固定してもよい。そして、円筒型ドラムまたは円錐型ドラムのドラム径を調整することによって、巻回部14〜17の最小内径ID、最大外径OD(図13、14参照)を決定する。なお、ヘッダー等の他の部品との接続のために、大径管から所定長さに突出して配置した漏洩検知管(図5、図6、図13、図14参照)の管端部を、フレアツールを用いて、拡管してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
外径5.3mm、内径4.3mmの外管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる平滑管)の内部に、管外面に管軸方向に平行に伸びた深さ0.05mmの凹部を一箇所有する外径4mm、内径3mmの内管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる平滑銅管)を挿入し、ロールを用いて嵌合し、外径5mmの漏洩検知管を作製した。
凹部は外径4mmの管を整直・切断する際に、一部に所望のU字型の突起形状を有するダイスを用いて抽伸することにより形成した。そして、漏洩検知管において、外管と内管との嵌合部の長さは5mとし、両管端はそれぞれ内管が外管から25mm突出すようにした。
次に、2本の漏洩検知管を、外径15.88mm、内径14.28mmの大径管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる銅管)に挿入し、2重管式熱交換器を作製した。
(実施例1)
外径5.3mm、内径4.3mmの外管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる平滑管)の内部に、管外面に管軸方向に平行に伸びた深さ0.05mmの凹部を一箇所有する外径4mm、内径3mmの内管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる平滑銅管)を挿入し、ロールを用いて嵌合し、外径5mmの漏洩検知管を作製した。
凹部は外径4mmの管を整直・切断する際に、一部に所望のU字型の突起形状を有するダイスを用いて抽伸することにより形成した。そして、漏洩検知管において、外管と内管との嵌合部の長さは5mとし、両管端はそれぞれ内管が外管から25mm突出すようにした。
次に、2本の漏洩検知管を、外径15.88mm、内径14.28mmの大径管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる銅管)に挿入し、2重管式熱交換器を作製した。
(実施例2)
実施例1で作製した漏洩検知管に、コルゲート加工を施すことによって、外管と内管との嵌合部に3条の凹凸部を備えた漏洩検知管を作製した。なお、各凹凸部の形状は、いずれも同一とし、外管の凹部深さHC1=0.4mm、外管のねじれ角γ1=65°、内管の凹部深さHC2=0.4mm、内管のねじれ角γ2=65°とした。そして、漏洩検知管の作製の際、3つの加工冶具を用いて、各凹凸部の位相が互いに異なるように、同時にコルゲート加工を施した。
次に、2本の漏洩検知管を、外径15.88mm、内径14.28mmの大径管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる銅管)に挿入し、2重管式熱交換器を作製した。
実施例1で作製した漏洩検知管に、コルゲート加工を施すことによって、外管と内管との嵌合部に3条の凹凸部を備えた漏洩検知管を作製した。なお、各凹凸部の形状は、いずれも同一とし、外管の凹部深さHC1=0.4mm、外管のねじれ角γ1=65°、内管の凹部深さHC2=0.4mm、内管のねじれ角γ2=65°とした。そして、漏洩検知管の作製の際、3つの加工冶具を用いて、各凹凸部の位相が互いに異なるように、同時にコルゲート加工を施した。
次に、2本の漏洩検知管を、外径15.88mm、内径14.28mmの大径管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる銅管)に挿入し、2重管式熱交換器を作製した。
(比較例)
外径5.3mm・最小内径4.3mm(管内面のフィン先端に内接する円の直径)の外管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる内面溝付管)の内部に、外径4mm、内径3mmの内管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる平滑管)を挿入し、ロールを用いて嵌合し、外径5mmの漏洩検知管を作製した。
内面溝付管(外管)は、管内面に所望の溝形状を有した溝付プラグを挿入し、外面から遊星回転をするボールを押し当てることにより、内面に溝付プラグの溝を転写することにより製造した。その溝形状は、溝数40、フィン高さ0.05mm、らせん角(θ)30°、フィンの山頂角20°とした。そして、漏洩検知管において、外管と内管との嵌合部の長さは5mとし、両管端はそれぞれ内管が外管から25mm突出すようにした。
次に、2本の漏洩検知管を、外径15.88mm、内径14.28mmの大径管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる銅管)に挿入し、2重管式熱交換器を作製した。
外径5.3mm・最小内径4.3mm(管内面のフィン先端に内接する円の直径)の外管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる内面溝付管)の内部に、外径4mm、内径3mmの内管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる平滑管)を挿入し、ロールを用いて嵌合し、外径5mmの漏洩検知管を作製した。
内面溝付管(外管)は、管内面に所望の溝形状を有した溝付プラグを挿入し、外面から遊星回転をするボールを押し当てることにより、内面に溝付プラグの溝を転写することにより製造した。その溝形状は、溝数40、フィン高さ0.05mm、らせん角(θ)30°、フィンの山頂角20°とした。そして、漏洩検知管において、外管と内管との嵌合部の長さは5mとし、両管端はそれぞれ内管が外管から25mm突出すようにした。
次に、2本の漏洩検知管を、外径15.88mm、内径14.28mmの大径管(JISH3300規定のC1220のりん脱酸銅からなる銅管)に挿入し、2重管式熱交換器を作製した。
実施例1、2および比較例の漏洩検知管について、その生産性を比較した。生産工程において、実施例1と比較例の違いは、抽伸加工による凹部が形成された管の作製と、転造加工による内面溝付管の作製の点においてのみ異なる。抽伸速度と転造速度の違いを、比較例(転造加工)を100とし、実施例1(抽伸加工)の値を算出した。また、実施例2では、内管への抽伸加工による凹部の作製に加え、外管と内管との嵌合後のコルゲート加工速度が加算される。そして、コルゲート加工速度は、嵌合速度の1/3程度で施されるため、その生産性は実施例1の1/3程度となった。その結果を表1に示す。
実施例1、2および比較例の熱交換器について、図15に示すサイクルを用いて熱交換性能を比較した。前記2重管式熱交換器20を2本直列に並べ、大径管11の内部に20℃に調整した水を1L/min流し、漏洩検知管1の内部に、水と対向になるように、超臨界状態のCO2(圧力9MPa、1kg/min)を流して、水出側(湯)の温度を測定し、熱交換量を算出した。比較例の熱交換量を100とし、実施例1、2の値を算出した。その結果を表1に示す。
図15に示すサイクル24では、CO2は、蒸発器21において大気熱を吸収した後、圧縮機22により圧縮され、高温高圧の流体として漏洩検知管1(熱交換器20)に送られる。そして、CO2は、大径管11(熱交換器20)の水と熱交換して、低温の流体となり、膨張弁23に送られる。送られたCO2は、膨張弁23で膨張し、蒸発器21で再度吸熱する。また、大径管11の水はCO2との熱交換によって湯となる。
表1の結果から、本発明の特許請求の範囲を満足する実施例1、2の漏洩検知管は、特許請求の範囲を満足しない比較例と比べ、生産性において優れることが確認された。しかも、その漏洩検知管を使用した熱交換器の熱交換性能は、比較例の熱交換器と同等以上で、性能低下は確認されなかった。
1、1A、1B 漏洩検知管
2、2A 外管
3、3A、3B 内管
4 漏洩路
5a、5b 凹部
7、7a 突起部
8a 溝
9 漏洩検知部
10 連結管
11 大径管
20、20A、20B、20C、20D 熱交換器
α、β、θ らせん角
2、2A 外管
3、3A、3B 内管
4 漏洩路
5a、5b 凹部
7、7a 突起部
8a 溝
9 漏洩検知部
10 連結管
11 大径管
20、20A、20B、20C、20D 熱交換器
α、β、θ らせん角
Claims (21)
- 内管および内管の外部に嵌合する外管を有し、前記内管の内側または前記外管の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、前記内管および前記外管の間に形成される漏洩路を介して検知する漏洩検知管であって、
前記漏洩路が、少なくとも前記外管と嵌合している前記内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる少なくとも1個の凹部により構成されていることを特徴とする漏洩検知管。 - 前記凹部が、管軸直交断面においてU字状またはV字状の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知管。
- 前記凹部が、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満の深さを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の漏洩検知管。
- 前記外管および前記内管の両管が、その全長の少なくとも一部の領域に管軸方向に沿って凹凸部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の漏洩検知管。
- 前記凹凸部は、管軸方向に沿って、らせん状に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の漏洩検知管。
- 内管および内管の外部に嵌合する外管を有し、前記内管の内側または前記外管の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、前記内管および前記外管の間に形成される漏洩路を介して検知する漏洩検知管であって、
前記漏洩路が、少なくとも前記内管と嵌合している前記外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる少なくとも1個の突起部により構成されていることを特徴とする漏洩検知管。 - 前記突起部が、管軸直交断面においてU字状またはV字状の形状を有することを特徴とする請求項6に記載の漏洩検知管。
- 前記突起部が、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満の高さを有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の漏洩検知管。
- 内管および内管の外部に嵌合する外管を有し、前記内管の内側または前記外管の外側を流通する水または冷媒の漏洩を、前記内管および前記外管の間に形成される漏洩路を介して検知する漏洩検知管であって、
前記漏洩路が、少なくとも前記外管と嵌合している前記内管外面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角αをなして伸びる少なくとも1個の凹部、および、少なくとも前記内管と嵌合している前記外管内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角βをなして伸びる少なくとも1個の突起部により構成されていることを特徴とする漏洩検知管。 - 前記凹部および前記突起部の少なくとも一方が、管軸直交断面においてU字状またはV字状の形状を有することを特徴とする請求項9に記載の漏洩検知管。
- 前記凹部の深さ、および、前記突起部の高さの少なくとも一方が、管軸直交断面において0.01mm以上0.2mm未満であることを特徴とする請求項9に記載の漏洩検知管。
- 前記内管は、その内面に管軸方向に平行、または管軸方向と所定のらせん角θをなして形成された溝を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の漏洩検知管。
- 前記内管が、その両端の少なくとも一方の管端部において、前記外管の管端部よりも突出していることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の漏洩検知管。
- 前記漏洩検知管の少なくとも一方の管端部において、前記外管の管端面と前記内管の管端面とが同一平面上にあり、かつ、前記外管を貫通して外管外面および外管内面に開口する漏洩検知部を、前記外管の少なくとも一方の管端近傍に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の漏洩検知管。
- 前記漏洩検知管における両端の少なくとも一方が拡管されていることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の漏洩検知管。
- 前記内管における両端の少なくとも一方の管端部の内側に接合された連結管を備えることを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載の漏洩検知管。
- 水または冷媒を熱媒体として使用し、前記熱媒体間で熱交換を行う熱交換器であって、
請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の漏洩検知管と、
前記漏洩検知管の外径より大きい内径を有する大径管とを備え、
前記大径管内に、少なくとも1本の前記漏洩検知管を配置し、前記大径管内には前記水または前記冷媒の一方を流通させ、前記漏洩検知管内には前記水または前記冷媒の他方を流通させることを特徴とする熱交換器。 - 前記大径管が、その全長の少なくとも一部がらせん状の巻回部に形成されたことを特徴とする請求項17に記載の熱交換器。
- 前記大径管が、その全長の少なくとも一部が渦巻状の巻回部に形成されたことを特徴とする請求項17に記載の熱交換器。
- 前記巻回部が、その巻回軸に対して直交する断面形状が円形状であることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の熱交換器。
- 前記巻回部は、その巻回軸に対して直交する断面形状が直線路の両側に湾曲路を有する小判形状であることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の熱交換器。
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JP2008066613A JP2008267791A (ja) | 2007-03-27 | 2008-03-14 | 漏洩検知管およびそれを用いた熱交換器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102010010625A1 (de) * | 2010-03-09 | 2011-09-15 | GM Global Technology Operations LLC , (n. d. Ges. d. Staates Delaware) | Rohrförmiger Wärmetauscher für Kraftfahrzeug-Klimaanlagen |
JP2011191049A (ja) * | 2010-02-19 | 2011-09-29 | Tanico Corp | 熱交換器及び熱交換器を用いた加熱装置 |
JP2012007767A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱交換器用二重管 |
JP2012007770A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | Panasonic Corp | 熱交換器 |
JP2012026699A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-09 | Watanabe Seisakusho:Kk | 二重管 |
JP2012052784A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-03-15 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱交換器用二重管 |
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- 2008-03-14 JP JP2008066613A patent/JP2008267791A/ja active Pending
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