JP2010233853A - 医療用具の液体ポート用栓体およびこれを用いた医療用具 - Google Patents

医療用具の液体ポート用栓体およびこれを用いた医療用具 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、JIS T3250(2005)に規定される医療用具のうち、寸法が規定された部分において、安定したシール性を得ることが可能であって、被冠する際に液体ポート外周部を覆うことができ、打栓及び抜栓が容易で、確実にシールした状態を保つことができる医療用具用栓体を提供しようとするものである。
【解決手段】
医療用具の液体ポート開口部に被冠される、天面部と該天面部に連接する円筒部とからなる円筒状栓体であり、前記円筒状栓体は、前記円筒部内周面には径方向全周に突出するシール部と、前記液体ポートの円筒壁外周面のうちJIS T3250(2005)4.4.4に規定される凹部より開口部側に形成された凹部と嵌合するための3つ以上の隔離した凸部を備え、前記液体ポート開口部被冠時、前記液体ポート開口部におけるJIS T3250(2005)4.4.4に規定される先端小径部の外周面に前記シール部が当接することを特徴とする医療用具の液体ポート用栓体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療用具用液体ポートに用いられる栓体およびこれが用いられる医療用具に関する。
内部に気体や水、水溶液などの流体が充填された医療用具、例えば、人工腎臓、血漿分離器、白血球除去器、血液成分吸着材等は、体液の循環や水、水溶液などの通液のための一個以上の液体ポートを備える。
各液体ポートには、滅菌時や輸送時に、内部液体が漏出するのを防止するなどの目的で栓体が被冠されている。図3はその一例であり、この栓体20は円形の保持部21と装着部22とを有し、装着部22を液体ポート内周面に圧着することにより、不用意に脱栓することを防止できる(特許文献1参照)。しかし、この栓体では、液体ポートをシールできるものの、液体ポートの外周部は外部に露出した状態であり、キャップの着脱時に液体ポートに手や指などが接触することで汚染される恐れがあり、汚染を防止して一層の清浄化が望まれている。
そこで、液体ポートの外周部も覆うことが出来る栓体として、筒状栓体の天面部の裏面に筒状シール体を持つと共に、筒状壁の内周面に凹部を形成しておき、液体ポートの円筒部外周面には凸状を形成し、栓体を液体ポートに被せ、液体ポート開口部の内周面に筒状シール体を挿入した後、回動して凹部に液体ポートの凸状を浸入させて固定するもの(特許文献2)や、液体ポートの開口部内周面に圧着してシールする筒状シール体を栓体の天面裏面に有すると共に、円筒部内周面には、液体ポートの外周に形成された凹部内に嵌合可能な凸部を形成する栓体(特許文献3)が知られている。
しかし特許文献2では、栓体と液体ポートとを固定するためには栓体を回動する必要があることから、生産ラインにおいて大量に打栓を行う場合、打栓装置には栓体を押し込む機構だけでなく回動させる機構も備える必要があり、生産におけるコストアップも課題である。
また、特許文献3では、液体ポートの開口部内周面に、栓体の天面裏面に備える筒状シール体が圧着して内部溶液の漏出を防止する機構であるが、シール部である液体ポート開口部の内径はJIS規格によって規定されていないため、製品毎に多種多様である。また、製造上寸法ばらつきが生じやすい部分でもある。また、筒状シール体の構成材質はプラスチックであるため、シール体の外径は、製品毎に異なる液体ポート開口部内径に合わせて慎重に設計する必要がある。
特開平7−275356号広報 特開2005−319323号広報 実用新案登録第3125030号広報
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、JIS T3250(2005)に規定される医療用具のうち、寸法が規定された部分において、安定したシール性を得ることが可能であって、被冠する際に液体ポート外周部を覆うことができ、打栓及び抜栓が容易で、確実にシールした状態を保つことができる医療用具用栓体を提供しようとするものである。
上記課題を達成するための本発明による栓体は、下記の構成からなる。
医療用具の液体ポート開口部に被冠される、天面部と該天面部に連接する円筒部とからなる円筒状栓体であり、前記円筒状栓体は、前記円筒部内周面には径方向全周に突出するシール部と、前記液体ポートの円筒壁外周面のうちJIS T3250(2005)4.4.4に規定される凹部より開口部側に形成された凹部と嵌合するための3つ以上の隔離した凸部を備え、前記液体ポート開口部被冠時、前記液体ポート開口部におけるJIS T3250(2005)4.4.4に規定される先端小径部の外周面に前記シール部が当接することを特徴とする医療用具の液体ポート用栓体。
本発明によれば、打栓及び抜栓が、栓体を垂直に押し込むこと、引き抜くことのみで可能であるため、容易であると共に、生産ラインにおいて大量に打栓を行う場合も、打栓装置には栓体を垂直に押し込むだけというシンプルな機構でよいため短時間での打栓が可能である。
また、栓体には円筒部を有していることから、被冠時には円筒部が液体ポートの外周面を覆い、打栓時及び抜栓時には円筒部を掴んで操作できるため、手指が液体ポート外周面に直接触れることがない。
また、シール位置としてJIS T3250(2005)に規定され寸法精度が非常に高い液体ポート開口部先端の小径部外周面を採用しているため、寸法規定のない液体ポート開口部内周面をシールする機構を持つ栓体に比べ、JIS T3250(2005)の規定に基づき成形された液体ポートであれば、寸法規定された部分をシール部として採用しているため、安定したシール性を得ることができる。そのため、滅菌時や輸送時などにおいて容器内圧が上昇した際に、内部液体が漏洩することを完全に防止することが可能である。
また、栓体の構成材質が曲げ弾性係数150MPa以上、1600MPa以下の範囲内の比較的硬質な材質で構成可能であるため、ポリオレフィン系の合成樹脂で栓体を構成することが可能であり、安価に成形することが可能な液体ポート用栓体を提供することができる。
JIS T3250(2005)に規定される液体ポート部分図と主要寸法 図1の打栓前(a)および打栓後(b)の状態を側面から見た断面図 従来の液体ポートの栓体の一例を説明する図
上記課題を達成するための本発明における栓体は、天面部と、天面部に連接する円筒部とからなり、円筒部内周面には突出するシール部を有し、栓体を液体ポート開口部に垂直に押し込むことによって、JIS T3250(2005)4.4.4に規定される液体ポート開口部先端の小径部の外周面に、栓体円筒部内周面に突出するシール部が圧着して、両者間の封止状態が形成され、封止後に内圧の変動等があってもシール状態はそのまま維持されることを特徴とする。
本発明における栓体を被冠する液体ポートは、JIS T3250(2005)の規定に沿った寸法形状とされ、図1に示すように、円筒状に形成されている。液体ポートの材質は特に規定されていないが、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂などのプラスチック素材が好適に用いられる。液体ポート1には円筒壁2を備え、その先端に小径部4を有し、小径部4は開口部3からストレート状に3mmの軸線距離を確保するように形成されている。透析時には、円筒壁2と小径部4との間の肩部5に、液体ポートに接続されるワンタッチカプラーのOリングが接して封止するものであるため、小径部4の寸法精度は前述の通り非常に高い。一方、開口部3の内径についてはJIS規格で寸法規定されておらず、また、成形時にヒケなどが生じやすい部分であるため、安定した寸法精度を維持するためには注意が必要である。
また、液体ポートの外周部についての規格では、開口部3から13.1mm〜17.8mmの位置に環状の凹部6が形成され、液体ポートの直径である円筒壁2の直径が14.9mm、液体ポートの長さである開口部3から凹部6と円筒壁7との間の肩部8までの長さが17.8mm確保するように規定されている。
この被冠した際に嵌合するための液体ポート円筒部外周面に形成される凹部は、凹部6ではなく、液体ポートの円筒壁2部分に設けるものである。円筒壁2は、直径と軸線方向の長さのみが規定されているため、凹部を円筒壁2に設ける場合には、凹部の形状を自由に設計することができる。円筒壁2に設ける場合の凹部の形状としては、不用意な脱栓を防止するため、円筒壁2の径方向に環状に設けることが挙げられる。環状凹部のより具体的な形状としては、図2aの凹部9に示すように、円筒壁2の径方向に切削し、その切削の先端から液体ポートの基端部側へ45°方向に切削した直角三角形状が挙げられる。一方、栓体に形成する凸部の形状は、上記の如き液体ポート外周部の凹部と嵌合することのできる形状にする必要があるため、液体ポートの円筒壁2に形成された凹部と嵌合するための凸部の形状には、栓体円筒部の径方向に突出した形状であることが好ましい。そのより具体的な形状としては、上記した切削の先端から液体ポートの基端部側へ45°方向に切削した直角三角形状に嵌合できるように、図2aの凸部16a、16bに示すような、栓体円筒部の径方向に突出し、突出した先端から先端開口部側へ45°方向に斜面が形成される形状が挙げられる。
また、液体ポート円筒壁2部分に凹部9を設けることによって、栓体円筒部内周面の凸部を形成する位置を栓体円筒部のうち天面部に近い方向にすることができる。つまり、ノズルの汚染防止に影響ない範囲で栓体円筒部の軸線方向の長さを短くすることができるため、栓体成形に要する樹脂量を削減でき、コストダウンすることができるため好ましい。
本発明における栓体の天面部の構造は、外径の大きさが液体ポートの外形より大きくなることを条件に任意であるが、操作する際に手指が液体ポートに触れることなく、栓体円筒部を持ち円筒部の軸線方向に引き抜く際に天面部が引っ掛かりとなり、良い操作性を得るためには、栓体天面部の外径が液体ポートの外径より5mm以上大きくなることがより好ましい。
栓体円筒部の構造は、内周面に突出するシール部と、被冠した際に液体ポート外周面に形成される凹部と嵌合するための凸部を有し、凸部が円筒部内周面のうち、シール部よりも開口部側に有することを条件に任意であるが、栓体を液体ポートへ被冠する際に円筒部を持つことにより、液体ポートに手指が触れることなく容易に操作できることと、内周面に凸部を形成することができる程度の長さが必要であることから、栓体円筒部の軸線方向の長さが10mm以上であることが好ましい。また、円筒部との接続部分にはシール部を設置するための凹溝を無理抜き形成されていることが好ましい。
円筒部内周面に有する凸部の数は3つ以上であるが、押込み、引き抜きが容易であるため径方向に等間隔、凸部数が3の場合は3等配に形成されることが最も好ましい。ただし、それ以上の数でもよく、これらが等間隔に形成されることがやはり好ましい。また、操作性を損なわなければ、円筒部外周面の高さ方向に小さな段差が幾重にも形成されていたり、シボ加工が施されていても構わない。
栓体を液体ポートへ被冠する際には、栓体円筒部を変形させながら液体ポートに押し込むため、少なくとも栓体の天面部と円筒部の材質には液体ポートの材質よりも曲げ弾性係数が小さいものを用いる必要がある。しかし、栓体材質の曲げ弾性係数が小さすぎると変形させた栓体円筒部に十分な反発力が得られないために、栓体に有する凸部と液体ポートに形成された凹部との嵌合を保持する力が弱くなり、滅菌時の内圧上昇等に耐え切れず内部充填液が漏出する恐れがあるため、曲げ弾性係数は150MPa以上であることが好ましい。一方、栓体材質の曲げ弾性係数が大きすぎると、被冠する際に栓体円筒部が変形しにくく、栓体の破断が生じる恐れがあるため、曲げ弾性係数は1600MPa以下の材質で形成されることが好ましい。なお、本発明においては、曲げ弾性係数はJIS K7171(1994)に記載の引っ張り試験によって測定することができるが、これに限られるものではない。
栓体円筒部内周面に突出するシール部には、ゴム材質やエラストマー材質などの弾性体が好適に用いられ、栓体の無理抜き成形された凹溝に組み付けられていたり、2色成形されていることが好ましい。ここで、シール部は栓体本体とはじめから合体したものでもよく、別個に独立に形成されたものであってもよい。シール部の形状としては、例えばOリング状のものが考えられる。また、シール部の内径は、JIS T3250(2005)4.4.4に規定される液体ポート開口部先端の小径部の外径(φ12.4mm)よりも小さいことにより、シール部が液体ポート開口部先端の小径部と接触した際に弾性変形してシール可能であることから好ましい。シール部の内径の好ましい範囲としては、下限側はφ11.9mm以上であり、上限側は12.4mmである。本発明における栓体のシール機構は、栓体を液体ポート開口部へ垂直に押し込み、シール部がJIS T3250(2005)4.4.4に規定される液体ポート開口部先端の小径部の外周と接触した際に、シール部が弾性変形し、元の形状に戻ろうとする力を利用して液体ポートを封止するものである。そのため、シール部に採用する弾性体の硬度が小さすぎると被冠した際に弾性体が意図しない変形をしてシール性を損なう恐れがあるため弾性体の構成材質はJIS K6253(2006)に規定される硬度30以上であることが好ましい。一方、弾性体の硬度が大きすぎると被冠した際に十分な弾性変形を得られずシール性が低下する。更に、打栓及び抜栓時に非常に大きな力を要するため、操作性が悪くなる。そのため、シール部に採用する弾性体の構成材質は上記硬度が90以下であることが好ましい。より好ましい範囲としては、下限側は硬度40以上であり、上限側は硬度70以下である。
本発明における栓体を液体ポートに被冠した際には、まずシール部が液体ポート開口部の先端小径部4に当接、密着し、次いで凸部が、液体ポート円筒部外周面に形成される凹部と嵌合するという順序機構で被冠されることが好ましい。かかる順序機構で被冠されることにより、栓体と液体ポートとを常に特定の位置で把持することができ、不用意に脱栓することを防止し、安定したシール性が得られる。かかる順序機構となるための好ましい寸法範囲としては、下記に限定されるものではないが、例えば、シール部がはじめに液体ポート開口部に当接する位置(例えば、シール部の天面部との反対方向)から上記凸部までの軸線方向の距離(距離A)を、液体ポート開口部から液体ポートの円筒壁2部分に設けられた凹部までの軸線方向距離(距離B)より短くすることによって達成できる。より具体的には、距離Aと距離Bとの差が0.1mm〜0.5mmであると好ましい。なお、ここでの距離AおよびBは、上記シール部位置から上記凸部の最も突出した部分、またはポート開口部から凹部の最も奥行きのある部分までの距離をいう。
以下、図面を参照しながら、本発明による液体ポート用栓体の好ましい実施の形態を説明するが、本発明の栓体はこれに限定されるものではない。
図2aは、栓体の被冠前の状態を側面から示した断面図である。また、図2bは栓体を被冠後の状態を一部断面により示している。
図2aに示す液体ポートの栓体10は、天面部11とこの天面部に連接する円筒部12と、シール部としての弾性体13の3パーツが組み合わされて構成される。天面部11のうち円筒部12との接続部付近には内周面に無理抜き加工で凹溝14が形成されており、凹溝14に弾性体13を組込んでいる。凹溝14には、栓体10の液体ポート1への取り付け取り外し時に組み付けた弾性体13が固定されるような形状である必要があるため、凹溝14の深さは、弾性体13の線径の1/2程度であることが好ましい。また、天面部11の中央にはプラグ部15が形成されており、被冠する際にはプラグ部15が液体ポート開口部3の内周面への案内筒の役割を担う。円筒部12の内周面には、被冠した際に液体ポート1の外周面に形成された凹部9へ嵌合するための凸部16a、16b、16cを等間隔に備えている。栓体10を液体ポート1へ被冠すると、図2bのように栓体10に備えられている弾性体13が液体ポート開口部先端の小径部4の外周部へ密接し、弾性変形することにより封止する。次いで、栓体に3等配に備えられている凸部16a、16b、16cが、液体ポート円筒部外周面に形成される凹部9と嵌合してロックされることで、不用意に脱栓されることを防止し、シール状態が確実に保持される。
本発明の栓体10には円筒部12が設けられているため、操作する際には円筒部12の外周部を掴んで行えばよく、被冠する際には垂直方向の押込みのみで容易であり、かつ、液体ポート1へ手指が直接接触することは確実に避けることができる。また、抜栓する際にも同様に円筒部12の外周部を掴んで液体ポート1の軸方向に真直ぐに引き上げるだけで終了する。その作業は容易であり、かつ、液体ポート1に手指が直接接触することも確実に回避できる。
本発明の液体ポート用栓体が被冠されてなる医療用具の例としては、例えば白血球除去器、血液成分吸着材、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器等が挙げられ、特に限られるものではない。
[実施例1]
以下、本発明に係る実施例を示す。
中空糸膜を用いた血液浄化モジュール(以下、ダイアライザ)に具備される栓体を、透析液ポートに被冠した。透析液ポートは図2aの1に示す形状であり、材質は、ポリカーボネート(曲げ弾性係数2300MPa)であり、JIS T3250(2005)4.4.4に規定された形状である。円筒壁部2の径方向の全周には液体ポート開口部先端から軸線方向で5mmの距離(距離A)に凹部9の最も奥行きのある部分が形成されている。凹部9の形状は、円筒壁2の径方向に1.4mmの奥行きと、その奥行きの先端から液体ポートの基端部側へ45°方向に切削し、直角三角形状で環状に設けたものである。
栓体は、図2aの10に示す形状であり、弾性体13にはJIS K6253(2006)に規定される硬度40または70のEPDM製Oリングを用い、Oリングの線径は1.8mmのものを採用した。栓体円筒部12の内周面のうち、天面から軸線方向で4mmの位置に、無理抜き切削加工した凹部13の最も奥行きのある部分が形成されるように、0.9mmの深さで形成し、この凹部13へOリングを組み付け、栓体10を液体ポート1へ被冠した際には、Oリング13が液体ポート開口部先端の小径部4の外周面に接するものとした。Oリング13が小径部4の外周面に接した際には、Oリング13が弾性変形して、元に戻ろうとする力を利用してシールする機構であるため、Oリング13の内径は小径部4の外径(12.4mm)よりも小さくなる必要があり、本実施例では、Oリング13の内径はφ12.1mmのものを採用した。
また、栓体円筒部12の内周面には、天面11から軸線方向で10.4mmの位置に3つの凸部16a、16b、16cの最も突出した部分が位置されるように径方向に等間隔で形成されている。Oリングの開口部当接位置から凸部の天面部側までの距離(距離B)は4.7mmである。凸部16a、16b、16cの形状は、栓体円筒部の径方向に0.5mm突出したものであり、突出した先端では円筒部12の軸線方向に0.4mmストレート部を有し、ストレート部から開口部側へ45°方向に斜面が形成されている。3つの凸部16a、16b、16cを通る栓体10の最内周径はφ14.4mmとした。この径は液体ポート円筒壁2の直径(14.9mm)よりも小さいため、栓体10を液体ポート1に被冠する際には、凸部16a、16b、16cが液体ポート円筒壁2と接触し、変形しながら基端部側へ進行し、液体ポート外周部の凹溝9へ到達し、嵌合する。
栓体の材質はポリエチレンで、曲げ弾性係数はJIS K7171(1994)に記載の引っ張り試験における測定値が820MPaのものを使用した。
この栓体を液体ポート開口部へ垂直に押し込むことによって取り付け、シールしたダイアライザを照射量25kGyでガンマ線照射滅菌し、容器内圧の上昇によって内部溶液が漏洩するか否かを検討した。
30本のサンプルを用いて実施した結果、漏洩したサンプルはなかった。
[比較例1]
実施例1に記載した透析液ポートに、実施例1に記載の栓体10のうち弾性体シール部13を備えない点のみが異なる栓体を被冠した。
この栓体を、実施例1に記載の方法で打栓を行い、実施例1に記載の方法でシール性を確認した。
その結果、全てのサンプルで漏洩していたため、実施例1に比べてシール性が格段に小さいことが確認された。
1 液体ポート(JIS T3250 4.4.4(2005)規定)
2 円筒壁
3 開口部
4 先端小径部
5 肩部
6 凹部
7 円筒壁
8 肩部
9 凹部
10 栓体
11 天面部
12 円筒部
13 弾性体シール部
14 凹溝
15 プラグ部
16a 凸部
16b 凸部
20 従来の栓体
21 保持部
22 装着部
23 凹陥部

Claims (6)

  1. 医療用具の液体ポート開口部に被冠される、天面部と該天面部に連接する円筒部とからなる円筒状栓体であり、前記円筒状栓体は、前記円筒部内周面には径方向全周に突出するシール部と、前記液体ポートの円筒壁外周面のうちJIS T3250(2005)4.4.4に規定される凹部より開口部側に形成された凹部と嵌合するための3つ以上の隔離した凸部を備え、前記液体ポート開口部被冠時、前記液体ポート開口部におけるJIS T3250(2005)4.4.4に規定される先端小径部の外周面に前記シール部が当接することを特徴とする医療用具の液体ポート用栓体。
  2. 前記液体ポート被冠時、前記シール部が前記液体ポートの先端小径部の外周面に当接し、次いで、前記3つ以上の隔離した凸部が前記形成された凹部と嵌合する順序で前記液体ポートを被冠する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の医療用具の液体ポート用栓体。
  3. 前記シール部の構成材質がJIS K6253(2006)に規定される硬度30以上、90以下の範囲にある材質で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用具の液体ポート用栓体。
  4. 前記天面部と前記円筒部が、曲げ弾性係数150MPa以上、1600MPa以下の範囲にある材質で形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用具の液体ポート用栓体。
  5. 前記凸部が、前記栓体円筒部内周面の径方向に等間隔に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療用具の液体ポート用栓体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の栓体が液体ポートに被冠されてなる医療用具。
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